JP3848639B2 - パケット調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一連の情報を複数のパケットに分割して、送信側装置で各パケットを複数の経路に分散して送出して、受信側装置で各経路を経由した各パケットを受信して合成する伝送システムに係わり、特に、各パケットにおける異なる経路を伝送されることに起因する受信側装置への入力時刻の変動を調整するパケット調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静止画像や動画像や音楽等の大容量の連続する一連の情報を高速で遠距離を伝送する場合は、図15の伝送システムに示すように、情報の発信源である情報処理装置1で、この大容量の一連の情報を複数のパケットに分割して、信号路2を介して送信側装置3へ送出する。送信側装置3は、信号路2を介して順次入力される各パケットをネットワークの複数の経路4a、4b、4cに分散させて目的の受信側装置5へ送信する。受信側装置5は各経路4a、4b、4cを経由した各パケットを受信して、一つの信号路6に出力する。情報の最終受信装置である情報処理装置7は信号路6から順次入力される各パケットを連続する一連の情報に変換して情報処理して、例えば表示画面に表示する。
【0003】
図16は情報の発信源である情報処理装置1から情報の最終受信装置である情報処理装置7への各パケット8の伝送状態を示す模式図である。情報処理装置1から一連の情報を構成する可変のパケット長T1を有する複数のパケット8が、相互にギャップ時間T2を有して、一定の送信時間間隔T0で、信号路2に送出される。
【0004】
送信側装置3は、信号路2から順次入力される各パケット8を複数の経路4a、4b、4cのうち現在時点で最も伝送負荷の軽い経路4a、4b、4cを選択して該当経路に送出する。各経路4a、4b、4cの伝送負荷は時間により変動するので、一連の情報を構成する複数のパケット8は同一の経路を経由することなく、複数の経路4a、4b、4cに分散されて送信されることが多い。
【0005】
ネットワークを構成する各経路4a、4b、4cは同一経路長ではなく、かつ各経路4a、4b、4cには、この各経路にアクセスするための複数の送受信装置が介挿されている。したがって、各経路4a、4b、4cの各パケット8の伝送時間は、各経路4a、4b、4c毎に異なる。その結果、受信側装置5で各経路4a、4b、4cを経由した各パケット8を受信して信号路6に出力した場合に、各パケット8の送信時間間隔T0が変動する懸念がある。各パケット8の送信時間間隔T0が変動すると、時間的に隣接するパケット8相互間のギャップ時間T2が変動する。また、各経路4a、4b、4cの各パケット8の伝送時間が過度に大きく変動した場合は、パケット8の順序が変化する場合もある。
【0006】
情報の最終受信装置である情報処理装置7において、パケット8相互間のギャップ時間T2が一定の許容範囲を超えた場合には、順次入力される各パケット8を連続する一連の情報に正常に変換できない事態が発生する懸念がある。さらに、パケット8の順序が変化すると、静止画像や動画像や音楽等の連続する一連の情報の品質が低下する懸念がある。
【0007】
なお、特許文献1には、多重に構成されたループネットワークシステムにおいて、この多重のループネットワークに接続された通信処理装置相互間で通信を行う場合に、パケットを一定長のセルの分割して、各ループネットワークに分散して出力する技術が開示されている。そして、この特許文献1においては、送信側の通信処理装置において、各セルを、順番情報を付して各ループネットワークに送信する。受信側の通信処理装置において、各ループネットワークを介して受信した各セルを順番情報に従ってパケットに再生する。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−207041号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、各セルの受信側の通信処理装置に対する時刻が、受信順序が変更になるほど大きく変化した場合には、正しい順序に直されるが、各セルをパケットに再生する場合の条件等については何ら開示されていない。
【0010】
したがって、特許文献1に記載された技術においては、パケット8相互間のギャップ時間T2が一定の許容範囲を超えた場合には、情報処理装置7において、順次入力される各パケット8を連続する一連の情報に正常に変換できない事態が発生する懸念は解消されない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、各経路に伝送される各パケット相互間における受信時間差又はパケットの伝送時間を検出することによって、各経路を経由した各パケットを受信した場合において、各パケットの送信時間間隔が常に一定値に制御され、この複数のパケットから一連の情報に正常に変換できるパケット調整装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明のパケット調整装置は、送信側装置で一つの信号路から入力された複数のパケットを複数の経路に分散して送出して、受信側装置で複数の経路を経由した各パケットを受信して一つの信号路に出力する伝送システムにおける各経路と受信側装置との間に介挿され、各パケットの受信側装置への入力時刻を調整する。
【0013】
そして、本発明のパケット調整装置は、各経路から順次入力される各パケットが受信側装置への入力時刻の調整対象パケットであるかを識別する複数のパケット識別部と、各経路から順次入力される各パケットのうち調整対象パケットと識別された各パケットの受信時刻を測定する受信時刻測定手段と、測定された各受信時刻から時間的に隣接する調整対象パケットと識別されたパケット相互間の受信時間差を算出する受信時間差算出手段と、算出されたパケット相互間の受信時間差を用いて、受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る調整対象パケットと識別された各パケットの出力時間間隔が規定値になる、経路毎のパケット受信時刻からの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、各経路に対応して設けられ、当該経路から入力されたパケットを記憶するための複数のパケットバッファと、各経路に対応して設けられ、各経路から順次入力される各パケットのうち調整対象パケットと識別された各パケットをパケットバッファに書込み、調整対象パケットと識別されない各パケットをそのまま受信側装置へ送出すると共に、パケットバッファに書込んだパケットを受信時刻から遅延時間算出部で算出された当該経路の遅延時間経過後に読出して受信側装置へ出力する複数のバッファ制御部とを備えている。
【0014】
このように構成されたパケット調整装置においては、各経路を経由してこのパケット調整装置に入力された各パケットは、一旦、経路毎に設けられたパケットバッファに記憶される。
【0015】
受信側装置から合成されて一つの信号路へ順次出力される各パケットの出力時間間隔を常に規定値に制御するには、このパケット調整装置に対する各パケットの受信時刻からパケットバッファから読出して受信側装置へ送出する出力時刻までの遅延時間を、パケットの各経路における伝送時間に応じて変更する必要がある。
【0016】
パケットの各経路における伝送時間は受信側で直接簡単に測定できないので、測定された各パケットの受信時刻から、時間的に隣接するパケット相互間の受信時間差を算出し、この受信時間差を用いて、受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る各パケットの出力時間間隔が規定値になる経路毎の遅延時間を算出している。
【0017】
したがって、たとえ各パケットが、伝送時間が異なる経路を経由して受信側装置に入力したとしても、この受信側装置から合成されて一つの信号路へ順次出力される各パケットの出力時間間隔を常に規定値に制御される。
【0018】
また、別の発明は、上述した発明のパケット調整装置に対して、各経路から順次入力される各パケットに付された送信順序を読取る送信順序読取手段を備えている。さらに、遅延時間算出部は、算出されたパケット相互間の受信時間差、及び送信順序読取手段で読取られた各パケットの送信順序を用いて、受信側装置へ順次出力される各パケットの遅延時間を算出する。
【0019】
このように構成されたパケット調整装置においては、たとえ、パケットの各経路における伝送時間が大きく変化し、パケット調整装置に対するパケットの受信順序が変更になったとしても、このパケット調整装置から受信側装置へ順次出力される各パケットの順序が正しい順序に自動修正される。
【0020】
さらに、別の発明においては、上述した各発明のパケット調整装置における規定値は、パケットの所要時間と、時間的に隣接するパケット相互間のギャップ時間とを加算した時間である。
【0021】
このように構成された、パケット調整装置においては、受信側装置から一つの信号路に出力される各パケットの出力時間間隔を例えば操作者が、この各パケットを連続した一連の情報に変換する場合の条件等を考慮して任意に設定可能である。
【0022】
また、別の発明は上述したパケット調整装置において、各経路から順次入力される各パケットが受信側装置への入力時刻の調整対象パケット、試験パケットであるかを識別する複数のパケット識別部と、送信側装置と各経路との間に介挿された試験パケット送信装置から各経路に送出され、パケット識別部で識別された各試験パケットを受信して、この各試験パケットに含まれる送信時刻とこの試験パケットの受信時刻とから、各経路の伝送時間を算出する伝送時間算出手段と、各経路に対応して設けられ、当該経路から入力されたパケットを記憶するための複数のパケットバッファと、算出された各経路の伝送時間を用いて、受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る調整対象パケットと識別された各パケットの出力時間間隔が規定値になる、経路毎のパケット受信時刻からの遅延時間を算出する遅延時間算出部と、各経路に対応して設けられ、各経路から順次入力される各パケットのうち調整対象パケットと識別された各パケットをパケットバッファに書込み、調整対象パケットと識別されない各パケットをそのまま受信側装置へ送出すると共に、パケットバッファに書込んだパケットを受信時刻から遅延時間算出部で算出された当該経路の遅延時間経過後に読出して受信側装置へ出力する複数のバッファ制御部とを備えている。
【0023】
このように構成されたパケット調整装置においては、送信側装置と各経路との間に試験パケット送信装置が介挿されている。そして、この試験パケット送信装置から各経路に対して送信時刻(タイムスタンプ)が組込まれた試験パケットが送信される。パケット調整装置は、この各試験パケットを受信することにより、各経路におけるパケットの伝送時間を測定できる。
【0024】
したがって、この各経路の伝送時間から、受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る各パケットの出力時間間隔が規定値になる経路毎の遅延時間を算出可能となる。
【0025】
さらに、別の発明においては、上述した各発明のパケット調整装置における規定値は、一つの信号路から送信側装置に入力される各パケットの所要時間とパケット相互間のギャップ時間とを加算したパケット送信時間間隔である。
【0026】
このように構成されたパケット調整装置においては、受信側装置から一つの信号路に出力される各パケット相互間のギャップ時間は、一つの信号路から送信側装置に入力される各パケットのパケット相互間のギャップ時間に一致する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るパケット調整装置が組込まれた伝送システムの概略構成を示す模式図である。図15に示す従来の伝送システムと同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0028】
この伝送システムにおいては、各経路4a、4b、4cと受信側装置5との間に、第1実施形態のパケット調整装置10が介挿されている。情報の発信源である情報処理装置1は、図2(a)に示すように、静止画像や動画像や音楽等の大容量の一連の情報を構成する可変パケット長T1を有する複数のパケット8を、相互にギャップ時間T2を有して、一定の送信時間間隔T0で、信号路2を介して送信側装置3へ送出する。送信側装置3は、信号路2を介して順次入力される各パケット8をネットワークの複数の経路4a、4b、4cに分散させて目的の受信側装置5へ向けて出力する。
【0029】
パケット調整装置10は、各経路4a、4b、4cから各パケット8を受信して、各経路4a、4b、4c毎に、受信側装置5へ出力するが、この場合、各パケット8の受信側装置5への出力時刻を調整する。
【0030】
受信側装置5は各経路4a、4b、4c及びパケット調整装置10を経由した各パケット8を受信して合成して、一つの信号路6に出力する。情報の最終受信装置である情報処理装置7は信号路6から順次入力される各パケット8を連続する一連の情報に変換して情報処理して、例えば表示画面に表示する。
【0031】
情報処理装置1から信号路2に出力される、各パケット8は、このパケット8が所属する情報の種類や、情報処理装置1の種類に応じて図2(b)(c)(d)に示す複数種類のフォーマットを有する。
【0032】
図2(b)は、基本的なパケット8のフォーマットである。このパケット8のフォーマットには、送信先と送信元の各MACアドレス、送信先と送信元の各IPアドレス、送信データが組込まれている。
【0033】
図2(c)は、複数のパケット8を送信する場合の送信順序が組込まれたパケット8のフォーマットである。このパケット8のフォーマットには、送信先と送信元の各MACアドレス、送信先と送信元の各IPアドレス、送信順序(パケット番号)としてのRTP(リアルタイム・トランスポート・プロトコル)シーケンス番号9a、送信データが組込まれている。
【0034】
図2(d)は、同じく複数のパケット8を送信する場合の送信順序が組込まれたパケット8のフォーマットである。このパケット8のフォーマットには、送信先と送信元の各MACアドレス、送信先と送信元の各IPアドレス、送信順序(パケット番号)としてのフラグメント識別子9b、送信データが組込まれている。
【0035】
図3は、例えばコンピュータで構成されたパケット調整装置10の概略構成を示すブロック構成図である。
各経路4a、4b、4cから順次入力される各種のパケット8はI/F(インタフェース)11a、11b、11cを介してバッファ制御部12a、12b、12c及びパケット識別部13a、13b、13cへ入力する。パケット識別部13a、13b、13cは、入力された各パケット8の図2(b)(c)(d)に示すフレームを調べ、このフレームに含まれる送信先と送信元の各MACアドレスn又は送信先と送信元の各IPアドレスから、該当パケット8が受信側装置5への出力時刻を調整するべき調整対象パケットであるか否かを判定して、判定結果をバッファ制御部12a、12b、12cへ送出する。
【0036】
バッファ制御部12a、12b、12cは、パケット識別部13a、13b、13cからの判定結果が調整対象パケットであれば、入力されたパケット8をパケットバッファ14a、14b、14cに書込む。バッファ制御部12a、12b、12cは、パケット識別部13a、13b、13cからの判定結果が調整対象パケットでなければ、入力されたパケット8をそのままI/F(インタフェース)15a、15b、15cを介して受信側装置5へ送出する。
【0037】
パケット識別部13a、13b、13cは入力されたパケット8が調整対象パケットであれば、この調整対象のパケット8を受信時刻測定部17へ送出する。受信時刻測定部17は、入力された各パケット8の受信時刻tAを測定し、時間差算出部18へ送出する。なお、受信時刻測定部17は、入力された各パケット8にパケット番号(送信順序)NAが付されていた場合は、このパケット番号も読取る。
【0038】
時間差算出部18は、測定された各受信時刻から時間的に隣接するパケット8相互間の受信時間差(tB―tA)を算出して、遅延時間算出部19へ送出する。遅延時間算出部19は、算出されたパケット相互間の受信時間差(tB―tA)を用いて、受信側装置5へ順次出力される全部の経路4a、4b、4cに亘る各パケット8の出力時間間隔が規定値(=送信時間間隔T0)になる、経路4a、4b、4c毎のパケット受信時刻tAからの遅延時間Td(=tB+T0―tA)を算出する。
【0039】
なお、前記規定値は、設定部20で操作者が、受信側装置5から信号路6へ順次出力される各パケット8のパケット長T1及びパケット相互間の最適ギャップ時間T2を考慮して設定可能である。
【0040】
受信時刻測定部17、時間差算出部18及び遅延時間算出部19は遅延設定処理部21を構成する。
【0041】
遅延設定処理部21の遅延時間算出部19は、算出した各経路4a、4b、4cの遅延時間Tdをそれぞれ遅延制御部16a、16b、16cを介して、バッファ制御部12a、12b、12cへ指定する。バッファ制御部12a、12b、12cは、パケットバッファ14a、14b、14cに記憶されたパケット8を受信時刻tAから指定された遅延時間Td経過後に読出して、I/F(インタフェース)15a、15b、15cを介して受信側装置5へ送出する。
【0042】
その結果、受信側装置5から信号路6へ順次出力される各パケット8の出力間隔は、情報処理装置1から信号路2へ順次出力される各パケット8の送信時間間隔T0、又は設定部20で設定された送信時間間隔になる。
【0043】
次に、遅延設定処理部21における順次入力される各パケット8の遅延時間Tdの具体的算出処理を図4の流れ図、及び図5を用いて説明する。なお、この例においては、調整対象パケットは、図2(c)、(d)に示す送信順序(パケット番号)が組込まれたパケット8であると仮定する。
【0044】
図4の流れ図において、いずれかのパケット識別部13a、13b、13cから調整対象のパケット8が入力されると(プログラム・ステップP1)、受信時刻測定部17が起動して、入力されたパケット8の受信時刻tA、パケット番号NAを検出する(P2)。そして、パケット8のパケット番号NAが先頭番号(NA=1)の場合(P3)、このパケット8に対する遅延時間Tdを規定値(=送信時間間隔T0)に設定する(Td=T0)。そして、この遅延時間Tdをこのパケット8を受信した経路4a、4b、4cのバッファ制御部12a、12b、12cへ指定する(P4)。
【0045】
その後、このパケット8の受信側装置5に対する出力時刻tB(=tA+Td)を算出し、かつ、このパケット8のパケット番号NAを出力済みパケット番号NBとする。そして、出力時刻tB及び出力済みパケット番号NBを直前出力メモリ(図3において図示しない)へ書込む(P5)。
【0046】
入力されたパケット8のパケット番号NAが先頭番号以外の場合(P3)、このパケット番号NAが直前出力メモリに記憶された出力済みパケット番号NBの次の番号(NB+1)でなければ(P6)、正規の順番のパケット8の受信が遅れて、今回入力されたパケット8は、正規の順番のパケット8の次に受信すべきパケット8であると判断して、今回入力されたパケット8の受信時刻tA、パケット番号NAを一旦、予備メモリ(図3において図示しない)へ書込む(P7)。
【0047】
入力されたパケット8のパケット番号NAが直前出力メモリに記憶された出力済みパケット番号NBの次の番号(NB+1)の場合には(P6)、図5に示すように、今回入力されたパケット8に対する遅延時間Tdを直前出力メモリに記憶された直前に出力されたパケット8の出力時刻tBを用いて算出する。そして、このこの遅延時間Tdをこのパケット8を受信した経路4a、4b、4cのバッファ制御部12a、12b、12cへ指定する(P8)。
【0048】
Td=tB+T0―tA
そして、このパケット8の受信側装置5に対する出力時刻tB(=tA+Td)を算出し、かつ、このパケット8のパケット番号NAを出力済みパケット番号NBとする(P9)。そして、出力時刻tB、出力済みパケット番号NBで直前出力メモリに記憶された出力時刻tB、出力済みパケット番号NBを更新する(P10)。
【0049】
次に、予備メモリにパケット8の受信時刻tA、パケット番号NAが記憶されている場合は(P11)、P6へ戻り、この予備メモリに記憶されたパケット8のパケット番号NAが直前出力メモリに記憶された出力済みパケット番号NBの次の番号(NB+1)に一致するか否かを調べる。一致すれば、この予備メモリに記憶されたパケット8に対する遅延時間Tdを算出して、この予備メモリの記憶内容をクリアする。
【0050】
このように構成された第1実施形態のパケット調整装置10が組込まれた伝送システムにおいて、送信側装置3から各経路4a、4b、4cに出力されたパケット番号N=1〜5の各パケット8が図6に示すタイミングでパケット調整装置10へ入力されたとする。この図6においては、経路4cが混んでいてパケット番号N=3のパケット8が経路4aのパケット番号N=4のパケット8より遅れてパケット調整装置10へ入力される。
【0051】
この場合、パケット調整装置10において、パケット番号N=1〜5の各パケット8の遅延時間Td1、Td2、Td3、Td4、Td5が、パケット8がパケット番号N順に出力されるように、算出される。なお、先頭のパケット8の遅延時間Td1を送信時間間隔T0に設定した理由は、パケット番号N=3のパケット8のように大きく遅れたパケット8であっても、このパケット8を、図6に示すように、受信側装置5から信号路6へ出力される各パケット8の間に正しい順序で組込むことを可能にするためである。
【0052】
このように、たとえ、パケット8の各経路4a、4b、4cにおける伝送時間が大きく変化し、パケット調整装置10に対するパケット8の受信順序が変更になったとしても、図7に示すように、このパケット調整装置10から受信側装置5へ順次出力される各パケット8の順序が正しい順序に自動修正されるので、受信側装置5から信号路6を介して情報処理装置7へ入力される各パケット8の送信時間間隔、ギャップ時間、送信順序は正常値を維持する。
【0053】
なお、調整対象パケットが、図2(b)に示すように、送信順序(パケット番号)が付されていないパケット8の場合においても、各経路4a、4b、4cを経由した各パケット8のパケット調整装置10に対する受信順序が変更にならない限りにおいては、パケット調整装置10から受信側装置5へ出力される経路4a、4b、4c全体に亘る各パケット8の送信時間間隔、ギャップ時間が正常値を維持する。
【0054】
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態に係るパケット調整装置10aが組込まれた伝送システムの概略構成を示す模式図である。図1に示す第1実施形態のパケット調整装置10が組込まれた伝送システムと同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0055】
この伝送システムにおいては、各経路4a、4b、4cと受信側装置5との間に第2実施形態のパケット調整装置10aが介挿されていると共に、送信側装置3と各経路4a、4b、4cとの間に試験パケット送信装置22が介挿されている。
【0056】
試験パケット送信装置22は、送信側装置3から各経路4a、4b、4cに向けて出力された各パケット8をそのままパケット調整装置10a側の各経路4a、4b、4cへ中継する。さらに、この試験パケット送信装置22は、図10に示すように、各パケット8が送信されていない時間帯に各経路4a、4b、4cを介して試験パケット23をパケット調整装置10aへ送出する。なお、試験パケット送信装置22は、この試験パケット23を予め定められた規定期間毎に各経路4a、4b、4cへ出力する。
【0057】
試験パケット23のフレームには、図9に示すように、送信先と送信元の各MACアドレス、送信先と送信元の各IPアドレス、この試験パケット23の送信時刻tSを示すタイムスタンプ24が組込まれている。
【0058】
図11は第2実施形態のパケット調整装置10aの概略構成を示すブロック図である。図3に示す第1実施形態のパケット調整装置10と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明は省略する。
【0059】
パケット識別部13a、13b、13cは、入力された各パケットのフレームを調べ、該当パケットが受信側装置5への出力時刻を調整するべき調整対象パケットであるか否か、また試験パケット23であるか否かを判定して、判定結果をバッファ制御部12a、12b、12cへ送出する。
【0060】
バッファ制御部12a、12b、12cは、判定結果が調整対象パケットであれば、入力されたパケット8をパケットバッファ14a、14b、14cに書込む。バッファ制御部12a、12b、12cは、パケット識別部13a、13b、13cからの判定結果が調整対象パケット又は試験パケット23でなければ、入力されたパケット8をそのままI/F(インタフェース)15a、15b、15cを介して受信側装置5へ送出する。なお、バッファ制御部12a、12b、12cは、パケット識別部13a、13b、13cからの判定結果が試験パケット23の場合は、入力された試験パケット23を破棄する。
【0061】
パケット識別部13a、13b、13cは入力されたパケットが調整対象パケット又は試験パケット23であれば、この調整対象のパケット8又は試験パケット23を伝送時間算出部25へ送出する。伝送時間算出部25は、まず、調整対象のパケット8の受信時刻tA、又は試験パケット23の受信時刻tRを測定する。次に、試験パケット23に含まれるタイムスタンプ24の送信時刻tSを読取り、この試験パケット23を受信した経路4a、4b、4cの試験パケット23の伝送時間TS(=tR―tS)を算出する。伝送時間算出部25は、この算出した該当経路の伝送時間TSを遅延時間算出部19aへ送出する。
【0062】
遅延時間算出部19aは、伝送時間算出部25から全部の経路4a、4b、4cの伝送時間TSが得られた時点で、この各経路4a、4b、4c毎の伝送時間TSを用いて、受信側装置5へ順次出力される全部の経路4a、4b、4cに亘る各パケット8の出力時間間隔が規定値(=送信側装置3へ入力される各パケット8の送信時間間隔T0)になる、経路4a、4b、4c毎のパケット受信時刻tAからの遅延時間Td=(TSm―TS)を算出する。ここで、TSmは最長伝送時間を表す。
【0063】
伝送時間算出部25及び遅延時間算出部19aは遅延設定処理部21aを構成する。
【0064】
遅延設定処理部21aの遅延時間算出部19aは、算出した各経路4a、4b、4cの遅延時間Tdをそれぞれ遅延制御部16a、16b、16cを介して、バッファ制御部12a、12b、12cへ指定する。バッファ制御部12a、12b、12cは、パケットバッファ14a、14b、14cに記憶されたパケット8を受信時刻tAから指定された遅延時間Td経過後に読出して、I/F(インタフェース)15a、15b、15cを介して受信側装置5へ送出する。
【0065】
その結果、受信側装置5から信号路6へ順次出力される各パケット8の出力間隔は、情報処理装置1から信号路2へ順次出力される各パケット8の送信時間間隔T0になる。
【0066】
次に、遅延設定処理部21aにおける順次入力される各パケット8の遅延時間Tdの具体的算出処理を図12の流れ図を用いて説明する。
【0067】
一つの経路を指定した試験パケット23が入力すると、伝送時間算出部25が起動して(Q1)、前述した手法で該当経路における試験パケット23の伝送時間TS(=tR―tS)を算出する(Q2)。この算出した該当経路における伝送時間TSを伝送時間メモリ(図11において図示しない)へ書込む(Q3)。そして、全部の経路4a、4b、4cの伝送時間TSの算出処理が終了すると(Q4)、遅延時間算出部19aが起動して、4つの伝送時間TSを比較して(Q5)、基準となる伝送時間として、4つの伝送時間TSのうちの最長伝送時間TSmを採用する。そして、各経路に設定する遅延時間Tdを、最長伝送時間TSmから該当経路の伝送時間TSを減算した値とする(Q6)。
【0068】
Td=TSm―TS
すなわち、送信側装置3から調整対象の各パケット8は、各経路4a、4b、4cに対して、規定の送信時間間隔T0毎に出力されているので、各経路の伝送時間TSが等しければ、パケット調整装置10aに対する各パケット8の受信時刻tAの時間間隔は規定の送信時間間隔T0となるはずである。したがって、各経路の伝送時間TSが異なれば、この伝送時間TSにおける基準となる伝送時間との差の時間だけ遅延させて、各パケット8を送出すれば、このパケット調整装置10aから受信側装置5へ出力される各パケット8の出力間隔は規定の送信時間間隔T0になる。
【0069】
遅延時間算出部19aは、算出した各経路4a、4b、4cの遅延時間Tdを各遅延制御部16a、16b、16cを介して、各バッファ制御部12a、12b、12cへ指示する(Q7)。
【0070】
そして、Q1へ戻り、次の周期の試験パケット23が入力されるのを待つ。
【0071】
このように構成された第2実施形態のパケット調整装置10aにおいは、受信側装置5から信号路6へ順次出力される各パケット8の出力間隔は、情報処理装置1から信号路2へ順次出力される各パケット8の送信時間間隔T0になる。したがって、前述した第1実施形態のパケット調整装置10とほぼ同じ作用効果を奏することが可能である。
【0072】
図13は、図8に示した第2実施形態のパケット調整装置10aの応用例を示す伝送システムを示す模式図である。
【0073】
この伝送システムにおいては、送信側装置3と各経路4a、4b、4cとの間に第1のパケット調整装置10cが介挿されていると共に、受信側装置5と各経路4a、4b、4cとの間に第2のパケット調整装置10dが介挿されている。
【0074】
第1のパケット調整装置10cは各経路4a、4b、4cに試験パケット23を出力する。第2のパケット調整装置10dは各経路4a、4b、4cから受信した各試験パケット23のタイムスタンプ24を用いて、各経路4a、4b、4cに対する各遅延時間Tdを設定する。しかし、特定の経路4a、4b、4cにおける伝送時間TSが極端に大きくて、第2のパケット調整装置10dのみでは、各経路4a、4b、4cから受信した各パケット8に対する遅延時間Tdのばらつきが許容限界を超える場合がある。
【0075】
このような場合、第1のパケット調整装置10cで、各パケット8の各経路4a、4b、4cに対する出力時刻を調整して、各パケット8が第2のパケット調整装置10dに到達する時刻(受信時刻tA)の時間間隔が、送信時間間隔T0の近傍になるようにすればよい。このために、第2のパケット調整装置10dは、各経路4a、4b、4cを介して、図14に示す遅延指示パケット26を送出する。この遅延指示パケット26内には、第1のパケット調整装置10cで受持ってもらいたい該当経路4a、4b、4cの遅延時間を示す遅延量情報27が組込まれている。
【0076】
各経路4a、4b、4cを介して、各遅延指示パケット26を受信した第1の第1のパケット調整装置10cは、各遅延指示パケット26に含まれる遅延量情報27の遅延時間に基づいて、各パケット8の各経路4a、4b、4cに対する出力時刻を調整する。
【0077】
このように構成された伝送システムにおいては、たとえ経路4a、4b、4cの伝送時間TSが大きくばらついたとしても、受信側装置5から信号路6へ順次出力される各パケット8の出力間隔は、情報処理装置1から信号路2へ順次出力される各パケット8の送信時間間隔T0になる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパケット調整装置においては、各経路に伝送される各パケット相互間における受信時間差、又はパケットの伝送時間を測定して、各経路を介して受信した各パケットに対する受信側装置に対する出力の遅延時間を設定している。
【0079】
したがって、たとえ複数の経路を経由した各パケットを受信して合成した場合であっても、各パケットの送信時間間隔が常に一定値に制御され、この合成された複数のパケットから一連の情報に正常に変換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るパケット調整装置が組込まれた伝送システムの概略構成を示す模式図
【図2】 同伝送システムで伝送される各パケットのパケット長、ギャップ時間及び送信時間間隔、及びフレーム構成を示す図
【図3】 同第1実施形態に係るパケット調整装置の概略構成を示すブロック図
【図4】 同第1実施形態のパケット調整装置に組込まれた遅延設定部の動作を示す流れ図
【図5】 同遅延設定部における遅延時間の算出法を説明するための図
【図6】 各経路からの各パケットの受信タイミングと各パケットの遅延時間との関係を示す図
【図7】 同伝送システムの各部を伝送される各パケットの伝送状態を示す図
【図8】 本発明の第2実施形態に係るパケット調整装置が組込まれた伝送システムの概略構成を示す模式図
【図9】 同伝送システムで伝送される試験パケットのフレーム構成を示す図
【図10】 同伝送システムの各部を伝送される各パケットの伝送状態を示す図
【図11】 第2実施形態に係るパケット調整装置の概略構成を示すブロック図
【図12】 同第2実施形態のパケット調整装置に組込まれた遅延設定部の動作を示す流れ図
【図13】 本発明の第2実施形態に係るパケット調整装置の応用例を示す伝送システムを示す模式図
【図14】 同伝送システムで伝送される遅延指示パケットのフレーム構成を示す図
【図15】 従来の伝送システムの概略構成を示す模式図
【図16】 同伝送システムの各部を伝送される各パケットの伝送状態を示す図
【符号の説明】
1,7…情報処理装置、2,6…信号路、3…送信側装置、4a,4b,4c…経路、5…受信側装置、8…パケット、9a…RTPシーケンス番号、9b…フラグメント識別子、10,10a…パケット調整装置、12a,12b,12c…バッファ制御部、13a,13b,13c…パケット識別子、14a,14b,14c…パケットバッファ、16a,16b,16c…遅延制御部、17…受信時刻測定部、18…時間差算出部、19,19a…遅延時間算出部、20…設定部、21,21a…遅延設定処理部、22…試験パケット送信装置、23…試験パケット、24…タイムスタンプ、25…伝送時間算出部
Claims (5)
- 送信側装置(3)で一つの信号路(2)から入力された複数のパケット(8)を複数の経路(4a〜4c)に分散して送出して、受信側装置(5)で前記複数の経路を経由した各パケットを受信して一つの信号路(6)に出力する伝送システムにおける前記各経路と前記受信側装置との間に介挿され、前記各パケットの前記受信側装置への入力時刻を調整するパケット調整装置(10)であって、
前記各経路から順次入力される各パケットが前記受信側装置への入力時刻の調整対象パケットであるかを識別する複数のパケット識別部(13a〜13c)と、
前記各経路から順次入力される各パケットのうち前記調整対象パケットと識別された各パケットの受信時刻を測定する受信時刻測定手段(17)と、
前記測定された各受信時刻から時間的に隣接する調整対象パケットと識別されたパケット相互間の受信時間差を算出する受信時間差算出手段(18)と、
前記算出されたパケット相互間の受信時間差を用いて、前記受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る調整対象パケットと識別された各パケットの出力時間間隔が規定値になる、経路毎のパケット受信時刻からの遅延時間を算出する遅延時間算出部(19)と、
前記各経路に対応して設けられ、当該経路から入力されたパケットを記憶するための複数のパケットバッファ(14a〜14c)と、
前記各経路に対応して設けられ、前記各経路から順次入力される各パケットのうち前記調整対象パケットと識別された各パケットを前記パケットバッファに書込み、調整対象パケットと識別されない各パケットをそのまま前記受信側装置へ送出すると共に、前記パケットバッファに書込んだパケットを受信時刻から前記遅延時間算出部で算出された当該経路の遅延時間経過後に読出して前記受信側装置へ出力する複数のバッファ制御部(12a〜12c)と
を備えたことを特徴とするパケット調整装置。 - 前記各経路から順次入力される各パケットに付された送信順序を読取る送信順序読取手段を有し、
前記遅延時間算出部は、前記算出されたパケット相互間の受信時間差、及び前記送信順序読取手段で読取られた各パケットの送信順序を用いて、前記受信側装置へ順次出力される各パケットの遅延時間を算出する
ことを特徴とする請求項1記載のパケット調整装置。 - 前記規定値は、前記パケットの所要時間と、時間的に隣接するパケット相互間のギャップ時間とを加算した時間であることを特徴とする請求項1又は2記載のパケット調整装置。
- 送信側装置(3)で一つの信号路(2)から入力された複数のパケット(8)を複数の経路(4a〜4c)に分散して送出して、受信側装置(5)で前記複数の経路を経由した各パケットを受信して一つの信号路(6)に出力する伝送システムにおける前記各経路と前記受信側装置との間に介挿され、前記各パケットの前記受信側装置への入力時刻を調整するパケット調整装置(10a)であって、
前記各経路から順次入力される各パケットが前記受信側装置への入力時刻の調整対象パケット、試験パケットであるかを識別する複数のパケット識別部(13a〜13c)と、
前記送信側装置と各経路との間に介挿された試験パケット送信装置(22)から各経路に送出され、前記パケット識別部で識別された各試験パケット(23)を受信して、この各試験パケットに含まれる送信時刻とこの試験パケットの受信時刻とから、各経路の伝送時間を算出する伝送時間算出手段(25)と、
前記各経路に対応して設けられ、当該経路から入力されたパケットを記憶するための複数のパケットバッファ(14a〜14c)と、
前記算出された各経路の伝送時間を用いて、前記受信側装置へ順次出力される全部の経路に亘る前記調整対象パケットと識別された各パケットの出力時間間隔が規定値になる、経路毎のパケット受信時刻からの遅延時間を算出する遅延時間算出部(19a)と、
前記各経路に対応して設けられ、前記各経路から順次入力される各パケットのうち調整 対象パケットと識別された各パケットを前記パケットバッファに書込み
、調整対象パケットと識別されない各パケットをそのまま前記受信側装置へ送出すると共に、前記パケットバッファに書込んだパケットを受信時刻から前記遅延時間算出部で算出された当該経路の遅延時間経過後に読出して前記受信側装置へ出力する複数のバッファ制御部(12a〜12c)と
を備えたことを特徴とするパケット調整装置。 - 前記規定値は、前記一つの信号路から前記送信側装置に入力される各パケットの所要時間とパケット相互間のギャップ時間とを加算したパケット送信時間間隔であることを特徴とする請求項4記載のパケット調整装置。
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