JP3859964B2 - 印刷方法、印刷シートの再生方法及び印刷シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷シートの印刷画像を消去して再利用を図るリサイクルシステムにおける印刷方法、印刷シートの再生方法及び該方法に使用する印刷シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この主のリサイクル技術に対する要望は強く、種々の提案がなされている。例えば、PPCによる複写物に対しては再加熱により紙からトナーを分離して転写回収する方法がある。
【0003】
また、シート内に微細な粒子を混入保持させて色材を電気泳動で移動させたり、微細粒子を色分けして磁界や電界で回転させてコントラストを発生させる所謂電子ペーパーも提案されている。この電子ペーパーはインクのいらない印刷方法として近年注目され始めており、広告パネルやリサイクル可能な印刷媒体として期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したPPCによる複写物において再加熱で紙からトナーを分離回収する方法では、分離回収のための装置が大掛かりになり、コストが過大になり、処理速度も遅く、実用には無理があった。
【0005】
また、前述した電子ペーパーはその構造上コスト高となり、更に高解像度を図るほどコストも上昇するという問題があった。
【0006】
本発明は、簡便なシステムにおいて印刷インクの回収処理を高速かつ低コストで行なうことができ、被印刷媒体の再利用を無理なく行なうことができる印刷方法、印刷シートの再生方法及び印刷シートを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された印刷方法は、撥インク性のポリプロピレンのシートからなり、転移してきたインクの挙動が安定しない平坦な表面に、前記表面からインクが落ち込む多数の凹部(2)が形成された印刷シート(1)を用い、前記印刷シートの前記凹部にインク(油性インク3、水性インク)を非定着状態で保持させて前記印刷シートにしみ込ませないで除去可能に画像を形成することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載された印刷方法は、請求項1記載の印刷方法において、前記印刷シートの面積に対する前記凹部の開口の面積の割合は5〜80%であり、前記開口を円とみなした場合の等価円直径は5〜200μmであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載された印刷方法は、請求項1記載の印刷方法において、前記凹部内にインク吸収剤が充填されており、前記画像形成材料が水性インクであり、前記水性インクがインクジェットにより吐出されて前記凹部に保持されることを特徴とする。
【0016】
【本発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の第1の例を図1及び図2を参照して説明する。
図1は印刷済みの本例の印刷シートを再生処理している状態を示す断面図であり、図2は本例で使用される孔版印刷装置の構造を模式的に示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、本例の印刷シート1は、インクなどの画像形成材料が非定着状態で(即ちしみ込まないで)保持されうる材質、例えばポリプロピレン等からなる。その表面には多数の凹部2が形成されている。凹部2の形状は、平面視で実質的に円形の開口を有し、立体的には略半球形である。印刷シート1の面積に対する前記凹部2の開口の面積の割合は5〜80%である。また前記開口を円とみなした場合の等価円直径は5〜200μmである。本例では、材質自体が撥インク性であるが、他の材質を用いてもよく、その場合には表面を撥インク性に加工するとよい。
【0018】
本例では、画像形成材料として油性インク3を使用する。溶剤系インクは被印刷媒体に染み込みやすいので本例では用いない。油性インク3と前記印刷シート1の材質であるポリプロピレンの組み合せにより、インクが印刷シート1に染み込んで定着することはない。微細な凹部2を有する印刷シート1の表面において微細なインクの塊の示す挙動は、微視的に見ると重力だけでなくクーロン力なども大きく影響する。印刷シート1は全体に撥インク性であり、印刷によって印刷シート1に転移してきたインクは凹部2と凹部2の間の平坦な表面では挙動が安定せず、凹部2内に落ち込み、さらに図2に示すように凹部2内に入ったインクは球状になって保持されて印刷シート1には定着しない。
【0019】
印刷シート1に形成された画像は、凹部2内に保持されたインクからなるので、インクは印刷シート1に定着していないにもかかわらず該シートの表面を指で触っても指に付着せず、該シートの表面が汚れることもない。
【0020】
この印刷シート1をリサイクルする場合には、図1に示すように印刷シート1の表面に、凹部2内に入り込み得る弾性を備えた弾性材料からなるクリーニングローラ4を接触させ、転動させる(又は印刷シート1を移動させてローラを一ヶ所で回転させる)。このクリーニングローラ4は例えばシリコンゴム系の材料であり、その硬度は、JIS K6301(1975年制定)に規定されたスプリング式硬さ試験機C形(アスカーC)によって測定されるアスカーC硬度で4°〜15°の範囲が好ましい。上記操作によって凹部2内の油性インク3はクリーニングローラ4の表面に付着して凹部2内からきれいに除去される。クリーニングローラ4には除去ブレード5を設けておき、表面に付着した油性インク3をかき集めて別途処理する。
【0021】
本例の印刷シート1は例えば次のような工程で形成できる。適当な厚さのポリプロピレンのシートを加熱して軟化させ、凹部2に対応する多数の凸部が形成されたローラと他の対向ローラの間に該シートを挟持搬送する。該シートには多数の前記凹部2が形成されて本例の前記印刷シート1が得られる。
【0022】
印刷済みの本例の印刷シート1を再生する機構を備えた孔版印刷装置を説明する。
図2に示すように、本体10の上部には画像読み取り部11がある。画像読み取り部11は、透明な載置面の上に置いた原稿面を移動するイメージセンサ12によって読み取る機構である。本体10内において、前記画像読み取り部11の下方には、画像書き込み部13がある。画像書き込み部13は、ロール状の孔版原紙Sと、孔版原紙Sを製版するサーマルヘッド14及びプラテンローラ15と、搬送ローラ16と、孔版原紙Sを切断するカッタ17を有している。前記画像読み取り部11において得られた画像情報に基づき、画像書き込み部13が駆動される。孔版原紙Sには前記原稿の画像に対応した穿孔画像がサーマルヘッド14によって形成される。
【0023】
図2に示すように、本体10内において、孔版原紙Sの搬送方向について、前記画像書き込み部13の隣には、印刷部18がある。印刷部18は、回転駆動されるインク通過性の周壁を有する印刷ドラム19を有している。印刷ドラム19の内部にはインク供給装置があり、印刷ドラム19の内面に油性インクを供給している。印刷ドラム19の下方には昇降可能にプレスローラ20が設けられている。プレスローラ20と回転する印刷ドラム19の間に印刷シート1が供給される。プレスローラ20が上昇して印刷シート1を印刷ドラム19との間に挟む。印刷シート1は回転する印刷ドラム19に押しつけられ、印刷ドラム19の周壁及び孔版原紙Sの穿孔部を通過したインクは、印刷シート1に転写印刷され、送りだされる。
【0024】
図2に示すように、本体10内において、印刷ドラム19に関して前記画像書き込み部13と反対側には、排版部21が設けられている。排版部は、新たな原稿に基づく製版・印刷に際して、印刷ドラム19に巻装された使用済み孔版原紙Sを排版爪22はぎ取って排版箱23内に収納する。
【0025】
図2に示すように、本体10内において、前記排版部21の下方には給紙台24がある。給紙台24に積まれた複数枚の印刷シート1は、上から順に、一枚づつピックアップローラ25によって送りだされる。送りだされた印刷シート1は、ガイドロール26、クリーニング装置6、タイミングロール27を経て印刷部18に送られる。
【0026】
クリーニング装置6は、前述したクリーニングローラ4と、これに対向する対向ローラ7と、クリーニングローラ4に接触して表面に付着したインクをかき集める除去ブレード5とを有する。本例では、印刷部18に送られる印刷シート1はクリーニング装置6を通過するようになっているので、すでに印刷されて画像が形成されている印刷シート1を再度使用することができる。即ち、印刷シート1の印刷画像を上にして給紙台24に積載しておけば、印刷シート1の画像面がクリーニングローラ4に接触して前述した作用で凹部2内のインクが除去され、再生された状態で印刷に供される。
【0027】
図2に示すように、本体10内において、前記画像書き込み部13の右下方には排紙部28がある。分離爪29は印刷ドラム19に張りついた印刷シート1を剥がす。排紙装置30は、印刷ドラム19から剥がされた印刷済の印刷シート1を吸着して搬送し、排紙台31に積載する。
【0028】
本発明の実施の形態の第2の例を図3を参照して説明する。
本例の印刷シート1の構成は第1の例と同一である。印刷画像はインクジェット装置40を用いて形成する。インクは油性インク3を用いる。本例によっても第1の例と略同一の効果が得られる。
【0029】
本発明の実施の形態の第3の例を図4を参照して説明する。
本例の印刷シート1の構成は第1の例と同一であるが、各凹部2内にインク吸収剤8が充填されている点が相違する。このインク吸収剤8は、親水性バインダと、無機微粒子からなる。親水性バインダとしては、ゼラチンやポリビニルアルコールなどが用いられる。無機微粒子としては、微粒子シリカやコロイダルシリカが用いられる。印刷画像はインクジェット装置を用いて形成する。インクは水性インクを用いる。本例によれば、凹部2内のインクは、第1の例のように球形にはならないが、インク吸収剤8に吸収されて印刷シート1に定着しない状態で凹部2内に保持される。よって、画像が明瞭に形成されて手にも転移しない状態でありながら、前述したクリーニングローラ4等の清浄化手段によってインクを吸収したインク吸収剤8は容易に除去でき、画像をきれいに消すことができる。
【0030】
本発明の実施の形態の第4の例を図5を参照して説明する。
本例は、画像形成手段として通常の静電複写装置を用いる。画像形成材料としては、前述した各例のインクと異なり樹脂トナーである。図5に示すように、感光体ローラ51は帯電装置52によって帯電し、露光装置53によって感光体ローラ51の帯電した表面に画像が書きこまれ、現像装置54によって感光体ローラ51に画像形状でトナーが付着する。一方、転写装置55において帯電した印刷シート1が感光体ローラ51に接してトナーを引き付け、その表面に付着させて画像を形成する。ここで、印刷シート1の凹部2側は感光体ローラ51に向けておく。トナーは印刷シート1の凹部2内に保持される。印刷シート1は感光体ローラ51から排出された後は定着ローラ56を通過するが、この定着ローラ56は通常の静電複写装置としての使用の場合と異なり搬送だけ行なって加熱はさせず、印刷シート1のトナーを溶融してシートに定着させることはない。
【0031】
本例によれば、印刷シート1の凹部2内にある未定着のトナーが画像を形成しているので、このトナーは凹部2内から前述したクリーニングローラ4で容易に除去することができる。
【0032】
本例で使用する印刷シート1としては、製造時に内部に電荷を封じこめた静電シートを用いてもよい。この場合には、上記静電複写装置を用いた画像形成時、転写装置は用いなくてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷シートに形成した多数の凹部の内部に画像形成材料を非定着状態で保持させて画像を形成したので、凹部から画像形成材料を除去することが容易であり、簡便な手段で画像形成材料の回収処理を高速かつ低コストで行なうことができき、印刷シートの再利用を無理なく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態で使用される孔版印刷装置の模式構造図である。
【図3】第2の実施の形態を示す断面図である。
【図4】第3の実施の形態を示す断面図である。
【図5】第4の実施の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…印刷シート
2…凹部
3…画像形成材料としての油性インク
4…クリーニングローラ
6…クリーニング装置
8…インク吸収剤
40…インクジェット装置
50…静電複写装置
Claims (3)
- 撥インク性のポリプロピレンのシートからなり、転移してきたインクの挙動が安定しない平坦な表面に、前記表面からインクが落ち込む多数の凹部が形成された印刷シートを用い、
前記印刷シートの前記凹部にインクを非定着状態で保持させて前記印刷シートにしみ込ませないで除去可能に画像を形成する印刷方法。 - 前記印刷シートの面積に対する前記凹部の開口の面積の割合は5〜80%であり、前記開口を円とみなした場合の等価円直径は5〜200μmである請求項1記載の印刷方法。
- 前記凹部内にインク吸収剤が充填されており、前記画像形成材料が水性インクであり、前記水性インクがインクジェットにより吐出されて前記凹部に保持される請求項1記載の印刷方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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