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JP3774348B2 - 通気性を有する帽子 - Google Patents
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JP3774348B2 - 通気性を有する帽子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用時に通気性を有する帽子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、帽子を着用していると、直射日光は遮断できるものの、夏期などは帽子内部が暑く感じられ、汗ばみやムレを生じ、不快に感じることが多い。特に額部周辺は、帽子の生地が何枚か逢着されるため、帽子外側の生地に通気性があっても空気が通りにくく、その上、皮膚が直接帽子に接触するため、不快感を強く感じる。このような不快感を解消するために従来より、幾つかの通気性を有する帽子が提案されてきた。
【0003】
例えば、特開平9−137315号公報には、くの字形の湾曲を有するメッシュ帯を、キャップ前部の内側に固定し、着用時に頭部とキャップとの間にできる弓形隙間によって通気性を向上する方法が開示されている。
【0004】
また、図8に示すような貫通孔を有するキャップタイプのものは、キャップ70のクラウン部71の側面に複数の貫通穴72が設けられており、貫通孔72を空気が通過することで、帽子内部に通気性を得ようとする方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平9−137315号公報に示された方法では、帽子内部に張設されたメッシュ帯が、着用時に頭部に沿って馴染むように伸び、この時、帽子の内縁を内側に引っ張る力が作用する。従って、庇部が堅く保形性を有するキャップタイプのような帽子には利用できるが、ハットタイプや柔らかい素材を用いた帽子には、シルエットを損なうため利用することができないという問題がある。
【0006】
また、メッシュ帯は、帯の表裏方向に通気性は有していても、沿面方向への通気性がないため、メッシュ帯がキャップと頭部の間に密着する部分では、帽子内外方向への十分な通気性が得られないという問題も有する。
【0007】
一方、図8に示した貫通穴タイプでは、貫通穴を設けることにより、頭頂部付近の通気性は向上するものの、本来もっとも暑く感じられる額部分付近に空気の流れが生じず、快適性が十分でないという課題を有している。
【0008】
また、貫通穴を設けることで帽子のデザイン性が損なわれるという課題も有する。
【0009】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、着用時に、特に額部周辺のムレや暑さが改善されてきわめて快適であり、帽子の種類が限定されない通気性を有する帽子を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するための本発明の構成は、次のとおりである。
請求項1に記載した発明は、クラウン部と、クラウン部の下方内周縁に沿って設けられるスベリ部とを備えているとともに、そのスベリ部を、表裏方向に通気可能な多数の透き目を設けた基材の内周面に起毛状素材を配置することにより構成したものであり、一端を帽子の外空間にかつ他端を帽子の内空間に開放した通気路を形成し、かつ、スベリ部の沿面方向の多方向に通気可能な隙間を形成するようにして起毛状素材を上記スベリ部の基材内周面に立設して配置することによる通気構造を形成し、その通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことを特徴としている。
【0011】
上記の構成では、スベリ部の多数の透き目を設けた基材により、表裏方向に空気を流通させられるとともに、一端を帽子の外空間にかつ他端を帽子の内空間に開放した通気路により、帽子の内外方向で空気を流通させることができる。また、スベリ部に起毛性素材を隙間を形成するように立設させて配置していることにより、スベリ部の沿面方向の多方向の通気を行え、頭部に対する通気が効果的に作用する。
さらに、通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことにより、縫い目が通気路と離れた位置に形成されるので、通気性を損なう心配がない。
すなわち、帽子の内空間に吸気された空気の流れが面方向に沿って多様化し、通気構造の各部において空気の吸気・排気が各部位で繰り返され、頭部全体に渡って通気性が確保される。
【0013】
請求項2に記載した発明は、クラウン部と、クラウン部の下方内周縁に沿って設けられかつ内周面に多数の窪み部を設けたスベリ部とを備えた構成のものであり、そのスベリ部を、表裏方向及びスベリ部の沿面方向の多方向に通気可能な粗密に編んだ編地により形成した裏面部と表面部を、帽子の内空間と外空間を連通する通気路を形成するように中間部で橋絡させる立体編みにした通気構造にし、その通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、スベリ部の内周面に多数の窪み部を設けたことにより、内周面と頭囲との接触面積を低減させられる。また、帽子の内空間と外空間を連通する通気路を形成するように立体的に橋絡させていることにより、帽子の内外方向で空気を流通させることができる。さらに、スベリ部の表裏方向及び沿面方向の多方向に通気可能な粗密に編んだ編地を立体編みにしていることにより、スベリ部の表裏方向及び沿面方向の多方向に空気を流通させられる。
さらに、通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことにより、縫い目を通気路と離れた位置に形成することができ、通気性を損なう心配がない。
すなわち、帽子の内空間に吸気された空気の流れが面方向に沿って多様化し、通気構造の各部において空気の吸気・排気が各部位で繰り返され、頭部全体に渡って通気性が確保される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る通気性を有する帽子の基本的な実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、実施の形態(1)の構造を示す断面モデル図で、図2は実施の形態(1)のスベリ部の拡大斜視図である。
【0024】
帽子20は、その下方内周縁23に沿ってスベリ部30が備えられており、スベリ部30を介する通気構造26により、帽子20の内空間24と外空間25との通気を可能としている。
【0025】
実施の形態(1)の帽子20は、庇部21と頭部全体を覆うクラウン部22を有し、下方内周縁23には、クラウン部22の折返片22a、庇部21の折返片21a、及びスベリ部30が配置されるタイプである。スベリ部30は、元々帽子に用いられる構成部材の一つで、装着感を向上させたりする等の理由により設けられるものである。そのためスベリ部30は、帽子着用時に最も内周側で、頭の周りの頭囲14が接する位置に配置される。そして、このスベリ部30は、その他の帽子の構成部材に固着されており、固着方法としては一般的に縫着が用いられる。なお、図では、スベリ部30、庇部21,クラウン部22の縫着部分は省略されており、また図1では庇部21とクラウン部22の構造は簡略化している。
【0026】
この帽子20では、通気構造26によって、外空間25から内空間24に空気が吸気され、同時に内空間24から外空間25に空気が排気される。ここで言う通気構造26とは、例えば、縦横に糸を組み合わせた織布の織り目に存在する微細な隙間による通気とは区別される概念であり、内外の温度差の解消を目的とした空気の移動を伴う通気を意味する。また通気構造26は、内空間24において、表裏方向と沿面方向の多方向への通気が可能で、空気の流通を促進する。内空間24に吸気された空気は、通気構造26を通って帽子内部の多方向に分散し、外空間25に排気される。
【0027】
スベリ部30は、基材34と起毛状素材33により構成されており、起毛状素材33は基材34の内周面32側に部分的に配置されている。この配置パターンとしては、起毛状素材33が、スベリ部30の上下方向に畝状に密集するよう配置されている。そして、起毛状素材33が空気を誘導し、また起毛状素材33が無い部分が通路となって、通気路31が多数形成されている。この通気路31は、一端が帽子の外空間25に、他端が内空間24に開放しているため、帽子の内外方向の吸排気を行う。この通気路31によって、上下方向である矢印ab方向に空気が流通する通気性を有する。
【0028】
また、スベリ部30は、表裏方向である矢印cd方向に空気が流通する通気性を有する。これは、基材34に設けられた多数の透き目35により得られるものである。ここで言う透き目35とは、基材34の表裏を通して目視可能な程度に貫通する無数の孔群を意味するものである。
【0029】
また、スベリ部30は、斜め方向である矢印ef方向に空気が流通する通気性を有する。起毛状素材33は、基材34に立設されているので、一つ一つの間には隙間が存在する。それ故、密集して立設されても起毛状素材33の間の空気の流通を可能とする。
【0030】
また、通気路31は、内周面32に設けられているため、空気は頭囲14の表面を通過する。すなわち、スベリ部30は、額部11と当接する位置にあるので、空気は頭髪のない皮膚の表面を通過する。この時、皮膚表面の汗等を気化するため、気化熱を奪われた皮膚表面に涼感を与える。
【0031】
さらに、内周面32と頭囲14との接触は、起毛状素材33の配置の有無や、起毛状素材33の1つ1つの形状的な作用によって、全面接触することがないため、頭位14への圧迫感が和らげられる。なお、この接触は、起毛状素材33が頭囲14の凹凸に沿って、適宜傾倒しながら適度な馴染み性をもって当接するため、頭囲14との間に、美観を損なうような幅広い隙間を開けることはない。
【0032】
スベリ部30に設けられた起毛状素材33の材質は、特徴として適度な剛性を備えている。これは、頭部10と当接した時に、起毛状素材33が完全に横倒しされ、通気路31の機能を損なうことを防止するためである。また、適度な柔らかさも備えている。これは、頭部10との肌触りを考慮するためである。起毛状素材33を含む基材34は、全体としてしなやかな可撓性を備えている。これは、帽子の仕様に合わせた柔軟な湾曲を可能とするものであり、帽子のシルエットを崩したり、装着時の違和感を生じない。なお、基材34は、上述した透き目35を構成するような織りあるいは編み、繊維が望ましく、また矢印cd方向以外の通気性を有するよう構成してもよい。起毛性素材33の形状としては、ループ状、リング状、パイル状等のいずれでもよく、具体例としては、微小なループ群を有するマジック式ファスナーのメス型部のような素材が望ましい。
【0033】
なお図2の起毛状素材33の配置パターンは、スベリ部30の上下方向に対してまっすぐ配置されている。しかし、必要に応じて、起毛状素材33の畝状の密集を、上下に対して斜め方向に配置させてもよい。例えば、スベリ部30の縫着において、下方端部に曲げ部分を形成する際に、生地のなじみ易さを考慮すると、斜めに配置する方が製法上望ましい。また、配置パターンは必ずしも、畝状に形成する必要はなく、ab方向の空気の流通を阻害しなければ、乱雑な配置パターンとし、空気の多方向への通気性を高めてもよい。
【0034】
次に、この実施の形態(1)を頭部に着用した場合の通気性について、図1のモデル図を用いて説明する。サイズの適合した帽子20を頭部10に着用すると、帽子の下方内周縁23付近を境界として、帽子の内空間24と外空間25とが隔てられる。帽子の内空間24は、温度Ti、圧力Piを有し、外空間25は温度To、圧力Poを有しており、帽子着用直後はTi=To、Pi=Poの関係が成り立っている。従来の帽子では、内空間24は閉じられた空間であるため、時間の経過とともに、体温等の諸条件によって温度が上昇し、Ti>Toの関係に変化する。そのため、頭部10は発汗し、暑苦しさやムレ等で不快な状態となる。特に頭髪のない額部11では、発汗が盛んとなりきわめて不快な状態となる。
【0035】
内空間24の温度上昇に伴い、圧力がPi>Poの関係になると、圧力を緩和するために、内空間24の空気を外空間25に放出しようとする空気の流れが生じる。また、帽子20を着用して歩行したり、正面から風が来ると、空気が前面部12に当たった後に上昇する流れを生じる。この双方の空気の流れは、スベリ部30の通気路31を介して流通することによりバランスする。そして、前面部12付近の通気路31から内空間24に吸気された空気が、後頭部13付近の通気路31から外空間25に排気されるという通気が発生する。これは、スベリ部30が通気構造26を有しているために生じるもので、従来の帽子にはない空気の流れである。また、この時、皮膚表面の汗を気化させ、気化熱を奪うため体感する快適性はさらに向上する。これにより、特に汗をかきやすい額部11の着用時の不快感は大幅に軽減される。また、頭囲14は頭髪の密集度や諸条件で、部位によりTa、Tb等の温度分布を有する。これにより、通気構造26の各部において細かな圧力分布を引き起こし、空気の吸気・排気が各部位で繰り返され、頭部10全体に渡って通気性が確保される。
【0036】
また、スベリ部30が多方向に空気の流通が可能であるため、帽子の内空間24に取り込まれた新鮮な空気は、多方向に分散し、さらに涼感が向上する。従来の帽子のスベリ部では、クラウン部22に通気性を有する素材を用いた場合でも、スベリ部において通気性が阻害されていたため、スベリ部周辺が蒸し暑く感じられていた。そのためスベリ部30が、cd方向を初めとする多方向の通気性を有することで、クラウン部30が通気性素材の場合その効果を十分に生かすことができる。さらに、スベリ部30の内周面32は、頭部10と部分的に接触するため、頭部10に対する圧迫感が低減され、涼感だけでなく装着感も向上する。
【0037】
このように、本発明の通気構造26は、帽子20のスベリ部30に設けられているため、見かけ上、従来の一般的な帽子となんら変わることなく、従来の帽子では得られなかった快適な通気性を得ることができるものである。また、通気構造26は、従来のスベリ部と同様に、帽子の仕様に合う柔軟性を有し、また逆に帽子のシルエットを崩すような影響を及ぼさないので、帽子の素材や種類が限定されることがない。
【0038】
なお、図では、ハット状のクラウン部22を用いて説明したが、必ずしもクラウン部22が頭部全体を覆うタイプの帽子に限定されるものではない。クラウン部22の一部あるいは大部分がない、例えばキャップタイプやバイザータイプの帽子のスベリ部に適用し、快適性を向上させてもよいことは言うまでもない。
【0039】
次に、本発明のその他の実施の形態について述べる。実施の形態(2)〜(7)は、スベリ部30の変形例であるため、実施の形態(1)と同様のスベリ部30による作用、機能等の説明については、実施の形態(1)の説明に準じる。
【0040】
本発明の実施の形態(2)について、図を用いて説明する。図3は、実施の形態(2)のスベリ部を示す拡大斜視図である。
【0041】
実施の形態(2)は、通気構造26を有するスベリ部30が縫い代部37を有している点を特徴としている。スベリ部30は、一般的に庇部21やクラウン部22に縫着されるが、その際に縫い方や配置パターンによっては、内周面32に設けられた起毛状素材33が押しつぶされ、通気路31を閉塞し、十分な通気性が確保されない可能性がある。そのため、縫い代部37として、下方に縫着用の部位を設けることで、縫い目が通気路31と離れた位置に形成され、通気性を損なわれる心配がない。具体的には、実施の形態(1)の起毛状素材33を下方付近に設けない配置パターンとすることで可能となる。なお、縫い代部37は、縫い目の形成に適した強度が得られるように形成されることが望ましい。
【0042】
次に、本発明の実施の形態(3)について、図を用いて説明する。図4は、実施の形態(3)のスベリ部を示す拡大斜視図である。
【0043】
実施の形態(3)の通気構造26は、スベリ部30内部の沿面方向に設けられた通気路31から構成される。この通気路31は、帽子着用時に内空間24と外空間25を連通するように形成されており、図中の矢印ab方向への空気の吸気排気を可能とする。また、内周面32側には、多数の窪み部36が設けられ、内周面32と頭囲14との接触面積を低減させるように作用する。さらに、スベリ部30は表裏方向(矢印cd)方向の通気性も有するよう形成されている。なお、窪み部36は、スベリ部30の表裏方向(矢印cd方向)の通気性を得る効果を併せ持つために、表裏に貫通して形成してもよい。通気路31を通って内空間24に吸気された空気は、皮膚、特に額部の気化熱を奪い涼感が得られる。また、通気構造26の有する多方向の通気性により、空気の分散が促進され、快適性が向上する。実施の形態(3)のスベリ部30は、具体例としては立体編みが望ましい。立体編みとしては、表面部42と裏面部43を中間部44で立体的に橋絡するような編み地で、編み地の疎密、あるいは橋絡構造によって通気路31を内部に形成する方法等があげられる。立体編みで形成されたスベリ部30は柔らかく、頭部10との接触感にも優れるとともに、帽子の仕様に合わせた柔軟性も有する。なお、立体編みは、編み地によって矢印ef方向を初めとする多方向への通気が可能である。なお、上述と同様の構成が可能であれば、編物だけでなく、織物で形成してもよい。
【0044】
次に、本発明の実施の形態(4)について、図を用いて説明する。図5は、実施の形態(4)のスベリ部を示す斜視図である。なお、実施の形態(3)の変形例であるため、同様の説明については詳細を省略する。
【0045】
実施の形態(4)は、通気構造26を有するスベリ部30が、実施の形態(2)と同様に縫い代部37を有している点を特徴としている。実施の形態(4)のスベリ部30は、実施の形態(3)の中間部44とは異なる種類の構成で図示しているが、スベリ部30の内部に通気路31を有している点で同様のタイプである。スベリ部30は縫着時に、縫い方や立体編みの構造によっては、通気路31が閉塞され、十分な通気性が確保されない可能性がある。そのため、縫い代部37として、下方に縫着用の部位を設けることで、縫い目が通気路31と離れた位置に形成され、通気性を損なわれる心配がない。具体的には、実施の形態(3)と同様の立体編みで、裏面部43のみが伸延したような2段構成の編み地を用いることで可能となる。なお、縫い代部37は、縫い目の形成に適した強度が得られるように形成されることが望ましい。
【0046】
次に、本発明の実施の形態(5)について、図を用いて説明する。図6は、実施の形態(5)のスベリ部を示す拡大斜視図である。
【0047】
実施の形態(5)の通気構造26は、スベリ部30の基材34の内周面32側に設けられた突起部39により構成される。この突起部39は空気を誘導し、また突起部39が設けられていない部分が通路となることで通気路31が形成される。突起部39は、分散して配置されているため、通気路31は多方向に自由に形成され、上下の矢印ab方向だけでなく、矢印ef方向を初めとする多方向に空気の流れが得られる。また、基材34がcd方向への通気性を有することでさらに通気性は向上する。また、突起部39が頭囲14に当接することで、頭部10との接触面積が低減され、圧迫感も少なく涼感が向上する。この実施の形態(5)のスベリ部30を形成する具体例としては、不織布をローラー等で型押しし、突起部を形成する方法などがあり、帽子のスベリ部として十分な柔軟性を有するとともに、違和感なく装着される。なお、このスベリ部30にも、実施の形態(2)または(4)と同様に、縫い代部37を設けるよう構成してもよいことは言うまでもない。
【0048】
次に、本発明の実施の形態(6)について、図を用いて説明する。図7は、実施の形態(6)のスベリ部を示す拡大斜視図である。
【0049】
実施の形態(6)のスベリ部30は、空孔部材40をメッシュ部材41で被覆した構造を呈している。空孔部材40は、内部に空気が流通可能な大きさの空孔45を多数有しており、矢印ab方向の通気を初めとする多方向の通気が可能である。また、メッシュ部材41で表面を覆うことにより、頭囲14と当接する際の接触面積が低減され、圧迫感が少なく涼感が向上する。この実施の形態(6)のスベリ部30を形成する具体例としては、適度な空孔を有するクッション素材あるいは不織布等を、メッシュ部材で被覆する形成方法などがあり、帽子のスベリ部として十分な柔軟性を有するとともに、違和感なく装着される。なお、実施の形態(6)のメッシュ部材41は、頭部との接触面積を低減する目的で用いており、必要に応じて省略し、空孔部材40のみをスベリ部30として用いても、通気構造26として十分機能する。また、このスベリ部30にも、実施の形態(2)または(4)と同様に、縫い代部37を設けるよう構成してもよいことは言うまでもない。
【0050】
なお、実施の形態(1)〜(6)では、スベリ部30自体に通気路31を形成する構成であった。しかし、スベリ部30を介した通気構造26の意味するところとしては、スベリ部30と他部材を複合させて通気構造26を構成することを含むものであり、例えばスベリ部30の表面、または裏面を利用し、スベリ部30に隣接する他部材に通気路31を設け、スベリ部30との間で通気構造26を構成するようにしてもよい。
【0051】
次に、本発明の実施の形態(7)について、図を用いて説明する。図8は、実施の形態(7)の構造を示す斜視図である。なお、実施の形態(1)と異なる点は、通気構造の配置位置であるため、その他の同様の説明については詳細を省略する。
【0052】
実施の形態(7)では、通気構造26を有する通気性部材50が、スベリ部30以外の位置に設けられた例を示している。図8に示す実施の形態(7)の帽子20は、下方内周縁23に、庇部21の折返片21aと、クラウン部22の折返片22aと、スベリ部30が設けられている例である。図8の通気性部材50は、折返片21aと22aに挟まれた位置に配置されており、通気性部材50の内部の内外方向に多数の通気路31が設けられている。そして、通気性部材50の下端が外空間25に露出する庇部21の上方で、内空間24との空気の吸排気を行い、帽子の内外方向(矢印ab方向)の通気を行う。もちろん、矢印ab方向以外の多方向の通気性も有するよう構成すると、さらに効果は向上する。なお、通気性部材50が配置される位置は、図8に示した位置に限定されるものではなく、下方内周縁23の所望の位置で、外空間25と内空間24との通気が可能な位置であれば、いずれの位置でもよい。帽子は種類によって、下方内周縁23付近の構成が多様化しており、スベリ部30が折返片を有する場合や、各部の折返片がない場合や、あるいは庇部21がない場合もある。従って、通気性部材50の配置位置は、例えば、折返片22aとスベリ部30との間でもよく、また折返片がない場合には、クラウン部22の内側に設けてもよく、帽子の種類に合わせて適宜決められる。
【0053】
なお、実施の形態(1)〜(7)の通気構造26は、帽子内周の全周に渡って設けることで効果が増すが、帽子の構造等の条件によっては、一部に設けたり、あるいは間隔をおいて部分的に設けるよう構成してもよい。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、次の効果を得ることができる。
多数の透き目をスベリ部に設けた基材により、表裏方向に空気を流通させられるとともに、一端を帽子の外空間にかつ他端を帽子の内空間に開放した通気路により、帽子の内外方向で空気を流通させることができる。また、スベリ部に起毛性素材を隙間を形成するように立設させて配置していることにより、スベリ部の沿面方向の多方向の通気を行え、頭部に対する通気が効果的に作用する。
さらに、通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことにより、縫い目が通気路と離れた位置に形成されるので、通気性を損なう心配がない。
また、請求項2に記載の発明によれば、次の効果を得ることができる。
スベリ部の内周面に多数の窪み部を設けたことにより、内周面と頭囲との接触面積を低減させられる。また、帽子の内空間と外空間を連通する通気路を形成するように立体的に橋絡させていることにより、帽子の内外方向で空気を流通させることができる。さらに、スベリ部の表裏方向及び沿面方向の多方向に通気可能な粗密に編んだ編地を立体編みにしていることにより、スベリ部の表裏方向及び沿面方向の多方向に空気を流通させられる。
さらに、通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことにより、縫い目が通気路と離れた位置に形成されるので、通気性を損なう心配がない。
【0055】
すなわち、帽子の内空間に吸気された空気の流れが面方向に沿って多様化し、通気構造の各部において空気の吸気・排気が各部位で繰り返され、頭部全体に渡って通気性が確保される。
また、スベリ部において多方向の空気の流通が可能であるため、帽子の内空間に新鮮な空気を取り込み多方向に分散させることにより通気構造の各部において空気の吸気・排気が繰り返され、頭髪の密集度や諸条件により生じる頭囲の温度分布のバランスがとれ、さらに涼感が向上する。
【0056】
さらに、帽子のシルエットを崩したり、デザインや装着感を損なうことがないため、帽子の素材や種類が限定されず、広範囲の帽子に利用できるという優れた効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態(1)の構造を示す断面モデル図である。
【図2】本発明の実施の形態(1)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態(2)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態(3)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態(4)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態(5)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態(6)のスベリ部の拡大斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態(7)の位置と構造を示す図である。
【図9】従来例の断面斜視図である。
【符号の説明】
10 頭部
11 額部
12 前面部
13 後頭部
14 頭囲
20 帽子
21 庇部
22 クラウン部
23 下方内周縁
24 内空間
25 外空間
26 通気構造
30 スベリ部
31 通気路
32 内周面
33 起毛状素材
34 基材
35 透き目
36 窪み部
37 縫い代部
39 突起物
40 空孔部材
41 メッシュ部材
42 表面部
43 裏面部
44 中間部
45 空孔
50 通気性部材

Claims (2)

  1. クラウン部と、クラウン部の下方内周縁に沿って設けられるスベリ部とを備えているとともに、そのスベリ部を、表裏方向に通気可能な多数の透き目を設けた基材の内周面に起毛状素材を配置することにより構成した通気性を有する帽子であって、
    一端を帽子の外空間にかつ他端を帽子の内空間に開放した通気路を形成し、かつ、スベリ部の沿面方向の多方向に通気可能な隙間を形成するようにして起毛状素材を上記スベリ部の基材内周面に立設して配置することによる通気構造を形成しその通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことを特徴とする通気性を有する帽子。
  2. クラウン部と、クラウン部の下方内周縁に沿って設けられ、かつ、内周面に多数の窪み部を設けたスベリ部とを備えた通気性を有する帽子であって、
    上記スベリ部を、表裏方向及びスベリ部の沿面方向の多方向に通気可能な粗密に編んだ編地により形成した裏面部と表面部を、帽子の内空間と外空間を連通する通気路を形成するように中間部で橋絡させて立体編みにした通気構造にし、その通気構造の下方の基材内周面に、当該通気構造と離れた位置に縫い目が形成される縫い代部を設けたことを特徴とする通気性を有する帽子。
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