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JP3923605B2 - グリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤と剥離処理フイルム - Google Patents
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グリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤と剥離処理フイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤と、これを基材フイルム上に設けてなる剥離処理フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
グリ―ンシ―トとは、加熱焼成によりセラミツクとする前のセラミツク粉末含有のシ―ト状物であり、このグリ―ンシ―トは、様々な工程を経て、たとえば、セラミツクコンデンサ、セラミツクフイルタ、レゾネ―タ、LCフイルタ、アイソレ―タ、セラミツクパツケ―ジなどの製品に加工される。
【0003】
このようなグリ―ンシ―トは、通常、ポリエチレンテレフタレ―トフイルム、ポリプロピレンフイルムなどを成形用フイルムとし、この成形用フイルムの片面または両面に、セラミツク粉末、可塑剤、バインダ、溶剤などを含むスラリ―状セラミツク組成物を塗布し、これを加熱などにより乾燥したのち、上記の成形用フイルムから剥離することにより、製造されている。
【0004】
このグリ―ンシ―トの製造において、成形用フイルムに対するグリ―ンシ―トの剥離力が大きすぎると、グリ―ンシ―トが変形したり、切れたりするなどの問題がある。そこで、通常は、成形用フイルムの表面にあらかじめ剥離処理剤を塗布して、上記の剥離力を小さくするようにしている。
【0005】
このような剥離処理剤には、シリコ─ン系、長鎖アルキル系、フツ素樹脂系などがあるが、シリコ─ン系は、グリ―ンシ―トをセラミツクとするための高温加熱工程で、Siが蒸発せずにセラミツク製品内に残留し、セラミツクコンデンサの品質に悪影響を及ぼしやすい。このため、長鎖アルキル系、フツ素樹脂系などのシリコ─ン系以外の剥離処理剤の方がより適している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知の剥離処理剤によると、剥離力が適正に抑えられて、グリ―ンシ―トの変形や切れなどの問題を回避できるものの、剥離処理剤に対するスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性が悪くなり、剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルが発生するなどの不都合があつた。
【0007】
本発明は、上記従来の事情に照らし、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避でき、かつこのシ―ト表面へのピンホ―ルの発生などの不都合も生じにくい剥離処理剤と、これを用いたグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、剥離性に寄与する長鎖アルキル系の剥離処理剤をベ―スとして、これにスラリ―状セラミツク組成物に対する濡れ性を向上させるための特定物質を配合したときに、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避でき、かつグリ―ンシ―ト表面へのピンホ―ルの発生などの不都合も生じにくい剥離処理剤が得られることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0009】
すなわち、本発明は、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部あたり、セルロ―スエステル系樹脂30〜300重量部を配合してなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤(請求項1)に係るものである。また、本発明は、基材フイルム上に上記構成のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム(請求項2)と、さらに基材フイルムの片面に上記構成のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤を設け、他面に粘着剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム(請求項3)とに係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における長鎖アルキル基を有する化合物としては、長鎖アルキル系の剥離処理剤として知られるものがいずれも使用可能であり、具体的には、ポリビニルアルコ―ルの高級脂肪酸(炭素数12〜24)反応物、ポリビニルアルコ―ルの高級アルキル(炭素数12〜24)イソシアネ―ト反応物、ポリエチレンイミンの高級アルキル(炭素数12〜24)イソシアネ―ト反応物や、高級アルキル(炭素数12〜24)(メタ)アクリレ―トの単独重合物、または高級アルキル(炭素数12〜24)(メタ)アクリレ―トとアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの他のモノマ―との共重合物などを挙げることができる。
【0011】
本発明におけるセルロ―スエステル系樹脂には、酢酸セルロ―ス樹脂、酪酸セルロ―ス樹脂、酢酸酪酸セルロ―ス樹脂、酢酸プロピオン酸セルロ―ス樹脂、硝酸セルロ―ス樹脂などがある。これらのセルロ―スエステル系樹脂は、長鎖アルキル基を有する化合物100重量部あたり、30〜300重量部、好ましくは50〜200重量部の割合で用いられる。30重量部未満となると、スラリ―状セラミツク組成物の濡れ性に問題を生じて、剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルなどが発生しやすい。また、300重量部を超えてしまうと、剥離処理剤本来の効果が損なわれ、剥離力が大きくなつて剥離操作時にグリ―ンシ―トに変形や切れなどの問題を生じやすくなる。
【0012】
本発明のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤は、上記の長鎖アルキル基を有する化合物に上記のセルロ―スエステル系樹脂を上記の割合で配合し、これをトルエン、酢酸エチルなどの適宜の溶媒で希釈してなるものであり、この剥離処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、各種の添加剤を配合してもよい。
【0013】
本発明のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムは、ポリエチレンテレフタレ―トフイルム、ポリプロピレンフイルムなどの一般的なプラスチツクフイルム、エンジニアリングプラスチツクフイルム、紙基材、複合フイルム、ラミネ―トフイルムなどからなる、厚さが通常6μm〜5mm程度の基材フイルムを使用し、この基材フイルム上に前記構成のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤を乾燥後の厚さが0.01〜5μmとなるように塗布し、乾燥してなるものである。
【0014】
ここで、上記の剥離処理剤は、基材フイルムの片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。また、片面に設ける場合、他面に厚さが1〜100μmの粘着剤を設けることができる。粘着剤を設けた剥離処理フイルムは、グリ―ンシ―トの成形に際し、この剥離処理フイルムを粘着剤の粘着力を利用して硬質基板上などに貼り付けたうえで、剥離処理面にスラリ―状セラミツク組成物を塗布すればよく、これにより成形作業性に好結果を得ることができる。
【0015】
上記の粘着剤としては、たとえば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベ―スポリマ―としたゴム系粘着剤、アクリル系ポリマ―をベ―スポリマ―としたアクリル系粘着剤、スチレン−共役ジエンブロツク共重合体系粘着剤などがあり、その他、紫外線硬化型の粘着剤などを使用してもよい。また、これらの粘着剤は、架橋剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、粘着性付与剤、顔料などの各種の添加物を含有するものであつてもよい。
【0016】
上記のアクリル系ポリマ―は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などの炭素数が通常20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマ―とし、必要により、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエ―テルなどを加えた単量体を、常法により重合してなるものである。
【0017】
本発明においては、上記構成の剥離処理剤ないし剥離処理フイルムを用いて、グリ―ンシ―トを成形するが、その際使用するスラリ―状セラミツク組成物は、各種のセラミツク粉末に適宜の可塑剤、バインダ、溶剤などを加えて均一に混合してなるものであり、従来公知のものが広く使用可能である。いずれのスラリ―状物を用いても、加熱乾燥後に良好な剥離性が得られ、また、剥離後のグリ―ンシ―トの表面にピンホ―ルなどが発生するおそれはない。
【0018】
このため、本発明の剥離処理剤ないし剥離処理フイルムを用いて成形されたグリ―ンシ―トは、セラミツクコンデンサ、セラミツクフイルタ、レゾネ―タ、LCフイルタ、アイソレ―タ、セラミツクパツケ―ジなどの製品に加工するためのセラミツク中間体として、広く利用することができる。
【0019】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0020】
実施例1
オクタデシルメタクリレ―ト/アクリロニトリル(重量比=4/3)共重合体100部に、酢酸酪酸セルロ―ス樹脂100部を配合し、トルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤とした。厚さが25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムを基材フイルムとし、このフイルムの片面に、上記の剥離処理剤を、乾燥後の厚さが0.1μmになるように塗布し、乾燥した。
【0021】
つぎに、アクリル酸ブチル/アクリル酸/アクリロニトリル(重量比:100/3/20)共重合体(重量平均分子量:90万)100部に、イソシアネ―ト系架橋剤5部を配合し、トルエンで希釈して、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を、前記した片面に剥離処理剤を塗布し乾燥した基材フイルムの他面に、乾燥後の厚さが30μmとなるよう塗布し、乾燥して、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0022】
実施例2
長鎖アルキル基を有する化合物として、ポリビニルアルコ―ルとオクタデシルイソシアネ―トとの重量比1/5の反応物を使用し、この化合物100部に、酢酸セルロ―ス樹脂を150部配合し、トルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤を調製した。この剥離処理剤を使用した以外は、実施例1と同様にして、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0023】
比較例1
オクタデシルメタクリレ―ト/アクリロニトリル(重量比=4/3)共重合体に酢酸セルロ―ス樹脂を配合せず、上記共重合体だけをトルエンと酢酸エチルとの混合溶剤で希釈して、剥離処理剤とした以外は、実施例1と同様にして、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムを作製した。
【0024】
上記の実施例1,2および比較例1の各グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムについて、剥離処理面の接着力と、剥離処理面に対するスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性を、下記の試験方法により、調べた。これらの結果は、後記の表1に示されるとおりであつた。
【0025】
<剥離処理面の接着力試験>
ポリエステル粘着テ―プ〔日東電工(株)製の「No.31B」〕を用いて、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムの剥離処理面に貼り合わせたのち、JIS−C2339に準じて、180°ピ―ル法により、剥離接着力(g/50mm幅)を測定した。
【0026】
<剥離処理面へのスラリ―状セラミツク組成物の濡れ性試験>
スラリ―状セラミツク組成物として、チタン酸バリウムとメチルセルロ―スとの重量比7/3の混合物を、溶剤としてブチルセロソルブを用いて、60重量%濃度に調製した組成物を、使用した。このスラリ―状セラミツク組成物を、グリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムの剥離処理面に、乾燥後の厚さが5μmとなるよう塗布し、乾燥した。その際、上記組成物の濡れの状態を目視にて観察し、○:はじきなし、×:はじきあり、と評価した。
【0027】
Figure 0003923605
【0028】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1,2のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルムは、剥離処理面の接着力がポリエステル粘着テープに対してさえ500g/50mm幅以下と小さく、適度な剥離性を備えており、しかも、スラリ―状セラミツク組成物の濡れ性が良好で、はじきなどを生じないものであることがわかる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、長鎖アルキル基を有する化合物をベ―スとして、これにセルロ―スエステル系樹脂を特定量配合したことにより、グリ―ンシ―トの剥離性にすぐれてこのシ―トの変形や切れなどの問題を回避できるとともに、グリ―ンシ―トの表面へのピンホ―ルの発生などの不都合も生じにくい剥離処理剤と、その剥離処理フイルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 長鎖アルキル基を有する化合物100重量部あたり、セルロ―スエステル系樹脂30〜300重量部を配合してなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤。
  2. 基材フイルム上に請求項1に記載のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤を設けてなるグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム。
  3. 基材フイルムの片面に請求項1に記載のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理剤を設け、他面に粘着剤を設けてなる請求項2に記載のグリ―ンシ―ト成形用剥離処理フイルム。
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