JP3773582B2 - ヘッドレスト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車等の座席に設けられるヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘッドレストは、本来、衝突時に運転者や乗員の頭部を保護するためのものであるが、仮眠をとったり、くつろいだりする際に頭部を支持してくつろぎ易くするなどの付加的な機能も備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来のヘッドレストでは、特に防音について考慮がなされておらず、自動車内で仮眠やくつろいでいる際に、騒音に悩まされるケースがあった。また、乗員の頭部を後方からのみ支持しているので、助手席や後部座席の乗員は、カーブ走行しているときに、頭が外側に振られるなどの欠点があった。
【0004】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、カーブ走行時の乗員頭部の安定支持や、くつろぎ時間の防音効果を高めるといった付加的機能を向上させたへッドレストを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、頭部を支持する中央パッド部(H1)と、該中央パッド部の左右に回動可能に設けられた左右一対の回動パッド部(H2,H2)と、を備えるヘッドレストであって、中央芯体がパッド材に埋設された中央パッド部( H1 )と、断面略円形にして全体がU字状で、上部にあたる前記中央芯体がパッド材に埋設されるステー ( 11 ) と、該ステーの基軸部に回動可能に取付けられる連結部材 ( 12 ) と、該連結部材の上下端縁に形成される複数の係合凹部 ( 17 ) と、前記連結部材が挿入される挿入孔が設けられ、且つコ字状の回動芯体がパッド材に埋設された一対の回動パッド部( H2 , H2 )と、コ字状の該回動芯体の上下の内縁に固着される係合凸部 ( 21 ) と、を 具備し、該係合凸部が前記係合凹部に係合することにより前記回動芯体を前記連結部材に固定できるようにし、該回動芯体が前記中央芯体に対して回動可能に連結されていることを特徴とするヘッドレストにある。
請求項2に記載のへッドレストの発明は、請求項1で、ステーが金属製パイプからなり、該ステーの基軸部に形成される断面半円形の半円環部 ( 13a ) と、前記連結部材が前記基軸部に取り付けられるよう、金属板を該基軸部に沿って折り返すようにして形成される筒部 ( 14 ) と、該筒部の一部に円環を内方に窪ませた回動範囲規制部(14a)と、をさらに具備し、該回動範囲規制部が前記半円環部に当接することで、前記連結部材が前記基軸部に対して、所定の回動角度の範囲においてのみ回動可能とすることを特徴とする。
【0006】
請求項1のへッドレストの発明によれば、中央パッド部の左右に回動パッド部を設けているので、左右の回動パッド部を前方に向って回動させて、平面視が略U字状となるようにヘッドレスト全体の形状を変化させることができる。これにより、運転者や乗員が仮眠をとったり、くつろいだりする際には、左右の回動パッド部が耳を両側から覆うような位置に移動して防音が図られる。また、助手席や後部座席の乗員は頭が左右の回動パッド部で左右から安定支持されるので、カーブ走行している際に、頭が左右に振られるのを防止することができ、乗り心地が向上する。
さらに、ステーの基軸部に連結部材を回動可能に取り付け、該連結部材に回動芯体を取り付けたので、回動芯体を含む回動パッド部と、中央パッド部とを別々に成形して組み立てることができる。中央パッド部と回動パッド部との組立てが容易になる。
請求項2に記載の発明のごとく、ステーの基軸部に形成される断面半円形の半円環部 ( 13a ) と、前記連結部材が前記基軸部に取り付けられるよう、金属板を該基軸部に沿って折り返すようにして形成される筒部 ( 14 ) と、該筒部の一部に円環を内方に窪ませた回動範囲規制部(14a)と、をさらに具備すると、回動範囲規制部が半円環部に当接することで、連結部材が基軸部に対して、所定の回動角度(例えば60°〜90°)の範囲においてのみ回動可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
(1) 実施形態1
図1〜図6は実施形態1を示す。
図1は本発明のヘッドレストの外観を示す。
図1(a)において、ヘッドレストHはシートバックSの上部に設けられており、運転者又は乗員の頭部を保護する。ヘッドレストHは、頭部を支持する中央の中央パッド部H1と、中央パッド部H1の左右に設けた左右一対の回動パッド部H2,H2とを備えている。回動パッド部H2は、図1(a),(b)に示すように、中央パッド部H1に対して回動可能に設けられており、ヘッドレストHは、図1(a)のように、回動パッド部H2が中央パッド部H1の左右に位置し、連続した曲面を構成する第一の状態と、図1(b)のように、回動パッド部H2が中央パッド部H1の斜め前方に位置し、緩い屈曲部を有する略U字状の第二の状態とに変化する。該第二の状態への変化に際して、本実施形態では、二つの回動パッド部H1,H2が中央パッド部H1の左右の位置からほぼ同一平面状態を保つようにしながら斜め前方の位置に回転移動している。
【0008】
図2はヘッドレストの組立前の状態を示す斜視図である。ヘッドレストHは、パッド材P1,P2を覆う図1の袋状表皮Lを備えており、この袋状表皮Lが中央パッド部H1と回動パッド部H2との間において、蛇腹状に形成された蛇腹部L1を備えている。図2の各パッド材P1,P2は発泡体で形成するが、防音効果を向上させる観点から回動パッド部H2については、防音効果の高い硬質ウレタン樹脂等を使用すると、一層好ましくなる。前記パッド材P1,P2には、それぞれ、図3の中央芯体10及び図5の回動芯体20が埋設されている。
【0009】
図3はヘッドレストHの第一インサート1を示し、図4は図3の4−4線断面を示す。
同図において、第一インサート1は、中心線Cを中心として左右対称の構造を有しており、紙面の関係上、この図では左側半分を図示していない。第一インサート1は、図2に示す全体がU字状のパイプからなるステー11と左右の連結部材12とを備えている。ステー11の上部は、図2のようにパッド材P1に埋設される前記中央芯体10を構成している。尚、ステー11は、シートバックS(図1)の支持孔(図示せず)に挿通されて、シートバックSに固定される。
【0010】
図3のステー11は、例えば断面略円形の金属製パイプからなり、その基軸部13には、前記連結部材12が取り付けられている。連結部材12は、例えば金属板を基軸部13に沿って折り返すようにして筒部14を形成しており、基軸部13のまわりに節度をもって回動可能に取り付けられている。節度をもたせる構造としては、筒部14に内方に突出する小さな凸部を設けて摩擦力を生じさせるなど種々の構造を採用することができる。尚、連結部材12の平板部15,16は互いに溶着されている。
【0011】
図4に示すように、ステー11の基軸部13には、断面が半円形の半円環部13aが形成されており、一方、連結部材12の筒部14の一部には、円環を内方に窪ませた回動範囲規制部14aが形成されている。前記回動範囲規制部14aが半円環部13aに当接することで、連結部材12が基軸部13に対して、所定の回動角度(例えば60°〜90°)Aの範囲においてのみ回動可能となっている。
尚、「節度をもって回動可能」とは、回動角度Aの全範囲について節度をもたせる必要はなく、少なくとも回動角度Aの両端部において節度をもたせて、回動パッド部H2(図1)が安定した状態となればよい。ただ、回動角度Aの全範囲にわたって、回動パッド部H2が若干の抵抗をもちながらどこにでも位置決めできることがより好ましい。乗員(大人や子供)の頭部サイズの違いに広範囲に対応したり、場合によっては、側方から差し込む太陽光を遮る遮光用として、片方の回動パッド部H2を所定角度に固定して使いたいケース等も考えられるからである。図3の前記連結部材12の平板部15には、その上下端縁に複数の係合凹部17が形成してある。
【0012】
図5は回動パッド部H2の縦断面図である。
回動パッド部H2は、コ字状の前記回動芯体20からなる第二インサート2と、第二インサート2を埋設したパッド材P2とを備えている。回動芯体20は、例えば金属パイプからなり、上下の内縁に板バネからなる係合凸部21が固着されている。係合凸部21は前記図3の係合凹部17に係合し、これにより、図6のように、回動芯体20を連結部材12に固定できるようになっている。従って、回動芯体20が中央芯体10に対して水平面に沿って節度をもって回動可能に取り付けられていることになる。
尚、図5の回動パッド部H2のパッド材P2には、前記連結部材12(図6)が挿入される挿入孔P2aが設けられている。また、図4のように、中央パッド部H1のパッド材P1には、連結部材12の回転を許容する切欠部P1aが設けられており、一方、図6のように、2つのパッド材P1,P2の間には、回動パッド部H2の回転を許容する隙間Spが設けられている。勿論、該隙間Spは、両パッド材の当接付近の硬度を変えた異硬度パッドをパッド材P1,P2に採用することによって、その部分の硬度を軟らかくし変形を容易させて隙間をなくすることもできる。
【0013】
このように構成したへッドレストは、図1の中央パッド部H1に対して、回動パッド部H2が回動可能に取り付けられているので、運転者等が仮眠をとる際などには、回動パッド部H2を図1(b)のように前方に回転させて第二の状態とすることにより、防音効果を高め、快適性を追求する。また、助手席や後部座席の乗員の頭を左右から支持して、運転中に頭が左右に振れるのを防止することができる。
【0014】
一方、図1(a)のように回動パッド部H2を元の第一の状態に戻せば、回動パッド部H2が運転者の視界を狭めたり、或いは、後部座席の乗員同士が会話をする際の邪魔になることもない。
【0015】
また、本実施形態では、図6の連結部材12を介して、中央芯体10に回動芯体20を取り付けているので、中央パッド部H1と回動パッド部H2とを別々に成形して組み立てることができる。従って、中央パッド部H1と回動パッド部H2との組立てが容易になる。
【0016】
また、図1の袋状表皮Lが蛇腹部L1を備えているので、2つのパッド部H1,H2との間の隙間が外から見えなくなり外観が向上する。
【0017】
(2) 実施形態2
図7は実施形態2の縦断面図を示す。連結部材12及び回動芯体20は、合成樹脂成形品とすることができる。斯る場合、係合部21Aと被係合部17Aとが、合成樹脂の弾性によって互いに係合可能となる。尚、ここでは、袋状表皮Lによって各パッド部H1,H2のパッド材P1,P2を覆っており、隙間Spには蛇腹部を設けていない。蛇腹部L1の表皮は別体構成とし、連結部材12に介挿して設けてもよい。
このように構成したへッドレストも、実施形態1と同様の作用,効果を得る。
【0018】
尚、本発明においては前記実施形態のものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲で種々の変更ができる。例えば、前記各実施形態では、中央パッド部H1が図1のシートバックSに固定される構造としたが、中央パッド部H1がシートバックSに対して、水平軸まわりに回動する構造を付加してもよい。また、図6の連結部材12を設けずに、回動芯体20を中央芯体10に直接回動可能に取り付けてもよい。また、ステー11は中実棒で形成してもよく、さらには金属ではなく合成樹脂で構成してもよい。また、回動パッド部H2の回動角度Aは60°以下若しくは90°以上であってもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上のごとく本発明のヘッドレストは、従来品に見られる枕部としての機能を有するにとどまらず、中央パッド部の左右に設けた回動パッド部を前方へ回動させることにより、防音効果や、カーブ走行の際に頭が左右に振られるのを防ぐといった利点等も新たに兼ね備えるなど優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1のヘッドレストの斜視図である。
【図2】 同分解状態を示す斜視図である。
【図3】 第1インサートを示す斜視図である。
【図4】 図3の4−4線断面図である。
【図5】 回動パッド部を示す縦断面図である。
【図6】 ヘッドレストの縦断面図である。
【図7】 実施形態2のヘッドレストの一部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 中央芯体
11 ステー
12 連結部材
13 基軸部
17 係合凹部
20 回動芯体
21 係合凸部
H ヘッドレスト
H1 中央パッド部
H2 回動パッド部
L 表皮
P1 パッド材
P2 パッド材
P2a 挿入孔
Claims (2)
- 頭部を支持する中央パッド部(H1)と、該中央パッド部の左右に回動可能に設けられた左右一対の回動パッド部(H2,H2)と、を備えるヘッドレストであって、
中央芯体がパッド材に埋設された中央パッド部( H1 )と、断面略円形にして全体がU字状で、上部にあたる前記中央芯体がパッド材に埋設されるステー ( 11 ) と、該ステーの基軸部に回動可能に取付けられる連結部材 ( 12 ) と、該連結部材の上下端縁に形成される複数の係合凹部 ( 17 ) と、前記連結部材が挿入される挿入孔が設けられ、且つコ字状の回動芯体がパッド材に埋設された一対の回動パッド部( H2 , H2 )と、コ字状の該回動芯体の上下の内縁に固着される係合凸部 ( 21 ) と、を具備し、
該係合凸部が前記係合凹部に係合することにより前記回動芯体を前記連結部材に固定できるようにし、該回動芯体が前記中央芯体に対して回動可能に連結されていることを特徴とするヘッドレスト。 - 前記ステーが金属製パイプからなり、該ステーの基軸部に形成される断面半円形の半円環部 ( 13a ) と、前記連結部材が前記基軸部に取り付けられるよう、金属板を該基軸部に沿って折り返すようにして形成される筒部 ( 14 ) と、該筒部の一部に円環を内方に窪ませた回動範囲規制部(14a)と、をさらに具備し、該回動範囲規制部が前記半円環部に当接することで、前記連結部材が前記基軸部に対して、所定の回動角度の範囲においてのみ回動可能とする請求項1記載のヘッドレスト。
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