JP3794105B2 - サーマルヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプリンタに用いて好適なサーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラープリンタなどに用いられる複数の発熱抵抗体が並列に2列で配設されたダブルラインサーマルヘッドの構造を、図5、図6および図7を参照して説明する。図5は、複数の発熱抵抗体が並列に2列で配設されたダブルヘッドラインのサーマルヘッドの斜視図である。図6は、図5に示すサーマルヘッドの平面図である。図7は、図6に示すサーマルヘッドのA−A’線視断面図である。
【0003】
これらの図において、102は、ステンレス基板であり、上面にサーマルヘッドの部品が形成されている。103は、表面グレーズガラスであり、ステンレス基板102の上面に絶縁層として形成されている。104は、裏面グレーズガラスであり、ステンレス基板102の裏面に絶縁層として形成されている。105は、ステンレス基板102の突起部であり、ステンレス基板102の所定の部分を突出形成したものである。
【0004】
106および107は、突起部105の側壁部に、表面グレーズガラス3が、それぞれ反紡錘形状に形成されたグレーズ部である。108、108、・・・は、グレーズ部107上面に密着形成された第1の発熱抵抗体であり、共通電極109とそれぞれの個別リード電極110、110、・・・との間の通電状態において熱エネルギーを発生するものである。
【0005】
111、111、・・・は、グレーズ部106上面に密着形成された第2の発熱抵抗体であり、共通電極109とそれぞれの個別リード電極112、112、・・・との間の通電状態において熱エネルギーを発生するものである。ここで、共通電極109は、第1の発熱抵抗体108、108、・・・および第2の発熱抵抗体111、111、・・・の全てに共通の電極であり、突起部105と接続されている。
【0006】
113は、表面グレーズガラス104上面に配設されたコントロールICであり、第1の発熱抵抗体108、108、・・・に対する通電を制御するものである。116、116、・・・は、コントロールIC115の個別リード接続用パッドであり、それぞれ個別リード線112、112、・・・の個別リードパッド部117、117、・・・と、おのおのボンディングワイヤ118、118、・・・を介して接続されている。
【0007】
119は、フレキシブル基板であり、図に示されないプリンタ本体からコントロールIC113を制御するための制御信号が入力される。120、120、・・・は、フレキシブル基板119の接続ターミナル用パッドであり、ワイヤ121、121、・・・を介して、おのおのコントロールIC115の制御信号線用パッド122、122、・・・に接続されている。
【0008】
123は、表面グレーズガラス104上面に配設されたコントロールICであり、第2の発熱抵抗体111、111、・・・に対する通電を制御するものである。124、124、・・・は、コントロールIC123の個別リード接続用パッドであり、それぞれ個別リード線110、110、・・・の個別リードパッド部125、125、・・・と、おのおのボンディングワイヤ126、126、・・・を介して接続されている。
【0009】
127は、フレキシブル基板であり、図に示されないプリンタ本体からコントロールIC123を制御するための制御信号が入力される。128、128、・・・は、フレキシブル基板127の接続ターミナル用パッドであり、ワイヤ129、129、・・・を介して、おのおのコントロールIC123の制御信号線用パッド130、130、・・・に接続されている。
【0010】
次に、上述したサーマルヘッドの動作を、図8を参照して説明する。図8は、上述したダブルラインサーマルヘッドの等価回路を示している。この図において、図5の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。共通電極10(図5参照)は、接地されている。
【0011】
131は、接地とコントロールIC115の入力端子(図示略)との間に介挿された直流電源であり、サーマルヘッドの第1の発熱抵抗体108、108、・・・に対して、それぞれが発熱するための駆動電力を供給する。
また、同様に132は、サーマルヘッドの第2の発熱抵抗体111、111、・・・に対して、それぞれが発熱するための駆動電力を供給する。
【0012】
そして、コントロールIC115は、第1の発熱抵抗体108、108、・・・に対して、入力される第1の印刷データDATA1に応じたパルス幅の第1のパルス電圧V1を印加するか 、または印加しないというスイッチング制御を行う。上記スイッチング制御は、図示しないプリンタ本体より入力される第1のクロック信号CLOK1、第1の印刷データDATA1、第1のラッチ信号LATCH1および第1のストローブ信号STROB1に基づいて行われる。
【0013】
そして、コントロールIC123は、第2の発熱抵抗体111、111、・・・に対して、入力される第2の印刷データDATA2に応じたパルス幅の第2のパルス電圧V2を印加するか 、または印加しないというスイッチング制御を行う。上記スイッチング制御は、図示しないプリンタ本体より入力される第2のクロック信号CLOK2、第2の印刷データDATA2、第1のラッチ信号LATCH2および第2のストローブ信号STROB2に基づいて行われる。
【0014】
上述した、ダブルラインサーマルヘッドには大きく分けて、以下に示す2通りの使い方がある。
▲1▼ おのおののコントロールICへ別々のデータを入力させ、ダブルラインの発熱抵抗体のそれぞれのラインにおいては、別々のプリントを行わせる。原理的には、プリント速度は、発熱抵抗体が1列並んだシングルラインサーマルヘッドのプリント速度の2倍となる。
【0015】
▲2▼ ダブルラインサーマルヘッドにおいて、1ラインづつのプリントが行われる。すなわち、1ラインのプリントに必要な熱エネルギーを2つの発熱抵抗体のラインで別々に与える。つまり、プリント対象物は、第1の発熱抵抗体において、バイアスエネルギーが供給され、第2の発熱抵抗体において、諧調エネルギーが供給される。このため、プリント速度は、発熱抵抗体が1列並んだシングルラインサーマルヘッドのプリント速度の2倍となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示されるように、従来のダブルラインサーマルヘッドは、プリントにおける紙送りの方向において、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とによるプリントが互いに同一直線上に行われるため、プリントの分解能を高めることができない欠点がある。
【0017】
また、通常の方法で分解能を高めようとすると、たとえば、図9に示す300DPI(Dots per inch)を図10に示す倍密度の600DPIへするように、発熱抵抗体の加工パターンを微細化して、プリントの密度を上げる以外にない。
【0018】
ところが、単純にプリントの密度を上げると、以下の問題が発生する。
▲1▼ 発熱抵抗体の加工幅が細くなるほど、発熱抵抗体の抵抗値のバラツキが増大する。
【0019】
▲2▼ 発熱抵抗体の加工幅が細くなるほど、サーマルヘッドの製造における歩留まりが低下する。
【0020】
▲3▼ 図9および図10に示す発熱抵抗体と発熱抵抗体との間の絶縁ギャップの値Gは、発熱抵抗体の加工幅に関係なく一定である。この絶縁ギャップ部は、発熱しないため、基本的に熱転写または感熱発色に対して関係しない。ただし、両側の発熱抵抗体の発熱エネルギーを増大させると、この発熱エネルギーの回り込みにより、絶縁ギャップ部においてもプリントが行われる可能性がある。そして、発熱抵抗体の面積に対してこの絶縁ギャップ部の占める面積の比は、発熱抵抗体の加工寸法を微細化するほど大きくなる。そのため、プリント濃度は、低下してしまう。
【0021】
図9に示す300DPIの間隔で形成された発熱抵抗体によるサーマルヘッドにおいて、昇華プリント方式によりプリントした結果を図11に示す。
また、図10に示す600DPIの間隔で形成された発熱抵抗体によるサーマルヘッドにおいて、昇華プリント方式によりプリントした結果を図12に示す。
【0022】
この図11と図12とのプリントした結果で明らかなように、プリントに密度を上げるほど、プリント濃度を高くすることが困難となる。そして、たとえば、図11および図12に示す84.7×84.7μm2の1ドット領域に対する、それぞれのプリントされた面積の割合は、46%と35%とになる。結果として、300DPIから600DPIへ分解能を高めることにより、プリント濃度の低下の問題が発生する。
【0023】
本発明は、このような背景の下になされたもので、抵抗値のバラツキが増大せず、かつ製造時の歩留まりが低下せず、さらにプリントの濃度を高めるサーマルヘッドを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、サーマルヘッドにおいて、金属材料により形成されており、略中央表面に、長尺方向が基板長さと略同一の長さの突起が突起部として突出形成された基板と、前記突起部と抵抗体膜を介して接続された共通電極部と、前記共通電極部より一方の側の前記基板の表面に形成された第1の絶縁体と、前記共通電極部より他方の側の前記基板の表面に形成された第2の絶縁体と、前記第1の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接合された複数の第1の発熱抵抗体と、前記第2の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接続された複数の第2の発熱抵抗体と、を具備し、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗値体とが、長尺方向にD1>D2である間隔D2ずらされて形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のサーマルヘッドにおいて、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体とは、長尺方向に、間隔D1の1/2の距離ずらされて形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のサーマルヘッドにおいて、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との距離は、「(n+1/2)D1,nは自然数,n≧1」で定められていることを特徴とする。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッドにおいて、その出力端子が前記第1の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第1の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、印刷データに応じたパルス幅の第1のパルス電圧を印加する第1の制御手段と、その出力端子が前記第2の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第2の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、前記印刷データに応じたパルス幅の第2のパルス電圧を印加する第2の制御手段とを具備することを特徴とする。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のサーマルヘッドにおいて、前記第1の絶縁体および前記第2の絶縁体は、共にガラス材料により形成されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態によるサーマルヘッドの外観構成を示す一部裁断斜視図である。図2は、図1に示すB−B’線視断面図である。
【0032】
これらの図において、1は、ステンレス基板であり、ステンレス層2が表面グレーズガラス3と裏面グレーズガラス4とで挟まれた形状で形成され、上面にサーマルヘッドの部品が配設されている。表面グレーズガラス層3は、ステンレス基層2の上面に絶縁層として形成されている。
【0033】
裏面グレーズガラス層4は、ステンレス基板2の裏面に絶縁層として形成されている。5は、ステンレス層2の突起部であり、ステンレス層2の所定の部分を突出形成したものである。
【0034】
6および7は、突起部5の側壁部に、表面グレーズガラス3が、それぞれ反紡錘形状に形成されたグレーズ部である。8は、抵抗体膜であり、第1の発熱抵抗体9、9、・・・と第2の発熱抵抗体10、10、・・・とを形成している。第1の発熱抵抗体9、9、・・・は、グレーズ部7上面に密着形成され、共通電極11とそれぞれの個別リード電極12、12、・・・との間の通電状態において熱エネルギーを発生するものである。
【0035】
第2の発熱抵抗体10、10、・・・は、グレーズ部7上面に密着形成され、共通電極11とそれぞれの個別リード電極13、13、・・・との間の通電状態において熱エネルギーを発生するものである。ここで、共通電極11は、第1の発熱抵抗体9、9、・・・および第2の発熱抵抗体10、10、・・・の全てに共通の電極であり、突起部5と抵抗体膜8を介して接続されている。
【0036】
ここで、第1の発熱抵抗体9、9、・・・と、第2の発熱抵抗体10、10、・・・とは、プリント時の紙送り方向(図1に示すX方向)において、同一直線上に形成されていない。すなわち、第1の発熱抵抗体9、9、・・・と、第2の発熱抵抗体10、10、・・・とは、どちらもピッチ(間隔)の値が「P」で形成されているが、第1の発熱抵抗体9、9、・・・と、第2の発熱抵抗体10、10、・・・とは、配設されている位置が、相対的に「P/2」づつずれた図3に示す形状(以下、千鳥状とする)となっている。
【0037】
また、第1発熱抵抗体9、9、・・・と、第2の発熱抵抗体10、10、・・・との間の距離Dは、副走査方向のプリントピッチが等間隔となるように定められている。すなわち、基本的には、以下の式で表される値である。
D=(n + 1/2)×P (nは自然数、n≧1)
さらに、図3に示す一実施形態の絶縁ギャップGは、図9および図10に示す従来例の絶縁ギャップGと比較して大きな値となっている。
【0038】
図2において、14は、保護膜であり、印字される用紙との接触による摩耗から、第1の発熱抵抗体9、9、・・・および第2の発熱抵抗体10、10、・・・を保護している。
【0039】
図1および図2において、15は、表面グレーズガラス層3の上面に配設されたコントロールICであり、第1の発熱抵抗体9、9、・・・に対する通電を制御するものである。16、16、・・・は、コントロールIC15の個別リード接続用パッドであり、それぞれ個別リード線12、12、・・・の個別リードパッド部17、17、・・・と、おのおのボンディングワイヤ18、18、・・・を介して接続されている。
【0040】
19は、フレキシブル基板であり、図に示されないプリンタ本体からコントロールIC15を制御するための制御信号が入力される。20、20、・・・は、フレキシブル基板19の接続ターミナル用パッドであり、ワイヤ21、21、・・・を介して、おのおのコントロールIC15の制御信号線用パッド22、22、・・・に接続されている。
【0041】
23は、表面グレーズガラス3の上面に配設されたコントロールICであり、第2の発熱抵抗体10、10、・・・に対する通電を制御するものである。24、24、・・・は、コントロールIC23の個別リード接続用パッドであり、それぞれ個別リード線13、13、・・・の個別リードパッド部25、25、・・・と、おのおのボンディングワイヤ26、26、・・・を介して接続されている。
【0042】
27は、フレキシブル基板であり、図に示されないプリンタ本体からコントロールIC23を制御するための制御信号が入力される。28、28、・・・は、フレキシブル基板27の接続ターミナル用パッドであり、ワイヤ29、29、・・・を介して、おのおのコントロールIC123の制御信号線用パッド30、30、・・・に接続されている。
【0043】
次に、上述した一実施形態の動作を図1および図8を参照して説明する。図8に示す等価回路は、図1に示すサーマルヘッドの等価回路である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。共通電極11(図1参照)は、接地されている。131は、接地とコントロールIC15の入力端子(図示略)との間に介挿された直流電源であり、サーマルヘッドの第1の発熱抵抗体9、9、・・・に対して、それぞれが発熱するための駆動電力を供給する。
また、同様に132は、接地とコントロールIC23の入力端子(図示略)との間に介挿された直流電源であり、サーマルヘッドの第2の発熱抵抗体10、10、・・・に対して、それぞれが発熱するための駆動電力を供給する。
【0044】
そして、コントロールIC15は、第1の発熱抵抗体9、9、・・・に対して、入力される第1の印刷データDATA1に応じたパルス幅の第1のパルス電圧V1を印加するか 、または印加しないというスイッチング制御を行う。上記スイッチング制御は、図示しないプリンタ本体より入力される第1のクロック信号CLOK1、第1の印刷データDATA1、第1のラッチ信号LATCH1および第1のストローブ信号STROB1に基づいて行われる。
【0045】
そして、コントロールIC23は、第2の発熱抵抗体10、10、・・・に対して、入力される第2の印刷データDATA2に応じたパルス幅の第2のパルス電圧V2を印加するか 、または印加しないというスイッチング制御を行う。上記スイッチング制御は、図示しないプリンタ本体より入力される第2のクロック信号CLOK2、第2の印刷データDATA2、第1のラッチ信号LATCH2および第2のストローブ信号STROB2に基づいて行われる。
【0046】
たとえば、図示していないプリンタ本体から送られてくる一定周期のクロック信号CLK1に同期して、第1の発熱抵抗体9、9、・・・に対応した印刷データDATA1がコントロールIC15に送られてくる。そして、印刷データDATA1は、ラッチ信号LATCH1の「立ち上がり」でコントロールIC15の記憶部へ記憶される。この記憶された情報に基づき、たとえば、ストローブ信号STROB1が「1」のとき、第1の発熱抵抗体9、9、・・・は、対応する印刷データDATA1の示す時間において通電され、熱エネルギーを発生する。
【0047】
同様に、たとえば、図示していないプリンタ本体から送られてくる一定周期のクロック信号CLK2に同期して、第2の発熱抵抗体10、10、・・・に対応した印刷データDATA2がコントロールIC23に送られてくる。そして、印刷データDATA2は、ラッチ信号LATCH2の「立ち上がり」でコントロールIC23の記憶部へ記憶される。この記憶された情報に基づき、たとえば、ストローブ信号STROB2が「1」のとき、第2の発熱抵抗体10、10、・・・は、対応する印刷データDATA2の示す時間において通電され、熱エネルギーを発生する。
【0048】
そして、次のラインをプリントするため、下記送りが図に示されないプリンタ本体により行われる。この一実施形態の600DPIのサーマルヘッドを用いたプリンタにおいて、プリント時における1ライン当たりの用紙搬送の距離は、300DPIのプリンタにおける1ライン当たりの用紙搬送の距離の1/2となる。
【0049】
上述した操作により、図3に示す第1の発熱抵抗体9、9、・・・と、第2の発熱抵抗体10、10、・・・との形状を持つサーマルヘッドにおいて、昇華プリント方式によるプリント結果を図4に示す。図4の結果からも判るように、第1の発熱抵抗体9、9、・・・のプリントしたドットと、第2の発熱抵抗体10、10、・・・のプリントしたドットとが、ドット領域において互い違いにプリントされ、ドット密度が高くなり、しかも主走査方向で重なり合うため、プリントの濃度は、高められる。
【0050】
そして、1ドット領域の面積に対するプリントされたドットの面積の比は、図9に示す300DPIの46%および図10に示す600DPIの35%に対して103%と向上している。
【0051】
また、実際のプリント濃度を測定した結果、一実施形態のサーマルヘッドのマクベス濃度値は、「2.2」であり、図9に示すサーマルヘッドのマクベス濃度値「1.8」および図10に示すサーマルヘッドのマクベス濃度値「1.4」に比較して、大幅に向上している。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、その中央表面に所定長さの共通電極部が突出形成された基板と、前記共通電極部より一方の側の、前記基板の表面に形成された第1の絶縁体と、前記共通電極部より他方の側の、前記基板の表面に形成された第2の絶縁体と、前記第1の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接合された複数の第1の発熱抵抗体と、前記第2の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接合された複数の第2の発熱抵抗体とを具備し、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体とが、長尺方向にD1>D2である間隔D2ずらされて形成されているため、第1の発熱抵抗体によりプリントされるドットと、第2の発熱抵抗体によりプリントされるドットとが互い違いに千鳥状の位置関係となるので、プリントされるドットの密度が高められ、かつ、これらの発熱抵抗体の加工寸法が、従来とほぼ同一なので発熱抵抗体の抵抗値のバラツキや歩留まりの低下を起こさずサーマルヘッドを製造できる効果がある。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体とは、長尺方向に、間隔D1の1/2の距離ずらされて形成されているため、第1の発熱抵抗体によりプリントされるドットと、第2の発熱抵抗体によりプリントされるドットとが互い違いに千鳥状の位置関係となるので、プリントされるドットの密度が高められる効果がある。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との間隔は、印刷時において、走査方向と副走査方向との印刷間隔が等しくなる値であるため、第1の発熱抵抗体によりプリントされるドットと、第2の発熱抵抗体によりプリントされるドットとが互い違いに一定の間隔で千鳥状の位置関係となるので、プリント結果が見やすくなる効果がある。
【0055】
請求項4記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、その出力端子が前記第1の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第1の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、印刷データに応じたパルス幅の第1のパルス電圧を印加する第1の制御手段と、その出力端子が前記第2の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第2の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、前記印刷データに応じたパルス幅の第2のパルス電圧を印加する第2の制御手段とを具備するため、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との発熱制御を別々に行うことが可能なので、各発熱抵抗体の前後の発熱における発熱エネルギーを考慮したきめ細かな制御ができ、かつ、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とで異なったデータをプリントできる効果がある。
【0056】
請求項5記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、前記基板は、金属材料により形成されているため、突出形成された共通電極部に大電流を流すことが可能となり、かつ、発熱抵抗体の熱エネルギーによるストレスに対応できる効果がある。
【0057】
請求項6記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、前記共通電極部の幅は、0mmを超え、2mm以下で形成されるため、第1の発熱抵抗体のドットのラインと第2の発熱抵抗体のドットのラインとの間隔が狭められるので、これらの発熱抵抗体を同時にプリントさせる場合のドット密度を上げる効果がある。
【0058】
請求項7記載の発明によれば、サーマルヘッドにおいて、前記第1の絶縁体および前記第2の絶縁体は、共にガラス材料により形成されているため、容易に作成でき、かつ高い絶縁性をもつ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるサーマルヘッドの外観構成を示す表面図である。
【図2】 図1に示すB−B’線視断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態によるサーマルヘッドの発熱抵抗体の加工状態を示す図である。
【図4】 図3に示す発熱抵抗体を持つサーマルヘッドにおける昇華プリント方式によるプリント結果を示す図である。
【図5】 従来のサーマルヘッドの外観構成を示す斜視図である。
【図6】 従来のサーマルヘッドの外観構成を示す表面図である。
【図7】 図6に示すA−A’線視断面図である。
【図8】 サーマルヘッドの電気的構成を示す等価回路の図である。
【図9】 300DPIのサーマルヘッドにおける発熱抵抗体の加工状態を示す図である。
【図10】 600DPIのサーマルヘッドにおける発熱抵抗体の加工状態を示す図である。
【図11】 図9に示す発熱抵抗体を持つサーマルヘッドにおける昇華プリント方式によるプリント結果を示す図である。
【図12】 図10に示す発熱抵抗体を持つサーマルヘッドにおける昇華プリント方式によるプリント結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ステンレス基板
2 ステンレス層
3 表面グレーズガラス層
4 裏面グレーズガラス層
5 突起部
6、7 グレーズ部
8 半導体膜
9 第1の発熱抵抗体
10 第2の発熱抵抗体
11 共通電極
15、23 コントロールIC
Claims (5)
- 金属材料により形成されており、略中央表面に、長尺方向が基板長さと略同一の長さの突起が突起部として突出形成された基板と、
前記突起部と抵抗体膜を介して接続された共通電極部と、
前記共通電極部より一方の側の前記基板の表面に形成された第1の絶縁体と、
前記共通電極部より他方の側の前記基板の表面に形成された第2の絶縁体と、
前記第1の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接合された複数の第1の発熱抵抗体と、
前記第2の絶縁体の表面に長尺方向に所定の間隔D1で形成され、かつその一端部が前記共通電極部に電気的に接続された複数の第2の発熱抵抗体と、
を具備し、
前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗値体とが、長尺方向にD1>D2である間隔D2ずらされて形成されていることを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体とは、長尺方向に、間隔D1の1/2の距離ずらされて形成されていることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド。
- 前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との距離は、「(n+1/2)D1,nは自然数,n≧1」で定められていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のサーマルヘッド。
- その出力端子が前記第1の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第1の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、印刷データに応じたパルス幅の第1のパルス電圧を印加する第1の制御手段と、
その出力端子が前記第2の発熱抵抗体の他端部に接続され、前記第2の発熱抵抗体の前記他端部と、前記共通電極部との間に、前記印刷データに応じたパルス幅の第2のパルス電圧を印加する第2の制御手段と
を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッド。 - 前記第1の絶縁体および第2の絶縁体は、共にガラス材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のサーマルヘッド。
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