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JP3823652B2 - バックミラー装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はバックミラー装置に関し、特にトラクタとトレーラからなる連結車両の巻き込み事故を防止するため、車両が旋回した時にバックミラーの角度を制御するバックミラー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなバックミラー装置としては以下に示す従来例が既に提案されている。
▲1▼特開昭57-66040号, 同62-181943号, 実開昭60-105247号
これらは何れも発生したトラクタとトレーラの屈曲角をケーブルの移動量に変換してバックミラー(サイドミラー)を回動させるものであり、経時的にケーブルが伸びてミラー角度が狂うのを修正する必要がある。
【0003】
▲2▼実開昭64-42949号, 同57-175102号
これはトラクタとトレーラの屈曲角を検出するために、トラクタとトレーラ間の変位をセンサで検出して電気信号に変換し、その電気信号に基づいてミラーの向きを制御するものであるが、トラクタとトレーラは機械的に連結されているから、トレーラを交換する際に、わざわざそれらの取り外しを行わねばならず、トレーラの交換作業が煩雑となる。また屈曲角センサの取り付け場所も制約を受け易いという問題がある。
【0004】
▲3▼特開昭60-161232号
この装置では、トラクタ側のカプラに複数の凹部を設け、その凹部の内部に導電部材を設け、トレーラ側のキングピンには、スプリングで出没自在に取り付けられた導電性のロックボールを設置し、ロックボールと凹部との接触により、屈曲角を電気的に検出してミラーを回動するものであるから、検出部の機械的な接触により経時的な摩擦が発生し易く、耐久性に問題があると同時に、キングピンに何も細工されていない普通のトレーラでは使用できないという問題がある。
【0005】
▲4▼特開平10-81174号
トラクタ側に6個の高周波発振器や静電容量検出式からなる近接センサを取り付け、トレーラ側には金属製の突起を一つ設け、トレーラ側の金属突起をどの近接センサが検出しているかで屈曲角を検出し、その検出角に基づいてミラー角を制御している。
【0006】
この装置では、多数の近接センサが必要であり高価であること、及び金属突起が取り付けられていないトレーラでは使用できないこと、また近接センサと金属突起間の距離はかなり小さくする必要があり、走行時の振動や変位により破損し易いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のバックミラー装置では、いずれもトラクタとトレーラの屈曲角を検出するに際して、トレーラの側にも構成部品を取り付ける必要があるため、トレーラの交換作業が煩雑になるという問題があった。
【0008】
従って本発明は、トラクタとトレーラからなる連結車両のバックミラー装置において、トレーラに構成部品を取り付けることなくバックミラーの角度を自動的に制御することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るバックミラー装置は、車両の後側方の所定角度範囲を監視するようにトラクタに固定されたビームレーダと、回動可能なバックミラーと、該ビームレーダがトレーラの後端部を検出した時のみ該ミラーを所定角度だけ車両の外側へ回動させ、該トレーラの後端部を検出しない時には該ミラーを標準位置に戻す制御部とを備えいる。
【0010】
すなわち本発明においては、トラクタに固定したビームレーダにより車両の後側方の所定角度(レーダ監視)範囲を常に監視しており、制御部はこのビームレーダの出力信号を常に入力して、該レーダがトレーラの後端部を検出した時には、バックミラーを所定角度だけ車両の外側へ回動させる。これにより、車両が旋回した時のバックミラーの角度を自動的に変更して死角を減少させることができる。
【0011】
そして、トレーラの後端部が検出されなくなった時には、制御部はミラーを標準位置、すなわち元に戻すように制御する。
このように、トレーラは特別の部品を取り付ける必要がないためその交換作業も容易になる。
【0012】
上記の場合、上記のビームレーダを複数個設けており、それらのレーダは互いに所定角度範囲が異なっているので、制御部は、その複数個のレーダの内の少なくとも該車両に最も近い側の2つのレーダがトレーラ後端部を連続して検出した時、ミラーを所定角度だけ回動させ、かつトレーラの後端部が検出されなくなったらミラーを元に戻すようにすることができる。
【0013】
このようにして、少なくとも車両に最も近い側のレーダによるノイズ物体の誤認識を排除することが可能となる。
さらに本発明においては、上記のようにビームレーダを複数個設けた場合、制御部は該所定角度範囲が車両に近い側のレーダから順次トレーラ後端部を検出させて該ミラーを該所定角度づつ回動させて行くことができる。
【0014】
このようにすることで、車両に近い側の所定角度範囲を検出するレーダがトレーラの後端部を検出した時にミラーを所定角度だけ外側へ回動させ、さらに次のレーダが検出した時にはさらにミラーを所定角度だけ回動させて行くことになる。
【0015】
従って、ミラーの回動を細かく制御しながら上記と同様にノイズ物体の誤認識を回避することが可能になると共に広範囲の監視が実現でき、より安全な車両の後側方の監視が可能となる。
なお、制御部は、上記のようにトレーラの後端部を検出する場合、レーダによる検出距離が所定の範囲内の場合のみトレーラ後端部を検出したと判定することができる。
【0016】
このようにすることにより、トレーラの側面のノイズ物体を排除することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るバックミラー装置を車両に搭載した時の実施例を示している。この車両はトラクタ1とトレーラ2とで構成された連結車両であり、トラクタ1の運転席の左側には回動可能なサイドミラー3が設置されており、このミラー3のハウジング又はステーなどの回動しない箇所に車両の後側方を監視するための固定ビームレーザとしてのレーザレーダ4が設置されている。
【0018】
従って、サイドミラー3の視認範囲MA(約18°)はミラー3の回動とともに変化するが、レーダ4は図示のようにトラクタ1に対して常に一定の角度範囲(レーダ監視範囲)RAを監視している。
図2にはこのバックミラー装置の電気的な回路構成例が示されており、レーダ4はインタフェース部(I/O)5を介して演算制御回路6に接続され、演算制御回路は、モータ駆動回路7を経由してモータ8に接続されている。このモータ8を制御することにより、ミラー3の角度を左右方向に変えることができるようになっている。なお、演算制御回路6とモータ駆動回路7とモータ8とでミラー3の制御部を構成している。
【0019】
図3には、図2に示した演算制御回路6の動作フローチャートが示されており、この図3を参照して図2に示す実施例(1)の動作を以下に説明する。
まず演算制御回路6はレーダ4からの出力信号をインタフェース部5を介して絶えず入力しており、レーダ4の出力信号から物体を検出したか否かを判定する(ステップS1)。
【0020】
この時、トラクタ1及びトレーラ2は図1に示すような屈曲角がほぼゼロの場合(直進走行状態)にはレーダ4はその監視範囲RAに何も物体を検出しないので、ミラー3の角度は標準位置、すなわち元のままとし(ステップS4)、図1に示すようなミラー視認範囲MAとなっている。
【0021】
一方、車両が図4に示すような屈曲角θを形成するように旋回した場合、レーダ4の監視範囲RAにトレーラ2の後端部2aが入ってくることになり、レーダ4は何らかの物体を検出したことになる。
そこで、この検出した物体が車両後側方のノイズ物体である可能性もあるので、検出した物体までの距離範囲が所定範囲(レーダ4からレーダ監視範囲RAによって検出された車両後端部2aまでの距離)内か否かを判定する(ステップS2)。
【0022】
そして、検出距離が所定範囲内でなければノイズとしてミラー3の角度は元のままとするが(ステップS4)、検出距離が所定範囲内であることが分かった時には、ミラー3の角度を所定角度(図示の例では約15°)だけ車両の外側に回動させる(ステップS3)。
【0023】
また、図4のような旋回状態から図1に示すような直進走行状態に戻ったような場合には、ステップS1においてレーダ4は物体を検出しなくなるので、ミラー3は図1に示す標準位置に戻されることになる(ステップS4)。
上記の実施例の場合には、車両後側方の所定監視範囲内の物体をレーダ4が検出した時にはミラーを回動させることになるので、レーダ4がたまたま図4に示すトレーラ2の後端部2aの付近に存在する物体を検出してしまった時にもミラー3を不必要に回動させることになる。
【0024】
そこで、本発明の実施例(2)においては図5に示すようにレーダを2つ設ける。すなわち、インタフェース部5に2つのレーダ4a及び4b(符号「4」でも総称する)を接続し、図6に示すように、これらのレーダ4a及び4bの各所定のレーダ監視範囲R1及びR2を異ならせ、例えば図6に示すようにノイズ物体Oが存在する場合には、これを排除しようとするものである。
【0025】
図7は、このような実施例(2)における演算制御回路6の動作を示したフローチャートが示されており、以下、この図7に沿って図5及び図6に示した実施例(2)の動作を説明する。
まず、一方のレーダ4aによって物体を検出したか否かを判定し(ステップS11)、この時の検出距離が所定範囲内か否かを判定する(ステップS12)。
【0026】
これらのステップS11及びS12は、図3に示したステップS1及びS2に相当するものであり、いずれも物体を検出しなかった場合及び物体を検出しても検出距離が所定範囲内でなかった場合にはミラーの角度を標準位置にしておく(ステップS4)。
【0027】
本実施例ではさらに、ステップS13において他方のレーダ4bの所定のレーダ監視範囲R2によって物体を検出したか否かを判定し、さらにステップS14においてこの所定角度範囲R2の検出距離が所定範囲内か否かを判定し、物体を検出し、かつ検出距離が所定範囲内であった場合のみステップS3において図3と同様にミラー3の角度を所定角度だけ車両の外側へ回動させる。
【0028】
このようにして、所定のレーダ監視範囲R1及びR2のいずれもが物体を検出し、かついずれもその検出距離が所定範囲内であった場合のみミラー3を所定角度だけ回動させ、それ以外の場合にはミラー3を元の位置に戻すようにしている。
ただし、3個のレーダを用いた場合には、車両側の少なくとも2個のレーダが連続して物体を検出すればよい。
【0029】
図8には、図7に示した実施例(2)に対する変形例が示されており、端的に言うと、図7の実施例ではいずれのレーダも物体を検出しかつその検出距離が所定範囲内であるという条件を全て満たすまでミラー制御を行わないようにしているが、この実施例(3)では、複数のレーダ監視範囲の内、車両に近い側から物体を検出し、かつ検出距離が所定範囲内であればミラーを外側へ所定角度だけ回動させる動作を順次行うようにしたものである。
【0030】
すなわち、ステップS11及びS12並びにS4は図7に示したステップと同様であるが、レーダ4aの所定のレーダ監視範囲R1によって物体を検出し、かつ検出距離が所定範囲内であった時には、さらに図7のステップS13及びS14と同様のステップを実行し、レーダ4bによる所定のレーダ監視範囲R2において物体を検出しないか、または物体を検出してもその検出距離が所定範囲内でないことが分かった時にはミラー3の角度を所定の1段だけ外側に回動させる(ステップS31)。
【0031】
ステップS13及びS14により所定のレーダ監視範囲R2においても物体を検出しかつその検出距離が所定範囲内であることが分かった時にはミラー3を2段外側に回動させる(ステップS32)。
このようにして、互いに異なる複数の所定監視範囲でレーダが物体検出している時、車両に近い側から所定監視範囲にトレーラ2の後端部2aが検出されるに従って徐々にミラー3の角度を回動させるようにしている。これによって、より細かなミラー3の制御が可能となる。
【0032】
なお、上記の実施例では2個のレーダを用いて説明したが、これに限らず、どのような複数のレーダにおいても適用できることは言うまでもない。
図9には、複数個のレーダの実施例(4)として5個のレーダ4a〜4eを設け、これをインタフェース部5を介して演算制御回路6に接続するとともに図10(1)及び(2)に示すようにそれらの所定のレーダ監視範囲R1〜R5を互いに異ならせたものが示されている。
【0033】
図11は、図9に示した演算制御回路6の動作例を示したフローチャートであり、以下この図11の実施例(4)の動作を説明する。
まず、ステップS11〜S14, S4, 及びS31は図7及び図8に示した実施例と同様に実行される。
【0034】
従って、レーダ4a及び4bによっていずれも物体を検出しかつその検出距離が所定範囲内であることが分かった時(レーダ監視範囲R1及びR2以外では物体検出しないか、または物体検出してもノイズである時)のみ、演算制御回路6はモータ駆動回路7を介してモータ8を制御することによりミラー3を2段だけ外側へ回動させる(ステップS32)。
【0035】
この後、さらにレーダ4cの所定監視範囲R3によって物体を検出したか否かを判定し(ステップS15)、このレーダ監視範囲R3によって検出された物体の検出距離が所定範囲内か否かをさらに判定し(ステップS16)、図10(2)に示すようにレーダ監視範囲R1〜R3のみにおいて物体を検出し、かつその検出距離が所定範囲内であることが分かった時には、ミラー3を3段だけ外側に回動させる(ステップS33)。この時のミラー視認範囲MAは同図(1)に示す直進時の範囲から同図(2)に示す屈曲時の範囲に移動していることが分かる。
【0036】
このような動作をレーダ4dの所定監視範囲R4についてステップS17及びS18で行い、レーダ監視範囲R1〜R4のみにおいて物体を検出し、かつその検出距離が所定範囲内であることが分かった時にはミラー2を4段だけ外側に回動させる(ステップS34)。
【0037】
さらに、レーダ4eのレーダ監視範囲R5についてもステップS19及びS20において判定し、全ての監視範囲R1〜R5について物体を検出し、かつその検出距離が所定範囲内であることが分かった時にはミラー3を5段外側に回動させる(ステップS35)。
【0038】
このようにすることにより、レーダが2個である場合よりさらに細かな制御が可能となる。
なお、上記のレーダの設置場所はサイドミラーのステーやハウジングに限定されるものではなくトラクタ側で後側方にレーダを照射できる場所ならどこでもよい。
【0039】
また、上記の各実施例では車両左側だけを示しているが、本装置を右側に設置してもよいことは言うまでもない。さらに、トレーラからの反射波を強くするためにトレーラ側面にリフレクタなどの反射装置を設置してもよい。
また、上記の実施例ではミラー視認範囲MAを約18゜としたが、本発明はどのような視認範囲のミラーにも適用可能である。
【0040】
さらに、ミラーの回動角度を一段約15゜としたが、任意の回動角度に設定できることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るバックミラー装置によれば、頼性及び耐久性があり、かつ低コストでトレーラ交換時にも煩わしい作業を必要とすることなくすべてのトレーラに対応できる巻き込み防止用のバックミラー装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバックミラー装置を車両に取り付けた状態を概略的に示す平面図である。
【図2】本発明に係るバックミラー装置の実施例(1)におけるの電気系統を示した回路ブロック図である。
【図3】本発明に係るバックミラー装置の実施例(1)の動作を示したフローチャート図である。
【図4】連結車両が旋回した時の車両後端部とレーダ監視範囲との関係を示した平面図である。
【図5】本発明に係るバックミラー装置の実施例(2)における電気系統を示した回路ブロック図である。
【図6】本発明に係るバックミラー装置の実施例(2)における各レーダの監視範囲を概略的に示した平面図である。
【図7】本発明に係るバックミラー装置の実施例(2)の動作を示したフローチャート図である。
【図8】本発明に係るバックミラー装置の実施例(3)の動作を示したフローチャート図である。
【図9】本発明に係るバックミラー装置の実施例(4)における電気系統を示した回路ブロック図である。
【図10】本発明に係るバックミラー装置の実施例(4)における各レーダの監視範囲を概略的に示した平面図である。
【図11】本発明に係るバックミラー装置の実施例(4)の動作を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
2 トレーラ
2a 後端部
3 サイドミラー
4 固定ビームレーダ
5 インタフェース部(I/O)
6 演算制御回路
7 モータ駆動回路
8 モータ
MA ミラー視認範囲
RA レーダ監視範囲(所定角度範囲)
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (3)

  1. 車両の後側方の所定角度範囲を監視するようにトラクタに固定されたビームレーダと、
    回動可能なバックミラーと、
    該ビームレーダがトレーラの後端部を検出した時のみ該ミラーを所定角度だけ車両の外側へ回転させ、該トレーラの後端部を検出しない時には該ミラーを標準位置に戻す制御部と、
    を備え、該所定角度範囲が互いに異なる複数個のビームレーダが設けられ、該制御部は、該所定角度範囲が該車両に最も近い側の少なくとも 2 つのビームレーダが該トレーラの後端部を連続して検出した時、該ミラーを回動させることを特徴としたバックミラー装置。
  2. 請求項において、
    該制御部は、該所定角度範囲が該車両に近い側のビームレーダから順次該トレーラの後端部を検出させて該ミラーを該所定角度づつ回転させることを特徴としたバックミラー装置。
  3. 請求項1又は2において、
    該制御部は、該ビームレーダによる検出距離が所定範囲にある場合のみ該トレーラの後端部として検出することを特徴としたバックミラー装置。
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