JP3884359B2 - 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム - Google Patents
多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3884359B2 JP3884359B2 JP2002283922A JP2002283922A JP3884359B2 JP 3884359 B2 JP3884359 B2 JP 3884359B2 JP 2002283922 A JP2002283922 A JP 2002283922A JP 2002283922 A JP2002283922 A JP 2002283922A JP 3884359 B2 JP3884359 B2 JP 3884359B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- design
- solution
- optimization support
- shortest distance
- objective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの急速な進歩に伴い、応力/変形解析、熱解析、振動/騒音解析等が大規模な非線形問題に対しても比較的容易に実施できるようになってきている。こうした背景のもと、電子機器およびその構成部品の開発において、信号伝送・ノイズ/熱/応力解析用のCAEソルバーが利用されている。しかしながら、電子機器およびその構成部品の実装設計においてコストダウンや開発期間の短縮を実現するには、電気的性能と機械的性能の両立は不可欠であり、両者をバランス良く実現させる統合的な設計支援手法が必要である。又、設計最適化においては、性能だけではなく、信頼性/調達可能性/生産可能性/環境性/保守性/コストなどの多くの設計項目が対象となる。
【0003】
単一目的関数に対する最適解の探索を目的とした設計最適化だけではなく、複数の目的関数を同時に扱うことを目的とした最適化手法の開発が行なわれている。複数の目的関数を同時に扱う場合に用いられる最適解の概念には、3つの概念がある(例えば、非特許文献1参照。)。図5(a)に全最適解、図5(b)にパレート最適解、図5(c)に弱パレート最適解の概念図を示す。完全最適解は、多目的問題の最適解が個々の単一問題の最適解ともなっている場合を意味する。パレート最適解は、少なくとも一つ以上の単一最適化問題において、多目的問題の最適解が最適とはならない解を指す。即ち、ある問題を最適化したことによって、残りの問題の最適化が妨げられる場合に相当する。パレート解と弱パレート解の違いは、一意な解を要求するか否かによる。ただし、ここでの最適化は、目的関数の最小化の場合を示している。
【0004】
このような多目的設計の最適化において、多くの設計ソリューションの良し悪しについて比較算定する場合、各設計項目あるいは目的関数を同じ基準で統一的に算定するための統合的な指標が必要となる。
【0005】
従来、信頼性解析の分野では、破損限界面(破損が生じる界面)までの距離をHasofer-Lind距離に基づき近似的に求め、それを多次元正規分布のσ点と関連づけることで破損確率を評価する拡張1次近似2次モーメント法(Advanced First Order Second Moment Method)が利用されている。これは、信頼性解析における単一の破損条件を対象にした評価法である(例えば、非特許文献2−4参照。)。あるいは、複数の破損条件に応用した例もある(例えば、非特許文献5−7参照。)。これは結合標準正規分布関数を対象にした信頼性についての評価法である。
【0006】
【非特許文献1】
坂和正敏著「非線形システムの最適化 一目的から多目的へ」森北出版、1986年
【0007】
【非特許文献2】
ハスファー(Hasofar,M.A.)及びリンド(Lind,N.C.)著、エンジニアメカニクス部門誌(Journal of Engineering Mechanics Division)、ASCE会議論文集(Proc.ASCE)、100巻、EM1号、1974年、P111
【0008】
【非特許文献3】
メルチャーズ(Melchers, R.E.)著「構造信頼性、分析及び予想(Structural Reliability; Analysis and Prediction)」エリスハワード(ELLIS HORWOOD)、1987年
【0009】
【非特許文献4】
ソフト−クリステンセン(Thoft-Christensen, P.)、ベイカー(Baker, M. J.)著「構造信頼性論理及びその応用(Structural Reliability Theory and its Applications)」、スプリンガー−ベルラーグ(Springer-Verlag)、1986年
【0010】
【非特許文献5】
ホヘンビクラー(Hohenbichler, M.)及びラックウィッツ(Rackwitz, R.)著「システム信頼性における一次的概念(First-Order Concepts in System Reliability)」、構造安全性(Structural Safety)、4号、1983年、P177
【0011】
【非特許文献6】
タング(Tang, L.K.)及びメルチャーズ(Melchers, R.E.)著「多規定積分の改良近似(Improved Approximation for Multinormal Intergral)」、構造安全性(Structural Safety)、4号、1987年、P81
【0012】
【非特許文献7】
パンディー(Pandey, M. D.)著「多規定積分評価のための有効近似(An Effective Approximation to Evaluate Multinormal Integgrals)」、構造安全性(Structural Safety)、20号、1998年、P51
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一方、多目的設計最適化においては、信頼性だけではなく、性能/調達可能性/生産可能性/環境性/保守性/コストなどの多くの設計項目や設計ソリューションの実現までの困難度や重要度を考慮した上で、統合的に設計ソリューションを算定し、合理的且つ効率的にコストと品質(性能・信頼性)のバランスを図ることが要求される。又、品質の多様性や設計の柔軟性を確保することが要求される。このような場合、各設計項目におけるスペックと目的関数との距離を同じ基準で算定できるように変換した上で、多くの設計項目を統一的に算定可能な指標が必要となる。
【0014】
上記の問題に鑑み、本発明は、多くの設計項目あるいは目的関数を同じ基準で比較できるように変換し、その変換した値をパラメータとした統一的評価指標を用いて、各設計案を比較算定できる多目的設計最適化支援手法及び多目的設計最適化支援プログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う多目的設計最適化支援装置が、(イ)設計変数の関数である前記複数の設計項目に関する各設計空間を、それぞれの平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化するステップと、(ロ)複数の設計項目に関するそれぞれの許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面である各限界曲面を、平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化した共通の設計空間上で表現するステップと、(ハ)設計空間の共通の平均値を表す原点から各限界曲面までの最短距離をそれぞれ算出するステップと、(二)最短距離をパラメータとした評価関数を用いて統一的評価指標を算出するステップとを含む多目的設計最適化支援方法であることを要旨とする。ここで、「設計ソリューション」とは設計案とスペックの組み合わせを指す。「設計案」とは、複数の設計変数をそれぞれ一意的に決定した、設計変数群である。又、「設計空間」とは、設計項目に関わる各変数を軸とした空間を指す。
【0016】
本発明の第1の特徴に係る多目的設計最適化支援方法によると、多くの設計ソリューションについて各設計項目間の相関・トレードオフ関係やコストとリスクの関係を比較・吟味するために必要な情報や、品質の多様性や設計の柔軟性を確保するために必要な情報を提供することが可能となる。又、統一的評価指標を各設計ソリューションについて算出し比較することにより、設計ソリューションの良し悪しについて同一の基準で統一的に算定することが可能となる。
【0017】
又、第1の特徴に係る多目的設計最適化支援方法の最短距離を算出するステップは、複数の設計項目の優先度あるいは重要度に応じてスケーリングしても良い。
【0018】
更に、第1の特徴に係る多目的設計最適化支援方法は、複数の設計項目の最短距離を軸として設計ソリューションの最短距離を出力装置に表示するステップを更に含んでも良い。又、統一的評価指標及び設計ソリューションの対象となった製品ライフサイクルに関わるコストを軸として設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置に表示するステップを更に含んでも良い。又、設計ソリューションをプロットしたマップにおける最適解あるいはパレート解を算出するステップを更に含んでも良い。又、統一的評価指標は、最短距離の最小値であっても良い。
【0019】
本発明の第2の特徴は、複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う多目的設計最適化支援装置に、(イ)設計変数の関数である複数の設計項目に関する各設計空間を、それぞれの平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化する手順と、(ロ)複数の設計項目に関するそれぞれの許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面である各限界曲面を、平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化した共通の設計空間上で表現する手順と、(ハ)設計空間の共通の平均値を表す原点から各限界曲面までの最短距離をそれぞれ算出する手順と、(二)最短距離をパラメータとした評価関数を用いて統一的評価指標を算出する手順とを実行させる多目的設計最適化支援プログラムであることを要旨とする。
【0020】
又、第2の特徴に係る多目的設計最適化支援プログラムは、統一的評価指標及び設計ソリューションの対象となった製品ライフサイクルに関わるコストを軸として設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置に表示する手順を更に実行させても良い。又、設計ソリューションをプロットしたマップにおける最適解あるいはパレート解を算出する手順を更に実行させても良い。
【0021】
本発明の第2の特徴に係る多目的設計最適化支援プログラムを読み出すことにより、多目的設計最適化支援装置等に上記の手順を実行させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0023】
本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援装置は、図2に示すように、中央処理装置(CPU)11に入力装置12、出力装置13、ROM14、RAM15が接続されている。CPU11は、複数の設計項目に関する設計空間を標準化あるいは正規化する標準化・正規化モジュール11a、許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面である限界曲面を設計空間上で表現する限界曲面表現モジュール11b、設計空間の原点から限界曲面までの最短距離を算出する最短距離算出モジュール11c、最短距離をパラメータとした評価関数を用いて統一的評価指標を算出する統一的評価指標算出モジュール11d、統一的評価指標及び設計ソリューションの対象となった製品ライフサイクルに関わるコストを軸として設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置13に表示する設計ソリューション表示モジュール11e、設計ソリューションをプロットしたマップにおける最適解あるいはパレート解を算出する最適解・パレート解算出モジュール11fを備える。それぞれのモジュールの機能は、後に詳述する。
【0024】
入力装置12は、キーボード、マウス等の機器を指し、フレキシブルディスク装置、CD−ROM装置、DVD装置等も含む。入力装置12から入力操作が行われると対応するキー情報がCPU11に伝達される。出力装置13は、モニタなどの画面を指し、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)パネル、エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等が使用可能である。又、出力装置13はプリンターなどでも構わない。ROM14及びRAM15は、設計項目データや計算途中あるいは解析途中のデータを保存する。又、ROM14及びRAM15は、CPU11に対して、最短距離の算出、統一的評価指標の算出などを実行させるためのプログラムを保存する。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援方法について、半導体パッケージ開発を例にとり、説明する。
【0026】
電子機器の軽薄短小化が加速し、搭載部品に対する小型化の要求が一段と高まり、高密度実装が可能なフリップチップ接続技術の開発が活発に行われている。半導体パッケージ開発において高信頼性化/コストダウン/開発期間の短縮を実現するには、信号伝送特性/冷却/強度解析といった要素解析技術を統合的に実施し、合理的かつ効率的に性能を予測した上で、コストと品質(性能・信頼性)のバランスを図る必要がある。半導体パッケージ開発においては、チップ発熱量、データ転送速度・バス幅、半導体パッケージ許容サイズ(冷却構造を含む)、チップ許容温度、はんだ接合部必要寿命など多くのスペックが存在する。又、設計変数としては、パッケージ構造や実装形態、インタポーザ基板種類、接合部配置、基板層数、基板配線ラインやスペース、基板サイズ、チップ配置、フィン形状・ファン性能などがある。そのため、考えられる設計ソリューションは、表1に示すように、数多くの組み合わせが存在する。ここで、「設計ソリューション」とは設計案とスペックの組み合わせを指す。「設計案」とは、複数の設計変数をそれぞれ一意的に決定した、設計変数群である。「設計方式」とは、設計案とスペックから設計ソリューションを決定するための設計方法である。
【0027】
【表1】
一方、設計項目としては、冷却性能(チップ温度など)、強度特性(はんだ接合部疲労寿命など)、信号伝送特性(信号遅延、電圧損失、ノイズなど)などが存在する。本発明に係る実施の形態では、半導体パッケージの信号伝送特性、はんだ接合部強度特性、信号伝送特性に関する多目的設計最適化を対象に、図1及び図2を用いて、本発明に係る多目的設計最適化支援方法の適用例を示す。
【0028】
(イ)まず、各設計項目Yi(冷却特性、強度特性、信号伝送特性)について、設計変数Xに関する応答曲面近似式:Yi=Response(Xj)(Response(Xj)は、例えば、直交多項式とする。)を作成する。そして、図1のステップS101において、標準化・正規化モジュール11aは、コンピュータを利用した数値シミュレーションあるいは実験・試験により得られた設計項目データについて、平均値μと標準偏差σを利用して設計空間を標準化あるいは正規化する。ここで、「設計空間」とは、設計項目に関わる各変数を軸とした空間を指す。よって、変数の数が2つであれば二次元、3つであれば三次元、それ以上であれば多次元の空間となる。
【0029】
又、「標準化」とは、各設計項目データの確率分布形を仮定しない場合の変換を指し、「正規化」とは、確率分布形を仮定する場合の変換を指す。標準化の方法としては、例えば、式(1)に示す方法が考えられる。式(1)では、Xiは設計変数、μiは平均値、σxiは標準偏差、uiは標準化後の設計変数を示している。平均値を0、標準偏差を1として標準化を行っても良い。
【0030】
ui=(Xi−μi)/σxi ……(1)
又、正規化の方法としては、例えば、式(2)に示すように、各設計変数の確率分布を考慮に入れて、各設計変数を標準正規確率変数に変換する方法などが考えられる。式(2)では、Xiは設計変数、uiは正規化後の設計変数、Fxiは各設計項目の確率分布関数、Φ−1は標準正規分布関数の逆関数を示している。
【0031】
ui=Φ−1{Fxi(Xi)} ……(2)
各設計項目データや標準化・正規化された設計空間はROM14やRAM15等に保存される。
【0032】
(ロ)次に、ステップS102において、限界曲面表現モジュール11bは、標準化あるいは正規化した設計空間において、限界曲面を各設計項目について表現する。例えば、標準化の場合であれば、式(1)において、Xiがスペック値となる際の曲面をuiにより表現する。ここで、「限界曲面」とは、スペック限界曲面と不良発生限界曲面を含む。「スペック限界曲面」とは、許容領域と非許容領域の界面を指し、例えば、設計項目が冷却特性であれば、許容温度や熱抵抗の許容値を指す。又、「不良発生限界曲面」とは、不良が発生する領域と不良が発生しない領域の界面を指し、例えば、設計項目がはんだ接合部強度特性であれば、破損領域と非破損領域の界面を指す。又、設計項目が調達可能性/生産可能性/環境性/保守性/コストの場合でも、許容領域と非許容領域の界面を限界曲面と捉えることが可能である。表現された限界曲面は、ROM14やRAM15等に保存される。
【0033】
(ハ)次に、ステップS103において、最短距離算出モジュール11cは、標準化あるいは正規化した設計空間において、原点から限界曲面までの最短距離を算出する。算出方法としては、拡張一次近似二次モーメント法(AFOSM)等(非特許文献2参照)を用いる。ここで、各設計項目の優先度・重要度に応じて、あるいは、スペック未達あるいは不良発生が生じた場合の損失コストに応じて、各最短距離をスケーリングしても良い。各最短距離は、ROM14やRAM15等に保存される。
【0034】
又、設計ソリューション表示モジュール11eによって、各設計項目の最短距離を軸として設計ソリューションをプロットし、設計ソリューション算定用のマップを作成しても良い。そして、この設計ソリューションマップを出力装置12等に表示しても良い。設計ソリューションマップの表示では、例えば、図3に示すように、2つの設計項目毎に多くの設計ソリューションを、最短距離を軸としてプロットすることが考えられる。図3においては、○が設計方式1によるプロットであり、□が設計方式2によるプロットであり、◇が設計方式3によるプロットである。限界曲面までの最短距離は長い方が高い評価を得るが、複数の設計項目の最適化を考慮すると、図3(a)、(b)において点線で表した曲線の上部の領域が最適化領域となる。又、図3(a)、(b)、(c)の矢印は、それぞれの設計ソリューションの分布方向を表している。設計ソリューションマップは、ROM14やRAM15等に保存される。
【0035】
ここで、多くの設計ソリューションについて得られた最短距離データ集合を、クラスター分析、主成分分析、共分散構造分析、相関分析、因子分析、グラフィカルモデリングなどの多変量解析手法を用いて分析し、設計変数と最短距離集合あるいは設計変数と設計ソリューション集合のデータ構造を算出し、出力装置13等に表示しても良い。同様に、設計変数と最短距離集合あるいは設計変数と設計ソリューション集合の決定木(ディシジョン・ツリー)を算出し、出力装置13等に表示しても良い。データ構造や決定木は、ROM14やRAM15等に保存される。
【0036】
(ニ)次に、ステップS104において、統一的評価指標算出モジュール11dは、各設計項目に関する最短距離をパラメータとした評価関数を用いて、設計ソリューション算定のための統一的評価指標を算出する。評価関数は、最短距離の最小値を表す関数、あるいは、各最短距離を多次元正規分布のσ点と関連づけることでスペック未達確率あるいは不良発生確率にそれぞれ変換し、それらの結合確率を算出する関数等が考えられる。その他、標準化あるいは正規化した設計空間内において得られる設計ソリューション集合(パレート解など)の広さ/形状/パターン分類などの集合に関する関数であっても良い。又、統一的評価指標は、各設計項目に関するスケーリング済み最短距離の最小値でも良いし、各距離を多次元正規分布のσ点と関連付けることにより算出した結合不良発生確率に、不良が生じた場合の損失コストあるいはスペック達成のために必要となるコストを乗じて、リスク(期待損失コストなど)に換算した値でも良い。評価関数や算出された統一的評価指標は、ROM14やRAM15等に保存される。
【0037】
(ホ)次に、ステップS105において、設計ソリューション表示モジュール11eは、ステップS104において得られた統一的評価指標及びコストを軸として、2次元の図として設計ソリューションをプロットし、設計ソリューションマップを作成する。そして、設計ソリューションマップを出力装置13等に表示する。ここで、「コスト」とは、開発・調達・製造・保守など製品ライフサイクルに関わる各コストが相当する。又、設計ソリューションマップは、リスク及びコストを軸として作成しても良い。ここで、リスクは、スペック未達あるいは不良発生に伴う損失コストを入力装置12等により入力し、各設計項目の最短距離を多次元正規分布のσ点と関連づけることでスペック未達確率あるいは不良発生確率にそれぞれ変換し、それらの結合確率に損失コストを乗じることにより求めた期待損失コストとして予測する。コストやリスクは、ROM14やRAM15等に保存される。図4は、信号伝送/冷却/接合強度における最短距離の最小値を用いた統一的評価指標と開発/調達/製造のコストを軸として設計ソリューションをプロットした例である。
【0038】
(へ)次に、ステップS106において、最適解・パレート解算出モジュール11fは、表2に示す多目的最適化手法を利用して、ステップS103あるいはステップS105において得られた設計ソリューションマップにおける最適解あるいはパレート解を求める。表2において、xは設計変数、f(x)は目的関数、wは重み係数を表している。
【0039】
【表2】
算出された最適解やパレート解は、ROM14やRAM15等に保存される。
【0040】
本発明に係る多目的設計最適化支援方法によると、多くの設計ソリューションについて各設計項目間の相関・トレードオフ関係やコストとリスクの関係を比較・吟味するために必要な情報や、品質の多様性や設計の柔軟性を確保するために必要な情報を提供することが可能となる。又、統一的評価指標を各設計ソリューションについて算出し比較することにより、設計ソリューションの良し悪しについて同一の基準で統一的に算定することが可能となる。
【0041】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0042】
例えば、図3及び図4において、設計方式毎に設計ソリューションをプロットしたが、設計案やスペック毎に設計ソリューションをプロットしても良い。又、図4における軸をコスト及びリスク、あるいは統一的評価指標及びリスクとして、設計ソリューションをプロットしても良い。
【0043】
又、本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援装置のCPU11内の各モジュールは、一つのCPU11内にあると記述したが、複数のCPU11に分けて備えられていても良い。その際、複数のCPU11間でデータのやりとりが行えるようにバスなどで装置間を接続する。
【0044】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0045】
【発明の効果】
本発明によると、多くの設計項目あるいは目的関数を同じ基準で比較できるように変換し、その変換した値をパラメータとした統一的評価指標を用いて、各設計案を比較算定できる多目的設計最適化支援手法及び多目的設計最適化支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施に形態に係る多目的設計最適化支援装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援方法における設計ソリューションマップである(その1)。
【図4】本発明の実施の形態に係る多目的設計最適化支援方法における設計ソリューションマップである(その2)。
【図5】従来の最適解の概念図である。
【符号の説明】
11 中央処理装置(CPU)
11a 標準化・正規化モジュール
11b 限界曲面表現モジュール
11c 最短距離算出モジュール
11d 統一的評価指標算出モジュール
11e 設計ソリューション表示モジュール
11f 最適解・パレート解算出モジュール
12 入力装置
13 出力装置
14 ROM
15 RAM
Claims (12)
- 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う多目的設計最適化支援装置が、
設計変数の関数である前記複数の設計項目に関する各設計空間を、それぞれの平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化するステップと、
前記複数の設計項目に関するそれぞれの許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面である各限界曲面を、前記平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化した共通の設計空間上で表現するステップと、
前記設計空間の前記共通の平均値を表す原点から前記各限界曲面までの最短距離をそれぞれ算出するステップと、
前記最短距離をパラメータとした評価関数を用いて統一的評価指標を算出するステップと
を含むことを特徴とする多目的設計最適化支援方法。 - 前記標準化は、標準化前の設計変数をX i 、標準化後の設計変数をu i 、平均値をμ i 、標準偏差をσ xi として、次式
u i =(X i −μ i )/σ xi
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の多目的設計最適化支援方法。 - 前記正規化は、正規化前の設計変数をX i 、正規化後の設計変数をu i 、各設計項目の確率分布関数をF xi 、標準正規分布関数の逆関数をΦ −1 として、次式
u i =Φ −1 {F xi (X i )}
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の多目的設計最適化支援方法。 - 前記統一的評価指標は、前記最短距離の最小値であることを特徴とする請求項1に記載の多目的設計最適化支援方法。
- 前記最短距離を算出するステップは、前記複数の設計項目の優先度あるいは重要度に応じてスケーリングすることを特徴とする請求項1に記載の多目的設計最適化方法。
- 前記複数の設計項目の前記最短距離を軸として前記設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置に表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項1又は5に記載の多目的設計最適化支援方法。
- 前記統一的評価指標及び前記設計ソリューションの対象となった製品ライフサイクルに関わるコストを軸として前記設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置に表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項1、5又は6のいずれか1項に記載の多目的最適化支援方法。
- 前記設計ソリューションをプロットしたマップにおける最適解あるいはパレート解を算出するステップを更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の多目的設計最適化支援方法。
- 前記統一的評価指標は、前記複数の設計項目に関するスケーリング済み最短距離の最小値であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の多目的設計最適化支援方法。
- 複数の設計項目に関わる設計ソリューションの評価を行う多目的設計最適化支援装置に、
設計変数の関数である前記複数の設計項目に関する各設計空間を、それぞれの平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化する手順と、
前記複数の設計項目に関するそれぞれの許容領域と非許容領域の界面あるいは不良が発生する領域と発生しない領域の界面である各限界曲面を、前記平均値及び標準偏差が共通となるように標準化あるいは正規化した共通の設計空間上で表現する手順と、
前記設計空間の前記共通の平均値を表す原点から前記各限界曲面までの最短距離をそれぞれ算出する手順と、
前記最短距離をパラメータとした評価関数を用いて統一的評価指標を算出する手順と
を実行させることを特徴とする多目的設計最適化支援プログラム。 - 前記統一的評価指標及び前記設計ソリューションの対象となった製品ライフサイクルに関わるコストを軸として前記設計ソリューションをプロットしたマップを出力装置に表示する手順を更に実行させることを特徴とする請求項10に記載の多目的最適化支援プログラム。
- 前記設計ソリューションをプロットしたマップにおける最適解あるいはパレート解を算出する手順を更に実行させることを特徴とする請求項11に記載の多目的設計最適化支援プログラム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002283922A JP3884359B2 (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002283922A JP3884359B2 (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004118719A JP2004118719A (ja) | 2004-04-15 |
| JP3884359B2 true JP3884359B2 (ja) | 2007-02-21 |
Family
ID=32277648
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002283922A Expired - Fee Related JP3884359B2 (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3884359B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4928173B2 (ja) * | 2006-06-22 | 2012-05-09 | 株式会社日立製作所 | 設計支援装置、プログラム及び設計支援方法 |
| JP4670826B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2011-04-13 | トヨタ自動車株式会社 | 制御パラメータの実験計画設定方法、その実験計画設定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 |
| JP5003499B2 (ja) | 2008-01-14 | 2012-08-15 | 富士通株式会社 | 多目的最適化設計支援装置、方法、及びプログラム |
| JP5018487B2 (ja) * | 2008-01-14 | 2012-09-05 | 富士通株式会社 | 製造バラつきを考慮した多目的最適化設計支援装置、方法、及びプログラム |
| JP5151732B2 (ja) * | 2008-06-27 | 2013-02-27 | 富士通株式会社 | 特性が似ていて形状が異なる設計形状を分類・表示する装置、方法、及びプログラム |
| JP5282493B2 (ja) * | 2008-09-04 | 2013-09-04 | 富士通株式会社 | 最適解関係表示装置、方法、及びプログラム |
| JP5246030B2 (ja) | 2008-09-26 | 2013-07-24 | 富士通株式会社 | 回路自動設計プログラム、方法及び装置 |
| JP5267398B2 (ja) | 2009-09-25 | 2013-08-21 | 富士通株式会社 | 自動回路設計用パレートデータ生成プログラム、方法及び装置、並びに自動回路設計プログラム、方法及び装置 |
| JP5353764B2 (ja) | 2010-03-02 | 2013-11-27 | 富士通株式会社 | 自動設計支援プログラム、方法及び装置 |
| JP5565289B2 (ja) | 2010-12-08 | 2014-08-06 | 富士通株式会社 | 探索プログラム、探索方法及び探索処理装置 |
| JP6248402B2 (ja) * | 2013-03-19 | 2017-12-20 | 横浜ゴム株式会社 | データの表示方法 |
| JP6299089B2 (ja) * | 2013-06-18 | 2018-03-28 | 横浜ゴム株式会社 | データの可視化方法 |
| CN109871396A (zh) * | 2019-01-31 | 2019-06-11 | 西南电子技术研究所(中国电子科技集团公司第十研究所) | 多样本考评数据的归一化融合方法 |
| CN112818458B (zh) * | 2021-02-26 | 2023-11-21 | 西安建筑科技大学 | 一种建筑绿色性能设计优化方法及系统 |
| JP7815857B2 (ja) * | 2022-02-28 | 2026-02-18 | 富士電機株式会社 | 可視化装置、可視化方法及びプログラム |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283922A patent/JP3884359B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2004118719A (ja) | 2004-04-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3884359B2 (ja) | 多目的設計最適化支援方法及び多目的設計最適化支援プログラム | |
| JP4028490B2 (ja) | 信頼性解析装置、信頼性解析方法及び信頼性解析プログラム | |
| CN103955568A (zh) | 一种基于失效物理的mos器件可靠性仿真评价方法 | |
| JP2006277370A (ja) | 回路基板の品質解析システム及び品質解析方法 | |
| JP2008241432A (ja) | 負荷算定装置および負荷算定方法 | |
| CN118507395B (zh) | 一种基于芯片自动封装的多物理量协同控制方法 | |
| CN115906573A (zh) | 一种基于可靠性分析的pcb寿命分析方法 | |
| Kahya et al. | Vibration-based damage detection in anisotropic laminated composite beams by a shear-deformable finite element and harmony search optimization | |
| CN119480650A (zh) | 多层堆叠存储芯片的封装方法及系统 | |
| Pecht et al. | Introduction to PHM | |
| Wang et al. | Proper orthogonal decomposition and long short-term memory neural network based multiphysics digital twin model for electronic device online condition monitoring | |
| Ghaderi | Reliability analysis for TO-247 multilayered power module packaging under mechanical oscillation based on finite element method | |
| CN120145992A (zh) | 高集成度混合集成电路热管理方法及系统 | |
| Shinohara et al. | Fatigue life evaluation accuracy of power devices using finite element method | |
| Fu et al. | An intelligent thermo-mechanical coupling collaborative design technique for 2.5 D chiplet heterogeneous integration (CHI) system | |
| Rafiee et al. | Machine Learning Predictive Modeling and Multi-Objective Optimization of 2.3 D Chip-Last Fanout Wafer-Level Packages | |
| Menon et al. | Physics of failure based reliability assessment of electronic hardware | |
| Scholand et al. | An investigation of PWB layout by genetic algorithms to maximize fatigue life | |
| Wang et al. | Three-point bending stress analysis and decision tree prediction for QFN solder joints using SnBiInZn high-entropy alloy solder | |
| Halbrooks et al. | Finite Element Modeling Strategies for Studying Mechanical Design Tradeoffs in Heterogeneously Integrated Packages | |
| Shi et al. | An adaptive genetic algorithm optimize neural networks approach for wafer dicing saw quality prediction | |
| Lee et al. | Chip to package interaction risk assessment of fcbga devices using fea simulation, meta-modeling and multi-objective genetic algorithm optimization technique | |
| CN117786856A (zh) | 一种热力耦合作用下电子器件工作性能评估方法 | |
| Nawghane et al. | A PoF based methodology to assess the reliability of a sensor module operating in harsh industrial environments | |
| Lucchese et al. | On server cooling policies for heat recovery: exhaust air properties of an Open Compute Windmill V2 platform |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060814 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061031 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061116 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101124 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101124 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111124 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121124 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131124 Year of fee payment: 7 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |