JP3810352B2 - 入出力端子および半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC,LSI等の半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージに用いられる入出力端子および半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の無線通信に使用される通信機器の発達に伴って、高周波帯域で高出力で作動するIC,LSI等の半導体素子の需要が大幅に伸びている。特に携帯電話の基地局に用いられる情報機器等では、限られた電力で高出力が得られ長時間の信号変換ができるように高効率で動作する高出力用の半導体素子と、これを収納する半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージともいう)が重要となってきている。即ち、半導体素子内部での電力損失が小さく、印加する直流電力を効率よく高周波電力に変換する半導体素子と、この半導体素子を収納して、その性能を最大限引き出せる半導体パッケージが望まれている。
【0003】
このようなことから、ガリウム砒素(GaAs)化合物半導体を用いたMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor:金属半導体電界効果トランジスタ)の開発が進められてきたが、低電圧時の特性および変換効率が悪く、また大電流を流せないという点で問題があった。しかしながら、近年、GaAs化合物半導体系HBT(Heterojunction Bipolar Transistor:ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)などの半導体素子が、MESFETに比し優れた低電圧時の特性を有し、また大きな直流電力を効率よく高周波電力に変換できる半導体素子として注目されてきている。また、このような半導体素子は作動時に大量の熱を発生するため、熱放散性の良好な半導体パッケージが強く望まれている。
【0004】
このような半導体素子を収納する半導体パッケージを図3の斜視図に示す。図3は入出力端子Bを用いた半導体パッケージAを示し、この入出力端子Bは、図4の斜視図に示すように、セラミックグリーンシート積層法によって作製される縦断面形状が凸型のものであり、セラミックスからなる平板部1および平板部1上面に線路導体3の一部(中央部)を間に挟んで取着されたセラミックスからなる立壁部2とで構成されている。この入出力端子Bは、図3に示すように、基体7の上面の外周部に載置部7aを囲むようにして接合された枠体8の取付部8aに嵌着され、例えば半導体パッケージAに収納される半導体素子Cに対して高周波電力の出力用として機能する。
【0005】
基体7は高い熱放散性が要求されることから銅(Cu)−タングステン(W)やCuからなる場合が多く、また、枠体8としては入出力端子Bと熱膨張係数が近い鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金が多く用いられている。とりわけ大量の熱を外部に放散させる必要がある場合、Fe−Ni−Co合金に対して200〜300℃での熱膨張係数が近似するCu−W合金が賞用されている。これは、この温度域における熱膨張係数が5×10-6〜8×10-6/℃程度の範囲となるように材料設計をすることが可能であり、よってこれらの合金の熱膨張係数を近似させることができ、これにより基体7に大きな反りが発生しないからである。
【0006】
また、入出力端子Bの平板部1の下面の略全面には下部接地導体層4が形成され、平板部1および立壁部2の線路方向に略平行な両側面には側部接地導体層5が形成され、また立壁部2の上面の略全面には上部接地導体層6が形成され、これらの下部接地導体層4、側部接地導体層5および上部接地導体層6が線路導体3を囲むようにして配置されて、導波管構造を成している。
【0007】
この立壁部2の線路方向に略直交する方向の幅は枠体8の幅と略同じであり、例えば銀(Ag)ロウを介して入出力端子Bを枠体8の取付部8aに嵌着した場合、立壁部2の線路方向に略直交する側面2bと取付部9aの内面との間に大きなメニスカスが生じないようにされている。これにより、半導体パッケージAの温度が上昇した場合にAgロウが立壁部2の表面を引張る応力を小さくすることができ、立壁部2の上面と線路方向に略直交する側面2bとの間の稜部2aに応力が集中するのを回避している。
【0008】
また、上記のように立壁部2の幅を枠体8の厚さと略同じにするのは、立壁部2の幅は高周波信号の挿入損失を小さくするために狭いほうが良く、一方枠体8の厚さは接合の信頼性を得るためにできるだけ広いほうが良く、相反する二つの条件を実質的に満たすためである。現状ではそれぞれの幅を略同じとし、0.25〜1.0mmの間に設定されていることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示すような従来の入出力端子Bを用いる半導体パッケージAでは、Agロウを用いて入出力端子Bを取付部8aに接合するに際して例えば850℃程度の温度で加熱する必要があり、このときCu−Wからなる基体7に比べてFe−Ni−Co合金からなる枠体8が外側方向に広がった状態で溶融したAgロウが固化していき、温度が下がるに伴って枠体8が元に戻ろうとする際に立壁部2の上面の枠体8外側に向いた稜部2aを起点としてマイクロクラックが発生する。このとき、上部接地導体層6に対してこれを剥がそうとする力が作用し、その結果、半導体パッケージの気密性が損なわれるという不具合を招来していた。
【0010】
これは、Fe−Ni−Co合金が420℃付近で熱膨張係数の変曲点を有しているためであり、室温からこの温度までは約5.5×10-6/℃の熱膨張係数を有しているが、この温度を超えると約11.3×10-6/℃の熱膨張係数を有することに起因している。即ち、850℃ではCu−W合金よりも大きい熱膨張率で膨張するために、この温度よりも若干下がった共晶点でAgロウが固化し、このとき枠体8の上部が拡がった状態で入出力端子Bが固定され、その後温度が下がるにつれて枠体8が元に戻ろうとする。このとき発生する応力が、上部接地導体層6の縁端部、特に立壁部2の枠体8外側に向いた稜部2aに集中するため、稜部2aに小さなクラックが発生する。このクラックを起点として、上部接地導体層6に入出力端子Bの表面とともに剥そうとする力が作用してクラックが成長していき、遂には立壁部2の上面における対向する稜部2aに発生するクラックに繋がってしまう場合があり、このとき半導体パッケージAの気密性が損なわれてしまう。
【0011】
そこで、稜部2aに大きな応力が集中しないようにするために、枠体8aの厚さを入出力端子Bの取付部8a付近に限って局部的に薄くし、それに対応して立壁部2の線路方向の厚さを薄くすることが行われていたが、この場合立壁部2の接合部の接合強度が小さくなることによって、小さな力でAgロウにクラックが発生する場合があり、これによって半導体パッケージAの気密性が損なわれる場合があった。
【0012】
また、入出力端子Bの線路方向に平行な方向の長さをそのままにして立壁部2の線路方向に平行な方向の厚さを大きくすることにより稜部2aを枠体8から遠ざけ、これにより稜部2aへの応力集中を緩和することも考えられるが、この場合平板部1上面における線路導体3のワイヤボンディング領域やリード端子(図示せず)の接合領域が狭くなり、これを回避するために入出力端子Bのサイズを大きくせざるを得なくなる。その結果、半導体パッケージA全体のサイズが大きくなってしまうという不具合が発生していた。
【0013】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、入出力端子の立壁部の上面における稜部を起点としてクラックが発生するのを防いで、立壁部上面の上部接地導体層を剥す力が作用しても容易にクラックが成長することがない入出力端子および半導体パッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて線路導体が形成されたセラミックスから成る略四角形の平板部および該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部から構成されており、前記立壁部の上面の略全面に上部接地導体層が形成されているとともに前記平板部の下面の略全面に下部接地導体層が形成され、さらに前記線路導体の線路方向に略平行な両側面に側部接地導体層がそれぞれ形成されている入出力端子において、前記上部接地導体層は、前記立壁部の上面から前記立壁部の前記線路導体に略直交する両側面にかけて、前記線路導体の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05乃至0.1mmの第一の延出部が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05乃至0.3mmの第二の延出部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の入出力端子は、立壁部の上面から線路導体に略直交する両側面にかけて、線路導体の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05〜0.1mmの第一の延出部が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05〜0.3mmの第二の延出部が形成されていることから、立壁部の平板部の上面に略直交する両側面上端の稜部付近が、上部接地導体層によって押え込まれた状態となってクラックの発生が抑えられ、上部接地導体層の外周部が延出部によって容易に剥れなくなるようにすることができる。また、このとき、上部接地導体層と線路導体との間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。
【0016】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子を載置する載置部が設けられた基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠きからなる入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備したことを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、入出力端子を枠体の取付部にロウ材を介して嵌着させる際に立壁部に発生するクラックに起因して上部接地導体層が剥れるのを防止することができるとともに、上部接地導体層と線路導体との間で新たに発生する浮遊容量を最小限にすることにより、半導体素子収納用パッケージ内における高周波信号の共振点の低下を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の入出力端子および半導体素子収納用パッケージを以下に詳細に説明する。図1は、本発明の入出力端子を用いた半導体パッケージについて実施の形態の一例を示す部分拡大断面図であり、また図2(a)は本発明の入出力端子の正面図を、同図(b)は入出力端子の斜視図をそれぞれ示す。なお、図1、図2において従来例を示す図3、図4と同じ部位には同じ符号を付した。
【0019】
図1、図2において、1は平板部、2は平板部1上に接合された立壁部、2aは立壁部2の線路導体3に略直交する側面の上端の稜部、2bは立壁部2の線路導体3に略直交する側面、2cは立壁部2を構成する最上層の絶縁層(セラミック層)、2dは立壁部2を構成する上から2番目の絶縁層、3は平板部1の上面に形成された線路導体である。また、4は平板部1の下面の略全面に形成された下部接地導体層、5は平板部1および立壁部2の線路方向に略平行な両側面に形成された側部接地導体層、6は立壁部2の上面の略全面に形成された上部接地導体層、6aは上部接地導体層6の延出部、6a−1は第一の延出部、6a−2は第二の延出部、7は基体、7aは半導体素子Cの載置部、8は枠体、8aは取付部である。
【0020】
本発明の入出力端子Bは、上面に一辺から対向する他辺にかけて線路導体3が形成されたセラミックスから成る略四角形の平板部1および平板部1の上面に線路導体3の一部を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部2から構成されており、立壁部2の上面の略全面に上部接地導体層6が形成されているとともに平板部1の下面の略全面に下部接地導体層4が形成され、さらに線路導体3の線路方向に略平行な両側面に側部接地導体層5がそれぞれ形成されており、上部接地導体層6は、立壁部2の上面から立壁部2の線路導体3に略直交する両側面にかけて、線路導体3の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05〜0.1mmの第一の延出部6a−1が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05〜0.3mmの第二の延出部6a−2が形成されている。
【0021】
本発明の入出力端子Bは、図1、図2(a),(b)に示すように、下部接地導体層4、側部接地導体層5、上部接地導体層6が枠体8の取付部8aに嵌着されロウ付けされる。これにより、取付部8aにおいて半導体パッケージAの気密性が保持されるとともに、外部電気回路装置に対して半導体パッケージAの内部に収容されている半導体素子Cからボンディングワイヤ(図示せず)を介して高周波信号を伝達する機能を有するものとなる。
【0022】
また、入出力端子Bの平板部1および立壁部2は電気的な絶縁体としてのセラミックスから成り、例えばセラミック母基板を多数個に分割する多数個取りによる作製法によって作製され、平板部1および立壁部2はアルミナ(Al2O3)質焼結体(セラミックス)、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体等のセラミックスから成る。そして、立壁部2によって線路導体3が露出した一方側と他方側とに区分されている。
【0023】
入出力端子Bが例えばAl2O3セラミックスから成る場合、以下のようにして作製される。まずAl2O3の粉末と、焼結助材としての酸化カルシウム(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などの粉末と、適当なバインダーおよび溶剤とを混合してこれをスラリーとなす。次に、このスラリーを用いて、従来周知のドクターブレード法などのテープ成形法によって所定厚さのセラミックグリーンシートに成形する。
【0024】
次に、立壁部2のセラミック層となる厚さの異なる複数枚のセラミックグリーンシートと、同様に平板部1となるセラミックグリーンシートとを準備し、平板部1となるセラミックグリーンシートの上面に線路導体3となるパターンを、Wを主成分とする金属ペーストを周知のスクリーン印刷法で塗布形成するとともに、下面に下部接地導体層4となるパターンを同様にして形成する。
【0025】
そして、同様に立壁部2となるセラミックグリーンシートに所定の穴あけ加工および貫通孔の側面への金属ペーストの被着を行い、次いで、これらのセラミックグリーンシートを積層することにより、上下方向の幅が0.05〜0.1mmの第一の延出部6a−1と、その他の部位に上下方向の幅が0.05〜0.3mmの第二の延出部6a−2とを立壁部となる積層部の側面に有するセラミックグリーンシート積層体が得られる。
【0026】
このようにして得られたセラミックグリーンシート積層体を所定長さに切断し、次いで非酸化雰囲気下で1500〜1600℃の温度で焼成することによって入出力端子Bとなるセラミック焼結体を得る。次に、このセラミック焼結体の側面にMo−Mn合金を主成分とする導体ペーストを周知のスクリーン印刷法により印刷して導体パターンを形成し、これを還元性雰囲気中で約1350℃の温度で焼成することにより、立壁部2の上面のWから成る上部接地導体層6、延出部6a、Mo−Mn合金からなる側部接地導体層5、平板部1下面のWから成る下部接地導体層4が形成された入出力端子を得る。
【0027】
このようにして得られた入出力端子Bは、図2に示すように、半導体パッケージAの枠体8に形成された貫通孔または切欠き部から成る取付部8aに嵌着され、例えば半導体パッケージAに収納される半導体素子Cに対する高周波電力の出力用として機能する。
【0028】
本発明の入出力端子Bは、立壁部2の上面に形成された上部接地導体層6が、立壁部2の線路導体3に略直交する側面に延出した延出部6aを有していることから、入出力端子Bを枠体8の取付部8aにAgロウを介して嵌着接合させる際に、枠体8の変形に起因する応力が立壁部2の稜部2aに集中したとしても、また半導体素子Cの熱により枠体8が変形し立壁部2の稜部2aに応力が集中したとしても、稜部2aが延出部6aで覆われて補強されているため、立壁部2にクラックが発生することがなく、上部接地導体層6の剥れを解消できる。従って、本発明の入出力端子Bによれば、枠体8が変形して入出力端子Bの立壁部2に応力が集中したとしても、立壁部2の稜部2aを起点とするクラックが発生することがなく、半導体パッケージAの内部の気密性が損なわれることがなくなる。
【0029】
本発明の入出力端子Bにおいて、上部接地導体層6は、立壁部2の上面から立壁部2の線路導体3に略直交する両側面にかけて、線路導体3の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05〜0.1mmの第一の延出部6a−1が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05〜0.3mmの第二の延出部6a−2が形成されている。これにより、入出力端子Bを枠体2の取付部2aに嵌着する際に立壁部2の稜部2aにおけるクラックの発生を抑えることができ、半導体パッケージAの気密性の劣化を防止することができる。
【0030】
第二の延出部6a−2の幅が0.05mm未満では、クラックの発生を抑えることが困難となる。0.3mmを超えると、Agロウが第二の延出部6a−2の表面に大量に流れ出す場合があり、その結果、接合に寄与するAgロウが不足して枠体2の接合強度が劣化してしまう。
【0031】
また、第一の延出部6a−1を形成することにより、線路導体3と第一の延出部6a−1との間で発生する浮遊容量を抑えることができる。この幅が0.05mm未満の場合、稜部2aを起点として発生するクラックを防止することができず、また0.1mmを超えると、浮遊容量が大きくなってしまい、共振点の低下が発生する。
【0032】
また本発明の半導体パッケージAは、上面に半導体素子Cを載置する載置部7aが設けられた基体8と、基体8の上面の外周部に載置部7を囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠きからなる入出力端子Bの取付部8aが形成された枠体8と、取付部8aに嵌着された入出力端子Bとを具備したことにより、気密性が良好であり、また共振点の低下が抑えられたものとなる。
【0033】
そして、本発明の半導体パッケージAは、入出力端子Bを枠体8の取付部8aにAgロウなどのロウ材で嵌着して接合し、半導体素子Cを載置部7aに載置して、半導体素子C上の電極と入出力端子Bの線路導体3とをボンディングワイヤを介して電気的に接続し、枠体8の上面にFe−Ni−Co合金等から成る蓋体(図示せず)を接合することにより、半導体装置となる。
【0034】
かくして、本発明の入出力端子Bを有する半導体パッケージAは、例えば高周波電力を出力する半導体素子Cを高い信頼性でもって収納することができるものとなる。
【0035】
【実施例】
本発明の入出力端子および半導体パッケージの実施例を以下に説明する。
【0036】
図2の入出力端子Bを以下のように構成した。すなわち、線路方向に直交する方向の長さが3mm、線路方向に平行な方向の長さが2mm、厚さが1mmである平板部1上に、線路方向の長さが0.5mm、線路方向に直交する方向の長さが3mm、高さが1.5mmの立壁部2を設けた入出力端子を用意した。このとき、第二の延出部6a−2の幅を0.025,0.05,0.075,0.15,0.25,0.275,0.3,0.325,0.35(mm)とした種々の入出力端子を各10個ずつの計90個、さらに延出部6aがない従来の入出力端子10個と併せて合計100個を作製した。このとき、下部接地導体層4、側部接地導体層5、上部接地導体層6のそれぞれの厚さを15μmにし、また延出部6aの厚さを20μmとした。
【0037】
なお、第二の延出部6a−2を形成した90個のサンプルにおいて、第一の延出部6a−1の幅はすべて0.05mmとした。
【0038】
また、Cu−W合金からなる10mm角の基体7の上面に、半導体素子Cの載置部7aを囲むように、厚さが0.5mm、高さが2mmであり、側部に入出力端子Bを嵌着する取付部8aが形成された枠体8をAgロウ(BAg−8:JIS Z 3261)で接合したものを100個用意し、それらの表面にニッケルメッキ層および金メッキ層をいずれも2μmの厚さで形成した。
【0039】
そして、取付部8aに、上記Agロウを介して850℃の温度で入出力端子Bを嵌着接合して各種評価用サンプルを作製した。これらの評価用サンプルについて、加速寿命試験として半導体素子Cの作動時の温度よりも2倍以上高い温度(200℃)とする温度サイクル試験を1000サイクル行った。その後、これらの半導体パッケージAについてクラック発生の有無を調査した。クラックの発生は浸透探傷用浸透液(「スーパーチェック」マークテック株式会社製)に漬浸した場合にこの液の浸透によりクラック部が赤く着色することによって判定した。表1にその結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1より、第二の延出部6a−2の幅が0.05〜0.3mmである本発明の入出力端子Bではクラックの発生が見られなかった。
【0042】
次に、第二の延出部6a−2の幅が0.05,0.075,0.15,0.25,0.275,0.3,0.325(mm)のそれぞれの場合において第一の延出部6a−1の幅を0.05mmとしたサンプルを各10個ずつ計70個作製し、また第二の延出部6a−2の幅が上記のそれぞれの場合において第一の延出部6a−1の幅を小さくしていないサンプルを各10個ずつ計70個作製し、これらについて浮遊容量の大きさを測定した。
【0043】
このとき、浮遊容量および共振周波数の測定に際しては、半導体素子Cは1GHzの高周波信号を発信している状態とし、ネットワークアナライザーを用いて測定した。評価結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2より、第一の延出部6a−1の幅が0.05mmで第二の延出部6a−2の幅が0.075〜0.3mmである本発明の入出力端子Bを用いた半導体パッケージAでは、浮遊容量を小さくすることができ、共振点の低下を小さくすることができることが判明した。
【0046】
次に、第二の延出部6a−2の幅を0.2mmとし、第一の延出部6a−1の幅を0.03,0.04,0.05,0.075,0.09,0.1,0.15,0.2(mm)とした種々のサンプルを各10個ずつ計80個作製し、上記と同様に浮遊容量および共振周波数を測定した結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表3より、第一の延出部6a−1の幅が0.05〜0.1mmのときに、クラックの発生がなく、かつ浮遊容量を小さくすることができ、共振点の低下を小さくすることができることが判明した。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明の入出力端子Bを半導体パッケージAに適用した場合について説明したが、混成集積回路基板の入出力端子として本発明の入出力端子Bを適用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の入出力端子は、上面に一辺から対向する他辺にかけて線路導体が形成されたセラミックスから成る略四角形の平板部および平板部の上面に線路導体の一部を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部から構成されており、立壁部の上面の略全面に上部接地導体層が形成されているとともに平板部の下面の略全面に下部接地導体層が形成され、さらに線路導体の線路方向に略平行な両側面に側部接地導体層がそれぞれ形成されており、上部接地導体層は、立壁部の上面から立壁部の線路導体に略直交する両側面にかけて、線路導体の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05〜0.1mmの第一の延出部が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05〜0.3mmの第二の延出部が形成されていることにより、立壁部の線路導体に略直交する両側面上端の稜部付近が、上部接地導体層によって押え込まれた状態となってクラックの発生が抑えられ、上部接地導体層の外周部が延出部によって容易に剥れなくなるようにすることができる。また、上部接地導体層と線路導体との間に発生する浮遊容量を小さくすることができる。
【0051】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子を載置する載置部が設けられた基体と、基体の上面に載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠きからなる入出力端子の取付部が形成された枠体と、取付部に嵌着された上記本発明の入出力端子とを具備したことにより、入出力端子を枠体の取付部にロウ材を介して嵌着させる際に立壁部に発生するクラックに起因して上部接地導体層が剥れるのを防止することができるとともに、上部接地導体層と線路導体との間に発生する浮遊容量を小さくすることができ、これにより、半導体素子収納用パッケージ内において、上部接地導体層と線路導体との間で発生する新たな浮遊容量により高周波信号の共振点が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入出力端子が設けられた半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示し、入出力端子部の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の入出力端子について実施の形態の一例を示し、(a)は入出力端子の正面図、(b)は入出力端子の斜視図である。
【図3】従来の入出力端子を枠体の側部に有する半導体素子収納用パッケージの斜視図である。
【図4】従来の入出力端子の斜視図である。
【符号の説明】
1:平板部
2:立壁部
2a:稜部
2b:側面
3:線路導体
4:下部接地導体層
5:側部接地導体層
6:上部接地導体層
6a:延出部
6a−1:第一の延出部
6a−2:第二の延出部
7:基体
7a:載置部
8:枠体
8a:取付部
A:半導体素子収納用パッケージ
B:入出力端子
C:半導体素子
Claims (2)
- 上面に一辺から対向する他辺にかけて線路導体が形成されたセラミックスから成る略四角形の平板部および該平板部の上面に前記線路導体の一部を間に挟んで接合されたセラミックスから成る立壁部から構成されており、前記立壁部の上面の略全面に上部接地導体層が形成されているとともに前記平板部の下面の略全面に下部接地導体層が形成され、さらに前記線路導体の線路方向に略平行な両側面に側部接地導体層がそれぞれ形成されている入出力端子において、前記上部接地導体層は、前記立壁部の上面から前記立壁部の前記線路導体に略直交する両側面にかけて、前記線路導体の直上に位置する部位に上下方向の幅が0.05乃至0.1mmの第一の延出部が形成され、その他の部位に上下方向の幅が0.05乃至0.3mmの第二の延出部が形成されていることを特徴とする入出力端子。
- 上面に半導体素子を載置する載置部が設けられた基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔または切欠きからなる入出力端子の取付部が形成された枠体と、前記取付部に嵌着された請求項1記載の入出力端子とを具備したことを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
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| JP2002214398A JP3810352B2 (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージ |
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| JP2002214398A JP3810352B2 (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージ |
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| JP2004056013A JP2004056013A (ja) | 2004-02-19 |
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