JP3909161B2 - 化学処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶剤を気化させた溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で被処理物を化学処理する処理タンクを備えた化学処理装置、具体的には、木材などの被処理物を、メチレンクロライドなどの塩素系有機溶剤を気化させた溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で化学処理する処理タンクを備えた化学処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、特開平6−137757号、特開平7−32315号、特開平7−292489号、特開平8−170101号、特開平8−165586号、特開平8−131705号の各公報に開示されているように、メチレンクロライドなどの塩素系有機溶剤の溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を被処理物に浸透させることにより、例えば木材に浸透させる場合には、木材細胞中の水分量を調整する調整膜であるピットを破壊し、木材細胞内の水分を排出しやすくして、乾燥速度を向上させるようにしたり、または、プラスチックなどの高分子材料に前記混合蒸気を曝して該高分子材料を分解する技術が知られている。
【0003】
そして、化学処理装置において前記混合蒸気を発生させるに当たっては、従来では図3に示すように、容器A内に、メチレンクロライド(MC)溶液と水とを貯留すると共に、該混合液を加熱する加熱部Bを配設したガス発生器Cを設け、該ガス発生器Cにおいて、メチレンクロライド溶液を加熱部Bで加熱して、メチレンクロライドを気化させ、気化されたメチレンクロライド蒸気を水に接触させてメチレンクロライド蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させる。そして、ガス発生器Cで発生させた混合蒸気を、木材が収納された密閉処理タンク内に注入し、収納された木材に混合蒸気を浸透させて、木材細胞のピットを破壊するようにしていた。
【0004】
このガス発生器Cは、メチレンクロライド溶液と水とが容器A内で、比重差により下層のメチレンクロライド溶液層Dと、上層の水層Eとに分離された状態で貯留される。そして、前記加熱部Bを容器の底部近くに配設することにより、下層のメチレンクロライド溶液を直接加熱して、メチレンクロライドの気泡を発生させ、該気泡を上層の水に接触させることにより反応させて、メチレンクロライド蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の化学処理装置では、ガス発生器Cでメチレンクロライド蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させるために、容器A内に、メチレンクロライド溶液と水を貯留した状態で、加熱部Bによりメチレンクロライド溶液を加熱するようにしていたため、以下のような不具合が生じていた。
【0006】
即ち、容器A内では、下層のメチレンクロライド溶液層Dと、上層の水層Eとに分離され、前記加熱部Bでメチレンクロライド溶液を直接加熱するようにしていたため、図3中、メチレンクロライド溶液中に点線で示す自然対流が生ずると、容器中央部にメチレンクロライドの気泡が集中して発生し、水層Eの中心をほとんどの気泡が通過して該メチレンクロライドの気泡が水と接触しないままガス発生器Cから排出されてしまい、安定した質の混合蒸気が得られないという不具合があった。
【0007】
また、容器A内では、下層のメチレンクロライド溶液層Dと、上層の水層Eとに分離されて貯留されるので、各液層の安定した液位制御および液量の制御が困難となり、この点においても混合蒸気の質が安定しないという不具合があった。
【0008】
さらに、上記のガス発生器Cでは、容器A内において、メチレンクロライド蒸気の場所的な発生むらや水との接触時間のむらが生じることからも、混合蒸気の質および量の制御が細かくできないという不具合もあった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなしたものであって、液量、液温度、液圧力の制御が容易に行えながら、安定した質の混合蒸気が得られるガス発生器を備えた化学処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題に鑑みてなしたものであって、請求項1記載の発明は、有機溶剤を気化させた溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で被処理物を化学処理する処理タンクを備えた化学処理装置において、内部に加熱部を有し、有機溶剤液が貯留され、該有機溶剤液を加熱部で加熱して気化させる基本液気化容器と、該基本液気化容器と別個独立に設けられ、内部に加熱部を有し、水である補助液が貯留され、該補助液を加熱部で加熱し、かつ、前記基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を補助液中に放出させて、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させる反応容器とを備えるガス発生器を有し、該ガス発生器で発生させた混合蒸気を処理タンクに注入するように構成したのである。
【0011】
なお、本発明における有機溶剤としては、特に塩素系有機溶剤を使用するのが好ましく、具体的には水よりも比重の重いもの、例えば、メチレンクロライド(CH2 Cl2 )、トリクロロエチレン(CHCl=CCl2 )、パークロロエチレン(CCl2 =CCl2 )、1,1,1−トリクロロエタン(CH3 CCl3 )、フロン113(CCl2 FCClF2 )などが挙げられる。
【0012】
また、被処理物としては、例えば、木材、金属、鋼材、鉄粉、生ごみなどのように、物質内部に塩素系有機溶剤に可溶な、かつ、分解可能な物質を含んでいるものが適用される。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、一端側が基本液気化容器内の蒸気層に連通され、他端側が反応容器内に挿入される注入管を設け、反応容器内に挿入される注入管の先端を閉鎖状にすると共に、該注入管先端側に複数の孔を形成し、該注入管の孔形成部を反応容器の補助液中に浸漬させて、基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を反応容器内の補助液中に放出させるように構成した。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、反応容器内の補助液中で、該補助液中に放出された溶剤蒸気の上昇経路上に該溶剤蒸気を衝突させる多孔板を設ける構成とした。
【0015】
溶剤蒸気の上昇経路上とは、たとえば、溶剤蒸気が補助液中に放出される際の注入管の孔形成部の上方をいう。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、反応容器内の補助液中に、該補助液中に放出された溶剤蒸気を通過させる微細孔を有する微細孔形成部材を配設する構成とした。
【0017】
微細孔形成部材としては、メッシュの細かい網や、細かいスリットの入った板状部材が挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0019】
本発明の実施の形態の化学処理装置は、木材の乾燥速度を速めるために、被処理物である木材を有機溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で、化学処理するものであって、図1は、本発明の実施形態にかかる化学処理装置の概略構成を示した、一部断面を含むシステム回路図である。
【0020】
図1において、本実施形態の化学処理装置1は、被処理物Tが収容され、該被処理物Tを溶剤蒸気と水蒸気の混合蒸気で処理する密閉状の処理タンク2と、溶剤蒸気と水蒸気の混合蒸気を発生させるために処理タンク2とは別個独立に設けられたガス発生器3と、処理タンク2内に溜まった水を回収するための水回収タンク4と、ガス発生器3で発生した混合蒸気のうち、凝縮された溶剤を回収するための溶剤回収タンク5とを備えている。
【0021】
さらに、本化学処理装置1は、処理タンク2内を真空引きするための真空ポンプ装置61、処理タンク2内の混合蒸気を一旦容器外に排出させて再度戻すための循環用ブロワ62、処理タンク2から排出された蒸気を凝縮させるための凝縮器63、処理タンク2から排出された蒸気を加熱する加熱器64を備えている。
【0022】
そして、処理タンク2は、配管71,72,73を介してガス発生器3と接続されており、ガス発生器3で発生した混合蒸気を処理タンク2に注入するようにしている。
【0023】
また、処理タンク2の上部に配管74を接続して、該配管74から処理タンク2内の蒸気を排出するようにしている。この配管74の途中には、並列で配設される真空ポンプ装置61と循環用ブロワ62とを設けており、配管74を凝縮器63に接続させている。該凝縮器63は、配管75、トラップ65を介して溶剤回収タンク5に接続されている。なお、トラップ65は、凝縮器63で凝縮された溶剤を一旦溜めるためのものである。
【0024】
また、前記加熱器64は、処理タンク2内の蒸気を排出する配管74と、ガス発生器3のガスを処理タンク2内に注入するための配管73との間に配管76を介して設けられている。さらに、前記凝縮器63には、該凝縮器63の蒸気を再度ガス発生器3に戻すための配管77を配管73に接続している。
【0025】
前記溶剤回収タンク5は、配管78を介してガス発生器3と接続されており、溶剤回収タンク5内の溶剤液を溶剤液ポンプ51によりガス発生器3内に戻すようにしている。
【0026】
また、処理タンク2は、該処理タンク2の底部に接続される配管79、トラップ66を介して水回収タンク4と接続されており、該処理タンク2内に溜まる水や樹液などを水回収タンク4に回収するようにしている。
【0027】
各機器について、さらに詳しく説明する。
【0028】
処理タンク2は、蓋開閉自在で密封状に構成され、被処理物Tを載置台(図示省略)に載せた状態で収容するようになっている。処理タンク2内には、ガス発生器3の混合蒸気をタンク内に注入するための配管73の先端部に設ける噴霧ノズル21と、ボイラーBの蒸気を取り入れ、該蒸気でタンク内を加熱するための蒸気管22が配設されている。処理タンク2の底部に設けた配管79はトラップ66の上部と接続されている。
【0029】
トラップ66の上部には、処理タンク2に接続される均圧配管81と、ボイラーBから蒸気をトラップ66内に取り入れるための蒸気配管82が接続されて、トラップ66の下部と水回収タンク4とを配管79で接続している。
【0030】
水回収タンク4は、タンク内に垂下仕切りと起立仕切りを有していて、垂下仕切りの下方を潜り起立仕切りを越えた水を水ポンプ41の駆動によりドラム缶42などに排出するようにしている。
【0031】
加熱器64は、配管74から配管76に流れる混合蒸気を、ボイラーBから蒸気管64aに導かれた高温蒸気と熱交換させて加熱したのち、配管73へ送り出すように成っている。
【0032】
凝縮器63は、配管74を流れる混合蒸気を、冷凍装置Rから冷媒管63aに導かれた低温冷媒と熱交換させて冷却した後、溶媒液を配管75へ、溶媒蒸気を配管77へ送り出すようになっている。なお、凝縮器63出口側の配管77と加熱器64入り口側の配管76の間はバイパス配管83でバイパス接続されている。
【0033】
凝縮器63で液化した溶剤液は、配管75、トラップ65、溶剤回収タンク5、および配管78を経て、ガス発生器3に回収されるように成っている。
【0034】
トラップ65の上部には、凝縮器63の側部と連結する均圧配管84と、凝縮器63の底部と連結する配管75と、ボイラーBからの蒸気配管85とが接続されている。トラップ65の下部と溶剤回収タンク5とは配管75を介して接続されている。
【0035】
溶剤回収タンク5は、配管75から流入した溶剤液(水は極めて少量である。)を、冷却装置Cと接続された冷水管52内の冷水で冷却しつつ暫時貯留し、溶剤液ポンプ51の駆動により配管78を経てガス発生器3へ回収するようになっている。
【0036】
クーラー53は、溶剤回収タンク5の上部と配管接続されており、溶剤回収タンク5からの溶剤蒸気を、冷凍装置Rから冷媒管54に導かれた低温冷媒と熱交換させて冷却することにより凝縮させて再度溶剤回収タンク5内に回収させて極力大気へ放出しないようにしている。
【0037】
また、各配管には、制御装置(図示せず)からの制御信号により、または手動により弁開閉する開閉弁9がそれぞれ設けられている。
【0038】
さらに、本化学処理装置1は、処理タンク2内から溶媒混合蒸気を真空引きした後、処理タンク2内部を大気に開放する前に、残存の溶剤をできるだけ排除するために、該処理タンク2内を加圧してタンク内の気体を水に接触させて残存溶剤を水に吸着させる噴霧タンク67を設けている。
【0039】
該噴霧タンク67は、配管71から分岐した配管70を噴霧タンク67に接続し、さらに、この配管70を噴霧タンク67内の底部近傍まで延設させて、その先端に排出ノズル67aを設けている。噴霧タンク67内の水は噴霧ポンプ67bの駆動により、噴霧管67cから噴霧タンク67内上部空間に噴霧循環され、排出ノズル67aから水中にガスを排出させてガス中の溶剤を水に吸着させ、さらに、吸着されなかった溶剤を噴霧管67cから噴霧される水で吸着させるようにしている。
【0040】
そして、ガス発生器3は、図1および図2に示すように、メチレンクロライド(MC)からなる有機溶剤液を貯留する基本液気化容器31と、該基本液気化容器31とは別個に設けられ、補助液となる水を貯留する反応容器32とを備えている。
【0041】
基本液気化容器31は、水平方向に延びる円筒状をしており、基本液気化容器31の上部に、溶剤蒸気を排出するための溶剤蒸気出口31aを設けて、該溶剤蒸気出口31aに反応容器32と連通される注入管33が接続される。また、基本液気化容器31の上部には、容器内に溶剤液を注入するためのMC注入パイプ31bと、溶剤回収タンク5の溶剤を基本液気化容器31に戻すための配管78を接続している。
【0042】
基本液気化容器31内底部には、容器内に貯留されるメチレンクロライド液を加熱するための加熱部31cを配設しており、該加熱部31cは、ボイラーBまたは冷却装置Cに選択的に接続される加熱管31dからなり、該加熱管31dは、容器内に蛇行状に配設されている。前記冷却装置Cは、加熱部31cの加熱温度を調整したり、強制冷却時に用いられる。
【0043】
さらに、基本液気化容器31内には、溶剤液中の液面近くに、溶剤液から気化した溶剤蒸気を通過させる微細孔を有する微細孔形成部材31eを配設して、溶剤液の自然対流により液面が乱れるのを抑制し、該基本液気化容器31内から気泡のみを反応容器32へと送るようにしている。微細孔形成部材31eは、メッシュの細かい網や、細かいスリットの入った板状部材を用いる。
なお、基本液気化容器31内には、図示していないが、溶剤液の液面の位置を計測するための液面計を設けている。
【0044】
反応容器32は、図1および図2に示すように、水平方向に延びる円筒状をしており、反応容器32の上部に、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を排出するための混合蒸気出口32aを設けて、該混合蒸気出口32aに処理タンク2へ混合蒸気を送るための配管1を接続している。
【0045】
また、反応容器32の上部には、基本液気化容器31と連通される注入管33が接続されている。
【0046】
該注入管33は、一端側が基本液気化容器31内の蒸気層に連通され、他端側が反応容器32内に挿入されており、反応容器32内に挿入される注入管33の先端を閉鎖状にすると共に、該注入管33先端側に複数の孔33aを形成し、該注入管33の孔形成部33bを反応容器32内の補助液中に浸漬させて、基本液気化容器31で気化された溶剤蒸気を反応容器32内の補助液中に放出させるようにしている。
【0047】
また、反応容器32の上部には、容器内に水である補助液を注入するための水注入パイプ32bを接続している。
【0048】
反応容器32内底部で、前記注入管33の孔形成部33bより下方には、容器内に貯留される水を加熱するための加熱部32cを配設しており、該加熱部32cは、ボイラーBまたは冷却装置Cに選択的に接続される加熱管32dからなり、該加熱管32dは、容器内に蛇行状に配設されている。前記冷却装置Cは、加熱部32cの加熱温度を調整したり、強制冷却時に用いられる。
【0049】
さらに、反応容器32内の補助液中で、該補助液中に放出された溶剤蒸気の上昇経路上に該溶剤蒸気を衝突させる多孔板34を設けている。該多孔板34は、注入管33の孔形成部33bの上方に配設しており、加熱部32cによって生ずる自然対流を衝突させて、この自然対流の流れを変更させると共に、該多孔板34に溶剤蒸気の気泡を衝突させるようにしている。
【0050】
そして、小さい気泡のみを多孔板34の多数の孔に通過させ、大きい気泡は、多孔板34の下面に溜めて、気泡の流れを容器内面に向かって変更させることにより、気泡を反応容器32内に分散させて万遍なく行き渡るようにし、溶剤蒸気と水との接触率を向上させている。
【0051】
反応容器32内には、さらに、補助液中の液面近くに、水に接触した溶剤蒸気を通過させる微細孔を有する微細孔形成部材32eを配設して、補助液の自然対流により液面が乱れるのを抑制すると共に、溶剤蒸気を微細孔形成部材32eの微細孔に通過させてより細かい気泡を発生させることにより、溶剤蒸気と水との接触をさらに高めて、質の良い混合蒸気を発生させられるようにしている。微細孔形成部材32eは、メッシュの細かい網や、細かいスリットの入った板状部材を用いる。
【0052】
なお、反応容器32内には、図示していないが、溶剤液の液面の位置を計測するための液面計を設けている。
【0053】
そして、反応容器32内で発生させた混合蒸気を処理タンク2に配管71,72,73を介して注入するようにしている。
【0054】
なお、本実施の形態では、塩素系有機溶剤としてメチレンクロライドを使用している。
【0055】
また、本化学処理装置1を構成するタンクや容器は、何れも臭気のきつい塩素系有機溶剤を大気中に飛散させないため、密閉容器で構成してある。
【0056】
続いて、化学処理装置1により被処理物Tを溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で処理する工程について説明する。
【0057】
この化学処理装置1では、主に、処理タンク一次真空引き工程、溶剤蒸気供給工程、溶剤蒸気循環工程、処理タンク二次真空引き工程が実行される。これらの各工程を順次説明する。
「一次処理タンク真空引き工程」
処理タンク2内に収納された被処理物Tを化学処理する前に、常温で大気に開放されていた処理タンク2内の空気などの余分な気体を真空引きしておく工程である。
【0058】
本工程は、処理タンク2に接続される配管73、および配管79を開閉弁により閉鎖しておき、配管74を介して真空ポンプ装置61により真空引きを行うと共に、処理タンク2内の温度を溶剤蒸気の凝縮を防ぐようにボイラーBにより上昇させる(例えば、メチレンクロライドを用いる場合には、85℃)。
【0059】
このとき、同時に、ガス発生器3において、基本液気化容器31、および、反応容器32の各加熱部31c,32cを、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させる温度に加熱しておく(例えば、メチレンクロライドを用いる場合には、80℃程度)。
「溶剤蒸気供給工程」
本工程は、処理タンク2が真空引きされると、真空ポンプ装置61の駆動を停止し、配管74およびトラップ66の出口側配管79の開閉弁を閉鎖して、連通を遮断すると共に、処理タンク2とガス発生器3とを連通させる配管71、配管72、配管73から処理タンク2内に圧力差を利用して、混合蒸気を処理タンク2内及びトラップ66内に注入する工程である。
【0060】
本工程により、処理タンク2内で、有機溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を被処理物Tに曝露して、該被処理物T内に混合蒸気を浸透させはじめる。
「溶剤蒸気循環工程」
本工程は、循環用ブロワ62を使用して、処理タンク2内に注入された混合蒸気を一旦タンク外に出した後、再度タンク内に戻す混合蒸気の循環工程である。
【0061】
本工程により、処理タンク2内の混合蒸気を循環用ブロワ62で取り出して、凝縮器63または加熱器64で混合蒸気の加熱度または気化状態を調整したのち配管76、配管77、配管73を介して処理タンク2内に戻される。
【0062】
また、本工程は、6〜8時間程度継続して実行され、これにより混合蒸気が被処理物Tの内部奥深くまで浸透して行き、被処理物Tの細胞ピットが破壊されていく。
【0063】
このとき、木材の樹液も溶け出し、処理タンク2内底部から、トラップ66に貯留される。
「処理タンク二次真空引き工程」
本工程は、処理タンク2内の溶媒蒸気を真空引きにより、溶剤回収タンク5を介してガス発生器3に回収する工程である。
【0064】
本工程では、処理タンク2内の温度を混合蒸気中の水蒸気が凝縮する温度で、溶剤蒸気が気化状態のままとなる温度まで下げた状態で、配管73およびトラップ66の出口側配管79の開閉弁を閉鎖して、連通を遮断すると共に、真空ポンプ装置61を駆動させて処理タンク2内およびトラップ66内の真空引きを行う。
【0065】
これにより、被処理物T内の奥部から溶剤、温水、およびこれらに溶け込んだ樹液などの不要物が抜き出されるのである。この場合、溶剤蒸気は配管74を経て凝縮器63に達し、凝縮器63で凝縮液化した溶剤液は配管75からトラップ65に移行した後、溶剤回収タンク5に貯留される。
【0066】
溶剤回収タンク5内で溶剤液が所定液位以上になると、溶剤液は溶剤液ポンプ51の駆動により配管78を経てガス発生器3の基本液気化容器31に回収される。
【0067】
一方、処理タンク2底部に落下した不要物と水は配管79からトラップ66を介して水回収タンク4に回収され、該水回収タンク4に回収された水がドラム缶42に貯留される。
【0068】
また、処理タンク2内の溶剤蒸気の残留をできるだけ少なくするため、処理タンク2内のガスを真空ポンプ装置61の駆動により噴霧タンク67に排出し、ガス中に残る溶剤蒸気を水に吸着させる作業を行う。さらに、上記した各工程で各タンクの安全弁(図示省略)から放出された溶剤蒸気も全て噴霧タンク67に導かれるようになっている。
【0069】
こうして、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気による一連の化学処理が完了すると、処理タンク2内の温度をボイラーBにより再度上昇させて木材の乾燥処理が行われる。この乾燥処理においては、乾燥処理の前に溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気による化学処理を行って、木材細胞のピットを破壊させているので、木材内部からの水分の排出を良好に行えるのである。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明のガス発生器は、有機溶剤液を貯留する基本液気化容器と、補助液を貯留する反応容器とを別個に設け、それぞれの容器内で単体液を加熱して蒸気を発生させると共に、基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を補助液中に放出させて、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させるようにしているので、従来のように溶剤液の自然対流で補助液が攪拌されることがなくなり、各液の状態を安定に保つことができるし、単体液なので、液位制御および液量の管理が容易に行え、質の良い混合蒸気が得られる。
【0071】
基本液気化容器で溶剤蒸気を発生させた後、反応容器中の補助液中に溶剤蒸気を放出させるようにしているので、溶剤蒸気の反応容器への放出量の制御も容易に行え、溶剤蒸気の水との接触反応量の場所むらや、時間むらを少なくすることができ、安定した質の混合蒸気が得られる。
【0072】
基本液である溶剤液と補助液である水とを別々の容器に収容させ、それぞれ別個に加熱部で加熱させるようにしているので、基本液と補助液とをそれぞれ個別に圧力および温度の条件を設定することができ、さらに、基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を補助液中に放出させる注入管に過熱器や減圧検圧器など他の調制器を設けることにより、混合蒸気の製造温度、圧力の範囲を拡大できる。
【0073】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、一端側が基本液気化容器内の蒸気層に連通され、他端側が反応容器内に挿入される注入管を設け、反応容器内に挿入される注入管の先端を閉鎖状にすると共に、該注入管先端側に複数の孔を形成し、該注入管の孔形成部を反応容器の補助液中に浸漬させて、基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を反応容器内の補助液中に放出させる構成としているので、溶剤蒸気を補助液に確実に接触させられる。
【0074】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、反応容器内の補助液中で、該補助液中に放出された溶剤蒸気の上昇経路上に該溶剤蒸気を衝突させる多孔板を設ける構成としているので、反応容器の補助液中で溶剤蒸気を多孔板に衝突させて分散させられ、溶剤蒸気の水との接触反応量の場所むらや、時間むらをさらに少なくすることができ、さらに良好な質の混合蒸気が得られる。
【0075】
しかも、請求項4記載の発明では、請求項1乃至請求項3記載の何れかの発明において、反応容器内の補助液中に、該補助液中に放出された溶剤蒸気を通過させる微細孔を有する微細孔形成部材を配設する構成としているので、該微細孔形成部材に溶剤蒸気を通過させて大きな気泡の溶剤蒸気を粉砕、変形させて補助液との接触反応率をさらに向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる化学処理装置の概略構成を示すシステム回路図である。
【図2】本発明の化学処理装置に用いられるガス発生器の断面図である。
【図3】従来使用していた化学処理装置のガス発生器の断面図である。
【符号の説明】
1 化学処理装置
2 処理タンク
3 ガス発生器
31 基本液気化容器
31c 加熱部
32 反応容器
32c 加熱部
33 注入管
34 多孔板
31e 微細孔形成部材
Claims (4)
- 有機溶剤を気化させた溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気で被処理物を化学処理する処理タンクを備えた化学処理装置において、
内部に加熱部を有し、有機溶剤液が貯留され、該有機溶剤液を加熱部で加熱して気化させる基本液気化容器と、該基本液気化容器と別個独立に設けられ、内部に加熱部を有し、水である補助液が貯留され、該補助液を加熱部で加熱し、かつ、前記基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を補助液中に放出させて、溶剤蒸気と水蒸気との混合蒸気を発生させる反応容器とを備えるガス発生器を有し、
該ガス発生器で発生させた混合蒸気を処理タンクに注入するようにした化学処理装置。 - 一端側が基本液気化容器内の蒸気層に連通され、他端側が反応容器内に挿入される注入管を設け、反応容器内に挿入される注入管の先端を閉鎖状にすると共に、該注入管先端側に複数の孔を形成し、該注入管の孔形成部を反応容器の補助液中に浸漬させて、基本液気化容器で気化された溶剤蒸気を反応容器内の補助液中に放出させるようにしている請求項1記載の化学処理装置。
- 反応容器内の補助液中で、該補助液中に放出された溶剤蒸気の上昇経路上に該溶剤蒸気を衝突させる多孔板を設けている請求項1または請求項2に記載の化学処理装置。
- 反応容器内の補助液中に、該補助液中に放出された溶剤蒸気を通過させる微細孔を有する微細孔形成部材を配設している請求項1乃至請求項3の何れかに記載の化学処理装置。
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-
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