JP3770282B2 - 強誘電体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強誘電体記憶装置に関し、特に、読出しの高速化、省電力化等に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性の半導体メモリとして、強誘電体コンデンサを用いた強誘電体メモリが知られている。図8に、強誘電体メモリの回路構成の一部を示す。強誘電体メモリは、記憶用強誘電体コンデンサ4と負荷用コンデンサ6とを備えている。図9に、記憶用強誘電体コンデンサ4に関する電圧(図8に示すプレートラインPLを基準電位とした場合のビットラインBLの電位)と分極状態(図においては、”分極状態”と等価な”電荷”で表わしている)との関係を表わす履歴曲線を示す。
【0003】
図9において、残留分極Z1を生じている状態を第1の分極状態P1(記憶内容”H”に該当)とし、残留分極Z2を生じている状態を第2の分極状態P2(記憶内容”L”に該当)とする。記憶用強誘電体コンデンサ4がいずれの分極状態にあるかを調べることにより、記憶用強誘電体コンデンサ4の記憶内容を読み出すことができる。
【0004】
記憶用強誘電体コンデンサ4がいずれの分極状態にあるかを調べるには、図8に示す負荷用コンデンサ6を放電させた後、ビットラインBLをフローティング状態とし、その後、プレートラインPLに読出用電圧Vpを与え、このとき記憶用強誘電体コンデンサ4の両端に生ずる分圧Vfを測定する。
【0005】
図9に示す図式解法によれば、負荷用コンデンサ6の静電容量を直線L1の傾きで表わした場合、記憶用強誘電体コンデンサ4が第1の分極状態P1であれば、記憶用強誘電体コンデンサ4の両端に生ずる分圧VfはV1となり、第2の分極状態P2であれば、分圧VfはV2となる。したがって、基準電圧Vrefを図9のように設定しておけば、読出時における記憶用強誘電体コンデンサ4の両端に生ずる分圧Vfと基準電圧Vrefとを比較することにより、記憶用強誘電体コンデンサ4がいずれの分極状態にあるかを調べることができる。
【0006】
この場合、電圧V1と電圧V2との差分が大きいほど、記憶内容の検出マージンが大きくなるため都合がよい。一方、電圧V1と電圧V2との差分電圧ΔVは、記憶用強誘電体コンデンサ4の電圧・電荷特性と負荷用コンデンサ6の電圧・電荷特性とにより変化することが知られている。図10は、記憶用強誘電体コンデンサ4の電圧・電荷特性を一定とした場合の、負荷用コンデンサ6の静電容量(電圧・電荷特性)と差分電圧ΔVとの関係を例示した図面である。
【0007】
従来は、差分電圧ΔVが最大となるよう、負荷用コンデンサ6の静電容量C0(図10の場合は、C0≒5pF)を設定していた。これにより、記憶内容の検出マージンを大きくとることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の強誘電体メモリには、次のような問題点がある。図10は、プレートラインPLに読出用電圧Vpを与える時間を無限大とした場合における、負荷用コンデンサ6の静電容量と差分電圧ΔVとの関係を示すものであり、従来は、このような関係に基づいて静電容量C0を決定していた。
【0009】
しかし、読出用電圧Vpを与える時間は実際には有限であり、上述のようにして決定された静電容量C0が、実際の読出時間に対して、差分電圧ΔVの最大値を与えるとは限らない。
【0010】
また、読出用電圧Vpを与える時間を短くするほど、差分電圧ΔVは小さくなる。したがって、読出用電圧Vpを比較的長時間与える場合には、差分電圧ΔVが十分大きいため、記憶内容の検出に支障はないが、読出用電圧Vpを短時間しか与えない場合には、差分電圧ΔVが小さくなるため、記憶内容の検出に支障をきたす。このため、上述の強誘電体メモリにおいては、読出動作をあまり高速にすることができなかった。また、この結果、読出動作時の消費電力をあまり小さくすることができなかった(図11参照、後述)。
【0011】
この発明はこのような問題を解決し、実際の読出時間に対応した適正な負荷用コンデンサを備え、また、読出動作を高速に行なうことができ、消費電力の小さい強誘電体記憶装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の強誘電体記憶装置は、第1の記憶内容に対応する第1の分極状態、または第2の記憶内容に対応する第2の分極状態を保持し得る記憶用強誘電体コンデンサ、前記記憶用強誘電体コンデンサに対し、直列に接続され得る負荷用コンデンサ、直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し所定の読出用電圧が印加されたとき、前記記憶用強誘電体コンデンサに発生する分圧に基づいて、記憶内容を検出する記憶内容検出手段、を備えた強誘電体記憶装置において、直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、特性決定用電圧を印加し、記憶用強誘電体コンデンサの電圧および電荷特性を一定としたときの負荷用コンデンサの静電容量と差分電圧との関係を印加時間をパラメータとして求め、前記記憶内容検出手段の検出限界に対応する電圧値に近い値を差分電圧の最大値とするような印加時間を選択し、当該印加時間において差分電圧を最大とする静電容量を前記負荷用コンデンサの静電容量としたこと、を特徴とする。
【0013】
この発明の強誘電体記憶装置は、直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、前記読出用電圧とほぼ同一の特性決定用電圧を印加したこと、を特徴とする。
【0014】
この発明の強誘電体記憶装置は、前記読出用電圧の印加時間経過後、速やかに前記記憶内容検出手段の検出動作を行なわせるよう構成したこと、を特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
この発明の強誘電体記憶装置は、直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、特性決定用電圧を印加し、記憶用強誘電体コンデンサの電圧および電荷特性を一定としたときの負荷用コンデンサの静電容量と差分電圧との関係を印加時間をパラメータとして求め、前記記憶内容検出手段の検出限界に対応する電圧値に近い値を差分電圧の最大値とするような印加時間を選択し、当該印加時間において差分電圧を最大とする静電容量を前記負荷用コンデンサの静電容量としたこと、を特徴とする。
【0018】
したがって、特性決定用電圧を無限大時間印加した場合に差分が最大になるよう負荷用コンデンサの電圧・電荷特性を設定する従来の強誘電体記憶装置に比し、実際の使用に近い状態で差分が最大となるよう負荷用コンデンサの電圧・電荷特性を設定することができる。このため、実際の読出時間において差分が最大となるような負荷用コンデンサを得ることができる。また、読出時間の高速化に対応した負荷用コンデンサを設定することができる。
【0019】
すなわち、実際の読出時間に対応した適正な負荷用コンデンサを備え、また、読出動作を高速に行なうことが可能で、消費電力の小さい強誘電体記憶装置を実現することができる。
【0020】
この発明の強誘電体記憶装置は、直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、前記読出用電圧とほぼ同一の特性決定用電圧を印加したこと、を特徴とする。したがって、読出時間を短縮することができる。すなわち、読出動作を高速に行なうことができる。また、その結果、読出時における消費電力を小さくすることができる。
【0021】
この発明の強誘電体記憶装置は、前記読出用電圧の印加時間経過後、速やかに前記記憶内容検出手段の検出動作を行なわせるよう構成したこと、したがって、読出用電圧の印加、記憶内容の検出の他、これらに付随する記憶内容の再書込など一連の読出動作を高速で行なうことができる。したがって、読出時における消費電力を、さらに小さくすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図2に、この発明の一実施形態による強誘電体記憶装置である強誘電体コンデンサを用いた強誘電体メモリ10の回路図の一部を示す。強誘電体メモリ10は、複数のメモリセルM11、M21...Mmnを行列配置する構成を有している。なお、図2においては、メモリセルM11...M1nの並び(縦方向の並び)を行と呼び、メモリセルM11...Mm1の並び(横方向の並び)を列と呼ぶ。
【0025】
強誘電体メモリ10は、さらに、基準セル駆動回路12、センスアンプAMP1...を有するセンスアンプ部14、基準セルプリセット回路部16を備えている。基準セル駆動回路12により、グローバルセルプレートラインGCP(以下「ラインGCP」という。)を介して、プレートラインPL1に読出用電圧を印加する。センスアンプ部14および基準セルプリセット回路部16が記憶内容検出手段に対応する。また、基準セル駆動回路12およびセンスアンプ部14により、後述する再書込を行なう。
【0026】
なお、この実施形態においては、基準セル駆動回路12を読出用電圧の印加と再書込とにおいて兼用し、センスアンプ部14を記憶内容の検出と再書込とにおいて兼用するよう構成している。このように構成することにより、回路の簡略化を図ることができる。
【0027】
図3にメモリセルM11近傍の拡大回路図を示す。メモリセルM11は、記憶用強誘電体コンデンサC11と選択用トランジスタTR11とを備えている。記憶用強誘電体コンデンサC11の一端は、選択用トランジスタTR11、ビットライン/BL1を介して、負荷用コンデンサCbと直列に電気的に接続される。この実施形態では、負荷用コンデンサCbは、ビットライン/BL1とグランドとの寄生容量として与えられた常誘電体コンデンサである。
【0028】
記憶用強誘電体コンデンサC11の他端は、プレートラインPL1、トランジスタ15、ラインGCPを介して基準セル駆動回路12に接続されている。
【0029】
選択用トランジスタTR11およびトランジスタ15のゲートは、ともにワードラインWL1に接続されている。ビットライン/BL1には、センスアンプAMP1の一端が接続されており、センスアンプAMP1の他端はビットラインBL1を介して、基準セルプリセット回路部16(図2参照)に接続されている。
【0030】
センスアンプAMP1は、センスアンプ駆動回路13により駆動される。センスアンプ駆動回路13は、ラインGCPの信号の立上がりを検知し、一定時間後にセンスアンプAMP1を駆動する。
【0031】
図1に、記憶用強誘電体コンデンサC11に関する電圧(図3に示すプレートラインPL1を基準電位とした場合のビットライン/BL1の電位)と分極状態(図においては、”分極状態”と等価な”電荷”で表わしている)との関係を表わす履歴曲線を示す。図1において、残留分極Z1を生じている状態を第1の分極状態P1(第1の記憶内容である記憶内容”H”に対応)とし、残留分極Z2を生じている状態を第2の分極状態P2(第2の記憶内容である記憶内容”L”に対応)とする。
【0032】
図3に示す負荷用コンデンサCbの静電容量および読出用電圧Vpの印加時間tpは、以下のようにして決定する。直列に接続された記憶用強誘電体コンデンサC11および負荷用コンデンサCbに対し、読出用電圧Vpと同一の特性決定用電圧Vdを時間t(所定有限時間)印加したと仮定したときに、第1の分極状態において記憶用強誘電体コンデンサC11に生ずる分圧Vfと第2の分極状態における分圧Vfとの差分電圧をΔVとする。
【0033】
記憶用強誘電体コンデンサC11の電圧・電荷特性を一定としたときの、負荷用コンデンサCbの静電容量と差分電圧ΔVとの関係を、前記印加時間tをパラメータとして求め、図4のように表わす。
【0034】
つぎに、センスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値に近い値を差分電圧ΔVの最大値とするような印加時間tを選択する。印加時間tにおいて、差分電圧ΔVを最大とする静電容量を、負荷用コンデンサCbの静電容量とする。
【0035】
たとえば、センスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値が0.8Vであるとすると、図4に示すように、差分電圧ΔVの最大値が約0.87Vを示す印加時間t(=2.5nsec)が選択される。また、負荷用コンデンサCbの静電容量Cは、印加時間t=2.5nsecにおいて差分電圧ΔVの最大値を与える静電容量(≒1.25pF)に設定される。
【0036】
このようにして設定した負荷用コンデンサCb(静電容量C≒1.25pF)を用いた場合において、後述する読出動作時にプレートラインPL1に流れる電流Ipおよび記憶用強誘電体コンデンサC11に発生する分圧Vfが、時間の経過とともにどのように変化するかを図5に示す。また、従来の方法で設定された負荷用コンデンサCb(静電容量C≒5pF)用いた場合の同様な図を図11に示す。
【0037】
図5および図11を対比すると、たとえば記憶内容が”H”の場合、図5に示す電流Ipの時間積分値(ハッチング部面積)は、図11に示す電流Ipの時間積分値(ハッチング部面積)に比し、かなり低減されていることがわかる。
【0038】
また、この実施形態においては、読出用電圧Vpの印加時間tp(すなわち読出時間)を、特性決定用電圧Vdの印加時間tと同じく、2.5nsecとしている。図5に示すように、読出用電圧Vpの印加時間tpを2.5nsecとすることにより、電流Ipの時間積分値(格子線部面積)は、さらに減少することがわかる。
【0039】
また、後述するように、読出用電圧Vpの印加時間tpを短くすることにより、再書込に要する時間も短縮することができる。したがって、読出しから再書込み完了までの時間を、いっそう短縮することができる。また、再書込に要する時間を短くすることにより、消費電力をさらに低減することができる。
【0040】
なお、この実施形態においては、センスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値0.8Vは、センスアンプAMP1の製造誤差および所定の検出マージンを含んだ値としている。
【0041】
また、上述のように、センスアンプ駆動回路13は、ラインGCPの信号の立上がりを検知し、一定時間後にセンスアンプAMP1を駆動するよう構成されているが、この実施形態においては、この一定時間を、読出用電圧Vpの印加時間tpとしている。
【0042】
なお、従来のように、特性決定用電圧Vdの印加時間tが無限大のとき(図4に破線で示す)に差分電圧ΔVが最大となるよう負荷用コンデンサCbの静電容量(C0≒5pF)を選択した場合、読出時間を5nsecとしたときは差分電圧ΔVが約0.9Vであるため問題はない。しかし、この場合、読出時間を2.5nsecとしたときは差分電圧ΔVが約0.5Vとなり、上述のセンスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値0.8Vよりも低くなってしまい、誤検出を生ずるおそれが大きいことがわかる。
【0043】
つぎに、強誘電体メモリ10の記憶内容を読み出す場合の動作について説明する。例えばメモリセルM11の記憶内容を読み出す場合には、図2に示すアドレスバッファ18に、該当アドレスを入力する。これにより、行を選択する行デコーダ20および列を選択する列デコーダ22を介してメモリセルM11が選択されることになる。
【0044】
図6に、記憶内容”H”を読出す場合の各信号線等の状態を表わすタイミングチャートを示す。図6、図2を参照しつつ、図1、図3に基づいて記憶内容”H”を読出す場合の動作を説明する。
【0045】
まず、図3に示すビットライン/BL1を”L”とすることにより、負荷用コンデンサCbを放電させ(図6(a)参照)、その後、ビットライン/BL1をフローティング状態にする(図6(b)参照)。
【0046】
つぎに、ワードラインWL1を”H”とすることにより、選択トランジスタTR11およびトランジスタ15をON状態とし(図6(c)参照)、その後、基準セル駆動回路12からの出力にしたがって、ラインGCPを介して、プレートラインPL1を”H”にする(図6(d)参照)。
【0047】
プレートラインPL1を”H”にすることにより、直列に電気的に接続された記憶用強誘電体コンデンサC11および負荷用コンデンサCbの両端に、読出し用電圧Vpが印加されることになる。これにより、図1に示すように、記憶用強誘電体コンデンサC11の分極状態は、P1からP8に向って変化しようとする。
【0048】
一方、センスアンプ駆動回路13は、ラインGCPの立上がりを監視しており、基準セル駆動回路12からの出力にしたがって、ラインGCPが”H”になったあと所定時間待機し、その後速やかにセンスアンプAMP1を動作させる(図6(f)参照)。この待機時間が、読出用電圧Vpの印加時間tp(上述の例では2.5nsec)に該当する。
【0049】
センスアンプAMP1動作時における記憶用強誘電体コンデンサC11の分極状態は、図1に示すP4で示される。図式解法によれば、このとき、記憶用強誘電体コンデンサC11には分圧V1が生じている。したがって、グランドを基準としたビットライン/BL1の電位は図6(e)に示す値となる。
【0050】
センスアンプAMP1は、ビットラインBL1を介して基準セルプリセット回路部16(図2参照)から与えられ、図1に示される基準電圧Vref(しきい値電圧)と記憶用強誘電体コンデンサC11の分圧V1とを比較し(実際には、図1に示す読出し用電圧Vpを基準としたときの、基準電圧Vrefの電位と分圧V1の電位を比較する)、分圧V1の方が高ければ、記憶内容は”H”であると判定し、ビットライン/BL1の電位を”H”にする(図6(g)参照)。このとき、記憶用強誘電体コンデンサC11は、図1に示すように、分極状態P5を呈する。
【0051】
このように、この実施形態においては、読出用電圧Vpの印加時間tpを短かく設定(上述の例では2.5nsec)することで、P1からP8に向って変化しようとする記憶用強誘電体コンデンサC11の分極状態を、P4で停止させている。これにより、分極状態P4からP8に至る、時間および消費電力を低減することができる。
【0052】
なお、この実施形態においては、基準電圧Vrefの値は、分圧V1と後述する分圧V2の中間の値となるように設定している。
【0053】
つぎに、基準セル駆動回路12からの出力にしたがってプレートラインPL1を”L”にする(図6(h)参照)。
【0054】
プレートラインPL1を”L”にすることにより、プレートラインPL1と”H”に維持されたビットライン/BL1との間には電位差が生ずることとなる。この電位差が、図1に示す第1の再書込電圧Vrw1であり、記憶用強誘電体コンデンサC11の両端に印加される。記憶用強誘電体コンデンサC11は、第1の再書込電圧Vrw1を印加され、図1に示す分極状態P6となる。この状態が満充電状態である。
【0055】
記憶用強誘電体コンデンサC11の分極状態をP4で停止させることにより、該分極状態をP8まで放置する場合に比し、再書込(分極状態P5からP6まで)に要する時間および消費電力を低減することができる。
【0056】
つぎに、記憶用強誘電体コンデンサC11が第1の再書込電圧Vrw1により満充電された状態で、ワードラインWL1を”L”に落とす(図6(i)参照)ことにより、選択トランジスタTR11およびトランジスタ15をOFFとし、記憶用強誘電体コンデンサC11をフローティング状態とする。
【0057】
つぎに、列デコーダ22の出力線B1(図2参照)を立ち上げる(図6(j)参照)ことにより、ビットライン/BL1の電位”H”(図6(k)参照)を、出力バッファ24に取込む(図6(l)参照)。その後、センスアンプAMP1をOFFにする(図6(m)参照)ことにより、再びビットライン/BL1をフローティング状態とする(図6(n)参照)。最後に、列デコーダ22の出力線B1を”L”に戻し、読出処理を終了する。
【0058】
読み出し処理の終了後、時間の経過とともに、記憶用強誘電体コンデンサC11は、図1における第1の分極状態P1に戻る。
【0059】
つぎに、記憶内容”L”を読み出す場合の動作を説明する。図7に、記憶内容”L”を読出す場合の各信号線等の状態を表わすタイミングチャートを示す。図6および図7に示すように、この実施形態の強誘電体メモリ10は、記憶内容”H”の読み出しか記憶内容”L”の読み出しかを区別することなく、全く同一の処理手順で読み出しを行なうよう構成されている。
【0060】
したがって、記憶内容”L”の読み出しの動作は、記憶内容”H”の読み出しの動作と同様に行なわれる。ただし、図1に示すように、記憶内容”L”の読み出しの場合は、読み出し時の分極状態が第2の分極状態P2である点で、記憶内容”H”の読み出しの場合と異なる。
【0061】
記憶内容”L”を読み出す場合においては、図1に示す読出用電圧Vpが時間tpだけ印加された場合、記憶用強誘電体コンデンサC11は、分極状態P3を呈する。したがって、記憶用強誘電体コンデンサC11に生ずる分圧VfはV2を示す。なお、このとき、グランドを基準としたビットライン/BL1の電位は図7(a)に示す値となる。
【0062】
記憶内容”H”の読み出しの場合同様、この実施形態においては、読出用電圧Vpの印加時間tpを短かく設定(上述の例では2.5nsec)することで、P2からP9に向って変化しようとする記憶用強誘電体コンデンサC11の分極状態を、P3で停止させている。これにより、分極状態P3からP9に至る、時間および消費電力を低減することができる。
【0063】
前述のように、基準電圧VrefはV2より高い値に設定されているため、センスアンプAMP1は、記憶内容は”L”であると判定し、ビットライン/BL1の電位を”L”にする(図7(b)参照)。
【0064】
ビットライン/BL1の電位を”L”にすることにより、ビットライン/BL1と”H”に維持されたプレートラインPL1との間には電位差が生ずることとなる。この電位差が、図1に示す第2の再書込電圧Vrw2(読出用電圧Vpに等しい)であり、記憶用強誘電体コンデンサC11の両端に印加される。記憶用強誘電体コンデンサC11は、第2の再書込電圧Vrw2を印加され、図1に示す分極状態P7となる。
【0065】
この後、プレートラインPL1を”L”にする(図7(c)参照)ことにより、記憶用強誘電体コンデンサC11の両端にかかる電圧を強制的に0Vとする。これにより、記憶用強誘電体コンデンサC11は、図1における第2の分極状態P2に戻る。このようにして、強誘電体メモリ10の記憶内容を読み出すことができる。
【0066】
なお、上述の実施形態においては、読出用電圧Vpの印加時間tpを、特性決定用電圧Vdの印加時間tと同一に設定したが、読出用電圧Vpの印加時間tpは、特性決定用電圧Vdの印加時間tと必ずしも同一にする必要はない。たとえば、読出用電圧Vpの印加時間tpを、特性決定用電圧Vdの印加時間tより大きく設定することで、読出時の検出マージンをより大きくすることが可能となる。
【0067】
また、上述の実施形態においては、センスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値に近い値を差分電圧ΔVの最大値とするよう、特性決定用電圧Vdの印加時間tを選択し、該印加時間tにおいて、差分電圧ΔVを最大とする静電容量を、負荷用コンデンサCbの静電容量とするよう構成したが、負荷用コンデンサCbの静電容量は、必ずしもこのように選択する必要はない。たとえば、センスアンプAMP1の検出限界に対応する電圧値よりもかなり大きい値を差分電圧ΔVの最大値とするよう、特性決定用電圧Vdの印加時間tを選択し、該印加時間tにおいて、差分電圧ΔVを最大とする静電容量を、負荷用コンデンサCbの静電容量とするよう構成することで、読出時の検出マージンをより大きくすることが可能となる。
【0068】
また、負荷用コンデンサCbの静電容量を、設計上要求される読出用電圧Vpの印加時間tpに対応させて設定することもできる。たとえば、要求される読出用電圧Vpの印加時間tpが小さい場合には負荷用コンデンサCbの静電容量を小さくし、要求される読出用電圧Vpの印加時間tpが比較的大きい場合には負荷用コンデンサCbの静電容量を大きくすることができる。この場合、当該印加時間tpにおいて差分電圧ΔVが最大となるよう負荷用コンデンサCbの静電容量を設定すれば、読出時の検出マージンを大きくすることができるので好都合である。
【0069】
また、上述の実施形態においては、負荷用コンデンサCbとしてビットラインの寄生容量を用いたが、負荷用コンデンサCbとして、別途コンデンサを設けることもできる。また、負荷用コンデンサCbとして常誘電体コンデンサを用いたが、負荷用コンデンサCbとして常誘電体コンデンサ以外のコンデンサを用いることもできる。たとえば、負荷用コンデンサCbとして強誘電体コンデンサを用いれば、記憶用強誘電体コンデンサと負荷用コンデンサCbとを同一工程で作り込むことができる。このため、製造条件にバラ付きがあっても、記憶用強誘電体コンデンサと負荷用コンデンサCbとの特性の比率は一定に保たれるので好都合である。なお、負荷用コンデンサCbとして強誘電体コンデンサを用いる場合は、該強誘電体コンデンサの履歴特性が、負荷用コンデンサの電圧・電荷特性に該当する。
【0070】
また、上述の実施形態においては、記憶用強誘電体コンデンサの電圧・電荷特性をまず設定し、つぎに、所定の条件を満たすよう負荷用コンデンサの電圧・電荷特性を設定する場合を例に説明したが、この発明はこのような手順に限定されるものではない。上述の手順とは逆に、負荷用コンデンサの電圧・電荷特性をまず設定し、その後、所定の条件を満たすよう記憶用強誘電体コンデンサの電圧・電荷特性を設定することもできる。また、記憶用強誘電体コンデンサの電圧・電荷特性と負荷用コンデンサの電圧・電荷特性とを、同時に設定するようにしてもよい。
【0071】
なお、強誘電体メモリ10の読出処理の手順は、図6および図7に示すタイミングチャートに限定されるものではない。さらに、この発明は図2に示す回路構成を有する強誘電体メモリ10に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による強誘電体記憶装置である強誘電体メモリ10に用いられる記憶用強誘電体コンデンサC11の動作状態を説明するための図面である。
【図2】強誘電体メモリ10の回路構成の一部を示す図面である。
【図3】強誘電体メモリ10の回路構成のうち、メモリセル近傍を拡大した図面である。
【図4】記憶用強誘電体コンデンサC11の電圧・電荷特性を一定としたときの、負荷用コンデンサCbの静電容量と差分電圧ΔVとの関係を、時間tをパラメータとして表わした図面である。
【図5】強誘電体メモリ10において、読出動作時にプレートラインPL1に流れる電流Ipおよび記憶用強誘電体コンデンサC11に発生する分圧Vfが、時間の経過とともにどのように変化するかを示した図面である。
【図6】強誘電体メモリ10における記憶内容”H”の読出手順を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】強誘電体メモリ10における記憶内容”L”の読出手順を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】従来の強誘電体メモリの回路構成の一部を示す図面である。
【図9】従来の強誘電体メモリに用いられる記憶用強誘電体コンデンサの動作状態を説明するための図面である。
【図10】従来の負荷用コンデンサの静電容量を決定するための図面である。
【図11】従来の負荷用コンデンサを用いた場合の読出動作時における消費電力を説明するための図面である。
【符号の説明】
AMP1・・・・・ センスアンプ
ΔV・・・・・・・ 差分電圧
Vd・・・・・・・ 特性決定用電圧
t・・・・・・・・ 特性決定用電圧Vdの印加時間
Vp・・・・・・・・読出用電圧
tp・・・・・・・ 読出用電圧Vpの印加時間
Cb・・・・・・・・負荷用コンデンサ
C・・・・・・・・ 負荷用コンデンサCbの静電容量
Claims (3)
- 第1の記憶内容に対応する第1の分極状態、または第2の記憶内容に対応する第2の分極状態を保持し得る記憶用強誘電体コンデンサ、
前記記憶用強誘電体コンデンサに対し、直列に接続され得る負荷用コンデンサ、
直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し所定の読出用電圧が印加されたとき、前記記憶用強誘電体コンデンサに発生する分圧に基づいて、記憶内容を検出する記憶内容検出手段、
を備えた強誘電体記憶装置において、
直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、特性決定用電圧を印加し、記憶用強誘電体コンデンサの電圧および電荷特性を一定としたときの負荷用コンデンサの静電容量と差分電圧との関係を印加時間をパラメータとして求め、前記記憶内容検出手段の検出限界に対応する電圧値に近い値を差分電圧の最大値とするような印加時間を選択し、当該印加時間において差分電圧を最大とする静電容量を前記負荷用コンデンサの静電容量としたこと、
を特徴とする強誘電体記憶装置。 - 請求項1の強誘電体記憶装置において、
直列に接続された前記記憶用強誘電体コンデンサおよび負荷用コンデンサに対し、前記読出用電圧とほぼ同一の特性決定用電圧を印加したこと、
を特徴とするもの。 - 請求項2の強誘電体記憶装置において、
前記読出用電圧の印加時間経過後、速やかに前記記憶内容検出手段の検出動作を行なわせるよう構成したこと、
を特徴とするもの。
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