JP3854828B2 - 鉄道車両用渡り板装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道車両用渡り板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両の連結部には、連結された車両間を人が移動するための渡り板が設けられているとともに、この渡り板からなる連結通路の外周が、連結車両間に設けた幌で被覆されている。
【0003】
車両の連結部は、連結車両相互が水平方向に偏倚したり、上下方向に振動するため、連結された一方の車両に一方の渡り板を上下方向に回転可能に備え、他方の車両に他方の渡り板を上下方向に回転可能に備え、これら両渡り板の先部を水平位置で重ね合わせて連結通路の床板を構成している。
【0004】
このような渡り板を車両に取り付ける構造として、従来、図16及び図17に示すように、渡り板101,102の基部と車両103,104の一方にピン105を固定し、他方に前記ピン105の全周を囲む取付穴106を設けて、これらを回転可能に嵌合したヒンジ構造とし、渡り板101,102を単に起伏可能に車両へ取り付けるものが一般的である。
【0005】
また、連結通路方向の中間部で幌を分割し、その分割部における開放側幌金枠と車両とに渡り板を前記と同様の構造により取り付けるものもあり、例えば特開昭61−105269号や特開平7−309233号公報に開示されている。
【0006】
【発明を解決しようとする課題】
ところで、車両連結部に張設された幌における底壁と渡り板との間、すなわち渡り板の下部空間にはごみが入ったり、機器が配置されているため、この下部空間において清掃や点検保守などの作業が行われる。
【0007】
このような清掃や点検保守などの作業を行う場合、渡り板が前記従来のようなヒンジ構造で取り付けられているものにおいては、その渡り板101,102を図17の鎖線で示すようにヒンジ部で旋回起立し、この起立した状態で清掃や点検保守を行う必要がある。
【0008】
このように渡り板を起立させた状態では、該連結通路部での作業者の通行が困難になる上に前記の清掃、点検保守も困難になり、車両全体の点検作業に支障をきたす問題がある。更に、連結車両の分割、併合作業にも渡り板が邪魔になって支障をきたす問題がある。
【0009】
そこで本発明は、前記のような点検保守作業時や連結車両の分割、併合作業には、渡り板を取り外すことができるようにして前記の問題を解決することを目的とするものである
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、渡り板を連結通路の幅方向に複数に分割し、その分割された一部の分割渡り板を取り付ける部材に横軸と、該横軸の前側に位置して所定の隙間を有して外れ防止手段を夫々固設し、前記一部の分割渡り板の基部側の下面に、後方が開口するU状の渡り板軸受を固設し、該渡り板軸受を前記横軸に回転可能に嵌合して該横軸を中心として前記一部の分割渡り板を上下方向に旋回可能に備え、その一部の分割渡り板が略水平姿勢の状態では前記渡り板軸受が前記横軸と外れ防止手段に係止してその渡り板の外れが阻止され、その渡り板を上方へ所定量旋回した状態で上方へ持ち上げることにより渡り板軸受が横軸から外れるようにし、また、前記一部の分割渡り板に隣接する他の分割渡り板の基部と該他の分割渡り板を取り付ける部材には、その一方に横軸を設け、他方に軸穴を設け、これらを回転可能に嵌合するとともに該他の分割渡り板を前記一部の分割渡り板側へ移動することにより前記横軸と軸穴との嵌合が外れるようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明においては、複数の分割された各分割渡り板が使用状態の略水平姿勢では、その各分割渡り板が車両或いは幌枠などの取付部材から外れることなく、横軸を中心として車両の上下振動に対し必要量分若干上下に旋回して追従する。
【0016】
また、渡り板を取り外す場合には、先ず、渡り板軸受を有する一部の分割渡り板を略水平の取付状態から所定量上方へ旋回させて渡り板軸受の開口部を下向きにし、その後、その渡り板を上方へ持ち上げることにより、渡り板軸受が横軸から外れ、その渡り板を、その取付部材から取り外すことができる。その後、隣接する分割渡り板を前記一部の分割渡り板が存在していた方向へ移動させて取り外す。
【0017】
また、前記のように取り外した各渡り板を取付部材に取り付ける場合には、前記の取り外し工程とは逆の工程により取り付けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1乃至図7は本発明を説明するための実施例を示すものでこれを第1実施例とする。
【0020】
図1は幌の側部の下方を切開した車両連結部の略側断面図、図2はその略平断面図で、この図において、連結した一方の車両1の妻面1aと、他方の車両2の妻面2aとの間に、幌枠3,4を介して1枚の幌5が張設されている。該幌5は周知のように連結通路6部の外周を囲むように筒状に形成されている。
【0021】
一方の車両1の妻面1aには一方の取付手段7により一方の渡り板8が他方の車両2側へ突出するように備えられ、また、他方の車両2の妻面2aには他方の取付手段9により他方の渡り板10が一方の車両1側へ突出するように備えられている。また、前記一方の渡り板8は一方の車両1の床面1bと略同一位置において水平方向に配置され、他方の渡り板10は他方の車両2の床面2bと略同一位置において水平方向に配置されるようになっている。更に、一方の渡り板8における突出側の先部8aの上面に他方の渡り板10における突出側の先部10aが重合状に載置するようになっている。更に、前記両渡り板8,10の下側に幌5の底壁5aが配置されている。
【0022】
以上の構成により、幌5内において、両渡り板8,10を水平方向に配置するとともに夫々の先部を重合して、この渡り板8,10により連結車両間の連結通路6の床板を構成している。
【0023】
次に、前記一方の渡り板8の取付手段7について図2乃至図5により詳述する。なお、この取付手段7は、一方の渡り板8における幅方向の両側に設けられているが、夫々同一構造であるため、片側の取付手段について説明する。
【0024】
図2及び図3において、一方の渡り板8における車幅方向の両端部8b,8bの近傍に位置して車体側軸受11が配置され、該車体側軸受11が渡り板の取付部材である一方の車体1の妻面1aに固定されている。該車体側軸受11には、一方の渡り板8に向って水平に突出する、すなわち、車幅方向に水平に突出する横軸12が固設されている。該横軸12は所定の長さに設定されており、図3に示すように一方の渡り板8の側部付近に位置するように短尺に設定してもよく、また、一方の渡り板8の横幅方向の全長にわたる長さに設定してもよい。
【0025】
前記一方の渡り板8の基部側、すなわち、連結通路方向における一方の車両1側の端部には、その下面において図5に示すように取付座13が固設されている。該取付座13の下面には渡り板軸受14が固設されている。
【0026】
該渡り板軸受14は、図5に示すように、渡り板8を略水平に配置した場合に、その渡り板8の後方側、すなわち、一方の車両1に対向する側が開口するU字状の横断面形状に形成されている。換言すると、渡り板8を略垂直状態に起立した場合に、渡り板軸受14が、下方を開口した逆U字状の形態になるように形成されている。該渡り板軸受14のより具体的な横断面形状は半円部14aとその両端から直線状に延びた直線部14bと、開口部14cとからなり、半円部14aと両直線部14bは同一板厚に形成されている。
【0027】
更に、該渡り板軸受14における半円部14aの内曲面14dの内径と両直線部14b間の寸法は、前記横軸12の円断面の外径と略同等に設定され、渡り板軸受14が横軸12に同心状に嵌合し、かつ相互間のガタツキを少なくして回転可能に嵌合するようになっている。
【0028】
また、該渡り板軸受14は、一方の渡り板8の横幅全長にわたる長さに形成されているが、前記横軸12を図3に示すように短尺に形成した場合には、該横軸12と同一位置において略同長の短尺に形成してもよい。
【0029】
前記一方の車両1の妻面1aには図5に示すように、前記一方の渡り板8の下部に位置して軸受案内板15が固設されている。該軸受案内板15は車両への取付板15aと、前記横軸12の前側、すなわち横軸12に対して車両1側と反対の側において起立した案内板15bと、該案内板15bの上端において略水平に折曲した支承板15cとからなる。該軸受案内板15は、一方の渡り板8の横幅方向の略全長、すなわち、前記渡り板軸受14の略全長にわたって設けられているが、渡り板軸受14の軸方向の一部に設けてもよい。
【0030】
前記案内板15の車両側面には樹脂材料などからなるスリ板16が固着されている。該スリ板16は、前記横軸12と同一高さの位置、すなわち、前記渡り板軸受14が嵌合される位置において設けられている。更に、該スリ板16の内面16aの位置は、該面16aと前記横軸12の外周面との間の隙間dが前記渡り板軸受14の板厚よりも若干大きい寸法になるように設定されている。すなわち、スリ板16の内面16aが渡り板軸受14の外面14eに若干の隙間をもって近接している。なお、前記軸受案内板15とスリ板16により、前記一方の渡り板8の外れを防止する外れ防止手段17を構成している。
【0031】
前記支承板15cにはボルト状の受金18が垂直方向に螺合して備えられ、該受金18を正逆回転することにより、その上面の支承面18aの高さを調節できるようになっている。また、その調節位置は、固定ナット19で固定するようになっている。そして、図5に示すように一方の渡り板8の渡り板軸受14を横軸12に嵌合してその一方の渡り板8を倒伏した場合に、その一方の渡り板8が前記受金18により支持されて、その一方の渡り板8の略水平状態からの旋回下降が阻止され、また、受金8を回転してその高さを調節することにより、一方の渡り板8の水平面との角度(水平度)を調節できるようになっている。なお、前記支承板15cと受金18により渡り板の下降阻止手段20を構成している。この下降阻止手段20は、前記の構成に限らず、前記支承板15cにより直接渡り板8を支持するようにしてもよく、更に他の構造で渡り板8を支持するようにしてもよい。
【0032】
前記図1及び図2に示した他方の渡り板10の取付手段9は、前記一方の渡り板8の取付手段7と同様の構造である。すなわち、前記と同様の車体側軸受11、横軸12、取付座13、渡り板軸受14、軸受案内板15、スリ板16で構成されている。したがって、この他方の渡り板10の取付手段9の構造の説明は省略する。
【0033】
なお、他方の渡り板10側には、前記の支承板15c、受金18(下降阻止手段20)は設けられていない。また、他方の渡り板10の先部の下面には図1及び図2に示すようにスリ板21が固着されており、該スリ板21を介して他方の渡り板10の先部が前記一方の渡り板8の先部の上面に載置されている。
【0034】
以上の構造において、図5に示すように、一方の渡り板8の渡り板軸受14を横軸12に嵌合するとともにその一方の渡り板8の下面を下降阻止手段20である受金18上に載置して一方の渡り板8を略水平の倒伏状態に取り付け、また、他方の渡り板10も、前記一方の渡り板8と同様に取り付けるとともにその先部を一方の渡り板8に載置した状態での作用を説明する。
【0035】
この状態では、一方の渡り板8の渡り板軸受14が横軸12に回転可能に嵌合されているため、車両1,2の走行時に上下振動があった場合、この振動に対し一方の渡り板8が横軸12を中心として上下方向に円滑に追従旋回できる。また、他方の渡り板10も同様に上下方向に追従旋回できる。
【0036】
また、渡り板軸受14に開口部14cが形成されているが、外れ防止手段17であるスリ板16の内面16aが渡り板軸受14の外面14eに近接していることにより、一方の渡り板8の略水平姿勢或いは水平状態から若干上方へ旋回した姿勢においては、渡り板軸受14の半円部14aが横軸12とスリ板16間に挟まれ、かつ渡り板軸受14の下側直線部14bが横軸12に係止して、一方の渡り板8は外れない。
【0037】
他方の渡り板10も前記一方の渡り板8と同様に旋回可能で、かつ外れない。
【0038】
また、一方の渡り板8は下降阻止手段20によって下方への旋回が阻止され、設定された略水平姿勢が保持される。
【0039】
また、他方の渡り板10には前記の下降阻止手段20が設けられていないが、その他方の渡り板10の先部が前記一方の渡り板8の先部上面に重ねられるため、その他方の渡り板10が略水平状態から下方へ旋回下降することも阻止される。
【0040】
また、連結車両1,2間において偏倚や伸縮が生じた場合には、一方の渡り板8と他方の渡り板10は、その前記重合部が摺動して追従移動する。
【0041】
次に、両渡り板8,10の前記の略水平な設置状態から、連結部の清掃や点検保守を行うために、両渡り板8,10を取り外す場合について説明する。
【0042】
この場合には、一方の渡り板8を、その先端を持って、図6に示すように、横軸12と渡り板軸受14の嵌合部を中心として上方へ旋回させて略垂直に起立させる。これにより渡り板軸受14も同様に回転してその開口部14cが下向きになるとともに直線部14bがスリ板16の内面16aと略平行する。したがって、この起立状態からその一方の渡り板8を上方へ持ち上げることにより、その一方の渡り板8を図7に示すように車両1から取り外すことができる。
【0043】
また、他方の渡り板10も前記と同様にして取り外す。
【0044】
このように両渡り板8,10を取り外すことにより、前記従来のように単に渡り板を起立させるものと比較して幌内における底部での清掃や点検保守の作業が容易に行えるとともに作業者が連結通路部を通行することも容易になる。
【0045】
次に、前記の清掃、点検保守などの作業が終了した後に、前記のように取り外した両渡り板8,10を取り付けるには、前記の取外し工程と逆の工程により取り付けることができる。
【0046】
なお、前記の実施例では、渡り板8,10を略垂直姿勢に起立した状態で取り外しが行えるようにしたが、渡り板8,10を、水平に対して所望の角度に上方へ旋回した場合に取り外すことができるように前記の渡り板軸受14を、その開口側の向きを定めて設置してもよい。
【0047】
図8乃至図15は本発明の実施例を示す。これを第2実施例とする。
【0048】
本第2実施例は、図8及び図9に示すように、連結車両1,2間の連結通路に設けられる幌を2分割し、この分割幌5A,5Bの開放側幌金枠31,32相互を連結するようにした分割型幌に本発明を適用した例である。
【0049】
また、一方の分割幌5A側には、渡り板の取付部材である一方の車両1側に取り付けられた一方の渡り板33と、渡り板の取付部材である開放側幌金枠31に取り付けられた他方の渡り板34が設けられている。更に、他方の分割幌5B側には、渡り板の取付部材である他方の車両2側に取り付けられた一方の渡り板35と、渡り板の取付部材である開放側幌金枠32に取り付けられた他方の渡り板36が設けられている。
【0050】
更に、前記一方の渡り板33,35は夫々1枚で形成され、他方の渡り板34,36は、連結通路方向と直交する方向、すなわち通路幅方向に複数枚、図の例では3枚に分割して並列的に設けられている。この分割された中間の分割渡り板を34a,36aとし、両側の分割渡り板を34b,34c及び36b,36cとする。これら他方の分割渡り板34,36の先部は、その下面に固着したスリ板21aを介して一方の渡り板33,35の先部の上面に載置されている。
【0051】
前記一方の車両1側の一方の渡り板33は、前記第1実施例の取付手段7及び下降阻止手段20と同様の構造によって一方の車両1に取り付けられている。また、他方の車両2側の一方の渡り板35も前記第1実施例の取付手段7及び下降阻止手段20と同様の構造によって他方の車両2に取り付けられている。そのため、これらの一方の渡り板33,36の取付構造の説明は省略する。
【0052】
次に、前記一方の分割幌5Aにおける他方の渡り板34について図8乃至図12により詳述する。
【0053】
先ず、両側の分割渡り板34b,34cのうちの一側の分割渡り板34bについて説明する。
【0054】
該分割渡り板34bが位置する開放側幌金枠31には、図10及び図11に示すように、幌金枠軸受41a,41bが固設され、該幌金枠軸受41a,41bには、連結通路6の横幅方向で、かつ水平に配置した軸穴42a,42bが形成されている。分割渡り板34bの基部側の下面には取付部材43a,43bを介して横軸44a,44bが、前記軸穴42a,42bと同方向に固設され、該横軸44a,44bを軸穴42a,42bに、その連結通路6の中央X−X側の開口部42cから抜き外し可能に差し込んで、渡り板34bを幌金枠軸受41a,41bに回転可能に取り付けるようになっている。
【0055】
なお、幌金枠軸受41a,41b側に横軸44a,44bを設け、取付部材43a,43bに軸穴42a,42bを設けてもよい。
【0056】
前記内側に位置する取付部材43bには、前記横軸44bと反対側の方向、すなわち、連結通路6の中央X−X部に向って横軸45が水平方向に突出している。この横軸45は前記第1実施例の横軸12と同様の機能を有するものである。
【0057】
次に、前記他側の分割渡り板34cについて説明する。
【0058】
該他側の分割渡り板34cが位置する開放側幌金枠31には、図8に示すように、前記一側の分割渡り板34b側と同様の幌金枠軸受41a,41bが、前記一側の分割渡り板34bに対して連結通路6の中央X−Xを中心とした対称位置に設けられ、また、他側の分割渡り板34cには前記一側の分割渡り板34b側と同様の横軸44a,44bと横軸45が、前記一側の分割渡り板34bに対して連結通路6の中央X−Xを中心として対称に設けられており、他側の分割渡り板34cが前記一側の分割渡り板43bと同様に回転可能に備えられている。この他側の分割渡り板34bの取付構造は前記一側の分割渡り板43bの取付構造と同様であるため、その説明は省略する。
【0059】
次に前記中央部の分割渡り板34aについて図8及び図12により説明する。
【0060】
中央部の分割渡り板34aの基部側下面には、前記第1実施例の渡り板軸受14と同様の渡り板軸受46が取付座49を介して固設されている。そして、図12に示すように、該渡り板軸受46を前記横軸45に、前記第1実施例と同様に回転可能に嵌合して中央部の分割渡り板34aが取り付けられている。また、中央部の分割渡り板34aが位置する開放側幌金枠31には前記第1実施例の軸受案内板15と同様の軸受案内板47が固設されているとともに前記スリ板16と同様のスリ板48が設けられており、中央部の分割渡り板34aが前記第1実施例の一方の渡り板8と同様に、略水平状態では取り外すことができず、略垂直状態において取り外すことができるようになっている。
【0061】
なお、図10において、50,51,52は間座を示す。
【0062】
また、他方の分割幌5Bにおける他方の渡り板36の開放側幌金枠32への取付構造は、前記一方の分割幌5Aにおける他方の渡り板34の取付構造と同様である。すなわち、両側の分割渡り板36b,36cは前記両側の分割渡り板34b,34cと同様の取付構造であり、中央部の分割渡り板36aは前記中央部の分割渡り板34aと同様の取付構造である。
【0063】
前記第2実施例の構造において、各渡り板が図8乃至図12に示すように取り付けられている状態では、車両1,2側に取り付けられた一方の渡り板33,35は前記第1実施例と同様に各横軸(図5の12に相当する横軸)を中心として上下方向に旋回可能であるとともに下降阻止手段(図5の20に相当する下降阻止手段)によって略水平状態からの下方への旋回が阻止されている。
【0064】
また、開放側幌金枠31,32に取り付けられた各他方の分割渡り板34a〜34c、36a〜36cは、各横軸44a,44b,45を中心として上下方向に旋回可能であるとともに、該各他方の分割渡り板34a〜34c、36a〜36cの先部が前記一方の渡り板33,35上に支持される。更に、中央部の分割渡り板34a,36aは、その渡り板軸受46が図12に示す状態にあり、前記第1実施例と同様に外れない。
【0065】
また、連結車両1,2間において偏倚や伸縮が生じた場合には、一方の渡り板33,35と他方の渡り板34,36は、その重合部が摺動して追従移動する。
【0066】
次に、連結部の清掃や点検保守を行うために、各渡り板を取り外す場合について説明する。
【0067】
先ず、分割幌5A側における中央の分割渡り板34aを、その先端を持って、図13に示すように、横軸45と渡り板軸受46の嵌合部を中心として上方へ旋回させて略垂直に起立させた後、図14に示すように持ち上げて開放側幌金枠31から外す。
【0068】
次に、一側の分割渡り板34bを、前記のように取り外された中央部の分割渡り板34aがあった方向、すなわち連結通路6の中央X−Xの方向(図10に示す矢印Y方向)へ移動させて、図15に示すように横軸44a,44bを幌金枠軸受41a,41bから外す。これにより、一側の分割渡り板34bを開放側幌金枠31から外すことができる。次に、他側の分割渡り板34cも同様にして外す。なお、この一側の分割渡り板34bと他側の分割渡り板34cの取り外す順序は問わない。
【0069】
次に、一方の渡り板33を前記第1実施例と同様にして取り外す。
【0070】
次に、分割幌5B側の各渡り板も前記分割幌5A側と同様にして開放側幌金枠32から取り外す。
【0071】
なお、分割幌5A側の渡り板と分割幌5B側の渡り板の取り外す順序は問わない。
【0072】
以上により、全ての渡り板が取り外されて、連結部での清掃や点検保守などの作業が容易になる。
【0073】
次に、前記のように各渡り板を取り外した状態から、その各渡り板を取り付ける場合は、前記の取外し工程とは逆の工程により行う。
【0074】
なお、本第2実施例においても、各渡り板を取り外す場合の起立角度は、前記第1実施例と同様に略垂直に限らず、所望の角度にしてもよい。
【0075】
なお、前記第1実施例及び第2実施例のほかに、本発明を次のような形態で適用することができる。
【0076】
前記第1実施例において、一方の渡り板8は、1枚板としてその取付構造をそのままとし、他方の渡り板10を、連結通路6の幅方向に2分割してこれを並列状態に配置するとともに、その分割された各渡り板を夫々前記第1実施例と同様の構造で車両に取り外し可能に取り付けるようにしてもよい。更に、この他方の渡り板10を、前記第2実施例の開放側幌金枠31に取り付けた他方の渡り板34のように、中央の分割渡り板34aと両側の分割渡り板34b,34cに3分割してこれらを前記第2実施例と同様の構造で車両2に取り外し可能に取り付けてもよい。
【0077】
また、分割型幌を用いる第2実施例において、その第2実施例における開放側金枠31,32に取り付けられる他方の渡り板34,36、すなわち、夫々3枚に分割された渡り板を、前記第1実施例における1枚からなる他方の渡り板10に替えてもよい。
【0078】
したがって、連結車両における連結通路部の幅や長さ、更には一枚型か分割型かの幌の形態等の諸条件に合わせて、前記第1及び第2実施例に示した各渡り板を所望に選定して組み合わせて使用することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上のようであるから、本発明によれば、渡り板の下部空間において清掃や点検保守などの作業を行う場合には、渡り板を取り外すことができるため、前記従来のように渡り板を単に起立させるものに比べて、清掃や点検保守などの作業が容易に行えるとともに作業者の通行も容易になる。更に、連結通路の幅方向に複数に分割された渡り板の取り外し作業は、一部の分割渡り板を上方へ旋回させた後に持ち上げて外し、他の分割渡り板を移動させて外すことで行えるため、その取り外し作業が極めて簡単に行える。
【0080】
更に、渡り板が取り外されるため、連結車両の分割、併合作業が、前記従来のように渡り板が取り付けられたままの場合に比べて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、幌の側部の下方を切開して渡り板部を表した車両連結部の略側面図。
【図2】図1におけるA−A線から見た平断面図。
【図3】図2におけるB−B線から見た渡り板取付部の正面図。
【図4】図3におけるC−C線から見た側面図。
【図5】図3におけるD−D線から見た側断面図。
【図6】図5に示す渡り板を略垂直状態に起立した側断面図。
【図7】図6の状態から渡り板を上方へ持ち上げて取り外した側断面図。
【図8】本発明を分割型幌に適用した第2実施例を示すもので、その渡り板の構成を示す平断面図。
【図9】図8における分割型幌において、その一方の分割幌を切開して渡り板の一部を表した図。
【図10】図9におけるE−E線から見た渡り板取付部の正面図。
【図11】図10におけるF−F線から見た図で、側部の分割渡り板を示す側面図。
【図12】図10におけるG−G線から見た図で、中央の分割渡り板を示す側断面図。
【図13】図12の状態から中央の分割渡り板を上方へ旋回した側断面図。
【図14】図13の状態から中央の分割渡り板を上方へ持ち上げて取り外した側断面図。
【図15】図14のように中央の分割渡り板を取り外した後、図10に示す側部の分割渡り板を抜き外した状態を示す図。
【図16】従来の渡り板を示す略平面図。
【図17】図16におけるH−H線から見た側断面図。
【符号の説明】
1,2 車両
5 幌
8,10 渡り板
12 横軸
d 隙間
14 渡り板軸受
17 外れ防止手段
34a,36a 一部の(中央部の)分割渡り板
34b,34c,36b,36c 他の(側部の)分割渡り板
42a,42b 軸穴
44a,44b 横軸
45 横軸
46 渡り板軸受
Claims (1)
- 渡り板を連結通路の幅方向に複数に分割し、その分割された一部の分割渡り板を取り付ける部材に横軸と、該横軸の前側に位置して所定の隙間を有して外れ防止手段を夫々固設し、前記一部の分割渡り板の基部側の下面に、後方が開口するU状の渡り板軸受を固設し、該渡り板軸受を前記横軸に回転可能に嵌合して該横軸を中心として前記一部の分割渡り板を上下方向に旋回可能に備え、その一部の分割渡り板が略水平姿勢の状態では前記渡り板軸受が前記横軸と外れ防止手段に係止してその渡り板の外れが阻止され、その渡り板を上方へ所定量旋回した状態で上方へ持ち上げることにより渡り板軸受が横軸から外れるようにし、また、前記一部の分割渡り板に隣接する他の分割渡り板の基部と該他の分割渡り板を取り付ける部材には、その一方に横軸を設け、他方に軸穴を設け、これらを回転可能に嵌合するとともに該他の分割渡り板を前記一部の分割渡り板側へ移動することにより前記横軸と軸穴との嵌合が外れるようにしたことを特徴とする鉄道車両用渡り板装置。
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