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JP7837593B2 - 精密位置決め装置及び光学装置 - Google Patents
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JP7837593B2 - 精密位置決め装置及び光学装置 - Google Patents

精密位置決め装置及び光学装置

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Description

本発明は、光学素子の可動性を3次元的に持たせることができる精密位置決め装置及び光学装置に関する。
1960年代にレーザーが発明されて以来、光計測技術は著しく発展した。1970年代に半導体レーザーが発明されてからは小型の計測装置の研究開発が活発化し、1980年代には、半導体レーザーを内蔵した計測装置が実用化された。近年では、これまで高価で大型であった計測装置と同じ機能・性能を維持した状態で携帯可能とした計測装置の開発が活発化している。その手法は、大きく分けて、微細加工技術を用いたものと、光導波路を用いたものがある。
前者は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)によるもので、例えば、非特許文献1にあるように、ウエハレベルでの光学素子、特に可動性を持たせたものが主流となっている。しかしながら、ウエハレベルでの作製ゆえに、2次元的な構造物が多く、また、ばね機構を持たせる場合、共振特性を利用すると大きな変位を得られるが静的な可動が困難といった問題がある。
後者は、光導波路がウエハ状に形成されており、光が通過するところは、SiN等の材料で、空気中を通過するよりも損失があり、また、光を導入するところでも大きな損失がある。例えば、非特許文献2のようにセンサの利用の場合は、光の強度を上げることで解決するが、光子を制御するような微弱な光を制御する場合は、損失の影響が計測に大きな影響を及ぼすという問題があった。
O. Solgaard, A. A. Godil, R. T. Howe, L. P. Lee, Y. Peter and H. Zappe, "Optical MEMS: From Micromirrors to Complex Systems," in Journal of Microelectromechanical Systems, vol. 23, no. 3, pp. 517-538, June 2014, doi: 10.1109/JMEMS.2014.2319266. Sepulveda, Borja, et al. "Optical biosensor microsystems based on the integration of highly sensitive Mach-Zehnder interferometer devices." Journal of Optics A: Pure and Applied Optics 8.7 (2006): S561.
このように、MEMS技術のみのアプローチだけ、もしくは、光導波路のアプローチによるだけでは、光子のような微弱な光の精密制御は困難であり、大型の光学システムの小型化と自動制御をすることが課題となっている。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、光子のような微弱な強度の光の制御も可能とすることができる精密位置決め装置及びそれを用いた光学装置を提供することにある。
本発明の精密位置決め装置は、光学素子と、光学素子を支持する支持部とを備え、支持部は、電気配線が立体的に配設された複数の構造物と、電気配線に電気的に接続された複数の圧電アクチュエータとを接合することにより、光学素子を、複数の回転軸を中心として回動可能とすると共に、回転軸の少なくとも1つの方向に移動可能とするように構成されたものである。
本発明の光学装置は、レーザー発振器と、レーザー発振器からのレーザー光を受光するフォトダイオードと、レーザー発振器及びフォトダイオードが配設された回路基板と、回路基板に配設され、レーザー発振器からフォトダイオードまでの光路上に配置された本発明の少なくとも1つの精密位置決め装置とを備えたものである。
本発明によれば、電気配線が立体的に配設された複数の構造物と、電気配線に電気的に接続された複数の圧電アクチュエータとを接合することにより、光学素子を、複数の回転軸を中心として回動可能とすると共に、回転軸の少なくとも1つの方向に移動とするようにしたので、微細加工技術、特に、実装の技術を利用して、三次元な電気配線と構造を持たせることができ、光子のような微弱な強度の光の制御を可能とすることができる。また、微弱な光以外にも、高強度な光の制御も可能であり、広く汎用性を持たせることができる。更に、回路基板上に集積することができるので、電気機械光学制御システムを実現することができ、系全体での小型化を達成することができる。
本発明の一実施の形態に係る精密位置決め装置の構成を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の配線構成を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の位置を表す座標である。 図1に示した精密位置決め装置のミラーの製造工程を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の素子側第1構造物の製造工程を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の支持側第1構造物の製造工程を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の第2構造物の製造工程を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の各構造物を接合する製造工程を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置を用いた光学装置の構成を表す図である。 図1に示した精密位置決め装置の利用例を説明する図である。 本発明の変形例1の構成を表す図である。 本発明の変形例1の他の構成を表す図である。 本発明の変形例1の利用例を説明する図である。 本発明の変形例2の構成を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る精密位置決め装置1の全体構成を表すものであり、図1(A)は精密位置決め装置1を上から見た構成を示し、図1(B)は図1(A)に示したI方向から見た構成を示し、図1(C)は図1(A)に示したII方向から見た構成を示している。図2は、精密位置決め装置1の配線構成を表すものである。図2(A)は素子側第1構造物53を光学素子2の側から見た構成、図2(B)は光学素子2を素子側第1構造物53の側から見た構成、図2(C)は素子側第1構造物53を支持側第1構造物54の側から見た構成、図2(D)は支持側第1構造物54を素子側第1構造物53の側から見た構成、図2(E)は第2構造物52を支持側第1構造物54の側から見た構成、図2(F)は支持側第1構造物54を第2構造物52の側から見た構成、図2(G)は第2構造物52を第2構造物52の反対側から見た構成を示している。
この精密位置決め装置1は、光学素子2と、光学素子2を支持する支持部3とを備えており、光学素子2の可動性を3次元的に持たせることができるものである。光学素子2は、例えば、光学装置を構成する各要素であり、ミラー、レンズ、プリズム、フィルター、又は、回折格子等が挙げられる。光学素子2の大きさは、例えば、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であればより好ましく、100μm以上10mm以下であれば更に好ましい。小型化することができるからである。光学素子2の大きさというのは、例えば、光学素子2の最大長さである。なお、本実施の形態では、光学素子2としてミラーを用いる場合を例に挙げて具体的に説明する。ミラーは、例えば、シリカガラス、ほう珪酸ガラス、低熱膨張結晶化ガラス等のセラミックスやシリコン等の誘電体よりなる素子基板21の一面に、SiOやTa等の誘電体多層膜よりなる反射膜22が形成され、他面に素子側電極部23が形成されている。
支持部3は、電気配線が立体的に配設された複数の構造物と、電気配線に電気的に接続された複数の圧電アクチュエータとを有している。支持部3は、複数の構造物と、複数の圧電アクチュエータとを組み合わせて接合することにより、光学素子2を、複数の回転軸を中心として回動可能とすると共に、回転軸の少なくとも1つの方向に移動可能とするように構成されている。
具体的には、例えば、支持部3は、構造物として第1構造物51と第2構造物52とを有しており、圧電アクチュエータとして複数の第1圧電アクチュエータ61と複数の第2圧電アクチュエータ62とを有している。第1圧電アクチュエータ61は、第1構造物51と光学素子2との間に配設されている。第1圧電アクチュエータ61は、例えば、3個以上であり、光学素子2について、X軸及びZ軸を回転軸として回動可能とすると共に、Y軸方向に移動可能とするように配置されている。第2圧電アクチュエータ62は、第1構造物51と第2構造物52との間に配設されている。第2圧電アクチュエータ62は、例えば、3個以上であり、光学素子2について、X軸及びY軸を回転軸として回動可能とすると共に、Z軸方向に移動可能とするように配置されている。
これにより、支持部3は、光学素子2を、X軸、Y軸、及び、Z軸を回転軸として回動可能とすると共に、Y軸方向、及び、Z軸方向に移動可能とするように構成されている。なお、図1,2では、第1圧電アクチュエータ61及び第2圧電アクチュエータ62をそれぞれ4個配設した場合を示している。また、図1,2では、わかりやすくするために、第1圧電アクチュエータ61及び第2圧電アクチュエータ62に梨地を付して示している。
第1構造物51は、例えば、シリカガラス、ほう珪酸ガラス、低熱膨張結晶化ガラス等のセラミックスやシリコン等の誘電体により構成されている。第1構造物51は、例えば、第1圧電アクチュエータ61が接合された素子側第1構造物53と、第2圧電アクチュエータ62が接合され、素子側第1構造物53を支持する支持側第1構造物54とを有している。素子側第1構造物53は、例えば、Y軸に対して垂直な面を有しており、このY軸に対して垂直な面に第1圧電アクチュエータ61が接合されている。支持側第1構造物54は、例えば、Z軸に対して垂直な面を有しており、このZ軸に対して垂直な面に第2圧電アクチュエータ62が接合されている。第2構造物52は、例えば、シリカガラス、ほう珪酸ガラス、低熱膨張結晶化ガラス等のセラミックスやシリコン等の誘電体により構成されており、第1構造物51を支持するものである。第2構造物52は、例えば、Z軸に対して垂直な面を有しており、このZ軸に対して垂直な面に第2圧電アクチュエータ62が接合されている。
素子側第1構造物53、支持側第1構造物54、及び、第2構造物52は、例えば、板状であり、一対の平面及び4つの側面を有している。素子側第1構造物53、支持側第1構造物54、及び、第2構造物52の厚みは、例えば、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。これらの平面の大きさは、例えば、0.1mm×0.1mm以上、20mm×20mm以下であることが好ましく、0.1mm×0.1mm以上、10mm×10mm以下であればより好ましい。
素子側第1構造物53は、例えば、支持側第1構造物54に対して1つの側面を対向させて配設されており、一方の平面に第1圧電アクチュエータ61が接合されている。素子側第1構造物53には、第1圧電アクチュエータ61が接合された一方の平面から支持側第1構造物54と対向する側面にかけて、電気配線として複数の第1電気配線41が設けられている。第1電気配線41が設けられた一方の平面と側面との角部は、少なくとも第1電気配線41が設けられている領域において、面取りされていることが好ましい。第1電気配線41を容易に形成することができるからである。
第1電気配線41の両端には第1電極部42がそれぞれ設けられている。第1電気配線41のうち1つは、第1圧電アクチュエータ61の光学素子2の側と電気的に接続されるものである。例えば、一方の第1電極部42において、導電性ポリマー等よりなる接続部63により光学素子2の素子側電極部23と電気的に接続されている。他の第1電気配線41は、一方の第1電極部42において、第1圧電アクチュエータ61の素子側第1構造物54の側と個別に電気的に接続されている。これにより、第1電気配線41は、第1圧電アクチュエータ61に電圧を印加することができるようになっている。
支持側第1構造物54は、例えば、一方の平面に素子側第1構造物53が配設され、他方の平面に第2圧電アクチュエータ62が接合されている。支持側第1構造物54には、素子側第1構造物53が配設された一方の平面から側面を介し第2圧電アクチュエータ62が接合された他方の平面にかけて、電気配線として複数の第2電気配線43が設けられている。第2電気配線43が設けられた一方の平面と側面との角部、及び、側面と他方の平面との角部は、少なくとも第2電気配線43が設けられている領域において、面取りされていることが好ましい。第2電気配線43を容易に形成することができるからである。第2電気配線43は、第1電気配線41を電源に対して電気的に接続するものであり、第2電気配線43の両端には第2電極部44がそれぞれ設けられている。一方の第2電極部44は、第1電気配線41の他方の第1電極部42に対して個別に電気的に接続されている。また、支持側第1構造物54の他方の平面には、各第2圧電アクチュエータ62と電気的に接続される第1構造物側電極部55が設けられている。
第2構造物52は、例えば、一方の平面に第2圧電アクチュエータ62が接合されている。第2構造物52には、一方の平面から側面を介し他方の平面にかけて、電気配線として複数の第3電気配線45及び複数の第4電気配線46が設けられている。第3電気配線45又は第4電気配線46が設けられた一方の平面と側面との角部、及び、側面と他方の平面との角部は、少なくとも第3電気配線45又は第4電気配線46が設けられている領域において、面取りされていることが好ましい。第3電気配線45及び第4電気配線46を容易に形成することができるからである。
第3電気配線45は、第2電気配線43を介して第1電気配線41を電源に対して電気的に接続するものであり、第3電気配線45の両端には第3電極部47がそれぞれ設けられている。一方の第3電極部47は、第2電気配線43の他方の第2電極部44と、導電性ポリマー等よりなる接続部64により個別に電気的に接続されている。他方の第3電極部47は、例えば、精密位置決め装置1を配設する図示しない回路基板等に対して電気的に接続される。
第4電気配線46の両端には第4電極部48がそれぞれ設けられている。第4電気配線46のうち1つは、第2圧電アクチュエータ62の支持側第1構造物54の側と電気的に接続されるものであり、一方の第4電極部48において、導電性ポリマー等よりなる接続部64により第1構造物側電極部55と電気的に接続されている。他の第4電気配線46は、一方の第4電極部48において、第2圧電アクチュエータ62の第2構造物52の側と個別に電気的に接続されている。これにより、第4電気配線46は、第2圧電アクチュエータ62に電圧を印加することができるようになっている。他方の第4電極部48は、例えば、精密位置決め装置1を配設する図示しない回路基板等に対して電気的に接続される。
第1電気配線41、第1電極部42、第2電気配線43、第2電極部44、第3電気配線45、第4電気配線46、第3電極部47、第4電極部48、素子側電極部23、及び、第1構造物側電極部55は、例えば、金(Au)又はアルミニウム(Al)等の金属により構成されている。これらの厚みは、例えば、100nmから1000nm程度である。なお、これらと素子側第1構造物53、支持側第1構造物54、又は、第2構造物との間に、チタン(Ti)又はクロム(Cr)等の金属よりなる密着層を設けるようにしてもよい。密着層の厚みは、例えば、1nmから20nm程度である。第1電極部42と第2電極部44とは、例えば、はんだ又は、YAGレーザー等を用いたガラス同士の溶接により電極間を接触させ導通させる、もしくは、導電性ポリマーを介して導通させることができる。
第1圧電アクチュエータ61と第1電極部42及び素子側電極部23、並びに、第2圧電アクチュエータ62と第4電極部48及び第1構造物側電極部55は、例えば、導電性ポリマーにより接合することが好ましい。可動性を持たせるためである。第1圧電アクチュエータ61及び第2圧電アクチュエータ62は、例えば、電圧を調整することにより、厚み方向、すなわち電圧の印加方向に伸縮するように構成されている。これにより、電圧に応じて第1圧電アクチュエータ61及び第2圧電アクチュエータ62の厚みが変化し、光学素子2を、X軸、Y軸、及び、Z軸を回転軸として回動可能とすると共に、Y軸方向、及び、Z軸方向に移動可能とするようになっている。
例えば、図3に示したように、精密位置決め装置1の位置を距離lだけ離れた2つの座標系で表すと、座標系0(基準座標)に関する同時変換行列は式1で表され、座標系1に関する同時変換行列は式2で表され、基準座標系から見た座標系0、座標系1の回転/移動に関する同時変換行列は式3で表される。各同時変換行列をかけることで、光学素子2のX軸、Y軸、及び、Z軸を回転軸とした回動と、Y軸方向、及び、Z軸方向の移動とを電気的に制御することができるようになっている。
この精密位置決め装置1は、例えば、次にようにして製造することができる。図4から図8は精密位置決め装置1の製造工程を表すものである。まず、例えば、精密位置決め装置1の各構成部材、すなわち、光学素子2であるミラー、素子側第1構造物53、支持側第1構造物54、及び、第2構造物52をそれぞれ作製する。ミラーは、例えば、まず、図4(A)に示したように、ガラス等よりなる基板を所定の大きさに切断して素子基板21を形成し、次いで、図4(B)に示したように、素子基板21の一面にスパッタ等により誘電体多層膜よりなる反射膜22を形成し、続いて、図4(C)に示したように、素子基板21の他面にスパッタ等により金属膜よりなる素子側電極部23を形成する。
素子側第1構造物53は、例えば、まず、図5(A)に示したように、ガラス等よりなる基板71を用意し、図5(B)(C)に示したように、側面の第1電気配線41の形成位置に対応してドリル加工等により貫通孔72を形成する。その際、貫通孔72に皿ザグリ穴を形成し、第1電気配線41を形成する一面と側面との角部を面取りすることが好ましい。なお、図5(C)は図5(B)を一面側から見た構成であり、図5(B)は図5(C)のIII-III線に沿った断面構成を示している。次いで、例えば、図5(D)に示したように、基板71の一面に、第1電気配線41及び第1電極部42の形成領域を開口したステンシルマスク73を形成する。続いて、例えば、図5(E)に示したように、スパッタリング等により第1電気配線41及び第1電極部42を形成し、ステンシルマスク73を除去する。その後、例えば、図5(F)に示したように、基板71を所定の大きさに切断する。その際、1つの側面は、貫通孔72を切断するように形成する。
支持側第1構造物54も素子側第1構造物53と同様にして形成することができる。例えば、まず、図6(A)に示したように、ガラス等よりなる基板71を用意し、側面の第2電気配線43の形成位置に対応してドリル加工等により貫通孔72を形成する。その際、両面において貫通孔72に皿ザグリ穴を形成することが好ましい。次いで、例えば、図6(B)に示したように、基板71の一面に、第2電気配線43及び第2電極部44の形成領域を開口したステンシルマスクを形成し、スパッタリング等により第2電気配線43及び第2電極部44を形成し、ステンシルマスクを除去する。続いて、例えば、図6(C)に示したように、基板71の他面に、第2電気配線43、第2電極部44、及び、第1構造物側電極部55の形成領域を開口したステンシルマスクを形成し、スパッタリング等により第2電気配線43、第2電極部44及び、第1構造物側電極部55を形成し、ステンシルマスクを除去する。その後、例えば、図6(D)に示したように、基板71を所定の大きさに切断する。その際、1つの側面は、貫通孔72を切断するように形成する。
第2構造物52も素子側第1構造物53と同様にして形成することができる。例えば、まず、図7(A)に示したように、ガラス等よりなる基板71を用意し、側面の第3電気配線45及び第4電気配線46の形成位置に対応してドリル加工等により貫通孔72を形成する。その際、両面において貫通孔72に皿ザグリ穴を形成することが好ましい。次いで、例えば、図7(B)に示したように、基板71の一面に、第3電気配線45、第4電気配線46、第3電極部47、及び、第4電極部48の形成領域を開口したステンシルマスクを形成し、スパッタリング等により第3電気配線45、第4電気配線46、第3電極部47、及び、第4電極部48を形成し、ステンシルマスクを除去する。続いて、例えば、図7(C)に示したように、基板71の他面に、第3電気配線45、第4電気配線46、第3電極部47、及び、第4電極部48の形成領域を開口したステンシルマスクを形成し、スパッタリング等により第3電気配線45、第4電気配線46、第3電極部47、及び、第4電極部48を形成し、ステンシルマスクを除去する。その後、例えば、図7(D)に示したように、基板71を所定の大きさに切断する。その際、2つの側面は、貫通孔72を切断するように形成する。
次に、例えば、図8(A)に示したように、素子側第1構造物53の第1電極部42に、第1圧電アクチュエータ61を導電性ポリマーにより接合すると共に、導電性ポリマーよりなる接続部63を接合する。続いて、例えば、図8(B)に示したように、第1圧電アクチュエータ61と素子側電極部23とを導電性ポリマーにより接合すると共に、第1電極部42と素子側電極部23とを導電性ポリマーよりなる接続部63により接合する。次いで、例えば、図8(C)に示したように、第2構造物52の第3電極部47に、導電性ポリマーよりなる接続部64を接合し、更に、第4電極部48に、第2圧電アクチュエータ62を導電性ポリマーにより接合すると共に、導電性ポリマーよりなる接続部65を接合する。続いて、例えば、図8(D)に示したように、第2圧電アクチュエータ62と第1構造物側電極部55とを導電性ポリマーにより接合すると共に、第4電極部48と第1構造物側電極部55とを導電性ポリマーよりなる接続部65により接合し、また、第3電極部47と第2電極部44とを導電性ポリマーよりなる接続部64により接合する。その後、例えば、第2電極部44と第1電極部42とをはんだ又は、YAGレーザー等を用いたガラス同士の溶接により電極間を接触させて導通させる。これにより、図1に示した精密位置決め装置1が得られる。
この精密位置決め装置1は、光学装置に用いることができる。例えば、光学素子2をミラーにより構成すれば、ミラーによりレーザー光の反射方向を調整することにより、レーザー光の光路を調整することができる。光学装置として、例えば、マッハツェンダー干渉計による試料の測定系を例に挙げて説明する。
図9は、マッハツェンダー干渉計による試料の測定系の構成を表すものである。この測定系は、例えば、レーザー発振器81と、レーザー発振器81からのレーザー光を受光するフォトダイオード82と、レーザー発振器81及びフォトダイオード82が配設された回路基板83と、回路基板83に配設され、レーザー発振器81からフォトダイオード82までの光路上に配置された2個の精密位置決め装置1とを備えている。精密位置決め装置1は、光学素子2としてミラーを有している。レーザー発振器81と一方の精密位置決め装置1との間の光路上には、レーザー発振器81の側から順に、レンズ84、1/2λ波長板85、ハーフミラー86が回路基板83上に配設されている。他方の精密位置決め装置1とフォトダイオード82との間の光路上には、他方の精密位置決め装置1の側から順に、ハーフミラー87、偏光板88、レンズ89が回路基板83上に配設されている。
一方の精密位置決め装置1のミラーの位置は、レーザー発振器81から発信されたレーザー光がハーフミラー86を通過し、一方の精密位置決め装置1のミラーで反射され、ハーフミラー87で反射されてフォトダイオード82に入射するように、一方の精密位置決め装置1の支持部3により調整される。また、他方の精密位置決め装置1のミラーの位置は、レーザー発振器81から発信されたレーザー光がハーフミラー86で反射され、他方の精密位置決め装置1のミラーで反射され、ハーフミラー87を通過してフォトダイオード82に入射するように、他方の精密位置決め装置1の支持部3により調整される。この計測系では、ハーフミラー86と一方の精密位置決め装置1のミラーとの間に試料Mを配置し、試料Mの屈折率と空気の屈折率との差による光路差から試料Mの屈折率を測定する。
なお、本実施の形態では、マッハツェンダー干渉計による試料の測定系として、2個の精密位置決め装置1を備える場合について説明したが、光学装置としては、少なくとも1つの精密位置決め装置1を備えていればよい。
また、この精密位置決め装置1は、例えば、図10に示したように、第1地球局91と第2地球局92との間の第1人工衛星93を介したBBM92方式の量子暗号通信や、又は、第3地球局94と第2人工衛星95との間のBB84方式の量子暗号通信において、光学素子2の精密位置決めに用いることができる。BBM92方式の量子暗号通信では、第1人工衛星93から量子もつれ状態にあった2光子を分岐して第1地球局91と第2地球局92にそれぞれ光子を送る。BB84方式の量子暗号通信では、第3地球局94から第2人工衛星95へ光子を送る。
このように、本実施の形態の精密位置決め装置1によれば、電気配線が立体的に配設された複数の構造物と、電気配線に電気的に接続された複数の圧電アクチュエータとを接合することにより、光学素子2を、複数の回転軸を中心として回動可能とすると共に、回転軸の少なくとも1つの方向に移動とするようにしたので、微細加工技術、特に、実装の技術を応用して、三次元な電気配線4と構造を持たせることができ、光子のような微弱な強度の光の制御を可能とすることができる。また、微弱な光以外にも、高強度な光の制御も可能であり、広く汎用性を持たせることができる。更に、回路基板の上に集積することができるので、電気機械光学制御システムを実現することができ、系全体での小型化を達成することができる。
第1の実施の形態では、支持側第1構造物54の側面とミラーの反射膜22の面とを平行にして素子側第1構造物53を支持側第1構造物54に対して配設する場合について示したが、例えば、図11に示したように、支持側第1構造物54の側面に対してミラーの反射膜22の面をZ軸を回転軸として45°回転させて、素子側第1構造物53を支持側第1構造物54に対して配設するようにしてもよい。図11(A)は精密位置決め装置1を上から見た構成、図11(B)は支持側第1構造物54の素子側の面の配線構成を示している。
また、例えば、図12に示したように、支持側第1構造物54の素子側の面に、素子側第1構造物53の配設位置を2つ設け、ミラーの反射膜22の面を支持側第1構造物の側面に対してZ軸を回転軸として45°回転させる場合と、ミラーの反射膜22の面を支持側第1構造物54の側面と平行にする場合のどちらかを選択して配設することができるようにしてもよい。図12(A)はミラーの反射膜22の面を支持側第1構造物の側面に対して45°回転させて配設した場合の構成、図12(B)はミラーの反射膜22の面を支持側第1構造物54の側面と平行にして配設した場合の構成、図12(C)は支持側第1構造物54の素子側の面の配線構成を示している。
この変形例では、例えば、図12(C)に示したように、支持側第1構造物54の素子側の面において、素子側第1構造物53の向きに対応して、各第2電気配線43に2つの第2電極部44がそれぞれ設けられている。素子側第1構造物53の第1配設位置は、ミラーの反射膜22の面と支持側第1構造物の側面とをZ軸を回転軸として45°回転させて配設する位置であり、素子側第1構造物53の第2配設位置は、ミラーの反射膜22の面と支持側第1構造物54の側面とを平行にして配設する位置である。第1配設位置及び第2配設位置は、素子側第1構造物53を配設したときに、第1電極部42が設けられた側面の反射膜22に沿った長さ方向の中心位置が、支持側第1構造物54の素子側の面の中心位置と一致していることが好ましい。
図13は、精密位置決め装置1をレーザー光の反射に利用する場合の光路を矢印で示したものである。第1配設位置に素子側第1構造物53を配設した場合には、例えば、図13(A)に示したようにレーザー光を反射し、第2配設位置に素子側第1構造物53を配設した場合には、例えば、図13(B)に示したようにレーザー光を反射する。このように、精密位置決め装置1を配設する場所に応じて、素子側第1構造物53の配設位置を第1配設位置と第2配設位置とで任意に選択することができる。
(変形例2)
第1の実施の形態では、素子側第1構造物53、支持側第1構造物54、及び、第2構造物52の側面に第1電気配線41、第2電気配線43、第3電気配線45、又は、第4電気配線46を形成する際に、基板71に貫通孔72を設け、その内壁に金属膜を形成し、貫通孔72を通るように切断する場合について説明したが、基板71を所定の大きさに切断したのちに、第2構造物52の側面に第1電気配線41、第2電気配線43、第3電気配線45、第4電気配線46を設けるようにしてもよい。図14に変形例2の構成例を示す。変形例2では、例えば、素子側第1構造物53の第1電気配線41を形成する一方の平面と側面との角部は面取りされていることが好ましい。また、支持側第1構造物54の第2電気配線43を形成する一方の平面と側面との角部、及び、側面と他方の平面との角部は、面取りされていることが好ましい。更に、第2構造物52の第3電気配線45又は第4電気配線46を形成する一方の平面と側面との角部、及び、側面と他方の平面との角部は、面取りされていることが好ましい。第1電気配線41、第2電気配線、第3電気配線45及び第4電気配線46を容易に形成することができるからである。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態及に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、他の構成要素を備えていてもよい。また、各構成要素の説明は一例を示したものであり、異なっていてもよい。
1…精密位置決め装置、2…光学素子、3…支持部、21…素子基板、22…反射膜、23…素子側電極部、41…第1電気配線、42…第1電極部、43…第2電気配線、44…第2電極部、45…第3電気配線、46…第4電気配線、47…第3電極部、48…第4電極部、51…第1構造物、52…第2構造物、53…素子側第1構造物、54…支持側第1構造物、55…第1構造物側電極部、61…第1圧電アクチュエータ、62…第2圧電アクチュエータ、63,64,65…接続部、71…基板、72…貫通孔、73…ステンシルマスク、81…レーザー発振器、82…フォトダイオード、83…回路基板、84,89…レンズ、85…1/2λ波長板、86,87…ハーフミラー、88…偏光板、91…第1地球局、92…第2地球局、93…第1人工衛星、94…第3地球局、95…第2人工衛星

Claims (4)

  1. 光学素子と、前記光学素子を支持する支持部とを備え、
    前記支持部は、電気配線が立体的に配設された複数の構造物と、前記電気配線に電気的に接続された複数の圧電アクチュエータとを接合することにより、前記光学素子を、複数の回転軸を中心として回動可能とすると共に、前記回転軸の少なくとも1つの方向に移動可能とするように構成され
    前記支持部は、前記構造物として第1構造物と第2構造物とを有すると共に、前記圧電アクチュエータとして複数の第1圧電アクチュエータと複数の第2圧電アクチュエータとを有し、
    前記第1圧電アクチュエータは、前記第1構造物と前記光学素子との間に配設され、前記光学素子について、X軸及びZ軸を回転軸として回動可能とすると共に、Y軸方向に移動可能とするように配置され、
    前記第2圧電アクチュエータは、前記第1構造物と前記第2構造物との間に配設され、前記光学素子について、X軸及びY軸を回転軸として回動可能とすると共に、Z軸方向に移動可能とするように配置された
    ことを特徴とする精密位置決め装置。
  2. 前記光学素子はミラーであることを特徴とする請求項1記載の精密位置決め装置。
  3. 前記ミラーによりレーザー光の反射方向を調整することにより、レーザー光の光路を調整することを特徴とする請求項記載の精密位置決め装置。
  4. レーザー発振器と、
    前記レーザー発振器からのレーザー光を受光するフォトダイオードと、
    前記レーザー発振器及び前記フォトダイオードが配設された回路基板と、
    前記回路基板に配設され、前記レーザー発振器から前記フォトダイオードまでの光路上に配置された請求項1に記載された少なくとも1つの精密位置決め装置と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
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