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JP3798064B2 - カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体 - Google Patents
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JP3798064B2 - カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なジゴキシゲニン誘導体に関する。詳しくは、本発明は、高感度で且つ核酸、蛋白質への標識が容易な新規なジゴキシゲニン誘導体及びその製造方法並びにそれを使用した検出法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、核酸の標識は放射性同位体(32P、14C、3Hなど)を標識化合物として用い、ニックトランスレーション法、ランダムプライマー法、テーリング法などの方法で核酸に取り込ませることにより行われてきた。このような放射性同位体で標識した核酸を用いた検出法は、一般に高感度で特異的であるという特徴を有しているが、安全性、経済性、安定性などの点では問題がある。すなわち、放射性同位体は半減期を考慮して保存、使用する必要があり、長期保存して繰り返し使用することができない。また、一般に人体に有害であり、取り扱いに専用の施設を必要とするなど厳密な注意をしなければならない。
【0003】
このような理由により非放射性標識物質を用いた核酸、蛋白質の標識が盛んに利用されはじめている。このうち、アビジン又はストレプトアビジンと高い親和性を有するビオチンを用いた方法が多用されており、例えば酵素標識したアビジンを核酸に取り込ませたビオチンに結合させた後、結合した酵素の活性を測定する方法等がある。しかし、このようなビオチン標識法は、取り扱いが煩雑であり、特別な反応装置や条件が必要であったり、また、標識操作に時間がかかる等の問題がある。
【0004】
一方、ジゴキシゲニンの基本骨格を有し、これに他の分子や担体等が結合したジゴキシゲニン誘導体は、検出試薬として多数の生物学的分析に使用されている。例えば、ジゴキシゲニン誘導体は、イムノアッセイ(免疫検定法)において、強心配糖体に対する抗体として、強心配糖体、特にジゴキシンの測定に用いられる。また、ハプテンを標識として結合させた相補的な塩基配列を有する核酸を用いた核酸検出法において、前記ハプテンとして用いられる。これらの分析方法は、ハプテン−抗ハプテン抗体−相互作用の原理に基づいて行われ、これには一般に、ジゴキシゲニンがステロイド骨格の3位を介して他の分子に結合しているジゴキシゲニン誘導体が使用されている。
【0005】
しかしながら、従来使用されてきたジゴキシゲニン誘導体は、次のような欠点を有していた。すなわち、ジゴキシゲニンのステロイド骨格とエステル結合又はウレタン結合を介して他の分子が結合しているジゴキシゲニン誘導体は、前記エステル結合又はウレタン結合が塩基性条件下に極めて不安定であり、加水分解を起こしやすいため、使用中にジゴキシゲニン誘導体の分解が生じるという問題があった。
【0006】
また、ジゴキシゲニン誘導体は、ステロイド骨格の3位の他に12位に反応性の水酸基を有しており、合成時に3−及び12−誘導体からなる混合物がしばしば生じる。このような混合物を精製することなく用いると、誤差が生じて分析精度が低下し、一方、これらを各々の位置異性体に分離しようとすると著しく経費がかかるという問題があった。更に、ジゴキシゲニン誘導体には、例えばステロイド骨格の3位の酸素原子がアミノ基の窒素原子に置換されたような変性体が存在する場合があり、このような変性体は、非変性ステロイド骨格に対する抗体によるハプテンの認識を損なう場合があった。
【0007】
このような問題点を解決しうるものとして、ステロイド骨格と他の分子との間を3位のエーテル結合を介して結合させたジゴキシゲニン誘導体が提案されている(特公平6−37513号公報参照)。しかしながら、このジゴキシゲニン誘導体は、ジゴキシゲニンから側鎖を伸ばしてアミノ基反応性基をもたせたものであり、アミノリンカー等で人工的に修飾された核酸と反応させて標識させる必要があるため、標識工程が煩雑であり、しかも天然由来のDNAに対して標識できないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、核酸検出法又はイムノアッセイ法における測定用標識として、標識方法が簡便であり、天然由来の核酸にも標識でき、且つ高感度な分析が可能な標識物質である新規ジゴキシゲニン誘導体を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
カルボジイミド化合物が核酸と反応することは知られている。例えば、カルボジイミド化合物は核酸中の水素結合を形成していないグアニン及びチミンと反応して付加体を形成することが報告されている[P. T. Gilham, J. Amer. Chem. Soc., 84, 688(1962)]。
【0010】
本発明者らは、簡便で効率的な核酸及び蛋白質へのジゴキシゲニン導入法に関して鋭意研究を重ねた結果、カルボジイミド基の核酸、蛋白質等への高い反応性を利用して、カルボジイミド化合物にジゴキシゲニン基を導入することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表されるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を提供するものである。
【0012】
【化7】
B−Y2−N=C=N−Y1−W−Z ・・・(I)
【0013】
[式(I)中、
Zは、下記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基を示す。
Wは4級アンモニウム基を表す。
1及びY2は、各々直鎖結合、又は、主鎖の炭素数が1〜20であり、場合により該主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。
Bは水素原子又は式(I)中の−W−Zと同一もしくは異なる一価の有機基を表す。]
【0014】
【化8】
Figure 0003798064
【0015】
[式(Z)中、
Aは−O−、−COO−、又は−NHCOO−を表す。
Lは、主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。]
【0016】
また、本発明は、前記一般式(I)中、Wが下記一般式(W)で表される4級アンモニウム基であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を提供する。
【0017】
【化9】
Figure 0003798064
【0018】
[式(W)中、
1及びR2は、各々炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、又はR1とR2とが相互に結合して形成する含窒素複素環式基を表す。Xはハロゲン原子を表す。]
【0019】
また、本発明は、前記一般式(I)中、Bが3級アミノ基又は4級アンモニウム基であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を提供する。
また、本発明は、前記一般式(I)中、Bが−W−Zで表される一価の有機基(W及びZは各々式(I)中におけるのと同義である。)であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を提供する。
【0020】
また、本発明は、前記一般式(I)で表されるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体が下記式(II)で表される化合物であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を提供する。
【0021】
【化10】
Figure 0003798064
【0022】
[式(II)中、k、p、q、r及びsは各々1〜12の整数を表す。
1及びL2は各々−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を表す。
A及びBは、各々式(I)及び式(Z)におけるのと同義である。
1及びR2は、各々炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、又はR1とR2とが相互に結合して形成する含窒素複素環式基を表す。
Xはハロゲン原子を表す。]
【0023】
また、本発明は、下記一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物と、下記一般式(IV)で表されるハロゲン化ジゴキシゲニン誘導体とを反応させる工程を含む前記カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0024】
【化11】
B−Y2−N=C=N−Y1−W’ ・・・(III)
【0025】
[式(III)中、B、Y1及びY2は各々前記一般式(I)におけるのと同義であり、W’は置換されていてもよいアミノ基を表す。]
【0026】
【化12】
Z−X ・・・(IV)
【0027】
[式(IV)中、Zは前記一般式(I)におけるのと同義であり、Xはハロゲン原子を表す。]
【0028】
また、本発明は、標識物質で標識した核酸を用いるハイブリダイゼーションによる核酸の検出法において、該標識物質として、前記カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いることを特徴とする方法に関する。
【0029】
更に、本発明は、標識物質で標識した抗原又は抗体を用いるイムノアッセイ法において、該標識物質として、前記カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いることを特徴とする方法に関する。
【0030】
一般式(I)で表される本発明のジゴキシゲニン誘導体は、核酸塩基に対して高い反応性を示すカルボジイミド基と、高感度な検出反応性を示すものとして知られるジゴキシゲニンとを同時に有する化合物であり、アミノリンカー等で人工的に修飾された核酸を用いる必要がなく天然由来のDNAにも簡便な方法で標識可能である。また、光反応性標識化合物に比べ取り扱いが簡便である。よって、核酸や蛋白質にジゴキシゲニン基を導入するための標識試薬として有用である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
(1)本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、上記一般式(I)で表される構造を有する。ここで、式(I)中、Zは上記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基、Wは4級アンモニウム基を表す。Y1及びY2は各々直接結合又は主鎖の炭素数が1〜20であり、場合により主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。Bは水素原子又は式(I)中の−W−Zと同一もしくは異なる一価の有機基を表す。
【0033】
一般式(Z)中、Aは−O−、−COO−、又は−NHCOO−を表し、好ましくは−O−である。Lは、主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。Lの主鎖の炭素数は好ましくは1〜20である。Lとしては具体的には下記一般式(L)で表されるアルキレン基が挙げられる。
【0034】
【化13】
−(CH2q−L1−(CH2r−L2−(CH2s− ・・・(L)
【0035】
式(L)中、q、r及びsは各々1〜12の整数を表す。L1及びL2は各々−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を表す。特に、L1及びL2が各々−NHCO−であるものが好ましい。
【0036】
一般式(I)中、Wは4級アンモニウム基を表し、好ましくは上記一般式(W)で表されるものである。ここで、式(W)中、R1及びR2は、各々炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R1とR2とは相互に同一であっても異なっていてもよい。脂肪族炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基が包含され、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、このうちメチル基が好ましい。アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、クロチル、チグリル、プレニル等が挙げられ、特に炭素数2〜5のものが好ましい。アルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられ、特に炭素数2〜5のものが好ましい。シクロアルキル基としては、場合により環状にアルキル基等の置換基を有していてもよく、具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロオクチル等が挙げられる。特に炭素数6〜10のものが好ましい。アリール基としては、単環式又は多環式のいずれのタイプのものであっても良く、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0037】
また、R1とR2とが相互に結合して含窒素複素環式基を形成していてもよい。このような含窒素複素環式基としては、例えばピリジニウム基、ピロリジニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、モルホリノ基等が挙げられる。
【0038】
式(W)中、Xはハロゲン原子であり、具体的にはBr、Cl、Iが挙げられる。Y1及びY2は、カルボジイミド基とB又は−W−Zとを結合するためのリンカー部分であり、各々直接結合、又は、主鎖の炭素数が1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。好ましくは、主鎖の炭素数が1〜4であり且つ場合により分岐鎖としてメチル基を有していてもよいアルキレン基、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、1−メチルテトラメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン等が挙げられる。また、Y1及びY2は、各々その主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよく、例えばアルキレン基の任意の複数が−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基によって相互に結合したものであってもよい。
【0039】
一般式(I)中、Bは、水素又は一価の有機基、好ましくは3級アミノ基又は4級アンモニウム基であり、好適な基としては以下に述べるものが挙げられる。
【0040】
(i)窒素原子が水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又は前記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基で4級化されていてもよい含窒素複素環式基、例えばピリジル基もしくはピリジニウム基、ピロリジル基もしくはピロリジニウム基、ピペリジリル基もしくはピペリジニウム基。特に、窒素原子がC1〜C10のアルキル基、例えばメチル基で4級化されていてもよい、2−、3−、もしくは4−ピリジル基又はピリジニウム基、2−もしくは3−ピロリジル基又はピロリジニウム基、2−、3−もしくは4−ピペリジリル基又はピペリジニウム基。
【0041】
(ii)窒素原子が水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又は前記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基で4級化されていてもよいアミノ基。特に窒素原子がC1〜C10のアルキル基、例えばメチル基、又は前記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基で4級化されていてもよいアミノ基。具体的にはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基。
【0042】
(iii)下記式で表される複素環式3級アミノ基又は3級もしくは4級アンモニウム基。
【0043】
【化14】
Figure 0003798064
【0044】
[式中、R3及びR4は各々水素原子、直鎖状もしくは分岐鎖状のC1〜C10の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアリール基もしくはアラルキル基、特にC1〜C10のアルキル基又はC1〜C10のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Qはアニオン、例えばサルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、アリールサルフェートイオン、ハロサルフェートイオン、ハライドイオン等を表す。R5は酸素原子、イオウ原子又はメチレン基を表す。mは0又は1である。]
【0045】
具体的には、下記式で示される基:
【0046】
【化15】
Figure 0003798064
【0047】
[式中、R6及びR7は各々水素原子、C1〜C10のアルキル基又はC1〜C10のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。]
【0048】
Bは、一般式(I)中の−W−Zで表される一価の有機基(W及びZは各々式(I)中におけるのと同義である。)と同一であっても異なっていてもよく、同一の場合は、例えば、一般式(I)においてカルボジイミド基を中心として対象な形となる化合物などが挙げられる。
【0049】
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体のうち特に好ましいものは、下記一般式(II)で表される化合物である。
【0050】
【化16】
Figure 0003798064
【0051】
[式(II)中、k及びpは各々1〜12の整数を表す。L1、L2、q、r及びsは各々式(L)におけるのと同義である。A及びBは、各々式(I)及び式(Z)におけるのと同義である。R1及びR2は、式(W)におけるのと同義である。]
【0052】
具体的には、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0053】
【化17】
Figure 0003798064
【0054】
(2)本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の製造方法
本発明の上記一般式(I)で表されるジゴキシゲニン誘導体の製造は、上記一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物と、上記一般式(IV)で表されるハロゲン含有ジゴキシゲニン誘導体とを反応させる工程を含む方法により行われる。すなわち、一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物は、末端に置換されていてもよいアミノ基(W’)を有するものであり、一般式(IV)で表されるジゴキシゲニン誘導体の末端ハロゲン原子(X)と反応して結合する。
【0055】
一般式(III)中のB、Y1及びY2並びに一般式(IV)中のZは、上記一般式(I)におけるのと同義であり、一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物及び一般式(IV)で表されるハロゲン含有ジゴキシゲニン誘導体は、各々所望するカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の構造に応じて適宜選択することができる。
【0056】
一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物の具体例としては、N−3,3−ジメチルアミノプロピル−N’−3−(4−モルホリノ)プロピルカルボジイミド、1−エチル−3,3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド、ビス−(3,3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等が挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、下記反応式で示すように、先ず、アミノ基含有イソチオシアネート化合物(反応式中、a)をアミン化合物(b)と反応させてチオ尿素化合物(c)を合成した後、得られたチオ尿素化合物について、酸化水銀、酸化鉛等を触媒として常法に従い脱硫反応を行うことにより得られる。
【0057】
【化18】
Figure 0003798064
【0058】
ここで用いるアミノ基含有イソチオシアネート化合物及びアミン化合物は、所望するカルボジイミド化合物の構造に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ基含有イソチオシアネート化合物としては、3,3−ジメチルアミノプロピルイソチオシアネート、3−(4−モルホリノ)プロピルイソチオシアネート等が挙げられる。また、アミン化合物としては、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、N,N−ジメチルプロパンジアミン等が挙げられる。
【0059】
次に、一般式(IV)で表されるハロゲン含有ジゴキシゲニン誘導体としては、下記式(化20)で表されるジゴキシゲニンの臭素体もしくは同ヨウ素体、塩化物等が挙げられる。
【0060】
【化19】
Figure 0003798064
【0061】
これらのハロゲン含有ジゴキシゲニン誘導体は、下記式(化21)で表されるジゴキシゲニンコハク酸イミドエステル誘導体、p−ニトロフェノールエステル誘導体等のジゴキシゲニンのエステル誘導体を、常法に従い2−ブロモエチルアミン、2−イオドエチルアミン、2−クロロエチルアミン等のハロゲン化試薬と反応させることにより得ることができる。この場合、ジゴキシゲニンのエステル誘導体を予め、ほう酸ナトリウム緩衝液等の緩衝液を含む混合溶媒に溶解させて反応に供するのが好ましい。
【0062】
【化20】
Figure 0003798064
【0063】
これらの個々の反応工程は、例えば通常用いられるジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、ベンゼン、エーテル、ジクロロメタン等の溶媒を用いて、公知の方法により行われる。
【0064】
本発明においては、このようにして得られる前記一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物と前記一般式(IV)で表されるハロゲン含有ジゴキシゲニン誘導体とを、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の通常用いられる溶媒を用いて反応させることにより、例えば下記反応式で表されるような反応工程を経てカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体が得られる。
【0065】
【化21】
Figure 0003798064
【0066】
更に、得られるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の一般式(I)におけるB−部分が3級アミノ基の場合は、更にジメチルホルムアミド等の溶媒中でp−トルエンスルホン酸メチル(TsOMe)、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等と反応させて前記B−部分を4級アンモニウム化することにより、水溶性の向上したカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体が得られる。
【0067】
このようにして得られる本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、核酸検出法やイムノアッセイにおいて標識物質として好適に使用することができる。その場合は、標識しようとするDNA等の核酸又は抗原もしくは抗体等のタンパク質とともに、本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を、溶媒中で混合させる等の方法で接触させることにより、前記核酸又はタンパク質に結合させることができる。すなわち、本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を、核酸塩基と高い反応性を示すカルボジイミド基において核酸又はタンパク質と結合させることにより、高感度な検出試薬であるジゴキシゲニンをこれらに付加し、標識とすることができるのである。よって、カルボジイミド基が反応しやすい条件下、例えばpH7.5〜8.5程度のアルカリ性の条件下で接触させるのが好ましい。
【0068】
(3)本発明の核酸検出法
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、標識物質で標識した核酸を用いるハイブリダイゼーションによる核酸の検出法において、標識物質として用いることができる。すなわち、カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体で標識された核酸は、ハイブリダイゼーション用のプローブとして用いることができる。測定対象である核酸にプローブをハイブリダイズさせて、核酸−核酸ハイブリッドを形成させ、系から遊離のプローブを除去した後にハイブリッドに含まれる標識物質を検知することによって、測定対象の核酸を検出することができる。本発明においては、標識物質であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、酵素を結合させた抗ジゴキシゲニン抗体を用いて検知することができる。測定対象である核酸は、通常、ナイロンメンブレン、ニトロセルロース等の膜に固定化されて用いられる。
【0069】
本発明の核酸の検出法におけるハイブリダイゼーションは、核酸プローブの標識にカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いる以外は、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーション、ドットブロットハイブリダイゼーション、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション等の、通常の核酸のハイブリダイゼーションと特に変わるところはない。測定対象である核酸は、DNAであってもRNAであってもよく、プローブに用いる核酸もまたDNAであってもRNAであってもよい。
【0070】
プローブに用いる核酸の標識は、上記の方法によってポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを標識することによって行うことが好ましいが、標識されたヌクレオチドをポリメラーゼ反応によってポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに取り込ませることによって行うこともできる。
【0071】
(4)本発明のイムノアッセイ
本発明の前記カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、標識物質で標識した抗原又は抗体を用いるイムノアッセイにおいて、前記標識物質として用いることができる。
【0072】
測定対象が抗原であるときは、その抗原に特異的に結合する抗体を標識し、抗原−抗体複合体を形成させ、系から遊離の抗体を除去した後に複合体に含まれる標識物質を検知することによって、測定対象の抗原を検出することができる。本発明においては、標識物質であるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体は、酵素を結合させた抗ジゴキシゲニン抗体を用いて検知することができる。また、抗原に特異的に結合する第1の抗体を固相化しておき、これに抗原を結合させ、抗原に特異的に結合する第2の抗体を標識したものを結合させてもよい。この場合、第1の抗体と第2の抗体は、同一のポリクローナル抗体を用いてもよく、異なるモノクローナル抗体を用いてもよい。さらに、一方をポリクローナル抗体とし、他方をモノクローナル抗体としてもよい。各々の方法において、標識した抗体の代わりに未標識の抗体を用い、これを抗原に結合させた後に、前記抗体に結合する二次抗体を標識したものをさらに結合させてもよい。二次抗体は、抗体の調製に用いた動物のイムノグロブリンで前記動物と異なる動物を免疫することによって得られる。
【0073】
測定対象が抗体であるときは、その抗体に特異的に結合する抗原を標識し、抗原−抗体複合体を形成させ、系から遊離の抗原を除去した後に複合体に含まれる標識物質を検知することによって、測定対象の抗体を検出することができる。また、測定対象である抗体に特異的に結合する抗体が得られる場合には、その抗体を標識したものを用い、抗体−抗体複合体を形成させてもよい。
【0074】
本発明のイムノアッセイ法は、抗原又は抗体の標識にカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いる以外は、通常のイムノアッセイ法と特に変わるところはなく、抗原又は抗体の固相化、抗原抗体反応、洗浄操作等は、通常行われているのと同様にして行えばよい。また、イムノアッセイの態様も、直接法、間接法、競合法等、いずれの態様も適用され得る。
【0075】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【0076】
【製造例】
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の製造方法の一例を、反応式とともに以下に示す。
【0077】
(1)チオ尿素化合物の合成(反応式(1))
3−ジメチルアミノプロピルイソチオシアネート1.4g(10mmol)を、乾燥塩化メチレン15mlに溶解し、氷浴で冷却した。これに4−(3−アミノプロピル)モルホリン1.4g(10mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を加えた後、塩化メチレンで抽出し(5ml×3回)、無水炭酸カリウムで乾燥した後、濃縮してN−3−ジメチルアミノプロピル−N’−3−(4−モルホリノ)プロピルチオ尿素(下記反応式(1)中、化合物−1)2.7gを得た(収率98%)。
【0078】
【化22】
Figure 0003798064
【0079】
(2)カルボジイミド化合物の合成(反応式(2))
N−3−ジメチルアミノプロピル−N’−3−(4−モルホリノ)プロピルチオ尿素(化合物−1)2.7g(10mmol)をアセトン35mlに溶解し、酸化水銀4.2g(20mmol)を加えて、還流下、2時間撹拌した。放冷後、反応混合物をろ過し、溶媒を留去して粗生成物を得た。減圧蒸留により、N−3−ジメチルアミノプロピル−N’−3−(4−モルホリノ)プロピルカルボジイミド(化合物−2)1.5gを得た(収率60%)。このものの沸点(b.p.)は125〜128℃/0.2mmHgであった。
【0080】
【化23】
Figure 0003798064
【0081】
(3)ジゴキシゲニンの臭素体の合成(反応式(3))
ジゴキシゲニンコハク酸イミドエステル誘導体20mg(0.03mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.5mlと1Nほう酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)0.5mlの混合液に溶解した。この溶液に2−ブロモエチルアミン臭化水素塩6mg(0.03mmol)を加え、18時間穏やかに室温で振盪しながら反応させた。反応液をクロロホルム(1ml)で3回抽出し、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。その後、溶媒を留去して、固体の反応混合物21mgを得た。この反応混合物をシリカゲルカラム上で精製し、ジゴキシゲニンの臭素体(化合物−3)10mgを得た。
【0082】
【化24】
Figure 0003798064
【0083】
(4)カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の合成(反応式(4))
ジゴキシゲニンの臭素体(化合物−3)10mg(0.015mmol)をジメチルホルムアミド3ml中に溶解し、これにN−3−ジメチルアミノプロピル−N’−3−(4−モルホリノ)プロピルカルボジイミド(化合物−2)10mg(0.04mmol)のジメチルホルムアミド2ml溶液を加え、18時間室温で撹拌した。反応溶媒を減圧留去し、残った反応混合物を少量のジメチルホルムアミドに溶解させ、これをジメチルエーテル中に滴下した。析出した白色結晶を濾別後、乾燥させ、カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体(化合物−4)10mgを得た。
【0084】
【化25】
Figure 0003798064
【0085】
(5)カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の4級アンモニウム化(反応式(5))
カルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体(化合物−4)10mg(0.01mmol)をジメチルホルムアミド3mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸メチル(TsOMe)10mg(0.05mmol)のジメチルホルムアミド2ml溶液を加え、18時間室温で撹拌した。反応溶媒を減圧留去し、残った反応混合物を少量のジメチルホルムアミドに溶解させ、これをジメチルエーテル中に滴下した。析出した白色結晶を濾別後、乾燥させ、4級アンモニウム基を有するカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体(化合物−5)5mgを得た。
【0086】
【化26】
Figure 0003798064
【0087】
【実施例1】
(1)DNAのジゴキシゲニン標識
DNAをジゴキシゲニン標識するために、反応溶液[ファージDNA(M13mp18複製型:宝酒造株式会社)1μg;0.1Mほう酸緩衝液(pH8,5);0.25%SDS;0.1Mのカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体(化合物−5)]を85℃で1分間インキュベートした。次に、未反応のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を除去するために、試料の1/9倍量の3M酢酸ナトリウム、2倍量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃で45分間静置した。遠心機(国産社製、H−1500FR)により、4℃、12000rpmで15分間遠心して上層を除去し、70%エタノール500μlを加えて更に4℃、12000rpmで1分30秒間遠心した。上層を除去した後、100μlの滅菌水に沈殿を溶解し、−20℃で保存した。このようにして得られたジゴキシゲニン標識DNAを用いてドットブロット検出を以下に述べるようにして行った。
【0088】
(2)DNAの固定化
ジゴキシゲニン標識DNA溶液中のDNA濃度をUV測定器(UV-VISIBLE RECORDING SPECTROPHOTOMETER UV-2100)(島津製作所)によって調べた。次に、このジゴキシゲニン標識DNAの種々の濃度の希釈液(10pg/μl、1pg/μl、100fg/μl、10fg/μl、1fg/μl)を作成し、ナイロンメンブレン(Hybond N+)(アマシャム社製)に各1μlをドットブロットした。メンブレンを乾燥させた後、UV stratalinkerTM(STRATAGENE)でオートクロスリンク(DNA固定用プログラム)を行い、DNAをメンブレン上に固定した。
【0089】
(3)化学発色
メンブレンをバッファーA溶液[0.2M NaCl;0.1M Tris−HCl(pH7.5);0.05%Triton−X−100]に1分間浸した。次に、プラスチック袋(商品名ハイブリバッグ:BRL社(Bethesda Research Laboratories)製)に前記メンブレンを入れ、バッファーB溶液[3%BSA+バッファーA溶液]を、メンブレン100cm2当たり5mlの割合で添加し、室温で30分間静置した。
【0090】
次いで、前記メンブレンを新しいハイブリバッグに移し、バッファーA溶液1mlに対して抗ジゴキシゲニン抗体−アルカリホスファターゼ複合体(Anti DIG alkaline phosphatase conjugate:Boehringer Mannheim Biochemica 社製)2.5μlを加えた溶液を作成し、メンブレン100cm2当たり1mlの割合で添加し、室温で25分間静置した。メンブレンをハイブリバックから取り出し、バッファーA溶液100mlを用いた10分間のメンブレン洗浄操作を、3回繰り返した後、前記メンブレンをバッファーC溶液[0.1M NaCl;0.1M Tris−HCl(pH9.5);50mM MgCl2]50mlに5分間浸透し、再度ハイブリバッグに移した。
【0091】
バッファーC溶液5mlに対してNBT(Nitroblue tetrazolium chloride)32μl、X−phosphate(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phosphate)16μlを加えた溶液を作成し、メンブレン100cm2当たり5mlの割合で添加し、暗所で1時間発色させた。メンブレンを滅菌水で洗浄し、乾燥して保存した。
【0092】
この結果、本発明のジゴキシゲニン誘導体を用いて標識したDNAは1fgまで検出することができることがわかった。一方、標識物質としてDIG DNA Labeling and Detection Kit (Boehringer Mannheim Biochemica 社製)を用いてランダムプライマー法で標識したDNAを同様の操作で発色させたところ、10fgまでしか検出することができなかった。
【0093】
【実施例2】
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を標識物質として、以下に示す方法で、メンブレンを用いた抗原抗体反応を用いてタンパク質の検出を行った。
【0094】
(1)タンパク質へのジゴキシゲニン標識
タンパク質をジゴキシゲニン標識するために、反応溶液[抗ウサギIgG抗体(ヤギ)(Anti-RABBIT-IgG(goat)、VECTER LABORATORIES社製)100μg;0.1M ほう酸緩衝液(pH9.0);0.1Mのカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体(化合物−5)]を氷上で10分間静置した。全量の0.3%になるように10%SDSを加え、マイクロ遠心チューブ(商品名ウルトラフリーC3LGC;ミリポア(MILLIPORE)社製)を用いて、5000rpmで15分間遠心し、未反応のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を取り除いた。さらに、フィルターカップに100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)及び50mMのNaClを各50μl加え、5000rpmで10分間遠心した。同様の操作を再度行い、残渣をエッペンドルフチューブに移し、100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)と50mMのNaClで0.1Mの溶液に調整した後、4℃で保存した。
【0095】
(2)IgGのメンブレン上への固定
ウサギIgG(RABBIT-IgG)をバッファーA溶液中で100pg〜1fg/μlの10倍希釈系列を作成した。各濃度のIgG溶液をミリポア社製PVDF(Polyvinylidene fluoride)メンブレン上に各1μlをドットブロットし、37℃で10分間乾燥してメンブレン上にIgGを固定した。次に、IgGを固定したメンブレンをバッファーB溶液に浸漬し、30分間静置してブロッキングを行った。
【0096】
(3)抗原抗体反応
メンブレンをバッファーB溶液から取り出し、反応溶液に浸し室温で30分間シェーカーでゆっくり振盪した。用いた反応溶液の組成は以下の通りであった。バッファーB溶液10ml、4μg/μlジゴキシゲニン標識抗ウサギIgG10μl。但し、ジゴキシゲニン標識抗ウサギ抗体は、上記(1)項に示した方法で得られたものである。
【0097】
(4)未反応ジゴキシゲニン標識抗ウサギ抗体の除去
固定した抗体と反応しなかったジゴキシゲニン標識抗ウサギ抗体を、次の方法で除去した。すなわち、反応させたメンブレンをバッファーA溶液に浸し5分間室温で振盪する洗浄操作を3回行った。
【0098】
(5)化学発色
メンブレンをハイブリバッグ(BRL社製)に入れ、バッファーB溶液をメンブレン100cm2当たり5mlの割合で添加し、室温で30分間静置した。次に、メンブレンを新しいハイブリバッグに移し、バッファーB溶液1mlII対してAnti DIG alkaline phosphatase conjugate(Boehringer Mannheim Biochemica 社製)2.5μlを加えた溶液を作成し、メンブレン100cm2当たり1mlの割合で添加し、室温で25分間静置した。メンブレンをハイブリバックから取り出し、バッファーA溶液100mlを用いた10分間のメンブレン洗浄操作を3回繰り返した。メンブレンをバッファーC溶液50mlに5分間浸透し、再度ハイブリバッグに移した。バッファーC溶液5mlに対してNBT32μl、X−phosphate(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phosphate)16μlを加えた溶液を作成し、メンブレン100cm2当たり5mlの割合で添加し、暗所で1時間発色させた。メンブレンを滅菌水で洗浄し、乾燥して保存した。
【0099】
この結果、本発明のジゴキシゲニン誘導体を用いて標識したタンパク質は1pgまで検出することができることがわかった。一方、標識物質としてジゴキシゲニン−3−o−メチルカルボニル−ε−アミノカプロン酸−N−ハイドロキシサクシンイミドエステル(Boehringer Mannheim Biochemica 社製)を用いて標識したタンパク質を同様の操作で発色させたところ、10pgまでしか検出することができなかった。
【0100】
【発明の効果】
本発明のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いれば、簡便な標識操作で高感度な核酸検出及びイムノアッセイを行うことができる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表されるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
    Figure 0003798064
    [式(I)中、Zは、下記一般式(Z)で表されるジゴキシゲニン含有基を示す。Wは4級アンモニウム基を表す。Y1及びY2は、各々直鎖結合、又は、主鎖の炭素数が1〜20であり、場合により該主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。Bは水素原子又は式(I)中の−W−Zと同一もしくは異なる一価の有機基を表す。]
    Figure 0003798064
    [式(Z)中Lは、主鎖中に−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。]
  2. 一般式(I)中、Wが下記一般式(W)で表される4級アンモニウム基である、請求項1記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
    Figure 0003798064
    [式(W)中、R1及びR2は、各々炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、又はR1とR2とが相互に結合して形成する含窒素複素環式基を表す。Xはハロゲン原子を表す。]
  3. 一般式(I)中、Bは3級アミノ基又は4級アンモニウム基である、請求項1記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
  4. 一般式(I)中、Bは−W−Zで表される一価の有機基(W及びZは各々式(I)中におけるのと同義である。)である、請求項1記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
  5. 一般式(I)で表されるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体が、下記式(II)で表される化合物である、請求項1又は2記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
    Figure 0003798064
    [式(II)中、k、p、q、r及びsは各々1〜12の整数を表す。L1及びL2は各々−NHCO−、−CONH−、−O−、−S−、−NR−(Rはアルキル基)、−COO−、及び−OCO−からなる群から選ばれる基を表す。Bは式(I)におけるのと同義である。R1及びR2は、各々炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、又はR1とR2とが相互に結合して形成する含窒素複素環式基を表す。Xはハロゲン原子を表す。]
  6. 一般式(I)で表されるカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体が、下記式(V)で表される化合物である、請求項1に記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体。
    Figure 0003798064
    [式(V)中、Q はアニオン、Xはハロゲン原子を表す。]
  7. 下記一般式(III)で表されるカルボジイミド化合物と、下記一般式(IV)で表されるハロゲン化ジゴキシゲニン誘導体とを反応させる工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体の製造方法。
    Figure 0003798064
    [式(III)中、B、Y1及びY2は各々前記一般式(I)におけるのと同義であり、W’は置換されていてもよいアミノ基を表す。]
    Figure 0003798064
    [式(IV)中、Zは前記一般式(I)におけるのと同義であり、Xはハロゲン原子を表す。]
  8. 標識物質で標識した核酸を用いるハイブリダイゼーションによる核酸の検出法において、前記標識物質として、請求項1〜のいずれかに記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いることを特徴とする方法。
  9. 標識物質で標識した抗原又は抗体を用いるイムノアッセイ法において、前記標識物質として、請求項1〜のいずれかに記載のカルボジイミド基含有ジゴキシゲニン誘導体を用いることを特徴とする方法。
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