JP3824577B2 - フイルム板付きキートップ体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイルム板に複数のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型・薄型化を図るために例えば特許文献1に示すように、合成樹脂フイルムからなるフイルム板に直接複数の合成樹脂製のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体が開発されている。
【0003】
この種のキートップ体は、例えば引用文献1の図2に示すように、その上にケースを被せ、ケースに設けた開口から各キートップの上部を露出し、開口から露出したキートップを押圧することでキートップの下面側に設置したスイッチ接点をオンするように使用される。
【0004】
そしてキートップ体がケース等の他の部材に対してガタを生じないようにするため、キートップ体を構成するフイルム板の周囲の部分に位置決め孔を設け、この位置決め孔をケースやその他の部材に設けた係止突起に挿入・係合し、これによってその位置決めを行なっていた。
【0005】
しかしながら上記従来の方法によるキートップ体の位置決め構造の場合、キートップ体の位置決め孔が、前述のようにキートップ体を構成するフイルム板の周囲に設けられるので、キートップ体全体の外形寸法が大きくなり、小型化が阻害されるという問題点があった。
【0006】
また複数のキートップが1枚のフイルム板上に形成されているので、何れかのキートップを押圧してこれを降下させた場合、周囲のキートップもこれに連動して降下してしまうという問題点もあった。この問題は各キートップ間の間隔が狭くなればなるほど、即ちキートップ体が小型化されればされるほど大きくなる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−302526号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、小型化が図れ、また何れかのキートップの動作に対してその周囲のキートップが干渉しにくい構造のフイルム板付きキートップ体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、フイルム板に複数のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体において、キートップは、中央キートップと該中央キートップの周囲に位置している複数の外周キートップとからなり、該外周キートップ間はフイルム板で構成される外周連結部のみによって連結され、中央キートップは前記外周連結部の途中から分岐する中央連結部のみによって連結され、外周連結部の途中の部分から外方に向けて引き出して形成される位置決め孔形成部に、このフイルム板付きキートップ体を他の部材に位置決めするための位置決め孔を設け、且つ前記中央連結部は中央キートップの中心から見て90°の方向に二本のみ設けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかるフイルム板付きキートップ体(以下単に「キートップ体」という)1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。同図に示すようにキートップ体1は、中央のキートップ(以下「中央キートップ」という)10−1の周囲に四つのキートップ(以下「外周キートップ」という)10−2,3,4,5を設置し、各キートップ10−1,2,3,4,5間を連結部(以下「外周連結部」という)25又は連結部(以下「中央連結部」という)27によって一体に連結して構成されている。以下各構成部分について詳細に説明する。なお中央キートップ10−1と外周キートップ10−2〜5の両者を同時に指す場合は、「キートップ」といい、外周連結部25と中央連結部27の両者を同時に指す場合は、「連結部」という。
【0013】
この実施の形態においては、各キートップ10−1,2,3,4,5の形状は同一である。即ち何れのキートップ10−1〜5も、平板状のフイルム板20を上方向に湾曲変形させて各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状とし、この湾曲部の下面側の凹部内にキートップ本体30を成形することで構成されている。つまりこの実施の形態における各キートップ10−1〜5は、上方向に湾曲変形させたフイルム板20によってキートップ本体30の上面を覆う構造に構成されている。キートップ本体30の下面からは図示しないスイッチ接点を押圧する押圧部35が突出している。
【0014】
一方各キートップ10−1〜5の外周にはフイルム板20がはみ出しており、この外周に位置するフイルム板20がつば部23を構成している。隣り合う外周キートップ10−2,3,4,5間は、それぞれつば部23の外周から突出する合計四本の外周連結部25によってリング状(多角形状を含む、以下同じ)に連結されている。中央キートップ10−1は前記リング状に連結した四本の各外周連結部25の途中(中央)から分岐して中央に向かい、中央キートップ10−1のつば部23に連結・接続される四本の中央連結部27によって連結されている。外周連結部25と中央連結部27の各分岐部分(四ヶ所)にはこのキートップ体1を他の部材に位置決めするための位置決め孔29が設けられている。
【0015】
なおつば部23を設けた理由は以下による。即ちこのキートップ体1の上を覆う図示しないケースの開口部から各キートップ10−1〜5を露出した際のケースの開口部とキートップ10−1〜5側面の隙間からケース内が見えるのを防いだり、さらには前記ケースの開口部より所定寸法以上にキートップ10−1〜5が上方に露出するのを防ぐためである。なお隙間が小さければこのつば部23はなくてもよい。
【0016】
以上のように構成されたキートップ体1は、その上面側に図示しないケースを設置し、ケースに設けた開口部から各キートップ10−1〜5の上部を露出し、一方各キートップ10−1〜5の押圧部35の下側に図示しないスイッチ接点を設置し、各キートップ10−1〜5のケースの開口部から露出する上面を押圧することでスイッチ接点を押圧してこれをオンする。一方キートップ体1に設けた各位置決め孔29は、ケース又はスイッチ接点を設けたスイッチ基板側の部材から突出する図示しない係止突起に挿入・係合されて位置決めされる。
【0017】
そして上記実施の形態にかかるキートップ体1は各キートップ10−1〜5間を連結部25,27によって連結するようにしたので、何れかのキートップ10−1〜5を押圧してこれを降下させた場合でも、周囲の別のキートップ10−1〜5がこれに連動して降下する量は少ない。何故なら各キートップ10−1〜5間にフイルム板20をカットした開口部37を設けることで各キートップ10−1〜5間を連結部25,27のみによって連結するように構成したので、各キートップ10−1〜5はそれぞれ独立にスムーズな動作が可能となるからである。このように各キートップ10−1〜5は略独立に動作するので、たとえキートップ板1を小型化して各キートップ10−1〜5間の離間距離が短くなっても、各キートップ10−1〜5のそれぞれ独立した押圧動作に支障は生じない。特にこの実施の形態の場合、周囲四つの外周キートップ10−2〜5が外周連結部25によってリング状に連結されているので、キートップ体1を取り扱う際に各キートップ10−1〜5がばらばらに動かず、その取り扱いが容易になる。
【0018】
さらに上記実施の形態にかかるキートップ体1は各位置決め孔29を各外周連結部25の途中に設けたので、各位置決め孔29は各外周キートップ10−2〜5の間に位置し、これら位置決め孔29を特許文献1の図1に示すようにキートップ板の複数のキートップを設けた部分全体のさらに外周側に設ける必要がなく、これによってキートップ体1の外形寸法の小型化が図れる。さらにこれら位置決め孔29を外周連結部25と中央連結部27の各分岐部分に設けたので、キートップ10−1〜5から外方に伸びる全ての連結部25,27の何れに対しても位置決め孔29が設けられることとなり位置決めが図れるので、各キートップ10−1〜5の位置決めによるガタの防止と、それぞれの独立した動作とがより確実に行なえる。
【0019】
そしてこのキートップ体1を製造するには、まず何ら穴のない平板状の可撓性を有する合成樹脂フイルム(例えば熱可塑性フイルムであるポリエチレンテレフタレートフイルム)製のフイルム板20を用意する。次にこのフイルム板20をプレス加工によるプレフォーミングによって図2(a)に示すように、フイルム板20中に各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状の上方向に湾曲する湾曲部を形成する。
【0020】
次にこのフイルム板20の上下を図2(b)に示すように第一,第二金型50,60によって挟持する。このとき第一金型50のキャビティーC1は各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状であり、第二金型60のキャビティーC2は各キートップ10−1〜5の下部形状と同一形状である。従ってこのときフイルム板20の前記予めプレフォーミングした湾曲部はキャビティーC1の内周面に当接する。そしてキャビティーC2に接続したピンゲート70から溶融した高温高圧の合成樹脂(例えば熱可塑性の合成樹脂であるABS樹脂やポリメチルメタアクリレートやポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等)を注入(射出)すれば、両キャビティーC1,C2内が溶融合成樹脂で満たされる。
【0021】
そして前記溶融合成樹脂が固化した後に第一,第二金型50,60を取り外し、フイルム板20を所望の外形形状にカットすれば、図1に示すように中央キートップ10−1の周囲に四つの外周キートップ10−2,3,4,5を設置し、各キートップ10−1,2,3,4,5間を連結部25,27によって連結した構造のキートップ体1が完成する。
【0022】
なおキートップ本体30の上面を湾曲変形したフイルム板20で覆う構造のキートップ10−1〜5の製造方法としては他にも種々の方法があり、例えば平板状のフイルム板20を図2(b)に示す両金型50,60の間に挟持し、ピンゲート70から射出される高温高圧の溶融合成樹脂の熱と圧力とによって、キャビティーC1,C2に面する平板状のフイルム板20をキャビティーC1内周面まで押し上げるように湾曲変形させ、これによって前記各キートップ10−1〜5を製造するようにしても良い。
【0023】
図3(a),(b)はそれぞれ本発明の参考例にかかるキートップ体1−2,1−3を示す斜視図である。同図において前記図1に示すキートップ体1と同一又は相当部分には同一符号を付す。即ち本参考例においては、図3(a)に示すキートップ体1−2のように、複数のキートップ10−6,7,8を連結部25´によって直線状に連結し、各連結部25´の途中(中央)に位置決め孔29を設けるように構成しても良く、また図3(b)に示すキートップ体1−3のように、中央キートップ10−9と外周キートップ10−10〜13とを中央連結部27´によって放射状に連結し、各中央連結部27´の途中(中央)に位置決め孔29を設けるように構成しても良い。さらに連結するキートップの数や連結部による連結構造は種々の変形が可能であり、要は複数のキートップ間をフイルム板で構成される一つ以上の連結部によって連結するとともに、連結部の中(途中、できれば中央)にキートップ体を他の部材に位置決めするための位置決め孔を設ける構造であればどのような構造であってもよい。
【0024】
また本発明のキートップ体を構成するキートップの構造も種々の変形が可能である。図4はキートップの構造を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−4を示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。同図において前記図1に示すキートップ体1と同一又は相当部分には同一符号を付す。このキートップ体1−4も、中央キートップ10−14の周囲に四つの外周キートップ10−15,16,17,18を設置し、各キートップ10−14〜18間を各つば部23を介して外周連結部25と中央連結部27によって一体に結合し、外周連結部25と中央連結部27の分岐部分に位置決め孔29を設けている。このキートップ体1−4において前記キートップ体1と相違する点は、キートップ10−14〜18の構造である。
【0025】
即ちこの実施の形態にかかるキートップ10−14〜18は、図4(b)に示すように、何れも平板状のフイルム板20に設けた貫通する穴21を介してその上下に合成樹脂製のキートップ本体30を取り付けて(成形して)構成されている。キートップ本体30は、フイルム板20の上側に取り付くキートップ本体上面部31と、フイルム板20の下面に取り付くキートップ本体下面部33とによってフイルム板20を挟持することで、フイルム板20に固定されている。
【0026】
図5は連結部25,27の形状を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−5を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は平面図である。同図において前記図4に示すキートップ体1−4と同一又は相当部分には同一符号を付す。このキートップ体1−5も、中央キートップ10−19の周囲に四つの外周キートップ10−20,21,22,23を設置し、各キートップ10−19〜23間を各つば部23を介して外周連結部25と中央連結部27によって一体に結合して構成されている。また各キートップ10−19〜23の構造は前記キートップ体1−4の各キートップ10−14〜18の構造と同じである。
【0027】
このキートップ体1−5において前記キートップ体1−4と相違する点は、外周連結部25の構造と、中央連結部27の本数である。即ちこのキートップ体1−5の外周連結部25も外周キートップ10−20〜23間を連結する点は前記各実施の形態と同様であるが、この外周連結部25の場合、外周連結部25の途中の部分(中間部分)からキートップ10−20〜23間にて外方に向けて位置決め孔形成部40を引き出して(突出して)形成し、この位置決め孔形成部40の先端近傍に位置決め孔29を設けている。なお外周連結部25は位置決め孔形成部40を含む概念である。また中央連結部27は二本のみ設けられ、且つこれら二本の中央連結部27は中央キートップ10−19の中心から見て90°の方向に設けられている。つまり二本の中央連結部27は中央キートップ10−19の中心から見て180°対向する方向には設けられていない。
【0028】
以上のようにキートップ体1−5を構成すると、各キートップ10−19〜23の独立した動作が前記各実施の形態に比べてさらに良好になる。即ちこのキートップ体1−5は外周連結部25から引き出した位置決め孔形成部40においてキートップ体10−5の他の部材への固定が行なわれるので、1つの外周キートップ10−20〜23を押圧した際、その両側で固定されている位置決め孔29が直線状の外周連結部25の途中になくて直線状の外周連結部25の途中から更に各キートップ10−20〜23の略外側位置(図5(b)中の曲線G)まで延出した位置にあるため、キートップ10−20〜23と位置決め孔29までの距離が更に長くなり、位置決め孔29を直線状の外周連結部25の途中に設けた場合に比べて、さらに外周キートップ10−20〜23の動作が阻害されず、従って各外周キートップ10−20〜23の動作がさらに独立する。
【0029】
またこの実施の形態においては、二本の中央連結部27を中央キートップ10−19の中心から見て180°対向する方向に設けず、90°の方向に設けているので、これら中央連結部27を中心にして容易に揺動し、その押圧動作をさらに独立してスムーズに行える。
【0030】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施の形態ではキートップ体に設けた全ての連結部にそれぞれ1つずつの位置決め孔を設けたが、位置決め孔はキートップ体に設けた連結部の少なくとも一つ以上に設ければ良い。また一つの連結部に設ける位置決め孔の数が二以上であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)中央キートップと該中央キートップの周囲に位置している複数の外周キートップとからなり、外周キートップ間を外周連結部のみによって連結し、中央キートップを外周連結部の途中から分岐する中央連結部のみによって連結したので、何れかのキートップを押圧してこれを降下させた場合でも、周囲の別のキートップがこれに連動して降下する量は少なく、各キートップをそれぞれ独立に動作可能とすることができる。従ってたとえキートップ体を小型化して各キートップ間を短い間隔で設置して連結しても、各キートップの押圧動作に支障は生じない。
【0032】
(2)連結部(外周連結部と中央連結部)の途中にキートップ体を他の部材に正確に位置決めして取り付けるための位置決め孔を設けたので、各キートップの押圧動作の際に各キートップががたつくことはなく、同時に位置決め孔をキートップ体の各キートップの間の位置に設けることでキートップ体の外形寸法の小型化が図れる。
【0033】
(3)位置決め孔を外周連結部の途中の部分から外方に向けて引き出して形成される位置決め孔形成部に設けたので、位置決め孔の部分が他の部材に固定されても外周キートップの動作が阻害されず、各外周キートップの動作がさらに独立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるフイルム板付きキートップ体1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2(a),(b)はキートップ体1の製造方法を示す図である。
【図3】 図3(a),(b)はそれぞれ本発明の参考例にかかるキートップ体1−2,1−3を示す斜視図である。
【図4】キートップの構造を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−4を示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−5を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 フイルム板付きキートップ体(キートップ体)
10−1 中央キートップ(キートップ)
10−2,3,4,5 外周キートップ(キートップ)
20 フイルム板
23 つば部
25 外周連結部(連結部)
27 中央連結部(連結部)
29 位置決め孔
30 キートップ本体
37 開口部
50 第一金型
C1 キャビティー
60 第二金型
C2 キャビティー
70 ピンゲート
1−2,1−3 キートップ体
10−6,7,8,9,10,11,12,13 キートップ
1−4 キートップ体
10−14 中央キートップ(キートップ)
10−15,16,17,18 外周キートップ(キートップ)
31 キートップ本体上面部
33 キートップ本体下面部
1−5 キートップ体
10−19 中央キートップ(キートップ)
10−20,21,22,23 外周キートップ(キートップ)
40 位置決め孔形成部
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイルム板に複数のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型・薄型化を図るために例えば特許文献1に示すように、合成樹脂フイルムからなるフイルム板に直接複数の合成樹脂製のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体が開発されている。
【0003】
この種のキートップ体は、例えば引用文献1の図2に示すように、その上にケースを被せ、ケースに設けた開口から各キートップの上部を露出し、開口から露出したキートップを押圧することでキートップの下面側に設置したスイッチ接点をオンするように使用される。
【0004】
そしてキートップ体がケース等の他の部材に対してガタを生じないようにするため、キートップ体を構成するフイルム板の周囲の部分に位置決め孔を設け、この位置決め孔をケースやその他の部材に設けた係止突起に挿入・係合し、これによってその位置決めを行なっていた。
【0005】
しかしながら上記従来の方法によるキートップ体の位置決め構造の場合、キートップ体の位置決め孔が、前述のようにキートップ体を構成するフイルム板の周囲に設けられるので、キートップ体全体の外形寸法が大きくなり、小型化が阻害されるという問題点があった。
【0006】
また複数のキートップが1枚のフイルム板上に形成されているので、何れかのキートップを押圧してこれを降下させた場合、周囲のキートップもこれに連動して降下してしまうという問題点もあった。この問題は各キートップ間の間隔が狭くなればなるほど、即ちキートップ体が小型化されればされるほど大きくなる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−302526号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、小型化が図れ、また何れかのキートップの動作に対してその周囲のキートップが干渉しにくい構造のフイルム板付きキートップ体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、フイルム板に複数のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体において、キートップは、中央キートップと該中央キートップの周囲に位置している複数の外周キートップとからなり、該外周キートップ間はフイルム板で構成される外周連結部のみによって連結され、中央キートップは前記外周連結部の途中から分岐する中央連結部のみによって連結され、外周連結部の途中の部分から外方に向けて引き出して形成される位置決め孔形成部に、このフイルム板付きキートップ体を他の部材に位置決めするための位置決め孔を設け、且つ前記中央連結部は中央キートップの中心から見て90°の方向に二本のみ設けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかるフイルム板付きキートップ体(以下単に「キートップ体」という)1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。同図に示すようにキートップ体1は、中央のキートップ(以下「中央キートップ」という)10−1の周囲に四つのキートップ(以下「外周キートップ」という)10−2,3,4,5を設置し、各キートップ10−1,2,3,4,5間を連結部(以下「外周連結部」という)25又は連結部(以下「中央連結部」という)27によって一体に連結して構成されている。以下各構成部分について詳細に説明する。なお中央キートップ10−1と外周キートップ10−2〜5の両者を同時に指す場合は、「キートップ」といい、外周連結部25と中央連結部27の両者を同時に指す場合は、「連結部」という。
【0013】
この実施の形態においては、各キートップ10−1,2,3,4,5の形状は同一である。即ち何れのキートップ10−1〜5も、平板状のフイルム板20を上方向に湾曲変形させて各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状とし、この湾曲部の下面側の凹部内にキートップ本体30を成形することで構成されている。つまりこの実施の形態における各キートップ10−1〜5は、上方向に湾曲変形させたフイルム板20によってキートップ本体30の上面を覆う構造に構成されている。キートップ本体30の下面からは図示しないスイッチ接点を押圧する押圧部35が突出している。
【0014】
一方各キートップ10−1〜5の外周にはフイルム板20がはみ出しており、この外周に位置するフイルム板20がつば部23を構成している。隣り合う外周キートップ10−2,3,4,5間は、それぞれつば部23の外周から突出する合計四本の外周連結部25によってリング状(多角形状を含む、以下同じ)に連結されている。中央キートップ10−1は前記リング状に連結した四本の各外周連結部25の途中(中央)から分岐して中央に向かい、中央キートップ10−1のつば部23に連結・接続される四本の中央連結部27によって連結されている。外周連結部25と中央連結部27の各分岐部分(四ヶ所)にはこのキートップ体1を他の部材に位置決めするための位置決め孔29が設けられている。
【0015】
なおつば部23を設けた理由は以下による。即ちこのキートップ体1の上を覆う図示しないケースの開口部から各キートップ10−1〜5を露出した際のケースの開口部とキートップ10−1〜5側面の隙間からケース内が見えるのを防いだり、さらには前記ケースの開口部より所定寸法以上にキートップ10−1〜5が上方に露出するのを防ぐためである。なお隙間が小さければこのつば部23はなくてもよい。
【0016】
以上のように構成されたキートップ体1は、その上面側に図示しないケースを設置し、ケースに設けた開口部から各キートップ10−1〜5の上部を露出し、一方各キートップ10−1〜5の押圧部35の下側に図示しないスイッチ接点を設置し、各キートップ10−1〜5のケースの開口部から露出する上面を押圧することでスイッチ接点を押圧してこれをオンする。一方キートップ体1に設けた各位置決め孔29は、ケース又はスイッチ接点を設けたスイッチ基板側の部材から突出する図示しない係止突起に挿入・係合されて位置決めされる。
【0017】
そして上記実施の形態にかかるキートップ体1は各キートップ10−1〜5間を連結部25,27によって連結するようにしたので、何れかのキートップ10−1〜5を押圧してこれを降下させた場合でも、周囲の別のキートップ10−1〜5がこれに連動して降下する量は少ない。何故なら各キートップ10−1〜5間にフイルム板20をカットした開口部37を設けることで各キートップ10−1〜5間を連結部25,27のみによって連結するように構成したので、各キートップ10−1〜5はそれぞれ独立にスムーズな動作が可能となるからである。このように各キートップ10−1〜5は略独立に動作するので、たとえキートップ板1を小型化して各キートップ10−1〜5間の離間距離が短くなっても、各キートップ10−1〜5のそれぞれ独立した押圧動作に支障は生じない。特にこの実施の形態の場合、周囲四つの外周キートップ10−2〜5が外周連結部25によってリング状に連結されているので、キートップ体1を取り扱う際に各キートップ10−1〜5がばらばらに動かず、その取り扱いが容易になる。
【0018】
さらに上記実施の形態にかかるキートップ体1は各位置決め孔29を各外周連結部25の途中に設けたので、各位置決め孔29は各外周キートップ10−2〜5の間に位置し、これら位置決め孔29を特許文献1の図1に示すようにキートップ板の複数のキートップを設けた部分全体のさらに外周側に設ける必要がなく、これによってキートップ体1の外形寸法の小型化が図れる。さらにこれら位置決め孔29を外周連結部25と中央連結部27の各分岐部分に設けたので、キートップ10−1〜5から外方に伸びる全ての連結部25,27の何れに対しても位置決め孔29が設けられることとなり位置決めが図れるので、各キートップ10−1〜5の位置決めによるガタの防止と、それぞれの独立した動作とがより確実に行なえる。
【0019】
そしてこのキートップ体1を製造するには、まず何ら穴のない平板状の可撓性を有する合成樹脂フイルム(例えば熱可塑性フイルムであるポリエチレンテレフタレートフイルム)製のフイルム板20を用意する。次にこのフイルム板20をプレス加工によるプレフォーミングによって図2(a)に示すように、フイルム板20中に各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状の上方向に湾曲する湾曲部を形成する。
【0020】
次にこのフイルム板20の上下を図2(b)に示すように第一,第二金型50,60によって挟持する。このとき第一金型50のキャビティーC1は各キートップ10−1〜5の上部形状と同一形状であり、第二金型60のキャビティーC2は各キートップ10−1〜5の下部形状と同一形状である。従ってこのときフイルム板20の前記予めプレフォーミングした湾曲部はキャビティーC1の内周面に当接する。そしてキャビティーC2に接続したピンゲート70から溶融した高温高圧の合成樹脂(例えば熱可塑性の合成樹脂であるABS樹脂やポリメチルメタアクリレートやポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等)を注入(射出)すれば、両キャビティーC1,C2内が溶融合成樹脂で満たされる。
【0021】
そして前記溶融合成樹脂が固化した後に第一,第二金型50,60を取り外し、フイルム板20を所望の外形形状にカットすれば、図1に示すように中央キートップ10−1の周囲に四つの外周キートップ10−2,3,4,5を設置し、各キートップ10−1,2,3,4,5間を連結部25,27によって連結した構造のキートップ体1が完成する。
【0022】
なおキートップ本体30の上面を湾曲変形したフイルム板20で覆う構造のキートップ10−1〜5の製造方法としては他にも種々の方法があり、例えば平板状のフイルム板20を図2(b)に示す両金型50,60の間に挟持し、ピンゲート70から射出される高温高圧の溶融合成樹脂の熱と圧力とによって、キャビティーC1,C2に面する平板状のフイルム板20をキャビティーC1内周面まで押し上げるように湾曲変形させ、これによって前記各キートップ10−1〜5を製造するようにしても良い。
【0023】
図3(a),(b)はそれぞれ本発明の参考例にかかるキートップ体1−2,1−3を示す斜視図である。同図において前記図1に示すキートップ体1と同一又は相当部分には同一符号を付す。即ち本参考例においては、図3(a)に示すキートップ体1−2のように、複数のキートップ10−6,7,8を連結部25´によって直線状に連結し、各連結部25´の途中(中央)に位置決め孔29を設けるように構成しても良く、また図3(b)に示すキートップ体1−3のように、中央キートップ10−9と外周キートップ10−10〜13とを中央連結部27´によって放射状に連結し、各中央連結部27´の途中(中央)に位置決め孔29を設けるように構成しても良い。さらに連結するキートップの数や連結部による連結構造は種々の変形が可能であり、要は複数のキートップ間をフイルム板で構成される一つ以上の連結部によって連結するとともに、連結部の中(途中、できれば中央)にキートップ体を他の部材に位置決めするための位置決め孔を設ける構造であればどのような構造であってもよい。
【0024】
また本発明のキートップ体を構成するキートップの構造も種々の変形が可能である。図4はキートップの構造を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−4を示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。同図において前記図1に示すキートップ体1と同一又は相当部分には同一符号を付す。このキートップ体1−4も、中央キートップ10−14の周囲に四つの外周キートップ10−15,16,17,18を設置し、各キートップ10−14〜18間を各つば部23を介して外周連結部25と中央連結部27によって一体に結合し、外周連結部25と中央連結部27の分岐部分に位置決め孔29を設けている。このキートップ体1−4において前記キートップ体1と相違する点は、キートップ10−14〜18の構造である。
【0025】
即ちこの実施の形態にかかるキートップ10−14〜18は、図4(b)に示すように、何れも平板状のフイルム板20に設けた貫通する穴21を介してその上下に合成樹脂製のキートップ本体30を取り付けて(成形して)構成されている。キートップ本体30は、フイルム板20の上側に取り付くキートップ本体上面部31と、フイルム板20の下面に取り付くキートップ本体下面部33とによってフイルム板20を挟持することで、フイルム板20に固定されている。
【0026】
図5は連結部25,27の形状を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−5を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は平面図である。同図において前記図4に示すキートップ体1−4と同一又は相当部分には同一符号を付す。このキートップ体1−5も、中央キートップ10−19の周囲に四つの外周キートップ10−20,21,22,23を設置し、各キートップ10−19〜23間を各つば部23を介して外周連結部25と中央連結部27によって一体に結合して構成されている。また各キートップ10−19〜23の構造は前記キートップ体1−4の各キートップ10−14〜18の構造と同じである。
【0027】
このキートップ体1−5において前記キートップ体1−4と相違する点は、外周連結部25の構造と、中央連結部27の本数である。即ちこのキートップ体1−5の外周連結部25も外周キートップ10−20〜23間を連結する点は前記各実施の形態と同様であるが、この外周連結部25の場合、外周連結部25の途中の部分(中間部分)からキートップ10−20〜23間にて外方に向けて位置決め孔形成部40を引き出して(突出して)形成し、この位置決め孔形成部40の先端近傍に位置決め孔29を設けている。なお外周連結部25は位置決め孔形成部40を含む概念である。また中央連結部27は二本のみ設けられ、且つこれら二本の中央連結部27は中央キートップ10−19の中心から見て90°の方向に設けられている。つまり二本の中央連結部27は中央キートップ10−19の中心から見て180°対向する方向には設けられていない。
【0028】
以上のようにキートップ体1−5を構成すると、各キートップ10−19〜23の独立した動作が前記各実施の形態に比べてさらに良好になる。即ちこのキートップ体1−5は外周連結部25から引き出した位置決め孔形成部40においてキートップ体10−5の他の部材への固定が行なわれるので、1つの外周キートップ10−20〜23を押圧した際、その両側で固定されている位置決め孔29が直線状の外周連結部25の途中になくて直線状の外周連結部25の途中から更に各キートップ10−20〜23の略外側位置(図5(b)中の曲線G)まで延出した位置にあるため、キートップ10−20〜23と位置決め孔29までの距離が更に長くなり、位置決め孔29を直線状の外周連結部25の途中に設けた場合に比べて、さらに外周キートップ10−20〜23の動作が阻害されず、従って各外周キートップ10−20〜23の動作がさらに独立する。
【0029】
またこの実施の形態においては、二本の中央連結部27を中央キートップ10−19の中心から見て180°対向する方向に設けず、90°の方向に設けているので、これら中央連結部27を中心にして容易に揺動し、その押圧動作をさらに独立してスムーズに行える。
【0030】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施の形態ではキートップ体に設けた全ての連結部にそれぞれ1つずつの位置決め孔を設けたが、位置決め孔はキートップ体に設けた連結部の少なくとも一つ以上に設ければ良い。また一つの連結部に設ける位置決め孔の数が二以上であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)中央キートップと該中央キートップの周囲に位置している複数の外周キートップとからなり、外周キートップ間を外周連結部のみによって連結し、中央キートップを外周連結部の途中から分岐する中央連結部のみによって連結したので、何れかのキートップを押圧してこれを降下させた場合でも、周囲の別のキートップがこれに連動して降下する量は少なく、各キートップをそれぞれ独立に動作可能とすることができる。従ってたとえキートップ体を小型化して各キートップ間を短い間隔で設置して連結しても、各キートップの押圧動作に支障は生じない。
【0032】
(2)連結部(外周連結部と中央連結部)の途中にキートップ体を他の部材に正確に位置決めして取り付けるための位置決め孔を設けたので、各キートップの押圧動作の際に各キートップががたつくことはなく、同時に位置決め孔をキートップ体の各キートップの間の位置に設けることでキートップ体の外形寸法の小型化が図れる。
【0033】
(3)位置決め孔を外周連結部の途中の部分から外方に向けて引き出して形成される位置決め孔形成部に設けたので、位置決め孔の部分が他の部材に固定されても外周キートップの動作が阻害されず、各外周キートップの動作がさらに独立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるフイルム板付きキートップ体1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2(a),(b)はキートップ体1の製造方法を示す図である。
【図3】 図3(a),(b)はそれぞれ本発明の参考例にかかるキートップ体1−2,1−3を示す斜視図である。
【図4】キートップの構造を変更した本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−4を示す図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態にかかるキートップ体1−5を示す図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は平面図である。
【符号の説明】
1 フイルム板付きキートップ体(キートップ体)
10−1 中央キートップ(キートップ)
10−2,3,4,5 外周キートップ(キートップ)
20 フイルム板
23 つば部
25 外周連結部(連結部)
27 中央連結部(連結部)
29 位置決め孔
30 キートップ本体
37 開口部
50 第一金型
C1 キャビティー
60 第二金型
C2 キャビティー
70 ピンゲート
1−2,1−3 キートップ体
10−6,7,8,9,10,11,12,13 キートップ
1−4 キートップ体
10−14 中央キートップ(キートップ)
10−15,16,17,18 外周キートップ(キートップ)
31 キートップ本体上面部
33 キートップ本体下面部
1−5 キートップ体
10−19 中央キートップ(キートップ)
10−20,21,22,23 外周キートップ(キートップ)
40 位置決め孔形成部
Claims (1)
- フイルム板に複数のキートップ本体を成形することで複数のキートップを形成してなる構造のフイルム板付きキートップ体において、
前記キートップは、中央キートップと該中央キートップの周囲に位置している複数の外周キートップとからなり、該外周キートップ間は前記フイルム板で構成される外周連結部のみによって連結され、前記中央キートップは前記外周連結部の途中から分岐する中央連結部のみによって連結され、
前記外周連結部の途中の部分から外方に向けて引き出して形成される位置決め孔形成部に、このフイルム板付きキートップ体を他の部材に位置決めするための位置決め孔を設け、且つ前記中央連結部は中央キートップの中心から見て90°の方向に二本のみ設けられていることを特徴とするフイルム板付きキートップ体。
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