JP3831797B2 - 濃度画像の2値化方法及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された濃度画像を所定のしきい値で2値化する濃度画像の2値化方法及び記録媒体に関し、特に、濃度画像のコントラストが悪い場合であっても、高品質な2値画像を得ることができる濃度画像の2値化方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、濃度画像を濃度画像そのものとして利用するのではなく、この濃度画像を一旦2値化して、該濃度画像に含まれる対象物の輪郭線や特徴量を抽出することが多い。
【0003】
このため、通常の2値化方式では、この濃度画像の各画素のうち所定のしきい値以上の画素値を持つ画素に新たな画素値「1」を付与し、このしきい値よりも画素値が小さな画素に新たな画素値「0」を付与することになる。
【0004】
このように、かかる濃度画像の2値化を行う際には、一般に各画素の画素値をしきい値と比較することになるため、このしきい値を2値化対象となる濃度画像から自動的に設定する従来技術が知られている。
【0005】
たとえば、このしきい値の自動設定方式として「判別基準法」と呼ばれる方式が知られており、この判別基準法では、濃度画像から濃度ヒストグラムを作成し、このヒストグラム上での対象物の分布(クラス)と背景部の分布(クラス)を統計的に最適に分離する値をしきい値とする。
【0006】
このため、コントラストの強い文字画像のように、ヒストグラム上の対象物(文字部)の分布と背景の分布とが明確に分離する場合には、この判別基準法で設定したしきい値を用いることにより、高品質な2値画像を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、濃度画像のコントラストが悪い場合には、この判別基準法を用いたとしても、ヒストグラム上の対象物の分布と背景部の分布とが明確に現れないため、最適なしきい値を得ることができず、結局このしきい値を用いた2値化では、その2値画像の画質が低下するという問題点がある。
【0008】
図3は、この判別基準法を用いて濃度画像を2値化した場合の処理結果の一例を示す図である。同図(a)に示す濃度画像からは、同図(b)に示す濃度ヒストグラムが得られるため、判別基準法を適用すると図中に示すしきい値が得られる。その後、このしきい値を用いて濃度画像を2値化すると、同図(c)に示す2値画像が得られる。
【0009】
ここで、同図(c)に示す2値画像では、枠線をなす線分は抽出されているものの、本来抽出すべきである手書き文字がほとんど抽出されていない。その理由は、枠線部分の画素値に比べて手書き文字の画素値の方が背景の画素値に近いためである。
【0010】
このように、本来抽出すべき対象物と背景との間のコントラストが悪い場合には、対象物すべてを2値画像中に取り込むことができず、結果的に人手を介して2値化せざるを得なくなる。
【0011】
このため、濃度画像のコントラストが悪い場合に、いかにして2値化のためのしきい値を適切に設定し、高品質な2値画像を取得するかが極めて重要な課題となっていた。
【0012】
そこで、本発明では上記問題点を解決し、濃度画像のコントラストが悪い場合であっても、高品質な2値画像を得ることができる濃度画像の2値化方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、入力された濃度画像を所定のしきい値で2値化する濃度画像の2値化方法において、前記濃度画像に対して2次微分フィルタあるいは側抑制フィルタを適用して各画素毎の2次微分出力を取得する2次微分出力取得工程と、前記2次微分出力取得工程で取得した2次微分出力に基づいて、該2次微分出力が正となる部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成し、該2次微分出力が負となる部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成するヒストグラム作成工程と、前記ヒストグラム作成工程で作成した前記正および負のヒストグラムに基づいて前記しきい値を決定し、該しきい値によって前記濃度画像を2値化する2値化工程とを含んだことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ヒストグラム作成工程は、前記2次微分出力の絶対値に対してシグモイド関数等で非線形に処理した後の値を用いて前記正および負のヒストグラムを作成することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記2値化工程は、前記正のヒストグラムの濃度0からvまでの累積度数と、前記負のヒストグラムの濃度vから最大濃度までの累積度数との和を評価量とし、この評価量が最大となる濃度vを前記しきい値とすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記2値化工程は、前記正のヒストグラムの濃度0からvまでの累積度数と、前記負のヒストグラムの濃度vから最大濃度までの累積度数との積を評価量とし、この評価量が最大となる濃度vを前記しきい値とすることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の発明は、入力された濃度画像を所定のしきい値で2値化する濃度画像の2値化処理をコンピュータに実行させる2値化プログラムを格納した記憶媒体であって、前記2値化プログラムは、前記濃度画像に対して2次微分フィルタあるいは側抑制フィルタを適用して各画素毎の2次微分出力を取得する第1のステップと、前記第1のステップで取得した2次微分出力に基づいて、該2次微分出力が正となる部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成し、該2次微分出力が負となる部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成する第2のステップと、前記第2のステップで作成した前記正および負のヒストグラムに基づいて前記しきい値を決定し、該しきい値によって前記濃度画像を2値化する第3のステップとを含んだことを特徴とする。
【0018】
このように、本発明によれば、濃度画像に対して2次微分フィルタなどを適用して2次微分出力を取得し、取得した2次微分出力に基づいて、その2次微分出力の正の部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成するとともに、2次微分出力の負の部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成し、作成した正および負のヒストグラムに基づいてしきい値を決定することとしているので、濃度画像のコントラストが悪い場合であっても、適切なしきい値を自動設定し、高品質な2値画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る濃度画像の2値化方法について説明する。なお、本実施の形態では、手書き文字の濃度画像を2値化する場合を示すこととする。
【0020】
まず最初に、本実施の形態に係わる濃度画像の2値化方法の概念について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係わる2値化方法の概念を説明するための図である。
【0021】
本実施の形態に係わる2値化方法では、図2(a)に示す濃度画像全体のヒストグラムを1つだけ作成するのではなく、同図(b)及び(c)に示すように、2次微分を用いた正のヒストグラムと負のヒストグラムを作成する。
【0022】
ここで、この正のヒストグラムは、濃度画像の枠線部分及び手書き文字部分の可能性が高い画素の濃度分布を示し、負のヒストグラムは、濃度画像の背景部分の可能性が高い画素の濃度分布を意味する。
【0023】
そして、この正のヒストグラムのある濃度までの累積度数と負のヒストグラムのある濃度から上の累積度数との和が最大となるある濃度をしきい値とすると、同図(b)及び(c)の図中に示すしきい値が得られ、このしきい値を用いて濃度画像を2値化すると、同図(d)に示す2値画像が得られる。
【0024】
このように、本実施の形態に係わる2値化方法では、2次微分を用いた正及び負という2種類のヒストグラムを用いてしきい値を決定することによって、手書き文字部分の画素の欠落を防止している。
【0025】
次に、本実施の形態に係わる2値化方法の処理手順を具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係わる2値化方法の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、濃度画像I(x,y)の各画素が0〜255の256階調の濃度をとり得るものとし、画素値が高くなればなるほど「白色」に近づくものとする。
【0026】
同図に示すように、この2値化方法では、まず最初に、図2(a)に示すような濃度画像I(x,y)を入力し(ステップ101)、正及び負のヒストグラムを作成する。
【0027】
具体的には、X座標及びY座標の座標位置を示す変数x及びyをそれぞれ初期化した後(ステップ102〜103)、濃度画像I(x,y)に2次微分フィルタL(x,y)を適用して2次微分を行ってG(x,y)とし(ステップS104)、このG(x,y)の絶対値をU(x,y)とする(ステップS105)。
【0028】
そして、このG(x,y)の値が正であるか否かを判定し(ステップ106)、正である場合にはU(x,y)をH0(I(x,y))すなわち正のヒストグラムに加算し(ステップ107)、正でない場合にはU(x,y)をH1(I(x,y))すなわち負のヒストグラムに加算する(ステップ108)。
【0029】
その後、変数xをインクリメントし(ステップ109)、この変数xが入力画像のX方向の画素数Nx以下であるか否かを確認し(ステップ110)、Nx以下である場合にはステップ104に移行して同様の処理を繰り返す。
【0030】
これに対して、この変数xがNxを越える場合には、変数yをインクリメントし(ステップ111)、この変数yが入力画像のY方向の画素数Ny以下であるか否かを確認し(ステップ112)、Ny以下である場合にはステップ103に移行して同様の処理を繰り返す。
【0031】
これに対して、この変数yがNyを越える場合には、全ての画素についての処理を終了したことになるので、ヒストグラムの作成処理を終了して、しきい値の算定処理に移行する。
【0032】
具体的には、変数vを初期化した後(ステップ113)、濃度0〜vまでの正のヒストグラムH0の累積度数と、濃度v〜濃度255までの負のヒストグラムH1の累積度数とを加算してp(v)を算定し(ステップ114)、このp(v)がPmaxよりも大きいか否かを調べ(ステップ115)、Pmaxよりも大きい場合には、しきい値を示す変数thにvを代入し、Pmaxにp(v)を代入する(ステップ116)。
【0033】
その後、変数vをインクリメントして(ステップ117)、この変数vを255と比較し(ステップ118)、この変数vが255以下の場合にはステップ114に移行して同様の処理を繰り返し、変数vが255を越える場合には処理を終了する。
【0034】
このように、上記ステップ102〜112は、2次微分を用いた正及び負のヒストグラムの作成処理を示し、ステップ113〜118は正及び負のヒストグラムを用いたしきい値の算定処理を示している。
【0035】
次に、上記ステップ102〜112に示した正及び負のヒストグラム作成処理についてさらに具体的に説明する。
【0036】
濃度画像I(x,y)に対して2次微分フィルタL(x,y)を適用すると、濃度変化の大きなところで2次微分出力G(x,y)の値が大きくなる、例えば図2(a)に示す文字画像の場合には、大きな濃度変化がある文字と背景の境界付近の2次微分出力が大きな値となる。
【0037】
また、かかる2次微分を行うと、文字と背景の境界付近の文字側では正の大きな値となり、背景側では負の大きな値になるという性質がある。このため、本実施の形態では、2次微分フィルタの出力が正の部分は文字部の確率が高く、負の部分は背景部の確率が高くなるという性質を利用している。
【0038】
具体的には、この2次微分フィルタとしてガウスラプラシアンフィルタL(x,y)
を用いることができ、また2つのガウス関数の差であるDOG(Difference of Gaussians )などの側抑制フィルタを2次微分フィルタとして用いることもできる。
このガウスラプラシアンフィルタを用いた2次微分出力G(x,y)は、
となる。ただし、「*」は畳み込み演算を示すものとする。
【0039】
その後、この2次微分出力G(x,y)の絶対値が一定値以上の場合には1となり、一定値以下の場合には0になるようにシグモイド関数
で非線形処理し、
を求める。なお、このシグモイド関数のk及びTは正の定数である。
【0040】
ここで、G(x,y)>0ならば、U(x,y)を
の算定式を用いて正のヒストグラムH0に加算し、G(x,y)<0ならば、このU(x,y)を
の算定式を用いて負のヒストグラムH1に加算する。
【0041】
ここで、この正のヒストグラムは、文字部と背景部の境界付近の文字側のみの濃度分布を示し、負のヒストグラムは、文字と背景の境界付近の背景側のみの濃度分布を示すことになる。
【0042】
このため、コントラストの低い濃度画像を用いた場合であっても、文字部の濃度分布は正ヒストグラムに、背景部の濃度分布は負ヒストグラムに現れ、文字部と背景部の濃度分布を明確に分離することができる。
【0043】
次に、図1のステップ113〜118に示す正及び負のヒストグラムを用いたしきい値の算定処理について説明する。
【0044】
まず、正のヒストグラムH0は、文字部の可能性が高い濃度分布を表しているので、あるしきい値vで濃度画像I(x,y)を2値化する場合には、濃度vまでのH0の累積度数が大きければ大きいほど、濃度画像I(x,y)から文字部分が品質よく2値化されることになる。
【0045】
一方、負のヒストグラムH1は、背景部の可能性が高い濃度分布を表しているので、あるしきい値vで濃度画像I(x,y)を2値化する場合には、濃度v以上のH1の累積度数が大きければ大きいほど、濃度画像I(x,y)から背景部分が品質よく2値化されることになる。
【0046】
これらのことから、文字部と背景部を高品質に2値化するためには、すべてのvについて、評価量P(v)
を計算し、この評価量P(v)が最大になる時点でのvを求めればよいことになる。
【0047】
上述してきたように、本実施の形態では、濃度画像I(x,y)に2次微分フィルタを適用し、2次微分出力値が正となる文字部分の蓋然性が高い画素について正のヒストグラムH0を作成するとともに、2次微分出力値が負となる背景部分の蓋然性が高い画素についてのヒストグラムH1を作成し、これら正及び負のヒストグラムを用いてしきい値を設定するよう構成したので、コントラストが悪い濃度画像であっても、対象物の欠落を招くことなく該濃度画像を2値化することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、2値化のしきい値を算定する際に、正のヒストグラムH0の濃度0〜vまでの累積度数と、負のヒストグラムH1の濃度v〜濃度255までの累積度数とを加算して評価量p(v)を算定することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
の算定式を用いて両者の累積度数を乗算し、この乗算した値を評価量p(v)とすることもできる。
【0049】
また、本実施の形態では、手書き文字の濃度画像を2値化する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会社名等の印字がある小切手や、枠のある各種帳票に押された印鑑を切り出す場合にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、濃度画像に対して2次微分フィルタなどを適用して2次微分出力を取得し、取得した2次微分出力に基づいて、その2次微分出力の正の部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成するとともに、2次微分出力の負の部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成し、作成した正および負のヒストグラムに基づいてしきい値を決定するよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【0051】
1)濃度画像のコントラストが悪い場合であっても、適切なしきい値を自動設定し、高品質な2値画像を得ることが可能となる。
【0052】
2)正及び負に分離した2次微分フィルタリングが行われていると言われる人間の視覚系と同様の処理を行い、もって人が自ら判断して2値化を行う場合に近い2値画像を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係わる2値化方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本実施の形態に係わる2値化方法の概念を説明するための図である。
【図3】従来の判別基準法を用いて濃度画像を2値化した場合の処理結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
104 2次微分処理
107 正のヒストグラムの作成処理
108 負のヒストグラムの作成処理
114 しきい値の評価量の算定処理
Claims (5)
- 入力された濃度画像を所定のしきい値で2値化する濃度画像の2値化方法において、
前記濃度画像に対して2次微分フィルタあるいは側抑制フィルタを適用して各画素毎の2次微分出力を取得する2次微分出力取得工程と、
前記2次微分出力取得工程で取得した2次微分出力に基づいて、該2次微分出力が正となる部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成し、該2次微分出力が負となる部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成するヒストグラム作成工程と、
前記ヒストグラム作成工程で作成した前記正および負のヒストグラムに基づいて前記しきい値を決定し、該しきい値によって前記濃度画像を2値化する2値化工程と
を含んだことを特徴とする濃度画像の2値化方法。 - 前記ヒストグラム作成工程は、
前記2次微分出力の絶対値に対してシグモイド関数等で非線形に処理した後の値を用いて前記正および負のヒストグラムを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の濃度画像の2値化方法。 - 前記2値化工程は、
前記正のヒストグラムの濃度0からvまでの累積度数と、前記負のヒストグラムの濃度vから最大濃度までの累積度数との和を評価量とし、この評価量が最大となる濃度vを前記しきい値とする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の濃度画像の2値化方法。 - 前記2値化工程は、
前記正のヒストグラムの濃度0からvまでの累積度数と、前記負のヒストグラムの濃度vから最大濃度までの累積度数との積を評価量とし、この評価量が最大となる濃度vを前記しきい値とする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の濃度画像の2値化方法。 - 入力された濃度画像を所定のしきい値で2値化する濃度画像の2値化処理をコンピュータに実行させる2値化プログラムを格納した記憶媒体であって、
前記2値化プログラムは、
前記濃度画像に対して2次微分フィルタあるいは側抑制フィルタを適用して各画素毎の2次微分出力を取得する第1のステップと、
前記第1のステップで取得した2次微分出力に基づいて、該2次微分出力が正となる部分に対応する濃度画像から正のヒストグラムを作成し、該2次微分出力が負となる部分に対応する濃度画像から負のヒストグラムを作成する第2のステップと、
前記第2のステップで作成した前記正および負のヒストグラムに基づいて前記しきい値を決定し、該しきい値によって前記濃度画像を2値化する第3のステップと
を含んだことを特徴とする記録媒体。
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