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JP3769151B2 - 三階建て住宅の動吸振器 - Google Patents
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JP3769151B2 - 三階建て住宅の動吸振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量鉄骨H型鋼により鉄骨躯体を構成した三階建てなどの住宅に、動吸振器を施工するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人口の密集化および地価の高騰等により、市街地に2世代3世代住宅を目的とした三階建て住宅が建設される傾向がある。
人口の密集化は、建設作業の増加、工場および事業所周辺の宅地化、交通量の増加を招き、それに伴い振動公害が問題視されてきている。それらは主に、建設作業、工場、事業所、道路交通を発生源とするものである。これらの振動が建物に伝達され建物内の住人に違和感を与える場合がある。
構造物に加わる振動を低減する方法としては、特開平9−13740号公報に示すごとく、基礎と構造物の間に減衰装置を配するものや、特開平10−82208号公報に示すごとく、建物の屋上に振動制御を配置するものも知られている。
そして、上記のように立地条件に左右されず、2世代3世代の住人が快適に生活を行える住宅が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、ラーメン工法の鉄骨構造躯体を用いた三階建て住宅は周知とされているのであるが、これらは、マンションや集合住宅等のような、多数の家族が居住するような建物に関するものであり、一戸建ての三階建て住宅の場合には、それに見合ったコストと構造の三階建て住宅の設計と、プランニングが必要となってくるのである。
前述の特開平9−13740号公報に示す技術では、十分な振動除去を行うのが困難であり、地震による建物への負荷を軽減できても、交通振動などの振動公害に適応するのは困難である。
さらに、特開平10−82208号公報に示す技術では、ビルなどの質量の大きな建物の振動制御を行うものであり、ビルよりはるかに質量の小さい住宅に発生する交通振動等の微振動を対象とはしていない。
上記のように、従来の技術では立地条件に左右されず、自由な居住空間の設計ができ、住人が快適に生活を行える住宅を建設するのは困難である。
【0004】
住宅においては、住宅用動吸振器を配設することにより、交通振動などの振動面において快適な住環境を確保することができる。
このためには、躯体の振動を確実に動吸振器に伝達するために、動吸振器を住宅に強固に取り付ける必要がある。
また、住宅に動吸振器を取り付ける際に、構成を大幅に変更すると施工費が高くなる。住宅の基本的な構成を維持するとともに動吸振器を配設することが望まれる。
【0005】
しかしながら、前記動吸振器の質量は、住宅の質量の約 1パーセントもあるため、クレーン車などの重機により搬入する必要があり、道幅の狭い道路に面した住宅など重機の往来が困難な場所に建てられた住宅には、該動吸振器を設置することが困難であった。
【0006】
本発明は前記の点を鑑み、どのような立地条件の住宅にも動吸振器を取り付けることが可能な施工方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための構成を説明する。
【0008】
一階・二階・三階の通し梁1a・1b・1cと、該通し梁1a・1b・1cの上下に接続される一階・二階・三階の分断柱12・15・16により、鉄骨構造の躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の三階建て住宅の上部に動吸振器26を配設し、地盤より基礎部25を介して伝達され、居住者に影響を与える1〜6Hzの振動を、該動吸振器26により吸収する構成において、該動吸振器26は、弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体27により構成され、該減衰部材Dおよび質量体27が動吸振器フレーム26aに接続され、該動吸振器フレーム26aにより動吸振器が住宅に固設され、該動吸振器26の質量体27を、住宅の約1パーセントの重量とし、該質量体27を水平方向にスライスして、人力で持ち上げることが可能な重さに薄板状に分割し、該薄板状の質量板27a・27a・・・には、ボルト孔27b・27b・・・を開口し、該質量板27a・27a・・・を重ねて一体化し、該質量体27を多数の車輪34・34・・・を配設した台車33の上面に載置し、側面にバネ等の弾性部材Sとダンパー等の減衰部材Dを有した箱型の動吸振器フレーム26aに収納して、動吸振器26を形成するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
図1は三階建て住宅の構成を示す俯瞰図、図2は本発明に用いる住宅の通し梁1aと、一階柱12と二階柱15の部分の柱・梁接合部を構造を示す斜視図、図3は住宅の振動の受け止め方を示した模式図、図4は動吸振器の作動構成を示す模式図、図5は動吸振器の制振機構を示す模式図、図6は動吸振器の重り部(マス部)の分割構成を示す斜視図、図7は動吸振器の組立構成を示す斜視図である。
【0010】
図8は屋上に動吸振器を配置した住宅を示す斜視図、図9は設置開口部を設けた屋上の断面図、図10は設置開口部の斜視図、図11は防水シートを被装した設置開口部の断面図、図12は下地合板を載置した設置開口部の断面図、図13は同じく斜視図、図14は取付台及び下地合板の固定状態を示す断面図、図15は取付台の斜視図、図16は取付台を載置した設置開口部の断面図、図17は取付台上に動吸振器を載置した状態を示す斜視図、図18は動吸振器の防水作業の構成を示す側面断面図、図19は動吸振器の防水構成を示す側面断面図である。
【0011】
図1と図2において、三階建て住宅のラーメン工法について説明する。
動吸振器が配設される三階建て住宅のラーメン工法は、図1において、その要部が図示されているように、通し柱および梁により構成されるものではなく、通し梁1a・1b・1cおよび該通し梁1a・1b・1cに接続される柱により構成されるものである。
通し柱を有する柱勝ちではなく、通し梁1a・1b・1cを有する梁勝ちの構成として、一階柱12と二階柱15と三階柱16は、分断された柱であり、図2のごとく、通し梁1aの上下に接合される構造であるので、一階柱12の上に、二階柱15があり、二階柱15の上に三階柱16がある必要がなくなり、各階で必要に応じた柱本数を求めるため、上方階へ行くに連れて、分断柱の数を少なくすることが出来るのである。
図2においては、本発明に用いられる住宅のラーメン工法における梁・柱接合部が図示されており、トルシア型のハイテンションボルトにより、通し梁1aと一階柱12と二階柱15等を連結する構造として、耐震性を向上させているのである。
【0012】
次に、本発明に用いる住宅の耐振動構成について、図3を用いて説明する。
バランスの悪い住宅21bにおいては、振動を受けた場合には、建物にねじれが生じやすい。この場合に発生する振動にはねじれの要素が加わるため、振動の成分が多くなるとともに、時間的な変化が複雑であり、振動を抑制することが困難である。また、住宅にかかる負荷が大きい。
梁勝ち構造の住宅21では、水平方向に配設された梁に必要な数の柱をバランス良く配設でき、水平方向に対するバランスおよび剛性が高く、振動を水平に受け止めることができる。
これにより、住宅の受ける振動を単純化でき、該振動を容易に抑制することができる。また、住宅の受ける負荷を軽減でき、住宅の耐久性を向上できる。
【0013】
次に、動吸振器による住宅の振動抑制の機構について説明する。
住宅の上部には、図4に示すごとく、動吸振器26が配設されており、該動吸振器26により振動源より地盤を介して住宅に伝達される振動が解消されるものである。
図4(a)に示す状態の住宅が、図4(b)に示すごとく、住宅に振動が伝達されると、図4(c)に示すごとく、住宅が揺れ始める。該住宅が揺れることにより、動吸振器に揺れが伝達され、図4(d)に示すごとく、動吸振器が伝達された揺れに対して逆位相の力を住宅に与えるため、図4(e)に示すごとく、住宅の揺れを解消できるのである。
【0014】
次に、動吸振器の構成について説明する。
動吸振器は、一般的に弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体Mにより構成されており、該弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体Mが動吸振器のフレームに接続され、該フレームにより動吸振器が住宅に固設されるものである。
また、弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体Mの結合方法は、図5(a)に示すごとく、弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体Mを直線的に接続することも可能である。また、図5(b)に示すごとく、弾性部材Sと減衰部材Dを並列に接続して、質量体Mに接続する方法などがある。
一般に、質量体Mの質量は住宅の約1パーセントとされている。
また、図5(c)に示すごとく、1方向の振動を吸収する動吸振器を2つ配設し、前後左右方向の振動を吸収させることも可能である。
もしくは、1つの質量体Mに前後左右方向にそれぞれ一対の弾性部材Sおよび減衰部材Dを接続し、1つの動吸振器により、前後左右方向の振動を吸収することもできる。
本発明は、動吸振器を特に特定するものではなく、住宅に配置可能であって、振動を吸収できるものであれば良い。特に、1つの質量体Mに前後左右方向に作用する一対の弾性部材Sおよび減衰部材Dを接続したものを用いることにより、動吸振器の配置スペースを小さくでき、設置が容易になる。
【0015】
前述のごとく、動吸振器は、一般的に弾性部材、減衰部材および質量体により構成されるため、一定の周波数特性を有する。周波数特性は、質量体が変位しやすい周波数であり、弾性部材および減衰部材の特性(弾性係数、摩擦係数もしく粘性)を変化させることにより、調節できるものである。
また、減衰部材により、振動を熱エネルギーに変換して、振動の低減を行うため、該減衰部材が作動するための、ある程度のストロークを必要とするものである。
このため、動吸振器により吸収を行う振動は、ある程度周期の大きいものとなる。振動公害の対象範囲は、一般に1〜80Hzのものとされている。この範囲において、特に居住者に影響を与える1〜6Hzの振動が動吸振器26により低減されるものである。
すなわち、本発明は、地盤より基礎部25を介して伝達される振動を住宅の躯体により受け止めて、住宅上部に配設した動吸振器26により吸収するものである。
これにより、住宅に居住する人の感じる振動が低減され、住人を振動公害より保護することができるものである。
【0016】
次に、動吸振器の配設構成について説明する。
動吸振器は、前述のごとく、住宅に伝達された振動を低減させるために、住宅の上部に配設されるものである。また、振動を効率的に吸収するためには、動吸振器の取り付け剛性を高くする必要がある。動吸振器の躯体への取り付け剛性が低い場合には、動吸振器の接続部における制振時の変形により、遊びが生じ動吸振器に住宅の振動が伝達されにくくなる。同様に、動吸振器による振動に対する抗力も住宅に伝達されにくくなることが考えられる。
このため、動吸振器を住宅に取り付ける際には、動吸振器の取り付け剛性を高くし、動吸振器への振動の伝達および、動吸振器の振動に対する抗力を住宅に効率的に伝達する必要がある。
以下において、動吸振器を小屋面に配設する実施例について説明するが、該動吸振器を同様に屋根面もしくは床面の梁に配設することもできる。
【0017】
次に、動吸振器の分割構成について説明する。
図6に示すように、動吸振器26の重り部分として住宅の約1パーセントの重量を占める質量体(マス部)27を水平方向にスライスして、人力で持ち上げることが可能な重さに薄板状に分割して加工し、該薄板状の質量板27a・27a・・・の4隅並びに各辺の中央部付近には、ボルト孔27b・27b・・・を開口する。
そして、該質量板27a・27a・・・を重ね、互いに隣接するボルト孔27b・27b・・・同士は、重ね合わせた質量板27a・27a・・・の上面と下面から千鳥掛けにして固定ボルト28・28・・・を挿入、すなわち、該質量板27a・27a・・・の4隅のボルト孔27b・27b・・・には、上面から固定ボルト28・28・・・を挿入し、各辺の中央部付近のボルト孔27b・27b・・・には下面から固定ボルト28・28・・・を挿入して該固定ボルト28・28・・・を挿入した面の裏面から固定ナット29・29・・・と締結して該質量板27a・27a・・・を堅固に一体化する。
【0018】
前記動吸振器26の質量は、前述の如く住宅の質量の約 1パーセントもあるため、クレーン車などの重機により搬入する必要があったのだが、このように動吸振器26の質量体(マス部)27を分割可能な構成にすることにより、道幅の狭い道路に面した住宅など重機の往来が困難な場所に建てられた住宅にも、質量板27a・27a・・・を人力で搬入することができるのである。
そして、図7に示すように、搬入した前記質量板27a・27a・・・を重ね合わせて前述の固定ボルト28・28・・・で締結して質量体(マス部)27を形成し、該質量体(マス部)27をその重量に耐えられるように多数の車輪34・34・・・を配設した台車33の上面に嵌合させて載せ、側面に図示せぬバネ等の弾性部材とダンパー等の減衰部材を有した箱型の動吸振器フレーム26aに収納して動吸振器26を形成し、住宅に固設するのである。
【0019】
次に、動吸振器26の取付構造について説明する。
図8はフラット屋根の住宅の屋上31に動吸振器26を配置した一実施例であり、動吸振器26を住宅のもっとも高い位置に配設している。振動伝達により住宅に発生する振幅は、前述の如く、基礎部より上方になるにつれて大きくなる。このため、動吸振器26を住宅のもっとも高い位置に配設することにより、住宅に伝播される振動を効率的に吸収することができる。
動吸振器26の振動吸収力を最大限活用するためには、このようにフラット屋根の住宅の屋上31に配置する他、屋上の床下に収納することも可能であるし、また、勾配屋根の住宅においては、小屋裏や屋根上など様々な配置が可能であり、同様の効果が得られるものである。
【0020】
フラット屋根の住宅の屋上31は、図9に示すように軽量気泡コンクリート50(以下、ALCと呼ぶ)上に、断熱材51を敷きつめて断熱層を形成し、さらにその上部を防水シート52で覆うことにより構成されている。そしてこのような構成の屋上31に前記動吸振器26を設置する場合には、まず、図9及び図10で示すように、屋上31の適切な位置において防水シート52及び断熱材51を取り外すことにより、設置開口部53を形成する。設置開口部53の大きさ、形状は特に限定されるものではなく、設置する動吸振器26の形状、または設置台数等に応じて適宜調整する。
【0021】
以上の構成により、設置開口部53内において後述する動吸振器の取付台60を安定して支持することが可能となり、また、動吸振器26を設置開口部53内に埋没させることにより、上下高さを低くすることが可能となり、横風を受ける面積を小さくして耐久性を強化するとともに、メンテナンス性にも優れた構成となった。また、断熱材51及び防水シート52はカッター等を用いて容易に取り外しが可能であり、設置開口部53の形成が容易で、且つ低コストで取付台60の設置が可能となった。
【0022】
次に図11で示すように、設置開口部53に防水シート52aを敷いてALC50に対する防水処理を施す。防水シート52aは図11及び図13で示すように外縁部分を長めに形成し、設置開口部53周囲の防水シート52上に被さるようにして固着させ、住宅に対する防水効果を確実なものとしている。
そして、図12及び図13で示すように、防水シート52aを敷いた設置開口部53上に下地合板54・55を載置する。
【0023】
下地合板54は図14で示すように、防水シート52aを敷いたALC50上に載置される。本実施例においては、防水シート52a上にシリコン系の接着材を塗布することにより、下地合板54をALC50上に固定している。また、該下地合板54には、適所にボルト頭部を収容するための座堀54a・54a・・・が形成されており、下地合板54の下部側から該座堀54aにボルト56を挿入している。
また、下地合板54の上部には、さらに下地合板55が積重ねられており、該下地合板55には前記下地合板54に形成された座堀54a・54a・・・と平面視で同一位置に、ボルト孔55a・55a・・・が形成されている。そして、座堀54aから上方に突出する前記ボルト56の先端がボルト孔55a内を貫通してさらに下地合板55の上面側に突出している。
【0024】
そして、下地合板55の適所には、その上面側からALC釘57・57・・・を打ち込んでいる。ALC釘57は下地合板54・55を貫通させて、さらに防水シート52aを貫通して、ALC50に打ち込まれ、下地合板54・55を確実にALC50に固定可能としているのである。なお、下地合板54・55間にも同様にシリコン系の接着材を塗布することにより、合板間の接合状態を強固にしている。
【0025】
以上の構成によりALC50上に載置された下地合板55上に、前記動吸振器26の取付台60を載置するのである。取付台60は、本実施例においては、複数のH型鋼61・61・・・より構成されており、図14、図15および図16に示すようにH型鋼61の下部プレート61aが前述したボルト56により固定される。下部プレート61aには設置した状態において、前述した下地合板55のボルト孔55aと同位置にボルト56の径よりもやや大き目の取付穴61b・61b・・・が穿設されており、下地合板55の上面側に突出した前記ボルト56が該取付穴61bを貫通して上方に突出し、その端部をナットで固定している。
【0026】
このようにして、設置開口部53に載置固定された取付台60上には、図17で示すように動吸振器26の本体が設置されるのである。図17においては、4本のH型鋼61・61・・・を略四方形に組み立てることにより取付台60を形成しているが、この形状は載置される動吸振器26の形状に合わせて適宜変更すればよい。また、H型鋼の代わりに角パイプ等を利用することも可能であり、その形状は特に限定するものではない。
【0027】
本発明の動吸振器26は上記の如く、下地合板54・55上に載置される構成となっているので、動吸振器26の重量を床、屋根に分散させることで、動吸振器26の設置に伴う住宅の強度上の問題を解消した。また、動吸振器26の振動を下地合板54・55を介して平面的に伝達することで、動吸振器26の振動を確実に住宅に伝達可能となった。
【0028】
上記の如く、動吸振器26を設置した後に、図18および図19に示す如く、下地合板54・55およびH型鋼61をカバー71により覆装し、該カバー71を防水シート52aにシール剤等により接着固設する。
カバー71の外側下部に断熱材51を配設し、カバー71側方の凹部を埋め、断熱材51およびカバー71の下部側面を防水シート52cにより覆装し、該防水シート52cをカバー71および防水シート52に接着する。
これにより、動吸振器26の防水を行うことができるとともに、ALC50に対する防水処理を行うことができる。
【0029】
上記の動吸振器26は前述の如く、受け身的に振動を吸収するものであり、受動型のものである。質量体に振動が伝達されて、減衰部材により振動のエネルギーを吸収するものである。
しかし、動吸振器としては質量体およびモータにより構成される能動型のものも存在する。この動吸振器はセンサにより住宅に伝達された振動を検知し、この振動を、質量体をモータにより駆動し、変位させることにより、解消するものである。この動吸振器においては、質量体を能動的に駆動するため、該質量体の質量を小さくできる。
本実施例においては、動吸振器を受動型のものから能動型のものに取り替えることも可能である。
【0030】
能動型の動吸振器は、質量体を小さくできるので、受動型の動吸振器より仕様が小さくなる。このため、受動型の動吸振器を配設していた場所に能動型の動吸振器を配設することができる。振動の効率的な低減のためには、動吸振器を上記の如く、住宅の上部に配置する必要がある。
このため、能動型の動吸振器を適当な接続部材により配設し、受動型の動吸振器を能動型の動吸振器に交換できるものである。
このため、将来的な交通量の増加などにより増加すると予想される振動公害に対して、より制振効果の高い能動型の動吸振器に容易に交換することができる。このため、将来的な環境変化に対応可能であり、将来的な動吸振器の施工費を軽減できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりであるので、次のような効果を奏する。
一階・二階・三階の通し梁1a・1b・1cと、該通し梁1a・1b・1cの上下に接続される一階・二階・三階の分断柱12・15・16により、鉄骨構造の躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の三階建て住宅の上部に動吸振器26を配設し、地盤より基礎部25を介して伝達され、居住者に影響を与える1〜6Hzの振動を、該動吸振器26により吸収する構成において、該動吸振器26は、弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体27により構成され、該減衰部材Dおよび質量体27が動吸振器フレーム26aに接続され、該動吸振器フレーム26aにより動吸振器が住宅に固設され、該動吸振器26の質量体27を、住宅の約1パーセントの重量とし、該質量体27を水平方向にスライスして、人力で持ち上げることが可能な重さに薄板状に分割し、該薄板状の質量板27a・27a・・・には、ボルト孔27b・27b・・・を開口し、該質量板27a・27a・・・を重ねて一体化し、該質量体27を多数の車輪34・34・・・を配設した台車33の上面に載置し、側面にバネ等の弾性部材Sとダンパー等の減衰部材Dを有した箱型の動吸振器フレーム26aに収納して、動吸振器26を形成するので、梁勝ち構造の住宅21では、水平方向に配設された梁に必要な数の柱をバランス良く配設でき、水平方向に対するバランスおよび剛性が高く、振動を水平に受け止めることができる。
これにより、住宅の受ける振動を単純化でき、該振動を容易に抑制することができる。また、住宅の受ける負荷を軽減でき、住宅の耐久性を向上できる。
また、鉄骨構造により躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の住宅に動吸振器を固設する際に、該動吸振器を構成する分割された質量体27を一体化することにより、住宅の質量の約1パーセントもある動吸振器を人力により運搬することが可能となり、道幅の狭い道路に面した住宅などクレーン車等重機の往来が困難な場所に建てられた住宅にも、動吸振器を配設することができる。
【0032】
また、鉄骨構造により躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の住宅に動吸振器を固設する際に、該動吸振器を構成する薄板状に分割された質量体27を重ね合わせて一体化することにより、道幅の狭い道路に面した住宅などクレーン車等重機の往来が困難な場所に建てられた住宅にも、動吸振器を運搬することが可能となり、運搬後の組み立てもボルト等の締結部材で締結するだけで容易に結合し組み立てることができる。
【0033】
また、鉄骨構造により躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の住宅に動吸振器を固設する際に、該動吸振器の質量体27を分割して搬入し、一体化することにより、クレーン車等の重機を用意する必要がなく、重機の往来が困難な場所に建てられた住宅にも、動吸振器を運搬することが可能となり該重機の手配に要するコストの削減にも繋がるとともに、重機の往来が困難な場所に建てられた住宅等どのような立地条件の住宅にも、容易に動吸振器を搬入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 三階建て住宅のラーメン工法を示す俯瞰図。
【図2】 通し梁1aと、一階柱12と二階柱15の部分の柱・梁接合部を構造を示す斜視図。
【図3】 住宅の振動の受け止め方を示した模式図。
【図4】 動吸振器の作動構成を示す模式図。
【図5】 動吸振器の構成を示す模式図。
【図6】 動吸振器の重り部(マス部)の分割構成を示す斜視図。
【図7】 動吸振器の組立構成を示す斜視図。
【図8】 屋上に動吸振器を配置した住宅を示す斜視図。
【図9】 設置開口部を設けた屋上の断面図。
【図10】 設置開口部の斜視図。
【図11】 防水シートを被装した設置開口部の断面図。
【図12】 下地合板を載置した設置開口部の断面図。
【図13】 同じく斜視図。
【図14】 取付台及び下地合板の固定状態を示す断面図。
【図15】 取付台の斜視図。
【図16】 取付台を載置した設置開口部の断面図。
【図17】 取付台上に動吸振器を載置した状態を示す斜視図。
【図18】 動吸振器の防水作業の構成を示す側面断面図。
【図19】 動吸振器の防水構成を示す側面断面図。
【符号の説明】
1a・1b・1c 通し梁
12・15・16 柱
26 動吸振器
26a 動吸振器フレーム
27 質量体(マス部)
27a 質量板
33 台車

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  1. 一階・二階・三階の通し梁1a・1b・1cと、該通し梁1a・1b・1cの上下に接続される一階・二階・三階の分断柱12・15・16により、鉄骨構造の躯体を構成した梁勝ちラーメン構造の三階建て住宅の上部に動吸振器26を配設し、
    地盤より基礎部25を介して伝達され、居住者に影響を与える1〜6Hzの振動を、該動吸振器26により吸収する構成において、該動吸振器26は、弾性部材S、減衰部材Dおよび質量体27により構成され、該減衰部材Dおよび質量体27が動吸振器フレーム26aに接続され、該動吸振器フレーム26aにより動吸振器が住宅に固設され、該動吸振器26の質量体27を、住宅の約1パーセントの重量とし、該質量体27を水平方向にスライスして、人力で持ち上げることが可能な重さに薄板状に分割し、該薄板状の質量板27a・27a・・・には、ボルト孔27b・27b・・・を開口し、該質量板27a・27a・・・を重ねて一体化し、該質量体27を多数の車輪34・34・・・を配設した台車33の上面に載置し、側面にバネ等の弾性部材Sとダンパー等の減衰部材Dを有した箱型の動吸振器フレーム26aに収納して、動吸振器26を形成することを特徴とする三階建て住宅の動吸振器。
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