JP3918416B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関するものであり、特に液晶パネルをライトバルブとして利用する液晶プロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタでは、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニットから出射した光は、3枚の反射ミラー及び2枚のダイクロイックミラーによって、R(赤)G(緑)B(青)の3色に分けられ、各色に対応するライトバルブR、G及びBに各々導かれる。ライトバルブR、G及びBにより各々変調された3色の光は、ダイクロイックプリズムにより再度合成された後、投射レンズを介してスクリーンにカラー画像として投射されるというものである。
光源から出る光は通常ランダムに偏光しており、偏光を一方向に揃える偏光変換光学系を備えない構成の液晶プロジェクタにおいては、液晶パネルの入射側偏光板で光源からのランダム偏光から直線偏光を分離している。これまでの偏光板は光を吸収する方式であり、入射側偏光板に入射した光のおよそ半分は入射側の偏光板で吸収される。つまり光源の入射光の半分は利用されていないことになる。そこで、これまで入射側偏光板で吸収されていた光を有効に活用するために、偏光ビームスプリッタとλ/2波長板を組み合わせた偏光変換光学系が提案されている。光源からのランダム偏光光を一方向の偏光方向に揃えることによって光源からの光を効率良く利用する方法が採用されている。
ここで、ライトバルブにはツイストネマティック(TN)モードの液晶パネルが広く用いられている。TNモードの液晶パネルは光の偏光を制御するもので、偏光状態の変化を検出し明るさの情報に変換するために、液晶パネルの入射側と出射側にそれぞれ一枚の偏光板を必要とする。入射側の偏光板で特定方向の偏光を取り出し、ライトバルブで偏光状態を変調し、出射側の偏光板で必要な光だけを取り出している。ここで用いられる偏光板はヨウ素や染料等の二色性物質を延伸フィルムに吸着させ支持体で挟んだ構造を持つ光吸収型が一般的に使用されている。こうした光吸収型偏光板は、消光比が高く、加工が容易という利点を持つ一方で、熱に弱い、また偏光板の透過軸を直交配置したときの波長依存性が強いという欠点を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の投射型表示装置、特に偏光変換光学系を備えない構成では液晶パネルの入射側偏光板が光を吸収するため、メタルハライドランプのように高輝度なランプを使用した場合、入射側偏光板が容易に加熱され、偏光分離性能が劣化するだけでなく、発熱が著しい場合、偏光板が焼損する恐れがあった。また、ライトバルブ駆動時にはライトバルブを出射する光の偏光状態の変化を出射側の偏光板で検光するため、出射側の偏光板でも光の吸収が起こる。これは入射側同様に偏光板の発熱につながり、偏光分離機能の低下を引き起こしてしまうという問題があった。さらに偏光板を貼りつけてある基板が熱により膨張することで、基板に応力による複屈折が生じて光の偏光度が低下し、輝度むらや色むらの原因となっていた。
一方、偏光変換光学系を備えた構成ではライトバルブ入射側の偏光板による吸収は少ない。しかし、ライトバルブに入射する光量は偏光変換光学系を使用しない場合に比べ倍増しており、ライトバルブ駆動時のライトバルブ出射側の偏光板の光吸収による温度上昇も増大してしまう。これは偏光照明系を備えない構成以上に、出射側偏光板の偏光分離機能を低下させる要因となっていた。このような偏光分離機能の低下は投射型表示装置のコントラスト低下を引き起こすという問題があった。
また、光吸収型の偏光板は波長依存性が強いため、複数のライトバルブを用いて分離した色ごとに変調する多板方式の投射型表示装置においては、分離する色ごとに偏光板の特性を最適化しなければ、透過率、消光比等、十分な特性が得られないため、各色のライトバルブごとにそれぞれ2枚の偏光板が必要となること、偏光板の配置が光源からの光を色分離した後に限定され、光学系の設計上の制約となるという問題点があった。
そこで、本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、耐熱性や耐光性に優れた光学系の構成を提案することにより、明るく、コントラストの高い投射型表示装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る投射型表示装置は、
光源と、光源からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と色分離手段によって分離された光を、各々ライトバルブに導く複数の反射ミラーと、反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段から構成される投射型表示装置において、光源とライトバルブの間の少なくとも1ヶ所に構造複屈折型偏光板を配置したことを特徴とする。
構造複屈折型偏光板は波長依存性が光吸収型に比べ小さいことから、色分離の前後に関係なく配置することができ、従って、光学特性、各光学素子のレイアウトや冷却のしやすさ等の条件を考慮して最適な場所に配置することが可能である。
【0005】
例えば、反射板ミラーと偏光板の機能を兼用させるために、少なくとも1つの前記反射ミラーの代わりに、該光源側から入射する光を反射して該ライトバルブ側へ出射する前記構造複屈折型偏光板を配置することもできる。
ここで、前記構造複屈折型偏光板の配置は、前記反射ミラーの配置と同じように、光軸に対して略45度とするのがよい。略45度に配置することで、色分離手段からの光をライトバルブに導くという反射ミラーの機能を保ちつつ、不要な偏光成分を除去することが可能となる。
【0006】
また、構造複屈折型偏光板は、微細構造の形状寸法を周期を可視光より十分小さくすることで高い偏光分離機能を発現することができる。すなわち見かけ上周期を短くできるように入射光に対して傾いた状態で使用すれば消光比の高い状態を実現できる可能性がある。従って、消光比を重視する場合には、前記構造複屈折型偏光板が前記複数のライトバルブ毎に、略45度に配置するのが良い。
本発明に係る構造複屈折型偏光板の配置は各光学部品が平面内に配置される投射型表示装置のみならず、色分離手段と色合成手段が立体的に配置される構成についても適用することができる。すなわち、前記色分離手段の入射面以外の3つの出射面に面し、光軸に対して略45度傾けて設けられた前記反射ミラーと、該反射ミラーのそれぞれから出射する光を変調する前記ライトバルブと、該ライトバルブの入射側、出射側に配置された偏光板と、前記色合成手段の出射面以外の3つの入射面に面し、前記ライトバルブからの光の光軸に対して略45度傾けて配置された反射ミラーによって構成される投射型表示装置において、偏光変換光学系を備えない構成の場合には、前記ライトバルブ入射型に配置された、偏光板及び反射ミラーの代わりに、反射ミラーの配置されていた位置に構造複屈折型偏光板を光軸に対して略45度傾けて配置することで反射ミラーと偏光板の機能を同時に実現できる。また、偏光変換光学系を備えた構成においては、ライトバルブ出射側の、偏光板及び反射ミラーの代わりに、出射型反射ミラーの配置されていた位置に構造複屈折型偏光板を光軸に対して略45度傾けて配置することができる。この構造をとると、耐熱性を上げることができるだけでなく、設計の自由度を高くなり、光学系をコンパクトにしやすい。また、RGBすべての光路において容易に反射ミラーと構造複屈折型偏光板の機能を兼用させることができる。
さらに、前記構造複屈折型偏光板の出射側に光吸収型偏光板を配置すると、前記構造複屈折型偏光板で除去できなかった不要な偏光成分を光吸収型偏光板で吸収することができ高いコントラストが得られる。この構成では構造複屈折型偏光板でほとんとどの不要な偏光成分が除去されているため、光吸収型偏光板での光吸収はわずかとなり、光吸収型偏光板の帯熱を抑えることができる。従って、耐熱、耐光性と、高い偏光特性をとを両立させることができる。同じく、前記構造複屈折型偏光板の出射側に光反射型偏光板を配置することで不要な偏光成分を取り除くことが可能である。
【0007】
また、本発明の投射型表示装置では、光源と、光源からのランダムな偏光を一方向に揃える偏光変換手段と、偏光変換手段からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と色分離手段によって分離された光を、各々ライトバルブに導く複数の反射ミラーと、反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、該複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段を備えた投射型表示装置において、出射側の偏光板が構造複屈折型偏光板であり、該構造複屈折型偏光板が該
色合成手段と該ライトバルブの間に配置されていることを特徴とする。
偏光変換光学系を備えた投射型表示装置においては、ライトバルブ入射側偏光板へは偏光方向の揃った光が入射するため、光の吸収による帯熱は少ない。一方出射側の偏光板の熱吸収が大きくなるため耐熱性の高い構造複屈折型偏光板の配置も出射側にすることが望ましいことになる。
ここで、前記構造複屈折型偏光板が前記複数のライトバルブ毎に、略45度に配置するとより高い消光比を得ることができる。
また、ライトバルブ出射側への構造複屈折型偏光板の配置は前記色分離手段と前記色合成手段が積み重ねて配置される投射型表示装置にも適用可能であり、出射側偏光板の帯熱を防止することができる。
次に、本発明の投射型表示装置は、前記偏光変換光学系を備えた多板式投射表示装置において、ライトバルブ出射側の偏光板が構造複屈折型偏光板であり、色合成手段の内部に色合成膜と重ねて配置されていることを特徴とする。光吸収型偏光板は熱を持つため冷却しなければならず、ファンによる風があたる位置になければならない。本発明で用いた構造複屈折型偏光板は冷却の必要がないため色合成手段の内部に形成することが可能となる。ここで用いる色合成手段は小型で色合成機能に優れたダイクロイックプリズムを使うのが良い。
さらに、ダイクロイックプリズム内部の少なくとも一つのサブプリズムに積層された色合成膜に構造複屈折型偏光板を重ねて配置することで、コンパクトな光学系が実現できる。
構造複屈折型偏光板は色合成手段内部に形成されていれば偏光板としての機能を持つため、色合成膜と平行でない配置をとることもできる。色合成膜の透過、反射特性の偏光方向依存性に応じて、偏光板の透過軸を調節することができるためより自由度の高い設計が可能となり、投射型表示装置の色再現性、コントラストを向上させることができる。
【0008】
また、ライトバルブ出射側に配置された、前記構造複屈折型偏光板のさらに出射側に光吸収型偏光板を配置すると、構造複屈折型偏光板で除去できなかった不要な偏光成分を取り除くことができる。構造複屈折型偏光板の出射側に配置する偏光板は、光反射型偏光板を用いても同様の機能を果たすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[実施例1]
図1は、実施例1の投影表示装置の全体構成図である。
メタルハライドランプ等の白色の光源1から発せられたランダムな偏光は、フライアイインテグレータ206、集光レンズ201を通過した後、集光レンズ201とダイクロイックミラー401の間に配置された構造複屈折型偏光板3に入射する。ここで、フライアイインテグレータ206は複数の矩形状レンズがマトリックス状に配置された2枚のレンズアレイで、第一のレンズアレイで複数の光束に分割され、第2のレンズアレイの各レンズでライトバルブを照明するもので、各レンズからの光束を重ねあわせることによってライトバルブ上で均一な光強度が得られる。次に、構造複屈折型偏光板3に入射した光は後述する作用により、構造複屈折型偏光板3に形成されたストライプに平行な偏光成分(図2におけるTE方向)は反射し、ストライプに垂直な偏光成分(図2におけるTM方向)は透過する。その際、構造複屈折型偏光板3での吸収は構造複屈折型偏光板を形成する材料に依存し、吸収率の小さい材料を選択することによって構造複屈折偏光板での光損失を抑えることができる。また光吸収による発熱を低減することができる。
次に、構造複屈折型偏光板3を通過した光はダイクロイックミラー401、402でR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分に分離された後、Gは直接、RとBは反射ミラー501〜503で導かれて、各色に対応するライトバルブR601、G602、B603に各々入射する。この際、B(青)光は、光路長がR、Gの光と異なる。それを補正するために、リレーレンズ202、203、204からなるリレーレンズ系を介して導かれる。そして、ライトバルブR601、G602及びB603により各々変調された3つの光は、各々偏光板701、702、703を通過、さらにダイクロイックプリズム9により再度合成された後、投射レンズ205を介してスクリーン8にカラー画像として投射される。
【0011】
(本形態の作用)
次に、本発明で用いた構造複屈折型偏光板の概略を図2に示す。屈折率の異なる2種類の等方性を持つ、誘電体A301、誘電体B302が交互に並んだ周期構造を有する。光の波長が、誘電体A301、B302からなる周期構造のピッチよりも十分に大きい場合、この構造は光に対して負の一軸性結晶と同様に作用する。すなわち、図2に示したTEとTMの偏光方向の光に対して、
で与えられる。ここで、
aは誘電体A301の厚み、bは誘電体B302の厚み、n1は誘電体A301の屈折率、n2は誘電体B302の屈折率である。
ここで、誘電体A301,誘電体B302のどちらかが入射光線の波長において反射する性質を持っている場合、TEの光は反射し、TMの光は透過するという性質を持つ。本発明の構造複屈折型偏光板3はこれを利用したもので、TM成分は透過させ、TE成分を反射させることで偏光の分離を行うものである。
光源の波長に対して反射率が高く吸収が少ないことから、誘電体A301,B302のどちらかには金属、あるいは誘電体多層膜を用い、他方の誘電体には空気を用いるのが良い。
本発明の構造複屈折型偏光板3は次の様な方法で作製することができる。まずガラス基板上に塗布した感光性樹脂に、ホログラフィック2光束干渉露光法を用いて露光、現像し、周期構造を形成する。次に周期構造の形成された感光性樹脂に金属、あるいは誘電体多層膜を蒸着あるいはスパッタにて膜を形成する。最後に感光性樹脂を取り除くことにより、金属と空気からなる周期構造が形成される。 最初にガラス基板上に金属、あるいは誘電体の多層膜をスパッタ等により形成し、その上に感光性樹脂を塗布、露光、現像する方法をとることも可能である。
製造方法はここで述べた方法に限定されず、所望の波長、本実施例の場合、可視光の波長より十分小さいピッチの周期構造が形成できる手段であれば良い。例えば電子線描画による方法、紫外線リソグラフィ、X線リソグラフィー法等を使用することも可能である。
本発明の第一の実施例では、構造複屈折型偏光板3を集光レンズ201とのダイクロイックミラー401の間に配置している。これは構造複屈折型偏光板の波長依存性が光吸収型偏光板に比べ小さいという特性を活かして、色分離する前に偏光板を配置したものである。通常3板方式の投射型表示装置においては各色のライトバルブごとに入射型の偏光板1枚、計3枚が必要であるが、本発明の第一の実施例の構成をとると、1枚の構造複屈折型偏光板で、同等の機能を果たすことができる。
もちろん、光源1とライトバルブ601〜603の間であればどの位置でも光源1から特定方向の偏光成分を取り出すことが可能であるため、よりコントラストを重視する場合には、色分離後に配置することもできる。
図3は、図14に示した従来の投射型表示装置における光吸収型偏光板の代わりに構造複屈折型偏光板をライトバルブと平行に配置した構成を示している。図3の構成は従来の投射型表示装置とほぼ同じであるが、偏光板での熱の発生を防止することができ、耐熱、耐光性に優れた、明るい、コントラストの高い投射型表示装置が実現できる。
また、本発明の実施例1の構成では、ダイクロイックミラーと平行、すなわち光軸に対して略45度になるように配置しているが、光軸に対する角度も異なる値に設定しても問題はない。構造複屈折型偏光板3の法線に対する入射光線の角度が大きくとると、見かけ上周期構造のピッチが短くなるため、光軸に垂直に構造複屈折型偏光板を配置した場合に比べ、特に短い波長に対する偏光分離特性を向上させることができる。
また、図1、図3の構成に加えて光吸収型の偏光板を構造複屈折型偏光板3とライトバルブ601〜603の間に配置することも可能である。構造複屈折型偏光板と光吸収型の偏光板の透過軸を互いに平行に配置すると、構造複屈折型偏光板で分離されずに透過してくる不要な偏光成分を光吸収型の偏光板で吸収することができるため、ライトバルブに入射する光の偏光度をさらに高めることができる。光吸収型偏光板単体では発熱してしまうが、構造複屈折型偏光板と組み合わせて使うことで吸収する光の量を減らすことができるため温度上昇を低減することができる。ここで、構造複屈折型偏光板の出射側に配置して不要な偏光成分を除去するために、反射型偏光板を用いることも可能である。反射型偏光板と組み合わせると、光吸収型偏光板と組み合わた場合よりも光吸収が減り、さらに耐熱性を高くすることができる。
【0012】
[実施例2]
図4は本発明の第2の実施例における投射型表示装置の光学系の概略を示すものである。図14に示した従来の投射型表示装置の構成において、光路中に配置された反射ミラー501と503を構造複屈折型偏光板3で置き換えたものである。構造複屈折型偏光板3に形成されたストライプに平行な偏光成分(図2におけるTE成分)がライトバルブに入射し、ストライプに垂直な成分(図2におけるTM成分)は透過する。ここで、反射構造複屈折型偏光板は光軸に対して略45度に配置するのがよい。略45度に設定することで、反射ミラーとしての機能を損ねること無く偏光光の分離を行うことができる。
実施例2の構成は、R、G、Bの内、どれか1つあるいは2つの色の光路におけるライトバルブ入射側の偏光板の熱の発生を解消したい場合に特に有効である。
図4の構成によると、RとBの光路における温度上昇による偏光分離性能劣化を防止することができる。ダイクロイックミラーを波長特性の異なるものと入れ替えてやれば、R、Bのみならず、Gについても、偏光板の熱対策が可能である。
【0013】
[実施例3]
本発明の実施例2の構成はRGBの3色の光束のうち少なくともどれか1つの色に対応するライトバルブの入射側偏光板の耐熱性を高めるためのものであった。実施例3の構成は、RGB全てのライトバルブの入射側偏光板について耐熱性を高めることを目的としている。図5に、本発明の実施例3に係る投射表示装置の光学系の概略を示す。光源1から出射した光は、インテグレータ光学系206、集光レンズ201を透過した後、ダイクロイックミラー401でBの光は反射、GとRは透過する。(ダイクロイックミラーの波長特性を変えてR透過、G、R反射とする構成としてもよい。ここでは、Bの光を反射させる構成について説明する。)Bの光は反射ミラー502で反射した後、反射ミラーを兼用している構造複屈折型偏光板306で偏光分離作用を受け、特定の方向の偏光成分のみがBのライトバルブ603に入射する。一方、ダイクロイックミラーを透過したGとRの光は第2のダイクロイックミラー402でGの光は反射、Rの光は透過する。さらに、G、Rの光はそれぞれ反射ミラー兼用構造複屈折型偏光板305、306で偏光分離され、それぞれライトバルブ602、601に入射する。
実施例3の構成ではRGB全ての光束に対して耐熱性の高い構造複屈折型偏光板で偏光分離することができるため、耐熱性が高いだけでなく、より色再現性を高くすることができる。また、反射ミラーを兼用しているため光学系のコンパクト化が容易である。
さらに、図4、図5のいずれの構成においても、構造複屈折型偏光板304、305、306の出射側に光吸収型の偏光板、あるいは反射型偏光板を配置することでライトバルブに入射する光の偏光度を高くできるのは第1の実施例の場合と同じである。
【0014】
[実施例4]
次に本発明の第4の実施例について図6を基に説明する。
第1の実施例では光源からのランダムな偏光を偏光板を通過させて直線偏光を取り出していた。この場合、残りの偏光成分は反射または吸収されるため光の利用効率を落とす原因となっていた。そこで、図6に示すような偏光分離素子とλ/2波長板から構成される偏光変換光学系が提案され広く使われるようになった。
偏光変換光学系301では次のように光の偏光方向が揃えられる。まず、光源1から出射したランダムな偏光は偏光分離素子で2つの偏光成分に分けられる。そのうち第1の偏光成分の光は偏光状態を保ったまま偏光変換光学系を出射する。一方、第2の偏光成分は、偏光分離素子で反射された後、ミラーで再び反射されλ/2波長板に入射する。λ/2波長板で偏光方向を90度回転させられ、第1の偏光成分と同じ偏光方向を持つようになる。こうして偏光方向の揃った光が偏光変換光学系301から出射することになる。この光は、次にダイクロイックミラー401、402でR、G、Bに分離されたのち、直接、あるいは反射ミラー501、502、503で導かれて、それぞれライトバルブ入射側の偏光板704、705、706に入射する。入射光の偏光方向と、偏光板704、705、706の透過軸を平行に配置してあるため、入射側偏光板での吸収は少なく熱による偏光分離機能の低下はほとんどない。次にライトバルブ601、602、603に入射した光は、各々映像信号に応じて変調される。本発明の実施例3の構成では、ライトバルブの出射側に構造複屈折型偏光板がライトバルブに略平行に配置される。ライトバルブを出射した光は構造複屈折型偏光板で不要な偏光成分は反射され、必要な偏光成分のみが透過する。透過したRGBの各光束はダイクロイックプリズム9で合成され投射レンズ205でスクリーン8に投影される。構造複屈折型偏光板での光吸収が微少であるため熱による偏光分離機能の劣化はなく、高輝度ランプに対しても優れた耐光性、耐熱性を示す。
構造複屈折型偏光板の配置は図7の主要部分拡大図に示したように、光軸に対して構造複屈折型偏光板を傾けた構成としてもよい。前述したように見かけ上構造複屈折型偏光板の微細構造の周期を小さくすることができ、広い波長範囲にわたり消光比を高くすることができる。また、構造複屈折型偏光板からの反射光が直接ライトバルブに入射するのを防止できる。
【0015】
[実施例5]
ライトバルブ出射側の構造複屈折型偏光板を色合成手段の内部に形成したのが図8の構成図に示す本発明の実施例5である。ダイクロイックプリズム9の色合成膜901上に構造複屈折型偏光板3を形成した構成を持つ。図9はダイクロイックプリズム9を拡大したものである。構造複屈折型偏光板3を透過する成分を利用して投射レンズに導くために、ダイクロイックプリズム9の色合成膜901と構造複屈折型偏光板3は図9のように構成されている。Rの光路を例にとって光が投射レンズ205に導かれる様子を説明する。Rのライトバルブ601からダイクロイックプリズム9内部に入射した光Aは領域Aでは色合成膜901に最初に入射するため、色合成膜901で反射し、次に領域Bに形成された構造複屈折型偏光板3で偏光分離され、不要な成分は反射される。透過した光はさらに領域Bの色合成膜902を透過し、投射レンズ205へと入射する。一方、光Bはまず領域Bの構造複屈折型偏光板3で偏光分離され不要な成分は反射される。透過した偏光成分は領域Bの色合成膜902を透過した後、領域Dの色合成膜901で反射し、投射レンズに入射する。このようにして投影に必要な成分だけが投射レンズに導かれる。ここで、領域A及び領域Cに形成した構造複屈折型偏光板3はGの光しか通過せず、しかもGの光は領域Bあるいは領域Dに形成された構造複屈折型偏光板で偏光分離されることから、図10で示したダイクロイックプリズムのように、領域Aと領域Cの領域で構造複屈折型偏光板3を省くことも可能である。
ダイクロイック内部に構造複屈折型偏光板を形成する手段は、前述のダイクロイックプリズム内部の色合成膜と平行に重ねて配置する方法だけでなく、非平行に配置することも可能である。例えば図11の色合成手段部拡大図に示した構成では色合成膜がBFHD面、及びACGE面に形成されており、構造複屈折型偏光板がABGHに形成される。AGGHの面は光軸に対して略45度で形成されていて消光比を高くとれるように設定してある。色合成膜の透過率分光特性は偏光方向によって異なった特性を示すため、構造複屈折型偏光板を色合成膜に非平行な配置をとることで、色合成に最適な偏光成分を取り出すことができる。
【0016】
[実施例6]
実施例1〜5までの構成はいずれも投射型表示装置の光学素子が一つの平面内に配置された構成を持つものであった。本発明の構造複屈折型偏光板を用いた構成はこうした光学系が一つの平面内に配置された構成のみならず、図12に示すような色分離手段と色合成手段を積み重ねた構造を持つ投射型表示装置においても適用可能である。図12を基に本発明の実施例6の構成について説明する。
図12は偏光変換手段を備えない投射型表示装置の光学系の概略を示した斜視図である。簡略のため光源、インテグレータ光学系、集光レンズ、投射レンズ、またライトバルブ出射側の偏光板も省略してある。光源からの光は集光レンズを通過したのち図12の入射光と示した矢印の方向から色分離手段、色分離用ダイクロイックプリズム903に入射する。色分離用ダイクロイックプリズム903でRGBの3色に分離した光は、色分離用ダイクロイックプリズム903の周囲のRGBそれぞれの光路に配置された反射ミラー兼用の構造複屈折型偏光板304、305、306に各々入射し、特定の偏光方向成分だけが反射してライトバルブ601、602、603に入射する。ライトバルブ601、602、603で映像信号に応じて変調された光は、ライトバルブ出射側偏光板(図12では省略)で不要な偏光成分がカットされ、必要な偏光成分だけが透過する。次に反射ミラー501、502、503で導かれて色合成用ダイクロイックプリズム904に入射した光はRGB合成され、図12で出射光と示した方向の投射レンズに入射し、スクリーンに投影される。
図13は偏光変換光学系を備えた場合における、色分離手段と色合成手段を積み重ねた構成を持つ投射型表示装置の概略図である。図12で反射ミラーと構造複屈折型偏光板を入れ替えた構造を持つ。また、図12の構成でライトバルブ出射側に配置されていた光吸収型偏光板が、図13ではライトバルブ入射側に配置される。図では簡略のため、光源、インテグレータ光学系、集光レンズ、偏光変換光学系、投射レンズ、ライトバルブ入射側偏光板を省略して、主要部分のみ示してある。前述したように偏光変換光学系を備えた投射型表示装置においてはライトバルブ出射側偏光板の帯熱が問題となるため、ライトバルブ出射側に構造複屈折型偏光板を配置したものである。もちろん反射ミラーを兼用している。
色分離手段と色合成手段を積み重ねた構成をとることにより、光学系の占める面積を小さくすることができる他、偏光板と反射ミラーを兼用することができるため投射型表示装置の小型化が容易となる。また、偏光分離によって生じた不要な光の処理が容易となる。耐熱性、耐光性が向上するのはこれまで述べた実施例の場合と同じである。
【0017】
[実施例7]
構造複屈折型偏光板の波長依存性が小さいことを利用して、色合成手段のダイクロイックプリズム出射側に構造複屈折型偏光板を配置した構成をとることも可能である。光学系のコンパクト化を重視する場合はダイクロイックプリズム出射面に略平行、消光比を重視する場合には略45度をとるのが良い。図14に示した従来の投射型表示装置の構成において3枚必要であったライトバルブ出射側の偏光板を構造複屈折型偏光板1枚で代用することができる。これまで述べてきたように耐光性、耐熱性をあげることができる。
以上述べた実施例4〜実施例7の構成のいずれについても、構造複屈折偏光板の出射側に光吸収型あるいは光反射型の偏光板を配置することが可能である。光吸収型、光反射型の偏光板と組み合わせて使用することで、偏光板の温度上昇を抑えつつ偏光度を高くすることができる。
【0018】
[その他の実施形態]
以上、投射型表示装置において、偏光変換光学系の有無に応じて、ライトバルブの入射側、出射側の偏光板に構造複屈折型偏光板を組み合わせる光学系の構成について述べたが、ライトバルブの入射側、出射側の偏光板の両方について上記の構造複屈折型偏光板を使った構成を使うことができるのはもちろんである。入射側、及び出射側両方について熱に強い構成をとることで、さらなる光源の高輝度化に対応することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の投射表示装置は、熱に強い偏光板の構成をとっているため、より高輝度なランプを使うことができ、明るい投射型表示装置を実現できる。また、光吸収型偏光板、光反射型偏光板と組み合わせて使用する場合、偏光板の発熱を小さくすることができるため、熱に弱い材料でも熱による特性変化を抑えることができ、高い消光比、すなわち高コントラストが得られるという効果を有する。
また、構造複屈折型偏光板の傾きを光軸に対して任意の角度で配置する構成をとることができるため、構造複屈折型偏光板の実効的な周期を短い状態で使用することができる。これによって短い波長の光に対しても消光比を高くすることができ、コントラストが高く、色再現性が良くなるという効果を有する。
さらに、液晶パネル上あるいは近傍に偏光板を配置した場合、液晶パネルの冷却効率が悪くなる恐れがあるが、本発明の構成では偏光板と液晶パネルを離れた位置に配置できるため効率よく液晶パネルを冷却できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図2】図1の構造複屈折型偏光板の斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る構造複屈折型偏光板をライトバルブ入射側に平行に配置した構成の投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図4】本発明の実施例2に係る投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図5】本発明の実施例3に係る構造複屈折型偏光板をRGB光路中の反射ミラーの代わりに配置した構成の投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図6】本発明の実施例4に係る偏光変換光学系を備えた投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図7】本発明の実施例4に係る構造複屈折型偏光板をライトバルブ出射側に傾けて配置した構成の投射型表示装置の光学系の主要部拡大図である。
【図8】本発明の実施例5に係る偏光機能を内蔵した色合成手段を用いた投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図9】本発明の実施例5に係るダイクロイックプリズムの拡大図である。
【図10】本発明の実施例5に係るダイクロイックプリズムの第2の構成例を示す概略図である。
【図11】本発明の実施例5に係るダイクロイックプリズムの第3の構成例を示す概略図である。
【図12】本発明の実施例6に係る、偏光変換光学系を持たない場合における、色分離手段、色合成手段を積み重ねた構成を持つ投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図13】本発明の実施例6に係る、偏光変換光学系を持つ場合における、色分離手段、色合成手段を積み重ねた構成の投射型表示装置の光学系の概略図である。
【図14】従来の投射型表示装置の光学系の概略図である。
【符号の説明】
1、 光源
201、 集光レンズ
202、203、204、 リレーレンズ系
205、 投射レンズ
206、 フライアイインテグレータ
3、 構造複屈折型偏光板
301、 誘電体A
302、 誘電体B
303、 ガラス基板
304、305、306 構造複屈折型偏光板
401、402、 ダイクロイックミラー
501、502、503、 反射ミラー
601、 ライトバルブR
602、 ライトバルブG
603、 ライトバルブB
701、702、703,704、705、706、 光吸収型偏光板
8、 スクリーン
9、 ダイクロイックプリズム
901、902 色合成膜
903、 色分離用ダイクロイックプリズム
904、 色合成用ダイクロイックプリズム
Claims (13)
- 光源と、該光源からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と、該色分離手段によって分離された光を各々ライトバルブに導く反射ミラーと、該反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、該複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、該複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段から構成される投射型表示装置において、該入射側の偏光板が、該光源と該ライトバルブの間の少なくとも1ヶ所に配置され、該光源側から入射する光を反射して該ライトバルブ側へ出射する構造複屈折型偏光板であることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1において、前記構造複屈折型偏光板が前記複数のライトバルブ毎に、略45度に配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項2において、前記色分離手段の入射面以外の3つの出射面に面し、光軸に対して略45度傾けて設けられた前記構造複屈折型偏光板と、該構造複屈折型偏光板のそれぞれから出射する光を変調する前記ライトバルブと、該ライトバルブの出射側に配置された偏光板と、前記色合成手段の出射面以外の3つの入射面に面し、前記ライトバルブからの光の光軸に対して略45度傾けて配置された前記反射ミラーによって構成されることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、前記構造複屈折型偏光板の出射側に光吸収型偏光板が配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて前記構造複屈折型偏光板の出射側に光反射型偏光板が配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 光源と、該光源からのランダムな偏光を一方向に揃える偏光変換手段と、該偏光変換手段からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と該色分離手段によって分離された光を、各々ライトバルブに導く複数の反射ミラーと、該反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、該複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、該複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段から構成される投射型表示装置において、該出射側の偏光板が構造複屈折型偏光板であり、該構造複屈折型偏光板が該色合成手段と該ライトバルブの間に配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項6において、前記構造複屈折型偏光板が前記複数のライトバルブ毎に、略45度に配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項7において、前記色分離手段の入射面以外の3つの出射面に面し、光軸に対して略45度傾けて設けられた前記反射ミラーと、該反射ミラーのそれぞれから出射する光を変調する前記ライトバルブと、該ライトバルブの入射側に配置された偏光板と、前記色合成手段の出射面以外の3つの入射面に面し、前記ライトバルブからの光の光軸に対して略45度傾けて配置された前記構造複屈折型偏光板によって構成されることを特徴とする投射型表示装置。
- 光源と、該光源からのランダムな偏光を一方向に揃える偏光変換手段と、該偏光変換手段からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と該色分離手段によって分離された光を、各々ライトバルブに導く複数の反射ミラーと、該反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、該複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、該複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段から構成される投射型表示装置において、該出射側の偏光板が構造複屈折型偏光板であり、該構造複屈折型偏光板が該色合成手段の内部に色合成膜と重ねて配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項9において、前記色合成手段がダイクロイックプリズムであり、該ダイクロイックプリズム内部の少なくとも一つのサブプリズムの色合成膜に構造複屈折型偏光板が重ねて配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 光源と、該光源からのランダムな偏光を一方向に揃える偏光変換手段と、該偏光変換手段からの光を少なくとも2つの色の異なる光に分離する色分離手段と該色分離手段によって分離された光を、各々ライトバルブに導く複数の反射ミラーと、該反射ミラーによって導かれた光をそれぞれ変調する複数のライトバルブと、該複数のライトバルブの入射側と出射側に配置された偏光板と、該複数のライトバルブから出射した光を合成する色合成手段と、合成された光を拡大投影する投影手段から構成される投射型表示装置において、該出射側の偏光板が構造複屈折型偏光板であり、該構造複屈折型偏光板が該色合成手段の内部に、色合成膜と非平行となるよう配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項6乃至請求項11のいずれかにおいて、前記構造複屈折型偏光板の出射側に光吸収型偏光板が配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項6乃至請求項11のいずれかにおいて、前記構造複屈折型偏光板の出射側に光反射型偏光板が配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
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