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JP4924979B2 - フロート板ガラスの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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JP4924979B2 - フロート板ガラスの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロート法によって製造されるフロート板ガラスの製造装置及び製造方法に関する。
フロート法による板ガラスの製造装置は、浴槽に収容された溶融錫等の溶融金属上に溶融ガラスを連続供給して溶融金属上を浮遊進行させ、このときに、自己の表面張力に応じた平衡厚さ(約7mm)に達した或いは平衡厚さに達しようとしている、又は平衡厚さ以上の溶融ガラスリボンを、浴槽の出口に隣接した徐冷レアーに向けて引っ張ることにより一定幅の帯状板ガラスを製造する装置である。
ところで、フラットパネルディスプレイ(FPD)用板ガラスのような、例えば厚み0.1〜1.1mmの薄板ガラスに好適な製造装置が特許文献1に開示されている。この製造装置は、溶融ガラスリボンの両側エッジ部に沿った溶融金属の浴面に凹部を形成し、この凹部に両側エッジ部を流入させて保持しながら、すなわち、溶融ガラスリボンの幅方向に狭まろうとする力を補償しながら所定の薄板ガラスに成形する。
この製造装置は、溶融金属の浴面に前記凹部を形成する手段として、縦方向流路と横方向流路とを備えた樋状体、及び溶融金属に駆動力を与えるリニアモータを備えている。樋状体を浴槽の炉床に設置するとともに、リニアモータを浴槽の下方に設置し、リニアモータの移動磁界を、樋状体の横方向流路内の溶融金属に与え、樋状体の縦方向流路内の溶融金属を浴面に対して略鉛直方向に吸引することにより、縦方向流路の上方に前記凹部を形成している。
特開平10−236832号公報
しかしながら、特許文献1等に開示されたフロート板ガラスの製造装置は、浴槽内に設置され溶融錫の流路となる樋状体、及び浴槽の炉床を構成するボトム煉瓦等の熱変形により、樋状体の横方向流路の底面とボトム煉瓦との間に隙間が生じる場合がある。このような隙間が生じると、隙間に存在する溶融金属がリニアモータによって駆動されるため、横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動させることができなくなるという問題が生じる。
また、樋状体の横方向流路内の溶融金属がボトム煉瓦と接するように樋状体が構成された製造装置の場合には、横方向流路の外側から横方向流路内に前記隙間を介して溶融金属が侵入する。このため、同様に、横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動させることができないという問題が生じる。
更に、前記熱変形によって樋状体とボトム煉瓦とが強く接触し樋状体の横方向流路が損傷した場合にも、その損傷部を介して横方向流路の外側から横方向流路内に溶融金属が侵入するため、横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動させることができないという問題が生じる。このような不具合の結果、従来の製造装置では、溶融金属の浴面に安定した凹部を形成することが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、樋状体の横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動することにより、溶融金属の浴面に安定した凹部を形成することができるフロート板ガラスの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、浴槽に収容した溶融金属の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して溶融ガラスリボンを形成し、該溶融ガラスリボンを前進させて目標厚さの板ガラスに成形するフロート板ガラスの製造装置であって、前記浴槽に設置されるとともに前記溶融ガラスリボンのエッジに沿って溶融金属を略鉛直方向に吸引する縦方向流路と該縦方向流路から吸引された溶融金属を溶融ガラスリボンのエッジの外側方向且つ水平方向に流出させる横方向流路とからなる樋状体を備えたフロート板ガラスの製造装置において、前記樋状体はその底面が、前記浴槽の炉床を構成するボトム煉瓦と所定の間隔の隙間をもって位置され、該隙間には、前記横方向流路の周囲から横方向流路側に溶融金属が侵入するのを防止するための浮き部材が配置されていることを特徴とするフロート板ガラスの製造装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、樋状体はその底面が、浴槽の炉床を構成するボトム煉瓦に位置され、いわゆる縁切された状態で浴槽内に浸漬配置されている。この配置構成において、樋状体の底面とボトム煉瓦との間に、所定の間隔の隙間を意図的に設けておき、そして、この隙間に浮き部材を配置して隙間を浮き部材によって閉止することにより、樋状体の横方向流路の周囲から横方向流路側に溶融金属が侵入するのを防止する。これにより、樋状体やボトム煉瓦が熱変形を起こしても、樋状体の底面とボトム煉瓦との間には元々隙間が設定され、そして、この隙間が熱変形の想定の範囲で増減しても、浮遊する浮き部材によってその隙間が確実に閉止される。したがって、請求項1に記載のフロート板ガラスの製造装置は、樋状体の横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動することができるので、溶融金属の浴面に安定した凹部を形成できる。
請求項1に記載した「横方向流路側」とは、横方向流路内の溶融金属がボトム煉瓦に接して流れるように構成された樋状体の場合には、「横方向流路(図4の符号34参照)内」を意味し、横方向流路内の溶融金属がボトム煉瓦に接しないように構成された樋状体の場合には、「横方向流路(34)とボトム煉瓦(50)との間の隙間」を意味する(図5参照)。
また、請求項1に記載した浮き部材は、溶融金属よりも比重が軽く且つ溶融金属に対して化学的に安定使用できるものでれば、如何なる材質のものであっても使用できる。例えば、溶融金属として溶融錫を使用する場合には、浮き部材の材質としてカーボン、セラミックス、耐火煉瓦を例示できる。また、浮き部材は、中実であっても中空であってもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記樋状体は、前記横方向流路内の溶融金属が前記ボトム煉瓦に接して流れるように構成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、特に樋状体の横方向流路内の溶融金属がボトム煉瓦に接して流れるように構成された製造装置(図4参照)を対象としている。よって、樋状体の構成が比較的簡単であり、前記隙間は浮き部材によって閉止されるので、横方向流路の外側から横方向流路内に前記隙間を介して溶融金属が侵入するのを防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記隙間は、2〜20mmに設定されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、樋状体とボトム煉瓦の熱変形によりお互いが緩衝して樋状体、ボトム煉瓦が損傷しない隙間の下限値が2mmであり、また、隙間の上限が20mmを超えると隙間が大きくなり、浮き部材が隙間を閉止し難くなる場合がある。よって、隙間を2〜20mmに設定することが好ましく、また、安全率を考慮すれば5〜15mmに設定することがより好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3において、前記隙間に配置された浮き部材は、前記ボトム煉瓦に形成された溝内に納められていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、ボトム煉瓦に溝を形成し、この溝内に浮き部材を配置し、溝内で浮き部材が浮沈して隙間を閉止する。よって、浮き部材は隙間から外れることなく隙間を閉止する。図6に溝60、隙間56及びその寸法aを示す。すなわち、隙間の大きさ(寸法)は、ボトム煉瓦表面と樋状体底面との間隔を言う。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記浮き部材は略円柱状の棒状体で構成され、前記溝は断面凹状に形成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、浮き部材を略円柱状の棒状体で構成し、溝を断面凹状に形成しているため、横方向流路側で溶融金属が駆動されることによって生じる負圧により、浮き部材は、樋状体の底面と溝の壁面の二点で接触するとともに、この二点箇所において押圧される。これにより、隙間を確実に閉止することができる。また、隙間を20mmを超えた値に設定すると、浮き部材及び溝がそれに応じた大きさに加工、製作しなければならないため、加工工数、製作費の観点からも隙間を20mm以下とすることが好ましい。
請求項6に記載の発明は、前記目的を達成するために、請求項1、2、3、4又は5のうちいずれか一つに記載のフロート板ガラスの製造装置を用いてフロート板ガラスを製造するフロート板ガラスの製造方法を提供する。この製造方法によれば、溶融金属の浴面に安定した凹部を形成できるので、板厚の安定した薄板ガラスを製造することができる。
請求項7に記載の発明は流体循環装置の発明であり、浴槽に流体を収容するとともに流路体を位置させ、該流路体に形成された横方向流路に沿って前記流体を前記浴槽内で循環させる流体循環装置において、前記流路体の底面が、前記浴槽の底面と所定の間隔の隙間をもって位置され、該隙間には、前記横方向流路の周囲から横方向流路内に流体が侵入するのを防止するための浮き部材が配置されていることを特徴としている。
請求項1〜6に記載の発明は、フロート板ガラスの製造に特化した発明であるが、請求項7に記載の発明は、フロート板ガラスの製造に限定するものではなく、請求項1〜6に記載した発明に対して特定発明を同一とする、技術的関係を有する流体循環装置の発明である。すなわち、請求項7に記載の発明は、流体を収容する浴槽、流路体、流路体の底面と浴槽の底面との間の隙間を閉止する浮き部材とを備え、流路体の横方向流路の周囲から横方向流路側に流体が侵入するのを浮き部材が防止する。
本発明に係るフロート板ガラスの製造装置及び製造方法によれば、樋状体をその底面が、浴槽の炉床を構成するボトム煉瓦と所定の間隔の隙間をもって位置させ、この隙間に、樋状体の横方向流路の周囲から横方向流路側に溶融金属が侵入するのを防止する浮き部材を配置したので、樋状体の横方向流路内の溶融金属を効率よく駆動することができる。よって、溶融金属の浴面に安定した凹部を形成することができる。
以下添付図面に従って、本発明に係るフロート板ガラスの製造装置及び製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、フロート法により板ガラスを製造する板ガラス製造装置10の平面図が示されている。FPD用の板ガラスは、一般に約0.1〜1.1mmの板厚が要求され、また、平坦度も高精度に要求される。この板ガラス製造装置10は、樋状体12を利用した装置が適用され、この板ガラス製造装置10によれば、FPD用板ガラスとして要求される板厚、平坦度を満足する板ガラスを製造することができる。
板ガラス製造装置10の樋状体12は、浴槽14の内部に配設され、浴槽14に収容された溶融錫(溶融金属)16に浸漬配置されるとともに、溶融ガラス炉から浴槽14の供給口18へ連続供給された溶融ガラスリボン20の両側エッジ22、22に沿って配置されている。また、溶融ガラスリボン20は、溶融錫16の浴面上を徐冷レヤーの方向(図1のX方向)に引っ張られながら進行し、エッジ22、22が浴面24の凹部26に保持され、溶融ガラスリボン20の幅方向に狭まろうとする力が補償される。また、凹部26によってエッジ22が保持された溶融ガラスリボン20は、板厚、幅が調整され、その後、安定した状態で浴槽後段に送られながら冷却されて徐冷レヤーへ送られる。
実施の形態のガラスは、無アルカリガラス又はソーダライムガラス等であり、溶融錫16及びガラスリボン20は、電気ヒータ(不図示)によって800〜1300℃に加熱されている。
図2は、図1のF−F断面図であり、図3は図1のG−G断面図である。これらの図に示すように、樋状体12は断面略L字状に形成されるとともに、入口28が形成された縦方向流路30、及び出口32が形成された横方向流路34(図2)と、縦方向流路30に相当する位置に貫通孔36が形成された循環用流路38(図3)とが形成されている。
また、浴槽14の底部で樋状体12の横方向流路34の下方にはリニアモータ40が設置され、このリニアモータ40から与えられる移動磁界によって横方向流路34内の溶融錫16に駆動力が与えられ、溶融錫16が樋状体12の縦方向流路30と横方向流路34とにおいて矢印Hで示す方向に流動される。
この動作により、浴面24に対して略垂直な方向であって、浴槽14の底に向かう溶融錫16の流れが発生するので、溶融ガラスリボン20のエッジ22の下方に負圧が発生し、この負圧によって、エッジ22近傍の溶融錫16の浴面レベルがその周囲の浴面レベルよりも低くなる。そして、この低くなった浴面24の凹部26に溶融ガラスリボン20のエッジ22が流入する。これにより、溶融ガラスリボン20のエッジ22が凹部26に保持されるので、溶融ガラスリボン20の幅広化が達成でき、幅方向に保持されながら徐冷レヤーの方向に引っ張られることにより、平衡厚さよりも薄い板厚(0.1〜1.1mmの板厚)の板ガラスに製造される。
樋状体12の材質は、溶融錫16に対して反応性の低いもの、又は反応がないもの、及び高温耐性のあるものであればよく、アルミナ、シリマナイト(珪線石)、粘土質などの煉瓦並びにカーボンを例示できる。実施の形態ではリニアモータ40を用い、樋状体12に磁界を作用させるため、樋状体12の材質は非磁性体であることを要し、また、大型である故に加工性がよいことを要するので、カーボンが適用されている。
リニアモータ40は、溶融錫16を非接触で直接駆動でき、流量制御が容易である利点がある。リニアモータ40は、櫛歯状の一次鉄心にコイルを形成し、このコイルに三相交流電圧を印加し、コイルを順次磁化することにより、一定の方向に移動する磁界を発生する。このリニアモータ40は、浴槽14の炉床を構成するボトム煉瓦50、50…及びボトム煉瓦50、50…を覆うボトムケーシング52の下方に設置され、樋状体12の横方向流路34内にある溶融錫16に対して駆動力(付勢力)が作用するような位置に配置されている。これにより、縦方向流路30及び横方向流路34内の溶融錫16は、リニアモータ40の駆動力によって、矢印Hの如く溶融ガラスリボン20のエッジ22の直下から浴槽14の側壁15に向かって流動する。
樋状体12は、縦方向流路30及び横方向流路34の他、循環用流路38を有している。この循環用流路38は、縦方向流路30に相当する位置に形成された貫通孔36を介して溶融ガラスリボン20のエッジ22の浴槽中央側部14Bに連通されているため、浴槽縁部14Aと浴槽中央側部14Bとが、循環用流路38及び貫通孔36を介して連通されている。したがって、図2、図3の如く横方向流路34の出口32から流出し、浴槽14の側壁15によって流動方向が変えられた溶融錫16は、その一部が矢印Iの如く循環用流路38に導入され、貫通孔36を介して浴槽中央側部14Bに導かれる。また、残り溶融錫16は矢印Jの如く浴槽縁部14Aに流出し、縦方向流路30の入口28に吸引される。
また、循環用流路38は、図1の破線で示すように溶融ガラスリボン20の流動方向に所定の間隔をもって複数形成されている。循環用流路38の形成間隔は、縦方向流路30の入口28において、吸引される溶融錫に乱れを発生させない間隔、凹部26の凹形状に影響を与えない間隔に設定されているとともに、浴槽縁部14Aと浴槽中央側部14Bとから縦方向流路30の入口28に流入する双方の流量のバランスが、入口の全長にわたって略均一で且つエッジ保持に関して最適になる間隔に設定されている。循環流路は例えば、0.3〜1mごとに設けることができる。
溶融錫16の流出の制御は、板ガラス製造装置10の稼働前に、予め制御し設定しておいてもよし、板ガラス製造装置10の稼働後に、ガラス生産を行いながら制御し設定してもよい。
このように構成された樋状体12によれば、樋状体12の横方向流路34の出口32から浴槽縁部14Aに流出した溶融錫16のうちの一部の溶融錫16は、入口28にて発生している吸引力により、循環用流路38及び貫通孔36を介して浴槽中央側部14Bに導かれ、入口28に吸引される。これにより、図4の如く浴槽縁部14Aから入口28に流入する溶融錫16の流量q1と、浴槽中央側部14Bから入口28に流入する溶融錫16の流量q2とがバランスが取れ、溶融ガラスリボン20の進行方向に沿う双方の流量q1、q2の流量が略均一となり、浴面24にエッジ保持に好適な形状の凹部26が樋状体12の全長にわたって且つ溶融ガラスリボン20の進行方向に沿って略均一に形成されるので、エッジ22の全長が凹部26に安定して保持される。したがって、FPD用板ガラスとして要求される板厚、平坦度を満足する板ガラスを製造できる。なお、図4は、図2、図3に示した樋状体の断面を簡略化して図示した模式図である。
また、溶融ガラスリボン20の流動方向に所定のブロック毎に温度が設定されている場合には、前記ブロックに相当する位置に循環用流路38が少なくとも一つ設けられていれば、前記ブロック毎の温度分布を一定に保つことができ、安定したガラス品質が得られる。
ところで、実施の形態の板ガラス製造装置10は、樋状体12の横方向流路34内の溶融錫16を効率よく駆動して溶融錫16の浴面に安定した凹部26を形成するために、以下の構成を備えている。
すなわち、図2〜図4、図6に示すように樋状体12はその底面12Aが、浴槽14の炉床を構成するボトム煉瓦50、50…と所定の隙間の隙間56をもって位置される。この隙間56には、横方向流路34の周囲から横方向流路34内に溶融錫16が侵入するのを防止するための浮き部材58が配置されている。
このような浮き部材58による隙間閉止構造によれば、樋状体12はその底面12Aが、ボトム煉瓦50に位置され、いわゆる縁切された状態で浴槽14内に浸漬配置されている。この配置構成において、樋状体12の底面12Aとボトム煉瓦50との間に、所定の間隔をもって隙間56を意図的に設けておき、そして、この隙間56に浮き部材58を配置して隙間56を浮き部材58によって閉止する。これにより、樋状体12の横方向流路34の周囲から横方向流路34内に溶融錫16が侵入するのを防止することができる。
したがって、樋状体12やボトム煉瓦50が熱変形を起こしても、樋状体12の底面12Aとボトム煉瓦50との間には元々隙間56が設定され、そして、この隙間56が熱変形の想定の範囲で増減しても、浮遊する浮き部材58によってその隙間56を確実に閉止できる。よって、実施の形態の板ガラス製造装置10は、樋状体12の横方向流路34内の溶融錫16を効率よく駆動することができるので、溶融錫16の浴面に安定した凹部26を形成できる。
この浮き部材58は、溶融錫16よりも比重が軽く且つ溶融錫16に対して化学的に安定使用できるものでれば、如何なる材質のものであっても使用できる。例えば、浮き部材58の材質としてカーボン、セラミックス、耐火煉瓦を例示できる。また、浮き部材58は、中実であっても中空であってもよい。
また、隙間56は、2〜20mm(図6のaで示す寸法)、好ましくは5〜15mmに設定されている。この寸法について説明すると、樋状体12とボトム煉瓦50の熱変形によりお互いが緩衝して樋状体12、ボトム煉瓦50が損傷しない隙間56の下限値が2mmであり、また、隙間56の上限が20mmを超えると隙間56が大きくなり、浮き部材58が隙間56を閉止し難くなる場合がある。この理由から隙間56が2〜20mmに設定され、そして、安全率を考慮して5〜15mmに設定されている。
更に、浮き部材58は、ボトム煉瓦50に形成された溝60内に納められている。このようにボトム煉瓦50に溝60を形成し、この溝60内に浮き部材58を納めれば、溝60内で浮き部材58が溶融錫16に対して浮沈して隙間56を閉止する。よって、浮き部材58は隙間56から外れることなく隙間56を閉止する。なお、溝を樋状体12の底面12Aにも形成してもよい。
更にまた、図6の如く浮き部材58は略円柱状の棒状体で構成され、溝60は断面凹状に形成されている。この形状に特定することにより浮き部材58は、横方向流路34内で溶融錫16が駆動されることによって生じる負圧により、樋状体12の底面12Aと溝60の壁面60Aの二点で接触するとともに、この二点箇所A、Bにおいて押圧される。これにより、隙間56を確実に閉止することができる。また、隙間56を20mmを超えた値に設定すると、浮き部材58及び溝60がそれに応じた大きさに加工、製作しなければならない。したがって加工工数、製作費の観点からも隙間56を20mm以下とすることが好ましい。
以上の如く構成された板ガラス製造装置10を使用することにより、溶融錫16の浴面に安定した凹部26を形成できるので、板厚の安定した薄板ガラス20を製造することができる。
なお、実施の形態では、横方向流路34内の溶融錫16がボトム煉瓦50に接して流れるように構成された樋状体12について説明したが、これに限定されるものではなく、図5の如く横方向流路34内の溶融錫16がボトム煉瓦50に接しないように構成された樋状体12でも適用できることは言うまでもない。
また、図2〜5には、樋状体12の浴槽中央側部14B側からの溶融錫16の侵入を防止するように浮き部材58を配置したことが示されているが、浮き部材58の配置位置はこれに限定されるものではない。例えば、浴槽供給口18側や浴槽後段側における樋状体12の端部や、樋状体12が溶融ガラスリボン20の流動方向に複数独立して設けられている場合には、溶融ガラスリボン20の流動方向側から侵入する溶融錫16を防止するように、横方向流路34に並行に浮き部材58を設ければよい。
更にまた、上記実施の形態は、フロート板ガラスの製造に特化した例について説明したが、本発明の上位概念を構成する特定発明の構成要件は、流体を収容する浴槽、流路体、流路体の底面と浴槽の底面との間の隙間を閉止し、流体が侵入するのを阻止する浮き部材である。このため、これらの構成要件を備えた、例えば、観賞用、養殖用の水槽(流体循環装置)であっても本発明を適用できる。
実施の形態の板ガラスの製造装置を示した平面図 図1のF−F線上から見た樋状体の断面図 図1のG−G線上から見た樋状体の断面図 図2、図3に示した樋状体の断面を簡略化した説明図 横方向流路内の溶融錫がボトム煉瓦に接しないように構成された樋状体の例の断面を簡略化した説明図 樋状体の底面とボトム煉瓦との間の隙間に浮き部材が配置された状態を示す拡大断面図
符号の説明
10…板ガラス製造装置、12…樋状体、14…浴槽、16…溶融錫、18…供給口、20…溶融ガラスリボン、22…エッジ、24…浴面、26…凹部、28…入口、30…縦方向流路、32…出口、34…横方向流路、36…貫通孔、38…循環用流路、40…リニアモータ、50…ボトム煉瓦、52…ボトムケーシング、56…隙間、58…浮き部材、60…溝

Claims (7)

  1. 浴槽に収容した溶融金属の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して溶融ガラスリボンを形成し、該溶融ガラスリボンを前進させて目標厚さの板ガラスに成形するフロート板ガラスの製造装置であって、前記浴槽に設置されるとともに前記溶融ガラスリボンのエッジに沿って溶融金属を略鉛直方向に吸引する縦方向流路と該縦方向流路から吸引された溶融金属を溶融ガラスリボンのエッジの外側方向且つ水平方向に流出させる横方向流路とからなる樋状体を備えたフロート板ガラスの製造装置において、
    前記樋状体はその底面が、前記浴槽の炉床を構成するボトム煉瓦と所定の間隔の隙間をもって位置され、該隙間には、前記横方向流路の周囲から横方向流路側に溶融金属が侵入するのを防止するための浮き部材が配置されていることを特徴とするフロート板ガラスの製造装置。
  2. 前記樋状体は、前記横方向流路内の溶融金属が前記ボトム煉瓦に接して流れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフロート板ガラスの製造装置。
  3. 前記隙間は、2〜20mmに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフロート板ガラスの製造装置。
  4. 前記隙間に配置された浮き部材は、前記ボトム煉瓦に形成された溝内に納められていることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載のフロート板ガラスの製造装置。
  5. 前記浮き部材は略円柱状の棒状体で構成され、前記溝は断面凹状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフロート板ガラスの製造装置。

  6. 請求項1、2、3、4又は5のうちいずれか一つに記載のフロート板ガラスの製造装置を用いてフロート板ガラスを製造することを特徴とするフロート板ガラスの製造方法。
  7. 浴槽に流体を収容するとともに流路体を位置させ、該流路体に形成された横方向流路に沿って前記流体を前記浴槽内で循環させる流体循環装置において、
    前記流路体の底面が、前記浴槽の底面と所定の間隔の隙間をもって位置され、該隙間には、前記横方向流路の周囲から横方向流路内に流体が侵入するのを防止するための浮き部材が配置されていることを特徴とする流体循環装置。
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