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JP3913005B2 - トナー粒子の製造方法及び製造システム - Google Patents
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JP3913005B2 - トナー粒子の製造方法及び製造システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜像を顕像化する方法やトナージェット方式記録方法に用いられるトナー粒子の製造方法及び製造システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は米国特許第2,297,691号明細書等に記載されているが如く、多数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る。また、トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】
従来、これらの目的に用いるトナーとして、一般に熱可塑性樹脂中に染料及び顔料の如き着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置及び分級機により所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0004】
この製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。ところが、こういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、実際に高速で微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれるという問題が生ずる。さらに、このように脆性の高い材料は、複写機等現像用に使用する際、さらなる微粉砕ないしは粉化を受け易い。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、その分散の度合によっては、カブリの増大、画像濃度の低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散に注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0005】
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号、同43−10799号及び同51−14895号公報等による懸濁重合法によるトナーをはじめとして、各種重合法トナーやその製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0006】
この方法は、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、軟質の材料を使用することができ、また、分級工程の省略をも可能にするため、エネルギーの節約、時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。
【0007】
また、近年の複写機やプリンターの高画質化、フルカラー化、省エネルギー化等トナー自体の多機能化が要求されている。例えば、高画質化にともない高解像度・デジタル方式に対応するトナー粒子の微小粒径化、フルカラー化にともなうOHP画像の透明性の向上、省エネルギー化にともなう低温定着化に対応するため、トナー中に低軟化点物質の含有、転写材への転写効率の向上に有効であるトナー粒子の形状化等が要求されており、これらの要求を実現する手段として重合法によるトナーが挙げられる。
【0008】
一方、重合法は、重合法トナーも含めてその反応形態は重合が進むにつれて重合反応系の粘度が上がり、ラジカル及び重合性単量体の移動が困難になるため重合体中に重合性単量体成分が多く残留しがちである。特に懸濁重合法トナーの場合には、重合性単量体系中に染料、顔料(特にカーボンブラック)、荷電制御剤及び磁性体の如き重合反応を抑制する可能性のある成分が重合性単量体以外に多量に存在するために、なおさら未反応の重合性単量体が残存しやすい。
【0009】
そして、これらトナー粒子中に重合性単量体に限らず結着樹脂に対して溶媒として働く成分が多く存在すると、トナーの流動性を低下させ画質を悪くするほか、耐ブロッキング性の低下を招く。トナーとして直接関わり合う性能のほかにも、特に感光体として有機半導体を使用した場合には、感光体ドラムへのトナーの融着現象以外にもメモリーゴーストや画像のボケといった感光体の劣化現象に伴う問題点を生じることがある。こうした製品の性能に係わる事項以外にも、定着時に重合性単量体成分が揮発して悪臭を発したりするという問題点がある。
【0010】
以上のようなことを改良するために、特開平7−92736号公報の如く、トナー粒子中に存在する重合性単量体の残存量を500ppm以下に減少させることによって、画質により一層の向上効果を生み出すことが提案されている。
【0011】
さらに、複写機、プリンター等の小型化・パーソナル化に伴い、装置上の制約が増し、前述の問題点に対する負荷が増し、また、環境に対する関心も高まっており、定着等で発生するトナー粒子由来のVOC(揮発性有機化合物)を減少させることが要求されているため、トナー粒子中に存在する重合性単量体の残存量を100ppm以下に減少させることが好ましい。
【0012】
トナー粒子中の重合性単量体の残存量を更に微少となるように減少させる方法としては、結着樹脂を重合法で製造する際に用いられる公知の重合性単量体消費促進手段を使用することができる。例えば、未反応の重合性単量体を除去する方法としては、トナー結着樹脂は溶解しないが重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分は溶解する高揮発性の有機溶媒で洗浄する方法;酸やアルカリで洗浄する方法;発泡剤や重合体を溶解しない溶媒成分を重合体系に入れ、得られるトナーを多孔化することにより内部の重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分の揮散面積をふやす方法;及び乾燥条件下で主合成単量体及び/あるいは有機溶媒成分を揮散させる方法があげられるが、トナーカプセル性低下によるトナー構成成分の溶出、その溶媒の残留性等溶媒の選択が難しいので、乾燥条件下で重合性単量体及び/あるいは有機溶媒成分を揮散させる方法が最も好ましい。
【0013】
従来より重合反応が終了した懸濁液を固液分離した後のトナー粒子は、一般に、気流乾燥機・真空乾燥機などを用いて揮発成分は除去されている。
【0014】
気流乾燥機単独で揮発分の除去を行う場合、トナー粒子を高速の熱気流中に分散させると同時に並流に送りながら乾燥をおこない、湿潤着色重合体粒子を、高速熱気流中に連続的に供給することが可能であることから、非常に効率の良い乾燥機ではあるが、乾燥時間が瞬時であるため、未反応の重合性単量体を除去することが困難であった。
【0015】
また、特開平08−160662号公報には、トナー粒子を真空乾燥する方法が提案されているが、この乾燥方法は、被乾燥物を低温で乾燥できるメリットはあるが、装置内が減圧状態にあるため、気相が滞留してしまい、揮発分を拡散させる力が著しく低下するため、水分を蒸発除去した後、さらに未反応の重合性単量体の除去を行うには、非常に長い乾燥時間を要してしまう。
【0016】
また、特開平10−207122号公報には、気流を注入しながらトナー粒子を真空乾燥する方法が提案されている。
【0017】
しかしながら、該公報に記載の如く、注入する気体として窒素や空気の如き不活性ガスを用いる場合、その気体が単に真空乾燥を行う場合に比べ、キャリアガスの効果が働き揮発分を滞留させないという点で乾燥効率は向上するが、不活性ガス等の乾いた気体では、気体自体が持ちうる熱量が非常に小さいために、せっかく加温したトナー粒子から熱を奪うことになり乾燥効率は低下する。
【0018】
そのために、乾燥時間が延長し、トナーにかかる熱履歴が長くなるので、粒子の変形及び粒子同士の融着が起こり、結果としてダマが発生してしまい画像特性を低下させてしまう。
【0019】
また、気流が加熱等により温度コントロールされていない場合、気流を送り込む経路の中で断熱膨張により温度低下した気流がそのまま入り込むことになり、トナー粒子から更に著しく熱を奪うこととなり、乾燥効率は更に低下してしまう。
【0020】
更に、該気体では、蒸発の妨げになる拡散による抵抗が(キャリアガスを用いない場合に比べると少ないが、)乾燥速度を決める主な要因となり、これを向上させようと例えば該ガスの流量を増やした場合、それに従い排気設備(主に真空ポンプ)の能力も上げる必要があり、生産コストが多大なものとなる。これが量産スケールになると尚更である。
【0021】
上述の通り、この乾燥方式では効率的・品質的・コスト的な面で多くの問題が残されており、これを解決することが多くの技術者の課題とされてきた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決したトナー粒子の製造方法及び製造システムを提供することにある。
【0023】
詳しくは、本発明の目的は、重合法によって得られたトナー粒子中に存在する揮発成分を均一にしかも短時間で除去するトナー粒子の製造方法及び製造システムを提供することにある。
【0024】
また、本発明の目的は、残留する揮発成分が原因となる画像欠陥の無い高画質の画像が得られるトナー粒子の製造方法及び製造システムを提供することにある。
【0025】
更に、本発明の目的は、該揮発分を除去するためにかかるエネルギー及びコストを低減することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、洗浄、脱水し、得られたトナー粒子を減圧及び加熱が可能な容器に供給し、トナー粒子のガラス転移温度Tg未満の温度の飽和水蒸気、過熱水蒸気及びエンタルピー2500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気からなるグループより選ばれる注入媒体を該容器に投入しながら減圧加熱処理することを特徴とするトナー粒子の製造方法に関する。
【0027】
また、本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、洗浄、脱水し、得られたトナー粒子を減圧及び加熱が可能な容器に供給し、飽和水蒸気、過熱水蒸気及びエンタルピー2500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気からなるグループより選ばれる注入媒体を該容器に投入しながら減圧加熱処理する装置であって、該注入媒体の温度Aを検知し、
該温度Aが、下記条件
30℃<A<トナー粒子のガラス転移温度Tg
を満たすように、温度制御しながら減圧加熱処理することを特徴とするトナー粒子の製造システムに関する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、鋭意検討の結果、着色重合体粒子を減圧及び加熱が可能な容器に供給し、(i)飽和水蒸気、(ii)過熱水蒸気、(iii)エンタルピー2500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気の何れかである注入媒体を投入しながら減圧加熱処理することにより、短時間で揮発成分を除去することが可能であることを見出した。
【0029】
更に、本発明における加熱処理方式を用いれば、処理時の動力の低減つまりはエネルギー及びコストの低減が可能であることを見出した。
【0030】
本発明は、水蒸気が、特にトナー粒子内部に存在する揮発成分の蒸発の妨げとなる拡散による抵抗が比較的小さい点、及び、乾いた気体に比して持ちうる熱量が多く熱効率的にも有利である点、の2点に着目しこれを利用することで、トナー粒子からの揮発分を非常に短時間で除去(具体的には100ppm以下になるまで)することを可能にしたものである。
【0031】
また、水蒸気(または、水蒸気を多量に含む高湿空気)のような凝縮性のガスは、凝縮装置で蒸気を液体として回収することが可能であるため、減圧状態を形成するための排気装置が排気する量は、乾いた気体をキャリアガスとして用いた場合は、全量排気する必要があるのに対し、水蒸気を用いた場合は、凝縮装置で回収できなかった量のみ排気すれば良い。
【0032】
そのために、排気装置の容量は小さくて済み、エネルギー的・コスト的に乾いた気体を用いる場合に比してメリットは大きい。特に加熱処理装置のスケールが大きくなるほど更にメリットは大きくなる。
【0033】
従来の重合トナーの製造方法で使用された気流乾燥機では、先に述べた通り、非常に効率の良い乾燥機ではあるが、滞留時間が瞬時であるため、水分を除去することは容易であるものの、微量成分である未反応の重合性単量体を除去できないという問題を生じていた。
【0034】
また、真空乾燥を用いて揮発分の除去を行う場合、気相が滞留してしまい、揮発分を拡散させる力が著しく低下するため、水分を蒸発除去した後、さらに未反応の重合性単量体の除去を行うには、非常に長い乾燥時間を要してしまう等の問題を生じていた。
【0035】
また、気流を注入しながら真空乾燥する方法(特開平10−207122号公報)においては、先に述べた通り、不活性ガス等の自身が持つ熱量が小さな気体では、せっかく加温したトナー粒子から熱を奪うことになり乾燥効率は低下し、上述の気体が加熱等により温度コントロールされてない場合、気流を送り込む経路の中で断熱膨張により温度低下した気流がそのまま入り込むことになり、該公報実施例に記載の如く、加熱温度とトナー粒子の品温に大きな差が生じてしまっていることに現れているように、トナー粒子から更に著しく熱を奪うこととなり、乾燥効率は更に低下してしまう。そのために、乾燥時間が延長し、トナーにかかる熱履歴が長くなるので、粒子の変形及び粒子同士の融着が起こり、結果としてダマが発生してしまい画像特性を低下させてしまう等の問題を生じていた。
【0036】
更に、上述の気体は、非凝縮性の気体であるため、投入した量をそのまま排気する必要があり、減圧を維持するための排気設備(主に減圧ポンプ)の能力も非常に大きくなり、多大なコストがかかる等の問題が生じていた。
【0037】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0038】
本発明における注入媒体は、減圧加熱処理が行なわれる容器に投入される経路の途中で減圧状態になるため、厳密には、減圧加熱処理装置に投入される時点では、操作減圧度(加熱処理容器内の減圧度)まで減圧された飽和水蒸気、過熱水蒸気または高湿空気であり、明細書中に記述される注入媒体温度もこの状態のものである。
【0039】
本発明に用いられる減圧度は、結露を防ぐ為、投入する注入媒体温度と上記沸点(=飽和温度)の温度差ΔTを大きくとるという観点から考えると、好ましくは40kPaであれば十分であるが、高減圧度になるに従い、乾燥効率が向上する為、より好ましくは20kPa以下、更には15kPa以下、特には10kPa以下であることが好ましい。
【0040】
また、本発明に用いられる「飽和水蒸気」と「過熱水蒸気」は、水蒸気分のみ存在し、「飽和水蒸気」は、操作減圧度に対応する飽和温度にほぼ保たれた水蒸気であり、「過熱水蒸気」は、飽和温度以上に過熱された水蒸気である。また、「高湿空気」は、主として水蒸気分で占められているが、空気分が含まれている。主としてい空気が用いられているため、ここでは空気と記載しているが、窒素の如き不活性ガスでも良い。これらは、一般にキャリアガスとして用いられる水蒸気分を殆ど含まない乾いた気体と比べ、殆ど或いは全てが水蒸気分であるために、多くの熱量を保持しており、高いエンタルピーを有するものであり、大きく性質の異なるものである。
【0041】
また、本発明に用いられる、高湿空気の「エンタルピー」とは、乾き空気1kgあたりの乾き空気1kgとその中に含まれる水蒸気[kg]の合計の熱量であり、単位は、「kJ/kg(乾き空気)」で表される。
【0042】
更に、本発明に用いられる高湿空気は、水蒸気を殆ど含まない気体と違い、殆どが水蒸気で占められているため、非常に大きなエンタルピーを有する。
【0043】
本発明において、高湿空気のエンタルピーを高める方法としては、種々の方法があるため、特に制限は無い。
【0044】
また、本発明に用いられる注入媒体の「供給流量」とは、単位時間あたり及びトナー粒子1kgあたりに装置内に送り込まれる流量であり、単位は、「m3/hr・kg(トナー粒子)」である。
【0045】
次いで、本発明により用いられる「含水率」とは、質量基準含水率、すなわち、全質量(乾燥トナー質量と水分質量との和)に対する水分質量の比率をいい、105℃における加熱減量法によって求めた。
【0046】
本発明における注入媒体の温度は、トナー粒子のガラス転移温度Tg未満であることが好ましい。
【0047】
投入される水蒸気は、装置内の加熱されていない部位に接触すると温度低下を起こし、それが、運転時の減圧度に対応する沸点(=飽和温度)まで低下すると結露を起こし、結果として乾燥効率を低下させてしまう場合がある。それを防ぐためには投入する注入媒体温度と上記沸点(=飽和温度)の温度差ΔTを大きくとることが好ましく(但し、装置・トナー粒子が十分に加熱されており、温度低下を起こす可能性が少ない場合は、減圧度に対応する飽和水蒸気でも良い。)、水蒸気温度が低い場合、ΔTをとるためには、かなりの高真空が要求され、排気設備等に負荷がかかってしまうので水蒸気温度は30℃以上であることが好ましい。また、トナー粒子のガラス転移温度Tg以上の水蒸気では、トナー粒子が熱劣化を起こし、粒子同士の融着・ダマ等の問題が生じてしまう。
【0048】
本発明に用いられる高湿空気のエンタルピーは、2500kJ/kg(乾き空気)以上、好ましくは6500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気であることが良く、エンタルピーが2500kJ/kg(乾き空気)未満の水蒸気では、持ちうる熱量が小さいために、せっかく加温したトナー粒子から熱を奪うことになり乾燥効率は低下してしまう。こうした高いエンタルピーを有する高湿空気としては、水分含有率が50%以上の空気を用いることが、高いエンタルピーを有する高湿空気を得ることが容易になるため好ましく、さらには、水分含有率が60%以上、特には80%以上であることが好ましい。
【0049】
また、本発明における注入媒体の流量は、0.01〜0.5m3/hr・kg(トナー粒子)、好ましくは0.04〜0.27m3/hr・kg(トナー粒子)であると良い。この範囲内であれば、基本的には、注入媒体供給流量が増えれば乾燥効率は向上する。注入媒体の供給流量が0.01m3/hr・kg(トナー粒子)より小さい場合には、持ちうる熱量が大きな注入媒体でも総括的に供給する熱量が小さくなり、乾燥効率が低下してしまう。一方、注入媒体供給流量が0.5m3/hr・kg(トナー粒子)より多い場合、多くの水蒸気流量が必要となるため、真空度の低下を起こす場合が多く、そのために、操作減圧度に対応する飽和温度と蒸気温度のΔTが小さくなり、結露等が生じる可能性が高い。
【0050】
また、本発明は、先に述べた複写機、プリンター等の小型化、パーソナル化に伴う装置上の制約に対応するため及びVOC低減のため、主にトナー粒子の内部に存在すると考えられている微量の重合性単量体組成物も最終的には除去させるが、トナー粒子が水分を多く含む場合、水分は粒子表面に存在するため、水分を除去した後でないと重合性単量体組成物を減少させることはできない。従って揮発分除去効率を更に向上させるためには、予めトナー粒子に含有される水分を除去しておくことが好ましい。
【0051】
具体的には、減圧加熱処理に供給されるトナー粒子の含水率が、好ましくは3.0%以下、より好ましくは1.0%以下であることが望ましい。トナー粒子の含水率を3.0%以下とするために、本願発明においては、減圧加熱処理を行う前に予備的加熱処理を行うことが好ましい。予備的加熱処理として、例えば、高速の熱気流中に分散させると同時に並流に送りながら予備的に加熱処理をおこなう方式があげられる。トナー粒子を高速熱気流中に連続的に供給することが可能である加熱処理装置を用いることで、予めトナー粒子の含水率を3.0%以下にせしめ、該予備的加熱処理で昇温されたトナー粒子をその温度を維持したまま、減圧加熱処理を行うことがより好ましい。
【0052】
これにより、多くの蒸発潜熱を必要とする水分除去時及び多くの顕熱を必要とする材料昇温時いずれも減圧加熱処理において伝熱面から与えられる熱量に支配される工程を予め済ませ、加熱温度と品温の差がより少ない状態(熱移動がより少ない状態)にもっていくことで、より処理時間を短縮できるだけでなく、伝熱面を有した減圧加熱処理装置に代表さる装置内に仕込まれた試料に対する伝熱面積の割合は大スケールになるに従い小さくなるというデメリット、つまり、小スケールで要した乾燥時間は、大スケールでは更に長い時間を要してしまうことになるというデメリットを無くすことが可能であり、更に劣化の少ないトナー粒子を提供できる。
【0053】
本発明において、減圧加熱処理を開始する際のトナー粒子の品温は、30〜60℃であることが好ましい。
【0054】
トナー粒子の品温が30℃未満になると、前述した通り減圧加熱処理時にトナー粒子の昇温に多くの熱エネルギーが必要とされるため、長い処理時間を要するだけでなく、大スケールではトナー粒子に対する伝熱面積の割合が小さくなるため、更に長い処理時間を要する。
【0055】
逆にトナー粒子の品温が60℃を超えてしまうと、トナー粒子同士の凝集・融着が発生し製品上問題が生じるだけでなく、装置内への融着が発生し、清掃等に多大な労力がかかってしまう。
【0056】
本発明の予備的な加熱処理装置として用いられる、高速熱気流中に並流に送りながら瞬間的に加熱処理を行う装置としては、例えば、図1に示すようなループ型気流加熱管5を有する加熱処理装置が挙げられるが、特に制限されるものではない。
【0057】
まず、吐出ブロアー1から供給されるエアーは、熱風発生器2において所定の温度に加熱、圧縮され、気流分散部3から超音速で吐出される。原料供給装置6から供給された処理物は、吐出された気流によって分散され、ループ型気流加熱管5中で瞬時(0.5〜数十秒)に処理される。気流抜き出し口4は、ループ型気流加熱管5の内側に設けられることにより、凝集状態にある粒子群と分散され単一粒子に近い状態のものをコアンダ効果により分級する。分級された粒子は、サイクロン7により気流と分離され取り出し口8より排出され、気流は、バッグフィルター9を介して、排気ブロアー10より系外へ出すことができる。
【0058】
また、ループ型気流加熱管5から出た粒子中の粗粒を別途分級機で分級して原料供給装置6に返し、一定の粒度範囲の粒子のみをサイクロン7に供給して所望のトナー粒子を得ることにより分級と加熱処理を連続して行うこともできる。
【0059】
なお、気流加熱処理装置の配管の形式は、上記のループタイプの他、直管式、滞留時間増加のために中胴を拡大したもの、粒子に渦流運動を与えて水平管底部に堆積するのを防ぐ形式など各種の形の加熱処理管を用いることができるが、図1に示すようなループ型気流加熱管5を有する気流加熱処理装置が最も好ましい。
【0060】
本発明において、熱気流による加熱処理は、40〜150℃、好ましくは60〜120℃に加熱した圧縮空気を用いるのが好ましい。加熱温度が40℃より低いと乾燥効率が低下し、150℃より高いとトナーの融着を起こすため好ましくない。
【0061】
このような装置としては、具体的には、フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)やフラッシュドライヤー(ホソカワミクロン社製)などが挙げられる。
【0062】
また、予備的加熱処理によって昇温したトナー粒子をその温度を維持したまま減圧加熱処理を行う方法としては、特に制限は無いが、例えば、予備的加熱処理工程と減圧加熱処理工程の間に、保温機能を有したホッパー等を設けるといった方法が挙げられる。
【0063】
次に本発明で用いられる減圧加熱処理装置は、減圧及び加熱が可能であり且つ上述の注入媒体を投入できる装置であれば、特に制限無く用いることが可能であり、注入媒体温度を検知し、蒸気温度Aが、「30℃<A<トナー粒子のガラス転移温度Tg」に温度制御されるようにシステム化されていれば、より好ましい。
【0064】
例えば、図2乃至4に模式側面図を示すような態様の減圧加熱処理システムが好ましく用いられる。
【0065】
以下、図2乃至4に示した態様の減圧加熱処理システムについて詳しく説明する。
【0066】
図2に示した減圧加熱処理システムは、逆円錐形状の減圧加熱処理容器11内にトナー粒子が供給されて減圧加熱処理が行われる。容器内には、容器中心縦軸方向に駆動モーター12により駆動可能な撹拌中心軸13が伸び、その周囲に一重螺旋構造をしたリボン翼14、その外部に撹拌翼支持アーム15に支持された連結アーム16が壁面に沿って付設された構造をとっている。
【0067】
このリボン翼14が回転することによってトナー粒子を下方から上方に持ち上げながら撹拌と分散を繰り返し付与できるので、容器内の原料を全体にわたって効率よく撹拌混合させることができる。連結アーム16に関しては後述する。
【0068】
また、図2に示したように、容器11の上部には、トナー粒子を供給するための原料供給口17と、容器内を減圧にするための排気経路にバッグフィルター18、次いでコンデンサー19が接続されている。
【0069】
更に、図2に示したように、上記した減圧加熱処理容器の周囲には、容器内の温度を適宜に制御し、所望の温度で加熱処理することを可能とするためのジャケット20が付設されている。このため、該容器の外壁とジャケット20の内壁との間には隙間が形成されており、この隙間に加熱蒸気や冷却水を通すことができるように、ジャケットには、温水タンク21で作製された温水または蒸気または冷却水供給が供給できるようになっており、同時に温水・蒸気・冷却水の排出経路も設けられている。
【0070】
また、容器内の減圧は、減圧ポンプ22により排気口からバッグフィルター18、コンデンサー19を介して容器内の水蒸気を排気することによって行われる。図2に示したように、バッグフィルター18内は、仕切り板23によって上下2つの室に区画されている。そして、仕切り板の下方側には筒状の濾布24が吊り下げられており、仕切り板の上方側にはコンデンサー19に接続されている排気経路と、濾布24の中心上方位置に逆洗用ノズル25が配置されている。逆洗用ノズル25は、窒素や空気または上記注入媒体(好ましくは加温した窒素及び空気及び上記注入媒体)を間欠的に噴射して、濾布24を逆圧洗浄するためのものである。
【0071】
また、容器内への水蒸気の供給源は、特に制限は無いが、一般的には、ボイラ発生装置から供給される場合が多く、注入媒体流量計36を通過し、注入媒体加熱器26で加熱された後(必要があればセパレーター27で飽和水を取り除くことも可能)、膨張タンク28で操作減圧度近くまで減圧され、一方は、装置下部から、注入媒体を均一に分散させる分散盤29を介して装置内へ均一に供給される。他方は、装置上部から撹拌中心軸13内部、次いで撹拌翼支持アーム15、次いで連結アーム16と全て内部が中空で連通した経路を通り、連結アーム16に設けられた複数個の注入媒体噴孔30から壁面に向けて上述の注入媒体が吹き付けられる。これにより壁面へのトナー粒子の付着を抑止することができ、壁面からの伝熱効率を低下させることを防ぐことができるので連結アームを設けることが好ましい。
【0072】
また、膨張タンク28で膨張された注入媒体の温度は、注入媒体温度計31で検知され、注入媒体温度制御器32によりコントロールされる。
【0073】
また、注入媒体を減圧状態へ変化させる方法は、上述の方法に制限されるものではなく、例えば膨張タンクを設置するかわりに配管径を大きくすることで対応してもよい。
【0074】
下方から均一に注入媒体を噴き出すことにより、トナー粒子が装置下部でブロッキングを起こすことを防ぎ、また、連結アーム16から壁面へ向けて注入媒体を噴出すことで壁面へのトナー粒子の付着・滞留を防ぎ、壁面付近の粒子を(常時)効率よく更新させるので伝熱効率が向上するだけでなく、撹拌によって生じた熱が、壁面付着及び融着により伝熱遮断されることで、容器内トナー粒子に撹拌熱が蓄積され、過度に昇温(加熱温度以上に昇温)することを同時に防ぐことができる。
【0075】
減圧加熱処理容器内に供給された注入媒体は、トナー粒子からの揮発成分と混合された蒸気となってバグフィルター18を通り、次のコンデンサー19で凝縮・回収され、凝縮できなかった蒸気は減圧ポンプ22を通り系外へ排出される。トナー粒子の水分が実質的に除去された状態では、トナー粒子から生じる揮発成分は微量なので殆どが供給された注入媒体で支配される。その結果、凝縮性の上述の注入媒体は上記コンデンサー19で大部分が水として回収されるため、前述の通り減圧ポンプ22の容量は小さくて済む。
【0076】
また、図4に示した減圧加熱処理装置37は、図2の連結アーム部が無く、一重螺旋構造をしたリボン翼のみの構成である。連結アームを取り外した分、リボン翼の径が大きくなり壁とリボンの距離は小さくなっている。そのため、壁面近くのトナー粒子を下方から上方に持ち上げる効果は強くなっている。図4に示した加熱処理システムのその他の部分の構成については、水蒸気の供給が、装置底部からのみ行われること以外は、図2の減圧加熱処理システムと共通であるので、この部分の説明は省略する。
【0077】
一方、図3に示した減圧加熱処理装置33は、逆円錐形状の容器上部に配置された駆動モーター12に駆動アーム34を介して連結されたスクリュー式撹拌部材35が設けられており、該撹拌部材が回転しながら容器の内周面に沿って旋回するように構成されている。このため、図3に示した減圧加熱処理装置では、容器内のトナー粒子が、下方から上方に持ち上げられながら撹拌と分散とが繰り返されるため、トナー粒子が容器内全体にわたって効率よく撹拌混合される。図3に示した加熱処理システムのその他の部分の構成については、水蒸気の供給が、装置底部からのみ行われること以外は、図2の減圧加熱処理システムと共通であるので、この部分の説明は省略する。
【0078】
本発明の製造方法を適用することのできる減圧加熱処理装置としては、図2及び図3で用いた態様の装置の他に具体的には、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、リボコーンミキサー(大川原製作所社製)、PVミキサー(神鋼パンテック社製)、真空撹拌乾燥装置イノックスシステム(パウレック社製)、SVミキサー(神鋼パンテック社製)の如き装置が挙げられる。
【0079】
次に、本発明によるトナー粒子は、高画質化の要請から、より微小な潜像ドットを忠実に再現するために、微小粒径を有するトナー粒子であることが好ましく、具体的にはコールターカウンター(コールター社製)により測定された重量平均径が4〜10μmであり、個数変動係数が35%未満のトナー粒子が特に好ましい。
【0080】
4μm未満のトナー粒子においては、転写効率の悪さから感光体や中間転写体上に転写残トナーが多く発生し、カブリ、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となりやすく好ましくない。
【0081】
また、トナー粒子の重量平均径が10μmを超える場合には、部材への融着が起きやすく、更にトナーの個数変動係数が35%を超えると更にその傾向が強まるため好ましくない。
【0082】
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法或いは乳化重合法を用いて直接トナーを生成する方法を用いトナー粒子を製造することが可能である。
【0083】
本発明においては、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめる所謂シード重合方法も、本発明に好適に利用することができる。
【0084】
本願発明において、用いることのできる重合性単量体としては、スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン;イソプレン;シクロヘキセン;(メタ)アクリロニトリル;アクリル酸アミドの如きビニル系単量体が挙げられる。また、必要に応じて2種以上組み合わせて使われる場合もある。
【0085】
本発明においては、上記の如き重合性単量体を重合することにより得られる外殻樹脂によって、低軟化点物質を内包化せしめるために、外殻樹脂の他に更に極性樹脂を重合性単量体組成物中に添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和或いは不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起き、フルカラー用トナーとしては極めて高分子量になり、ブラックトナー、マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーの4色のトナーを用いるフルカラー用トナーの場合、混色に関して不利となるため好ましくない。
【0086】
本発明に用いられる低軟化点物質としては、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなりフルカラートナーには好ましくない。一方極大ピークが90℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難となり混合性の点から好ましくない。更に直接重合法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒・重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物が利用できる。
【0087】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0088】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168が好適に用いられる。
【0089】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が好適に用いられる。
【0090】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に利用できる。
【0091】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0092】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いられる。
【0093】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーンが利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0094】
本発明に係る重合トナーに使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して利用される。
【0095】
重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0096】
本発明に係る重合トナーにおいて、特に分散剤を用いた懸濁重合を利用する場合用いる分散剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナが挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリアクリル酸及びその塩,デンプンを水相に分散させて使用できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
【0097】
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒中にて該無機化合物を生成させても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
【0098】
また、これら安定化剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウムが挙げられる。
【0099】
本発明のトナー製造方法においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。
【0100】
即ち、重合性単量体中に低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはクレアミックス、ホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度,時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、本発明の乾燥方法によって乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0101】
本発明では、このようにして得られるトナー粒子のTgは、40〜75℃になるように調整されることが好ましい。40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0102】
以下に、本発明で使用する各物性値の測定方法について述べる。
【0103】
1.トナー粒子Tgの測定方法
本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、以下の方法で測定した。先ず、測定試料は、5〜20mg、好ましくは約10mgを精密に秤量する。そして、これをアルミパン中にいれ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/min.で常温常湿下で測定を行う。この結果、この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが出る前と出た後でのベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0104】
2.含水率の測定方法
本発明のトナーの含水率の測定は、MA40電子水分計(ザルトリウス社製)で105℃における加熱減量法によって求めた。
【0105】
3.トナー粒子中に残存する重合性単量体及び有機溶媒の残存量の測定
トナー粒子中に残存する重合性単量体及び有機溶媒の残存量の定量は、トナー0.3gをアセトン10gに溶解したものを用い30分間超音波振とう機にかけた後、1日放置し、次に0.5μmのフィルターで濾過したものを用い、それぞれガスクロマトグラフィーにて以下の条件で絶対検量線法により測定した。
【0106】
G.C.条件
測定装置:HEWLETT PACKARD HP6890series
キャピラリカラム:(25m×0.2mm,HP−INNOWAX,膜厚:0.4μm)
検出器:FID He流量25ml/min
インジェクション温度:200℃
ディテクター温度:200℃
カラム温度:50℃から10℃/minの割合で15分間昇温
打ち込み試料量:2μl
4.トナー粒子粒度分布の測定方法
粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行った。
測定装置としては、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係るところの体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。トナー粒子の粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行った。
【0107】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0108】
<実施例1>
イオン交換水710質量部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0109】
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 165質量部
・n−ブチルアクリレート 35質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
・飽和ポリエステル 20質量部
・サリチル酸金属化合物 3質量部
・エステルワックス 25質量部
上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3、サリチル酸金属化合物とスチレン単量体100質量部をアトライター(三井三池化工機製)を用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0110】
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を80℃に昇温させ50回転/分で重合を10時間継続させた。次いで、内温80℃,装置内圧力47.3kPaの条件下で4時間蒸留を行った。蒸留終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、Ca3(PO42を溶解させた後、濾過、水洗、次いで解砕を行い、含水率15%,重量平均径7.8μmの湿潤着色重合体粒子(トナー粒子)を得た。
【0111】
この時点でトナー粒子に残留している重合性単量体の量は850ppmであった。
【0112】
この得られた湿潤着色重合体粒子を、予備的加熱として気流加熱処理部は配管径0.1016mの図1と同様の態様の気流加熱処理装置で処理を行い、後に、作業容量100リットルの図2の態様の減圧加熱処理システムを用いて揮発分除去を行った。
【0113】
予備的加熱処理として気流加熱処理は、熱気流温度:80℃,供給風量:480m3/hr,トナー供給量:70kg/hrの条件下で処理を行った。処理後の含水率は0.22%,未反応の重合性単量体の量は840ppmであった。また、この時点でトナー粒子のガラス転移温度Tgを測定したところ、62℃であった。
【0114】
減圧加熱処理条件は、加熱温度:45℃,処理時減圧度:3kPa,仕込み量30kgであり、温度が45℃、エンタルピー約14000kJ/kg(乾き空気)、水分含有率約90%の高湿空気を、供給流量が0.13m3/hr・kg(トナー粒子)となるように投入した。
【0115】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0116】
以上の条件下で3時間、減圧加熱処理を行った。
【0117】
処理終了の時点で、含水量は0.20%であり、未反応の重合性単量体の量は45ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は、減圧加熱処理投入時を基準として、90%であった。
【0118】
この得られたトナー粒子100質量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.5質量部を外添して現像剤とした。
【0119】
この現像剤を用いて、キヤノン製カラープリンター カラーレーザーショット−2030改造機を用いて23℃/65%RHの環境下で画出し試験を行ったところ、10,000枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化がなく、中抜けのない高画質の画像が得られた。また、有機半導体である感光体に、トナー融着やメモリーゴーストのような問題を生じなかった。さらに両面画像を形成させたが、転写材の表裏面共にオフセットの発生は認められなかった。また、OHPシートへの画像形成を行ったところ、透明性の良好な画像が得られた。
【0120】
さらに、30℃/80%RHの環境下で同様な画出し試験を行ったところ、同様に良好な結果が得られた。
【0121】
<実施例2>
予備的加熱処理までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を、図2と同様の態様をした減圧加熱処理システムで処理を行った。
【0122】
減圧加熱処理条件は、加熱温度:45℃,処理時減圧度:3kPa,仕込み量30kgであり、温度が45℃,エンタルピーが約2500kJ/kg(乾き空気)、水分含有率60%の高湿空気を、供給流量が0.13m3/hr・kg(トナー粒子)となるように投入した。
【0123】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であり、以上の条件下で3時間、減圧加熱処理を行った。
【0124】
乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は95ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は89%であった。
【0125】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、30℃/80%RH環境下における画出しでは、9,500枚程度から転写不良に起因するベタ部白抜けが、わずかに発生した。
【0126】
<実施例3>
予備的加熱処理までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を、図2と同様の態様をした減圧加熱処理システムで処理を行った。
【0127】
減圧加熱処理条件は、加熱温度:45℃,処理時減圧度:3kPa,仕込み量30kgであり、温度45℃、蒸気圧3kPaの過熱水蒸気を、水蒸気供給流量が0.13m3/hr・kg(トナー粒子)となるように投入した。
【0128】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であり、以上の条件下で3時間、減圧加熱処理を行った。
【0129】
乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は25ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は90%であった。
【0130】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0131】
<実施例4>
予備的加熱処理までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を図3と同様の態様の作業容量100リットルの減圧加熱処理装置を用いて実施例3と同条件下で3時間、処理を行った。
【0132】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0133】
乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は40ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は70%であった。
【0134】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0135】
<実施例5>
予備的加熱処理までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を図4と同様の態様の作業容量100リットルの減圧加熱処理装置を用いて実施例3と同条件下で3時間、処理を行った。
【0136】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0137】
乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は25ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は83%であった。
【0138】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0139】
<実施例6>
予備的加熱処理後のトナー粒子の含水率が2.8%である解砕品を用いること以外は、実施例3と同様の装置・加熱処理条件で減圧加熱処理を行った。
【0140】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は20℃であり、乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は50ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は88%であった。
【0141】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な画出し結果が得られた。
【0142】
<実施例7>
解砕工程までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を予備的加熱処理として、実施例3と同様の加熱処理システム及び条件で処理を行い、含水率0.22%、残存する未反応の重合性単量体の量が840ppm、トナー粒子のガラス転移温度Tgが62℃及び処理直後の粒子温度が40℃であるトナー粒子を、その温度を維持したまま、実施例3と同様の減圧加熱処理装置及び条件で3時間、処理を行った。
【0143】
加熱処理終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は測定限界の20ppm未満であった。また、排出後のトナー粒子の収率は91%であった。
【0144】
また、得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0145】
<実施例8>
予備的加熱処理までは、実施例1と同様にして得られたトナー粒子を、図2と同様の態様をした減圧加熱処理システムで処理を行った。
【0146】
減圧加熱処理条件は、加熱温度:45℃,処理時減圧度:3kPa,仕込み量30kgであり、温度45℃、蒸気圧3kPaの過熱水蒸気を、供給流量が0.029m3/hr・kg(トナー粒子)となるように投入した。
【0147】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であり、以上の条件下で3時間、減圧加熱処理を行った。
【0148】
乾燥終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は75ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は93%であった。
【0149】
また、この得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、実施例1と同様の画出し結果が得られた。
【0150】
<比較例1>
実施例1で予備的加熱処理を行った後の含水率0.22%,残留する重合性単量体の量は840ppmのトナー粒子を用いて、該トナー粒子100部に対して実施例1で用いた疎水性シリカ1.5部を混合して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、700枚程度から画像濃度の低下がみられた。さらに30℃/80%RHの環境下1,000枚程度で感光体へのトナー融着による画像欠陥が発生した。
【0151】
<比較例2>
30℃,80%RHの空気を減圧及び45℃に加熱した、エンタルピーが約100kJ/kg(乾き空気)、水分含有量約5%の低湿空気を減圧加熱処理装置に投入すること以外は、実施例1と同様のトナー粒子を用い、実施例3と同様の予備的加熱処理装置・減圧加熱処理装置を用いて同様の加熱処理条件で処理を行った。
【0152】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0153】
減圧加熱処理終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は250ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は90%であった。また、実施例3と同様の減圧度を保つためには、実施例3で使用した真空ポンプより容量の大きな真空ポンプが必要であった。
【0154】
この得られたトナー粒子に、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに、実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、2,500枚程度から転写不良によるベタ部白抜けが発生し、3,000枚程度から画像濃度の低下がみられた。
【0155】
<比較例3>
温度70℃、蒸気圧3kPaの過熱水蒸気を減圧加熱処理装置に投入すること以外は、実施例1と同様のトナー粒子(Tg:62℃)を用い、実施例3と同様の予備的加熱処理装置・減圧加熱処理装置を用いて同様の加熱処理条件で処理を行った。
【0156】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0157】
乾燥終了後に、トナー粒子を排出したところ、トナー粒子同士の固い凝集が多く見られた。また、装置内壁面にもトナー粒子の融着が見られた。このため、排出後のトナー粒子の収率も80%となり、トナー粒子として実施例1で行った評価等はできなかった。
【0158】
<実施例9>
過熱水蒸気の供給流量を0.50m3/hr・kg(トナー粒子)、処理時減圧度を5kPaに変更し、供給する過熱水蒸気の蒸気圧を5kPaに変更したこと以外は、実施例1と同様のトナー粒子を用い、実施例3と同様の予備的加熱処理装置・減圧加熱処理装置を用いて同様の加熱処理条件で処理を行った。
【0159】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0160】
処理終了の時点で含水率は0.3%であり、未反応の重合性単量体の量は90ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は85%であった。
【0161】
得られたトナーに、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、30℃/80%RH環境下における画出しでは、9,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが若干発生した。
【0162】
<実施例10>
過熱水蒸気の供給流量が0.01m3/hr・kg(トナー粒子)であること以外は、実施例1と同様のトナー粒子を用い、実施例3と同様の予備的加熱処理装置・減圧加熱処理装置を用いて同様の加熱処理条件で処理を行った。
【0163】
また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0164】
減圧加熱処理終了の時点で、未反応の重合性単量体の量は100ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は94%であった。
【0165】
得られたトナーに、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、現像剤とし、さらに実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、30℃/80%RH環境下における画出しでは、8,000枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが若干発生した。
【0166】
<実施例11>
処理時減圧度を4.2kPaにして、温度約30℃の飽和水蒸気を減圧加熱処理装置に投入すること以外は、実施例1と同様のトナー粒子を用い、実施例3と同様の予備的加熱処理装置・減圧加熱処理装置を用いて同様の加熱処理条件で処理を行った。また、減圧加熱処理開始時のトナー粒子品温は22℃であった。
【0167】
処理終了の時点で含水率は0.5%であり、重合性単量体の量は95ppmであった。また、排出後のトナー粒子の収率は88%であった。
【0168】
この得られたトナーに、実施例1で用いたものと同じ疎水性シリカを外添して現像剤とし、さらに実施例1と同様の画出し評価を行ったところ、30℃/80%RH環境下における画出しでは、8,500枚程度で転写不良によるベタ部白抜けが若干発生した。
【0169】
以下に、実施例及び比較例で行った減圧加熱処理条件及び結果を表1に示した。画出し試験において、ベタ部白抜け、画像濃度低下或いは感光体へのトナー融着について評価し、そのいずれかに問題が生じた時の複写枚数に対して、以下の基準により評価を行った。
10000枚でも問題が無い場合 ・・・A
8000枚〜10000枚の時 ・・・B
4000枚〜8000枚の時 ・・・C
2000枚〜4000枚の時 ・・・D
2000枚未満の時 ・・・E
とした。
【0170】
【表1】
Figure 0003913005
【0171】
【発明の効果】
本発明によれば、重合法によって得られたトナー粒子中に存在する揮発成分の除去のために、均一にしかも熱を長く受けることないよう、短時間で加熱処理を行うトナー粒子の製造方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー粒子を熱気流中で粉粒状に分散させ、高速気流と並流に送りながら加熱処理する装置のシステムの一例を示す概略的図である。
【図2】注入媒体を投入しながら、減圧加熱処理を行うシステムの一例を示す概略的図である。
【図3】注入媒体を投入しながら、減圧加熱処理を行うシステムの他の一例を示す概略的図である。
【図4】注入媒体を投入しながら、減圧加熱処理を行うシステムの他の一例を示す概略的図である。
【符号の説明】
1 吐出ブロアー
2 熱風発生器
3 気流分散部
4 気流抜き出し口
5 ループ型気流加熱管
6 原料供給装置
7 サイクロン
8 取り出し口
9 バッグフィルター
10 排気ブロアー
11 減圧加熱処理容器(リボン翼)
12 駆動モーター
13 撹拌中心軸
14 リボン翼
15 撹拌翼支持アーム
16 連結アーム
17 原料供給口
18 バッグフィルター
19 コンデンサー
20 ジャケット
21 温水タンク
22 減圧ポンプ
23 仕切り板
24 濾布
25 逆洗用ノズル
26 注入媒体加熱器
27 セパレーター
28 膨張タンク
29 分散盤
30 注入媒体噴口
31 注入媒体温度計
32 注入媒体温度制御器
33 減圧加熱処理装置(スクリュー翼)
34 駆動アーム
35 スクリュー式撹拌部材
36 注入媒体流量計

Claims (20)

  1. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、洗浄、脱水し、得られたトナー粒子を減圧及び加熱が可能な容器に供給し、トナー粒子のガラス転移温度Tg未満の温度の飽和水蒸気、過熱水蒸気及びエンタルピー2500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気からなるグループより選ばれる注入媒体を該容器に投入しながら減圧加熱処理することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 高湿空気が水分含有率50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 高湿空気が水分含有率60%以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 高湿空気のエンタルピーが、6500kJ/kg(乾き空気)以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 高湿空気が水分含有率50%以上であり、且つエンタルピーが、6500kJ/kg(乾き空気)以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 高湿空気が水分含有率60%以上であり、且つエンタルピーが、6500kJ/kg(乾き空気)以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 高湿空気が水分含有率80%以上であり、且つエンタルピーが、6500kJ/kg(乾き空気)以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 注入媒体の供給流量が、0.01〜0.5m3/hr・kg(トナー粒子)であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 注入媒体の供給流量が、0.04〜0.27m3/hr・kg(トナー粒子)であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 減圧加熱処理は、トナー粒子中の揮発成分を除去する工程であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  11. 減圧加熱処理が、トナー粒子中の揮発成分を除去する工程であり、未反応の重合性単量体が100ppm以下になるまで処理を行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  12. 揮発成分が、少なくとも未反応の重合性単量体を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載のトナー粒子の製造方法。
  13. 揮発成分が、少なくとも重合開始剤の分解生成物を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載のトナー粒子の製造方法。
  14. 減圧加熱処理に供給されるトナー粒子の含水率が3.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  15. 減圧加熱処理に供給されるトナー粒子の含水率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  16. 減圧加熱処理の前に、予備的加熱処理を行うことで水系分散媒体を除去することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  17. 予備的加熱処理が、湿潤着色重合体粒子を高速の熱気流中に分散させると同時に並流に送りながら加熱処理をおこなう方式であり、湿潤着色重合体粒子を、高速熱気流中に連続的に供給し、処理できることを特徴とする請求項16に記載のトナー粒子の製造方法。
  18. 予備的加熱処理が、水系分散媒体を除去した後或いは除去すると同時に、着色重合体粒子の温度を30〜60℃にせしめ、その温度を維持したまま減圧加熱処理を行うことを特徴とする請求項16に記載のトナー粒子の製造方法。
  19. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、水系分散媒体中で重合して、着色重合体粒子を生成させた後、洗浄、脱水し、得られた着色重合体粒子を減圧及び加熱が可能な容器に供給し、飽和水蒸気、過熱水蒸気或いはエンタルピー2500kJ/kg(乾き空気)以上の高湿空気の何れかの注入媒体を該容器に投入しながら減圧加熱処理する装置であって、該注入媒体の温度Aを検知し、
    該温度Aが、下記条件
    30℃<A<トナー粒子のガラス転移温度Tg
    を満たすように、温度制御しながら減圧加熱処理することを特徴とするトナー粒子の製造システム。
  20. 減圧加熱処理により発生する揮発成分を排出する経路の途中で凝縮器が設けてあり、蒸気分を水として回収することを特徴とする請求項19に記載のトナー粒子の製造システム。
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