JP3846026B2 - 板ガラスの製造方法および該方法に使用する装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロート法によってガラス板を製造する方法およびそのための製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フロート法による板ガラスの製造は、溶融金属(通常、錫または錫合金)浴を収容する浴槽内に、溶融ガラスを制御された流量で連続的に流し入れ、溶融ガラスを帯状ガラス流(ガラスリボン)の状態で前進させ、前進させながら所定の幅や厚さに調整して所望の板ガラスを得るものである。
【0003】
従来、このフロート法による板ガラスの製造においては、溶融金属が酸化されると生じた酸化物が板ガラスに付着し欠点の一要因となるので、酸化を防止するために浴槽内の溶融金属浴上部の空間は還元性のガス(還元性は主に水素により実現される)で満たされている。このガスは、浴槽の天井構造に供給され、そこからレンガ壁(ルーフレンガ)のレンガ同士の間隙やルーフレンガと該レンガ壁内に設けられたヒータとの間隙を介して溶融金属浴の上部空間へと供給される。供給されたガスは、主に浴槽の出口やガスの排出のために設けられた排出口から浴槽外へ排出される。
【0004】
このような還元性ガスの導入によっても、溶融金属浴面のガラスリボンで覆われていない領域から蒸発した金属蒸気が浴槽内に混入した酸素により酸化され、生じた金属酸化物がガラスリボンに付着し、汚染することがある。そこでこの問題を解決するために、浴槽内の溶融金属浴面の上部空間をガラスリボンで覆われている領域の上部空間と覆われていない上部空間とに仕切る隔壁を設けるとともに、浴槽の側壁に排気用通気路を設け、還元性ガスをガラスリボンで覆われた領域の上部空間に供給し、前記隔壁の下端の間隙からガラスリボンで覆われていない領域の上部空間へ流出させ、そして側壁に設けられた通気路を介して浴槽外部へ排出するようにした板ガラス製造方法および装置が提案されている(特開昭50−3414)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭50−3414に開示された技術では、ガラスのエッジの位置が変動するため、雰囲気制御の充分な効果を得にくいという問題がある。すなわち、従来はガラスリボンの両縁部にトップロールを係合し、ガラスリボンが収縮するのを防止しながら厚みの調整を行っているが、この方法では、ガラスリボンのエッジの位置が変動する。上記技術では、隔壁をルーフレンガ等に固定して使用するのでこのような変動に対応できない。
【0006】
また、特開昭50−3414に開示された技術では、浴槽内の上部空間を還元性のガスで満たすので、浴槽内に設置されるヒータには耐還元性が要求される。すなわち、ヒータの構成部材が雰囲気ガス中の還元性物質(水素など)やガラスリボンや溶融金属面から揮散する物質と反応する結果、ヒータの劣化が進む。この劣化は高温ほど著しい。特に、通常使用されているSiCヒータは、還元性雰囲気や溶融金属面から揮散する物質(ハロゲンなど)との反応により劣化し易い。したがって、使用することができるヒータ等が著しく限定されるという問題がある。特に、通常用いられるSiCヒータの寿命が短く、短期間の使用により新品に交換する必要があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するものとして、第一に、浴槽に収容した溶融金属の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して帯状ガラス流を形成し、該帯状ガラス流を前進させて所定の幅および厚さに成形する工程を含む板ガラスの製造方法において、溶融ガラス流の幅方向のエッジ近傍に溶融金属の溝または畝を形成するように該溶融金属の流れを制御し、該溝または畝により帯状ガラス流が幅方向に広がろうとする力または狭まろうとする力を補償して帯状ガラス流のエッジを所定の位置に保持するとともに、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間の雰囲気を、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間の雰囲気から実質的に遮断することを特徴とする板ガラスの製造方法を提供する。これにより、ガラスのエッジの位置が変動しないため、雰囲気制御の充分な効果を得ることができる。
【0008】
本発明においては、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間のガスの組成が不活性な組成であり、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間のガスの組成が還元性の組成であることが好ましい。これにより、ヒータの長寿命化を図ることができる。
【0009】
また、本発明は、第二に、前記発明を実施するための装置として、ほぼ密閉された浴槽内に収容された溶融金属浴上に溶融ガラスを供給し、該溶融ガラスを帯状のガラス流として前進させ、所定の幅および厚さに成形する板ガラスの製造装置であって、溶融金属浴内には、帯状ガラス流のエッジにほぼ沿って、溶融金属を略鉛直方向に吹き出しもしくは吸引が可能な吹き出し・吸引手段が設けられており、また帯状ガラス流のエッジ部のほぼ上方に該エッジにほぼ沿って、溶融金属浴面の帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る仕切りが設けられている板ガラスの製造装置を提供する。
また、本発明は、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間のガスの組成が不活性な組成であり、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間のガスの組成が還元性の組成である板ガラスの製造装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間の雰囲気が、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間の雰囲気から実質的に遮断されている。これを実現するために、本発明の製造装置にはそれぞれの空間を仕切る仕切りが設けられている。本発明で使用される「仕切り」はレンガなどの固体物でできた仕切り板であってもよいし、例えば、幕状に不活性ガス等を流出させて形成されるエアカーテンであってもよい。また、仕切られたそれぞれの空間に独立に所定ガスの供給路および排出路が設けられることが好ましい。後述の実施例では、浴槽の天井構造からガスが供給され、各空間ごとに設けられた排出管と浴槽の出口から排出されるように構成されているが、これらの供給路や排出路の形態は何ら制限されない。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、溶融金属浴面の上部空間がガラスリボンに覆われた領域(リボン領域という)の上部とガラスリボンで覆われていない領域(リボンサイドという)の上部とに隔壁(仕切り)で仕切られ、リボン領域の上部空間には、ヒータやガラスとの反応性のない不活性な組成のガスを供給し、リボンサイドの上部空間には、ガラスリボンの欠点の原因となる金属酸化物を還元したり、溶融金属の酸化を防止する、溶融金属よりも酸素との反応性の高い還元性の組成のガスを別々に供給する。
【0012】
また、同時に溶融ガラス流の幅方向のエッジ近傍に溶融金属の溝または畝を形成するように該溶融金属の流れを制御し、この畝または溝と帯状ガラスとを係合させ、帯状ガラス流が幅方向に広がろうとする力または狭まろうとする力を補償して帯状ガラス流のエッジを所定の位置に保持する。具体的には、欧州特許公開0792842号に記載された方法および装置が採用できる。
【0013】
図1はフロート法による板ガラス製造装置の水平断面図であり、帯状ガラス流の両エッジが本発明の方法により所定位置に保持されている例を示す。以下、この例に即して、帯状ガラス流が幅方向に狭まろうとしている場合と、逆に広がろうとしている場合のエッジ保持の方法について説明する。
【0014】
(1)帯状ガラス流が幅方向に狭まろうとしている場合
図2は、図1におけるA−A’断面図、すなわち、溶融金属の浴槽1に満たされた溶融金属浴2上を流れる帯状ガラス流3の幅方向の部分断面図である。図2において、溶融金属浴2内にその浴面4に対してほぼ垂直な方向であって浴槽の底に向かう溶融金属の流れ5aを生じさせると、帯状ガラス流のエッジ部3aの下面に負圧が生じる。この負圧により、エッジ部3aの溶融金属浴面レベル4が、中央部の浴面レべル4bに比べてやや低い、浴面レベル4aになる。低くなったところには溶融ガラスが流入するので、エッジ部3aの厚さが中央部3bより厚くなる。この厚み偏差が引力(矢印7)となって、表面張力に基づいて、帯状ガラス流が幅方向に狭まろうとする力(矢印6)を補償する。その結果、帯状ガラス流のエッジはこの位置に保持される。
【0015】
このようにして、帯状ガラス流のエッジ近傍における溶融金属浴面レベルを中央部におけるそれよりも低くする制御は、例えば平衡厚さより薄いガラスを製造する場合や溶融ガラス引き出し量が多い場合で、帯状ガラス流の幅方向の引力が優勢であるときに必要になる。
【0016】
(2)帯状ガラス流が幅方向に広がろうとしている場合
図3は、図2と同様に、図1におけるA−A’断面図であるが、図2とは溶融金属の流れ方向が逆である。すなわち、図3において、溶融金属浴2内にその浴面4に対してほぼ垂直に向かう溶融金属の流れ5bを生じさせると、該エッジ部3aの下面に正圧が生じる。この正圧により、エッジ部3aの溶融金属浴面レベル4が、中央部の浴面レベル4bに比べてやや高い、浴面レベル4aになる。高くなった所からは溶融ガラスが流出するので、エッジ部3aの厚さが中央部3bより薄くなる。この厚み偏差が圧力(矢印8)となって、帯状ガラス流が幅方向に広がろうとする力(矢印9)を補償する。その結果、帯状ガラス流のエッジはこの位置に保持される。
【0017】
このように、帯状ガラス流のエッジ近傍における溶融金属浴面レベルを中央部のそれより高くする制御は、例えば平衡厚さよりも厚いガラスを製造する場合や、帯状ガラス引出し量が少ない場合で、帯状ガラス流の幅方向の圧力が優勢であるときに必要になる。
【0018】
前記溶融金属の流れ5aまたは5bは、例えばエッジ部3a直下から鉛直方向に下に延びる樋(導管)を設け、適当な駆動手段で溶融金属を上方向または下方向に流して形成する。流路を通る溶融金属の流れの方向および流量を調整することにより、エッジ近傍における浴面レベルの高低とその程度を制御することができ、ひいては溶融ガラス流が幅方向に狭まろうとする力6または広がろうとする力9をそれぞれ補償する大きさの引力7または圧力8を生み出させることができる。
【0019】
より具体的には、前記流路は、例えば図2および図3に示されるような樋10により形成される。樋の材質としては、溶融金属との反応性の低いもの、または反応性のないものであればよく、例えばアルミナ質、粘度質、シリマナイトなどの煉瓦ならびにカーボンが挙げられる。駆動手段として後述のリニアモータを用いて樋10に磁界を作用させる場合には、樋の材質は非磁性体かつ非導電体であることが好ましいので、カーボンまたは煉瓦が好適である。
【0020】
樋10の中を流れる溶融金属の方向および流量を調整する駆動手段には、例えば電動ポンプおよびリニアモータが挙げられ、これらのなかでは溶融金属を非接触で直接駆動でき、かつ、流量制御が容易である点でリニアモータが好ましい。ここで、リニアモータは、櫛歯状の一次鉄心にコイルを形成し、このコイルに三相交流電圧を印加し、コイルを順次磁化することにより、一定の方向に移動する磁界を発生するものであり、例えばリニアインダクションモータおよび電磁ポンプとして実用化されている。例えば、リニアモータを用いて50Hz、75×10 -4 Tの交流磁界を樋に作用させると、溶融金属のレベル差を約4mm設けることができる。本発明において、溶融金属のレべル差は、通常、1〜10mmの範囲でよく、錫などの溶融金属の駆動に要するエネルギーを節約する点で、好ましくは1〜8mmである。
【0021】
本発明では、さらに帯状ガラス流のエッジ部3a近傍に静磁界を印加することが好ましい。エッジ保持部近傍の溶融金属の流れをなるべく止めることにより、溶融金属浴面の形状を安定させ、より安定なエッジ保持が可能となる。この磁界の大きさは、通常、0.15T以下でよく、好ましくは0.05T以上である。
【0022】
本発明の製造方法を実施するに当たっては、成形域(図1においてYの領域)の前段の高温域(図1においてXの領域)においても、帯状ガラス流のエッジ近傍における溶融金属レベルを該ガラス流の中央部における溶融金属レベルと上述した方法により異ならせて、すなわち高めたり低めたりして、帯状の溶融ガラス流が幅方向に広がろうとする力または狭まろうとする力を補償することにより、該エッジを所定の位置に保持、拡幅することができる。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明のガラス板の製造方法を具体的に説明する。
【0024】
図1〜図7に示した板ガラス製造装置を使用して、板ガラスの製造を行った。図2、図3において、樋10の材質は、カーボンである。樋10の開口11は、帯状ガラス流のエッジ部3aのほぼ直下に、溶融ガラスを槽内に流入していないときの浴面レベルから10mmの位置にある。一般に5〜25mmの位置が好ましい。また、樋10の開口の幅は25mmである。一般に5〜50mmの範囲が好ましい。開口11は溶融金属の流出入が円滑に行われる位置で、かつ、溶融ガラス流のエッジ部に沿って配置されている。樋10の鉛直部10aは下方に延び、浴槽の底で帯状ガラス流の進行方向に垂直に浴槽縁部側に屈曲し水平部10bが伸びて開口している。
【0025】
樋10の浴槽底面の下には、樋10の水平部10b内にある溶融金属に対して駆動力が作用するような位置にリニアモータ12が配置される。リニアモータ12により、樋10内部の溶融金属がエッジ部直下から浴槽縁部に向かって流れるように、またはその反対方向に流れるように、溶融金属を付勢することができる。
【0026】
平衡厚さより薄いガラス板の製造の場合には、鉛直部の開口11から溶融金属が吸い込まれるような溶融金属の流れ5aを生じさせる。エッジ部3aの溶融金属浴面レベル4aが中央部の浴面レべル4bに比べてやや低くなり、エッジ部3aの板厚が中央部より厚くなる。この厚み偏差が帯状ガラス流の幅方向に引力を生じさせ、帯状ガラス流のエッジは保持される。
【0027】
その後、帯状ガラス流は、板厚の変化しなくなる温度まで冷却され、下流の徐冷域へ送られる。
【0028】
平衡厚さより厚いガラス板を製造する場合には、リニアモータ12により、樋10の鉛直部の開口11から溶融金属が流出するような溶融金属の流れ5bを生じさせる。エッジ部3aの溶融金属浴面レベル4aが中央部の浴面レベル4bに比べてやや高くなり、エッジ部3aの板厚が中央部より薄くなる。この厚み偏差が帯状ガラス流の幅方向に圧力を生じさせ、帯状ガラス流のエッジは保持される。
【0029】
また、同時に図4〜図7に示すように溶融金属浴上部の雰囲気を制御した。図4は該装置の長手方向の縦断面図であり、図5は図4におけるII−II’線に沿う水平断面図であり、図6は図5におけるIII−III’線に沿う横断面図である。そして、図7は、図4におけるIV−IV’線に沿う水平断面図である。
【0030】
浴槽1には溶融金属浴2が収容され、該溶融金属浴2に溶融ガラス23がツイール35により制御されつつリップ36から供給され、図4の左側から右方向へ前進させられ、帯状ガラス流3を形成し、右方の出口32から取り出される。浴槽1の天井構造(ルーフ)26は、天井壁27を構成するレンガ壁(ルーフレンガ)により、溶融金属浴2の上部に展開する空間から通気可能な状態で隔てられている。図5および図6からわかるように、溶融金属の上部空間は、帯状ガラス流3のエッジ部のほぼ上方に垂直に設けられた隔壁25a、25bにより、帯状ガラス流3で覆われた領域の上部空間Aと、覆われていない上部空間Bとに仕切られている。隔壁25aおよび25bは上端は天井壁27に届いていて、気密になっているが、下端は帯状ガラス流3のエッジ部には届かず、間隙が設けられている。この間隙の寸法は約1〜300mmの間で、装置操作や監視などに支障のない範囲で小さい方が好ましい。この隔壁は浴槽内の高温に耐える必要があるので、炭化ケイ素、耐熱レンガ、カーボン等の耐火物が望ましい。また、隔壁の厚さは1mm以上あればよく、好ましくは5〜100mmである。
【0031】
天井構造26は、主に天井壁27と、それとの間に空間が生じるように設けられたケーシング28とからなり、該空間は前記の隔壁25aおよび25bにそれぞれ対応する隔壁29aおよび29bにより長手方向に仕切られ、空間Aに対応する空間aと空間Bに対応する空間bが形成されている。ケーシング28にはガス供給管30が設けられ、空間aには不活性ガスが供給され、空間bには還元性ガスが供給される。これらのガスは、天井壁27をヒータ31と天井壁27内部の間隙や天井壁27同士の間隙を介して通過し、溶融金属浴2上の空間AまたはBに流れる。隔壁25aと25bはそれらの下端が帯状ガラス流3との間に微小な間隙を残すだけであるので、空間Aのガスと空間Bのガスが相互に混合することは実質的になく、浴槽1の後部にある出口32と各空間(AまたはB)毎に設けられた排出路(排出管33)を介して浴槽外部へと排出される。このようにして、浴槽内のリボン領域の上部空間は不活性の雰囲気に保持され、リボンサイドの上部空間は還元性の雰囲気に保持される。
【0032】
図4および図7からわかるように、この実施例の装置では、天井構造内の空間が幅方向に複数の(この実施例では三枚の)隔壁34によっても仕切られている。これらの幅方向の隔壁は天井構造にのみ設けられ、溶融金属浴上の空間には存在しない。このような天井構造に設けられた幅方向の隔壁は本発明にとり必須ではないが、望ましいものである。天井構造に設けられる隔壁の材料としては、鉄系材料等が用いられる。例えば、浴槽内のリボン領域の上部にあたる部屋には窒素100%のガスを供給し、浴槽内のリボンサイドの上部にあたる部屋には例えば水素10%、窒素90%のガスを供給する。このような幅方向の仕切りによって、リボン領域の上部空間に供給する不活性ガスおよびリボンサイドの上部空間に供給される還元性ガスの組成、流量を、帯状ガラス流の進行段階に応じて適宜調整することができる。すなわち、天井構造内にある不活性ガスを供給するための空間aを図4に示すように部屋a1、a2、a3およびa4に仕切り、各部屋ごとに不活性ガスの組成、流量等を調整する。例えば、窒素100%からなるガスを部屋ごとに流量を変えて供給する。同様に、還元性ガスを供給するための空間bを図4に示すように部屋b1、b2、b3およびb4と仕切り、各部屋ごとに還元性ガスの組成、流量を調整する。還元性ガスは、通常、水素4〜10%、窒素96〜90%で構成される。代表的には、水素10%、窒素90%のガスを供給する。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、リボン領域の上部空間のガスはリボンサイドの上部空間のガスと安定して融絶されるため、溶融金属面からの揮散物質や上記の酸化物が帯状ガラス流上に落下したり、付着することを確実に防止することができる。
【0034】
また、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間のガスの組成を不活性なものとし、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間のガスの組成を還元性のものとすれば、リボン領域上部空間が不活性ガス雰囲気とされるので、従来の還元性雰囲気では使用不可能であったヒータも使用することができる。また、汎用性の高いSiCヒータを劣化の加速を懸念することなく使用することができる。
【0035】
また、この場合、リボン領域の上部空間を不活性ガスとするため、水素などの還元性ガス資源の消費を抑制することができ、コスト的にも有利である。
【0036】
さらに、還元性ガス雰囲気とする空間がリボンサイドの上部のみとなるため、例えば、従来法と等量の還元性ガスを使用する場合、リボンサイドの上部空間の還元性ガス濃度を大幅に高めることができ、ひいては溶融金属の酸化防止や還元(浄化)の効果を高めることができるなど、還元性ガスの使用効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板ガラス製造装置の水平断面図である。
【図2】図1の装置におけるA−A’断面図である。
【図3】図1の装置におけるA−A’断面図である。
【図4】本発明に係る板ガラス製造装置の一例の長手方向の縦断面図である。
【図5】同製造装置の図4におけるII−II’線に沿う水平断面図である。
【図6】同製造装置の図5におけるIII−III’線に沿う横断面図である。
【図7】同製造装置の図4におけるIV−IV’線に沿う水平断面図である。
【符号の説明】
2:溶融金属浴
3:帯状ガラス流
3a:ガラスエッジ保持部
10:樋
Claims (4)
- 浴槽に収容した溶融金属の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して帯状ガラス流を形成し、該帯状ガラス流を前進させて所定の幅および厚さに成形する工程を含む板ガラスの製造方法において、溶融ガラス流の幅方向のエッジ近傍に溶融金属の溝または畝を形成するように該溶融金属の流れを制御し、該溝または畝により帯状ガラス流が幅方向に広がろうとする力または狭まろうとする力を補償して帯状ガラス流のエッジを所定の位置に保持するとともに、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間の雰囲気を、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間の雰囲気から実質的に遮断することを特徴とする板ガラスの製造方法。
- 請求項1に記載の方法において、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間のガスの組成が不活性な組成であり、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間のガスの組成が還元性の組成である製造方法。
- ほぼ密閉された浴槽内に収容された溶融金属浴上に溶融ガラスを供給し、該溶融ガラスを帯状のガラス流として前進させ、所定の幅および厚さに成形する板ガラスの製造装置であって、溶融金属浴内には、帯状ガラス流のエッジにほぼ沿って、溶融金属を鉛直方向に吹き出しもしくは吸引が可能な吹き出し・吸引手段が設けられており、また帯状ガラス流のエッジ部のほぼ上方に該エッジにほぼ沿って、溶融金属浴面の帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間と覆われていない領域の上部空間とを仕切る仕切りが設けられている板ガラスの製造装置。
- 請求項3に記載の板ガラスの製造装置において、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われた領域の上部空間のガスの組成が不活性な組成であり、溶融金属浴面のうち帯状ガラス流で覆われていない領域の上部空間のガスの組成が還元性の組成である板ガラスの製造装置。
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1998
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