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JP3846040B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents
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JP3846040B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍空調用等の冷媒圧縮機あるいは空気圧縮機として用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の冷媒圧縮機は、図10に示すように、上部鏡板101,胴部102,下部鏡板103から構成される密閉容器104の内部に、圧縮機構105と、この圧縮機構105を駆動する電動機106が固定されている。この電動機106の電源は、密閉容器104に密封溶接されているキャップ形金属体107にガラスシール108で絶縁された導電ピン109を有する電源ターミナル110を介して外部電源(図示せず)から供給される。
【0003】
冷媒は冷凍サイクル(図示せず)につながる吸入管111から圧縮機構105に吸い込まれ、圧縮され、高圧となり密閉容器104内に吐き出され、吐出管112から冷凍サイクル(図示せず)に戻される。従って、この種の圧縮機の密閉容器の内部は高圧の冷媒で満たされている。
【0004】
このような圧縮機の冷媒としては、従来HCFC22が用いられてきたが、大気放出がオゾン層の破壊を招く可能性があるため、将来全廃することが決められている。このHCFC22の代替冷媒としては幾つかのHFC冷媒が候補にあがっているが、HFC125,HFC32,HFC134aの混合冷媒のR407CとHFC125とHFC32の混合冷媒のR410Aが有力候補としてあげられている。R407Cにおいてはその吐き出し圧力は、ほぼR22と同一であるが、R410Aにおいてはその吐き出し圧力がR22の約1.7倍となる。
【0005】
このような吐き出し圧力の大きな代替冷媒を、密閉容器が吐き出し圧力とする高圧型の密閉型圧縮機に使用する場合は、密閉容器104の耐圧強度を強くしなければならない。
【0006】
上記従来の構成では、密閉容器104内部の圧力が高くなるにつれ、上部鏡板101と下部鏡板103は外方向にふくれ、徐々に球状になってくる。電源ターミナル110は上部鏡板101の平坦部に溶接固定されているため、その変形により電源ターミナル110のキャップ形金属体107に応力がかかり変形し、ガラスシール108が割れ、高温高圧冷媒が外部に漏洩する。従来の構造においては、この部分が耐圧強度の最も弱い部分となっており、密閉容器全体の耐圧強度を強くするためには、この部分の耐圧強度の補強が必要である。
【0007】
また、密閉容器104と吸入管111,吐出管112等の冷媒接続管との接合部分は、密閉容器104内部の高圧により引張応力が掛かるため、電源ターミナル110の部分に次いで耐圧強度の弱い箇所である。
【0008】
この密閉型圧縮機において、高圧の代替冷媒に耐える耐圧強度を持った密閉容器を提供することを目的として、電源ターミナル110または吐出管112の周囲にリング状金属体113を溶接するという手段が考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記する耐圧強度の弱い箇所にリング状金属体113を溶接するという手段では、キャップ形金属体107とリング状金属体113との間隙に雨や結露等による水滴が溜まり易く、キャップ形金属体107や上部鏡板101に錆が発生し、耐圧強度の低下を招くこととなる。
【0010】
また、リング状金属体は耐圧強度を向上させるとともに溶接を行わなければならないため、特殊な形状が必要となっており、確立された製作手段が未だ存在しない。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するもので、電源ターミナル部分や冷媒接続管部分に雨や結露等による水溜りによる錆が発生することを防止し、かつ密閉容器を局部的に補強して密閉型圧縮機の信頼性を向上させ、さらに、密閉型圧縮機のコストダウンを図ることを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、密閉型圧縮機の密閉容器に密封溶接される電源ターミナルの溶接部または冷媒接続管の溶接部を取り囲んで溶接された密閉容器の剛性を向上させる部材を円弧状金属体としたもので、円弧状金属体にある切り欠き部によって、雨や結露等による水滴の除去が容易となり、錆の発生を防止し、また円弧状金属体によって密閉容器の耐圧強度の弱いところを局部的に補強して圧縮機の信頼性を向上させるとともに、より効率的な円弧状金属体の製作方法を採ることにより、密閉型圧縮機のコストダウンを図ることとしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は各請求項に記載した構成を実施形態とすることができるのであるが、本発明をより理解し易くするために各請求項の構成による作用を述べる。すなわち、請求項1記載の発明は、密閉型圧縮機の密閉容器に密封溶接される電源ターミナルの溶接部を取り囲んで、密閉容器の剛性を向上させる部材を密閉容器に溶接したものにおいて、剛性を向上させる部材を円弧状金属体とした構成により、密閉容器内が高圧になり、電源ターミナルを溶接している部分が変形しても、電源ターミナルの溶接部外周の剛性を向上させる円弧状金属体が電源ターミナルの変形を抑制し、電源ターミナルの絶縁シールの割れを防止することができ、耐圧強度の向上が図れるとともに、電源ターミナルと円弧状金属体との間に雨や結露等によって溜まった水滴が円弧状金属体の切り欠き部から容易に除去され、錆の発生を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、密閉容器の内部と外部を接続し冷媒が出入りする冷媒接続管の接続部分の耐圧強度の向上を図るとともに、剛性を向上させる部材を円弧状金属体とすることにより、冷媒接続管と円弧状金属体との間に雨や結露等によって溜まった水滴が円弧状金属体の切り欠き部から容易に除去され、圧縮機の信頼性を向上させることができる。また、冷媒接続管は一般に銅ロー付けで溶接されるので、近傍の円弧状金属体も同時にロー付け溶接すると組み立てが容易になる。
【0015】
請求項3記載の発明は、円弧状金属体を密閉容器の内側に溶接したもので、内側に溶接することにより、密閉容器の外部に構成する電源ターミナルの保護カバーおよび電源リード線の引き回しの妨げとならず、電源ターミナルまたは冷媒接続管と円弧状金属体との間に雨や結露等によって水滴が溜まる部分が存在しなくなり、溜り水による錆発生の問題も解決することができる。
【0016】
請求項4および5記載の発明は、円弧状金属体を密閉容器の外側に溶接したもの、または電源ターミナルの保護枠体と一体に溶接したもので、円弧状金属体は密閉容器への端子の溶接時等の操作の邪魔にならない。また、保護枠体と一体に溶接でき、組み立てが容易である。
【0017】
請求項6記載の発明は、円弧状金属体を冷媒接続管と一体に溶接したもので、組み立てが容易であるとともに、従来は上部鏡板に対して冷媒接続管のみがロー付け溶接されていたのに対し、冷媒接続管および円弧状金属体の両方がロー付け溶接されるため、ロー付け面積が増加し、耐圧強度を向上させることができる。
【0018】
請求項7および8,9記載の各発明は、円弧状金属体の密閉容器への具体的な溶接手段であり、密閉容器との溶接接合部に線状または点状の突起を設けるか、リング幅の小さいものはそのまま抵抗溶接することにより、ほぼ全面が密閉容器に溶接固定され、溶接する部分の変形が電源ターミナルの変形を効果的に抑制することができる。なお、抵抗溶接する場合、電流密度を上げるためには円弧状金属体の幅は狭くすることが好ましい。
【0019】
請求項10記載の発明は、円弧状金属体の密閉容器または冷媒接続管への溶接手段をロー付け溶接としたもので、組み立ての簡略化を図ることができる。
【0020】
請求項11および12,13,14,15記載の各発明は、円弧状金属体の具体的製作手段を示したもので、円弧状金属体を金属線材の曲げ加工によって製作することにより、材料を無駄なく用いることができる。また、プレス加工や鍛造加工を行う場合は、製作の効率化を図ることができるとともに、円弧状金属体の引張強度を向上させ、密閉容器の耐圧強度を向上させることができる。また、ファインブランキング加工を行う場合は、抵抗溶接に必要な突起を容易に精度良く付加することができ、製作の効率化を図ることができる。さらに、切削加工を行う場合は、円弧状金属体の精度向上を図ることができ、円弧状金属体の全周にわたって均一な溶接強度を確保することができる。
【0021】
請求項16記載の発明は、円弧状金属体を密閉容器に電源ターミナルまたは冷媒接続管を取り囲んで複数個溶接したもので、材料費を最小限とすることによってコストダウンを図るとともに、電源ターミナルまたは冷媒接続管の周りに複数個の切り欠き部が存在するため、雨や結露等による水滴の除去が非常に容易となり、錆を防止することにより、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0022】
請求項17記載の発明は、密閉容器の剛性を向上させる部材を多角形状の真直な棒材とし、密閉容器の剛性の弱い部分に溶接することにより、部品コストを最小限に抑えることができるとともに耐圧強度を確保することができ、さらに雨や結露等による水滴が溜まり難く、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0023】
請求項18記載の発明で述べるように、以上の発明は高圧冷媒であるHFC32、もしくはそれを含む混合冷媒で実施するとより効果的である。
【0024】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例の密閉型圧縮機の縦断面図である。この図における密閉型圧縮機は、上部鏡板1,円筒状の胴部2,下部鏡板3から構成される密閉容器4の内部に、圧縮機構5と、圧縮機構5を駆動する電動機6を配設した構成となっている。圧縮機構詳細は図示していないが、ロータリータイプであっても、スクロールタイプであっても良い。電動機6の電源は密閉容器4の上部鏡板1にあけられた孔7に密封溶接されている電源ターミナル8を介して外部電源(図示せず)から供給される。
【0026】
冷媒は冷凍サイクル(図示せず)につながる吸入管9から吸い込まれ、圧縮機構5で圧縮され、高圧となり密閉容器4内に吐き出され、吐出管10から冷凍サイクル(図示せず)に戻される。従って、本実施例では密閉容器4の内部は高圧冷媒で満たされていて、所謂、高圧形の圧縮機の構成となっている。
【0027】
電源ターミナル8はキャップ形金属体11の上部にガラス等の絶縁シール12で絶縁された導電ピン13を有している。キャップ形金属体11の下部はスカート状に広がるスカート部14を形成しており、上部鏡板1の平坦部にあけられた孔7に、このスカート部14で気密溶接されている。密閉容器4の外側の電源ターミナル8のキャップ形金属体11の外側に、密閉容器4の変形剛性を向上させるとともに、水滴が除去され易く、製作の容易な切り欠き部Gaがある円弧状金属体15が溶接されている。また、吐出管10が上部鏡板1に溶接されている部分には切り欠き部Gbのある円弧状金属体15aが溶接されている。
【0028】
(実施例1)
図2ないし図6を参照に、電源ターミナル8の周りに円弧状金属体15またはバーリングを持った円弧状金属体15bを溶接した場合を実施例1として以下に詳述する。
【0029】
円弧状金属体15および電源ターミナル8の上部鏡板1への溶接組み立て方法について述べる。上部鏡板1の電源ターミナル8の配設部には、比較的精度良く平坦度が出された平坦部16に、キャップ形金属体11の外径よりやや大きい孔7があけられる。円弧状金属体15は前記孔7の外周に抵抗溶接で溶接固定される。すなわち、円弧状金属体15が密閉容器4に接触する接触部17を比較的精度良く平坦度を出し、上部鏡板1の平坦部16と一様に密着させ、電流を流し抵抗溶接を行う。
【0030】
次に、実施例1の密閉容器の耐圧評価について述べる。冷媒用圧縮機の密閉容器4の耐圧は一般に設計圧力(運転時の最高圧力)の3倍から5倍の静水圧力をかけた時、破壊しないことが要求される。本発明の実施例に設計圧力の3倍から5倍の静水圧力を密閉容器4の内部に徐々にかけていくと、密閉容器4は次第に膨らみ、特に上部鏡板1は球状に膨らんでくる。この時、円弧状金属体15がない場合は平坦部16に溶接固定されていた電源ターミナル8のスカート部14も球面の一部となり、内側に強い力で押される。この力と内部静水圧力で絶縁シール12も外側に広がる形で球状になろうとして、ガラス等の絶縁材に大きな力が掛かり、ガラス等の絶縁材が割れ、漏れが発生する。そこで、密閉容器4の平坦部16に図10に示すリング状金属体113を溶接固定することによって変形を抑える働きをし、電源ターミナル8のスカート部14が内側に向かって強い力で押されることを抑制し、絶縁シール12の割れを防ぐという方法が考えられていた。本実施例においてリング状金属体の代わりに円弧状金属体15を用いた場合においても、密閉型圧縮機の耐圧強度はほとんど同様であり、特に上部鏡板1の中心部から最遠部に切り欠き部Gaを設けた場合、切り欠き部Gaに生ずる応力が最小となり、切り欠き部Gaによる耐圧強度低下の影響が最も少なくなる。従って、電源ターミナル8と円弧状金属体15との間に溜まった水滴の除去を切り欠き部Gaにより容易に行うことによる製品の信頼性向上を実現すると同時に、R410A等のHFC32を含んだ圧力の高い冷媒にも十分な耐圧強度の密閉容器を実現できる。
【0031】
以上の説明では、溶接方法として抵抗溶接で説明したが、円弧状金属体15と密閉容器4の平坦部16の溶接部分が円弧状になるロー付け溶接等でも良い。また、円弧状金属体15は、C形のリング1個のみでなく、円弧状金属体を複数個、または直線状金属体の複数個で、電源ターミナルの溶接部を取り囲んで配置しても、密閉容器の変形剛性を向上させる働きをし、同等の作用効果が得られると同時に、強化用金属体間の隙間から雨や結露等による水滴が除去され易いため、製品の信頼性向上を図ることができる。密閉容器4の変形が電源ターミナル8の絶縁シール12に大きな力を及ぼすのを防ぐためには、溶接部の長さは全周の1/4以上が望ましく、剛性強化部材は全周の2/3以上が望ましい。
【0032】
なお、上記実施例1では円弧状金属体15を密閉容器4の外側に溶接したが、図4に示すように密閉容器4の内側に溶接しても良い。この場合は円弧状金属体15の内径を電源ターミナル8の外径よりも大きくしなければならない。また、円弧状金属体15の切り欠き部Gaによる水滴除去機能は無意味となるが、円弧状金属体15の製作の簡略化および補強には十分効果がある。さらに、円弧状金属体15の形状は、図5,図6に示すようにバーリングを持った円弧状金属体15bとしても良い。
【0033】
次に、円弧状金属体の製作手段について説明する。既存の剛性強化部材であるリング状金属体は切り欠き部がないため、切削加工等に頼るしかなく、材料取りが非常に悪い。一方、円弧状金属体においては、引き抜きされた線材をバネのように巻き、それを切断していくことによって製作、またはその線材を巻きながら順次切断していくことによって製作することができるため、材料を無駄なく使用することができ、製作の簡略化と部品のコストダウンを実現することができる。その中でも特に、丸断面の線材を用いた場合、溶接部を線状とすることができ、十分な溶接強度を確保することができるだけでなく、既存の量産線材を利用することができる。また、円弧状金属体,リング状金属体のいずれの場合でも、プレスや鍛造により製作することもできる。さらに、線状の溶接部を設けるためにファインブランキング工法を用いて製作することにより、高速かつ精度良く製作することができ、耐圧強度を十分に確保しながら大量生産を行うことができる。
【0034】
(実施例2)
図7,図8には本発明の冷媒を出し入れする、すなわち吸入管9または吐出管10のような冷媒接続管に円弧状金属体を配設した実施例を示す。密閉容器4から冷媒を出し入れする冷媒接続管の一つである吐出管10を上部鏡板1に溶接固定し、溶接部外周に円弧状金属体15aを溶接する。密閉容器4の内部に圧力がかかると、上部鏡板1が球状に変形する。円弧状金属体15aがない場合は、吐出管10と密閉容器4を接続している孔のロー付け部19に引張応力が集中し破断するが、本構成では上部鏡板1が変形しても、吐出管10の溶接部付近の変形を抑えられ、引張応力を緩和するので、ロー付け部19が破断して高圧冷媒が外部へ漏洩することを防止し、耐圧強度の向上を図るという従来の機能を十分満足することができる。さらに、円弧状金属体15aの切り欠き部Gbの効果により、雨や結露等による水滴を除去することができ、円弧状金属体15aの製作方法を前述のように簡略化することにより、製品のコストダウンを図ることができる。
【0035】
なお、図7に示す実施例では円弧状金属体15aを密閉容器4の外側に溶接したが、図8に示すように密閉容器4の内側に溶接しても良い。また、円弧状金属体15aの形状は、図9(a),(b)に示すようにバーリングを持った円弧状金属体15cで構成しても良い。また、冷媒接続管は一般に銅ロー付けで溶接されるので、近傍の円弧状金属体15aも同時にロー付け溶接すると組み立てが容易になる。
【0036】
以上述べた発明は、密閉容器4を胴部2と上部鏡板1と下部鏡板3から構成し、上部鏡板1に電源ターミナル8と冷媒接続管を溶接した場合は上部鏡板1の変形が大きいので一層有効である。さらに、高圧冷媒であるHFC32、もしくはそれを含むR410Aのような圧力の高い混合冷媒に使用する場合、より効果的である。
【0037】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1から6記載の発明によれば、密閉型圧縮機の密閉容器に密封溶接される電源ターミナルまたは冷媒接続管の溶接部を取り囲んで、密閉容器の剛性を向上させる部材を密閉容器に溶接したものにおいて、剛性を向上させる部材を円弧状金属体としたもので、密閉容器内が高圧になり、電源ターミナルまたは冷媒接続管を溶接している密閉容器の鏡板が変形しても、電源ターミナル溶接部または冷媒接続管溶接部の外周の剛性を向上させる部材が電源ターミナルまたは冷媒接続管の変形を抑制し、電源ターミナルの絶縁シールや冷媒接続管溶接部の割れを防止することができ、耐圧強度の向上が図れるとともに、電源ターミナルまたは冷媒接続管と円弧状金属体との間に雨や結露等によって溜まった水滴が円弧状金属体の切り欠き部から容易に除去され、錆を防止し、密閉型圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0038】
請求項7および8,9記載の発明によれば、円弧状金属体を密閉容器へ抵抗溶接することにより、全面が密閉容器に溶接固定され、多少の切り欠き部が存在しても、電源ターミナルまたは冷媒接続管の変形を効果的に抑制することができ、耐圧強度の大きな密閉型圧縮機が実現できる。
【0039】
請求項10記載の発明によれば、円弧状金属体の密閉容器または冷媒接続管への溶接方法をロー付け溶接としたもので、組み立ての簡略化を図ることができる。
【0040】
請求項11および12,13,14,15記載の発明によれば、円弧状金属体を金属線材の加工によって製作することにより、材料を無駄なく用いることができる。また、プレス加工,鍛造加工を行うことにより、製作の効率化を図ることができるとともに、円弧状金属体の引張強度を向上させ、密閉容器の耐圧強度を向上させることができる。ファインブランキング加工を行うことにより、抵抗溶接に必要な突起を容易に精度良く付加することができ、製作の効率化を図ることができる。さらに、切削加工を行うことにより、円弧状金属体の精度向上を図ることができ、円弧状金属体の全周にわたって均一な溶接強度を確保することができる。
【0041】
請求項16記載の発明によれば、円弧状金属体を密閉容器に電源ターミナルまたは冷媒接続管を取り囲んで複数個溶接したもので、材料費を最小限とすることによってコストダウンを図るとともに、電源ターミナル周りまたは冷媒接続管の周りに複数個の切り欠き部が存在するため、雨や結露等による水滴の除去が非常に容易となり、錆を防止することにより、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、密閉容器の剛性を向上させる部材を多角形状の真直な棒材とし、上部鏡板の剛性の弱い部分に溶接することにより、部品コストを最小限に抑えることができるとともに耐圧強度を確保することができ、さらに雨や結露等による水滴が溜まり難く、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0043】
請求項18記載の発明によれば、請求項1ないし17のいずれかに記載した発明は高圧冷媒であるHFC32、もしくはそれを含む冷媒で実施するとより効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例における密閉型圧縮機の縦断面図
(b)同上面図
【図2】(a)本発明の実施例1において電源ターミナル付近の密閉容器外側に円弧状金属体を設けた要部縦断面図
(b)同上面図
【図3】(a)本発明の実施例1において線状の突起を設けた円弧状金属体の断面図
(b)同上面図
【図4】本発明の実施例1において電源ターミナル付近の密閉容器内側に円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図5】本発明の実施例1において電源ターミナル付近の密閉容器外側にバーリングを持った円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図6】本発明の実施例1において電源ターミナル付近の密閉容器内側にバーリングを持った円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図7】本発明の実施例2において冷媒接続管である吐出管付近の密閉容器外側に円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図8】本発明の実施例2において冷媒接続管である吐出管付近の密閉容器内側に円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図9】(a)本発明の実施例2において冷媒接続管である吐出管付近の密閉容器外側にバーリングを持った円弧状金属体を設けた要部縦断面図
(b)同密閉容器内側にバーリングを持った円弧状金属体を設けた要部縦断面図
【図10】(a)従来の密閉型圧縮機の縦断面図
(b)同上面図
【符号の説明】
1 上部鏡板
2 胴部
4 密閉容器
5 圧縮機構
6 電動機
7 孔
8 電源ターミナル
10 吐出管(冷媒接続管)
11 キャップ形金属体
12 絶縁シール
13 導電ピン
15,15a 円弧状金属体
15b,15c バーリングを持った円弧状金属体
18 線状の突起
19 ロー付け部
Ga,Gb 切り欠き部

Claims (18)

  1. 密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する圧縮機構を配設し、前記電動機の電源を密閉容器外部から供給するために前記密閉容器に密封溶接した電源ターミナルを備え、前記電源ターミナルはキャップ形金属体と導電ピンと前記キャップ形金属体と導電ピンを絶縁する絶縁シールより構成し、前記密閉容器と前記電源ターミナルとの溶接部を取り囲んで、密閉容器の変形剛性を向上させる部材を前記密閉容器に溶接した密閉型圧縮機において、前記変形剛性を向上させる部材を円弧状金属体とした密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する圧縮機構を配設し、前記密閉容器の内部と外部を接続し冷媒が通る冷媒接続管を前記密閉容器に溶接固定し、その溶接部の外周に変形剛性を向上させる部材を溶接した密閉型圧縮機において、前記変形剛性を向上させる部材を円弧状金属体とした密閉型圧縮機。
  3. 円弧状金属体を密閉容器の内側に溶接した請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
  4. 円弧状金属体を密閉容器の外側に溶接した請求項1または2記載の密閉型圧縮機。
  5. 円弧状金属体を電源ターミナルの保護枠体と一体に溶接した請求項1記載の密閉型圧縮機。
  6. 円弧状金属体を冷媒接続管と一体に溶接した請求項2記載の密閉型圧縮機。
  7. 円弧状金属体を密閉容器に抵抗溶接した請求項1ないし6のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 円弧状金属体の幅を4mm以下とし、密閉容器との溶接接合部に突起を設けずに抵抗溶接した請求項7記載の密閉型圧縮機。
  9. 円弧状金属体と密閉容器との溶接接合部に線状または点状の突起を設け抵抗溶接した請求項7記載の密閉型圧縮機。
  10. 冷媒接続管および円弧状金属体をロー付け溶接により密閉容器に固定した請求項6記載の密閉型圧縮機。
  11. 円弧状金属体は線材の曲げ加工によって製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  12. 円弧状金属体はプレス加工によって製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  13. 円弧状金属体はファインブランキング加工によって製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  14. 円弧状金属体は鍛造加工によって製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  15. 円弧状金属体は切削によって製作したリング状金属体を切り欠くことによって製作した請求項1から10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  16. 円弧状金属体を電源ターミナルまたは冷媒接続管を取り囲んで複数個溶接した請求項1から15のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  17. 円弧状金属体を多角形状とした請求項1から16のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  18. 冷媒としてHFC32、もしくはそれを含む混合冷媒を使用する請求項1から17のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
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