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JP3817480B2 - 光スイッチおよびミラー素子 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜により形成されたミラー素子、および、このミラー素子を備えた光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
端面が向かい合うように配置された4本の光導波路の端面の間に、微小なミラーをアクチュエータにより挿入することにより、光路を切り換える光スイッチが例えば特開2001−142008号公報に記載されている。この光スイッチは、4本の光導波路が1枚の基板中に形成されており、基板を横切るように溝(凹部)が形成されている。4本の光導波路の端面は、溝の側面に露出されている。微小なミラーが、溝の中に挿入されている状態のときには、光導波路の端面から出射された光がミラーによって反射されて、隣り合う光導波路の端面に入射する。一方、微小なミラーが、溝から取り出されている状態のときには、光導波路の端面から出射された光は、そのまま溝を横切るように直進し、向かい合う位置の光導波路の端面に入射する。
【0003】
また、Sensors and Actuators A,33(1992)249-256、"Microfabricated Hinges"には、基板上にプレートとなる膜を成膜し、このプレートを基板に対して垂直に起こすことことにより、基板に垂直なプレートを形成することが開示されている。プレートとなる膜の形成プロセスにおいて、プレートの一方の端部と、基板とを接続するヒンジ構造を形成している。このヒンジを中心にプレートを起こし、微細な垂直構造体を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001−142008号公報に光スイッチは、光導波路基板に設けられた溝に微小なミラーを挿入する構成であるため、ミラーの挿入深さによっては、ミラーの先端が溝の底面に接触し、ミラーが変形する可能性がある。ミラーの挿入深さを制御する方法としては、アクチュエータの駆動力を調整する方法が考えられるが、環境温度等の変化により駆動電源等の出力にドリフトとが生じた場合、位置ずれが生じる。ドリフトを防ぐためには、アクチュエータの位置をフィードバック制御することも可能であるが、システムの肥大化を招き好ましくない。また、ミラーの下部のアクチュエータ部分を光導波路基板の基板面に接触させて、それ以上ミラーが挿入されないようにすることも考えられる。しかしながら、ミラーの下部には、ミラーを支えるヒンジ等の機構を配置する必要があるため、この機構が導波路基板の基板面に接触してしまい、ミラーの垂直度に影響を与える可能性がある。
【0005】
本発明は、微小なミラーを導波路基板に挿入することにより光路の切り換えを行う光スイッチであって、ミラーの挿入深さを精度良く制御することのできる光スイッチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような光スイッチが提供される。
【0007】
すなわち、複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され
前記ストッパ部材は、一方の端部が前記可動板に固定され、該一方の端部から他方の端部へ向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とする光スイッチである。このストッパ部材が自ら湾曲するような材料であれば、自分から立ち上がるので製造上好ましい。
【0010】
前記目的を達成するための他の光スイッチに係る発明は、
複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
前記ストッパ部材は、一部が前記ミラーの主平面に固定され、固定された一部から固定されていない自由端に向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とする。
【0011】
ここで、以上の各光スイッチにおいて、前記板状部材は、少なくとも2枚の膜を積層した構成で、自立する板状部材を得ることができる。前記2枚の膜をそれぞれ構成する材料は互いに異なる材料である構成にすることができる。
【0012】
また、前記目的を達成するための他の光スイッチに係る発明は、
複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
前記ストッパ部材は、前記ミラーの外周との間に予め定めた間隔を開けて、前記ミラーの外周を取り囲む形状を有することを特徴とする
【0013】
また、本発明によれば、以下のようなミラー素子が提供される。
【0014】
すなわち、複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され
前記ストッパ部材は、一方の端部が前記可動板に固定され、該一方の端部から他方の端部へ向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とするミラー素子である。
【0017】
また、前記目的を達成するための他の光スイッチに係る発明は、
複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
前記ストッパ部材は、一部が前記ミラーの主平面に固定され、固定された一部から固定されていない自由端に向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とする。
【0018】
ここで、以上の各ミラー素子において、前記板状部材は、少なくとも2枚の膜を積層した構成であり、前記2枚の膜をそれぞれ構成する材料は互いに異なる材料である構成にすることができる。
【0019】
また、前記目的を達成するための他の光スイッチに係る発明は、
複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
前記ストッパ部材は、前記ミラーの外周との間に予め定めた間隔を開けて、前記ミラーの外周を取り囲む形状を有することを特徴とする
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
【0022】
本実施の形態の光スイッチは、図5(a),(b)に示すようにミラー基板30と光導波路基板40とをスペーサ51を挟んで重ね合わせた構成である。ミラー基板30は、図2または図5のように基板30上に脚部102cにより片端が固定された可動板102を備え、可動板102の上にミラー101を搭載した構成である。図1に示したように、ミラー101は、ヒンジ104により可動板102の主平面に対して垂直に支持されている。また、可動板102の上には、図1のようにストッパ103が搭載されている。ストッパ103は、ミラー101が光導波路基板40に挿入される際に挿入深さを制御するストッパとして用いられる。
【0023】
ストッパ103は、図4に示すように窒化シリコン膜103aとAl膜103bとを積層したバイマテリアル構造であり、これら2層が脚部103cによって可動板102に固定されている。また、図示していないが、ミラー基板30の裏面側には、可動板102およびストッパ103の温度を一定に保持する温度調節素子が配置されている。
【0024】
ストッパ103は、窒化シリコン膜103aとAl膜103bの熱膨張係数の差異によって生じる応力ならびに成膜時に生じた応力により、脚部103cから先端まで円弧状に湾曲している。ストッパ103の湾曲の曲率半径は、窒化シリコン膜103aとAl膜103bの膜厚、成膜条件、ならびに、ストッパ103の温度に依存する。よって、図1に示すように温度調節素子によって維持される温度において、ストッパ103の先端103dが可動板102から予め定めた所定の高さh1に位置する湾曲状態となるように、窒化シリコン膜103aとAl膜103bの膜厚や、脚部103cから先端までの長さ等が予め設計されている。
【0025】
可動板102も、図4に示したように窒化シリコン膜102aとAl膜102bとを積層したバイマテリアル構造である。窒化シリコン膜102aとAl膜102bの端部は、屈曲して脚部102cを構成し、ミラー基板30に固定されている。可動板102も、窒化シリコン膜102aとAl膜102bの熱膨張係数の差異によって生じる応力ならびに成膜時に生じた応力により、脚部102cから先端まで円弧状に湾曲している。可動板102の湾曲の曲率半径は、温度調節素子によって維持される温度において、ミラー101を図5(b)のように光導波路基板40に挿入できる湾曲状態となるように、窒化シリコン膜102aとAl膜102bの膜厚や、脚部102cから先端までの長さ等が予め設計されている。
【0026】
ミラー基板30は、図4のように、シリコン基板31と、絶縁層31aと、電極膜32と、配線34と、絶縁層33とを有している。絶縁層31aは、シリコン基板31の上面全体に配置され、絶縁層31aの上に電極膜32と配線34とがそれぞれ配置されている。電極膜32は、可動板102と向かい合う領域に少なくとも配置されている。配線34は、可動板102の脚部102cに接続されている。絶縁層33は、電極膜32と配線34を覆うように配置されている。
【0027】
したがって、電極膜32と、配線34とに所定の電圧を印加して、可動板102のAl膜102bと電極膜32とに互いに極性の異なる電荷をチャージすると、可動板102は静電力によりミラー基板30の上面に引き寄せられ、可動板102がミラー基板30の上面に密着した図5(a)の状態となり、ミラー101を光導波路基板40に形成された光路から取り出すことができる。
【0028】
一方、光導波路基板40には、図3のように切り換えるべき光を伝搬する4本の光導波路41,42,43,44が埋め込まれている。光導波路基板40には、中央部に裏面側から幅約数十μm程度の溝46が形成され、溝46の側面に光導波路41,42,43,44の端面41a,42a,43b,44bが露出されている。端面41aと端面42aとの間隔、ならびに、端面43bと端面44bとの間隔は、図5(b)に示したようにミラー101で覆うことのできる間隔に設計されている。
【0029】
ミラー基板30は、溝46にミラー101を挿入できるように位置合わせして、図5(a),(b)に示すように光導波路基板40と重ねられている。
【0030】
ところで、可動板102のAl膜102bとミラー基板30の電極膜32との間に電圧を印加した状態では、ミラー101は、光導波路43、44の端面43b,44bより下側に位置する。この場合、例えば、図3に示す光導波路43の端面43aから光を入射すると、光導波路43を伝搬した光は、端面43bから出射され、溝46を斜めに横切り、対向する光導波路42の端面42aに入射し、光導波路42を伝搬して端面42bから出射される。また、例えば、光導波路41の端面41bから光を入射すると、光導波路41を伝搬した光は、端面41aから出射され、溝46を斜めに横切り、そのまま対向する光導波路44の端面44bに入射し、光導波路44を伝搬して端面44aから出射される。
【0031】
一方、可動板102のAl膜102bとミラー基板30の電極膜32との間に電圧を印加していない状態に切り換えると、図5(b)のように可動板102が、窒化シリコン膜102aとAl膜102bの応力により湾曲する。この湾曲により、ミラー101は、溝46に挿入される。このとき、ストッパ103は、溝46の幅よりも外側に位置するため、ストッパ103の先端103dが、溝46の脇の光導波路基板40の下面40aに接触し、ミラー101が図5(b)の位置以上に溝46内に挿入されないように阻止される。これにより、ミラー101の上端101aが、溝46の上面40bに接触しない位置で、ミラー101を停止させることができる。したがって、ミラー101が溝46の上面と可動板102との間に挟まれて変形する恐れがなく、ミラー101の反射面を光導波路基板40の主平面に垂直に維持することができる。
【0032】
図5(b)の状態では、ミラー101は、光導波路43、44の端面43b,44bを覆うように位置するため、例えば、図3に示す光導波路43の端面43aから光を入射した場合、ミラー101の両面が鏡面になっている場合では、光導波路43を伝搬した光は、端面43bから出射され、ミラー101で反射されて、光導波路44の端面44bに入射し、光導波路44を伝搬して端面44aから出射される。また、例えば、光導波路41の端面41bから光を入射した場合、光導波路41を伝搬した光は、端面41aから出射され、ミラー101で反射され、光導波路42の端面42aに入射し、光導波路42を伝搬して端面42bから出射される。また、ストッパ103を可動板102に対して好適な位置に固定する等により、ミラー101の反射面が光導波路基板40に精度良く垂直に維持されるため、反射光を精度良く、端面44b、42a等に入射させることができる。
【0033】
ここで、本実施の形態の光スイッチの製造方法を図4および図7(a)〜(e)を用いて説明する。
【0034】
まず、図4のように、シリコン基板31上に予め絶縁層31aと電極膜32と配線34と絶縁層33が形成されたミラー基板30を用意し、このミラー基板30上にレジスト層を形成する。このレジスト層は、後に除去される犠牲層である。レジスト層上の、可動板102の脚部102cとなる位置にレジストホールを形成した後、レジスト層の上に順に窒化シリコン膜102aと、Al膜102bとを成膜し、可動板102の形状にパターニングする。これにより、可動板102が形成される。ただし、この状態では基板30上のレジスト層(犠牲層)は除去しない。
【0035】
つぎに、可動板102の上に、図7(a)のようにレジスト層71を形成する。このレジスト層71も犠牲層である。このレジスト層71に、ストッパ103の脚部103cの位置と、ヒンジ104が可動板102と接触する位置とにそれぞれレジストホール71a、71bを形成する。
【0036】
レジスト層71上に窒化シリコン膜を成膜し、ストッパ103の窒化シリコン膜103aの形状、および、ヒンジ104が可動板102と接触するヒンジ下部104aの形状にパターニングする(図7(b))。さらに、Al膜を成膜し、ストッパ103のAl膜103bの形状、ならびに、ミラー101の形状にパターニングする(図7(c))。さらに、上面を覆うように、犠牲層となるレジスト層73を形成し、ヒンジ104の位置にレジストホール73bを形成する(図7(d))。この上に、Al膜を形成し、ヒンジ104の上部104bの形状にパターニングする。この状態が、図7(e)および図6に図示した状態であり、形成されたミラー101とストッパ103が犠牲層のレジスト層73、71の中に埋め込まれた状態である。この後、ミラー基板と可動板102との間の不図示のレジスト層、ならびに、レジスト層71,73をアッシングにより除去する。これにより、図4に示したように可動板102がミラー基板30から離れて湾曲する。また、ストッパ103も可動板102から離れて湾曲して立ち上がる。さらに、ミラー101も可動板102から離れ、ヒンジ104により可動板102に片端が固定されている状態となるので、外部から力を加えてミラー101を垂直に起こす。ヒンジ104は、垂直に立ち上がったミラー101を支持する。
【0037】
温度調節素子(不図示)により、温度を予め定めた温度にする調節すると、ストッパ103の先端103dは、可動板102から高さh1に湾曲して立ち上がり、可動板102は、ミラー101を光導波路基板40に挿入するのに十分な湾曲状態まで立ち上がる。
【0038】
このミラー基板30を、別途作成した光導波路基板40にスペーサ51を挟んで図5のように重ね合わせることにより、本実施の形態の光スイッチを製造することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、ストッパ103をミラー101の片面側にのみ配置しているが、ミラー101の両面にそれぞれストッパ103を配置する構成にすることができる。ストッパ103を両側に配置することにより、可動板102の湾曲が強く、ミラー101を光導波路基板40に押し込む力が強い場合であっても、2つのストッパ103により、確実にミラー101を位置決めする事が可能である。
【0040】
なお、ミラー101を垂直に支持する構成としては、ヒンジ104に限らず、リム構造(アングル)等の他の構成部材を用いることも可能である。また、ヒンジ104とアングル等の他の構成部材の両方を備える構成にすることも可能である。
【0041】
(第2の実施の形態)
つぎに、第2の実施の形態の光スイッチを図8を用いて説明する。
【0042】
第2の実施の形態の光スイッチは、第1の実施の形態の光スイッチと似た構成であるが、光スイッチのストッパ103に代えて、ストッパ803がミラー101のミラー面上に取り付けられている点が第1の実施の形態とは異なっている。ストッパ103以外の光スイッチの構成は、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
【0043】
第2の実施の形態のストッパ803は、ミラー101の光の反射を妨げないように反射面の下部に備えられ、ストッパ803の側面803aは、ミラー101の反射面と垂直、すなわち、可動板102の上面と略平行になるように備えられている。ストッパ803の湾曲の状態は、ストッパ803の脚部803cから先端803bまでの高さh2が光導波路基板40の溝46の溝幅(ここでは約数十μm)よりも大きくなるように設定されている。よって、光スイッチの動作によって、ミラー101が溝46に挿入されると、ストッパ803の側面803aが、光導波路基板40の下面40aに接触し、ミラー101の上端101aが溝の上面46bに接触しない位置でミラー101を停止させることができる。ミラー101にストッパ803が備えられている位置は、ミラー101の高さや溝46の深さ等に応じて予め設計により定められている。
【0044】
図8のストッパ803を備えたミラー101を製造する工程としては、まず、第1の実施の形態のミラー101の製造工程の図7(a)〜(e)のミラー101の製造工程を行い、続けて、ミラー101上のストッパ803の脚部803cを設けるべき位置に、レジスト層73に図7(a)のレジストホール71aを設け、この後続けて図7(a)〜(e)のストッパ103の製造工程を行うことによりストッパ803を形成する。この後、犠牲層のレジスト層を除去することにより、図8のストッパ803がミラー101上で湾曲して立ち上がる。最後に、外部から力を加えてミラー101を可動板102上で垂直に起こすことにより、図8のミラー101を製造することができる。
【0045】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の光スイッチを図9を用いて説明する。
【0046】
第3の実施の形態の光スイッチは、第1の実施の形態の光スイッチと似た構成であるが、ストッパ103に代えて、ストッパ903が可動板102上に搭載されている点が第1の実施の形態とは異なっている。ストッパ103以外の光スイッチの構成は、第1の実施の形態と同じであるので説明を省略する。
【0047】
第3の実施の形態のストッパ903は、図9のように、ミラー101の外周を取り囲む形状を有し、ヒンジ904によって可動板102上に垂直に支持されている。ストッパ903とミラー101との間には、予め定めた幅の間隙903bが設けられている。
【0048】
光スイッチの動作によって、ミラー101が溝46に挿入されると、ストッパ903の上端903aが溝46の上面40bと接触し、ミラー101が溝46の上面40bに接触しない位置でミラー101を停止させる。このとき、ストッパ903は、可動板102と溝46の上面40bとの間に挟まれ、可動板102がストッパ903を上面40bに押しつける力によって変形するが、ミラー101との間には間隙903bが設けられているため、ストッパ903はミラー101には接触しない。
【0049】
なお、ストッパ903の強度を高めるために、ヒンジ104の他に強度を増す構成部材を用いることも可能である。また、ストッパ903を可動板102上に垂直に立てるための構成としては、ヒンジ904以外の構成を用いることも可能である。
【0050】
図9のストッパ903およびミラー101を可動板102に製造する工程としては、第1の実施の形態のミラー101の製造工程の図7(a)〜(e)のミラー101の製造工程を用い、ミラー101をパターングする際に、同時にストッパ903もパターニングし、ヒンジ104を形成する工程で、同時にヒンジ904を形成することにより製造することができる。
【0051】
なお、上述してきた第1〜第3の実施の形態では、ミラー101の形状を長方形としているが、この形状に限定されるものではない。例えば、図5(b)ようにミラー101が溝46に挿入された状態で、ミラー101の上面が、溝46の上面40bに平行になるように形状を設定しても良い。
【0052】
また、上述してきた第1〜第3の実施の形態では、図5(a),(b)のように可動板102が片持ち支持された構造のスイッチについて説明したが、第1〜第3の実施の形態のミラー101およびストッパ103等は、ミラー101が光導波路基板40の溝46中に挿入される構造のものであれば、他の構造の光スイッチに適用することが可能である。
【0053】
また、第1〜第3の実施の形態の光スイッチにおいて、光導波路基板40の溝46中に屈折率を調整した液体を満たす構成にすることも可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、微小なミラーを導波路基板に挿入することにより光路の切り換えを行う光スイッチであって、ミラーの挿入深さを精度良く制御することのできる光スイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチのミラー基板30の可動板102の先端部の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチのミラー基板30の切り欠き斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチの光導波路基板40の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチのミラー基板30の可動板102が湾曲している状態の断面図である。
【図5】図5(a)、(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態の光スイッチの断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチの可動板102上にミラー101およびストッパ103を製造する工程において、レジスト層73の除去前の上面図である。
【図7】図7(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態の光スイッチの可動板102上にミラー101およびストッパ103を製造する工程を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態の光スイッチの可動板102の先端部の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態の光スイッチの可動板102の先端部の斜視図である。
【符号の説明】
30…ミラー基板、31…シリコン基板、32…電極膜、33…絶縁膜、34…配線、40…光導波路基板、41,42,43,44…光導波路、46…溝、51…スペーサ、71…レジスト層、73…レジスト層、101…ミラー、102…可動板、102a…窒化シリコン膜、102b…Al膜、102c…脚部、103…ストッパ、103a…窒化シリコン膜、103b…Al膜、103c…脚部、104…ヒンジ、104a…ヒンジの下部、104b…ヒンジの上部、803…ストッパ、903…ストッパ、904…ヒンジ。

Claims (8)

  1. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
    前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、一方の端部が前記可動板に固定され、該一方の端部から他方の端部へ向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とする光スイッチ。
  2. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
    前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、一部が前記ミラーの主平面に固定され、該固定された一部から固定されていない自由端に向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とする光スイッチ。
  3. 請求項1及び2のいずれか一項に記載の光スイッチにおいて、
    前記板状部材は、少なくとも2枚の膜を積層した構成であり、該2枚の膜をそれぞれ構成する材料は互いに異なる材料であることを特徴とする光スイッチ。
  4. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板と、
    前記溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、前記ミラーの外周との間に予め定めた間隔を開けて、前記ミラーの外周を取り囲む形状を有することを特徴とする光スイッチ。
  5. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、一方の端部が前記可動板に固定され、該一方の端部から他方の端部へ向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とするミラー素子。
  6. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、一部が前記ミラーの主平面に固定され、該固定された一部から固定されていない自由端に向かって立ち上がった板状部材であることを特徴とするミラー素子。
  7. 請求項5及び6のいずれか一項に記載のミラー素子において、
    前記板状部材は、少なくとも2枚の膜を積層した構成であり、該2枚の膜をそれぞれ構成する材料は互いに異なる材料であることを特徴とするミラー素子。
  8. 複数の光導波路と該光導波路の端面が露出するように形成されている溝とを有する光導波路基板の、該溝に挿入されて光路を切り替えるミラーと、
    前記ミラーを搭載し、該ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入するための可動板と、を有し、
    前記可動板には、前記ミラーを前記光導波路基板の前記溝に挿入した際に前記光導波路基板の一部と接触し、前記ミラーの挿入深さを制限するストッパ部材が搭載され、
    前記ストッパ部材は、前記ミラーの外周との間に予め定めた間隔を開けて、前記ミラーの外周を取り囲む形状を有することを特徴とするミラー素子。
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