JP3798103B2 - 負イオン発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レナード効果(滝効果)を利用して空気中に負イオンを発生させる負イオン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水滴が空気中で分裂するとき、より正確には、水滴が衝壁である金属板に衝突して分裂するとき、付近の空気中に負イオンが発生し、水滴が負イオンと等量の正電荷を得る現象はレナード効果(Lenard’s effect)として古くから知られている。この現象は滝の付近の空気中に負電気が存在することから滝効果ともいわれる。
【0003】
レナード効果を利用して負イオンを発生させる方法は、例えば特公平5−587555号に記載されている。この方法は、微細水滴製造機にて水から微細水滴を発生させると同時に、この微細水滴に風速0.5〜50m/secで空気を吹き込み、微細水滴混合空気とし、そのあと、この微細水滴混合空気を分離器に通して少なくとも粒径1μmより大きな微細水滴を分離して超微細水滴混合空気となし、該超微細水滴混合空気1m3中に負イオンを1.25×109以上発生させるというものである。この先行例において、微細水滴製造機は水分裂部,分離器は気液分離部である。水分裂部には、水を高圧で噴出して衝壁に衝突させる装置、回転する円板上に水を噴射し、噴射水に遠心力を作用させて微細水滴に分裂させる装置,超音波加湿器を用い、水を振動させて微細水滴に分裂させる装置あるいは回転する羽根車に水を吹き付け、羽根車で水を叩いて微細水滴に分裂させる装置が用いられ、気液分離部には、サイクロンセパレータが用いられている。
【0004】
上記装置によるときには、水分裂部に発生させた微細水滴を送風し、気液分離部であるサイクロンセパレータ内で空気中から微細水滴を気液分離して負イオンを含む空気を外部へ取出すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水分裂部において、発生する負イオンの発生量は、基本的には、水に付与するエネルギー量の大きさに比例するが、限られた容量内で水にエネルギーを付与するにも自ずから限度があり、大きなエネルギーを付与しようとすると、音を発し、これが騒音の原因になる。また、負イオンの発生量を低下させる要因の幾つかは知られている。例えば、衝突面に厚い水膜が形成されていると、水に付与するエネルギーの大きさの割には、負イオンの発生量は少ない。
【0006】
これらの知見に基づいて、負イオンを効果的に発生させるために、二等辺三角形で、一つの稜線を挾む2面に水はけのための溝となる凹凸を形成したブロックを衝壁に用い、前記稜線に向け、水を噴出し、2面の凹凸に水を衝突させて微細水滴に分裂させる装置を提案し、これを実用化した。ところがある種のスプレーパターンを有するスプレーノズルを用いたときに衝壁に平坦面を用いて噴射水をさらに有効に微細水滴に分裂させ、ひいては負イオン発生量を増大できることが判った。
【0007】
本発明の目的は、平坦面上に噴射水を衝突させて空気中に多量の負イオンを発生させる負イオン発生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による負イオン発生装置においては、スプレーノズルと、衝壁との組合せを有する負イオン発生装置であって、
スプレーノズルは、円錐形のスプレーパターンを形成して水膜を噴射するものであり、
衝壁は、スプレーノズルから噴射された水膜を衝突させる平坦面であり、平坦面には、円錐形の水膜内を外気に開放する孔を有し、前記孔の開口縁には前記スプレーノズルから噴射されたコーン状水膜が直角に当るように傾斜面が形成され、前記スプレーノズルから噴射された水を円錐形スプレーパターンの内外に分散させるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図によって説明する。
【0013】
図1〜3において、負イオン発生装置は、ケース1内に水分裂部2と気液分離部3と水槽4とを有するものである。
【0014】
水分裂部2は、水槽4から供給された水を微細水滴に分裂させ、微細水滴を含む空気を気液分離部3に送風する部分であり、気液分離部3は、水分裂部2より受入れた空気中の水滴を分離除去して負イオンを含む多湿の空気を外部へ送出する部分であり、水槽4は、水分裂部2へ供給する水を入れたものである。図中5は、ケース1の底部に開口した空気取入口であり、6は、ケース1の上面に開口された送気口である。空気取入口5と、送気口6との間は空気流通路7であり、空気流通路7には送風機8を有し、水分裂部2及び気液分離部3は、送風機8の下流の空気流通路7内にそれぞれに形成されたものである。
【0015】
水分裂部2は、スプレーノズル9と衝壁10とを有し、スプレーノズル9に通ずる水の供給管路11は、ポンプ12を介して水槽4内に接続されている。スプレーノズル9は、水平姿勢に配設された水の供給管路11の部分に、噴出口を下向きにして複数個が並列に取付られ、衝壁10はスプレーノズル9の噴出口に向き合わせてスプレーノズル9の下方に配設されている。
【0016】
本実施形態において、スプレーノズル9には、円錐形のスプレーパターンを形成して水膜(以下コーン状水膜という)を噴射する形式のノズルを用い、衝壁には平坦面に孔14を有するブロック13を用いている。本発明装置に用いて好適なスプレーノズル9に、スプレーイングシステム社製のユニットジェットノズル(チップ交換式スプレーノズル)がある。
【0017】
このスプレーノズル9は、スプレーチップの種類に応じてスプレーパターンと流量を選べるものであり、その内のホロコーンスプレーチップは、図4のようにコーンジェット,ディスク/コア式,広角の種類を選べる。図4に示すスプレーパターンの基本的な違いは、円錐形の中心角の違いである。
【0018】
一方、衝壁10に用いるブロック13は、平板であってもよく、孔14は、ブロック13を貫通して開口されたものであり、孔14の開口径(直径)は、コーン状水膜が形成する円錐形の底の円の直径よりも小さい。もっとも、コーン状水膜が形成する円錐形の底の円の直径は、スプレーノズル9と、衝壁10との間隔によって決定されるものであり、孔14の開口径がコーン状水膜が形成する円錐形の底の円の直径より小さいという意味は、スプレーノズル9より噴出させたコーン状水膜を衝壁10の孔14の開口縁に衝突させるという意味である。
【0019】
図5において、衝壁10の孔14の開口縁には、コーン状水膜が直角に当るように約45°の角度で傾斜する傾斜面14aが形成されており、この傾斜面14aは、スプレーノズル9から噴射されたコーン状水膜を、直角方向から衝突させる衝突面となるものである。したがって、スプレーノズル9から噴射されたコーン状水膜の大部分は、衝壁10の孔14の開口縁に付された傾斜面14aに衝突し、円錐形スプレーパターンの内外に分散して微細水滴に分裂し、空気中に多量の負イオンを生ずる。
【0020】
なお、水槽4と、スプレーノズル9との間をつなぐ水の供給管路11の一部には、殺菌灯ユニット19が組付けられている。殺菌灯ユニット19は、図6に示すように給水口20及び送水口21を有するパイプ22内に縦長の水中用殺菌灯23を挿入したものであり、殺菌灯23を点灯し、給水口20より流入した水が殺菌灯23と、パイプ22間の隙間を流動する間に紫外線が照射され、水中の雑菌が除去され、滅菌された水が送水口21からノズル配管11aに送水され、スプレーノズル9から衝壁に向けて噴射される。水分裂部2に発生させた負イオンを含む多湿空気は、水分裂部2の流通路7を下降し、次いで流通路7を折返して上昇に転じ、気液分離部3に導入される。気液分離部3の流通路7内には、2以上の邪魔板15が流通路7に沿ってジグザグに配設されている。気液分離部3内に受入られた空気は、気液分離部3の流通路7内を上昇する間に邪魔板15に衝突し、邪魔板15は、空気中に含まれる微細水滴を捕捉して空気中から除去する。
【0021】
したがって、気液分離部3内を空気が通過する間に空気中の微細水滴が除かれ、負イオンを含む多湿の空気が送気口6から外部へ取り出される。なお、水分裂部2に噴射された大部分の水及び気液分離部3で空気中から分離された水は、ケース1内の水槽4内に落下して循環使用される。
【0022】
なお、この実施形態においては、ケース1の一部に、透視窓16を設け、この透視窓16を通して水分裂部2を外部から透視できるようになっている。図3において、水分裂部2の少なくとも衝壁10の設置位置に対応して正面パネル17の一部に透視窓16が形成されている。透視窓16は、パネル17の開口に透明ガラス,透明プラスチックスなどの透明板を嵌め込んだものである。滝のイメージを表現するには衝壁10と、その下方の空間の一部を透視できるように透視窓16を縦長に形成するものが好ましい。
【0023】
また、ケース1内には、照明具18を設置し、ノズル9から噴射された噴射水が衝壁10に衝突し、微細水滴に分裂する水の様子を照明する。照明具18には、LED,蛍光灯,白熱ランプ,EL,プラズマ発光等を用いることができ、照明方法としては、照明具18による直接照明のほか、光ファイバーやプリズムを用いて間接的に照明することができる。ケース1内の水分裂部2は、ノズル9から噴射された水が散乱する多湿の環境であるために、直接照明の場合に、照明具18には防水処理を施す必要がある。光ファイバーを用いて間接照明を行うときには、照明具18を空気流通路7の外に置き、光ファイバーの発光端を多湿環境の流通路内に露出することができる。照明具には殺菌灯を用いることができる。
【0024】
本発明において、スプレーパターンがコーン状水膜を形成する噴射水を噴射方向と直交する面に集中的に衝突させたときには、噴射水を平面に角度をなして衝突させるよりも負イオンの発生量が多いことが実験的に確かめられているが、さらに衝壁10には、これを貫通する孔14を開口しておくことによって負イオンの発生量を著しく増大させることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、スプレーパターンのコーン状水膜内が孔14を通じて外気に開放されるため、コーン状水膜内に発生した負イオンを消滅させることなく、外気中に取出すことができるからであると考えられる。
【0025】
(実施例)以下に本発明の実施例を示す。株式会社ジオクト製,真気発生機(CAM−3ポンプ圧:0.69kg/cm2(スプレーノズル(スプレーイングシステム社製 ホロコーンスプレーチップ,1/8A,AX)5個付き)を用い、衝壁とスプレーノズル間距離を25mmに設定したときに衝壁の違いによって負イオンの発生量にどのような差が生じるかを試験した。
【0026】
▲1▼衝壁の種類
(a)平板、孔なし(平板の大きさ28×170×3(mm))
(b)平板、孔あり(平板の大きさ28×170×3(mm)
孔の大きさ12φmm,孔ピッチはノズルピッチと一致)
(c)平板、孔あり(平板の大きさ28×170×3(mm)
孔の大きさ21φmm,孔ピッチはノズルピッチと一致)
(d)二等辺三角形ブロック(4mmピッチの凹凸付,CAM−3に組込みAS成型品)
【0027】
▲2▼イオン量の測定
図7に示すように真気発生機(CAM−3)の送気孔に段ボール製ダクト(85×170×500mm)24を取付け、その上端開口から50mmのところにイオンテスター(神戸電波製KST−900)25の検知ヘッドを向けて検知し、10分間の平均値を算出した。
【0028】
▲3▼風量測定
図8に示すように、段ボール製ダクト24の上端開口内の5点(a〜e)で測定し、その平均値を算出した。
【0029】
▲4▼測定結果
測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
以上のように、衝壁に平板を用いたときに負イオン発生量が大きく、衝突面に孔を開口することによって、さらに負イオンの発生量が増大していることが分かる。なお、衝壁に二等辺三角形ブロックを用いたときに風量が減少しているのは、平板を用いた場合に比して外形寸法が大きく、このため、風の流通が妨げられていることによるものと考えられる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によるときには、スプレーノズルから円錐形のスプレーパターンを形成して水膜を噴射し、スプレーノズルから噴出された水膜を衝突させる衝壁に平坦面を用い、しかも、平坦面に、円錐形の水膜内を外気に開放する孔を有し、その孔の開口縁にはスプレーノズルから噴射されたコーン状水膜が直角に当るように傾斜面が形成され、スプレーノズルから噴射された水を円錐形スプレーパターンの内外に分散させることにより、噴射水を有効に微細水滴に分裂させて多量の負イオンを空気中に発生させることができ、また2以上のスプレーノズルを用いる場合において、スプレーノズルに対応した数の孔を衝壁に設けることにより各々のスプレーノズルから、対応する孔の開口縁に円錐形スプレーパターンの水膜を噴射して空気中に負イオンを発生できる。
【0033】
さらに孔の開口縁に45°の傾斜面を付し、この傾斜面に噴射水を衝突させれば、発生した微細水滴を円錐形スプレーパターンの内外に分散させて負イオンを発生でき、いずれも発生した負イオンを送風して機外へ取出すことができる。
【0034】
また、衝壁に平板を用いることによって、衝壁の小型化を図ることができ、負イオンを送風する風の流通が妨げられず、強力な気流に乗せて負イオンを外部に取出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の斜視図である。
【図2】本発明装置の透視図である。
【図3】図1の一部断面側面図である。
【図4】スプレーパターンを示す図である。
【図5】衝壁の孔の開口形状を示す図である。
【図6】水分裂部の詳細図である。
【図7】イオン測定要領を示す図である。
【図8】風量測定点を示す図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 水分裂部
3 気液分離部
4 水槽
5 空気取入口
6 送気口
7 空気流通路
8 送風機
9 スプレーノズル
10 衝壁
11 水の供給管路
11a ノズル配管
12 ポンプ
13 ブロック
14 孔
14a 傾斜面
15 邪魔板
16 透視窓
17 正面パネル
18 照明具
19 殺菌灯ユニット
20 給水口
21 送水口
22 パイプ
23 殺菌灯
24 段ボール製ダクト
25 イオンテスター
Claims (1)
- スプレーノズルと、衝壁との組合せを有する負イオン発生装置であって、スプレーノズルは、円錐形のスプレーパターンを形成して水膜を噴射するものであり、衝壁は、スプレーノズルから噴射された水膜を衝突させる平坦面であり、平坦面には、円錐形の水膜内を外気に開放する孔を有し、前記孔の開口縁には前記スプレーノズルから噴射されたコーン状水膜が直角に当るように傾斜面が形成され、前記スプレーノズルから噴射された水を円錐形スプレーパターンの内外に分散させるものであることを特徴とする負イオン発生装置。
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