JP3867235B2 - 足場板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直線状の長尺な足場のみならず、大型発電機などの平面円形機器の据付作業等の足場に用いる足場板の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、前記の作業用の足場板は、桁間距離1.8メートル程度、許容荷重250キログラム重(約2500ニュートン)程度を目安にして製作され、用いられている。足場平面の設置高度は5メートル程度のことも多く、階層構造にされる場合もある。
その足場板は、従来、細長い足場平面を有する足場板本体と、その長手方向の端に、幅方向に離間して配置された夫々一対の内側爪と外側爪(以下、内側爪の二つ、外側爪の二つを夫々一対と呼ぶ)とで構成されている。この足場板は、専用組立枠または単管(パイプ)組立枠で構成された足場枠の横架材に前記の爪を係止されて、作業用足場が形成される。
すなわち一つの足場板は、一端にある一組の爪(以下、前記長手方向の一端にある内側爪と外側爪の二つを一組と呼ぶ)が第一の横架材に係止され、他端の一組の爪が第二の横架材に係止されるようにして、平行な二つの横架材に載置される。
【0003】
n個の足場板による長手方向に長尺の足場は、引き続き二つ目の足場板の一端にある一組の爪が第二の横架材に係止され、他端の一組が第三の横架材に係止されるようにして、以下同様にそれが繰り返され、(n+1)個の平行な等間隔の横架材に足場板が載置されて組立てが完成する。
一般に、これら足場板および足場本体の機材は、企業ごとに所要最大規模の数量があらかじめ製作・保管されていて、必要に応じて所要個数を取り出して使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の足場板には、たとえば、平面が円形の機器の回りに多角形の足場を組むには不都合があった。一組の爪の係止中心点を結ぶ直線が他端のそれと平行であるために、図9の如く、足場板の載置には平行に配置された二つの横架材を要したからである。したがって前記一つの足場板だけの足場を一単位として、これを周方向に多角形に配列し、さらに安全上、隣接枠を連結して用いられた。すなわち、n個の足場板について2n個の横架材を必要とするに留まらず、足場枠の機材全体では、長手方向の長尺足場に比べて足場面積あたり2倍以上の数量を要し、組立作業も2倍以上の時間を要する不経済性があった。
この不経済性を回避するために、図9の如く、円形機器の回りに放射方向に等間隔で横架材を配置することにすれば、足場板を特製する必要があった。しかし、対象製品ごとに足場の直径は変わり、横架材の放射方向の配置角度も変わるために、特製した足場板を再利用できる可能性は低く、その保管や管理にも費用を要することもあって、特製足場は廃却処分にせざるを得ない実状にあった。
【0005】
さらに、廃却処分される費用を軽減するために、特製の足場板は木製化される傾向があった。この場合、足場板を横架材に針金で固定する等の作業に時間を要する割に足場板としての耐荷重強度や固定の信頼性、針金の不定形な出張りなど、安全上、懸念される問題も内在していた。
このように、従来の足場技術では、円形機器の回りに足場を組むには如何にしても不経済性がつきまとい、安全性の確保にも問題が波及することが懸念されるなど、抜本的な解決策が強く望まれていた。
そこで本発明は、従来から用いられてきた足場枠の機材をそのまま活用することができ、かつ長手方向に長尺の足場のみならず、円形の、しかも直径が違う足場にも共通に活用でき、さらに安全上、信頼性の高い足場板を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、長方形状の足場板本体2と、この足場板本体(2) の長手方向端部の各々の中央に枢着部材 (41)(41) によって回動自在に取着された一対の補助板 (40)(40) と、
前記各々の補助板 (40)(40) の端部両側に設けられた一対の爪 (3)(3)(3)(3) を具備し、前記一対の補助板 (40)(40) の各々の回動方向は互いに独立した方向に回動自在であることを特徴とする足場板である。
上記のように構成された足場板は、足場板本体2の両側に一対の補助板40が、その中央で枢着部材41により枢着され且つ、互いに独立していずれの方向にも回動自在であるから、横架材6,6が平行に配置される長尺足場のみならず、平行でなく且つ、平面方向へ波状等の曲折足場や多角形の足場にも、足場の共通機材として活用することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記足場板本体(2) が、一対の端部板 (2b)(2b) に分割され、前記一対の端部板 (2b)(2b) は断面矩形筒状の中央部板 (2a) により伸縮自在に結合されていることを特徴とする請求項1記載の足場板である。この足場によれば、横架材6,6間の長さが異なり且つ、それらが平行でなくとも同一の足場を取り付けることができ、汎用性の高い足場となる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記一対の爪 (3)(3)(3)(3) が各々伸縮自在のアーム (45)(45)(45)(45) に取着されていることを特徴とする請求項1記載の足場板である。
この足場板によれば、一対の爪3,3のうち一方が他方に対して相対的に、長手方向に移動することができるから、横架材6,6間の長さが異なり且つ、それらが平行でなくとも各爪3を各横架材6に係止して足場板を固定することができ、汎用性の高い足場となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の足場板1の一例を示す平面図であり、図2はその側面図であり、図3は図1におけるA−A線断面図であって移動手段4の一例を示すものである。また図4は図1のIV部拡大図、図5はその側面図である。また図6はその使用状態を示す平面図、図8は本発明の足場板1を用いたときの多角形の足場枠5の平面図を示す。図9は従来の足場板を用いたときの多角形の足場枠5の平面図である。
図1に示す本発明の足場板1は、細長い足場平面2aを有する足場板本体2と、その足場板本体2の長手方向の端に、幅方向に離間して夫々配置された係止用の一組の内側爪3aおよび外側爪3bと、その内側爪3aと外側爪3bとの少なくとも何れか一方と足場板本体2との間に設けられ、その一方の爪が他方に対して相対的に前記長手方向に移動するように構成された移動手段4Aとを備えている。
【0010】
図1の移動手段4Aは、前記端に内側爪3aと外側爪3bとが設けられた補助板40と、該補助板40を足場板本体2の長手方向の端で足場平面2aに直交する軸心の回りに回動自在に枢着させているピン41とによって構成されている。また補助板40は、軸心方向への移動が許されないように、足場板本体2によって遊挟されている。
なお、この例では足場板本体2が、夫々断面矩形筒状の中央部板2aとそれに摺動自在な端部板2bとよりなり、その足場板本体2の全長を伸縮自在に構成し、適宜長さに調整した後に、側部に設けられた楔機構7によりその長さを固定できるように構成されている。そして、その端部板2bに前記補助板40がピン41により枢着されている。また好ましくは、補助板40の使用時の回動防止機構、例えば図3に示す如く、補助板40の表面にピン41の軸心回りに設けられたV溝と、足場板本体2に螺着された棒先ボルトとによる押しネジ機構等が備えられる。
【0011】
次に、図7は本発明の足場板の移動手段4の他の例を示し、その移動手段4Bは、足場板本体2の長手方向の端において該長手方向の1自由度のみが許されるように足場板本体2に係合され、かつ一端に爪3が設けられたアーム45と、その他端で軸心を合わせて螺合され、軸心回りの1自由度のみが許されるように足場板本体2に係合された伸縮ボルト46と、該ボルトのストッパ47とによって構成されている。
なお、上記の移動手段4Bは内側爪3aと外側爪3bとの少なくとも何れか一方に設けられるものである。この場合、前記長手方向に配置された一対の爪の移動手段4は、図示は省略されているが、ターンバックル方式で連動するように構成することも可能である。 なお上記の何れの移動手段4においても、組立時の爪の干渉を防ぐために、移動手段4の有無に拘らず、前記長手方向の端に配置される幅方向に一組の爪は、常に一定の離間距離Lを保ちつつ、たとえば右の一端では内側爪3a側に左の一端では外側爪3b側に、すなわち時計回りに偏心して配置される。
【0012】
次に、作用について説明する。
図6に示す如く、移動手段4Aにおいては、足場板本体2の長手方向の端で、軸心が足場平面に直交するように設けられたピン41に補助板40が回動自在に枢着され、該補助板40に内側爪3aと外側爪3bとからなる一組の爪が設けられた。
かくして補助板40の回動により、該一組の爪の一方は他方に対して相対的に、前記長手方向に移動することができる。したがって本足場板1Aは、該一組の爪の夫々係止中心点を結ぶ直線と他端のそれとが交叉する角度φを、任意の値に設定できる機能を備えている。
【0013】
次に、半径Rの円形機器の回りに該足場板1Aを用いて足場を組む場合に、上記補助板40の設定角度θと、横架材6の配置角度φとが夫々一義的に定まり、容易に算出し得ることを以下に説明する。
ここでは足場板本体2が該長手方向中央で円形機器に接するように配置することとし、一端の補助板40の設定角度θは、その正規位置からの回転角度で表すこととする。また、足場板1Aの諸元寸法は、足場板本体2の長手方向には、その中央からピン41までの距離をp、爪までの距離をt、幅方向には、足場板本体2の幅を2uとし、ピン41がその幅方向の中央(機能上は端も良い)にあるものとする。このとき前記θおよびφは、次の2次方程式を解くことによって求めることができる。
【0014】
【数1】
ax2 +2bx+c =0
ただし、ここで
a= (R+u)2 +(t−p) 2
b=−p(R+u)
c=−t(t+2p)
x= sinθ
θ= sin-1x
よって両端に補助板40があれば
φ=2θ
である。
【0015】
以上のように、該足場板1Aの諸元寸法が確定していれば、補助板40の設定角度θと横架材6の配置角度φは、円形機器の半径Rの関数として容易に算出することができる。 かくして本発明によれば、従来の足場板を用いる限り避けられなかった図9に示すような足場枠5の枠組の不経済性を解消し、直線状の長尺足場はもちろん、図4に示すように合理的な足場枠5の枠組による曲折足場や多角形足場にも、共通機材として活用可能な足場板1Aを提供することができる。
【0016】
また、図7の移動手段4を備えた足場板1Bにおいては、足場板本体2の長手方向の端において、該長手方向に伸縮自在にアーム45が設けられ、そのアーム45の先端に前記爪3が設けられた。このように構成された移動手段4Bが、内側爪3aと外側爪3bとの少なくとも何れか一方の一対に設けられる。
かくして伸縮ボルト46の回転により、該一組の爪の一方は他方に対して相対的に、前記長手方向に移動することができる。したがって該足場板1Bは、該一組の爪3の夫々係止中心点を結ぶ直線と他端のそれとが交叉する角度φを、任意の値に設定できる機能を備えている。
【0017】
次に、半径Rの円形機器の回りに該足場板1Bを用いて足場を組む場合に、爪の伸縮量λと、横架材6の配置角度φとを適宜、容易に求め得ることを説明する。
ここでは足場板本体2が該長手方向中央で円形機器に接するように配置することとし、一対の外側爪3bだけが移動手段4Bを備えているとする。また、足場板1Bの諸元寸法は、足場板本体2の長手方向の中央から内側爪3aまでの距離をt、幅方向には、足場板本体2の幅を2u、一組の爪3の離間距離を2wとし、幅方向に対称に振り分けられているとする。このとき前記λとφは次式によって求めることができる。
【0018】
【数2】
λ=2wt/(R+u−w)
tan(φ/2)=t/(R+u−w)
∴ φ=2 tan-1(t/(R+u−w))
【0019】
以上のように、該足場板1Bの諸元寸法が確定していれば、爪3bの設定伸縮量λと横架材6の配置角度φは、円形機器の半径Rの関数として容易に算出することができる。
移動手段4Bが一対の外側爪3bだけに採用された足場板1Bの機能は、前記の足場板1Aの機能と基本的に同等である。しかし、内側爪3aにも設けられた場合には、本発明に固有の働きが生まれる。それは、横架材6の配置に誤差がある場合に、2対、合計4個のどの爪についても最適な係止状態が得られるように微調整ができる点である。
【0020】
専用組立枠においては横架材6は正確に配置されるため、この微調機能を要しない。しかし、本発明が特に狙いとする曲折足場や多角形足場では専用枠を保有するケースは希で、単管(パイプ)による組立枠が足場枠5として常用されている。この場合には、その特性上、あるいは現場作業の性格上、多少の誤差は不可避的に伴うものである。しかも確実な係止は、安全上、必須の課題である。この意味から、爪3の位置の微調整ができることは実用上、非常に重要である。
かくして本発明によれば、従来の足場板を用いる限り避けられなかった図9に示す足場枠5の枠組や特製足場板の廃却処分による不経済性を解消し、直線状の長尺足場はもちろん、図8に示すような合理的な足場枠5の枠組による曲折足場や多角形足場にも、共通機材として活用可能な足場板1Bを提供することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、足場板本体2の両側に一対の補助板40が、その中央で枢着部材41により枢着され且つ、互いに独立していずれの方向にも回動自在であるから、横架材6,6が平行に配置される長尺足場のみならず、平行でなく且つ、平面方向へ波状等に曲折された曲折足場や多角形の足場にも、足場の共通機材として活用することができる。
【0022】
また請求項2に記載の発明によれば、横架材6,6間の長さが異なり且つ、それらが平行でなくとも同一の足場を取り付けることができ、汎用性の高い足場となる。
請求項3に記載の発明によれば、一対の爪3,3のうち一方が他方に対して相対的に、長手方向に移動することができるから、横架材6,6間の長さが異なり且つ、それらが平行でなくとも各爪3を各横架材6に係止して足場板を固定することができ、汎用性の高い足場となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の足場板の一例を示す平面図。
【図2】 同側面図。
【図3】 図1のA−A断面略図。
【図4】 図1のIV部拡大断面図。
【図5】 同側面図。
【図6】 同足場板の使用状態を示す平面図。
【図7】 本足場板の移動装置4の他の例を示す断面図。
【図8】 本発明の足場板を用いたときの多角形足場枠の平面図。
【図9】 従来の足場板を用いたときの多角形足場枠の平面図。
【符号の説明】
1 足場板
1A 足場板
1B 足場板
2 足場板本体
2a 足場平面
2b 端部板
3 爪
3a 内側爪
3b 外側爪
4 移動手段
4A 移動手段
4B 移動手段
5 足場枠
6 横架材
7 楔機構
40 補助板
41 ピン
45 アーム
46 伸縮ボルト
47 ストッパ
Claims (3)
- 長方形状の足場板本体(2) と、この足場板本体(2) の長手方向端部の各々の中央に枢着部材 (41)(41) によって回動自在に取着された一対の補助板 (40)(40) と、 前記各々の補助板 (40)(40) の端部両側に設けられた一対の爪 (3)(3)(3)(3) を具備し、前記一対の補助板 (40)(40) の各々の回動方向は互いに独立した方向に回動自在であることを特徴とする足場板。
- 前記足場板本体(2) は、一対の端部板 (2b)(2b) に分割され、前記一対の端部板 (2b)(2b) は断面矩形筒状の中央部板 (2a) により伸縮自在に結合されていることを特徴とする請求項1記載の足場板。
- 前記一対の爪 (3)(3)(3)(3) は各々伸縮自在のアーム (45)(45)(45)(45) に取着されていることを特徴とする請求項1記載の足場板。
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