JP3899638B2 - シールド掘進機のカッタ構造 - Google Patents
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Description
本発明は、シールド掘進機のカッタ構造に関する。
【従来の技術】
シールド掘進機は、筒体状に形成されたシールド本体の前部に設けられたカッタ回転体を回転させ、カッタ回転体に取り付けられたビットによって切羽を掘削するものである。
図5に示すように、ビットaは、カッタ回転体bを構成するカッタスポークcに所定間隔を隔てて複数取り付けられており、カッタ回転体bの径方向に沿ったビットコラムdを形成している。図5中、ハッチングが入ったビットaはカッタ回転体bを時計方向eに回転させたときに切羽を掘削するものであり、これと対を成すように配置された白抜きのビットaはカッタ回転体bを反時計方向fに回転させたときに切羽を掘削するものである。
上記ビットコラムdは、カッタ回転体bの径方向に沿って、ビットaとスペースとが交互に配置されて構成される。そして、一のビットコラムd(カッタスポークc)のビットaの同一半径上には、それに隣接するビットコラムd(カッタスポークc)のスペースgが位置するようになっている。これにより、各ビットaによって切羽の全面が同芯的な多重円周状に掘削されることになる。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように隣接するビットコラムd(カッタスポークc)同士のビットaの取付位置を径方向に互いにズラすと、ズラしたスペースgの分だけビットaの取付個数が制限されることになるため、例えば図5に示すように4本のビットコラムd(カッタスポークc)を有する場合であっても、切羽の同一半径上を掘削するビットaは2個のみとなってしまう。これを2条掘削という。
すなわち、4本のビットコラムd(カッタスポークc)を有するにも拘らず、上記スペースgを設ける必要上、4条掘削ではなく2条掘削とならざるを得ない。このようにビットコラムd(カッタスポークc)の数よりも掘削条数が少なくなるため、掘進速度が制限されると共に、各ビットaの負担が大きくなって摩耗速度が速くなり、その短寿命化が問題となっていた。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、ビットの長寿命化を図ったシールド掘進機のカッタ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るシールド掘進機のカッタ構造は、シールド本体に設けられたカッタ回転体に、径方向に沿ってメインビットとサブビットとを交互に配設し、それらメインビットとサブビットとからなる径方向に沿ったビットコラムを、上記カッタ回転体の回転中心から放射状に複数設け、且つ一のビットコラムのメインビットの同一半径上に、それに隣接するビットコラムのサブビットを位置させ、それらメインビットとサブビットとのビット高さを等しくすることで、切羽の同一半径上を切削するメインビット及びサブビットによる掘削条数をビットコラムの数と同じとしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、一のビットコラムについては各メインビットの間にそれぞれサブビットを取り付けると共に、隣接するビットコラムについてはメインビットとサブビットとを同一円周上に配置したので、ビットの取付個数が従来と比べて略倍増すると共に、ビットコラムの数と同じ掘削条数を得ることができる。よって、各ビットの負担が小さくなって摩耗速度が遅くなり、ビットの長寿命化を推
進できる。
また、上記メインビットのカッタ回転体径方向の切削幅と、上記サブビットのカッタ回転体径方向の切削幅とが、略等しく設定されいてもよい。
また、上記メインビットが、カッタ回転体の左回転時に切羽を切削するための左ビットと右回転時に切羽を切削するための右ビットとを有し、上記サブビットが、カッタ回転体の左回転時に切羽を切削するための左ビットと右回転時に切羽を切削するための右ビットとを有し、メインビットの左ビットとサブビットの左ビットとの高さを等しくし、メインビットの右ビットとサブビットの右ビットとの高さを等しくし、メインビット及びサブビットの左ビットの高さとメインビット及びサブビットの右ビットとの高さとを異ならせてもよい。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、シールド掘進機1は、筒体状に形成されたシールドフレーム2とその内部を前後に仕切る隔壁3とからなるシールド本体4を有する。シールドフレーム2には、既設セグメント5に反力をとってシールド本体4を前進させる推進ジャッキ6が設けられ、隔壁3には、土砂取込室7内の掘削土砂を坑内に搬送するスクリューコンベヤ8が取り付けられている。
隔壁3には、駆動モータ9の回転方向を切り換えることによって正回転方向 (図2にて時計回りA)または逆回転方向(同じく反時計回りB)に駆動されるカッタ回転体10が、図示しない軸受およびシール等を介して取り付けられている。カッタ回転体10は、図2にも示すように、隔壁3に軸支された回転軸部11と、その前端に設けられた取付座部12と、取付座部12から周方向に所定間隔を隔てて径方向外方に延出されたカッタスポーク13とからなる。カッタスポーク13は、本実施形態では図2に示すように60度間隔で6本設けられているが、この間隔および本数に限られるものではなく、2本以上であれば何本でもよい。
カッタスポーク13には、その長手方向すなわちカッタ回転体10の径方向に所定間隔を隔ててメインビット14a、14bが複数取り付けられている。メインビット14a、14bは、図3(a) に示すように、カッタスポーク13に設けられた台座15上に、カッタ回転体10の周方向に所定間隔隔てて対16(図2参照)を成すように取り付けられている。一方のメインビット14aは、カッタ回転体10を正回転方向Aに回転させたときに切羽を掘削し、他方のメインビット14bは、カッタ回転体10を逆回転方向Bに回転させたときに切羽を掘削する。なお、台座15は、メインビット14a、14b同士の間隔を広げる役割を果たす。
各メインビット14a、14bの対16の間には、図2に示すように、カッタ回転体10の径方向に所定間隔を隔てて、サブビット17a、17b(ハッチングで表示する)が夫々取り付けられている。サブビット17a、17bは、対16を成す上記メインビット14a、14b同士の間隔とほぼ等しい幅に形成され、図3(b) に示すように、カッタスポーク13の切羽対向部18に取り付けられている。サブビット17a、17bは、図例では、カッタ回転体10を正回転方向aに回転させたときに切羽を掘削する正回転掘削ビット17aと、カッタ回転体10を逆回転方向Bに回転させたときに切羽を掘削する逆回転掘削ビット17bとが一体的に構成されているが、これら正回転掘削ビット17aと逆回転掘削ビット17bとを別体としてもよい。
サブビット17a、17bの下方のカッタスポーク13には、図3(b) に示すように、サブビット17a、17bで掘削した切羽の土砂をスムーズに土砂取込室7に案内するためのテーパブロック19が設けられている。テーパブロック19は、サブビット17a、17bの掘削土砂のみならず、メインビット14a、14bの掘削土砂の一部をも、土砂取込室7に案内する。図中矢印Xは掘削土砂の流れを示す。これらメインビット14a、14bとサブビット17a、17bとは、図3(a),(b) に示すように、切羽に対するビット高さHが等しく成形されている。これらメインビット14a、14bとサブビット17a、17bとは、各カッタスポーク13ごとにカッタ回転体10の径方向に沿ったビットコラム20を形成する。
各ビットコラム20を形成するメインビット14とサブビット17との位置関係は、図2に示すように、一のビットコラム20(カッタスポーク13)のメインビット14の同一半径上に、それに隣接するビットコラム20のサブビット17が位置する関係となっている。すなわち、図例では6本のビットコラム20 (カッタスポーク13)を有するカッタ回転体10が示されているが、この場合、各ビットコラム20の同一半径上について見てみると、メインビット14→サブビット17→メインビット14→サブビット17→メインビット14→サブビット17と交互に配置されることになる。
ここで、メインビット14とサブビット17とは、図3(a),(b) に示すように同じビット高さHに形成されているので、カッタ回転体10の同一半径上について見てみると、6本の各ビットコラム20の間隔(60度間隔)ごとに切羽の同一半径上を掘削することになる。すなわち、6本のビットコラム20の同一半径上に取り付けられたメインビット14とサブビット17とが共同して、切羽の同一半径上を6条掘削することになる。
以上の構成からなる本実施形態の作用について述べる。
図2に示すように、それぞれのビットコラム20(カッタスポーク13)についてはメインビット14とサブビット17とをカッタ回転体10の径方向に沿って交互にほぼ隙間なく取り付け、それらメインビット14とサブビット17とを全てのビットコラム20(カッタスポーク13)についてはカッタ回転体10の同一円周上に交互に配置したので、ビット14、17の取付個数が図5に示す従来タイプと比べて略倍増すると共に、ビットコラム20(カッタスポーク13)の数(6本)と同じ掘削条数(6条掘削)を得ることができる。よって、個々の各ビット14、17の負担が小さくなって摩耗速度が遅くなり、ビット14、17の長寿命化を推進できる。従って、従来、途中でビット交換が必要であった長距離掘進をビット交換なしで行うことができ、工期短縮、低コスト化、安全性向上など様々な波及効果が得られる。
また、本実施形態に用いられる図3(a),(b) にようなメインビット14およびサブビット17すなわちティースビットは、刃部21が設けられる掘削辺22のみならずその左右辺23、23(図2参照)も開放されていることが、切羽を櫛歯状に掘削して掘削効率を高めるために必要であるが、本実施形態では図3(a) に示すようにメインビット14a、14b同士の間隔が台座15によって広げられると共に図3(b) に示すようにサブビット17の幅をメインビット14a、14b同士の間隔と略同等にまで狭めているので、メインビット14とサブビット17とをカッタ回転体10の径方向に沿って交互にほぼ隙間なく取り付けても、メインビット14の掘削辺22および左右辺23、23の開放を確保でき、掘削効率の低下はない。
また、サブビット17についても、その幅をメインビット14a、14b同士の間隔と略同等にまで狭めて形成しているので、カッタスポーク13から食み出るメインビット14a、14bに対してカッタスポーク13の幅内に収まることとなり、刃部21が設けられた掘削辺24のみならず左右辺25、25の開放を確保でき(図2参照)、掘削効率の低下はない。また、図3(b) に示すように、サブビット17の下方には、テーパブロック19が設けられているので、サブビット17の掘削辺24で掘削した切羽の土砂が矢印Xで示すようにスムーズに土砂取込室7に案内され、掘削効率の向上に寄与する。
図4は、図3に示す左右のメインビット14a、14bの高さをズラして形成すると共に、左右のサブビット17a、17bの高さをズラして形成したものである。図中、左側のメインビット14aおよびサブビット17aの高さH3は等しくされ、右側のメインビット14bおよびサブビット17bの高さH4(H4<H3)も等しくされている。この構成によれば、先ず、カッタ回転体10を正回転方向Aにのみ回転させて掘進することにより、左側のメインビット14aおよび左側のサブビット17aによって6条掘削(図2参照)が達成される。その後、左側のメインビット14aおよび左側のサブビット17aが右側のメインビット14bおよびサブビット17bと同等高さにまで摩耗したならば、今度はカッタ回転体10を逆回転方向Bにのみ回転させて掘進することにより、温存された右側のメインビット14bおよびサブビット17bによって6条掘削(図2参照)が達成される。
なお、このようにカッタ回転体10を一方向にのみ回転させて掘進すると、その回転反力によってシールド本体4(シールドフレーム2)に上記回転方向と逆方向のローリングが生じるが、かかるローリングは、図1に示す推進ジャッキ6
をローリングを打ち消す方向に傾けて保持することによって打ち消すことができ
る。この場合、傾けられた推進ジャッキ6は既設セグメント5を斜めに押すことになり、その分力によってローリングが打ち消されるのである。
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るシールド掘進機のカッタ構造によれば、ビットのトータルの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すカッタ構造を備えたシールド掘進機の側断面図である。
【図2】 上記カッタ構造の正面図である。
【図3】 上記カッタ構造の説明図であり、図3(a) は図2のa−a線断面図、図3(b) は図2のb−b線断面図である。
【図4】 上記カッタ構造の別の変形例を示す説明図である。
【図5】 従来のカッタ構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
4 シールド本体
10 カッタ回転体
14 メインビット
17 サブビット
20 ビットコラム
Claims (3)
- シールド本体に設けられたカッタ回転体に、径方向に沿ってメインビットとサブビットとを交互に配設し、それらメインビットとサブビットとからなる径方向に沿ったビットコラムを、上記カッタ回転体の回転中心から放射状に複数設け、且つ一のビットコラムのメインビットの同一半径上に、それに隣接するビットコラムのサブビットを位置させ、それらメインビットとサブビットとのビット高さを等しくすることで、切羽の同一半径上を切削するメインビット及びサブビットによる掘削条数をビットコラムの数と同じとしたことを特徴とするシールド掘進機のカッタ構造。
- 上記メインビットのカッタ回転体径方向の切削幅と、上記サブビットのカッタ回転体径方向の切削幅とが、略等しく設定された請求項1に記載のシールド掘進機のカッタ構造。
- 上記メインビットが、カッタ回転体の左回転時に切羽を切削するための左ビットと右回転時に切羽を切削するための右ビットとを有し、上記サブビットが、カッタ回転体の左回転時に切羽を切削するための左ビットと右回転時に切羽を切削するための右ビットとを有し、
メインビットの左ビットとサブビットの左ビットとの高さを等しくし、メインビットの右ビットとサブビットの右ビットとの高さを等しくし、メインビット及びサブビットの左ビットの高さとメインビット及びサブビットの右ビットとの高さとを異ならせた請求項1又は2に記載のシールド掘進機のカッタ構造。
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|---|---|---|---|
| JP3623198A JP3899638B2 (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | シールド掘進機のカッタ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP3623198A JP3899638B2 (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | シールド掘進機のカッタ構造 |
Publications (2)
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| JPH11229770A JPH11229770A (ja) | 1999-08-24 |
| JP3899638B2 true JP3899638B2 (ja) | 2007-03-28 |
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ID=12464011
Family Applications (1)
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| JP3623198A Expired - Fee Related JP3899638B2 (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | シールド掘進機のカッタ構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3899638B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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| JP2002349191A (ja) * | 2001-05-23 | 2002-12-04 | Nkk Corp | シールド掘進機のカッターヘッド及びこれを用いたシールド掘進機 |
-
1998
- 1998-02-18 JP JP3623198A patent/JP3899638B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH11229770A (ja) | 1999-08-24 |
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