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JP3856543B2 - グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム - Google Patents
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グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フイルム上に長鎖アルキル系の剥離処理剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
グリ―ンシ―トとは、加熱焼成によりセラミツクとする前のセラミツク粉末含有のシ―ト状物であり、このグリ―ンシ―トは、様々な工程を経て、セラミツクコンデンサ、セラミツクフイルタ、レゾネ―タ、LCフイルタ、アイソレ―タ、セラミツクパツケ―ジなどの製品に加工される。
【0003】
このようなグリ―ンシ―トは、通常、ポリエチレンテレフタレ―トフイルム、ポリプロピレンフイルムなどを成形用フイルムとし、この成形用フイルムの片面または両面に、セラミツク粉末、可塑剤、バインダ、溶剤などを含むスラリ―状セラミツク組成物を塗布し、これを加熱などにより乾燥したのち、上記の成形用フイルムから剥離することにより、製造されている。
【0004】
このグリ―ンシ―トの製造において、成形用フイルムに対するグリ―ンシ―トの剥離力が大きすぎると、グリ―ンシ―トが変形したり、切れたりするなどの問題がある。そこで、通常は、成形用フイルムの表面にあらかじめ剥離処理剤を塗布して、上記の剥離力を小さくするようにしている。
【0005】
このような剥離処理剤には、シリコ─ン系、長鎖アルキル系、フツ素樹脂系などがあるが、シリコ─ン系は、グリ―ンシ―トをセラミツクとするための高温加熱工程で、Siが蒸発せずにセラミツク製品内に残留し、セラミツクコンデンサの品質に悪影響を及ぼしやすい。このため、長鎖アルキル系、フツ素樹脂系などのシリコ─ン系以外の剥離処理剤の方がより適している。
【0006】
しかるに、このような剥離処理剤によると、剥離力が適正に抑えられて、グリ―ンシ―トの変形や切れなどの問題を回避できるものの、剥離処理剤に対するスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性が悪くなり、剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルが発生するなどの不都合があつた。
【0007】
これに対し、本発明者らは、長鎖アルキル系の剥離処理剤をベ―スとして、これにセルロ―スエステル系樹脂を配合したときに、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避できるとともに、スラリ―状セラミツク組成物の濡れ性が向上して、剥離後のグリ―ンシ―ト表面にピンホ―ルが発生するなどの不都合も回避できることを知つた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記セルロ―スエステル系樹脂を配合した長鎖アルキル系の剥離処理剤は、凝集力と基材フイルムに対する投錨性に劣り、これを設けた剥離処理フイルム上からグリ―ンシ―トを剥離成形する際に、剥離処理剤の一部がグリ―ンシ―ト側に移行転着するという問題が生じた。
【0009】
このように転着した剥離処理剤は、成形されたグリ―ンシ―トを最終的に千数百度の温度で焼成、焼結する際に、すべて分解蒸発するため、セラミツクス製品に対して、直接悪影響を及ぼすことはない。ところが、上記の転着により、剥離処理フイルムの剥離性が低下してしまうため、この剥離処理フイルムをグリ―ンシ―ト成形用として繰り返し使用することが難しくなる。
【0010】
本発明は、このような事情に照らし、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避でき、かつ上記シ―ト表面へのピンホ―ルの発生などの不都合を生じず、しかも上記シ―ト表面への剥離処理剤の転着が起こりにくくて、上記シ―トの剥離後に繰り返し使用することが可能なグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、セルロ―スエステル系樹脂を配合した長鎖アルキル系の剥離処理剤にさらに特定の樹脂成分を配合することにより、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれ、かつ上記シ―ト表面へのピンホ―ルの発生などの不都合を回避でき、しかも上記シ―ト表面への剥離処理剤の転着が起こりにくいグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムが得られることを知り、本発明を完成するに至つたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、基材フイルム上に、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部、セルロ―スエステル系樹脂30〜300重量部および基材フイルムに対する投錨性の向上に寄与する凝集力付与樹脂30〜300重量部を含有する剥離処理剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム(請求項1)に係るものであり、とくに上記の凝集力付与樹脂が基材フイルムの材質と同一または類似の樹脂からなる上記構成のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム(請求項2)を提供できるものである。また、本発明は、基材フイルムの片面に上記構成の剥離処理剤を設け、他面に粘着剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム(請求項3)に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明における長鎖アルキル基を有する化合物としては、長鎖アルキル系の剥離処理剤として知られるものがいずれも使用可能であり、具体的には、ポリビニルアルコ―ルの高級脂肪酸(炭素数12〜24)反応物、ポリビニルアルコ―ルの高級アルキル(炭素数12〜24)イソシアネ―ト反応物、ポリエチレンイミンの高級アルキル(炭素数12〜24)イソシアネ―ト反応物や、高級アルキル(炭素数12〜24)(メタ)アクリレ―トの単独重合物、または高級アルキル(炭素数12〜24)(メタ)アクリレ―トとアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの他のモノマ―との共重合物などを挙げることができる。
【0014】
本発明におけるセルロ―スエステル系樹脂には、酢酸セルロ―ス樹脂、酪酸セルロ―ス樹脂、酢酸酪酸セルロ―ス樹脂、酢酸プロピオン酸セルロ―ス樹脂、硝酸セルロ―ス樹脂などがある。これらのセルロ―スエステル系樹脂は、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部あたり、30〜300重量部、好ましくは50〜200重量部の割合で用いられる。30重量部未満となると、スラリ―状セラミツク組成物の濡れ性に問題を生じて、剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルなどが発生しやすい。また、300重量部を超えてしまうと、剥離処理剤本来の効果が損なわれ、剥離力が大きくなつて剥離操作時にグリ―ンシ―トに変形や切れなどの問題を生じやすくなる。
【0015】
本発明における凝集力付与樹脂は、剥離処理剤に凝集力を付与するとともに、基材フイルムに対する投錨性の向上に寄与するものであり、通常は、基材フイルムへの親和性にすぐれる樹脂として、上記フイルムの材質と同一または類似の樹脂成分が選択使用される。たとえば、基材フイルムがポリエチレンテレフタレ―トフイルムである場合は、ポリエステル樹脂が好ましく用いられ、またポリオレフイン系フイルムやポリ塩化ビニルフイルムなどの場合は、ポリオレフイン樹脂や塩素化ポリオレフイン樹脂などが好ましく用いられる。
【0016】
これら凝集力付与樹脂の使用量は、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部あたり、30〜300重量部、好ましくは50〜200重量部の割合とするのがよい。30重量部未満となると、十分な凝集力と基材フイルムに対する十分な投錨性を得ることができない。また、300重量部を超えてしまうと、剥離処理剤本来の効果が損なわれ、剥離力が大きくなつて、剥離操作時にグリ―ンシ―トに変形や切れなどの問題を生じやすくなる。
【0017】
本発明においては、上記の長鎖アルキル基を有する化合物に上記のセルロ―スエステル系樹脂および凝集力付与樹脂を上記の割合で配合し、これをトルエン、酢酸エチルなどの適宜の溶媒で希釈して剥離処理剤とする。この剥離処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、各種の添加剤を配合してもよい。
【0018】
本発明のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムは、ポリエチレンテレフタレ―トフイルム、ポリプロピレンフイルムなどの一般的なプラスチツクフイルム、エンジニアリングプラスチツクフイルム、紙基材、複合フイルム、ラミネ―トフイルムなどからなる、厚さが通常6μm〜5mm程度の基材フイルムを使用し、この基材フイルム上に上記の剥離処理剤を乾燥後の厚さが0.01〜5μmとなるように塗布し、乾燥してなるものである。
【0019】
ここで、上記の剥離処理剤は、基材フイルムの片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。また、片面に設ける場合、他面に厚さが1〜100μmの粘着剤を設けることができる。粘着剤を設けた剥離処理フイルムは、グリ―ンシ―トの成形に際し、この剥離処理フイルムを粘着剤の粘着力を利用して硬質基板上などに貼り付けたうえで、剥離処理面にスラリ―状セラミツク組成物を塗布すればよく、これにより成形作業性に好結果を得ることができる。
【0020】
上記の粘着剤には、天然ゴムや各種の合成ゴムをベ―スとしたゴム系粘着剤、アクリル系ポリマ―をベ―スとしたアクリル系粘着剤、スチレン−共役ジエンブロツク共重合体系粘着剤などがあり、その他、紫外線硬化型の粘着剤などを用いてもよい。また、これらの粘着剤は、架橋剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、粘着性付与剤、顔料などの各種の添加物を含むものであつてもよい。
【0021】
上記のアクリル系ポリマ―は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などの炭素数が通常20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマ―とし、必要により、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエ―テルなどを加えた単量体を、常法により重合してなるものである。
【0022】
本発明においては、上記構成のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを用いて、常法により、グリ―ンシ―トを成形する。その際、使用するスラリ―状セラミツク組成物は、各種のセラミツク粉末に適宜の可塑剤、バインダ、溶剤などを加えて均一に混合してなるものであり、従来公知のものが広く使用可能である。いずれのスラリ―状物を用いたときでも、加熱乾燥後に良好な剥離性が得られ、また剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルなどが発生するおそれはなく、さらに剥離処理剤の転着もほとんど起こらない。
【0023】
このため、本発明の剥離処理フイルムを用いて成形されたグリ―ンシ―トは、セラミツクコンデンサ、セラミツクフイルタ、レゾネ―タ、LCフイルタ、アイソレ―タ、セラミツクパツケ―ジなどの製品に加工するためのセラミツク中間体として、幅広く利用することができる。また、グリ―ンシ―ト剥離後の剥離処理フイルムは、グリ―ンシ―ト成形用として、繰り返し使用が可能である。
【0024】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0025】
実施例1
高級アルキル(炭素数18)メタクリレ―ト100部とアクリロニトリル75部とを共重合して、共重合体を得た。この共重合体を長鎖アルキル基を有する化合物として、この化合物100部に、酢酸酪酸セルロ―ス樹脂100部およびポリエステル樹脂100部を配合し、トルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤とした。厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムを基材フイルムとし、このフイルムの片面に、上記の剥離処理剤を、乾燥後の厚さが0.1μmになるように塗布し、乾燥した。
【0026】
つぎに、アクリル酸ブチル/アクリル酸/アクリロニトリル(重量比:100/3/20)共重合体(重量平均分子量:90万)100部に、イソシアネ―ト系架橋剤5部を配合し、トルエンで希釈して、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を、前記した片面に剥離処理剤を塗布し乾燥した基材フイルムの他面に、乾燥後の厚さが30μmとなるよう塗布し、乾燥して、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0027】
実施例2
長鎖アルキル基を有する化合物として、ポリビニルアルコ―ルとオクタデシルイソシアネ―トとの重量比1/5の反応物を使用し、この化合物100部に、酢酸セルロ―ス樹脂80部およびポリエステル樹脂80部を配合し、トルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤を調製した。この剥離処理剤を使用した以外は、実施例1と同様にして、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0028】
比較例1
長鎖アルキル基を有する化合物に酢酸セルロ―ス樹脂およびポリエステル樹脂を配合せず、上記化合物だけをトルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤を調製した。この剥離処理剤を使用した以外は、実施例1と同様にして、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0029】
比較例2
長鎖アルキル基を有する化合物100部に酢酸酪酸セルロ―ス100部だけを配合し、これをトルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤とした。この剥離処理剤を使用した以外は、実施例1と同様にして、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0030】
上記の実施例1,2および比較例1,2の各グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムについて、剥離処理面の接着力と、剥離処理面に対するスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性と、さらに剥離処理剤の非転着性を下記の試験方法により、調べた。これらの結果は、後記の表1に示されるとおりであつた。
【0031】
<剥離処理面の接着力試験>
ポリエステル粘着テ―プ〔日東電工(株)製の「No.31B」〕を用いて、これをグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムの剥離処理面に貼り合わせたのち、JIS−C2339に準じて、180°ピ―ル法により、剥離接着力(g/50mm幅)を測定した。
【0032】
<剥離処理面へのスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性試験>
スラリ―状セラミツク組成物として、チタン酸バリウムとメチルセルロ―スとの重量比7/3の混合物を、溶剤としてブチルセロソルブを用いて、60重量%濃度に調製した組成物を、使用した。このスラリ―状セラミツク組成物を、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムの剥離処理面に、乾燥後の厚さが5μmとなるよう塗布し、乾燥した。その際、上記組成物の濡れの状態を目視にて観察し、○:はじきなし、×:はじきあり、と評価した。
【0033】
<剥離処理剤の非転着性試験>
上記の濡れ性試験に準じて、剥離処理面にセラミツク組成物を塗布、乾燥したのち、これを引き剥がし、引き剥がし後の剥離処理面に対し、上記と同様の接着力試験を行つた。この接着力が当初の接着力に比べ20%以上も上昇している場合を、剥離処理剤の転着がかなり認められる(×)、20%未満である場合を、上記転着がほとんど認められない(○)、と評価した。
【0034】
Figure 0003856543
【0035】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1,2のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムは、剥離処理面の接着力が500g/50mm幅以下と小さく、適度な剥離性を備えており、しかもスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性が良好で、はじきなどを生じず、そのうえグリ―ンシ―トの剥離時に剥離処理剤の転着がほとんどみられないものであることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、長鎖アルキル基を有する化合物をベ―スとして、これにセルロ―スエステル系樹脂および特定の凝集力付与樹脂を特定量配合したことにより、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避でき、かつ剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルの発生などの不都合を生じず、また上記シ―ト表面への剥離処理剤の転着がほとんどみられず、上記シ―トの剥離後に繰り返し使用が可能である実用性にすぐれるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 基材フイルム上に、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部、セルロ―スエステル系樹脂30〜300重量部および基材フイルムに対する投錨性の向上に寄与する凝集力付与樹脂30〜300重量部を含有する剥離処理剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム。
  2. 基材フイルムに対する投錨性の向上に寄与する凝集力付与樹脂が、基材フイルムの材質と同一または類似の樹脂からなる請求項1に記載のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム。
  3. 基材フイルムの片面に剥離処理剤を設け、他面に粘着剤を設けてなる請求項1または2に記載のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム。
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