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JP3834833B2 - アシル化ニトロセルロースの製造方法 - Google Patents
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JP3834833B2 - アシル化ニトロセルロースの製造方法 - Google Patents

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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、セルロ−スアセテ−トナイトレ−トに代表されるアシル化ニトロセルロ−スの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アシル化ニトロセルロ−スは、ニトロセルロ−スを有機溶媒中で無水酢酸等の酸無水物と反応させることにより得られる。この反応には、従来、硫酸あるいはピリジン等の触媒が用いられてきた(特開昭56−82849号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
硫酸触媒を用いてアシル化する場合、硫酸の一部がセルロ−スに結合して硫酸エステル基を形成する。この硫酸エステル基は生成物の安定性を損なうため、精製工程で無置換の水酸基に変換する工程が一般に必要となる。
【0004】
また、硫酸触媒は硝酸エステル基の分解反応を伴うため、アシル化反応のみを選択的に行うことができない。従ってこの製造方法では、原料ニトロセルロ−ス中の水酸基を完全にアシル基に置換する事が出来ないという問題がある。
【0005】
更に、硫酸触媒を用いた場合、求める硝化度のアシル化ニトロセルロ−スを得るには、触媒量,反応時間および反応温度を厳密に制御しなければならないという問題がある。
【0006】
またピリジン触媒を用いた場合はアシル化の反応速度が遅いために、ニトロセルロ−ス中のほとんど全ての水酸基を短時間にアシル化することは困難であるという問題がある。
本発明の目的は、硫酸エステル基のない高品質のアシル化ニトロセルロースを簡便に早く製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ニトロセルロースに対して良溶媒であり、かつ水溶性である有機溶媒にニトロセルロースを溶解し、該混合溶液に触媒を溶解後、炭素数1〜6のアルキルカルボン酸無水物からなるアシル化剤を滴下してニトロセルロース中の水酸基をアシル化する際、4−ジメチルアミノピリジンを触媒として原料ニトロセルロースに対して0.001〜10重量%用いることを特徴とする火薬用のアシル化ニトロセルロースの製造方法である。
【0008】
本発明に用いる有機溶媒は、ニトロセルロ−スに対して良溶媒であり、かつ水溶性であれば全てのものが使用可能である。それらの中ではアセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ピリジン等が好ましく用いられる。発熱反応であるアシル化反応が暴走した場合に、蒸発潜熱により反応溶液の温度上昇を防ぐことができるので、アセトンが最も好ましいものである。
その使用量は、ニトロセルロ−スに対して重量基準で10〜80倍量、好ましくは25〜50倍量、更に好ましくは35〜45倍量が用いられる。溶媒の量をニトロセルロ−スに対して10倍量より少なくした場合、反応溶液が高粘度となって充分な攪拌ができないため、反応速度が遅くなる。逆に溶媒の量をニトロセルロ−スに対して80倍量より多く用いても、それに見合う効果の増加はない。
【0009】
本発明に用いられるアシル化剤は、無水酢酸、プロピオン酸無水物、ヘキサン酸無水物等の炭素数1〜6のアルキルカルボン酸無水物が用いられる。
アシル化剤の使用量は、ニトロセルロ−ス中の水酸基に対して1〜20当モル量であり、好ましくは2〜10当モル量が用いられる。アシル化剤が1当モル量より少ない場合、全ての水酸基をアシル化することができない。逆にアシル化剤を10当モル量より多く用いても、それに見合う効果の増加はない。
【0010】
本発明の触媒には、4−ジメチルアミノピリジンが用いられる。
その使用量は、原料ニトロセルロ−スに対して0.001〜10重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。使用量が0.001重量%より少ない場合、充分なアシル化の反応速度が得られない。また使用量が10重量%より多い場合、それに見合う効果の増加はない。
【0011】
本発明には、従来公知の全てのニトロセルロースが用いられるが、その中でも硝化度が0.5〜2.5のニトロセルロ−スが好ましく用いられる。
ニトロセルロ−スの硝化度が0.5より少ない場合はアシル化ニトロセルロ−スの燃焼性が不十分であり、また硝化度が2.5より多い場合はアシル化ニトロセルロ−スの衝撃あるいは摩擦に対する安全性が不十分になる傾向にある。
【0012】
この製造方法において反応温度および反応時間は、4−ジメチルアミノピリジンおよびアシル化剤の使用量によって適宜選択されるが、温度は通常0〜50℃、好ましくは10〜30℃であり、反応時間は通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間である。
例えば、4−ジメチルアミノピリジンをニトロセルロ−スに対して5重量%、アシル化剤をニトロセルロ−ス中の水酸基に対して10当モル量用いて室温で反応させた場合、アシル化剤の滴下直後にはほとんどの水酸基はアシル化され、1時間以内に反応が完結する。
【0013】
本発明の製造方法における操作手順を以下に説明する。
まず原料として用いるニトロセルロ−スを有機溶媒に溶解する。その際、アシル化剤は水分と反応して分解するため、有機溶剤又は有機溶媒とニトロセルロ−スの混合溶液から脱水しておくことは望ましいことである。
次にそこへ触媒として用いる4−ジメチルアミノピリジンを加えて溶解後、アシル化剤として用いる酸無水物を攪拌しながら少しづつ加える。酸無水物の急激な添加は、反応溶液の温度上昇を招くため好ましくない。
滴下終了後も更に攪拌を続けて十分に反応させた後、反応溶液を水中に投じてアシル化ニトロセルロースを析出させる。それを通常の水ないし温水で洗浄して不純物を除去することにより高品質のアシル化ニトロセルロースを得ることができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の製造方法では硝酸エステル基の分解あるいはエステル交換反応がほとんどおこらないため、得られるアシル化ニトロセルロ−スの硝化度は原料となるニトロセルロ−スの硝化度とほとんど変わらない。従って、火薬の力に対して重要な影響をおよぼす硝化度は、原料となるニトロセルロ−スの硝化度を選定するのみでよく、硫酸触媒を用いた製造方法のように厳密に反応を制御する必要がない。
【0015】
また、硝酸エステル基の安定性に悪影響を及ぼす硫酸を用いないことから、生成物中に硫酸が残存する事が無く、また従来法のように硫酸エステル基を水酸基に置換する工程をを必要としない。
【0016】
更に、ピリジン触媒を用いた製造方法に比べて迅速に反応が進行するため、短時間でアシル化ニトロセルロ−スを得ることができる。
【0017】
【実施例】
次に本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
実施例1
温度計、滴下ロート及び攪拌機を備えた容量5,000mlのパイレックス製セパラブルフラスコに、乾燥したニトロセルロ−ス75g(グルコースユニット内における硝酸エステル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.3及び0.7)を無水アセトン3,000mlに完全に溶解した。さらに、触媒となる4−ジメチルアミノピリジン5gを添加して溶解した。カルシウム管を備えた滴下ロ−トから無水酢酸150mlを反応温度が20℃になるように調整しながら添加した。滴下終了後、20℃で1時間更に攪拌して反応させた。その後、反応溶液を水中に投じ、セルロ−スアセテ−トナイトレ−トを析出させた。これを濾別し、温水でよく洗浄した。この後、60℃で真空乾燥した。
得られたセルロ−スアセテ−トナイトレ−トのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数(これらは元素分析法により測定された結果に基づいて所定の計算式より計算した。以後も同様である。)はそれぞれ2.3、0.7および0であった。
【0018】
実施例2
アシル化剤として無水酢酸のかわりにプロピオン酸無水物を使用すること以外は実施例1に準じて行い、セルロ−スプロピオネ−トナイトレ−トを得た。
分析の結果、得られたセルロ−スプロピオネ−トナイトレ−トのグルコースユニット内における硝酸エステル基、プロピオネ−ト基及び水酸基の平均存在個数は、それぞれ2.3、0.7および0であった。
【0019】
実施例3
アシル化剤として無水酢酸のかわりにヘキサン酸無水物を使用すること以外は実施例1に準じて行い、セルロ−スヘキサノエートナイトレートを得た。
分析の結果、得られたセルロ−スヘキサノエートナイトレートのグルコースユニット内における硝酸エステル基、ヘキサノエート基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.3、0.7及び0であった。
【0020】
実施例4
触媒としての4−ジメチルアミノピリジンを5gのかわりに0.5g使用すること以外は実施例1に準じて行い、セルロースアセテートナイトレートを得た。
分析の結果、得られたセルロースアセテートナイトレートのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.3、0.7及び0であった。
【0021】
実施例5
反応温度として20℃のかわりに0℃ですること以外は実施例1に準じて行なうことによりセルロースアセテートナイトレートを得た。
分析の結果、得られたセルロースアセテートナイトレートのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.3、0.7及び0であった。
【0022】
比較例1
触媒として4−ジメチルアミノピリジン5gのかわりにピリジン180mlを使用する以外は実施例1に準じて行い、セルロ−スアセテ−トナイトレ−トを得た。
滴下終了後のセルロ−スアセテ−トナイトレ−トのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数は、1時間攪拌後においてそれぞれ2.3、0.3及び0.4であり、また5時間攪拌後においてはそれぞれ2.3、0.5及び0.2であった。
【0023】
比較例2
実施例1と同じセパラブルフラスコに、無水酢酸150ml及びニトロセルロース75g(グルコースユニット内における硝酸エステル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.3及び0.7)を加えて20℃に加温する。これに無水ベンゼン3,000mlを加えてニトロセルロースを完全に溶解させる。この後、触媒となる濃硫酸4gを添加して反応を開始させる。1時間反応した後、反応溶液を氷冷し、エタノール中に投じてセルロースアセテートナイトレートを析出させる。これを濾別し、温水でよく洗浄する。この後、60℃で真空乾燥する。
分析の結果、得られたセルロースアセテートナイトレートのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ2.2、0.2及び0.6であった。
【0024】
比較例3
触媒として濃硫酸4gのかわりに濃硫酸20gを使用すること以外は比較例2に準じて行い、セルロースアセテートナイトレートを得た。
分析の結果、得られたセルロースアセテートナイトレートのグルコースユニット内における硝酸エステル基、アセチル基及び水酸基の平均存在個数はそれぞれ1.8、0.9及び0.3であった。
【0025】
以上のことから、本発明の製造方法によれば、ニトロセルロ−ス中の水酸基のほとんど全てがアシル化されたアシル化ニトロセルロ−スを、穏やかな条件下、迅速に製造することができることは明らかである。
またこのようにして製造されたアシル化ニトロセルロ−スは、発射薬および推進薬用無煙火薬のバインダとして用いた場合、従来の製造方法により製造されるものに比べ、良好な燃焼性と、衝撃あるいは摩擦に対する安全性を両立することができるので有用である。

Claims (1)

  1. ニトロセルロースに対して良溶媒であり、かつ水溶性である有機溶媒にニトロセルロースを溶解し、該混合溶液に触媒を溶解後、炭素数1〜6のアルキルカルボン酸無水物からなるアシル化剤を滴下してニトロセルロース中の水酸基をアシル化する際、4−ジメチルアミノピリジンを触媒として原料ニトロセルロースに対して0.001〜10重量%用いることを特徴とする火薬用のアシル化ニトロセルロースの製造方法。
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