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JP3854716B2 - 液体クロマトグラフ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体クロマトグラフに係るものであり、特に複数のカラムを用いて一方のカラムで分析中に他方のカラムの再生(洗浄および再安定化)を行う液体クロマトグラフに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体クロマトグラフにおいて、分析用ポンプ・再生用ポンプ・バルブおよび複数のカラムを用いて、一方のカラムで分析中に他方のカラムの再生(洗浄および再安定化)を行う方式がある。この様な構成の液体クロマトグラフでは、それぞれのポンプにおいての目的の操作(分析・洗浄・再安定化)を分解し、ポンプの動作・バルブの動作についてタイムチャートを作成し、更にそれぞれのポンプのタイムチャートの整合性を考慮して調整を行い、全体のグラジエントプログラムを作成する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、個々のポンプおよびバルブのタイムチャートを考慮したグラジエントプログラムの作成は、オペレータによる手作業で行われていたため、プログラムの作成にあたっては経験を積んだ熟練者により行われていた。従って、プログラムの作成を行えるオペレータが限られてしまうとの問題点があった。また、複数のポンプなどのプログラムに展開する際に間違いを生じ易く、あらかじめ何度か確認した後でないと分析が開始できないとの問題点もあった。本発明の目的は、単独カラムにおける一連の操作(分析・洗浄・再安定化)の入力により、複数のポンプおよびバルブのプログラムを自動的に作成する液体クロマトグラフを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的において本発明の特徴は、分析用の溶離液を送液する第1のポンプ、カラムの再生・再安定化用の溶離液を送液する第2のポンプ、分析すべき試料を注入する試料注入部、前記試料を成分毎に分離を行い前記第1のポンプに対して並列に設けられた少なくとも2本のカラム、当該カラムによって分離された試料の検出を行う検出部および前記各機器を制御する制御部より構成され、前記カラムの内一方のカラムで試料分析中に他のカラムに前記第2のポンプより別組成の溶離液を供給する液体クロマトグラフにおいて、前記制御部に、任意に設定された前記第1のポンプに対するグラジエントプログラムから第2のポンプも含めたグラジエントプログラムを作成するグラジエントプログラム作成手段を有することである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
【0006】
図1は本発明の液体クロマトグラフの第1の実施例の構成を示したものである。ポンプ1はプロポーショニングバルブ2を切り替えることにより溶離液3と溶離液4をその組成比を変化させながら液体を加圧して定流量で送液を行う。試料注入装置5は試料注入ポートおよび試料注入用高圧流路切り替えバルブを有し、試料を流路に注入する。注入された試料はカラム19により単一成分に分離され、カラム充填剤との相互作用の小さい成分から順に溶出される。溶出液中の各成分は、紫外光を光源とした複数の検出流路を備える検出器9でピークとして検出される。各ユニットの条件はコントローラ13により設定される。
【0007】
コントローラ13の構成例を図2に示す。コントローラ13は、演算装置14,表示装置15,入力装置16,記憶装置17および入出力装置18で構成されており、入出力装置18を介して接点制御あるいは通信制御によりポンプ・試料注入装置およびバルブを制御している。
【0008】
図3は、コントローラ13における溶離液組成を変化させるグラジエントプログラム作成初期設定画面の例である。なお本実施例においては、コントローラ
13はパーソナルコンピュータを使用している。
【0009】
次に本実施例におけるグラジエントプログラムの作成例を示す。
【0010】
まず、グラジエントを行う時間、カラムを洗浄して再安定化させる時間及び流量が、それぞれ「Gradient Time」「Regeneration Time」および「Flow Rate」として入力が求められる。溶媒を混合するミキサの容量などによる「Deley Volume(流路安定化容量)」はあらかじめシステム構成時に入力された値が示されており、特に必要がない限りここで入力する必要はない。
【0011】
ここで例として「Gradient Time」に6分,「Regeneration Time」に6分を入力しOKボタンを押すと、図4の画面が表示される。本実施例においては、初期表示としては、グラジエント開始時およびカラム安定化時の溶離液Bの組成は20%、グラジエント終了時の溶離液Bの組成は80%、カラム洗浄時の溶離液Bの組成は100%、カラム洗浄時間は入力された再安定化時間(RegenerationTime)の1/2と規定されている。
【0012】
図4に示される画面の右側は、設定されているグラジエントプログラムを時間とA・B溶離液の組成の表で示している。画面左側は溶離液Bの組成比を時間軸に対するグラフで表している。画面左側のグラジエントプログラムのグラフフィカル表示により、どのようなグラジエントプログラムが作成されているのかを視覚的に確認でき、目的とするプログラムが作成されているか否かを簡単に確認可能である。
【0013】
以下に、コントローラ13におけるグラジエントプログラムの作成方法を画面例により説明する。
【0014】
図5は時間0における溶離液組成比の設定を変化させる場合の例である。溶離液組成比を示すグラフの時間0と交わる点をクリックすると、クリックしたグラフ上の点が選択され、選択されていることを確認する四角のマークが入る。この点をマウスでドラッグすることによりグラジエントプログラムの初期溶離液組成比が設定可能となる。なお時間0の点が選択された場合には、この点は溶離液Bの組成比軸上のみを移動する。現在のポインタの位置は、カーソルポジションとして画面下部に表示される。図6は、時間0における溶離液組成を示す点が40%でドロップされた場合の画面例である。ポインタの位置に合わせて、画面右側の表によるグラジエントプログラム表示の時間0の行も、B液の組成比が同じ数値、即ち「40」に変更される。また、カラム安定化時のB液の組成比も同様に「40」に変更される。
【0015】
同様にグラジエント終了時の初期溶離液組成もグラフ上から変更可能であり、変更を行うと併せて画面右側の表によるグラジエントプログラム表示の対応する時間の数値が変更される。
【0016】
図7は、カラム洗浄時の溶離液組成を設定する場合の例である。グラフ表示の洗浄部をクリックすると、洗浄部分の線(実施例では100%Bの部分の線)が選択され、選択されたことを示す太線表示となる。この線をドラッグすることで洗浄時のB液の組成比を変更することができる。なおドラッグによりこの線は時間軸と垂直に動く。図8はB液の組成比が90%の点でドロップされた場合の例である。グラフからB液の組成比が90%に変更されたことに併せて、画面右側の表によるグラジエントプログラム表示の時間6.1および9.0の行において、B液の組成比が「90」に変更される。
【0017】
図9は、カラム洗浄時間と再安定化時間の割合を変更する場合の例である。グラフ表示の洗浄部と再安定化部の境界線(9分時の垂直線)をクリックすると、境界線が選択され、選択されたことを示す太線表示となる。この線をドラッグすることでカラム洗浄時間と再安定化時間の割合を変更することができる。なおドラッグによりこの線は時間軸と水平に動く。図10は境界線が8分でドロップされた場合の例である。グラフから境界線が8分に変更されたことに併せて、画面右側の表によるグラジエントプログラム表示の時間「9.0」および「9.1」が、「8.0」および「8.1」に変更される。
【0018】
上記に、グラフによりグラジエントプログラムを変更する例を示したが、この際に画面右側の表は必ずしも表示される必要はなく、表が表示されていない状態でもプログラムの変更は可能である。
【0019】
図11は、表によるグラジエントプログラム表示によりグラジエントプログラム設定を変更する場合の例である。図11は時間0.0 分の行、即ちグラジエント開始点の溶離液組成を変更する場合の例で、表中の0.0 分の行の溶離液Bの組成を表示しているカラムをクリックすると、そのカラムが反転表示となり数値入力が可能となる。0.0 分におけるB溶離液の組成を入力装置16を用いて 「40」と入力すると、画面は図12のごとく変更される。即ち、A溶離液の組成比のカラムには100から40を減じた「60」が自動的に表示され、画面左側のグラフィカル表示も表による入力に合致するように40%の位置に変更する。このとき0.0 分の行はグラジエント開始点であるため、再安定化の組成比もグラジエント開始点の組成比と同じ40%に変更される。
【0020】
本実施例においては、上記に示したように、グラジエントプログラムをグラフィカル表示画面により作成・編集可能であるため、目的とする溶離液組成変化を設定するプログラムを感覚的に認識することができ、容易に作成可能となる効果がある。また表によるグラジエント作成・編集においても、溶離液組成変化のグラフィカル表示が同時に変化するため設定間違いを防止できる効果もある。
【0021】
図13は本発明の液体クロマトグラフの第2の実施例の構成を示したものである。本実施例は、1つの分析に対してカラムを複数設けたものであり、この様な構成の場合のグラジエントプログラム作成について示すものである。
【0022】
図13の構成では、2つの分析用ポンプ1は、プロポーショニングバルブ2を切り替えることにより溶離液3と溶離液4をその組成比を変化させながら液体を加圧して定流量で送液を行う。試料注入装置5は、複数の試料注入ポートおよび試料注入用高圧流路切り替えバルブを有し、それぞれ異なる試料を複数の流路に注入する。注入された試料は十方バルブ6に導かれる。十方バルブ6は現在実線で示された流路に設定されており、試料は7のカラムAにより単一成分に分離され、カラム充填剤との相互作用の小さい成分の順に溶出される。溶出液中の各成分は、再び十方バルブ6を経て紫外光を光源とした複数の検出流路を備える検出器9でピークとして検出される。それぞれの溶出液流路はフラクションコレクタ10と接続されており、各成分は成分毎に異なる試験管等の容器に収集される。この分析中に、再生用ポンプ11は、プロポーショニングバルブ2を切り替えることにより溶離液3と溶離液4をその組成比を変化させ、洗浄液およびそれに続いて再安定液として加圧して定流量で送液する。洗浄液および再安定化液は2つに分岐され、2つの十方バルブ6を介して8のカラムBを2本同時に洗浄・再安定化させる。洗浄液および再安定化液はドレイン瓶12に回収される。
【0023】
図14は十方バルブ6の近傍を詳細に示したものである。十方バルブ6が実線で示された流路に設定されている場合は、分析用ポンプ1が7のカラムAに、再生用ポンプ11が7のカラムBに連通されている。この時7のカラムAで試料の分析が行われ、溶出液は検出器9に導かれる。8のカラムBでは洗浄・再安定化が行われており、溶出液はドレイン瓶12に導かれる。十方バルブ6を点線側に切り替えると8のカラムBで分析が行われ、7のカラムAの洗浄・再安定化が行われる。
【0024】
分析用ポンプ1,再生用ポンプ11,試料注入装置5および十方バルブ6は、コントローラ13により制御されている。コントローラ13の構成は、第1の実施例と同様に図3で示される。コントローラ13は、演算装置14,表示装置15,入力装置16,記憶装置17および入出力装置18で構成されており、入出力装置18を介して接点制御あるいは通信制御によりポンプ・試料注入装置およびバルブを制御している。
【0025】
図15は、本第2の実施例において、コントローラ13で第1の実施例と同様の手法にて作成されたグラジエントプログラムである。また同プログラムを表形式で表示したのが図18である。本例では、分析時間は8分、洗浄時間は2分、再安定化時間は5分、流量は2mL/分と設定した場合を示している。また、主に流路中に設置された溶媒混合用のミキサ容量に起因する流路安定化容量は本実施例の系で4mLである。
【0026】
本実施例のコントローラ13においては、分析用と再生用の2つのカラムを有していることから、上記のように設定されたグラジエントプログラムから、図17で示すように、A:分析時間,B:洗浄時間,C:再安定化時間,D:流量,E:流量安定化容量の五つのパラメータを求め、これらのパラメータから各演算を行い、分析用ポンプおよび再生用ポンプの条件を自動的に算出を行う。本例においては、A=8分,B=2分,C=5分,D=2mL/分,E=4mLであるから、図17に示す算出法により、分析用ポンプの最短周期は10分、再生用ポンプの最短周期は7分と計算され、試料注入周期は10分となる。ここから分析用ポンプの分析時間の流路安定化時間は2分、再生用ポンプの再安定化時間が8分と算出される。このように、本例で算出された各条件により作成された分析用ポンプ・再生用ポンプおよび十方バルブのプログラムは、図16の如くなる。またこれを表形式で表示したのが図19である。
【0027】
本実施例のクロマトグラフを用いると、分析用と再生用の2つのカラムを有しているシステムにおいて、通常のグラジエントプログラムを入力するのみで分析用ポンプ・再生用ポンプおよびバルブのプログラムが作成されるため、一方のカラムでの分析中に他方のカラムの洗浄・再安定化を行いスループットを向上させることが容易に行えるという効果がある。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、複数系統のカラム及びそれぞれの系統に分析用と再生用の2つのカラムを有しているシステムにおいて、通常のグラジエントプログラムを入力するのみで分析用ポンプ・再生用ポンプおよびバルブのプログラムが作成されるため、一方のカラムでの分析中に他方のカラムの洗浄・再安定化を行いスループットを向上させることが容易に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図である。
【図2】本発明のシステムコントローラ構成図である。
【図3】本発明の初期入力画面例である。
【図4】本発明のグラジエントプログラム初期作成画面例である。
【図5】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図6】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図7】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図8】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図9】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図10】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図11】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図12】本発明のグラジエントプログラム作成画面例である。
【図13】本発明の第2の実施例の流路構成図である。
【図14】本発明の第2の実施例の十方バルブ近傍詳細図である。
【図15】本発明の第2の実施例で設定されたグラジエントプログラムである。
【図16】本発明の第2の実施例で自動作成されたタイムプログラムである。
【図17】本発明の第2の実施例のプログラム自動作成方法である。
【図18】本発明の第2の実施例で設定されたグラジエントプログラムである。
【図19】本発明の第2の実施例で自動作成されたタイムプログラムである。
【符号の説明】
1…分析用ポンプ、2…プロポーショニングバルブ、3…溶離液A、4…溶離液B、5…試料注入装置、6…十方バルブ、7…カラムA、8…カラムB、9…検出器、10…フラクションコレクタ、11…再生用ポンプ、12…ドレイン瓶、13…システムコントローラ、14…演算装置、15…表示装置、16…入力装置、17…記憶装置、18…入出力装置、19…カラム。

Claims (1)

  1. 分析用の溶離液を送液する第1のポンプ,カラムの再生・再安定化用の溶離液を送液する第2のポンプ、分析すべき試料を注入する試料注入部、前記試料を成分毎に分離を行い前記第1のポンプに対して並列に設けられた少なくとも2本のカラム、当該カラムによって分離された試料の検出を行う検出部および前記各機器を制御する制御部より構成され、前記カラムの内一方のカラムで試料分析中に他のカラムに前記第2のポンプより別組成の溶離液を供給する液体クロマトグラフにおいて、
    前記制御部に、任意に設定された前記第1のポンプに対するグラジエントプログラムから第2のポンプも含めたグラジエントプログラムを作成するグラジエントプログラム作成手段を有し、
    前記制御部のグラジエントプログラム作成手段は、分析時間,洗浄時間,再安定化時間及び流路安定化容量をパラメータとして第2のポンプも含めたグラジエントプログラムを作成し、
    分析時間と、流路安定化容量を第1のポンプの流量で除することにより得られる時間との合計時間、又は、洗浄時間と再安化時間との合計時間、のいずれか大きい方を試料注入周期とする
    ことを特徴とする液体クロマトグラフ。
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