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JP3871009B2 - 耐水性インク組成物 - Google Patents
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JP3871009B2 - 耐水性インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクを用いた記録方法、特にインクジェット記録方法に好適に用いることができるインク組成物であって、被記録材に印字乾燥後、水や汚水に晒されても印字画像が全く乱れることがなく、色調安定性にも優れた耐水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、インクジェット記録方法としては種々のインク(記録液)吐出方式が採用されており、例えば、静電気吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変異を与える方式、インクを加熱発泡させてその圧力を利用する方式等により、インクの小滴を発生させ、それらの一部又は全部を紙等の被記録材に付着させる記録方法が知られている。これらは騒音の発生が少なく、高速印字や多色印字が可能であることから、優れた記録方法として一般に採用されている。
【0003】
ところで、一般にインクジェット記録方法に使用されるインクとしては、安全性、記録特性の面から主に水を主成分とするものが使用されているが、ノズルの目詰まり防止及び吐出安定性の向上を図るために多価アルコールも添加されている。
【0004】
しかし、インク記録装置等の性能の向上と普及に伴い、インク剤に対してもより高い特性の向上が要求されつつある。その中でも特に要求されている特性として耐水性がある。最近では一般事務、家庭用としてインクジェットプリンターの普及もめざましいものがあるが、このような環境では印刷物が水やコーヒー、ジュースなどの飲料水、汚水などに触れる機会が多くなってしまうため、耐水性がどうしても必要となる。
【0005】
即ち、現在市販されている発色性のよい水溶性染料系インクには、耐水性が殆どなく、このため水などに触れると印字画像が色のにじみなどによりおかしくなる場合が殆どである。これは染料自体が水溶性であるということ、また吐出安定性の向上のため添加されている多価アルコールも水溶性であるので、印字画像が水に触れた場合、それらの成分が水を呼び込み、画像が乱れてしまうためである。
【0006】
この場合、染料系インクの多価アルコール成分をなくすことも考えられるが、そうすると吐出安定性が悪くなる。
【0007】
一方、染料自体に反応性を持たせ、基材と結合させる試みが「色材」67[6](356−361(1994))に報告されている。これは染料自体にアルコキシシリル基を導入し、反応性を持たせたものである。しかし、水溶性染料には、水溶性を発現させるため、通常−SO3Na基、−NH2基、−CN基などの極性基が導入されており、これら極性基がアルコキシシリル基と反応してしまい、アルコキシシリル基をうまく導入することは困難であり、しかもこのようなものでは水溶液中での安定性が悪く、コスト的にも不利であるという問題を有している。
【0008】
また、「色材」66[9](517−522(1993))には、テトラエトキシシラン又はメチルトリエトキシシランに染料を添加し、ゾル液を調製後、これをガラス基材に処理し、染料を固定化する方法が提案されているが、このようなゾル液を一般的に塩基性を示す水性インクに添加すると、添加した途端にゲル化してしまい、水性インクには使用できないという不都合がある。
【0009】
更に、一般的に耐水性付与添加剤としてよく使用されるものにシリコーン化合物があり、これは溶剤系では優れた耐水性を付与することができるが、水中で安定なものはあまりなく、あっても弱酸性下でやや安定性がある程度であり、系がアルカリ性に傾くと安定性を失ってしまうものが殆どである。水溶性染料は一般的にアルカリ性を示すものが多々あるので、このような系には使用できない。
【0010】
最近ではこのような染料に耐水性を持たせるため、水溶性のポリアミン類を用いる場合が多々見受けられるが、ポリアミン類のアミノ基、特に1級アミノ基の反応性、塩基性により、染料中のアゾ基が分解するのか色変化が激しく起こり色調が変わってしまうという問題点もあった。
【0011】
また更に、特開平6−279678号公報には、水系表面処理組成物が提案されている。これはアミノトリアルコキシシランとそのアミノ基と反応する有機化合物を反応させ加水分解させたもの、或いはそれとテトラアルコキシシランのような有機金属化合物を更に反応させたものを主成分とする水溶液処理剤である。これはある程度アミノ基がブロックされているため、色調変化は少ないが、ポリジグリシジル化合物類をブロック剤として使用しているため、ゲル化しやすいなど、液自身の安定性が悪い場合がある。更にこの方法では、安定剤として陰イオン界面活性剤を加えているため、耐水性が悪化する場合もある。また、この液はアルカリ性領域では不安定であるため、水溶性インク組成物への添加剤としては好適に使用できないという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、水性インクを用いた記録方法(とりわけインクジェット記録方法)に好適に用いられるインク組成物であって、そのインクにより印字された印字画像が水に全く冒されない優れた耐水性を有し、しかも色調安定性にも優れたインク組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、
(I)水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物、
(II)下記一般式(1)
YR1 mSiR2 3-m …(1)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表されるアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(i)にその含有アミノ基1モルに対し0.01〜20モルのエポキシ基となる量で有機モノエポキシ化合物(ii)を反応させた加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
3 nSiR4 4-n …(2)
(式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部との混合物を水中或いは加水分解に必要である以上の水を含む有機溶剤中で加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物(C)、或いは、
上記一般式(1)のアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(i)又はその部分加水分解物100重量部と、上記一般式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部との混合物を上記と同様にして加水分解して得られる加水分解物に、その含有アミノ基1モルに対し0.01〜20モルのエポキシ基となる量で有機モノエポキシ化合物(ii)を反応させることによって得られる有機ケイ素化合物(D)、及び
(III)水
を特定の割合で配合することによって得られるインク組成物が、水性インクを用いた記録方法(特にインクジェット記録方法)に好適に使用し得、インクにより印字された印字画像が水分に全く冒されず、優れた耐水性を示す上、アミノ基の悪影響により色調が変化することもなくなり、色調安定性に優れたものであることを知見し、本発明をなすに至った。
【0014】
従って、本発明は、(I)水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物10重量部、(II)上記有機ケイ素化合物(C)又は(D)2〜60重量部、及び(III)水30〜10,000重量部を含有してなることを特徴とする耐水性インク組成物を提供する。
【0015】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の(I)成分である水溶性染料化合物は、一般の水溶性インクの染料成分として使用されるものでよく、特に制限されるものでないが、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどの色を与える公知の色素成分として用いられるものを好適に使用することができ、具体的にはアシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー73、アシッドイエロー79、ダイレクトイエロー86等のイエロー染料、アシッドレッド1、アシッドレッド8、アシッドレッド14、アシッドレッド37、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド103、アシッドレッド289、リアクティブレッド4等のマゼンタ染料、アシッドブルー9、アシッドブルー92、アシッドブルー87、リアクティブブルー15、ダイレクトブルー86等のシアン染料、アシッドブラック2、ダイレクトブラック22、ダイレクトブラック154、フードブラック2等のブラック染料などを挙げることができる。
【0016】
なお、このような染料は一般的に水溶性を発現させるためにスルホン酸ナトリウムで修飾され、それらを水に溶解させるとアルカリ性を示すものが殆どであるが、そのようなものでも好適に使用し得る。
【0017】
また、有機顔料としては、アニリンブラック、ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、パーマネントオレンジ、リゾールレッド、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ブリリアントカーミン6B、カーミン3B、コバルトバイオレット、メチルバイオレットレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、フタロシアニングリーンなどが挙げられる。
【0018】
次に、本発明の(II)成分として使用する有機ケイ素化合物(C)又は(D)は、本発明のインク組成物に耐水性を付与させる成分で、この成分は驚くべきことに、水溶液に容易に溶解し、更にはアルカリ水溶液においても高安定性のものである。しかも、染料中のアゾ基などの発色基を冒すことがないので、長期に亘って色調変化を生じさせない。
【0019】
この有機ケイ素化合物(C)は、上述したように、(i)下記一般式(1)
YR1 mSiR2 3-m …(1)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表されるアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シランに(ii)有機モノエポキシ化合物を反応させてなる加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と、下記一般式(2)
3 nSiR4 4-n …(2)
(式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを加水分解することによって得られるものである。
【0020】
また、有機ケイ素化合物(D)は、上記一般式(1)のアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(i)又はその部分加水分解物と、上記一般式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物とを加水分解させた加水分解物に、その含有アミノ基1モルに対し0.01〜20モルのエポキシ基となる量の有機モノエポキシ化合物を更に反応させることによって得られるものである。
【0021】
まず、上記有機ケイ素化合物(C)について説明すると、上記加水分解性シラン(A)は、系を水溶性にするために用いられる成分であり、目的とする有機ケイ素化合物に水溶性を付与させるために、その1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。また、その部分加水分解物を用いることもできる。
【0022】
この加水分解性シラン(A)は、
(i)下記一般式(1)
YR1 mSiR2 3-m …(1)
で表されるアミノ基含有有機基を有する加水分解性シランに、
(ii)有機モノエポキシ化合物
を反応させることによって得られたものである。
【0023】
上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの非置換一価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子などで置換した例えばハロゲン化アルキル基などの置換一価炭化水素基が挙げられるが、好ましくは置換基は窒素原子を含まないものである。具体的には、−CH3,−CH2CH3,−CH2CH2CH3,−CH(CH32,−CH2CH2CH2CH3,−CH(CH3)CH2CH3,−CH2CH(CH3)CH3,−C(CH33,−C65,−C613などが例示される。
【0024】
また、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3,−OCH2CH3,−OCH2CH2CH3,−OCH(CH32,−OCH2CH2CH2CH3,−OCH(CH3)CH2CH3,−OCH2CH(CH3)CH3,−OC(CH33,−OCOCH3,−OCOCH2CH3などが例示される。
【0025】
Yはアミノ基含有有機基であり、例えば下記式(3)で示されるものが挙げられる。
【0026】
【化3】
Figure 0003871009
(式中、R5,R6は水素原子又は炭素数1〜8の一価炭化水素基である。なお、R5とR6は互いに同一であっても異なっていてもよい。R7,R8は炭素数1〜8の二価炭化水素基で、R7とR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。pは0又は1〜3の整数である。)
【0027】
なお、炭素数1〜8の一価炭化水素基は、R1で説明したものと同様である。炭素数1〜8の二価炭化水素基としては、アルキレン基などが挙げられる。
【0028】
Yとして具体的には、下記式で示されるものを挙げることができる。
2NCH2−,
H(CH3)NCH2−,
2NCH2CH2−,
H(CH3)NCH2CH2−,
2NCH2CH2CH2−,
H(CH3)NCH2CH2CH2−,
(CH32NCH2CH2CH2−,
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
(CH32NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2
【0029】
これらの中では以下のものが好ましい。
2NCH2CH2CH2−,
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−,
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2
【0030】
なお、mは0又は1であり、好ましくは0である。
【0031】
上記式(1)のアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)としては、下記のものを例示することができる。
2NCH2Si(OCH33
2NCH2Si(OCH2CH33
2NCH2SiCH3(OCH32
2NCH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH33
H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
H(CH3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
H(CH3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH33
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
H(CH3)NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
【0032】
【化4】
Figure 0003871009
【0033】
一方、上記アミノ基含有有機基を含む加水分解性シラン(i)と反応させる有機モノエポキシ化合物(ii)は、その分子中に1個のエポキシ基を持つものであれば特に限定されるものではない。なお、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものとすると、これがアミノ基含有加水分解性シランとの間に好ましくないゲル状態を作り、液の保存安定性を悪くしたりする不利益をもたらすおそれがある。
【0034】
上記有機モノエポキシ化合物としては、特に下記一般式(4)で示されるものが好ましい。
【0035】
【化5】
Figure 0003871009
【0036】
式中、R9は二価の有機基であり、好ましくは鎖中に1個以上の酸素原子を介在してもよい炭素数1〜25、特に1〜10の直鎖状又は分枝状の二価炭化水素基であり、特に酸素原子を介在してもよいアルキレン基、アルケニレン基が挙げられ、例えば、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、アルケニレン基、オキシアルケニレン基を挙げることができる。R10は水酸基、非置換又は置換アルケニル基、(メタ)アクリロキシ基、ハロゲン原子、又は−SiR11 3基(R11は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基であり、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい)である。なお、非置換又は置換アルケニル基としては炭素数2〜4のものが好ましく、また置換アルケニル基としてはハロゲン置換アルケニル基を挙げることができる。
【0037】
【化6】
Figure 0003871009
【0038】
なお、この有機モノエポキシ化合物(ii)のアミノ基含有有機基を含む加水分解性シラン(i)に対する添加量は、このアミノ基含有有機基を含む加水分解性シランに含まれる窒素原子1個に対しエポキシ基が0.01〜20モル量、好ましくは0.1〜10モル量となる範囲とすればよい。エポキシ基の量が0.01モル量より少ないと色調安定性が悪くなる。また、その量が20モル量を超えるとコスト的に不利になったり、保存安定性が悪くなる。
【0039】
本発明の(A)成分は、上記アミノ基含有有機基を含む加水分解性シランと有機モノエポキシ化合物の所定量を混合し、加熱反応を行わせ、例えば下記式の反応により上記加水分解性シラン(i)のアミノ基の活性水素を有機モノエポキシ化合物でブロック変性したものである。特に色調に大きく悪影響を及ぼす第1級アミノを封鎖することにより、色調安定性に優れたものとなる。このとき、アミノ基による水溶性も低下するが、エポキシ基の開環反応により発生する水酸基により水溶性は補われるので、水溶性低下は少なくなる。
【0040】
【化7】
Figure 0003871009
【0041】
次に、上記加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と混合して用いられる加水分解性シラン(B)は、下記一般式(2)で表され、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その部分加水分解物を使用してもよい。
【0042】
3 nSiR4 4-n …(2)
(式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
【0043】
ここで、R3の炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、上記R1で説明したものと同様である。具体的には、−CH3,−CH2CH3,−CH2CH2CH3,−CH(CH32,−CH2CH2CH2CH3,−CH(CH3)CH2CH3,−CH2CH(CH3)CH3,−C(CH33,−C65,−C613などが例示される。
【0044】
また、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3,−OCH2CH3,−OCH2CH2CH3,−OCH(CH32,−OCH2CH2CH2CH3,−OCH(CH3)CH2CH3,−OCH2CH(CH3)CH3,−OC(CH33,−OCOCH3,−OCOCH2CH3などが例示される。
【0045】
なお、nは0,1又は2である。
【0046】
この式(2)の加水分解性シラン(B)としては、下記のものを例示することができる。
【0047】
【化8】
Figure 0003871009
【0048】
これらの中で特に好ましくは、Si(OCH34、Si(OCH2CH34、CH3Si(OCH33、CH3Si(OCH2CH33、(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OCH2CH32、及びこれらの部分加水分解物である。
【0049】
上記加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物に式(2)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合して用いる場合、その混合比は、加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部に対し加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部の割合であり、より好ましくは加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物の量が10〜150重量部である。この量が200重量部を超えるとアルカリ領域での安定性が悪化する。
【0050】
上記加水分解性シラン(A),(B)又はそれらの部分加水分解物を用いて加水分解し、本発明の主剤となる有機ケイ素化合物(C)を得る場合、溶媒は主として水を使用するが、必要に応じて、水と溶解する有機溶媒であるアルコール、エステル、ケトン、グリコール類を水に添加する形で用いることができる。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類などを挙げることができる。
【0051】
溶媒の量は原料シラン100重量部に対して400〜5,000重量部が好ましい。更に好ましくは1,000〜3,000重量部である。溶媒の量が400重量部より少ないと反応が進行しすぎ、系が均一にならない場合がある。また液の保存安定性も悪くなる場合がある。一方、5,000重量部より多いと経済的に不利な場合が生じる。
【0052】
また、溶媒中の水の量は、水/原料シランのモル比率で5〜50が好ましい。このモル比率が5より少ないと加水分解が完全に進行しにくく、液の安定性が悪化する場合がある。一方、50を超えると経済的に不利な場合が生じる。
【0053】
反応方法としては、(1)混合シランを水中或いは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下する方法、(2)混合シラン或いは有機溶剤含有混合シラン中に水を滴下する方法、(3)加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を水中或いは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下し、その後、加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を滴下する方法、(4)加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物を水中或いは加水分解に必要である以上の量の水を含む有機溶剤中に滴下し、その後、加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を滴下する方法などが挙げられるが、耐水性インク組成物の安定性の点から、特に(1)の反応方法が好ましい。
【0054】
一方、上記有機ケイ素化合物(D)は、
(i)上記した一般式(1)で示されるアミノ基含有有機基を有する加水分解性シラン又はその部分加水分解物100重量部と、
(B)上記した一般式(2)で示される加水分解性シラン又はその部分加水分解物5〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部とを加水分解させることによってその加水分解物を得た後、
この加水分解物に(ii)上記有機モノエポキシ化合物を反応させることによって製造する。
【0055】
ここで、上記(i),(B),(ii)成分としては、上記と同様のものを挙げることができ、(i)成分と(B)成分又はそれらの部分加水分解物を加水分解させる方法も、上述した方法と同様の方法を採用することができ、反応順序も上記と同様である。更に、得られた加水分解物に有機モノエポキシ化合物を反応させる場合、上記と同様に、この加水分解物中の窒素原子1個に対しエポキシ基が0.01〜20モル量、好ましくは0.1〜10モル量の範囲となるように有機モノエポキシ化合物を使用すればよく、また反応方法は、上記有機モノエポキシ化合物をアミノ基含有有機基を含有する式(1)の加水分解性シラン又はその部分加水分解物と反応させる方法と同様の方法を採用することができる。
【0056】
なお、有機ケイ素化合物(C),(D)は水溶液の形で得られるが、必要に応じて、更に水を加えたり、除去したりして、有機ケイ素化合物(C)又は(D)100重量部に対して水10〜2,000重量部、好ましくは10〜1,000重量部の比率に調整することができる。
【0057】
このようにして得られた(II)成分は、水性インク中での保存安定性が高く、特に(I)成分の染料により系がアルカリ性領域にある場合においても安定に存在することができ、耐水性を付与することが可能である。更に染料を変色させることがないので、色調安定性にも優れている。
【0058】
(II)成分の最適添加量は、(I)成分の水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物の種類により異なるが、(I)成分10重量部に対して2〜60重量部、特に10〜40重量部とする。添加量が2重量部より少ないと、耐水性効果が小さくなり、また60重量部より多いと、もはやそれ以上の耐水性効果を期待できず、コスト的にも好ましくない。
【0059】
本発明の組成物は(III)成分として水を使用し、上記(I)及び(II)成分の溶剤として用いるものである。
【0060】
ここで水の使用量は、(I)成分10重量部に対し30〜10,000重量部、特に40〜1,000重量部であり、30重量部よりも少ないと耐水性インク組成物の保存安定性が悪化し、また、10,000重量部より多いと画像が乱れ、目的の画像にならない。
【0061】
本発明のインク組成物は、上記(I)〜(III)成分を含有してなるもので、耐水性、保存安定性、インク吐出安定性、発色性に優れ、インクジェット記録方法などの水性インクを用いた記録方法に好適に使用することができるものであるが、更に必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
【0062】
例えば、ノズル詰まりを抑制し、インク吐出安定性を高めるために保湿剤を添加することができ、具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0063】
上記保湿剤をインク組成物中に配合する場合には、(I)成分10重量部に対し1〜40重量部、特に5〜30重量部配合することが好ましい。ここでの配合量が1重量部よりも少ないとインク吐出安定性が悪くなる場合があり、また、40重量部よりも多いと耐水性が弱くなったり、コスト的にも好ましくない場合がある。
【0064】
また、安定性などに悪影響を与えない範囲で、任意成分を適宜添加することができる。この任意成分としては、諸性能を付与させるため、UV吸収剤、消泡剤、界面活性剤などを添加してもよい。また補強用に各種微粒子化無機酸化物あるいはそのゾル、水溶性ポリマーなどを添加することもできる。
【0065】
本発明のインク組成物は、印字もしくは印字画像の耐水性に優れるだけでなく、保存及び色調安定性、インク吐出安定性も高く、更には印字画像の発色性にも優れているという長所を持つインク組成物である。
【0066】
【実施例】
以下、合成例及び実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0067】
〔合成例1〕
撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に(CH3O)3SiCH2CH2CH2NH2100g(0.56モル)を入れ、撹拌混合しながら80℃に加熱した。そこに2,3−エポキシ−1−プロパノール62.2g(0.84モル)を1時間かけて滴下した。更に80℃で5時間撹拌してアミノ基とエポキシ基の反応を行わせ、その後10mmHgの減圧下に80℃で低留分を留去して加水分解性シラン(A−1)を得た。その性状を下記に示す。
【0068】
【化9】
Figure 0003871009
【0069】
〔合成例2〕
撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に(CH3O)3SiCH2CH2CH2NHCH2CH2NH2100g(0.45モル)を入れ、撹拌混合しながら80℃に加熱した。そこに2,3−エポキシ−1−プロパノール50.3g(0.68モル)を1時間かけて滴下した。更に80℃で5時間撹拌してアミノ基とエポキシ基の反応を行わせ、その後10mmHgの減圧下に80℃で低留分を留去して加水分解性シラン(A−2)を得た。その性状を下記に示す。
【0070】
【化10】
Figure 0003871009
【0071】
〔合成例3〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに上記合成例1で得られた加水分解性シラン(A−1)50.6g(0.2モル)及びCH3Si(OCH3313.6g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から36℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液152gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は25.3%であった。
【0072】
〔合成例4〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに上記合成例1で得られた加水分解性シラン(A−1)50.6g(0.2モル)及びSi(OCH3415.2g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から36℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液146gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は26.3%であった。
【0073】
〔合成例5〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに上記合成例2で得られた加水分解性シラン(A−2)59.2g(0.2モル)及びCH3Si(OCH3313.6g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から36℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液157gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は25.0%であった。
【0074】
〔合成例6〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに上記合成例2で得られた加水分解性シラン(A−2)59.2g(0.2モル)及びSi(OCH3415.2g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から36℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温98℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液151gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は26.0%であった。
【0075】
〔合成例7〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH3344.4g(0.2モル)及びCH3Si(OCH3313.6g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から55℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。続けて2,3−エポキシ−1−プロパノール16.3g(0.22モル)を15分間かけて滴下し、更に1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温95℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液163gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は29.0%であった。
【0076】
〔合成例8〕
水120g(6.67モル)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた200mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3241.2g(0.2モル)及び(CH32Si(OCH3212.0g(0.1モル)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から46℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。続けて2,3−エポキシ−1−プロパノール16.3g(0.22モル)を15分間かけて滴下し、更に1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温95℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物水溶液170gを得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は31.0%であった。
【0077】
〔実施例1〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例3の有機ケイ素化合物/19.7g(固形分5.0g)
(3)水/65.3g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例3の有機ケイ素化合物/19.7g(固形分5.0g)
(3)水/65.3g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例3の有機ケイ素化合物/19.7g(固形分5.0g)
(3)水/65.3g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例3の有機ケイ素化合物/19.7g(固形分5.0g)
(3)水/65.3g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0078】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行い、印字画像について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
【0079】
耐水性
インクジェット記録を行った紙を水中に浸漬し、水中から引き上げた時の印字画像の変化を観察した。
○:印字画像変化なし
△:やや水によるにじみあり
×:水によるにじみ激しい
画像の発色性
インクジェット記録を行った紙の印字画像の発色性を観察した。
○:発色性良好
×:発色性悪い
吐出安定性
1時間連続印字を行った時、ノズル吹き出し口のインクの詰まりによる印字画像のかすれが起こらないか否かを観察した。
○:印字画像のかすれなし
△:印字画像の一部分かすれあり
×:印字画像のかすれ激しい
保存安定性
1日30分間の連続使用で何日間変化なく印字できるかを観察した(ノズル詰まり、印字画像のかすれが出るまでの期間)。
60℃下保存安定性
インク組成物を60℃の環境下に放置し、液の変化を観察した(液の色変化やゲルなどが発生するまで、安定に存在する期間)。
【0080】
〔実施例2〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例4の有機ケイ素化合物/19.0g(固形分10.0g)
(3)水/66.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例4の有機ケイ素化合物/19.0g(固形分10.0g)
(3)水/66.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例4の有機ケイ素化合物/19.0g(固形分10.0g)
(3)水/66.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例4の有機ケイ素化合物/19.0g(固形分10.0g)
(3)水/66.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0081】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0082】
〔実施例3〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例5の有機ケイ素化合物/20.0g(固形分5.0g)
(3)水/65.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例5の有機ケイ素化合物/20.0g(固形分5.0g)
(3)水/65.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例5の有機ケイ素化合物/20.0g(固形分5.0g)
(3)水/65.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例5の有機ケイ素化合物/20.0g(固形分5.0g)
(3)水/65.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0083】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0084】
〔実施例4〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例6の有機ケイ素化合物/19.2g(固形分5.0g)
(3)水/65.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例6の有機ケイ素化合物/19.2g(固形分5.0g)
(3)水/65.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例6の有機ケイ素化合物/19.2g(固形分5.0g)
(3)水/65.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例6の有機ケイ素化合物/19.2g(固形分5.0g)
(3)水/65.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0085】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0086】
〔実施例5〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例7の有機ケイ素化合物/17.2g(固形分5.0g)
(3)水/67.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例7の有機ケイ素化合物/17.2g(固形分5.0g)
(3)水/67.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例7の有機ケイ素化合物/17.2g(固形分5.0g)
(3)水/67.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例7の有機ケイ素化合物/17.2g(固形分5.0g)
(3)水/67.8g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0087】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0088】
〔実施例6〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)合成例8の有機ケイ素化合物/16.1g(固形分5.0g)
(3)水/68.9g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)合成例8の有機ケイ素化合物/16.1g(固形分5.0g)
(3)水/68.9g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)合成例8の有機ケイ素化合物/16.1g(固形分5.0g)
(3)水/68.9g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)合成例8の有機ケイ素化合物/16.1g(固形分5.0g)
(3)水/68.9g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0089】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0090】
〔比較例1〕
インクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)付属のインクを用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0091】
〔比較例2〕
インクジェットプリンター機(エプソン製 MJ−500C機)付属のインクを用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0092】
〔比較例3〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)ペンタエチレンヘキサミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)ペンタエチレンヘキサミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)ペンタエチレンヘキサミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)ペンタエチレンヘキサミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0093】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0094】
〔比較例4〕
[ブラックインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のクロラゾールブラックLF/5.0g
(2)トリエチレンペンタミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[マゼンタインク]
(1)水溶性染料化合物:アルドリッチ社製のアシッドレッド14/5.0g
(2)トリエチレンペンタミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[イエローインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドイエロー23/5.0g
(2)トリエチレンペンタミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
[シアンインク]
(1)水溶性染料化合物:東京化成株式会社製のアシッドブルー92/5.0g
(2)トリエチレンペンタミン/5.0g
(3)水/80.0g
(4)保湿剤:グリセリン/10.0g
(1)〜(4)成分を混合し、耐水性インク組成物を調製した。
【0095】
これら4色のインク組成物をインクジェットプリンター機(キャノン製 BJC−600S機)に用いて、通常の紙にインクジェット記録を行った。評価は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
Figure 0003871009
【0097】
【発明の効果】
本発明の耐水性インク組成物は、耐水性に優れるだけでなく、保存安定性、インク吐出安定性も高く、特に色調安定性に優れたものである。

Claims (7)

  1. (I)水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物10重量部、
    (II)下記一般式(1)
    YR1 mSiR2 3-m …(1)
    (式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表されるアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(i)にその含有アミノ基1モルに対し0.01〜20モルのエポキシ基となる量で有機モノエポキシ化合物(ii)を反応させた加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
    3 nSiR4 4-n …(2)
    (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物(C)2〜60重量部、
    及び
    (III)水 30〜10,000重量部
    を含有することを特徴とする耐水性インク組成物。
  2. (I)水溶性染料化合物及び/又は有機顔料化合物10重量部、
    (II)下記一般式(1)
    YR1 mSiR2 3-m …(1)
    (式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yはアミノ基含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表されるアミノ基含有有機基を含有する加水分解性シラン(i)又はその部分加水分解物100重量部と、下記一般式(2)
    3 nSiR4 4-n …(2)
    (式中、R3は炭素数1〜8の非置換又は窒素原子を含有しない置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物5〜200重量部とを加水分解することによって得られる加水分解物に、その含有アミノ基1モルに対し0.01〜20モルのエポキシ基となる量で有機モノエポキシ化合物(ii)を反応させて得られる有機ケイ素化合物(D) 2〜60重量部、
    及び
    (III)水 30〜10,000重量部
    を含有することを特徴とする耐水性インク組成物。
  3. アミノ基含有有機基を含有する式(1)の加水分解性シランが、
    Figure 0003871009
    である請求項1又は2記載の耐水性インク組成物。
  4. 有機モノエポキシ化合物が、下記一般式(4)
    Figure 0003871009
    (式中、R9は二価の有機基を示し、R10は水酸基、非置換又は置換アルケニル基、(メタ)アクリロキシ基、ハロゲン原子、又は−SiR11 3基(R11は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基である)を示す。)
    で示されるものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の耐水性インク組成物。
  5. 式(2)の加水分解性シランが、
    Si(OCH34
    Si(OCH2CH34
    CH3Si(OCH33
    CH3Si(OCH2CH33
    (CH32Si(OCH32又は
    (CH32Si(OCH2CH32
    である請求項1乃至4のいずれか1項記載の耐水性インク組成物。
  6. 保湿剤1〜40重量部を含有してなる請求項1乃至5のいずれか1項記載の耐水性インク組成物。
  7. インクジェット記録用である請求項1乃至6のいずれか1項記載の耐水性インク組成物。
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