JP3856517B2 - リチウムマンガン酸化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムマンガン酸化物を正極活物質として利用した非水電解質二次電池の内部インピーダンス増加を改善するものである。
【従来の技術】
近年の電子技術の発展により、驚くべき速度で機器の小型、軽量化が進められている。このため、移動体通信機器やポータブルコンピュータなどのモバイル機器が広く普及し始めていて、これらモバイル機器の電源として高エネルギー密度の二次電池が要望されている。中でも、非水電解質二次電池は従来のニカド電池やニッケル水素電池以上の高電圧が期待できることから、機器の更なる小型化、軽量化が期待できる電源であるとして渇望されている。しかしながら、リチウム金属およびリチウム合金を負極材料として用いた非水電解質二次電池では、充放電を繰り返した時に負極上にリチウムの樹枝状突起が形成されサイクル性能が低下したり、高温下での信頼性に問題があるなどの理由によりなかなか実用化されなかった。
【0002】
これらの問題点を解決する手段として、負極活物質としてリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料、正極活物質として層状構造を有するリチウムと遷移金属との複合酸化物を用いた非水電解質二次電池(特許第1989293号明細書)が発明され、充電状態で4V以上の電圧を有することから、モバイル機器の電源として広く普及するようになってきている。しかし、現在の非水電解質二次電池はコバルトを大量に含有していることから高価であり、電源としての低価格化に限界があった。このためコバルトをニッケルやマンガンで置き換える試みが活発である。特に、遷移金属の中でも価格の安いマンガンはコバルトを置き換えられるものとして最も期待されている。しかし、化学量論組成のリチウムマンガン酸化物はサイクル性能が悪いとされ、これを改善するために、マンガンをコバルト等の他の遷移金属で置換したり(例えば特許第2058834号明細書)、特開平5−205744号公報に示されるようにマンガンの一部をリチウムで置換すること等が提案されている。
【0003】
しかし、マンガンの一部をコバルト等で置換することは価格の高いコバルトが使われるために低価格化に限界がある。また、マンガンの一部をリチウムで置換したリチウムマンガン酸化物の従来の合成方法は、Mn原料とLi原料を所望の割合で混合し、600℃程度の比較的低温で熱処理することで得るというものであった。これらは低温で熱処理されるために結晶性が高くならず、その結果として対リチウム金属の酸化還元電位に対して約4V付近の可逆容量が低下するという問題点があった。さらに、結晶性が低いために室温以上の温度ではマンガンの溶出を十分防止できずに電池の内部インピーダンスが増加するという問題点があった。また、600℃以上の高温で熱処理を行なうと、Li2 MnO3 などの副相が生成しやすく、所望量のマンガンとリチウムの置換が起こらないために、やはり室温よりも高い温度で放置された場合にはマンガンの溶出が起こり、高温下で保存すると電池の内部インピーダンスが増加してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マンガンの一部をリチウムで置き換えたリチウムマンガン酸化物は室温付近での内部インピーダンスの増加の防止には一定の効果があるがまだ十分ではない。さらに、保存時の温度が高いというより厳しい状況下では依然としてマンガンの溶出が起こり、その内部インピーダンスが増加して電池の容量が低下するという問題点を有していた。さらに、従来のマンガンの一部をリチウムで置換したリチウムマンガン酸化物は、結晶性が低く容量も大きく低下するという問題点を有していた。本発明の課題は、結晶性の良好なリチウムマンガン酸化物を使用することで、高容量を保ったまま、特に室温以上の温度でもマンガン溶出が起こらず、電池の内部インピーダンスが増加しない、保存特性の良好な非水電解質二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
スピネル系リチウムマンガン酸化物の熱処理条件やマンガンの一部をリチウムで置換する方法を鋭意検討した結果、特定のX線回折模様を有するリチウムマンガン酸化物が非水電解質二次電池の正極材料として特に好適であることを見いだし、本発明に至った。
【0005】
本発明は、(1)一般式Li[Li X Mn 2-X ]O 4 (ただし、0≦x≦0.18)で示され、Cu−Kα1を線源としたX線回折模様において、回折ピークを少なくとも2θ=36.2±0.2゜(A)および2θ=44.0±0.2゜(B)に有し、該X線回折ピークの半価巾が各々0.1±0.05であり、かつ、その回折ピーク強度比(B/A)が0.9以上1.3以下であるスピネル系のリチウムマンガン酸化物の製造方法であって、
平均粒径が5〜25μmになるように粉砕されたEMDと、Li 2 CO 3 をMn/Li比が0.5になるように混合し、大気中800〜900℃で熱処理を行い、次いで室温まで冷却し、所望のMn/Li比になようにLi 2 CO 3 を添加、混合して400〜700℃で熱処理することを特徴とするスピネル系のリチウムマンガン酸化物の製造方法、粉砕機によって微粉化されたMnCO3と、同様に微粉化されたLi2CO3を所望のMn/Li比で混合した後に、400〜600℃で熱処理を行なうことを特徴とするスピネル系のリチウムマンガン酸化物の製造方法に関する。
【0006】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のリチウムマンガン酸化物のマンガン原料は、例としてEMD( Electolytic Manganese Dioxide) 、CMD(Chemical Manganese Dioxide)、γ−MnOOH、MnCO3 を挙げることができるが、EMDまたはMnCO3 が好ましい。また、リチウム原料も、例としてLi2 CO3 、LiOH、LiCl、LiNO3、Li2 SO4 、CH3 COOLiを挙げることができるが、Li2 CO3 が好ましい。
本発明のリチウムマンガン酸化物は、例を挙げれば、次のようにして作成する。平均粒径が5〜25μmになるように粉砕されたEMDと、Li2CO3をMn/Li比が0.5になるように混合し、大気中800〜900℃で熱処理を行う。次いで室温まで冷却し、所望のMn/Li比になようにLi 2 CO 3 を添加、混合して400〜700℃、さらに好ましくは500〜650℃で熱処理することで得ることができる。第二の熱処理が400℃以下であると未反応のLi2CO3が残存する可能性があり、好ましくない。また700℃以上であるとLi2MnO3などの副相が合成されやすくなるため好ましくない。
別の例を挙げれば、ボールミル等の粉砕機によって微粉化されたMnCO3と、同様に微粉化されたLi2CO3を所望のMn/Li比で混合した後に、400〜600℃で熱処理を行なうことで得ることができる。
【0007】
本発明のリチウムマンガン酸化物はマンガンの一部をリチウムで置換することで、X線回折ピークの強度比(B/A)を0.9以上1.3以下とすることができる。置換量は、合成されたリチウムマンガン酸化物のX線回折ピークの強度比が所望の範囲になるように選ばれる。たとえば、EMDを出発原料として800℃以上の熱処理を行う場合には、Mnの0.02モル%以上をLiで置換することでピーク強度比が所望の範囲になる。また、微粉化したMnCO3を出発原料として400℃程度の低温で熱処理を行う場合には、Mnの置換を行わなくてもピーク強度比が所望の範囲になる。したがって、0〜0.18モル%の範囲でMnを置換することが好ましく、更には0.02〜0.18モル%の範囲が好ましい。また、置換量が増加するにしたがって単位重量あたりの充放電容量が低減するので、置換量は可能な限り少量であることが好ましい。また、置換量が0.18モル%以上であると容量の低下が大きくなり、好ましくない。
【0008】
次に本発明におけるX線回折模様の測定手法について説明をする。X線回折模様の測定は、理学電気(株)製のRINT2500を用いた。X線線源にCu−Kα1(波長1.5405Å)を用いて以下の機器条件で行なった。管電圧と電流は各々50kV、160mA、発散スリット0.5゜、散乱スリット0.5゜、受光スリット巾0.15mm、さらにモノクロメータを使用した。測定は走査速度2゜/分、走査ステップ0.01゜で走査軸は2θ/θの条件で行なった。また、半価巾は2θ軸で表記した回折模様の測定値からバックグラウンドを引き、回折ピーク強度(h)の半分の高さ(h/2)のピークの巾とした。
【0009】
前述のような手法で合成されたリチウムマンガン酸化物は回折ピークを少なくとも(311)面に由来する2θ=36.2±0.2゜(A)および(400)面に由来する2θ=44.0±0.2゜(B)に有し、該X線回折ピークの半価巾が各々0.1±0.05であり、かつ、その回折ピーク強度比(B/A)が0.9以上1.3以下であることを特徴とする。半価巾が0.1±0.05以上であるとMnの溶出が起こるため好ましくない。また半価巾が前記の範囲であっても、回折ピーク強度比(B/A)が0.9未満ではマンガンの溶出が起こりやすく、好ましくない。この理由は必ずしも明らかではないが、リートベルト法によるシュミレーション結果によれば、結晶の純度が低く、酸素欠陥がある場合にピーク強度比が低下する。従って、結晶内のマンガンの平均価数が低下して不安定な3価のマンガンの含有量が半数以上に増加するためにマンガンの溶出が起こると推定している。また、1.3以上では充放電容量の低下が大きく好ましくない。この理由も必ずしも明らかではないが、リートベルト法のシュミレーション結果によれば、マンガンをリチウムで置換するとピーク強度比が増加する。その結果、マンガンの平均価数が増加、即ち4価のマンガンの含有量が増加するために容量の低下が大きくなると推定している。
【0010】
従来の化学量論組成であるLiMn2 O4 はJCPDS(The JointCommittee on Power Diffraction Standards)カード35−782によれば、格子定数が8.248Åである。
本発明のリチウムマンガン酸化物の格子定数は8.20Å以上8.24Å以下が好ましい。本発明のリチウムマンガン酸化物の格子定数が小さい理由は、結晶単位胞内のMnの一部が、Mnよりイオン半径が小さいLiに置換されたためおよび/または酸素欠陥が少ないためにMnイオンの反発が抑えられているためであると考えられる。格子定数が8.20Å以下では容量が著しく低下する。これはMnの平均価数が4に近すぎるためであると考えられる。また8.24Å以上では、Mnの一部をLiで置換した効果が得られず、Mnの溶出が起こりサイクル性能が低下する。
【0011】
本発明に用いられる負極材料としては、リチウムをイオン状態で吸蔵放出できれば特に限定されないが、例としてコークス、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素などの炭素材料、SiSnO等の金属酸化物、LiCoN2 等の金属窒化物を挙げることができるが、好ましくは炭素材料である。
本発明において、活物質を電極化する時には、必要に応じて導電剤を添加し、結着剤で集電材に固定することができる。導電剤の例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックを挙げることができるが、黒鉛もしくは黒鉛とアセチレンブラックの併用が好ましい。その添加量としては特に限定されないが、1〜20重量%が好ましく、更に好ましくは3〜10重量%である。1重量%以下であると導電性が均一にならず、20重量%以上になると単位体積あたりの容量が低下する。また、結着剤には、通常、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等が単独もしくは混合されて用いられるが、特に限定されない。これらの添加量としては1〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜10重量%である。1重量%以下では結着力が弱く、20重量%以上ではLiイオンの移動を阻害し、電池としての性能が低下する。
【0012】
電解液としては、リチウム塩を電解質として、これを種々の有機溶媒に溶解させた混合物が用いられる。電解質としては、特に限定されないが、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 などの単独もしくは混合物を使用することができる。また有機溶媒として特に限定されないが、例示すれば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等の単独もしくは2種類以上の混合溶媒を使用することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を具体的実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
出発原料として平均粒径10μmのEMDと、Li2 CO3 とをLi/Mn=0.51(原子比)の組成比で混合し、空気中850℃で40時間熱処理したのちに20時間かけて室温付近まで冷却した。このリチウムマンガン酸化物のX線回折模様はLi2 MnO3 やMn2 O3 、Mn3 O4 などの副相のピークが無い単一のスピネル相であり、(311)面及び(400)面に起因する回折ピークを、各々2θ=36.08゜、2θ=43.86゜に有し、かつその半価巾は各々0.118、0.165であった。また、(311)面及び(400)面に起因する回折ピークの強度比が0.8であった。
【0014】
上記リチウムマンガン酸化物とLi2 CO3 を、Li/Mn=0.61(原子比)の組成比になるように混合し、再度、空気中650℃で12時間熱処理することによって本発明のリチウムマンガン酸化物を得た。このリチウムマンガン酸化物のX線回折模様は(311)面、(400)面に起因する回折ピークを各々2θ=36.25゜および2θ=44.07゜に有し、かつその半価巾はおのおの0.118、0.118であり、結晶性が高く、Mn2 O3 、Mn3 O4 及びLi2 MnO3 などの副相の回折ピークを有さないことから単一の立方晶スピネルであることが確認された。さらに、上記(311)面と(400)面に起因するピークの強度比は1.02であった。また、標準物質となるSiを用いて格子定数を正確に求めたところ8.215Åであった。さらに、元素分析の結果から、Li[Li0 . 1 1 Mn1 . 8 9 ]O4 であることを確認した。
【0015】
本発明における具体的な電池作成について説明する。上記リチウムマンガン酸化物が100に対して導電剤としてアセチレンブラック3重量部と鱗状天然黒鉛3重量部を混合した後に、総重量に対して3重量部の割合でフッ素ゴムを混合し、フッ素ゴムの溶剤である酢酸エチル/エチルセロソルブの混合溶剤を添加して湿式混合を行ないペーストとした。次いでこのペーストを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後にローラープレス機によって加圧成形することで帯状の正極を作成した。次に3000℃で黒鉛化したメソカーボンファイバー95重量部と鱗状天然黒鉛5重量部の混合物に対して、カルボキシメチルセルロース1重量部とスチレンブタジエンゴム2重量部、溶剤として精製水を添加して湿式混合を行ないペーストとした。次いでこのペーストを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥させた後にローラープレス機によって加圧成形することで帯状の負極を作成した。さらに、上記正極と上記負極の間にセパレーターとして25μm厚みのポリエチレン微多孔膜を挟んでロール状に巻くことで捲廻体とした。
【0016】
ニッケルメッキを施した鉄製の円筒缶の底部に絶縁性のフィルムを挿入し、前記捲廻体を挿入した。次いで捲廻体より取り出した負極タブを缶底に溶接し、正極タブをガスケット、防爆ディスク、PTC素子からなる閉塞蓋体に溶接した。電池缶の中にエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に1モル/リットルの濃度でLiPF6 を溶解した電解液を注液して、捲廻体上部に絶縁性のフィルムを挿入した後、前記閉塞蓋体を入れ、電池缶の端部をかしめることで外形17mm高さ500mmの円筒型非水電解質二次電池を作成した。
(比較例)
上記実施例1のピーク強度比が0.8であるリチウムマンガン酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作成した。
【0017】
(参考例1)
リチウムマンガン酸化物の合成法を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作成した。出発原料として微粉末のMnCO3 とLi2 CO3 とをLi/Mn=0.51(原子比)の組成比で、ボールミルにて48時間粉砕、混合し、空気中800℃で20時間熱処理し、20時間かけて室温付近まで降温することによって本発明のリチウムマンガン酸化物を得た。得られたリチウムマンガン酸化物のX線回折模様は少なくとも(311)面、(400)面に起因する各々の回折ピークを2θ=36.13゜、2θ=43.94゜に有し、かつその半価巾はおのおの0.106、0.118であり、結晶性が高く、副相のピークを有さない単一の立方晶スピネルであった。前記(311)面と(400)面のピーク強度比は1.1であった。また、標準物質となるSiを用いて格子定数を正確に求めたところ8.232Åであった。さらに、元素分析の結果から、Li[Li0 . 0 1 Mn1 . 9 9 ]O4 であることを確認した。
【0018】
〔試験結果〕
上記実施例1、2及び比較例で作成した電池はいずれも電池内部の安定化を目的に24時間のエージング期間を経過した後に、充電電圧を4.2Vに設定して5時間で充電を行なった。ついで500mAの一定電流で2.7Vまで放電を行ない、それぞれの電池の初期容量を測定し、電池内の単位正極活物質重量あたりの容量を求めた。次いで、充電電圧を4.2Vに設定して3時間で充電した後で周波数1kHzにおける交流インピーダンス(X)を測定し、電池を85℃に調整された恒温槽にいれて24時間後に取り出した。取り出した電池は室温付近まで自然冷却された後に、周波数1kHzにおける交流インピーダンス(Y)を測定した。これらに基づいて、単位時間当たりの電池の内部インピーダンス増加率を次式に従って算出した。
〔(Y−X)/X〕/24×100
表1に、初期容量および保存前後のインピーダンス測定結果から算出された単位正極活物質あたりの放電容量および単位時間当たりのインピーダンス増加率を示す。
【0019】
【表1】
表1に示すように、実施例1の電池は比較例と比べると初期容量は低いが、インピーダンス増加率が小さい。これはマンガンが一部リチウムにより置換されているために初期容量が小さいが、前記効果によりマンガンの溶出が防止されいることで内部インピーダンスの増加率が小さいと考えられる。一方、参考例1の電池は比較例と比べると初期容量が同程度であり、かつインピーダンス増加率が小さい。これは、マンガンが殆どリチウムで置換されていないために初期容量が大きく、かつ、酸素欠陥が少ないためにマンガンの溶出が防止されることで内部インピーダンスの増加率が小さいと考えられる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の、X線回折模様において回折ピークを少なくとも2θ=36.2±0.2゜(A)および2θ=44.0±0.2゜(B)に有し、該X線回折ピークの半価巾が各々0.1±0.05であり、かつ、その回折ピーク強度比(B/A)が0.9以上1.3以下であるスピネル系のリチウムマンガン酸化物を使用した非水電解質二次電池では、室温以上の高温で保存されても電池の内部インピーダンスの増加率が小さい。さらに、高価な他の元素を使用しないので安価である。その結果、安価な材料のリチウムマンガン酸化物を使用して、高価なリチウムコバルト酸化物を使用した場合と遜色のない非水電解質二次電池を提供できる。高性能な非水電解質二次電池が安価で供給できるようになりその工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のX線回折模様である
【図2】 本発明の比較例のX線回折模様である
Claims (1)
- 一般式Li[Li X Mn 2-X ]O 4 (ただし、0≦x≦0.18)で示され、Cu−Kα1を線源としたX線回折模様において、回折ピークを少なくとも2θ=36.2±0.2゜(A)および2θ=44.0±0.2゜(B)に有し、該X線回折ピークの半価巾が各々0.1±0.05であり、かつ、その回折ピーク強度比(B/A)が0.9以上1.3以下であるスピネル系のリチウムマンガン酸化物の製造方法であって、
平均粒径が5〜25μmになるように粉砕されたEMDと、Li 2 CO 3 をMn/Li比が0.5になるように混合し、大気中800〜900℃で熱処理を行い、次いで室温まで冷却し、所望のMn/Li比になようにLi 2 CO 3 を添加、混合して400〜700℃で熱処理することを特徴とするスピネル系のリチウムマンガン酸化物の製造方法。
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