JP3917791B2 - 小型管理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は小型管理機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型管理機は、耕耘軸に備えた耕耘爪の回転により耕耘し、更に耕耘爪にて走行する耕耘機であり、フロントタイン式管理機と言われている。このようなフロントタイン式管理機は、手軽で小回りが利くことから広く普及しており、例えば、実開昭57−86502号公報「小型管理機の爪軸構造」が知られている。
【0003】
上記従来の技術は、同公報の第1図〜第3図に示される通り、エンジン5(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)の下部にミッション6を取付け、ミッション6の下部に回転軸12を取付け、回転軸12に備えた耕耘爪11・・・により耕耘し、更に耕耘爪11・・・にて走行する小型管理機Aであって、ミッション6の後上部に操作ハンドル2を固定するというものである。ミッション6は、その後下部から下方へ延びる抵抗棒4を備える。抵抗棒4は土中に差込み可能な棒である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
小型管理機Aはエンジン5やミッション6に、耕耘爪11・・・付き回転軸12や操作ハンドル2を一体的に組付けた構造のフロントタイン式管理機である。一般に、小型管理機Aを耕耘作業中に、耕耘爪11・・・が石などの固い埋蔵物に当ったときには、耕耘反力によって回転軸12が上方へ跳び上がる、いわゆる跳び上がり現象(ダッシング現象とも言う。)が発生する。このときの耕耘反力である衝撃エネルギーは、耕耘爪11・・・から回転軸12を介してミッション6、エンジン5及び操作ハンドル2に伝わる。
【0005】
衝撃エネルギーを受けた小型管理機Aのバランスを保ちつつ操縦したり、跳び上がり現象を抑制するためには、(1)土壌の条件に応じて抵抗棒4の取付け高さを適宜設定することで、土中への抵抗棒4の差込み長さを調整したり、(2)耕耘作業中に操作ハンドル2に適切な下向き操作力を掛けることで、土中への抵抗棒4の差込み荷重を調整する。このようにすれば、衝撃エネルギーに対して抵抗棒4の抵抗力を加減することができるからである。
しかしながら経験と勘を必要とし、小型管理機Aの操縦に熟練することが求められるので、改良の余地がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、常に操縦が容易で耕耘作業が一層容易な小型管理機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、動力源の駆動力で動力伝達機構を介して耕耘軸を回転させ、この耕耘軸に備えた耕耘爪の回転により耕耘し、更に耕耘爪にて走行する小型管理機であって、土中に差込む抵抗棒を備えた小型管理機において、動力源の後部又は動力伝達機構の後部に、操作ハンドルを上下スイング可能に取付けるとともに、抵抗棒を該操作ハンドルと一体化することで、抵抗棒が土中に差し込まれた耕耘作業中において、耕耘反力による上方への衝撃エネルギーが耕耘爪に作用したときに、抵抗棒と一体化した操作ハンドルに対して、耕耘爪、動力源並びに動力伝達機構が上方にスイング動し得るように構成した、ことを特徴とする。
【0008】
耕耘作業中に、耕耘爪が石などの固い埋蔵物に当ったとき、耕耘反力によって跳び上がり現象が発生する。このときの耕耘反力である衝撃エネルギーは、耕耘爪から動力源や動力伝達機構に伝わる。抵抗棒を土中に差込んであるので、跳び上がり現象に対して抵抗力を有し、この結果、抵抗棒並びに操作ハンドルは安定した状態にある。安定状態の操作ハンドルに対して耕耘爪、動力源並びに動力伝達機構が上方へスイングすることで、衝撃エネルギーを吸収する。操作ハンドルが跳び上がらずに安定しているので、操縦性は高い。
【0009】
請求項2は、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が上方にスイングしたときに緩衝するための緩衝部材を、動力源又は動力伝達機構と操作ハンドルとの間に介在させたことを特徴とする。
【0010】
操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が上方へスイングしたときに、衝撃エネルギーを緩衝部材にて十分に吸収することができる。
【0011】
請求項3は、動力源の後部又は前記動力伝達機構の後部に第1リンクを上下スイング可能に取付け、操作ハンドルに第2リンクを前後スイング可能に取付け、第2リンクに第1リンクを連結することで、動力源並びに動力伝達機構の前後スイングに対応して折曲げ自在なリンク機構を構成し、第1・第2リンク間の連結部に緩衝部材の一端を前後スイング可能に連結し、この緩衝部材の他端を操作ハンドルに前後スイング可能に連結することにより、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材のストロークの割合が大きく変化するように構成したことを特徴とする。
【0012】
リンク機構と緩衝部材とからなるサスペンションは、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材のストロークの割合が大きく変化するプログレッシブ・サスペンションである。緩衝部材は、小さい衝撃エネルギーに対しては小さいストロークで吸収し、大きい衝撃エネルギーに対しては大きいストロークで吸収する。従って、衝撃エネルギーを一層効果的に吸収する。
【0013】
請求項4は、抵抗棒を操作ハンドルから下方へ延したことを特徴とする。
耕耘作業中に、操作ハンドルに適切な下向き操作力を掛けることで、土中への抵抗棒の差込み長さを調整して、耕深量を安定させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る小型管理機の側面図である。
小型管理機10は、動力源としてのエンジン11の駆動力で、動力伝達機構12を介して耕耘軸13を回転させ、この耕耘軸13に備えた耕耘爪、すなわち第1耕耘爪14並びに第2耕耘爪15の回転により耕耘し、更に第1・第2耕耘爪14,15にて走行する、小型の歩行型自走式耕耘機であり、フロントタイン式管理機と称する。
【0016】
さらに小型管理機10は、動力伝達機構12の後部から後上方へ操作ハンドル40を延ばし、この操作ハンドル40の下部から下方へ抵抗棒93を延したものである。本発明は、動力伝達機構12の後部にピボット部50を介して、操作ハンドル40を上下スイング可能に取付けたことを特徴とする。ピボット部50の詳細については後述する。
動力伝達機構12は、エンジン11の駆動力を耕耘軸13に伝達する機構であって、ケース16に図示せぬギヤを内蔵したものである。抵抗棒93は、土中に差込んで第1・第2耕耘爪14,15による耕深量Hを設定するとともに、第1・第2耕耘爪14,15の牽引力に対する抵抗力を付加する棒である。図中、21はエンジンカバー、22は土砂飛散防止カバー、23は車体ガードである。
【0017】
図2は本発明に係る小型管理機の背面図であり、車体中央CLでエンジン11の下部に動力伝達機構12を取付け、動力伝達機構12の下部に左右方向横向きの耕耘軸13を取付け、耕耘軸13の長手方向に所定ピッチで複数の第1・第2耕耘爪14・・・,15・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ。)を取付けたことを示す。
操作ハンドル40は、動力伝達機構12の後部に左右の脚部41,41を取付けた背面視逆U字状のハンドルポスト部42と、ハンドルポスト部42の上端部に車体中央CLで固定した縦向きのハンドル取付部43と、ハンドル取付部43に取付けた背面視略V字状のハンドル部44とからなる。
図中、24は燃料タンク、25はエアクリーナ、26,26はサイドディスク、45,45はグリップ、46はクラッチレバーである。
【0018】
図3は本発明に係る小型管理機の操作ハンドル取付け構造の側面断面図であり、操作ハンドル40及び抵抗棒93の具体的な取付け構造を示す。
操作ハンドル取付け構造は、動力伝達機構12の後部下部に左右のブラケット33L,33R(この図では左右のうち右のみ示す。以下同じ。)を取付け、これらのブラケット33L,33Rの後部下部にハンドルポスト部42の下部を上下スイング可能に取付けたものである。結果的に、操作ハンドル40に対してエンジン11並びに動力伝達機構12を上下スイング可能に取付けたことにもなる。
【0019】
本発明は、操作ハンドル40にエンジン11並びに動力伝達機構12を懸架するサスペンション60を備えたことを特徴とする。このサスペンション60は、動力伝達機構12と操作ハンドル40との間に緩衝部材64を介在させたものである。
緩衝部材64は、操作ハンドル40に対して、エンジン11並びに動力伝達機構12が上方にスイングしたときに緩衝する緩衝器、例えばコイルスプリング65付きオイルダンパ66であって、前後に伸縮可能に配置したものである。67はリザーバタンクである。
サスペンション60の具体的な構成は、左右のブラケット33L,33R間の後部上部に山形鋼からなるクロスメンバ61を掛け渡し、ハンドルポスト部42の上部から後下方へアーム71を延し、アーム71に緩衝部材64の後端部(他端部)64bを上下スイング可能に取付け、クロスメンバ61に緩衝部材64の前端部(一端部)64aを上下スイング可能に取付けたものである。
【0020】
この図は、ハンドルポスト部42のスイング範囲(エンジン11並びに動力伝達機構12のスイング範囲)を決めるための下限ストッパ部81並びに上限ストッパ部85を備えたことを示す。
具体的には、下限ストッパ部81は、ブラケット33L,33Rの下端に下部ストッパ片82,82を取付け、ハンドルポスト部42の脚部41,41の下端に当接片83,83を取付けたものである。下部ストッパ片82,82の下面に当接片83,83が当る位置で、スイング下限位置が決まる。
上限ストッパ部85は、ハンドルポスト部42の脚部41,41間に水平部材86を掛け渡し、この水平部材86に位置決めボルト87を進退調節可能に取付けたものである。位置決めボルト87がクロスメンバ61に当る位置で、スイング上限位置が決まる。
【0021】
図4は図3の4−4線断面図であり、操作ハンドル取付け構造の詳細な構成を示す。
動力伝達機構12のケース16は、左右両側部に側部取付ボス31L,31Rを一体に形成するとともに、後端部に後部取付ボス32を一体に形成したものである。左右のブラケット33L,33Rは、板材を平面視略クランク状に折曲げ成形した部材であり、側部取付ボス31L,31Rにボルト34,34にて左右別々に取付けるとともに、後部取付ボス32に1本の長いボルト35にて共締めして取付けたものである。36,36はスペーサである。
【0022】
次に、左右のブラケット33L,33Rにハンドルポスト部42を上下スイング可能に取付けるとともに、支承させるためのピボット部50の構造を説明する。
ピボット部50は、ハンドルポスト部42の左右の脚部41,41間にクロスパイプ51を掛け渡し、クロスパイプ51内にブッシュ52,52を介してパイプ状の軸部53を回転可能に嵌合し、軸部53の両端面に左右のブラケット33L,33Rの内面を当て、軸部53の孔に1本の長い支承ボルト54を貫通させ、左右のブラケット33L,33Rと軸部53とを共締めすることで、左右のブラケット33L,33Rにて支持ボルト54を介して、ハンドルポスト部42を上下スイング可能に支持するようにしたものである。
【0023】
ハンドルポスト部42を逆U字状に形成し、所定寸法だけ離した左右の脚部41,41を動力伝達機構12に取付けることで、操作ハンドル40を左右2箇所で支持するので、支持スパンは大きい。このため、操作ハンドル40に側方から外力が作用しても、振らつかずに安定しており、安定した操縦をすることができる。
【0024】
この図は、車体中央CL(管理機全体の重心Gの位置)にてクロスパイプ51にアーム91を取付け、このアーム91を後方へ延し、その後端に垂直(この図の表裏方向)に延びるパイプ状の保持部92を取付け、保持部92に抵抗棒93を上下移動可能に嵌合し、さらに、止めボルト94にて止めたことを示す。
【0025】
図5は図3の5−5線断面図であり、左右のブラケット33L,33Rにクロスメンバ61の両端をボルト62・・・にて取付け、クロスメンバ61の上面にコ字状ホルダ63を取付け、コ字状ホルダ63のフランジ63a,63a間に、緩衝部材64の前端部64aを連結ボルト68にて上下スイング可能に取付けたところの、サスペンション60の平面断面構成を示す。逆U字状のハンドルポスト部42における、左右の脚部41,41の間で車体中央CLに緩衝部材64を配置することができる。しかも、緩衝部材64の前端部64aの取付け位置を、管理機全体の重心Gに接近させることができる。69,69はスペーサである。さらにこの図は、位置決めボルト87を車体中央CLに配置したことを示す。
【0026】
図6は図3の6−6線断面図であり、上開放の溝形鋼からなるアーム71の後端に背面視下開放のコ字状ホルダ72を被せてボルト73にて取付け、コ字状ホルダ72のフランジ72a,72a間に緩衝部材64の後端部64bを連結ボルト74にて上下スイング可能に取付けたことを示す。75,76,76はスペーサ、77,77はカラーである。
【0027】
次に、上記構成の小型管理機10の作用を図1、図4、図5、図7及び図8に基づき説明する。
上記図1において、エンジン11を始動させ、図示せぬ作業者が操作ハンドル40を握って小型管理機10を操縦しながら歩行することによって、小型管理機10は、エンジン11の駆動力で動力伝達機構12並びに耕耘軸13を介して、第1・第2耕耘爪14,15を回転させて、前進とともに耕耘する。
小型管理機10は耕耘作業中には、抵抗棒93を土Grの中に差込むことによって、第1・第2耕耘爪14,15による耕深量Hを設定するとともに、第1・第2耕耘爪14,15の牽引力に対する抵抗力を付加することができる。
【0028】
ところで、図1に示すように小型管理機10を側面から見たとき、操作ハンドル40のスイング中心C、すなわちピボット部50の中心は、管理機全体の重心Gの近傍にある。具体的には、重心Gから後方へ距離Xだけ離れた位置で、重心Gとほぼ同じ高さにスイング中心Cを設定した。
距離Xについては次のように設定する。すなわち、耕耘作業時に抵抗棒93を土Grの中に差込むことによって、第1・第2耕耘爪14,15の牽引力に対する抵抗力を付加したときに、管理機全体の重心Gの位置が後方へ移動して、スイング中心Cにほぼ一致するように、距離Xを設定する。
【0029】
スイング中心Cに重心Gの位置を一致又は近接させることにより、操作ハンドル40に対して、エンジン11並びに動力伝達機構12がスイングしたときに、質量が低減する。この結果、慣性モーメントを低減させることができる。
さらには、緩衝部材64の前端部64aの取付け位置を、重心Gの近傍で、スイング中心Cのほぼ真上に設定した。このようなことから、小型管理機10の走行を安定させて、直進性や旋回性の向上を図ることができ、この結果、操縦性を高めて耕耘作業を容易にすることができる。
【0030】
このように、スイング中心Cや緩衝部材64の前端部64aの取付け位置を、管理機全体の重心Gに接近させるために、上記図4に示す如く、ハンドルポスト部42は逆U字状(アーチ状)に形成し、左右の脚部41,41でブラケット33L,33Rを介して、動力伝達機構12を両側から挟み込むようにして取付けたことを特徴とする。
【0031】
ここで、緩衝部材64で支えることができる操作ハンドル40側の荷重を「ばね上荷重」とし、緩衝部材64に作用するエンジン11、動力伝達機構12、耕耘軸13、第1・第2耕耘爪14,15等の負荷側の荷重を「ばね下荷重」とする。一般に、「ばね上荷重」を分母とし、「ばね下荷重」を分子として除算した値を小さくすると、第1・第2耕耘爪14,15側からの振動が操作ハンドル40側に伝わり難いので、操縦感覚が優れる。そのためには、緩衝部材64の「ばね上荷重」を大きく設定すればよい。
【0032】
ところで、操作ハンドル40に加えた下向き操作力によって、操作ハンドル40と一体の抵抗棒93を土Grの中に食い込ませることができる。操作ハンドル40から下方へ延びた抵抗棒93は、土Grの中に差込んであるので、抵抗棒93の軸直角方向への抵抗力を有する。このため、抵抗棒93並びに操作ハンドル40は、前後方向や左右方向に安定した状態にある。この結果、操作ハンドル40を前方へ押し操作するための操作力は、ほとんど一定である。
操作ハンドル40の操作力と、土Grの中に差込んだ抵抗棒93の抵抗力との、複合的な力は「ばね上荷重」である。操作ハンドル40の上下スイング操作に応じて、操作ハンドル40側からアーム71を介し、緩衝部材64の後端部64bに作用する「ばね上荷重」を、大きく設定することができる。
【0033】
図7は本発明に係る小型管理機の作用図(その1)である。
耕耘作業中に、第1・第2耕耘爪14・・・,15・・・が石などの固い埋蔵物Bに当ったときには、耕耘反力によって矢印U方向に跳び上がり現象(ダッシング現象とも言う。)が発生する。このときの耕耘反力である衝撃エネルギーは、第1・第2耕耘爪14・・・,15・・・から耕耘軸13を介してエンジン11や動力伝達機構12に伝わる。
操作ハンドル40から下方へ延びた抵抗棒93は、土Grの中に差込んであるので、跳び上がり現象に対して抵抗力を有する。このため、抵抗棒93並びに操作ハンドル40は跳び上がり現象の影響を受けにくく、安定した状態にある。
【0034】
図8は本発明に係る小型管理機の作用図(その2)である。
安定した状態の操作ハンドル40に対し、エンジン11並びに動力伝達機構12は、衝撃エネルギーによって上方へスイングする。この結果、衝撃エネルギーを吸収することができる。操作ハンドルが跳び上がらずに安定しているので、操縦性が高まる。従って、耕耘作業は容易である。
【0035】
さらには、動力伝達機構12は上方へスイングすることで、操作ハンドル40に対して接近する。このため、衝撃エネルギーは動力伝達機構12からブラケット33L,33R、クロスメンバ61並びにコ字状ホルダ63を介して緩衝部材64の前端部64aを押す。緩衝部材64は、衝撃エネルギーの大きさに応じたストロークだけ退縮することにより、衝撃エネルギーを十分に吸収する。
しかも、衝撃エネルギーを吸収した緩衝部材64の反発力を利用して第1・第2耕耘爪14・・・,15・・・(図7参照)で再び耕耘力に利用できる。
【0036】
次に、小型管理機10の変形例を説明する。なお、同一構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
図9は本発明に係る小型管理機(第1変形例)の側面図である。
第1変形例の小型管理機10は、抵抗棒93を動力伝達機構12の後部から下方へ延したことを特徴とする。すなわち、左右のブラケット33L,33Rの後部下部にアーム91をボルト止めし、アーム91に保持部92を介して抵抗棒93を取付けた。
跳び上がり現象が発生したとき、抵抗棒93が土中に食い込むことで、エンジン11や動力伝達機構12のスイングを抑制する。動力伝達機構12の跳び上がり現象を一層抑制することができる。
【0037】
図10は本発明に係る小型管理機(第2変形例)の側面図である。
第2変形例の小型管理機10は、抵抗棒93を操作ハンドル40から下方へ延し、さらに、緩衝部材64の前端部64aをエンジン11に上下スイング可能に直接取付けたことを特徴とする。
【0038】
図11は本発明に係る小型管理機(第3変形例)の側面図である。
第3変形例の小型管理機10は、抵抗棒93を動力伝達機構12の後部から下方へ延し、さらに、緩衝部材64の前端部64aをエンジン11に上下スイング可能に直接取付けたことを特徴とする。
【0039】
図12は本発明に係る小型管理機(第4変形例)の側面図である。
第4変形例の小型管理機10は、抵抗棒93を操作ハンドル40から下方へ延し、さらに、緩衝部材64の前端部64aを動力伝達機構12に上下スイング可能に直接取付けたことを特徴とする。
【0040】
図13は本発明に係る小型管理機の参考例の側面図である。
参考例の小型管理機10は、抵抗棒93を動力伝達機構12の後部から下方へ延し、さらに、緩衝部材64の前端部64aを動力伝達機構12に上下スイング可能に直接取付けたものである。
【0041】
図14は本発明に係る小型管理機(第5変形例)のサスペンション周りの側面断面図である。
第5変形例の小型管理機10は、サスペンション100が、操作ハンドル40に対してエンジン11並びに動力伝達機構12が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材64のストロークの割合が大きく変化する、プログレッシブ・サスペンションであることを特徴とする。
【0042】
図15は本発明に係る小型管理機(第5変形例)のサスペンション周りの斜視図であり、サスペンション100の具体的な構成を示す。
サスペンション100は、リンク機構110と緩衝部材64の組合せ構造である。リンク機構110は、エンジン11(図14参照)の後部に左右の第1リンク114L,114Rを上下スイング可能に取付け、操作ハンドル40に左右の第2リンク115L,115Rを前後スイング可能に取付け、第2リンク115L,115Rに第1リンク114L,114Rを連結することで、エンジン11並びに動力伝達機構12の前後スイングに対応して折曲げ自在な、「く」の字リンク(横向きのVの字状リンク)である。第1リンク114L,114Rは第2リンク115L,115Rよりも長い。緩衝部材64は、一端部64aを第1リンク114L,14Rと第2リンク115L,115Rと間の連結部117に取付け、他端部64bを操作ハンドル40の下部に前後スイング可能に連結したものである。以下、サスペンション100の詳細な構成について説明する。
【0043】
図16は図14の16−16線断面図であり、エンジン11のケース17の左右両側部に、ボルト111・・・にて左右一対の上部ブラケット112L,112Rを取付け、上部ブラケット112L,112Rを後方へ延し、その後端部に連結ボルト113にて左右の第1リンク114L,114Rの前端部を上下スイング可能に取付け、第1リンク114L,114Rを後方へ延し、その後端部に左右の第2リンク115L,115Rの上端部を連結ボルト116にて連結して、連結部117をなし、連結部117に連結ボルト116にて緩衝部材64の一端部64aを前後スイング可能に連結したことを示す。121,122,122はスペーサである。
【0044】
図17は図14の17−17線断面図であり、(1)ハンドルポスト部42の左右の脚部41,41の間で、車体中央CLに緩衝部材64を配置したこと、及び、(2)左右の第2リンク115L,115Rの下端部を、連結ピン118L,118Rにて左右の脚部41,41に前後スイング可能に取付けたことを示す。
さらにこの図は、ピボット部50のクロスパイプ51に、左右2個の板材91a,91aからなる抵抗棒保持用のアーム91を取付け、板材91a,91a間の上部に連結ボルト123にて緩衝部材64の他端部64bを上下スイング可能に取付けたことを示す。124,124はスペーサである。
【0045】
図18(a),(b)は本発明に係るサスペンション(第5変形例)の原理図である。
(a)はサスペンション100の側面図であり、点C,P1,Q1,O1,O2及び線L1〜L4を次のように定義する。
C…操作ハンドル40のスイング中心。
P1…上部ブラケット112L,112Rに第1リンク114L,114Rを連結した点。
Q1…第1リンク114L,114Rに第2リンク115L,115R及び緩衝部材64の一端部64aを連結した点。
O1…操作ハンドル40に第2リンク115L,115Rを連結した点。
O2…操作ハンドル40に緩衝部材64の他端部64bを連結した点。
L1…点Cと点P1とを結ぶ線
L2…点P1と点Q1とを結ぶ線
L3…点O1と点Q1とを結ぶ線
L4…点O2と点Q1とを結ぶ線
【0046】
線L1,L2,L3の長さは一定である。線L3、線L2、線L4、線L1の各長さは、線L3が最も短く、この並びの順に大きい(L3<L2<L4<L1)。線L3は線L4のほぼ線上にある。線L1と線L2と線L4とは、概ね三角形に配列している。
エンジン11並びに動力伝達機構12が点Cを中心に、矢印N方向(図時計回り方向)にスイングして、操作ハンドル40に接近するとき、線L1も矢印N方向にスイングする。
【0047】
(b)は上記(a)を模式的に表したものである。
線L1が点P1上の初期位置にあるとき、線L4の長さはY1である。
その後、線L1を矢印N方向へスイング角α1だけスイングさせると、点P1は点P2の位置に変位する。点P1の変位に応じて、線L2は図右へ移動する。線L2の移動に応じて、線L3は点O1を中心に図時計回り方向へスイング角β1だけスイングする。この結果、点Q1は点Q2の位置に変位する。点Q1の変位に応じて、線L4は点O2を中心に図時計回り方向へスイング角θ1だけスイングする。このときの線L4の長さはY2であり、長さY1よりも小さい。Y1とY2の差Δ1は、Y1−Y2である(Δ1=Y1−Y2)。
【0048】
その後、線L1を矢印N方向へスイング角α2だけ更にスイングさせる。但し、スイング角α2はスイング角α1と同一である(α1=α2)。この結果、点P2は点P3の位置に変位する。点P2の変位に応じて、線L2は図右へ更に移動する。線L2の移動に応じて、線L3は点O1を中心に図時計回り方向へスイング角β2だけスイングする。この結果、点Q2は点Q3の位置に変位する。点Q2の変位に応じて、線L4は点O2を中心に図時計回り方向へスイング角θ2だけスイングする。このときの線L4の長さはY3であり、長さY2よりも小さい。Y2とY3の差Δ2は、Y2−Y3である(Δ2=Y2−Y3)。
【0049】
線L1の長さに比べて線L3の長さが小さいので、線L1のスイング半径に比べて線L3スイング半径は小さい。しかも、点Cに対して点O1は異なる位置にある。このため、線L1が矢印N方向へスイングするときの、スイング角が大きくなるにつれて、このスイング角に対する線L3のスイング角の割合は、大きくなる。
【0050】
例えば、線L1のスイング角がα1のときに、線L3のスイング角はβ1である。しかし、線L1のスイング角がα1と同角のα2であるときに、線L3のスイング角はβ1よりも大きいβ2になる。この結果、線L4のスイング角はθ1よりもθ2が大きくなる。このため、Δ1よりもΔ2が大きくなる。以上の説明を整理すると、α1=α2のときに、β1<β2、θ1<θ2であり、この結果、Δ1<Δ2である。
【0051】
すなわち、(a)に示すサスペンション100は、操作ハンドル40に対してエンジン11並びに動力伝達機構12が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材64のストロークの割合が大きく変化する。このような作用をなすサスペンション100は、プログレッシブ・サスペンションであると言える。エンジン11並びに動力伝達機構12がスイング角α1やα2だけスイングしたとき、緩衝部材64はΔ1やΔ2に相当する分だけ短くなる。
【0052】
図19は本発明に係る小型管理機(第5変形例)の作用図である。
小型管理機10で耕耘作業中に、跳び上がり現象が発生したとき、耕耘反力である衝撃エネルギーが上向き力としてエンジン11並びに動力伝達機構12に作用する。安定した状態の操作ハンドル40に対し、エンジン11並びに動力伝達機構12が上方へスイングすることにより、衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0053】
さらには、衝撃エネルギーはエンジン11から上ブラケット112L,112R、連結ボルト113、第1リンク114L,114R、連結ボルト116を介して、緩衝部材64の一端部64aを押す。緩衝部材64は、衝撃エネルギーの大きさに応じたストロークだけ退縮することにより、衝撃エネルギーを十分に吸収する。
【0054】
しかも、サスペンション100がプログレッシブ・サスペンションであるから、緩衝部材64は、小さい衝撃エネルギーに対しては小さいストロークで吸収し、大きい衝撃エネルギーに対しては大きいストロークで吸収する。従って、衝撃エネルギーを一層効果的に吸収するとともに、耕耘作業を一層容易にする。
さらには、リンク機構110において、第1リンク114L,114Rに対する第2リンク115L,115Rの長さの割合を適宜設定することにより、緩衝部材64のストロークを大きくすることができるので、衝撃エネルギーを緩衝部材64にて、より一層十分に吸収することができる。
【0055】
なお、上記本発明の実施の形態において、(1)動力源11はエンジンに限定するものではなく、例えば電動モータであってもよい。
(2)操作ハンドル40は、車体中央CLを通る1本ハンドルとしてもよい。
(3)図14〜図19に示す第5変形例において、第1リンク114L,114Rをエンジン11ではなく動力伝達機構12に取付けてもよく、また、抵抗棒93を動力伝達機構12の後部から下方へ延してもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、動力源の駆動力で動力伝達機構を介して耕耘軸を回転させ、この耕耘軸に備えた耕耘爪の回転により耕耘し、更に耕耘爪にて走行する小型管理機であって、土中に差込む抵抗棒を備えた小型管理機において、動力源の後部又は動力伝達機構の後部に、操作ハンドルを上下スイング可能に取付けるとともに、抵抗棒を該操作ハンドルと一体化することで、抵抗棒が土中に差し込まれた耕耘作業中において、耕耘反力による上方への衝撃エネルギーが耕耘爪に作用したときに、抵抗棒と一体化した操作ハンドルに対して、耕耘爪、動力源並びに動力伝達機構が上方にスイング動し得るように構成したので、抵抗棒を土中に差込むことにより安定した状態の操作ハンドルに対して耕耘爪、動力源並びに動力伝達機構が上方へスイングすることにより、衝撃エネルギーを吸収することができる。操作ハンドルが跳び上がらずに安定しているので、小型管理機の操縦が常に容易であり、耕耘作業が一層容易になる。
【0057】
請求項2は、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が上方にスイングしたときに緩衝するための緩衝部材を、動力源又は動力伝達機構と操作ハンドルとの間に介在させたので、動力源並びに動力伝達機構が上方へスイングしたときに、衝撃エネルギーを緩衝部材にて十分に吸収することができる。しかも、衝撃エネルギーを吸収した緩衝部材の反発力を利用して耕耘爪で再び耕耘力に利用できる。
【0058】
請求項3は、動力源の後部又は前記動力伝達機構の後部に第1リンクを上下スイング可能に取付け、操作ハンドルに第2リンクを前後スイング可能に取付け、第2リンクに第1リンクを連結することで、動力源並びに動力伝達機構の前後スイングに対応して折曲げ自在なリンク機構を構成し、第1・第2リンク間の連結部に緩衝部材の一端を前後スイング可能に連結し、この緩衝部材の他端を操作ハンドルに前後スイング可能に連結したので、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材のストロークの割合を大きく変化させることができる。このため、緩衝部材は、小さい衝撃エネルギーに対しては小さいストロークで吸収し、大きい衝撃エネルギーに対しては大きいストロークで吸収する。従って、衝撃エネルギーを一層効果的に吸収するとともに、耕耘作業を一層容易にして、駆動力を確保することができる。
さらには、リンク機構によって、緩衝部材のストロークを大きくすることができるので、衝撃エネルギーを緩衝部材にて、より一層十分に吸収することができる。
【0059】
請求項4は、抵抗棒を操作ハンドルから下方へ延したので、耕耘作業中に、操作ハンドルに適切な下向き操作力を掛けることで、土中への抵抗棒の差込み長さを調整して、耕深量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る小型管理機の側面図
【図2】 本発明に係る小型管理機の背面図
【図3】 本発明に係る小型管理機の操作ハンドル取付け構造の側面断面図
【図4】 図3の4−4線断面図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図3の6−6線断面図
【図7】 本発明に係る小型管理機の作用図(その1)
【図8】 本発明に係る小型管理機の作用図(その2)
【図9】 本発明に係る小型管理機(第1変形例)の側面図
【図10】 本発明に係る小型管理機(第2変形例)の側面図
【図11】 本発明に係る小型管理機(第3変形例)の側面図
【図12】 本発明に係る小型管理機(第4変形例)の側面図
【図13】 本発明に係る小型管理機の参考例の側面図
【図14】 本発明に係る小型管理機(第5変形例)のサスペンション周りの側面断面図
【図15】 本発明に係る小型管理機(第5変形例)のサスペンション周りの斜視図
【図16】 図14の16−16線断面図
【図17】 図14の17−17線断面図
【図18】 本発明に係るサスペンション(第5変形例)の原理図
【図19】 本発明に係る小型管理機(第5変形例)の作用図
【符号の説明】
10…小型管理機、11…動力源(エンジン)、12…動力伝達機構、13…耕耘軸、14,15…耕耘爪(第1・第2耕耘爪)、40…操作ハンドル、60…サスペンション、64…緩衝部材、93…抵抗棒、100…サスペンション、110…リンク機構、114L,114R…第1リンク、115L,115R…第2リンク、117…連結部。
Claims (4)
- 動力源の駆動力で動力伝達機構を介して耕耘軸を回転させ、この耕耘軸に備えた耕耘爪の回転により耕耘し、更に耕耘爪にて走行する小型管理機であって、土中に差込む抵抗棒を備えた小型管理機において、
前記動力源の後部又は動力伝達機構の後部に、操作ハンドルを上下スイング可能に取付けるとともに、前記抵抗棒を該操作ハンドルと一体化することで、
前記抵抗棒が土中に差し込まれた耕耘作業中において、耕耘反力による上方への衝撃エネルギーが前記耕耘爪に作用したときに、前記抵抗棒と一体化した操作ハンドルに対して、前記耕耘爪、動力源並びに動力伝達機構が上方にスイング動し得るように構成した、
ことを特徴とする小型管理機。 - 前記操作ハンドルに対して前記動力源並びに動力伝達機構が上方にスイングしたときに緩衝するための緩衝部材を、動力源又は動力伝達機構と操作ハンドルとの間に介在させたことを特徴とする請求項1記載の小型管理機。
- 前記動力源の後部又は前記動力伝達機構の後部に第1リンクを上下スイング可能に取付け、前記操作ハンドルに第2リンクを前後スイング可能に取付け、第2リンクに第1リンクを連結することで、動力源並びに動力伝達機構の前後スイングに対応して折曲げ自在なリンク機構を構成し、前記第1・第2リンク間の連結部に緩衝部材の一端を前後スイング可能に連結し、この緩衝部材の他端を前記操作ハンドルに前後スイング可能に連結することにより、操作ハンドルに対して動力源並びに動力伝達機構が接近する方向にスイングするにつれて、所定スイング量当りの緩衝部材のストロークの割合が大きく変化するように構成したことを特徴とする請求項1記載の小型管理機。
- 前記抵抗棒を前記操作ハンドルから下方へ延したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のいずれか1項に記載の小型管理機。
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