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JP3770420B2 - 導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシート - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシートに関するものであり、詳しくは、電子部品をその流通経路における各種の外力から保護することおよび視認性を確保することを目的として使用されるエンボスキャリヤ形テーピング用エンボスキャリヤテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エレクトロニクスの進歩により、各種電気電子製品のほとんどにICやLSI等が使用されている。これらの電子部品は、製造された工場からそれを使用するメーカーに届けるまでの間の流通経路において、保管、荷役、輸送などの作業を通じて発生する荷重、振動、衝撃、温度、湿度、塵、埃、静電気などから保護することが必要である。また、電子部品は、高機能で小形薄形化の方向であるために、より壊れやすい状況になってきている。
【0003】
これらの電子部品の流通に使用される材料として、マガジン包装、トレイ包装、エンボスキャリヤ形テーピング等が挙げられる。マガジン包装、トレイ包装等と比べて、エンボスキャリヤ形テーピングは、自動実装が容易であり、また実装連続性が保たれることから、実装作業効率の向上が可能であり、需要が高まっている。
【0004】
エンボスキャリヤ形テーピングのエンボスキャリヤテープやトップカバーテープに帯電防止処理が施されていない場合には、流通経路における振動等によりエンボスキャリヤテープやトップカバーテープと電子部品との間で摩擦帯電し、静電気が発生する。この静電気により電子部品が静電破壊を起こすことがあった。。 現在は、該静電気の発生を防ぐために、カーボンブラックを練り込んだポリ塩化ビニルやポリスチレン等の樹脂が使用されている。カーボンブラックを練り込んだ樹脂は導電性を有するが、黒色のために、包装されている電子部品や部品に表示されている文字等が外から見えにくいという欠点があった。また帯電防止として、カーボンブラックの代わりに、これらのテープに帯電防止剤を塗布したり、練り込んであったりする場合には、帯電防止剤の影響によりICやLSIのリード端子が腐食することがあった。また最近では、環境保全、資源維持等の視点から環境に配慮した廃棄性の向上、省資源化およびリサイクルに適した材料が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な導電性を有し、包装されている電子部品や電子部品に表示されている文字等の確認が容易なエンボスキャリヤ形テーピングのエンボスキャリヤテープを提供することを解決課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構成を持つポリエステルシートが上記の課題を解決することを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、カーボンブラックを1〜重量%含有するポリエステル層を少なくとも片面に共押出積層してなる積層ポリエステルシートであって、光線透過率が60%以上であることを特徴とする導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシートに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明にいう、積層ポリエステルシートとは、全ての層が押出口金からともに溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により、押し出され固化したシートであって、後に縦方向または横方向の一軸方向、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたシートであってもよい。
【0008】
本発明において、積層された層を構成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0009】
本発明において、積層された層を構成するポリエステルは、第三成分を20モル%以下含有した共重合体であってもよい。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
積層されたポリエステルに含有されるカーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、チャネルブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等を挙げることができる。カーボンブラックの含有量は1〜8重量%である。この含有量が1重量%未満では、帯電防止効果が低下し好ましくない。またこの含有量が重量%を超える場合には、ポリエステルに練り込んだ時のカーボンブラックの分散性が悪くなるので好ましくない。またカーボンブラックを含有する層には、滑り性をコントロールする目的で、酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンおよび特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体等を含有させても構わない。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。併用する粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、通常0.02〜3μm、好ましくは0.02〜2μmである。また粒子の含有量も特に限定されるものではないが、通常0.02〜1.0重量%、好ましくは0.04〜0.5重量%の範囲である。
【0011】
積層された層のうちカーボンブラックを含有している層と隣接する層を構成するポリエステルには実質的にカーボンブラックを含有しないことが好ましい。実質的にカーボンブラックを含まないポリエステルとは、前述のポリエステルであって、当該ポリエステルをo−クロルフェノール溶媒に溶解した時の不溶残留カーボンブラック量が、0.05重量%未満であるものを指す。カーボンブラックを実質的に含有しない層は積層であってもよい。
【0012】
積層された層にカーボンブラックを配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階においてカーボンブラックを添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに分散させたカーボンブラックのスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させたカーボンブラックとポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0013】
本発明において、積層されたポリエステルシートのうち、カーボンブラックを前記含有量範囲で含有している層には、前述の粒子以外に、シートの易滑性を向上させるために、有機滑剤を含有させることも好ましい手法である。有機滑剤の種類としては、特に限定するものではないが、脂肪族化合物、脂肪酸エステル類、アルキレンビス脂肪族類および芳香族アミド等が好ましい。脂肪族化合物としては、モンタン酸等炭素数の多いものが好ましい。また、脂肪族エステルとしては、モンタン酸エチレングリコールエステル等が挙げられる。アルキレンビス脂肪族および/または、芳香族アミドとしては、ヘキサメチレンビスベヘンアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、N,N’ージステアリルテレフタルアミド等が挙げられる。これらの有機滑剤のフィルム中の含有量としては、500ppm以下、さらには200ppm以下が好適である。これらの滑剤が余りに多量に混入すると、シートに各種塗布等を施す際の接着性が低下する傾向がある。さらに、シートの接着性を向上させる目的で、層中にポリアルキレングリコール類を含有させることも好適である。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。これらのポリアルキレングリコールを含有させる方法としては、エステル交換中、重合中に反応系に添加する、ポリアルキレングリコールを共重合させた重合体をブレンドする、ポリエステルの乾燥時または、押出時に練り込む等、いかなる方法でもよい。ポリエステル中のポリアルキレングリコールの含有量は特に限定されないが、1.0重量%以下、さらには0.5重量%以下とするのが好ましい。
【0014】
また、層中に、必要に応じて帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
本発明において、ポリエステルシートの全光線透過率は、60%以上、好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。この値が60%未満では、包装されている電子部品や部品に表示されている文字等の視認性が悪化するので好ましくない。
【0015】
本発明において、カーボンブラックを所定量含有する層の表面抵抗率は1×102 〜1×1010Ω/□、好ましくは1×103 〜1×108 Ω/□、さらに好ましくは1×104 〜1×106 Ω/□である。この値が、1×102 Ω/□未満では、外部からの電流が包装されている電子部品に流れて電子部品が壊れてしまうことがある。また、この値が1×1010Ω/□を超える場合には、電子部品との摩擦帯電により、静電気が発生し、この静電気により電子部品が静電破壊を起こすことがある。
【0016】
本発明の積層されたポリエステルシートは、シートとして製膜できる厚さであればよく、例えば30〜600μm、好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは70〜400μm厚みのシートとした場合、優れた効果を発揮する。この値が30μm未満では、エンボス加工後部品を収納して使用される際、引っ張られた時にその応力に耐えられず変形が生じることがある。またこの値が600μmを超える場合には、可撓性が無くなる。
【0017】
次に本発明の中の積層ポリエステルシート製造方法について具体的に説明するが、本発明の積層ポリエステルシートは以下の製造例に何ら限定されるものではない。
先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0018】
次いで、必要に応じて、得られたポリエステルシートは縦方向または横方向の一軸方向、縦方向および横方向の二軸方向に延伸して配向させることができる。例えば二軸配向させる場合について述べるが、まず前記のシートを一方向にロールまたは、テンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、130〜250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向シートを得る。
【0019】
本発明のポリエステルシートの製造工程中にシート表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すことができる。それは、以下に限定するものではないが、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等のコーティング処理を施すことができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)光線透過率
ダブルビーム型分光光度計(日立製作所(株)製 228型)により、タングステンランプ光源を用いて波長350〜1000nm領域で連続的に光線透過率を測定し、記録チャートより900nm波長での光線透過率を読み取り、シートの光線透過率とした。
(2)表面抵抗率
横河・ヒューレット・パッカード社製16008A RESISTIVITYCELLを用いて23℃、50%RHの雰囲気下で試料を設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A HIGH RESISTANCE METERで試料の表面抵抗率を測定した。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエステルA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径(d50)1.45μmのシリカ粒子を0.1部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、ポリエステルAを得た。ポリエステルAのシリカ粒子含有量は0.1%であった。
【0021】
製造例2(ポリエステルB)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを0.1部を混ぜ、、二軸押出機で混練押出しポリエステルBを得た。
製造例3(ポリエステルC)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを0.5部を混ぜ、二軸押出機で混練押出しポリエステルCを得た。
【0022】
製造例4(ポリエステルD)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを2部を混ぜ、二軸押出機で混練押出しポリエステルDを得た。
製造例5(ポリエステルE)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを3部を混ぜ、二軸押出機で混練押出しポリエステルEを得た。
【0023】
製造例6(ポリエステルF)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを4部を混ぜ、二軸押出機で混練押出しポリエステルFを得た。
製造例7(ポリエステルG)
製造例1で得られたポリエステルA100部を乾燥した後、AKZO Chemie社製ケッチェンブラックECを5部を混ぜ、二軸押出機で混練押出しポリエステルGを得た。
【0024】
実施例1
ポリエステルA、Gの各チップをそれぞれ180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、別個の溶融押出機により290℃で溶融押出し、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して複合化シートを得た。得られたシートは、層構成がG/A/Gであり、各層の厚さが0.3/299.4/0.3(μm)で、全シート厚さは300μmであった。
【0025】
実施例2
実施例1と同様の方法により、層構成がF/A/Fであり、各層の厚さが0.4/299.2/0.4(μm)である厚さ300μmのシートを得た。
実施例3
実施例1と同様の方法により、層構成がE/A/Eであり、各層の厚さが0.5/299/0.5(μm)である厚さ300μmのシートを得た。
【0026】
実施例4
実施例1と同様の方法により、層構成がD/A/Dであり、各層の厚さが1.2/297.6/1.2(μm)である厚さ300μmのシートを得た。
比較例1
実施例1と同様の方法により、層構成がC/A/Cであり、各層の厚さが5/290/5(μm)である厚さ300μmのシートを得た。
【0027】
比較例2
実施例1と同様の方法により、層構成がB/A/Bであり、各層の厚さが15/270/15(μm)である厚さ300μmのシートを得た。
比較例3
実施例1と同様の方法により、層構成がA/A/Aである厚さ300μmのシートを得た。
【0028】
比較例4
実施例1と同様の方法により、層構成がD/D/Dである厚さ300μmのシートを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003770420
【0030】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、エンボスキャリヤ形テーピングのエンボスキャリヤテープとして使用された際、良好な導電性を有し、包装されている電子部品や電子部品に表示されている文字等の確認が容易であるため、電子部品が製造された工場からそれを使用するメーカーに届き使用されるまでの間、適用することができ、その工業的価値は高い。

Claims (2)

  1. カーボンブラックを1〜重量%含有するポリエステル層を少なくとも片面に共押出積層してなる積層ポリエステルシートであって、光線透過率が60%以上であることを特徴とする導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシート。
  2. カーボンブラックを含有するポリエステル層の表面抵抗率が1×102 〜1×1010Ω/□であることを特徴とする請求項1記載の導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシート。
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