JP3798331B2 - トンネル覆工用セグメントの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル覆工用セグメントの組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来プレストレスを導入するトンネル覆工用セグメントをトンネル内に組み立てるには、
(a)セグメントピースを円周方向に一列に配設して、セグメントリングを形成し、
(b)形成したセグメントリングを切羽側からジャッキ等で既設セグメントリングに押圧して位置を保ち、
(c)形成したセグメントリングに円周方向PC鋼より線を一円周に亘って挿通し、PC鋼より線に緊張力を加えてその両端を定着用切欠等によって定着し、一体リングを形成し、
(d)形成された複数列の一体リングにトンネル推進方向PC鋼より線を挿入し、このPC鋼より線を緊張してセグメントリングを既設セグメントリングに取り付けて組み立てていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のトンネルセグメントの組立に際し、
(1)切羽側からシールドジャッキ等にてセグメントピースを押圧しながら組立てるが、円周方向PC鋼より線を挿入してはじめてセグメントリングが安定する。従って、それまでは不安定要素が大で、危険な作業であった。
(2)セグメントリングのトンネル推進方向の結合は、複数列のセグメントリングに緊張材を挿通して緊張安定させるが、その作業が容易でなかった。
(3)セグメントリングの円周方向緊張を円周上の1個所で行うので、円周方向PC鋼より線の挿入に手間を要し、定着部のセグメントに設ける切欠が大きく、また緊張には強力な重装備のジャッキを装着する必要があり、作業性が劣っていた。
【0004】
本発明はこのような問題点を解決し、トンネル覆工用セグメントリングの組立作業を安全に安定的に行うと共に、円周方向緊張を簡単な装置で容易に行うことができるように改善した技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明では、セグメントリングを円周方向に多数個に分割してなるトンネル覆工用セグメントであって、各セグメントピースにはトンネル推進方向に沿って長ナット接続部材を螺合したPC鋼棒を予め挿通しておくと共に、前記多数個に分割されたセグメントピースのうちの2〜3個のセグメントピースに円周方向PC鋼より線の連結部収納凹部を設けてあるトンネル覆工用セグメントを用いる。ここで長ナット接続部材とは、内径に雌ねじを備え外形が六角ナット状をなし、ねじ方向の長さが長い部材で、2本の雄ねじボルトを両側から螺合させて連結する部材である。また連結部収納凹部とは、円周方向PC鋼より線を複数の円弧状PC鋼より線に分割し、この分割した部分でPC鋼より線を連結する連結具を収納する凹部で、セグメント内面に設けた凹部である。この凹部は、セグメントリングを構成するセグメントピースの内の、必要な複数個にのみ設けられる。この連結具としては、本発明者が別に開示している緊張定着体を用いるとよい。
【0006】
上記セグメントの組立方法は次の通りである。すなわち、本発明は、セグメントリングを円周方向に多数個に分割してなるトンネル覆工用セグメントであって、各セグメントピースにはトンネル推進方向に沿って長ナット接続部材を螺合したPC鋼棒を各セグメントピースに予め挿通してあり、前記多数個に分割されたセグメントピースのうちの2〜3個のセグメントピースに円周方向PC鋼より線の連結部収納凹部を設けてあるトンネル覆工用セグメントを用いる。そして、各セグメントピースのPC鋼棒を順次既設セグメントリングのPC鋼棒に連結して仮緊張し、円周方向のPC鋼より線を第3ピース取付後もしくは第4ピース取付後に前記各連結部収納凹部から円弧状に挿入するか、又は一円周の新設セグメントリングを形成した後該新設セグメントリングに挿通し、該PC鋼より線を上記2〜3個の連結部収納凹部内で緊張定着体を介して互いに連結し、次いで該緊張定着体により該PC鋼より線を緊張した後、前記仮緊張した推進方向PC鋼棒を本緊張することを特徴とするトンネル覆工用セグメントの組立方法である。ここで用いる緊張定着体としては、本出願人が別に提案している、一対の定着部材とこれを引き寄せる緊張手段とを備えた緊張定着体を用いるとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は本発明の1実施例のセグメントピース1を示す模式的正面図である。このセグメントピース1はトンネル推進方向に沿って平行にPC鋼棒2を内蔵しており、このPC鋼棒2の一端には、長ナット接続部材3を螺合している。この長ナット接続部材3はねじ推進方向に沿って長い六角ナット状で内径の雌ねじの長さの約半分がPC鋼棒2の端部にねじ込まれた状態で取付けられている。このセグメントピース1に隣接する図示しないセグメントリングのセグメントピースは千鳥配列でこのセグメントピース1に接し、PC鋼棒は互いに連結可能な位置に配設されている。その隣接するセグメントピースに内蔵するPC鋼棒は、上記長ナット接続部材3内に螺入し、PC鋼棒同志が連結されるようになっている。
【0009】
また、セグメントピース1には円周方向PC鋼より線を挿入するシース11が埋設されている。図1のセグメントピース1は円周方向PC鋼より線の連結部収納凹部12を設けたものを示しているが、この連結部収納凹部12は、一円周のセグメントリングを形成するセグメントピースの内、2〜3個のセグメントピースにのみ設けられているものである。またセグメントピース1のほぼ中央部にはセグメント背面のグラウチング注入用の貫通孔13が設けられている。
【0010】
図2及び図5〜図8は、実施例のセグメントの組立工程を示す工程図、図3、図4はそれぞれ図2のA−A、B−B矢視図である。図2及び図5〜図8はトンネルライニングの展開図を示している。
【0011】
図2に示すように、既設セグメントリング41の切羽側に新設セグメントピース21を取付ける。このとき、シールドマシンの掘削ヘッド31からシールドジャッキ33でセグメントピース21を押圧し、トンネル推進方向に沿って内蔵しているPC鋼棒2を電動又はエアトルクレンチ34を用いて既設セグメントリングのPC鋼棒と結合させ、仮緊張する(図3参照)。掘削ヘッド31はカッタービット32が切羽に接している。
【0012】
円周方向PC鋼より線挿入用シース11及び円周方向PC鋼より線の連結部収納凹部12は、この実施例では1円周のセグメントリングについて2箇所設けられている(図2、図4参照)。
【0013】
図5は、図2で連結したセグメントピース21aの隣にセグメントピース21bを設置した状態を示している。PC鋼棒を電動又はエアトルクレンチ34で結合し、仮緊張する工程は図2と同様である。図6はセグメントピース21a、21bに続いて第3のセグメントピース21cを取付け、PC鋼棒を電動又はエアトルクレンチ34で結合して仮緊張し、次いで円周方向PC鋼より線11をセグメントピース21a、21b、21cに挿入した状態を示している。
【0014】
さらに、次々とセグメントピースを取付け、図7に示すように一列のセグメントリング42が形成され、既設セグメントリング41に接続される。図7ではこの段階で円周方向シース内に円周方向PC鋼より線11を挿入していることを示しているが、図6で説明したように、円周方向PC鋼より線11を挿入するタイミングは、第3もしくは第4のセグメントピースを取付けた時としてもよい。円周方向PC鋼より線は、一円周を分割したPC鋼より線を連結部収納凹部12相互間のシース内に弧状に挿入するので、挿入は容易である。PC鋼より線11は連結部収納凹部12内で結合され、この凹部内でダブルギアボックスを介して電動又はエアトルクレンチ43等によって緊張され、セグメントリングにプレストレスを付与する。
【0015】
図8はその後トンネル推進方向のPC鋼材を油圧トルクレンチ44で再締め、本緊張している工程を示している。
【0016】
【発明の効果】
本発明によればトンネル推進方向PC鋼材をセグメントピース内に予め設置しておき、長ナット接続部材で既設PC鋼材と連結することによって、簡単に安全にセグメントピースを既設セグメントリングに接続、緊張することができる。このPC鋼材を仮緊張することによってセグメントピースを固定することができる。緊張は切羽側で行うために、セグメント内面に切欠を必要としない。仮緊張、本緊張と分けることにより推進方向プレストレスを確実に導入することが可能である。
【0017】
円周方向PC鋼より線の長さを周長の1/2、1/3などのように複数本に分割して短くすることによって、手で簡単に挿入することができる。連結収納凹部に収納される相互定着体を使用することによって、トルクレンチにて簡単に、軽作業で円周方向PC鋼より線を緊張することができる。従って、セットロスによる緊張力の損失がない。同一緊張力で比較した場合、従来の方法と比較してPC鋼材径を小さくすることができる。トルクレンチで緊張するために、緊張に要する作業は簡単、軽作業である。連結部の切欠は、セグメントと同強度のグラウトを使用して埋設することによって修復することができ、セグメントと同様に考えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセグメントの模式的正面図である。
【図2】実施例のセグメントの組立工程を示すトンネル内面の展開図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】図2のB−B矢視図である。
【図5】実施例のセグメントの組立工程を示すトンネル内面の展開図である。
【図6】実施例のセグメントの組立工程を示すトンネル内面の展開図である。
【図7】実施例のセグメントの組立工程を示すトンネル内面の展開図である。
【図8】実施例のセグメントの組立工程を示すトンネル内面の展開図である。
【符号の説明】
1 セグメント
2 PC鋼棒(推進方向)
3 長ナット接続部材
11 円周方向PC鋼より線(シース)
12 定着部
13 透孔
21 セグメントピース
31 掘削ヘッド
32 カッタービット
33 シールドジャッキ
34 電動又はエアトルクレンチ
41 既設セグメントリング
42 新設セグメントリング
43 電動又はエアトルクレンチ
44 油圧トルクレンチ
Claims (1)
- セグメントリングを円周方向に多数個に分割してなるトンネル覆工用セグメントであって、各セグメントピースにはトンネル推進方向に沿って長ナット接続部材を螺合したPC鋼棒を各セグメントピースに予め挿通してあり、前記多数個に分割されたセグメントピースのうちの2〜3個のセグメントピースに円周方向PC鋼より線の連結部収納凹部を設けてあるトンネル覆工用セグメントを用いて、
各セグメントピースのPC鋼棒を順次既設セグメントリングのPC鋼棒に連結して仮緊張し、円周方向のPC鋼より線を第3ピース取付後もしくは第4ピース取付後に前記各連結部収納凹部から円弧状に挿入するか、又は一円周の新設セグメントリングを形成した後該新設セグメントリングに挿通し、該PC鋼より線を上記2〜3個の連結部収納凹部内で緊張定着体を介して互いに連結し、次いで該緊張定着体により該PC鋼より線を緊張した後、前記仮緊張した推進方向PC鋼棒を本緊張することを特徴とするトンネル覆工用セグメントの組立方法。
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