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JP3833231B2 - 柱の基礎の施工方法 - Google Patents
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この発明は、柱の基礎の施工方法に関し、特に、施工が困難な状況において十分な強度を有する柱の設置が可能な柱の基礎の施工方法に関する。
従来、隣地との境界の近くに、ガレージの柱や、背の高い目隠しフェンスを設けることがある。この場合のガレージの屋根の柱用の基礎の配置を図(A)に示す。図(A)を参照して、隣地との境界50に近い位置にガレージの屋根を施工する場合の基礎73と、柱71と、隣地との境界50との関係が示されている。一方、図は、境界50の近くにフェンスを構築する場合の、基礎83の施工断面を示す図である。図を参照して、従来は、深い穴85を掘削し、そこにある程度、栗石84やクラッシャランを転圧し、捨てコンを打ち、その内部に空洞82を有するコンクリートの基礎83を作り、穴85を土で埋め戻す。空洞82の中にフェンスを支持する柱81を垂直に保持し、フェンスを設置する。その後、空洞82にはモルタルが流し込まれて、基礎との一体化がなされる。
(B)は、図(A)において、B−Bで示す部分の矢視図であり、図(A)に示した隣地との境界近傍部分にカーポートを設ける場合の、従来における、カーポートの支柱を基礎に埋め込む場合の施工状態を示す図である。図6(B)を参照して、従来は、日本の土地事情から、隣地との境界50ぎりぎりにカーポートを設ける場合が多い。この場合に、カーポートの柱71の基礎73に、コンクリートのかぶり厚を確保しようとすると、境界50からその一部(図(B)においてdで示す部分)が隣地側にはみ出すため、敷地境界内では、コンクリートのかぶり厚が確保できず、その基礎73は、十分な平面上の面積を得ることができない。一方、境界50の反対側のカーポートの位置が決められている場合、かぶり厚dを確保しようとすると、かぶり厚d分だけカーポートとしての有効面積が減る。
に示すフェンスの基礎83についても同様で、図において、境界50ぎりぎりにフェンスの基礎83を設ける場合に、敷地境界内において、フェンスの基礎83に、敷地内でコンクリートのかぶり厚が確保できず、その一部がはみ出し(図においてdで示す部分)、基礎83は、十分な平面上の面積を得ることができない。
上記のように、基礎コンクリートのかぶりを確保せず施工をすると、図に示すような、背の高いフェンスの基礎を施工した場合、強風時にフェンスが傾いたり、図に示したカーポートの場合は、屋根に積もった雪の重みでカーポートが倒れるという問題があった。
上記のように、柱を境界ぎりぎりに設置するときは、片持ち梁形式のカーポートの柱やフェンスの基礎のような、引き抜き荷重および/または転倒モーメントのかかる柱の基礎の施工は、基礎のコンクリートのかぶり厚が確保できないため、困難であるという問題があった。
この発明は、上記のような従来の課題に鑑みてなされたもので、片持ち梁形式のカーポート用の柱のような、引き抜き荷重および/または転倒モーメントのかかる柱に、十分な強度を持たせることのできる、柱の基礎の施工方法を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、片持ち梁形式のカーポート用の柱のような、引き抜き荷重および/または転倒モーメントのかかる柱を簡単に施工できる、柱の基礎の施工方法を提供することを目的とする。
この発明にかかる、柱の基礎の施工方法は、柱の立設位置に縦穴を掘削し、縦穴内に、杭を、縦穴の掘削深度よりも深い位置まで打ち込むステップと、縦穴内に杭と離間して柱を設置するステップと、柱と前記杭に強度部材を巻きつけて接続するステップと、柱と杭が接続された状態で、縦穴の空間内を含む基礎構築部にコンクリートを打設することにより、柱と前記杭とを一体化するステップとを含み、強度部材は、高強度繊維体である。
好ましくは、杭は、鋼管であり、鋼管の上部近傍を貫通するかんざし筋を有する。
さらに好ましくは、杭は、内部に充填材と縦筋とを有する鋼管杭である。
なお、高強度繊維体は網目状、ベルト、ロープのいずれかである。
この発明においては、柱と杭とが接続された状態で、縦穴の空間内を含む基礎構築部にコンクリートを打設することにより、柱と杭とを一体化するため、柱に転倒モーメントがかかっても、杭によって、鉛直方向でもって支持される。
その結果、片持ち梁形式のカーポート用の柱のような、引抜荷重および/または転倒モーメントのかかる柱に、十分な強度を持たせることのできる、柱の基礎の施工方法を提供できる。
したがって、たとえば、カーポートやフェンスの柱を敷地境界のぎりぎりの位置に設けた場合のように、境界側にコンクリートのかぶり厚が確保しづらい柱についても、網目状の高強度繊維体(ジオグリッド)のような厚さが2mm〜3mm程度の強度部材が柱と杭接続されるため、安全が確保でき、十分な強度を持たせることができる。
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1(A),(B)は、この発明の一実施の形態における、従来の図(A)、(B)に対応する図であり、図2は、図1において、II−IIで示す部分の断面図である。ここでは、カーポートの柱を施工する場合について説明するが、背の高いフェンスの柱を施工する場合も同様である。
図1および図2を参照して、柱11の転倒を防止するための杭として、図に示す鋼管杭21,22を使用する。すなわち、柱11の施工用の縦穴41に、杭頭補強部として、掘削穴42を複式スコップで掘削する。この杭頭補強の掘削穴42に、垂直でなくても良い状態で、一対の鋼管杭21、22を打ち込む。
この実施の形態においては、カーポートの柱11に対して、鋼管杭21,22は、隣地境界50の反対側に2本設けられ、カーポートの柱11、鋼管杭21、22は、強度部材23で接続されて、コンクリートを打設することにより、一体化される。このように、鋼管杭21,22を、カーポートの柱11に対して、敷地内に設けることにより、柱の上部の転倒モーメントを、強度部材23を通じて鋼管杭21,22で吸収する。その結果、鋼管杭21,22で、隣地境界50の近傍において、隣地側または敷地内部側へ転倒することなく、柱11を建てることができる。
図2に示すように、離間した柱11の下部と鋼管杭21、22(図示無し)の上部に網目状の高強度繊維体の強度部材23が巻きつけられて接続されている。なお、鋼管杭21,22には、その中央部に縦筋25が設けられている。柱のかんざし筋33と、鋼管杭のかんざし筋32とを用いて、柱11と鋼管杭21,22とを接続するようにしてもよい。
また、通常はこのような位置に柱11を建てると、隣地境界50側の基礎のコンクリートのかぶり厚を十分確保できないため、コンクリートにクラックが入って問題になるが、この実施の形態のように、柱11と隣地境界50との間に強度部材23を通すことによって、強度部材23とコンクリートとが一体化するため、そのような問題は生じない。
なお、ここでは、鋼管杭を2本用いた例について説明したが、これに限らず、鋼管杭は1本でもよい。
ここで、網目状の高強度繊維体(ジオグリッド)とは、盛土の不等沈下防止等を目的として開発された繊維原織物を樹脂でコーティングしたものであり、繊維原織物としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、炭素繊維、ポリアリレート繊維、ポリアセタール繊維等が好ましい。このように合成繊維を用いているため、さびが生じない。なお、原織物に使用される繊維としては、上記繊維の高強度繊維が好ましい。このような高強度繊維としては、高分子量ポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタラート)、ナイロン6、ポリアラミド(パラ、メタ)、ガラス、ビニロン、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、ポリアリレート繊維、ポリアセタール繊維、PPS繊維、ポリイミド繊維、PEEK繊維、フッソ繊維等がある。
また、コンクリートの付着等を考慮して、網目の寸法は、10mmから100mm程度が好ましい。
以上のように、強度部材23で柱11と杭21,22とを抱き込み、コンクリートを打設し、一体化することにより、隣地側基礎コンクリートのかぶり厚がゼロでも、十分な強度が確保できる。
また、強度部材23を構成する繊維は、地中に埋設されるため、紫外線による劣化は生じない上に、必要な強度を計算して繊維量を増すことによって、安全を確保できる。
図3は、図2の変形例を示す図である。図3を参照して、ここでは、網目状のものの代わりに、水平方向の上下に離れた、2本以上のベルト、または、ロープ23a、23bで柱11と、一対の鋼管杭21、22(図示無し)とが接続されている。
ここで、ベルトおよびロープ23a、23bは、上記した網目状のものの生布に用いられる高強度繊維で製織されたものが好ましい。
なお、この場合も、柱のかんざし筋38と、鋼管杭のかんざし筋32とを用いて、柱11と鋼管杭21,22(図示なし)とを接続するようにしてもよい。
なお、図を参照して、鋼管杭21、22は、頂部が開放され、下端部28が尖塔型を有しており、内部に縦筋を回転自在に支持するための支持部材29が設けられている。図2や3においては、図に示す支持部材29によって、縦筋25、26が支持されている。施工時には、この鋼管杭21、22の内部にも無収縮モルタルが充填される。
また、鋼管杭21,22にはかんざし筋を貫通して保持するためのかんざし筋穴27が設けられている。
上記実施の形態においては、杭として、鋼管杭を用いた例について説明した。しかしながら、杭として、鋼管杭以外にコンクリート杭や樹脂製の杭を用いてもよい。図5は、コンクリート杭75を示す図である。図5を参照して、コンクリート杭は、コンクリート杭本体75と、コンクリート杭本体75の上部に設けられ、鉄製のキャップを埋め込んだ保護具76と、コンクリート杭本体75に埋め込まれたかんざし筋77、78とを含み、その下端部79は尖塔型を有している。なお、かんざし筋は1本でもよい。
なお、コンクリート杭75を用いた場合でも、先の実施の形態と同様に、この杭75と柱に網目状の高強度繊維体を接続する。
上記実施の形態においては、カーポートの柱や、背の高いフェンスの柱を補強する場合について説明したが、これに限らず、この柱の基礎の施工方法は、道路標識、ガードレール、看板、信号機、電柱、電灯柱、ポール、バスケットゴールの固定等にも利用が可能である。これらの柱において、鋼管杭を用いた場合は、その径は、柱の寸法にもよるが、約30mm〜150mm程度である。
また、上記実施の形態においては、杭として、一対の鋼管杭を用いて柱と接続する場合について説明したが、これに限らず、1本の鋼管杭を用いてもよいし、地盤に応じて、3本以上の杭を用いてもよい。また、鋼管杭に限らず、非鉄金属の管を用いてもよい。
なお、上記実施の形態の形態では、掘削穴にコンクリートを流し込むと記載したが、これは、使用する箇所に応じて、モルタルを使用してもよいことを意味する。
上記実施の形態においては、杭の寸法については、特に規定しなかったが、地盤の悪いところでは、通常に比べて、杭を太く、長くすることで対処可能である。
上記実施の形態においては、施工用の縦穴に、杭頭補強部として、より深い縦穴を設けた場合について説明したが、これに限らず、縦穴と杭頭補強部とを同一深さの穴としてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明の一実施の形態に係る基礎の施工例を示す平面図および立面図である。 図1においてII−IIで示す部分の断面図である。 図1においてII−IIで示す部分の他の実施の形態を示す断面図である。 鋼管杭を示す図である。 コンクリート杭または樹脂製杭を示す図である。 従来の、隣地に隣接している位置にカーポートの基礎を施工する場合の柱と隣地との境界の位置関係を示す図である。 従来のフェンスを支持する柱の基礎を示す図である。
符号の説明
11 柱、21,22 鋼管杭、23 強度部材、25 縦筋、28,79 下端部、29 支持部材、41 縦穴、32,33,38,77,78 かんざし筋、42 杭頭補強の掘削穴。

Claims (4)

  1. 柱の立設位置に縦穴を掘削し、前記縦穴内に、杭を、前記縦穴の掘削深度よりも深い位置まで打ち込むステップと、
    前記縦穴内に杭と離間して柱を設置するステップと、
    前記柱と前記杭に強度部材を巻きつけて接続するステップと、
    前記柱と前記杭が接続された状態で、前記縦穴の空間内を含む基礎構築部にコンクリートを打設することにより、前記柱と前記杭とを一体化するステップとを含み、
    前記強度部材は、高強度繊維体である、柱の基礎の施工方法。
  2. 前記杭は、鋼管であり、前記鋼管の上部近傍を貫通するかんざし筋を有する、請求項1に記載の柱の基礎の施工方法。
  3. 前記杭は、内部に充填材と縦筋とを有する鋼管杭である、請求項1または2に記載の柱の基礎の施工方法。
  4. 前記高強度繊維体は網目状、ベルト、ロープのいずれかである、請求項1から3のいずれかに記載の柱の基礎の施工方法。
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