JP3876830B2 - 遠心式送風機及び空調装置用の送風機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心式送風機に関するもので、車両用空調装置の車両用送風装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の遠心式送風機は、図9に示すように、遠心式多翼ファン71のうち吸入口75側の端部に、ブレード72の端部から吸入口75側に突出した環状の突出壁77bを設けるとともに、吸入口75の外縁部に突出壁77bと所定の隙間を有して突出壁77bを囲むベルマウス部76を設けて迷路構造を構成することにより、遠心式多翼ファン71から吹き出された空気がスクロールケーシング74と遠心式多翼ファン71との隙間から吸入口75側に逆流することを抑制している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
因みに、遠心式多翼ファン71から吹き出された空気が吸入口75側に逆流すると、逆流空気と吸入空気とが干渉して渦損失や騒音が発生する。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−296194号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載の発明では、スクロールケーシング74の外壁面のうちベルマウス部76に連なる吸入側外壁面74cには、ベルマウス部76にて大きく盛り上がった段差が形成されているので、図10に示すように、吸入口75に向けて流れる吸入空気のうち、吸入側外壁面74c近傍を流れる空気がベルマウス部76の段差で衝突してしまう。
【0006】
そして、ベルマウス部76の段差で衝突して乱流となった空気流は、新たな渦損失や騒音を誘発してしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な遠心式送風機を提供し、第2には、ベルマウス部にて空気流れが乱れることを抑制することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、回転軸(7a)周りに配設された複数枚のブレード(72)を有し、軸方向側から空気を吸引して径方向に空気を吹き出す遠心式多翼ファン(71)と、遠心式多翼ファン(71)を収納するとともに、回転軸(7a)の端部側に空気の吸入口(75)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(74)とを備え、
遠心式多翼ファン(71)のうち吸入口(75)側の端部には、ブレード(72)の端部から吸入口(75)側に突出した環状の突出壁(77b)が設けられ、
スクロールケーシング(74)のうち吸入口(75)の外縁部には、突出壁(77b)と所定の隙間を有して突出壁(77b)を囲むとともに、空気を遠心式多翼ファン(71)に導くベルマウス部(76)が設けられ、
さらに、スクロールケーシング(74)には、ベルマウス部(76)に段差の無い平坦な形状で連なり、径方向外側に延びる吸入側外壁面(74c)と、ベルマウス部(76)に連なるとともに吸入側外壁面(74c)よりも所定間隔だけ軸方向内側に位置する内壁(74b)とが備えられており、
内壁(74b)は、吸入側外壁面(74c)に沿って径方向外側に平坦な形状で延びることを特徴とする。
【0009】
これにより、吸入口(75)に向けて流れる吸入空気に渦等乱れが発生することを抑制できるので、ベルマウス部(76)にて空気流れが乱れることを抑制でき、新たな渦損失や騒音等が誘発されてしまうことを防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遠心式送風機において、スクロールケーシング(74)に内壁(74b)を一体成形するとともに、
スクロールケーシング(74)に別体のプレート(74d)を取り付け、この別体のプレート(74d)により吸入側外壁面(74c)を構成することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の遠心式送風機において、スクロールケーシング(74)に内壁(74b)及び吸入側外壁面(74c)を一体成形し、スクロールケーシング(74)のうち、吸入側外壁面(74c)および内壁(74b)の成形部位が他の部位よりも肉厚になっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の遠心式送風機において、スクロールケーシング(74)に内壁(74b)及び吸入側外壁面(74c)を一体成形するとともに、
吸入側外壁面(74c)と内壁(74b)との間に中空部分が形成されていることを特徴とする。
【0013】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は本発明に係る遠心送風機(以下、送風機と略す。)を水冷エンジン搭載車両の車両用空調装置に適用したもので、図1は空調装置1の模式図である。
【0015】
空気流路をなす空調ケーシング2の空気上流側部位には、車室内気を導入するための内気導入口3、外気を吸入するための外気導入口4、及び両導入口3、4の開口割合、つまり空調ケーシング2内に導入する内気量と外気量と割合を調節する吸入口切換ドア5等からなる内気外気切換ユニット6が設けられてり、この内気外気切換ユニット6が送風機7に空気を導くダクト部を構成する。
【0016】
そして、内気外気切換ユニット6の空気流れ下流側には、送風機7が配設されており、この送風機7により両導入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口14、15、17に向けて送風されている。なお、図1に示された送風機7は模式的な図であり、詳細は後述する。
【0017】
また、送風機7の空気下流側には、空気冷却手段をなす蒸発器9が配設されており、送風機7により送風された空気は全てこの蒸発器9を通過する。蒸発器9の空気下流側には、空気加熱手段をなすヒータコア10が配設されており、このヒータコア10は、エンジン11の冷却水を熱源として空気を加熱している。
【0018】
そして、空調ケーシング2には、ヒータコア10をバイパスするバイパス通路12が形成されており、ヒータコア10の空気上流側には、ヒータコア10を通る風量とバイパス通路12を通る風量との風量割合を調節するエアミックスドア13が配設されている。
【0019】
また、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口14と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口15と、フロントガラス16の内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口17とが形成されている。
【0020】
そして、上記各吹出口14、15、17の空気上流側部位には、それぞれ吹出モード切換ドア18、19、20が配設されている。なお、これらの吹出モード切換ドア18、19、20は、サーボモータ等の駆動手段または手動操作によって開閉される。
【0021】
因みに、実際の車両用空調装置では、フット吹出口15及びデフロスタ吹出口17は、フェイス吹出口14より小さくなっているため、フットモード及びデフモードはフェイスモードに比べて空気の流通抵抗(圧損)が大きくなっている。
【0022】
次に、送風機7について述べる。
【0023】
図2は送風機7の半断面図であり、図3送風機7内における空気流れを示す説明図であり、図4は図2の拡大図である。
【0024】
図2中、ファン71は回転軸7a周りに多数枚のブレード72を有するとともに、回転軸7aの方向他端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心式多翼ファンであり、モータ73はファン71を回転駆動する電動式の駆動手段である。
【0025】
ケーシング74はファン71を収納するとともに、ファン71から吹き出した空気の流路74aを形成する渦巻き状に形成された樹脂製のスロールケーシングであり(図3参照)、このケーシング74には、回転軸7a方向一端側に向けて開口するとともに、その開口径寸法Dがファン72の最小内径寸法dminより大きく設定された空気の吸入口75が形成されている。
【0026】
ところで、ファン71のうち吸入口75側には、図4に示すように、ケーシング74の内壁74bと隙間δを有して対向した対向面77aが形成されたシュラウド77が、ブレード72と共に樹脂にて一体成形されている。
【0027】
なお、このシュラウド77の断面形状は、ファン内径側から外径側に向かうほど空気流路の断面積が縮小する(ブレード高さが小さくなる)ように、ブレード72を流通する主流空気の流線に沿うような形状(略円弧状)に形成されている。
【0028】
また、シュラウド77には、ブレード72の吸入口75側端部から回転軸7a方向一端側、つまり吸入口75側に突出した環状の突出壁77bが形成されており、ベルマウス部76は、突出壁77bとの間に隙間δから繋がる所定の隙間を有して突出壁77bを囲んで覆うがことく、吸入口75の外縁部からファン内径側に向けて延びて、ファン71に空気を滑らかに導くように構成されている。
【0029】
そして、ケーシング74の外壁面のうちベルマウス部76に連なる吸入側外壁面74cは、ケーシング74の肉厚を厚くすることにより段差の無い平坦な形状に構成されている。
【0030】
なお、本実施形態では、吸入側外壁面74cをファン71の軸方向と直交する平面としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば吸入口75が軸中心に位置するような円錐テーパ状の段差の無い平坦な形状であってもよい。
【0031】
また、ブレード72のうち吸入口75側には、吸入口75側に向かうほどファン内径が拡大するように、ファン72の径方向に対して所定の傾斜角度θ1(本実施形態では50°)を有して直線的に傾いた傾斜部72aが形成され、ブレード72のうち傾斜部72aから連なる部位には、ファン内径が略一定となるように、回転軸7a(図2参照)と平行な平行部(一定部位)72bが形成されている。
【0032】
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0033】
本実施形態では、ケーシング74の外壁面のうちベルマウス部76に連なる吸入側外壁面74cは段差の無い平坦な形状に構成されているので、図5に示すように、吸入口75に向けて流れる吸入空気に渦等乱れが発生することを抑制できる。したがって、ベルマウス部76にて空気流れが乱れることを抑制できるので、図6に示す試験結果から明らかなように、新たな渦損失や騒音等が誘発されてしまうことを防止できる。
【0034】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ケーシング74の肉厚を厚くすることにより吸入側外壁面74cを段差の無い平坦な形状としたが、本実施形態は、図7に示すように、肉厚部分を中空としたものである。
【0035】
(第3実施形態)
第1実施形態では、ケーシング74の肉厚を厚くすることにより吸入側外壁面74cを段差の無い平坦な形状としたが、本実施形態は、図8に示すように、別体のプレート74dにより吸入側外壁面74cを段差の無い平坦な形状としたものである。
【0036】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ケーシング74、つまり送風機7を改良することにより内気外気切換ユニット6の内壁からベルマウス部76に連なる部位74cを段差の無い平坦な形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば内気外気切換ユニット6側に内気外気切換ユニット6の内壁からベルマウス部76に連なる部位74cを段差の無い平坦な形状とする改良を施してもよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、本発明に係る送風機を車両用空調装置に適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る送風機の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る送風機を吸入口側から見た模式図である。
【図4】図2の一部拡大図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る送風機における空気流れを示す説明図である。
【図6】騒音(SPL)と周波数との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る送風機の一部拡大図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る送風機の一部拡大図である。
【図9】従来の技術に係る送風機の図である。
【図10】従来の技術に係る送風機における空気流れを示す説明図である。
【符号の説明】
71…送風機、72…ブレード、72a…傾斜部、72b…平行部、
75…吸入口、76…ベルマウス部。
Claims (4)
- 回転軸(7a)周りに配設された複数枚のブレード(72)を有し、軸方向側から空気を吸引して径方向に空気を吹き出す遠心式多翼ファン(71)と、
前記遠心式多翼ファン(71)を収納するとともに、前記回転軸(7a)の端部側に空気の吸入口(75)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(74)とを備え、
前記遠心式多翼ファン(71)のうち前記吸入口(75)側の端部には、前記ブレード(72)の端部から前記吸入口(75)側に突出した環状の突出壁(77b)が設けられ、
前記スクロールケーシング(74)のうち前記吸入口(75)の外縁部には、前記突出壁(77b)と所定の隙間を有して前記突出壁(77b)を囲むとともに、空気を前記遠心式多翼ファン(71)に導くベルマウス部(76)が設けられ、
さらに、前記スクロールケーシング(74)には、前記ベルマウス部(76)に段差の無い平坦な形状で連なり、径方向外側に延びる吸入側外壁面(74c)と、前記ベルマウス部(76)に連なるとともに前記吸入側外壁面(74c)よりも所定間隔だけ軸方向内側に位置する内壁(74b)とが備えられており、
前記内壁(74b)は、前記吸入側外壁面(74c)に沿って径方向外側に平坦な形状で延びることを特徴とする遠心式送風機。 - 前記スクロールケーシング(74)に前記内壁(74b)を一体成形するとともに、
前記スクロールケーシング(74)に別体のプレート(74d)を取り付け、前記別体のプレート(74d)により前記吸入側外壁面(74c)を構成することを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風機。 - 前記スクロールケーシング(74)に前記内壁(74b)及び前記吸入側外壁面(74c)を一体成形し、前記スクロールケーシング(74)のうち、前記吸入側外壁面(74c)および前記内壁(74b)の成形部位が他の部位よりも肉厚になっていることを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風機。
- 前記スクロールケーシング(74)に前記内壁(74b)及び前記吸入側外壁面(74c)を一体成形するとともに、
前記吸入側外壁面(74c)と前記内壁(74b)との間に中空部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風機。
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