JP3916766B2 - 建材製造用プレス網 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スレートや瓦等の建材製造用プレス網に関する。
【0002】
【従来の技術】
スレートや瓦等の建材の製造方法は周知の技術であって、セメント、パーライト、石膏、スラグ、骨材、有機繊維、無機繊維、石綿等の原料を水に溶かしたスラリーを抄造パートで抄造し、その後プレスパートに搬送してプレス搾水、成型、型抜き等を実施するものである。
プレスパートとしては、(イ)図10に示すような、ロール間にニードルフェルトを掛け入れ、フェルトの上側であるプレス面側に金型、フェルトを挟んでフェルトの下側である脱水面側にサクションボックスを配設した装置を用い、フェルト上に抄造物を供給し、搬送し金型部でプレスして搾水するとともに余分な水分をサクションボックスで吸引するという長網式の方法と、(ロ)図11に示すような、上部にニードルフェルトや織網を取り付けたサクションボックス、その下部に順次移動されて設置されるように金型を配設した装置を用い、金型上に抄造物を供給し、金型をサクションボックスの下部に移動設置し、サクションボックスでプレスして搾水するとともに余分な水分を吸引するという方法、(ハ)図12に示すような、上部にニードルフェルトや織網を取り付けた上部サクションボックス、その下部に順次移動されて設置されるようにニードルフェルトや織網を取り付けた下部サクションボックスを配設した装置を用い、下部サクションボックス上に抄造物を供給し、下部サクションボックスを上部サクションボックスの下部に移動設置し、上部サクションボックスでプレスして搾水するとともに余分な水分を吸引するという方法、(ニ)図13に示すような、上部に金型、下部にサクションボックス、中間部にキャタピラ状に連設した上側にニードルフェルトまたは織網を取り付けたパンチングプレートを配設した装置を用い、フェルト上に抄造物を供給し、パンチングプレートを金型とサクションボックスの間に移動設置し、金型でプレスして搾水するとともに余分な水分をサクションボックスで吸引するという方法である。
建材のプレスにおいて上記の方法では、従来はモノフィラメント又はマルチフィラメントを織り合わせた基布の表面と裏面に合成繊維のバットをニードリングによって交絡させたいわゆるニードルフェルトが使用されている。これはスレートや瓦等の建材の原料が紙原料とは異なり、上述したような非常に細かい粉状の材料が主体であるため、網目空間を有する織網では原料が洩れてしまって所望の厚さや坪料の建材を製造することが困難であるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建材製造用機械のプレスパートにおいては、前述したようにフェルトで搾水し、サクションボックス等の強制吸引装置によって、フェルトを介して抄造物からの余分の水分を除去している。
ニードルフェルトは、表裏がバッドで覆われて微細に形成されているため原料の洩れが少なく歩留まりが良いという利点がある反面、バッドがz軸方向全体に密集していることもあり原料がフェルト内部に蓄積されて汚れやすいという欠点がある。
【0004】
また、ニードルフェルトの伸び剛性、曲げ剛性、寸法や姿勢の安定性が悪いという性質も大きな欠点となっていた。
長網方式では、建材は非常に抄造坪量が大きく重いために、抄造物が載ったプレス網を良好に走行させるためには、プレス網に大きな張力を掛けて強力に張って確実に駆動ロールの力を伝達させることが必要である。
しかし、ニードルフェルトは伸び剛性が弱く、伸びに応じて発生する巾収縮や厚さの減少も大きいために、大きな張力を掛けることができず良好に走行させることができなかった。また、スリップが発生したりする問題があった。スリップが発生するとプレス網の走行面の摩耗が促進されて寿命が短くなったり、電力負荷が上昇してマシンが停止してしまう等の問題が発生して生産性に重大な影響を及ぼす。
また、ニードルフェルトは強力に張ることができないことに加えて曲げ剛性が弱いために、サクションボックスや搬送ロールの間のプレス網を支持するものが無い部分において、抄造物の重さに耐えきれずに撓みが発生して抄造物に割れやひびを発生させるという問題もあった。
また、ニードルフェルトは使用するにつれ、次第に圧縮されて厚さが減少し、それに応じて搾水能力が低下する問題もあった。
また、プレス金型の凹凸の型に応じてニードルフェルトのバットが潰れ、その型が残ってしまい、金型の型替えをした後も製品に以前の型がフェルトから転写されるという問題があった。
さらに、長網式のプレスパートで抄造物をカッテイングする場合、カッターの歯がバット繊維や基布を切り、穴あきが発生し易いという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記の欠点を解決し、歩留まりが良く、良好な剛性、洗浄性、脱水性を有する建材製造用プレス網を提供し、この建材製造用プレス網の使用による建材の生産性向上を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1.緯糸を、プレス面側はモノフィラメントまたはモノフィラメントと小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とし、脱水面側は小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とし、経糸をモノフィラメント、モノフィラメント撚糸、芯線がモノフィラメントである糸、から選んだ少なくとも1種類の糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を単層配置又は複層配置して織製した、プレス面が網目構造からなる洗浄シャワーの通り易い立体空間を有する建材製造用プレス網。
2. 経糸を、プレス面側は、モノフィラメント、モノフィラメント撚糸、芯線がモノフィラメントである糸から選んだ少なくとも1種類の糸とし、脱水面側は、モノフィラメント、モノフィラメント撚糸もしくは芯線がモノフィラメントである糸、及び/または小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とした、1項に記載された建材製造用プレス網。
3. 小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸が、スパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸である、1項又は2項に記載された建材製造用プレス網。
4. 芯線がモノフィラメントである糸が、モノフィラメントの芯線にスパン糸またはマルチフィラメントを巻き付けた糸である、1項ないし3項のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
5. 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置した、1項乃至4項のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
6. 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置した、1項乃至4項のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
7. 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間に、モノフィラメントとスパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸から成る中間緯糸層を配置した、1項乃至4項のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。」に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
建材製造用プレス網において、含水率が小さく、マークの発生がない良好な製品を得るためには搾水空間が微細でなくてはならない。しかしながらフェルトのような構造では前述の種々の問題があるので本発明は、バットを用いない織網構造とし、脱水面側には微細な搾水空間を有する糸、例えばスパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸等を用い、これ等の糸を織り込むことにより、脱水面側に微細な搾水空間を密に形成して、搾水する際に水分を毛細管現象により脱水面側に集中させ、サクションボックス等の強制吸引装置によって水分を脱水して効率よく搾水し、またスラリーからの原料の洩れを防止して歩留まりを向上し、プレス面側には網目構造とすることにより、洗浄シャワーの通り易い立体空間を確保して洗浄性を良くするとともに、剛性を向上した多機能織物を形成したのである。
脱水面側に搾水された余分な水分を毛細管現象により集中させ、強制吸引装置に接近させて効率のよい搾水を実施するために、脱水面側の緯糸に小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水空間を形成した糸を配置する必要があるのである。
微細な搾水空間を有する糸とは、上述のように種々の糸が選択できるが、特に脱水面に使用する糸としては、モール糸、2種以上を共撚した糸が、繊維の拘束力が強く、かつ搾水性にも優れているため好適である。
【0008】
なお、本明細書において、スパン糸とは短繊維を収束させて糸状としたものの意味であって、紡績糸等である。また、マルチフィラメントとは細かい単繊維を収束させて糸状としたもの、起毛糸とはマルチフィラメントの表面を針状のもので引っ掻いて毛羽立たせたもの、フィラメント加工糸とはフィラメント糸に伸縮加工やかさ高加工、巻縮加工等をほどこした糸状体であり、一般にテクスチャードヤーン,バルキーヤーン,ストレッチヤーン,タスラン加工糸と称される糸を含む意味であり、ウーリーナイロン等もこれに含まれる。モール糸とはマルチフィラメント等の芯糸を中心に短繊維を放射状に配置させて糸状としたものである。放射状に配置した短繊維に巻縮加工等を施したものも含まれる。
また、プレス面側とは製品と接触する側、脱水面側とはサクションボックスと接触する側をいう。長網式では、脱水面側が走行面側となる。
【0009】
脱水面の微細な搾水空間は、搾水水分を脱水面側に、毛細管現象により集中させることができるため、本発明のプレス網は原料の洩れが少ないにもかかわらず脱水性も非常に良好となる。
そして、この良好な脱水性は、脱水面が摩耗されて削られたとしても、本発明の脱水面を形成している糸は各々が独立した糸であって、微細繊維の拘束力が強く、さらにそれぞれの糸が織り込まれて強く拘束されているので、搾水空間が潰されることがなく、使用末期まで良好に維持できる。長網式の場合に優れた効果となる。
フェルトの場合は、表面から裏面まで微細な合成繊維バットで満たされている構造で、もともと脱水性が悪く、脱水面が擦られて摩耗してくると、微細繊維間の拘束力が弱いために、搾水空間が潰されてその間に汚れが蓄積されてさらに脱水性が低下するのである。
【0010】
又、本発明はプレス面がモノフィラメントの網目構造を有することにより、ニードルフェルトに比べて、織物としての伸び剛性、曲げ剛性が極めて高くなるので、大きな張力を掛けて強力に張って確実に駆動ロールの力を伝達させて良好に走行させることができ、スリップが発生したりする問題がない。
また、サクションボックスや搬送ロールの間のプレス網を支持するものが無い部分においても、製品の重さに十分に耐えて撓みが発生することがなく製品に割れやひびを発生させる問題もない。
また、過大なストレッチャーや巾出しロール等の装置が不要となる副次的効果も得られる。
また、使用時の厚さの減少も極めて小さい。ニードルフェルトは使用するにつれ、次第に圧縮されて厚さが減少し、それに応じて搾水能力が低下するが、本発明は織網としての剛性が高いため、厚さの減少が少なく、使用末期まで良好な搾水能力を維持できる。
【0011】
耐高圧洗浄シャワー性については、本発明の建材製造用プレス網の脱水面を構成している糸は、ニードルフェルトのバットと同じ様な細い繊維の集合体でありながら、全体が織網構造を有しているために、緯糸ならば経糸に、経糸ならば緯糸に短い周期で互いに織り込まれて、強く拘束されているので、摩耗されても、搾水空間が潰れることがなく、シャワー水の衝撃で切断されたり脱落することはない。この耐高圧シャワー性もプレス面を織網構造にしたことによって得られた効果である。
また、本発明は上述のように、ニードルフェルトの様なZ軸方向全体に細かい繊維が密集している構造ではなく、脱水面にのみ細かい繊維の集合体が形成されて、この繊維集合体が強く拘束されている構造のためもともと汚れが蓄積しにくいのである。また汚れてもフェルトを洗浄できないような低圧シャワーで充分洗浄することができる。
【0012】
織り構造については、経糸がモノフィラメント、モノフィラメント撚糸または芯線がモノフィラメントである糸の層を有し、緯糸が脱水面側に小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸であり、プレス面側にモノフィラメントを主に配置した多層に形成されていれば特に限定されず、経糸一重緯糸二重、経糸一重緯糸三重、経糸二重緯糸三重、経糸二重緯糸二重の二層構造等、種々の構造が採用できる。
経糸のモノフィラメント、モノフィラメント撚糸または芯線がモノフィラメントである糸の層は剛性と寸法安定性の向上、プレス面側のモノフィラメント緯糸は剛性の向上の役割を果たす。
糸の材質は特に限定されるものではなく、ポリエステルやポリアミド、ポリフェニレンサルファイド等の合成繊維や、レーヨン等の化学繊維、綿等の天然繊維等様々な材質が使用できる。
プレス面緯糸材質をポリアミドとした場合はプレスに対する耐ニップ性、耐フイブリル化性が良好となり、ポリエステルを用いると剛性が大きくなるので、剛性重視の場合には、ポリエステルを用いる。また、両特性のバランスを考えてポリアミドとポリエステルを例えば交互に配置することもできる。
【0013】
経糸を二層にすると、プレス面側はモノフィラメントとし、脱水面側を小径の素糸を纏めた素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とすることができる。プレス面のモノフィラメントで主に剛性、寸法安定性向上を図り、脱水面側を小径の素糸を纏めた素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸で原料の洩れを少なくして歩留まり、搾水能力の向上を図るのである。
緯糸の脱水面側とプレス面側の間にはモノフィラメントやプレス面と同じ中間緯糸層を配置することができ、歩留まりを向上させることができる。
中間層には要求される条件に応じて、より剛性を向上したい場合はモノフィラメントを配置することにより剛性を大きくすることができ、より歩留まりを向上したい場合はプレス面と同様な小径の素糸を纏めた素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸を配置するのである。またモノフィラメントと小径素糸を纏めた素糸を交互に配置して上記の中間的な性能とすることもできる。
また、プレス面側においても、より搾水能力を上げ、製品の含水率を軽減させたい場合には、モノフィラメントと小径の素糸を纏めた素糸間に微細な脱水間隙を形成した糸とを配列することもできる。
【0014】
【実施例】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明の建材製造用プレス網の一実施例を示す平面図、図2は、図1のI−I’線で切断した経糸に沿った断面図である。
経糸1に直径0.35mmのポリアミドモノフィラメントを1インチ当たり90本配置し、脱水面側緯糸2に540デニールのポリアミド起毛糸と800デニールのポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸を1インチ当たり22本配置し、中間層緯糸3には直径0.45mmのポリエステルモノフィラメントを1インチ当たり22本配置し、プレス面側緯糸4には直径0.40mmのポリアミドモノフィラメントとポリエステルモノフィラメントを1インチ当たり11本ずつ配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の建材製造用プレス網である。
【0015】
図3は、本発明の建材製造用プレス網の一実施例を示す平面図、図4は、図3をII−II’線で切断した経糸に沿った断面図である。
経糸1にポリエステルモノフィラメントを配置し、脱水面側緯糸2にポリアミドスパン糸を配置し、中間層緯糸3とプレス面側緯糸4にはポリアミドモノフィラメントを配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の建材製造用プレス網である。
図5は、本発明の建材製造用脱水網の一実施例を示す平面図、図6は、図5のIII−III’線で切断した経糸に沿った斜め上方から見た断面図である。
脱水面側緯糸2にポリアミドモール糸を配置し、中間層緯糸3にポリエステルモノフィラメント、プレス面側緯糸4にはポリアミドモノフィラメントの撚り糸とポリアミドフィラメントを交互に配列し、経糸1にはエステルポリモノフィラメントとポリエステルモノフィラメント撚糸を同組織で並列に配置した8シャフトの経糸一重緯糸三重織の建材製造用プレス網である。
【0016】
図7は、本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
経糸5にポリエステルモノフィラメントの撚り糸、脱水面側緯糸6にポリアミドスパン糸、中間層緯糸にはポリアミドモノフィラメントの撚り糸の中間層緯糸7とポリアミドモノフィラメントの中間層緯糸8とを交互に、プレス面側緯糸9にポリアミドモノフィラメントを配置した8シャフトの緯糸三重織の建材製造用プレス網である。本実施例のように、経糸にポリエステルモノフィラメントの撚り糸を配置した場合は、経糸の毛細管現象をも利用することができ、より効率よくプレス面側の余分な水分を脱水面側に集中させることができる。
【0017】
図8は、本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。脱水面側経糸10にポリアミドマルチフィラメント、プレス面側経糸11にポリエステルモノフィラメント、脱水面側緯糸12にポリアミドマルチフィラメント、中間層緯糸13にポリアミドモノフィラメントの撚り糸、プレス面側緯糸14にポリアミドモノフィラメントを配置した8シャフトの経糸二重緯糸三重織の建材製遠用プレス網である。
【0018】
図9は、本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
脱水面側経糸15にポリエステルモノフィラメントの芯糸にポリアミドスパン糸を巻き付けた糸、プレス面側経糸16にポリエステルモノフィラメント、脱水面側緯糸17にウーリーナイロン糸、プレス面側緯糸18にポリアミドモノフィラメント、接結糸19としてポリアミドモノフィラメントを配置した8シャフトの経糸二重緯糸二重織の二層織物の建材製造用プレス網である。
【0019】
図10から図13は、建材製造用装置のプレスパートの種類を示す説明図である。
図10は、ロール間にニードルフェルト20を掛け入れ、フェルトの上部側であるプレス面側に金型21、フェルトを挟んでフェルトの下部側である走行面側にサクションボックス22を配設した、フェルト上に抄造物23を供給して搬送し金型部で金型でプレスして搾水し余分な水分をサクションボックスで吸引するという長網式の装置である。
図11は、上部にニードルフェルト20や織網を取り付けたサクションボックス22、その下部に順次移動されて設置されるように金型21を配設した、金型上に抄造物23を供給し金型をサクションボックスの下部に移動設置し、サクションボックスでプレスして搾水するとともに余分な水分を吸引するという方法に用いる装置である。
図12は、上部にニードルフェルト20や織網を取り付けた上部サクションボックス22、その下部に順次移動されて設置されるようにニードルフェルトや織網を取り付けた下部サクションボックス22を配設した、下部サクションボックス上に抄造物23を供給し下部サクションボックスを上部サクションボックスの下部に移動設置し、上部サクションボックスでプレスして搾水するとともに余分な水分を吸引するという方法に用いる装置である。
図13は、上部に金型21、下部にサクションボックス22、中間部にキャタピラ状に連設した上側にニードルフェルト20または織網を取り付けたパンチングメタル24を配設した、パンチングメタル上に抄造物23を供給して搬送し金型部で金型でプレスして搾水し余分な水分をサクションボックスで吸引するという方法に用いる装置である。
尚、本発明の建材製造用プレス網は、長網式の建材製造用プレス装置に使用されたときに優れた効果を奏するが、勿論これに限定されるものではなく、他の建材製造用プレス装置にも使用できる。
【0020】
次に本発明の実施例である建材製造用プレス網と従来例であるニードルフェルトとの比較試験を示して本発明の効果を説明する。
本発明の実施例には図1,2に示した実施例を採用し、比較例は下記に示す従来のニードルフェルトとした。
【0021】
比較例
経糸にポリアミドモノフィラメント撚糸、緯糸にポリアミドモノフィラメント撚糸を用いた基布に1m2当たり2.2Kgのポリアミド製バットをニードリングによって交絡させたニードルフェルトである。
【0022】
比較試験
1.プレス搾水試験
実施例と比較例を天板がパンチングメタルで形成されているサクションボックスの上にセットし、その上に抄造物を載せる。次に上方からプレス搾水し、搾水後の抄造物の含水率を測定するとともに、実施例と比較例の汚れ状況を観察する。
1)含水率
実施例 22%
比較例 27%
2)含水率
実施例 汚れなし
比較例 汚れあり(目詰まりが発生)
2.剛性
1)伸び
長さ方向、巾方向における乾燥時と湿潤時のテンション7Kg/cmと14Kg/cm時の 伸びおよび破断強度を比較した。
結果を表1に示す。
2)曲げ
長さ方向、巾方向の曲げこわさを比較した。(熊谷理機工業株式会社製テーバーステイフネステスターを使用して測定)
実施例が長さ方向35.6g−cm 巾方向114.8g−cm
比較例が長さ方向18.4g−cm 巾方向14.7g−cm
3.耐シャワー性
実施例と比較例を枠に設置し、高圧シャワーを下記の条件で当てて、シャワーに対する耐久性を見た。
シャワー圧:20,30Kg/cm2
ノズル径 :1mm
距 離 :100mm
摺動距離 :経糸方向50mm,緯糸方向50mm
摺動速度 :経糸方向50mm/30sec,緯糸方向50mm/7secシャワー圧20Kg/cm2では、比較例は30分でかなり穴明きが見られ、実施例は45分で多少毛羽立ちが発生したが穴明きや糸の切断は見られない。
シャワー圧30Kg/cm2では、比較例は1サイクルする前に穴明きが発生し、実施例は20分で多少毛羽立ちが発生したが穴明きや糸の切断は見られない。
4.耐ニップ性
下記の条件で2本のロール間にサンプルを挟んでニップを加えながら摺動させ、糸のフィブリル化やつぶれ具合を判定した。
張 力 : 2.5Kg/cm
ニップロール: φ40mm×2本(クロムメッキ・スチール製)
ニップ条件 : 乾式15Kg/cm
ストローク : 100mm
摺動速度 : 50回/min
摺動回数 : 15,000往復
比較例は外観上さほど変化は見られないが、厚さが40.64%も減少した。
実施例はフィブリル化の発生は全くなく、プレス面側緯糸のポリアミドマルチフィラメントのタスラン加工糸とポリアミドマルチフィラメントの巻縮加工糸とを共撚した糸が多少つぶれて平らになる程度であった。厚さの減少は7.8%であった。
5.耐カッター性
プレス搾水試験後、抄造物を建材用カッターで切断し、実施例と比較例のカッター接触部の表面状況を拡大鏡で観察した。
実施例 カッター痕なし
比較例 バットが切断され、、カッター痕発生
以上の試験結果により、本発明の建材製造用プレス網は剛性、耐シャワー性、耐ニップ性全てにおいてニードルフェルトと比較すると断然有利であり優れていることがわかる。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
本発明の建材製造用プレス網は、原料の洩れが少なく、歩留まりの良いプレスが行え、搾水性も良好である。
また、剛性が優れているため、抄造物にひびや割れを発生させることがない
また、耐シャワー性に優れており、高圧シャワー洗浄が可能で汚れを簡単に除去することができるため、生産速度を上げることができる。
さらに、耐摩耗性、耐ニップ性が優れており、厚さの減少も少ないため、長期間使用されても使用末期まで良好な搾水性を維持できる。
このような良好な剛性、洗浄性、搾水性、耐摩耗性を有する建材製追用プレス網を使用することにより、本発明の最終的な目的である建材の生産性向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建材製造用プレス網の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1のI−I′線で切断した経糸に沿った断面図である。
【図3】本発明の建材製造用プレス網の一実施例を示す平面図である。
【図4】図3のII−II′線で切断した経糸に沿った断面図である。
【図5】本発明の建材製造用プレス網の一実施例を示す平面図である。
【図6】図5のIII−III′線で切断した経糸に沿った断面図である。
【図7】本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図8】本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す経糸に沿った断面図である。
【図9】本発明の建材製造用プレス網の他の実施例を示す緯糸に沿った断面図である。
【図10】建材製造用装置のプレスパートを示す説明図である。
【図11】建材製造用装置のプレスパートを示す説明図である。
【図12】建材製造用装置のプレスパートを示す説明図である。
【図13】建材製造用装置のプレスパートを示す説明図である。
【符号の説明】
1 経糸
2 脱水面側緯糸
3 中間層緯糸
4 プレス面側緯糸
5 経糸
6 脱水面側緯糸
7 中間層緯糸
8 中間層緯糸
9 プレス面側緯糸
10 脱水面側経糸
11 プレス面側経糸
12 脱水面側緯糸
13 中間層緯糸
14 プレス面側緯糸
15 脱水面側経糸
16 プレス面側経糸
17 脱水面側緯糸
18 プレス面側緯糸
19 接結糸
20 建材製造用フェルト
21 金型
22 サクションボックス
23 抄造物
24 パンチングプレート
Claims (7)
- 緯糸を、プレス面側はモノフィラメントまたはモノフィラメントと小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とし、脱水面側は小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸とし、経糸をモノフィラメント、モノフィラメント撚糸、芯線がモノフィラメントである糸、から選んだ少なくとも1種類の糸とし、緯糸を複数層配置し、経糸を単層配置又は複層配置して織製した、プレス面が網目構造からなる洗浄シャワーの通り易い立体空間を有する建材製造用プレス網。
- 経糸を、プレス面側は、モノフィラメント、モノフィラメント撚糸、芯線がモノフィラメントである糸から選んだ少なくとも1種類の糸とし、脱水面側は、モノフィラメント、モノフィラメント撚糸、芯線がモノフィラメントである糸、小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸、から選んだ少なくとも1種類以上の糸としたことを特徴とする請求項1に記載された建材製造用プレス網。
- 小径の素糸を纏めて素糸間に微細な搾水間隙を形成した糸が、スパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸である、請求項1又は2に記載された建材製造用プレス網。
- 芯線がモノフィラメントである糸が、モノフィラメントの芯線にスパン糸またはマルチフィラメントを巻き付けた糸である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
- 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間にモノフィラメントから成る中間緯糸層を配置した、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
- 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間にスパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,またはこれらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸、から選ばれた中間緯糸層を配置した、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
- 脱水面側緯糸層とプレス面側緯糸層との間に、モノフィラメントとスパン糸,マルチフィラメント,起毛糸,モノフィラメント撚り糸,モール糸,フィラメント加工糸,モノフィラメントの芯線にスパン糸を巻き付けた糸,モノフィラメントの芯線にマルチフィラメントを巻き付けた糸,これらのうち少なくとも2種以上を共撚した糸から選ばれた糸から成る中間緯糸層を配置した、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された建材製造用プレス網。
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