JP3802060B2 - 液相アルキル化及び気相アルキル交換反応を用いてエチルベンゼンを製造する連続的方法 - Google Patents
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Description
エチルベンゼンは、今日、スチレンモノマーを製造するために工業的に大スケールで用いられている有用な化学物質である。エチルベンゼンは種々の化学的方法によって製造することができるが、工業的に大きな成功を収めた1つの方法に、固体酸性ZSM−5ゼオライト触媒の存在下におけるベンゼンのエチレンによる気相アルキル化法がある。この方法によるエチルベンゼンの製造においては、反応装置入口にて900°F(約480℃)までのベンゼンの臨界温度の範囲内で変化する温度で、エチレンをアルキル化剤として使用して、触媒の存在下でベンゼンと反応させる。反応装置床の温度は、反応装置入口温度より150°F(約65℃)程度高くてよく、ベンゼン/エチレン反応の典型的な温度は600〜900°F(315〜480℃)の範囲で変化するが、より高度にアルキル化されたベンゼン、例えばジエチルベンゼンの含量を許容しうる低いレベルに保つために、通常は約700°F(約370℃)以上に維持する。圧力は、一般に、大気圧〜3000psig(100〜20785kPa)の範囲で変化し、ベンゼンのエチレンに対するモル比は1:1〜25:1、通常は5:1(ベンゼン:エチレン)である。反応における空間速度は高く、エチレン流量基準のWHSVで、通常は1〜6の範囲、典型的には2〜5の範囲内であり、従って、ベンゼンの空間速度は反応物質の割合に比例して変化する。この反応の生成物には、温度の上昇に応じて増加した割合で得られるエチルベンゼンと共に、同様に反応温度の上昇に応じて量が増加して生成する種々のポリエチルベンゼン、主としてジエチルベンゼン(DIEB)が含まれる。工業的スケールでの好ましい運転条件下で、99.8重量%を越えるエチレン転化率をサイクルの開始時に得ることができる。
この方法の工業的運転において、ポリアルキル化ベンゼン(ポリメチル化及びポリエチル化ベンゼンの両方を含む)は、ベンゼンとエチレンとの間の反応が起こるアルキル化反応装置にリサイクルされる。この副生物をアルキル化反応にリサイクルすることによって、ポリエチル化ベンゼン(PEB)がエチルベンゼン(EB)に転化されるので、増大した転化率が得られる。更に、所定のフィード組成及び特定の操作条件のもとで、PEBのリサイクルは一定レベルで平衡に達するため、アルキル化反応の過程でPEBが存在すると、成分の平衡によってこれらの種の生成が低下する。この工業的方法はモービル/バジャー法(Mobil/Badger process)として知られており、“Catalysis of Organic Reactions”という表題の書籍[モザー(William R. Moser)編、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)、1981年]の第39〜50頁に記載されている“Mobil/Badger Ethylbenzene Process-Chemistry and Catalytic Implications”と題するドゥワイヤー(Francis G. Dwyer)の論文に更に詳しく説明されている。
エチルベンゼンの製造方法は、米国特許第3,751,504号;同第4,547,605号;及び同第4,016,218号に記載されている。米国特許第3,751,504号に記載されている方法は、リサイクルループ内に独立したアルキル交換工程を含んでおり、それが、よりアルキル化度の高い生成物のかなりの割合を所望のエチルベンゼン生成物に転化するのに効果的であるので、特に注目されている。エチルベンゼンを製造するための他の方法は米国特許第4,169,111号及び同第4,459,426号に開示されており、このいずれにも、米国特許第3,751,504号;同第4,547,605号;及び同第4,016,218号に記載された方法において使用された中間孔寸法のゼオライトとは異なり、大孔寸法ゼオライト、例えばゼオライトYが好ましいと記載されている。米国特許第3,755,483号には、アルキル化触媒としてゼオライトZSM−12を用いるエチルベンゼンの製造方法が記載されている。
エチルベンゼン(EB)は、液相又は気相において、種々のゼオライト触媒によってベンゼンとエチレン(C2=)から合成することができる。液相法の利点は、操作温度が低いこと及び副生物の含量が低いことである。
米国特許第4,891,458号には、ゼオライトベータによるエチルベンゼンの液相合成が記載されている。
米国特許第5,149,894号には、SSZ−25と命名された結晶性アルミノシリケート物質によるエチルベンゼンの液相合成が記載されている。
米国特許第5,334,795号には、MCM−22と命名された結晶性アルミノシリケート物質によるエチルベンゼンの液相合成が記載されている。
エチルベンゼン(EB)を製造するための今日の工業的方法では、アルキル化及びアルキル交換反応工程を同じ相で、即ち、両工程を気相で行うか又は両工程を液相で行うかして実施している。気相の工業的方法では、気相条件を維持するために、より高い温度が必要である。これらの気相条件において使用する温度では、かなりの量のキシレン不純物が生成する。キシレンの沸点はエチルベンゼンの沸点に非常に近いので、そのような全気相法からのエチルベンゼン生成物は700ppmを越えるキシレン不純物を有し得る。上述のモービル/バジャー法の先の態様では、1200〜1600ppmのキシレン不純物を含むエチルベンゼン生成物が生成し得る。これらのキシレン不純物は、エチルベンゼンと共沸騰し((coboil)、従って同程度の沸点範囲を有し)、エチルベンゼンから誘導される下流生成物、例えばスチレン及びポリスチレンを汚染し得る。
要求される操作温度がより低い全液相法では、キシレン不純物は100ppm以下で生成するが、ベンゼンと共沸騰する物質の形態の特定のフィード不純物は、ベンゼンフィード中に存在すると、全液相系中に経時的に蓄積される傾向があるということが今日見出されている。更に、特定のアルキル化副生物、特にC3-ベンゼン及びC4-ベンゼンが、全液相系中に経時的に蓄積される傾向があるということも見出されている。
本発明の方法の新しいフィード原料として用いるのに実用的な、コストがあまり高くないベンゼンのソースは、かなりのレベルの不純物を含有する。これらの不純物は、ベンゼンの沸点に近い沸点を有するので、蒸留によって分離するのは困難である。分離が困難なこれらの不純物を、本明細書においてベンゼン・コボイラー(benzene coboiler)と称する。これらのベンゼン・コボイラーには炭素数5〜7の炭化水素化合物が含まれる。これらの炭化水素不純物には、環状脂肪族化合物、パラフィン系化合物、オレフィン系化合物及び芳香族炭化水素化合物が含まれる。特に問題となるベンゼン・コボイラーには、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンがある。トルエンは、存在し得るベンゼン・コボイラーのもう1つの特別な例である。これらのベンゼン・コボイラーは、本発明の方法への新たなフィードとして使用するのに適するベンゼンソース中に、全体で500〜700ppmのレベルで存在し得る。
これらのベンゼン・コボイラーの大部分は、比較的低温の液相条件下では不活性である。これらのコボイラーをベンゼンから満足できる程度に除去するためには、高コストの分離操作が必要とされる。しかし、これらのコボイラーを除去しない場合には、系の中でベンゼンが反応するにつれて、ベンゼンは新たなフィードに置き換えられ、新たなフィードが供給される度に不活性なベンゼン・コボイラーが更に全液相系に導入されるので、コボイラーは系の中で増加する。
新たなベンゼンフィードと共にこれらの不純物を連続的に導入することによって引き起こされるベンゼン・コボイラーの増加の問題に加えて、液相アルキル化反応装置内におけるエチレンオリゴマー化反応の結果として、全液相法においては、そのようなコボイラーが正味で生成することが実際に起こり得る。更に、エチレンが三量体化してヘキセンとなり、これが更に環化反応を受けて、シクロヘキサン及び/又はメチルシクロペンタンを生成することもある。アルキル化反応装置内でのエチレンオリゴマー化反応は、全液相系において問題となる他の不純物を生成させる原因にもなり得る。そのような不純物には、C9及びC10芳香族炭化水素化合物、特にプロピルベンゼン及びブチルベンゼンが含まれる。ブチルベンゼンは、エチレンが最初に二量体化してブテンを生成し、更にブテンがベンゼンをアルキル化した場合にアルキル化反応装置内で生成し得る。エチレン三量体(即ち、ヘキセン)1分子はプロピレン2分子との平衡状態でも存在し得るが、プロピレンはベンゼンをアルキル化することによってプロピルベンゼンも生成し得る。
C9及びC10芳香族炭化水素不純物は、主として、全液相系のアルキル交換反応装置へのポリエチルベンゼン・リサイクルループ内で増加する傾向がある。しかしながら、これらの不純物が所定のレベルで生成すると、系全体に行き渡ることになり得る。全液相系において、C9及びC10芳香族炭化水素不純物を除去するための主な方法は、エチル基によって更にアルキル化するか又はアルキル交換した後、重質物質として系から排除するというものである。これらの副反応によって、エチレンが正味で消費され、液相全体での収率は2%までの巾で低下し得る。
全液相系で不純物が増加する結果、分離されるエチルベンゼン生成物中にこれらの不純物が持ち越される傾向がある。特に、典型的な全液相系において、全液相系から得られるエチルベンゼン生成物は、600ppm程度のベンゼン・コボイラー及び800ppm程度のC9及びC10芳香族炭化水素不純物を含有し得る。
例えばモービル/バジャー法などの全気相法では、ベンゼン・コボイラー及びC9及びC10芳香族炭化水素不純物をほとんど含まない(例えば、50ppm以下)か又はまったく含まないエチルベンゼン生成物が得られる。全気相法の高温操作条件において、ベンゼン・コボイラー及びC9及びC10芳香族炭化水素不純物は分解され、軽質物質として除去される。尤も、既に述べたように、全気相系からのエチルベンゼン生成物は少なくとも700ppmのキシレン不純物を含有することがある。要約すると、全気相系からの典型的なエチルベンゼン生成物は、少なくとも700ppmのキシレンを含有し、ベンゼン・コボイラー及びC9及びC10芳香族炭化水素化合物ををほとんど含有せず、一方、全液相系からの典型的なエチルベンゼン生成物は、100ppm以下のキシレン、600ppm程度のベンゼン・コボイラー及び800ppm程度のC9及びC10芳香族炭化水素化合物を含有する。
本発明は、気相アルキル化工程と組み合わされた液相アルキル化工程に関する。本発明の液相アルキル化/気相アルキル交換系によれば、コストが高過ぎる分離法を用いる必要なしに、エチルベンゼン生成物中において、上記不純物全体(即ち、キシレン、ベンゼン・コボイラー及びC9及びC10芳香族炭化水素不純物)の低レベル化が達成される。本発明の系において用いる分離装置のスケールは、モービル/バジャー全気相系において用いられる分離装置のスケールに匹敵する。
本発明は、エチルベンゼンを製造する方法であって、
(a)ベンゼン及びエチレンを、液相アルキル化反応ゾーンにおいて、エチルベンゼン生成物及びジエチルベンゼンを含む副生物を生じさせるのに十分な液相条件下で固体酸化物触媒に接触させる工程;並びに
(b)工程(a)からのジエチルベンゼン副生物及びベンゼンを、気相アルキル交換反応ゾーンにおいて、更なるエチルベンゼン生成物を含む流出物を生成させるのに十分な気相条件下で固体酸化物触媒に接触させる工程
を含んでなり、
工程(b)の気相アルキル交換反応ゾーンに導入されるベンゼンフィードは炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を含んでおり、このアルキル交換反応ゾーンにおいて、炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を沸点の異なる炭化水素化合物へ転化させ、未反応のベンゼンをアルキル化反応ゾーン及びアルキル交換反応ゾーンにリサイクルする方法に関する。
特に、本発明の方法は、エチルベンゼンを連続的に製造する方法であって、
(a)ベンゼン、ベンゼン・コボイラー及びエチレンを液相アルキル化反応ゾーンに導入し、アルキル化触媒の存在下、エチルベンゼン生成物、未反応ベンゼン、未反応ベンゼン・コボイラー並びにジエチルベンゼン及びブチルベンゼンを含む副生物を含んでなる流出物を生成させるのに十分な液相条件で、ベンゼンとエチレンとを反応させる工程であって、アルキル化触媒が、MCM−22、MCM−49及びMCM−56からなる群から選ばれる酸性固体酸化物を含んでなる工程;
(b)工程(a)の液相アルキル化反応ゾーンからの流出物を分離ゾーンに送り、該流出物を、(i)ベンゼン及びベンゼン・コボイラーを含む軽質ストリーム、(ii)中間生成物ストリーム、及び(iii)ジエチルベンゼン及びブチルベンゼンを含む重質ストリームを含んでなる別々のストリームに分離する工程;
(c)工程(b)からの重質ストリーム(iii)をベンゼン及びベンゼン・コボイラーと共に気相アルキル交換反応ゾーンへ送り、アルキル交換触媒の存在下、更になるエチルベンゼン生成物及び未反応ベンゼンを含む流出物を生成させるのに十分な気相条件下で、ベンゼン及びジエチルベンゼンを反応させる工程であって、アルキル交換触媒が中間孔寸法ゼオライトを含んでなる工程;
(d)気相アルキル交換反応ゾーンからの流出物を工程(b)の分離ゾーンへ送り、該流出物を、(i)未反応ベンゼンを含む軽質ストリーム、(ii)中間生成物ストリーム、及び(iii)未反応ジエチルベンゼンを含む重質ストリームを含んでなる別々のストリームに分離する工程;
(e)分離工程(b)及び(d)において回収したベンゼン・コボイラーと共に未反応ベンゼンを、閉サイクルループにおいて、工程(a)のアルキル化反応装置及び工程(c)のアルキル交換反応装置へリサイクルする工程;
(f)新たなベンゼンフィードを、アルキル化反応ゾーン及びアルキル交換反応ゾーンにおいて転化されるベンゼンを補うのに十分な流量でベンゼン・リサイクルループへ導入し、新たなベンゼンフィードは、ベンゼンと共沸騰する炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を含む不純物を含んでなり、ベンゼンと共沸騰する炭化水素化合物の少なくとも一部は、工程(c)のアルキル交換反応ゾーンにおいて、沸点の異なる炭化水素化合物に転化され、ブチルベンゼンの少なくとも一部は、工程(c)のアルキル交換反応ゾーンにおいて、1種又はそれ以上の異なる炭化水素化合物に転化される工程;並びに
(g)工程(b)及び(d)の中間生成物ストリームからエチルベンゼン生成物を分離し、分離したエチルベンゼン生成物が、キシレンを200ppm以下で、炭素数7又はそれ以下の炭化水素化合物を100ppm以下で、並びに炭素数9又はそれ以上の炭化水素化合物を100ppm以下で含む工程
を含んでなる方法である。
本発明の液相−気相法では、アルキル化反応は液相において低温で起こり、従ってキシレンはほとんど又は全く生成しない。気相アルキル交換反応において、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン及びベンゼン・コボイラーは、分解、脱アルキル化、アルキル化(例えば、分解されたフラグメントによる)、及びアルキル交換反応を含む種々の反応によって、異なる沸点を有する炭化水素化合物へ転化される。これらの反応によって生成するベンゼンはリサイクルされ、一方、他の転化生成物は軽質物質又は重質物質として系から除かれる。アルキル交換反応によってキシレンは少量だけ生成する。
本発明の系から回収されるエチルベンゼン生成物は、キシレンを200ppm以下、炭素数7又はそれ以下の炭化水素化合物を100ppm以下、及び炭素数9又はそれ以上の炭化水素化合物を100ppm以下で含有し得る。
本発明の系への新たなベンゼンフィードは、ベンゼン・コボイラー形態の不純物をかなりの量で含有し得る。特に、ベンゼンフィードの元素分析によって、炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物が少なくとも500ppm存在することが示されてもよい。
本発明のアルキル化及びアルキル交換反応は、別々のゾーンにおいて起こる。これらゾーンのそれぞれは、1つの反応装置を有するものであってもよいし、連続して接続された2以上の反応装置を有するものであってもよい。これらのゾーンは、1つのアルキル化反応装置及び1つのアルキル交換反応装置をそれぞれ有するものであることが好ましい。
本発明の方法において使用する触媒は、少なくとも1種の酸性固体酸化物を含むものである。そのような酸性固体酸化物の例には、アルミノシリケート、並びにケイ素及びアルミニウム以外の元素の酸化物を含有する物質、例えばSAPO類が含まれる。これらの酸性固体酸化物は、無定形物質又は結晶性物質であってよい。結晶性物質は、非積層状の3次元骨格構造、又は例えばクレーの積層構造のような積層構造を有していてよい。好ましい酸性固体酸化物は、ゼオライト、特に、中間孔寸法及び大孔寸法ゼオライトである。
本発明の液相アルキル化反応用の触媒には、中間孔寸法又は大孔寸法ゼオライトを含むことができる。アルキル化反応の触媒に使用することができる酸性固体酸化物の例には、特に、MCM−22、MCM−36、MCM−49、MCM−56、ゼオライトベータ、ゼオライトX、ゼオライトY並びにモルデナイトが含まれる。これらの結晶性物質の中で、MCM−22、MCM−49及びMCM−56が特に好ましい。
本発明の気相アルキル交換反応用の触媒には、中間孔寸法又は大孔寸法ゼオライトを含むことができる。アルキル交換反応の触媒に使用することができる酸性固体酸化物の例には、特に、MCM−22、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48及びZSM−50が含まれる。これらの結晶性物質の中で、ZSM−5が特に好ましい。
ゼオライトがその内部構造へのアクセスを種々の方法の分子に対してコントロールする程度の便利な尺度は、ゼオライトの拘束指数(Constraint Index)である。ゼオライトの内部構造へのアクセス及び内部構造からの出口に対する制限が高いゼオライトは拘束指数について高い値を有しており、この種のゼオライトは通常小さい寸法の孔、例えば5オングストローム以下の寸法の孔を有する。他方、内部ゼオライト構造に対して比較的自由なアクセスを許容するゼオライトは、拘束指数について小さな値を有しており、通常は大きい寸法の孔、例えば8オングストローム以上の孔を有する。拘束指数を測定する方法は、米国特許第4,016,218号に十分に記載されている。
本発明の方法において用いることのできるゼオライトは、中間孔寸法又は大孔寸法ゼオライトである。このゼオライトは、12又はそれ以下の拘束指数を有する。2〜12の拘束指数を有するゼオライトは、一般に、中間孔寸法ゼオライトであると考えられている。1以下の拘束指数を有するゼオライトは、一般に、大孔寸法ゼオライトであると考えられている。1〜2の拘束指数を有するゼオライトは、中間孔寸法又は大孔寸法ゼオライトであると考えられている。
1〜12の拘束指数を有するゼオライトの例には、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−38及びZSM−48が含まれる。
ZSM−5は、米国特許第3,702,886号及び再発行特許第29,948号に記載されている。ZSM−11は、米国特許第3,709,979号に記載されている。ZSM−12は、米国特許第3,832,449号に記載されている。ZSM−22は、米国特許第4,556,477号に記載されている。ZSM−23は、米国特許第4,076,842号に記載されている。ZSM−35は、米国特許第4,016,245号に記載されている。ZSM−38は、米国特許第4,406,859号に記載されている。ZSM−48は、米国特許第4,234,231号に記載されている。
大孔ゼオライトは、2以下の拘束指数を有するゼオライトを含めて、この技術分野において非常によく知られており、フィード装入原料中に通常見出される成分の大部分を通すのに十分な大きさの孔寸法を有している。このゼオライトは、一般に、7オングストロームを越える孔寸法を有すると言われており、例えば、ゼオライト・ベータ、ゼオライトY、超安定Y(USY)、脱アルミニウム化Y(Deal Y)、モルデナイト、ZSM−3、ZSM−4、ZSM−18及びZSM−20等のような構造を有するゼオライトに代表される。この技術分野において非常によく知られており、本発明において有用な結晶性シリケートゼオライトは、フォージャサイトである。ZSM−20ゼオライトは、構造的なある性質はフォージャサイトに似ているが、フォージャサイトよりも著しく高いシリカ/アルミナ比を有しており、脱アルミニウム化Yも同様である。
ゼオライトZSM−14は、米国特許第3,923,636号に記載されている。ゼオライトZSM−20は、米国特許第3,972,983号に記載されている。ゼオライトベータは、米国特許第3,308,069号及び再発行特許第28,341号に記載されている。低ナトリウム超安定Yモレキュラーシーブ(USY)は、米国特許第3,293,192号及び同第3,449,070号に記載されている。脱アルミニウム化Yゼオライトは、米国特許第3,442,795号に記載の方法によって調製することができる。ゼオライトUHP−Yは、米国特許第4,401,556号に記載されている。
本発明の液相アルキル化反応又は本発明の気相アルキル交換反応のいずれの触媒にも使用することができる特定の酸性固体酸化物は、MCM−36である。MCM−36は、ゼオライト状の層を有し、柱形成された(pillared)層状物質である。本発明の開示の目的において、MCM−36はゼオライトであるとみなすことができる。MCM−36は、米国特許第5,250,277号及び同第5,292,698号に記載されている。米国特許第5,258,565号には、MCM−36を含んでなる触媒を使用して、エチルベンゼンを含むアルキル芳香族炭化水素化合物を合成する方法が記載されている。
上述のように、MCM−22、MCM−49及びMCM−56は、本発明の液相アルキル化反応の触媒として特に好ましい酸性固体酸化物である。これらの結晶性酸化物は、本発明の気相アルキル交換反応の触媒としても使用することができる。MCM−22、及びエチルベンゼンを含むアルキル芳香族炭化水素化合物合成の触媒としてのその使用は、米国特許第4,992,606号、同第5,077,445号及び同第5,334,795号に記載されている。MCM−49は、米国特許第5,236,575号に記載されている。エチルベンゼンを含むアルキル芳香族炭化水素化合物合成の触媒としてMCM−49を使用することは、米国特許第5,371,310号に記載されている。MCM−56は、米国特許第5,362,697号に記載されている。エチルベンゼンを含むアルキル芳香族炭化水素化合物合成の触媒としてMCM−56を使用することは、米国特許第5,453,554号に記載されている。MCM−56は、ゼオライト状の層を有する積層物質であると考えられている。本発明の開示の目的において、MCM−56はゼオライトであるとみなすことができる。
酸性固体酸化物結晶は、種々の粒子寸法に成形することができる。一般的に言えば、粒子は、粉末、顆粒状、又は成形品、例えば、2メッシュ(タイラー(Tyler))スクリーンを通過し、400メッシュ(タイラー)スクリーン上に保持されるような粒径寸法を有する押出物の形態とすることができる。触媒を、例えば押出しによって成形する場合、結晶は、乾燥前に押出すか、又は部分的に乾燥した後に押出すことができる。
結晶性物質は、本発明の方法において用いる温度及び他の条件に耐える他の物質と組み合わせることができる。そのような物質には、活性及び不活性な物質並びに合成又は天然のゼオライト、並びに無機物質、例えばクレー並びに/又は酸化物、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア又はこれら及び他の酸化物の混合物が含まれる。後者は、天然のものであっても、又はシリカ及び金属酸化物の混合物を含むゼラチン状沈殿若しくはゲルの形態のものであってもよい。触媒の機械的強度を改良するため又は触媒の製造を容易にするため、クレーを酸化物形態のバインダーと共に含むことができる。それ自体が触媒的に活性である物質を固体結晶と組み合わせて、例えば、それに混合して又は合成の際に存在させて使用することによって、触媒の転化率及び/又は選択性を変えることができる。不活性物質は転化率の程度を制御するための希釈物質として適切に作用するので、反応速度を制御するための他の手段を用いることなく、生成物を経済的かつ規則的に得ることができる。これらの物質を天然のクレー、例えば、ベントナイト及びカオリンの中に導入して、工業的操作条件下における触媒の圧潰強度及び触媒のためのバインダー又はマトリックスとしての機能を向上させることができる。微粉砕した結晶性物質及び無機酸化物マトリックスの相対的な割合は広範囲で変化し、結晶性物質含量は、複合体の1〜90重量%の範囲、より通常では、特に複合体をビーズの形態に調製する場合には、複合体の2〜80重量%の範囲とすることができる。
アルキル化反応は、液相で行う。適する条件は、ベンゼンについての状態図を参照することによって選択することができる。
液相では、液相におけるベンゼンフィード原料を用いて、この反応の目的に適する条件(温度、圧力)にて反応を行う。
液相の操作は、300〜552°F(150〜289℃)の範囲、通常は400〜500°F(205〜260℃)の範囲で行うことができる。
アルキル化工程における圧力は、3000psig(約20875kPa(絶対圧))程度であってよく、一般に1000psig(7000kPa)を越えることはない。この反応は水素の不存在下で行うことができ、従って、その場合の系の圧力は反応物質種の圧力である。高圧での液相操作において、温度は300〜552°F(149〜289℃)、圧力は2800〜5600kPa(400〜800psig)の範囲であってよい。空間速度は、エチレンフィード基準で、0.1〜20WHSVとすることができるが、液相反応のためにはより低い空間速度、例えば、0.5〜3WHSV、例えば0.75〜2.0WHSV(エチレン)が好ましい。アルキル化反応装置内でのベンゼンのエチレンに対する割合は、1:1〜30:1(モル比)、通常は5:1〜20:1(モル比)、多くの場合は5:1〜10:1(モル比)とすることができる。
アルキル化反応プロセスは、固定床、流動床又は移動床触媒系を用いて、連続運転として実施することができる。
液相アルキル化反応工程を実施するための特定の条件には、150〜260℃の温度、7000kPa又はそれ以下の圧力、エチレン基準で0.5〜2.0hr-1のWHSV、及び1:1〜30:1のベンゼン/エチレンモル比が含まれる。
気相アルキル交換反応工程は、260℃〜482℃の温度、450〜3500kPa(50〜500psig)の圧力、反応ゾーンへの全気相フィードの重量基準で1〜50hr-1のWHSV、及び1〜50のベンゼン/ジエチルベンゼンモル比で行うことができる。
アルキル交換反応装置へのベンゼンフィードは、少なくとも1000ppm、例えば少なくとも200ppmのベンゼン・コボイラーを、特に、1分子当り5〜7個の炭素原子を有する非ベンゼン系炭化水素化合物の形態で含むことができる。
本発明の気相アルキル交換反応工程において、エチルベンゼンは、反応物質としてベンゼン及びポリエチルベンゼン(例えばジエチルベンゼン)の両者が関連する実際のアルキル交換反応によって生成すると考えられている。尤も、この工程において、ポリエチルベンゼンの直接脱アルキル化によって、少なくとも多少のエチルベンゼンが生成する可能性もある。
アルキル化の実施には、種々の反応装置を使用することができる。大規模の工業的方法では、上昇流若しくは下降流モードで操作する固定床反応装置、又は触媒及び炭化水素化合物の流れを並流若しくは向流で操作する移動床反応装置を用いることもできる。これらの反応装置は、1又は複数の触媒床を有していてもよく、中間でのエチレンの添加及び中間での冷却設備を備えていてもよい。中間でのエチレンの添加及びほぼ恒温の操作によって、生成物の品質及び触媒寿命が向上する。移動床反応装置によれば、消耗した触媒の再生のための取り出し、及び新たな又は再生した触媒による置換を連続的に行うことが可能となる。
本発明の特定の態様では、少なくとも2つの段階でエチレンを添加してアルキル化反応プロセスを実施する。2又はそれ以上の触媒床又は反応装置が連続しており、エチレンの少なくとも一部を触媒床又は反応装置の間で添加することが好ましい。中間での冷却は、冷却コイル又は熱交換器を使用することによって行うことができる。別法では、ベンゼンフィード原料を少なくとも2つ段階で段階的に添加することによって、中間での冷却を行うことができる。この場合、上述のエチレンの段階的添加と同様にして、ベンゼンフィード原料の少なくとも一部を触媒床又は反応装置の間で添加する。ベンゼンフィード原料を段階的に添加することによって、反応熱を相殺する追加の冷却が行われる。
固定床反応装置又は移動床反応装置において、アルキル化は、エチレンを導入した後、比較的短い反応ゾーンで完了する。反応するベンゼン分子の10〜30%は、1回又はそれ以上アルキル化される。アルキル交換反応は、アルキル化反応ゾーンで起こるが、より遅い反応である。アルキル交換反応が進行して平衡に達すると、90重量%以上のモノアルキル化生成物への選択率が一般に達成される。従って、アルキル交換反応は、ポリアルキル化生成物と追加のベンゼンとを反応させることによって、モノアルキル化生成物の収率を向上させる。
アルキル化反応装置の流出物は、過剰のベンゼンフィード、モノアルキル化生成物、ポリアルキル化生成物、及び種々の不純物を含有する。ベンゼンフィードは蒸留によって分離され、アルキル化及びアルキル交換反応装置へリサイクルされる。必要な場合には、未反応の不純物をループから排除するために、リサイクルストリームから少量のブリード(bleed)を取り出すことができる。しかしながら、ベンゼン・コボイラーは本発明の気相アルキル交換工程を通じて除かれるので、このブリーディングプロセスの必要性は、全液相アルキル化/アルキル交換反応プロセスの場合よりも実質的に少ない。本発明のベンゼン・リサイクルループからベンゼンを抜き出す必要性はないか又は非常に少ないので、本発明の方法においては、ベンゼンを実質的に完全に消費するようにリサイクルすることができる。
液相アルキル化工程において転化するエチレンの割合は、少なくとも95%、例えば少なくとも97%とすることができる。液相アルキル化工程において生成するエチルベンゼンのジエチルベンゼンに対する重量比は2〜30となり得る。
本発明の液相アルキル化反応の触媒となる酸性固体酸化物として、MCM−22、MCM−49及びMCM−56を選択する場合、反応はエチルベンゼンの生成についての選択性が高い。特に、このアルキル化生成物は、7重量%以下のジエチルベンゼン、及び1重量%以下、例えば0.5重量%以下のトリエチルベンゼンと共に、少なくとも92重量%のエチルベンゼンを含み得る。本発明の液相アルキル化反応工程において、MCM−22、MCM−49及びMCM−56は、ゼオライトYよりも実質的により活性であると考えられる。従って、MCM−22、MCM−49又はMCM−56が触媒となる反応では、所定のレベルの処理量について、ゼオライトYが触媒となる反応の場合よりも、触媒はより少なくてよく、アルキル化反応装置はより小さくてよい。更に、反応サイクルの終りで、MCM−22、MCM−49及びMCM−56を含む触媒はアルキル化反応装置内でその場で(in situ)再生することができるが、一方、他の触媒を再生する場合には、触媒インベントリーが大きく、再生プロセスにおいて局部的に過熱する可能性があるために、反応装置から取り出すことが必要とされ得る。
本発明の気相アルキル交換反応工程において使用する中間孔寸法ゼオライト、特にZSM−5は、液相アルキル交換反応用の触媒として用いられる大孔寸法ゼオライト、例えばUSYよりも高い形状選択性を有する。従って、中間孔寸法ゼオライトを触媒とする本発明の気相アルキル交換反応工程では、大孔寸法ゼオライトを触媒とする液相アルキル交換反応の場合と比べて、あまり重質でない物質(例えば、C11+炭化水素化合物)が生成する。
本発明の液相−気相反応系は、反応ゾーンから下流側に配される1又はそれ以上の分離ゾーンを有することができる。液相アルキル化反応ゾーン及び気相アルキル交換反応ゾーンの両者からの生成物を、1つの分離ゾーンに通すことが好ましい。この分離ゾーンは、3つの連続する蒸留塔を含み得る。第1の蒸留塔では、アルキル化反応ゾーン及びアルキル交換反応ゾーンからの生成物がフィードとして導入され、搭頂ストリームとしてベンゼンが分離される。分離されたベンゼン搭頂ストリームは、反応体として、液相アルキル化反応ゾーン及び気相アルキル交換反応ゾーンへリサイクルされる。第1の蒸留塔からの塔底油は、第2の蒸留塔へフィードとして送られる。エチルベンゼン生成物は、第2の蒸留塔から、搭頂ストリームとして取り出され、塔底油は第3の蒸留塔へフィードとして送られる。ジエチルベンゼン及びトリエチルベンゼンは、第3の蒸留塔から、搭頂ストリームとして取り出され、ジエチルベンゼンを含有するこのストリームは、アルキル交換反応ゾーンへ反応体ストリームとして送られる。第3の蒸留塔からの塔底油は、重質物質としてこの系から除かれる。
本発明の液相−気相系用の分離ゾーンは、全液相又は全気相の系用のものとして従来技術において示されているものと本質的に同じであってよい。全液相系用のそのような分離ゾーンは、米国特許第4,169,111号に示されており、全気相系用のそのような分離ゾーンは、"Catalysis of Organic Reactions"という表題の書籍[William R. Moser編、Marcel Dekker, Inc.、1981年]の第39〜50頁に記載されている"Mobil/Badger Ethylbenzene Process-Chemistry and Catalytic Implications"と題するFrancis G. Dwyerの論文において、第45頁の図3に示されている。
本発明の系に導入する新たなベンゼンフィードは、分離ゾーンへ直接導入するか、又は分離ゾーンから直ぐ上流側の部位に導入することができる。新たなベンゼンをこのようにして系に導入する場合、液相アルキル化反応ゾーン及び気相アルキル交換反応ゾーンのいずれへも導入されるベンゼンは、実質的に、リサイクルされたベンゼンと新たなベンゼンとの混合物である。
図1は、エチルベンゼンの液相合成の触媒として、MCM−22、MCM−49、MCM−56及びゼオライトベータの活性の比較を示すグラフである。
図2は、エチルベンゼンの液相合成の触媒として、MCM−22、MCM−49、MCM−56及びゼオライトベータの選択性の比較を示すグラフである。
実施例1
MCM−22触媒(長さを1/16インチの寸法とした1/16インチの押出物、4cc以下、アルミナバインダー35%、アルファ値620、SiO2/Al2O3比25)2.0gを、20cc以下の20〜40メッシュの石英チップと混合した後、恒温下降流固定床反応装置に装入した。触媒を、125℃及び1atmにて、50cc/分の流通N2により2時間乾燥し、N2を停止した。反応装置へ、ベンゼンを16.7WHSVで1時間供給した後、8.35WHSVにて供給し、その間、反応装置温度及び圧力をそれぞれ150℃及び500psigに上昇させた。所望の温度及び圧力に達した後、質量流量コントローラからエチレンを0.55WHSV(5.5ベンゼン/エチレンモル比)で導入した。ラインから切り離した後、液体生成物をコールド・トラップ内に集め、バリアン(Varian)3700GCによりオフラインで分析した。オフガスは、オン−ライン・カール(Carle)製油所ガス分析器により分析した。エチレン転化率は、フィードエチレンに対するオフガス中の未反応エチレンを測定することによって求めた。全物質収支は、100±2%であった。18日間の実験の間で、温度(200〜320℃)、エチレンWHSV(1.1〜2.2h-1)及びベンゼン/エチレンモル比(4.5〜6.5)の影響を、すべて3550kPa(500psig)において調べた。液相エチルベンゼン合成についての触媒の活性及び選択性を、MCM−49、MCM−56及びゼオライトベータと、実施例7において比較する。ランの終了時において、活性の損失は観察されなかった。
実施例2
同じMCM−22触媒(8cc以下、16cc以下の20〜40メッシュの石英チップと混合したもの)4.0gを、同様に3550kPa(500psig)にて行うこのランで使用した。反応は、実施例1に説明したのと同様のストリームを用いて行った。初期条件は、182℃、0.55エチレンWHSV、及びベンゼン/エチレンモル比5.5であった。エチレン転化率は、182℃にて5日間で、94%から82%へ低下した。反応装置温度を上昇しても、210℃までは安定なエチレン転化率が得られなかった。220℃にて、エチレン転化率は、97〜98%で18日間安定し、老化を伴わなかった。220℃及び97〜98%のエチレン転化率で得られた液体生成物は、同様の条件で実施例1から観察されたものとほぼ同様であった。
実施例3
実施例2において220℃で老化は認められなかったが、その触媒の堅牢性を評価するために、安定性の研究の終了時に触媒を再生処理に付した。触媒の再生は、その場で(in situ)、100kPa(1atm)にて空気及びN2の混合雰囲気(全流量200cc/分)中で:400℃にて空気25%で30分間:450℃にて空気50%、75%及び100%でそれぞれ30分間:その後538℃にて100%空気で2時間で行った。温度を220℃に降下させた。再生した触媒を次に、再生の前の条件と同様の条件にて5日間で試験した。[220℃、3550kPa(500psig)、0.55エチレンWHSV、及びベンゼン/エチレンモル比5.5]。再生した触媒は、98〜99%のエチレン転化率に達し、わずかながら活性がより高かった(再生前は97〜98%)。DEB/EBモル比も、再生の後で0.05から0.07へわずかに上昇した。
実施例4
MCM−49触媒(長さを1/16インチの寸法とした1/16インチの押出物、4cc以下、アルミナバインダー35%、アルファ値910、SiO2/Al2O3比18、20ccの20〜40メッシュの石英チップと混合したもの)2.0gを、実施例1においてMCM−22について説明したのと同様にして試験した。反応装置へベンゼンを30WHSVで1時間供給した後、16.7WHSVにて供給し、その間、反応装置温度及び圧力をそれぞれ220℃及び3550kPa(500psig)に上昇させた。220℃及び3550kPa(500psig)に達した後、エチレンを1.1WHSV(ベンゼン/エチレンモル比5.5)で導入した。25日間の実験の間で、温度(200〜320℃)、エチレンWHSV(1.1〜2.2h-1)及びベンゼン/エチレンモル比(4.5〜6.5)の影響を、すべて3550kPa(500psig)において調べた。液相エチルベンゼン合成についての触媒の活性及び選択性を、MCM−22、MCM−56及びゼオライトベータと、実施例7において比較する。ランの終了時において、ランの開始時に使用したのと同様の条件にて触媒を再び試験した。活性の損失は観察されなかった。
実施例5
MCM−56触媒(1/16インチの寸法とした1/16インチの押出物、2cc、アルミナバインダー35%、アルファ値400、SiO2/Al2O3比18、10cc以下の20〜40メッシュの石英チップと混合したもの)1.0gを、実施例1においてMCM−22について説明したのと同様にして試験した。反応装置へ、ベンゼンを45WHSVで1時間供給した後、16.7WHSVにて供給し、その間、反応装置温度及び圧力をそれぞれ220℃及び3550kPa(500psig)に上昇させた。220℃及び3550kPa(500psig)に達した後、エチレンを1.1WHSV(5.5のベンゼン/エチレンモル比)で導入した。13日間の実験の間で、温度(200〜320℃)及びエチレンWHSV(1.1〜2.8h-1)の影響を、3550kPa(500psig)及びベンゼン/エチレンモル比(〜5.5)において調べた。液相エチルベンゼン合成についての触媒の活性及び選択性を、MCM−22、MCM−49及びゼオライトベータと、実施例7において比較する。ランの終了時において、ランの開始時に使用したのと同様の条件にて触媒を再び試験した。活性の損失は観察されなかった。
実施例6
ゼオライトベータ触媒(長さを1/16インチの寸法とした1/16インチの押出物、4cc以下、アルミナバインダー35%、アルファ値690、SiO2/Al2O3比43、20〜40メッシュの石英チップ20ccと混合したもの)2.0gを、実施例1においてMCM−22について説明したのと同様にして試験した。反応装置へ、ベンゼンを30WHSVで1時間供給した後、25WHSVにて供給し、その間、反応装置温度及び圧力をそれぞれ160℃及び3550kPa(500psig)に上昇させた。160℃及び3550kPa(500psig)に達した後、エチレンを1.65WHSV(5.5のベンゼン/エチレンモル比)で導入した。160℃にて、エチレンの転化率は4日間で、97%から74%へ低下し、その後も低下し続けた。温度を180℃へ上昇させても、触媒活性の回復は認められなかった。触媒を、実施例3に説明した処理を用いて空気再生させ、220℃、3550kPa(500psig)、1.65エチレンWHSV、及び5.5のベンゼン/エチレンモル比にて、ストリーム中に再び入れた。それから触媒を種々の条件で試験して、温度(180〜320℃)、エチレンWHSV(1.1〜3.3h-1)、及びベンゼン/エチレンモル比(4.5〜6.5)の影響を、3550kPa(500psig)において調べた。安定で97%以上のエチレン転化率が、180℃、1.1のエチレンWHSV、及び5.5のベンゼン/エチレンモル比にて達成された。液相エチルベンゼン合成についての触媒の活性及び選択性を、MCM−22、MCM−49及びMCM−56と、実施例7において比較する。ランの終了時において、ランの開始時に使用したのと同様の条件にて再び触媒を試験した。活性の損失は観察されなかった。
実施例7
図1は、220℃、3550kPa(500psig)、及び5.5のベンゼン/エチレンモル比にて、触媒の活性を比較したものである。一定のエチレン転化率(例えば95%)において、触媒の相対的活性は、
MCM-22:MCM-49:MCM-56:ゼオライトベータ=1.0:1.2:1.6:2.2である。
表1は、96+%のC2=転化率において、MCM−22、MCM−49及びMCM−56の、EB及びポリエチルベンゼンへの全体のアルキル化選択率(99.9モル%)が、ゼオライトベータの場合よりもすべて高いことを示している。MCM−22、MCM−49及びMCM−56のEB選択率(93〜95モル%)は、ゼオライトベータの場合よりも5〜7モル%高い。MCM−22、MCM−49及びMCM−56によるポリエチルベンゼン及び非EB副生物の生成は、ゼオライトベータの場合よりも少ない。
他の温度での触媒の選択性(DEB/EBモル比とも表す)を図2において比較している。液相(<260℃、3550kPaにて)で、MCM−22、MCM−49及びMCM−56触媒によれば、ゼオライトベータよりも少ないDEBが生成した。220℃にて、MCM−22、MCM−49及びMCM−56は、ゼオライトベータよりも50%程度まで少ないDEBを生成した。
実施例8
蒸留後、ポリエチルベンゼン(PEB)に富む塔底物質を従来技術の蒸留工程により分離したベンゼンと混合して、アルキル交換反応装置内で、中間孔寸法ゼオライト、例えばZSM−5により気相で処理した。アルキル交換反応条件は、一般に、335〜350℃(635〜662°F)、930kPa(120psig)、40全WHSV(ベンゼン及びPEB)並びにベンゼン:PEB重量比3:1である。これらの条件下において、1パス当りのDEB転化率は45%以上である。生成物は蒸留部に送ってベンゼン及び増加したEBを回収し、PEBはアルキル交換反応装置へリサイクルする。プロセス全体から得られるEBの品質は、優れていた(キシレンは200ppm以下であり、ベンゼン・コボイラー並びにC9及びC10芳香族炭化水素化合物は含まなかった)。
Claims (12)
- エチルベンゼンを製造する方法であって、
(a)ベンゼン及びエチレンを、液相アルキル化反応ゾーンにおいて、エチルベンゼン生成物及びジエチルベンゼンを含む副生物を生じさせるのに十分な液相条件下で酸性固体酸化物触媒に接触させる工程;並びに
(b)工程(a)からのジエチルベンゼン副生物及びベンゼンを、気相アルキル交換反応ゾーンにおいて、更なるエチルベンゼン生成物を含む流出物を生成させるのに十分な気相条件下で酸性固体酸化物触媒に接触させる工程
を含んでなり、
工程(b)の気相アルキル交換反応ゾーンに導入されるベンゼンフィードが炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を含んでなり、このアルキル交換反応ゾーンにおいて、炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を沸点の異なる炭化水素化合物に転化し、未反応のベンゼンをアルキル化反応ゾーン及びアルキル交換反応ゾーンにリサイクルする方法。 - 気相アルキル交換反応ゾーンへのベンゼンフィードが炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を少なくとも100ppm含んでなり、工程(a)の液相アルキル化反応ゾーンにおける温度が、工程(b)の気相アルキル交換反応ゾーンの温度よりも低い請求の範囲1記載の方法。
- アルキル化工程(a)が、MCM−22、MCM−36、MCM−49、MCM−56、ゼオライトベータ、ゼオライトX、ゼオライトY及びモルデナイトからなる群から選ばれる固体結晶性アルミノシリケートを含む触媒に、ベンゼン及びエチレンを接触させることを含んでなる請求の範囲1又は2記載の方法。
- アルキル化工程(a)が、MCM−22、MCM−49及びMCM−56からなる群から選ばれる固体結晶性アルミノシリケートを含んでなる触媒に、ベンゼン及びエチレンを接触させることを含む請求の範囲1又は2記載の方法。
- アルキル交換工程(b)が、MCM−22、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48及びZSM−50からなる群から選ばれる固体結晶性アルミノシリケートを含んでなる触媒に、ベンゼン及びジエチルベンゼンを接触させることを含んでなる請求の範囲1〜3のいずれかに記載の方法。
- アルキル交換工程(b)が、ZSM−5を含んでなる触媒にベンゼン及びジエチルベンゼンを接触させることを含んでなる請求の範囲1〜3のいずれかに記載の方法。
- 液相アルキル化工程(a)におけるベンゼン/エチレンのモル比が1に等しいか又はそれより大きく、工程(a)において転化されるエチレンの割合が少なくとも95%であること;液相アルキル化工程(a)において生成するエチルベンゼン/ジエチルベンゼンの重量比が2〜30であること;液相アルキル化工程(a)を、150〜260℃の温度、7000kPa又はそれ以下の圧力、エチレン基準で0.5〜2.0hr-1のWHSV、及び1:1〜30:1のベンゼン/エチレンモル比で行うこと;並びに気相アルキル交換反応(b)を、260℃〜482℃の温度、450〜3550kPa(50〜500psig)の圧力、反応ゾーンへの全気相フィード基準で1〜50hr-1のWHSV、及び1〜50のベンゼン/ジエチルベンゼンモル比で行うことを特徴とする請求の範囲1〜6のいずれかに記載の方法。
- エチルベンゼンを連続的に製造する方法であって、
(1)ベンゼン、ベンゼン・コボイラー及びエチレンを液相アルキル化反応ゾーンに導入し、アルキル化触媒の存在下において、エチルベンゼン生成物、未反応ベンゼン、未反応ベンゼン・コボイラー並びにジエチルベンゼン及びブチルベンゼンを含む副生物を含む流出物を生成させるのに十分な液相条件で、ベンゼンとエチレンとを反応させる工程であって、アルキル化触媒が、MCM−22、MCM−49及びMCM−56からなる群から選ばれる酸性固体酸化物を含んでなる工程;
(2)工程(1)の液相アルキル化反応ゾーンからの流出物を分離ゾーンに送り、該流出物を、(i)未反応ベンゼン及びベンゼン・コボイラーを含む軽質ストリーム、(ii)中間生成物ストリーム、及び(iii)ジエチルベンゼン及びブチルベンゼンを含む重質ストリームを含んでなる別々のストリームに分離する工程;
(3)工程(2)からの重質ストリーム(iii)をベンゼン及びベンゼン・コボイラーと共に気相アルキル交換反応ゾーンへ送り、アルキル交換触媒の存在下、更なるエチルベンゼン生成物及び未反応ベンゼンを含む流出物を生成させるのに十分な気相条件下で、ベンゼン及びジエチルベンゼンを反応させる工程であって、アルキル交換触媒が中間孔寸法ゼオライトを含んでなる工程;
(4)気相アルキル交換反応ゾーンからの流出物を工程(2)の分離ゾーンへ送り、該流出物を、(i)未反応ベンゼンを含む軽質ストリーム、(ii)中間生成物ストリーム、及び(iii)未反応ジエチルベンゼンを含む重質ストリームを含んでなる別々のストリームに分離する工程;
(5)分離工程(2)及び(4)において回収したベンゼン・コボイラーと共に未反応ベンゼンを、閉サイクルループにおいて、工程(1)のアルキル化反応装置及び工程(3)のアルキル交換反応装置へリサイクルする工程;
(6)新たなベンゼンフィードを、アルキル化反応ゾーン及びアルキル交換反応ゾーンにおいて転化されるベンゼンを補うのに十分な流量でベンゼン・リサイクルループへ導入し、新たなベンゼンフィードはベンゼンと共沸騰する炭素数5〜7の非ベンゼン系炭化水素化合物を含む不純物を含んでなり、ベンゼンと共沸騰する炭化水素化合物の少なくとも一部は、工程(3)のアルキル交換反応ゾーンにおいて、沸点の異なる炭化水素化合物に転化され、ブチルベンゼンの少なくとも一部は、工程(3)のアルキル交換反応ゾーンにおいて、1種又はそれ以上の異なる炭化水素化合物に転化される工程;並びに
(7)工程(2)及び(4)の中間生成物ストリームからエチルベンゼン生成物を分離し、分離したエチルベンゼン生成物が、キシレンを少なくとも200ppm以下で、炭素数7又はそれ以下の炭化水素化合物を100ppm以下で、並びに炭素数9又はそれ以上の炭化水素化合物を100ppm以下で含む工程
を含んでなる方法。 - 気相アルキル交換反応ゾーンへのフィードが、フィード中のベンゼンの重量基準で、ベンゼン・コボイラーを少なくとも200ppm含む請求の範囲8記載の方法。
- 工程(3)の中間孔寸法ゼオライトがZSM−5である請求の範囲8又は9記載の方法。
- 工程(1)においてエチレンの少なくとも95%が転化され;工程(1)からのアルキル化生成物が少なくとも92重量%のエチルベンゼン、7重量%以下のジエチルベンゼン及び1重量%以下のトリエチルベンゼンを含んでなり;液相アルキル化反応工程(1)を、150〜260℃の温度、7000kPa又はそれ以下の圧力、エチレン基準で0.5〜2.0hr-1のWHSV、及び1:1〜30:1のベンゼン/エチレンモル比で行い;並びに気相アルキル交換工程(3)を、260℃〜482℃の温度、450〜3550kPa(50〜500psig)の圧力、反応ゾーンへの全気相フィード基準で1〜50hr-1のWHSV、及び1〜50のベンゼン/ジエチルベンゼンモル比で行う請求の範囲8〜10のいずれかに記載の方法。
- 新たなベンゼンフィードを工程(2)及び(4)の分離ゾーンのすぐ上流側に導入し;工程(1)からのアルキル化生成物が0.5重量%以下のトリエチルベンゼンを含んでなる請求の範囲8〜11のいずれかに記載の方法。
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