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JP3921164B2 - 通信線敷設補助具 - Google Patents
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JP3921164B2 - 通信線敷設補助具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象面に敷設する通信線を前記対象面に沿って保持する通信線敷設補助具に関する。
【0002】
本発明に言う「通信線」とは、メタリックファイバ又は光ファイバ等、有線通信を実現する電気的又は光的線条を意味する。実際には、この通信線を直接敷設するのではなく、「通線管」と呼ぶ保護管に通信線を挿通する場合もあるが、本発明では前記通線管を含む意味で、通信線の語をもって代表する。そして、本発明の通信線敷設補助具によって敷設された通信線による通信網を「通信線路」と呼ぶ。
【0003】
【従来の技術】
通信線路を構成するため、下水管、集合枡又は取付管の管路内面である対象面に沿って通信線を敷設する場合、通信線路に沿って通信線を位置固定する必要がある。例えば、下水管内に通信線を敷設するには、通信線を保持する通信線敷設補助具を下水管内に取り付ける。この通信線敷設補助具には様々あり、新設の下水管では、下水管自体に通信線敷設補助具を予め取り付ける、又は通信線敷設補助具を一体に形成するものもある。しかし、既に非常に長い総延長を有する下水管が存在している現在、むしろこうした既設下水管に通信線敷設補助具を取り付けることができる方が好ましい。前記通信線敷設補助具としては、例えば特許文献1を挙げることができる。
【0004】
この特許文献1は、下水管内面の略上半周に圧接して固定される取付具(通信線敷設補助具)であって、下水管内面の上半周より少し長い略半環状のバネ板の中央に、光ファイバーケーブル(通信線)支持用の凹曲部が形成されており、この凹曲部の両側の湾曲板部は、その下端間の間隔が管の内径より大きくなるように両外側へ拡開されていると共に、この湾曲板部の曲率半径が実質的に管の内径の1/2に設定した構成である。このほか、通信線敷設補助具としての取付安定性を確保するために、前記湾曲板部から安定翼片を前後に突設したり、湾曲板部の外面に下水管内面へ食い込む尖った突起を形成している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−104325号公報(2〜3頁、図1〜5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1は、下水管内面に沿った湾曲板部を圧接して通信線敷設補助具の下水管に対する位置固定を図る。前記湾曲板部は、下水管内面に密着させ、更に各湾曲板部は側縁に傾斜面を形成して、水流への抵抗を低減しているが、やはり圧接のみの位置固定は不安定で、湾曲板部を下水管内面に接着することが好ましいと述べている。
【0007】
また、通信線敷設補助具の安定性を高める手段として、通信線敷設補助具の傾倒防止用に湾曲板部から前後方向(湾曲板部の延在直交方向)へ安定翼片を突設している。この安定翼片は、やはり湾曲板部による下水管内面への圧接だけでは位置固定が不十分で、通信線敷設補助具が動いてしまう可能性を示唆している。これは、この特許文献1が提示する通信線敷設補助具は、あくまで下水管内面に対して通信線を位置固定するものであり、通信線敷設補助具自体の位置固定が不十分なことを意味する。しかし、これでは通信線の位置固定自体が不確かなものになる。
【0008】
更に、特許文献1に示す通信線敷設補助具は、あくまで水平方向に延在する通信線の敷設のみを考慮しており、例えば集合枡又は取付管内面のように垂直又は傾斜した対象面では、安定して通信線を敷設できない問題がある。この点、通信線敷設補助具の平行移動防止用に下水管内面へ食い込む突起を湾曲板部外面に設けているが、これは設置状態が水平の場合に有効であるものの、通信線敷設補助具を垂直方向に取り付ける場合、あまり有効ではない。
【0009】
このほか、一般論として、通信線敷設補助具は、一方で、永続的な通信線路の構築が可能な程度に安定して通信線路を支持できる必要があるが、他方で、施工の手間及び労力を低減するために取付作業が簡易かつ容易であることが好ましい。この点、上記先行技術は、一対の湾曲板部に両外側から負荷をかけて狭めた状態で下水管内へ持ち込み、前記負荷を取り除くことで設置が完了する容易な取付方法に利点があった。そこで、上記先行技術相当の容易な取付方法を用いることができながら、位置固定の安定性を確保できる通信線敷設補助具を開発するため、検討した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、両端を係止部とする長尺な板バネ状の弾性本体と、この弾性本体に固着した通信線挿通管とからなり、下水管、集合枡又は取付管の管路内面を対象面として敷設することにより、前記通信線挿通管に挿通させた通信線を前記対象面に沿って保持する通信線敷設補助具において、弾性本体は無負荷な初期状態で接円弧半径が対象面半径より大きく、係止部間の直線距離を縮める方向に撓ませて復元力を発生させた状態で両端の係止部をそれぞれ対象面に宛い、前記復元力によりこの弾性本体の係止部を対象面に圧接して突き刺すことにより、対象面に対する係止部の食込力によってこの弾性本体を対象面に位置保持させる通信線敷設補助具である。
【0011】
本発明の通信線敷設補助具は、容易な取付方法として、対象面に対して食込力を発揮する弾性本体両端の係止部を圧接して突き刺すこととし、前記食込力により通信線敷設補助具自体の位置安定性を高めている
【0012】
これから、係止部を対象面へ確実に当接させる、すなわち撓んだ弾性本体が完全に復元する前に係止部が対象面に到達しなければならない。例えば湾曲した対象面(管路内面等)の場合、無負荷な初期状態で、弾性本体に沿う接円弧半径(直線状弾性本体は無限半径)が対象面半径より大きくなる必要がある
【0013】
具体的な係止部は、弾性本体の両端に設けた爪、又は弾性本体の両端に設けた針を例示することができる。ここで、前記爪又は針は、いずれも先鋭な部位を刺し、相対的に根元が太いものを爪、逆に根元が細いものを針と区別している。爪は、弾性本体の端部を裁断して弾性本体と一体に形成してもよいし、別体に形成した爪を前記弾性本体の両端にそれぞれ固着してもよい。針は、通常別体に形成して弾性本体の両端に固着することになるが、好ましくは前記弾性体の両端から突出するように固着するとよい。爪又は針は、対象面に突き立てることを前提としているため、対象面が金属面やコンクリート面である場合、金属面やコンクリート面に対する摩擦力によって取り付けることになる。
【0014】
上記爪又は針からなる係止部は、弾性本体の復元力により対象面に圧接して突き刺すが、前記復元力のベクトルは弾性本体の延在方向ではなく、実際には両端の係止部が離隔する直線上に向いている。そこで、爪又は針からなる係止部は、弾性本体が無負荷な初期状態で、両係止部の突出方向が同一直線上に並ぶように弾性本体から突出して設けるとよい。弾性本体が直線状であれば、係止部の突出方向は弾性本体の延在方向に一致するが、弾性本体が係止部間の直線距離を縮める方向に湾曲した形状であれば、若干上向きに折り返すように係止部が突出することになる。
【0015】
通信線は、複数の通信線敷設補助具の通信線挿通管にわたって挿通することになる。このとき、この通信線の自重による各通信線敷設補助具の位置安定性(特に通信線延在方向への弾性本体の傾倒防止)を高めるため、前記通信線挿通管は、通信線を挿通する貫通孔内面に通信線表面と係合するフックを内蔵することにより、通信線を前記フックが引っかからない一方向へのみ引出可能な一方向継ぎ手(一般にクイック継ぎ手と呼ばれるもの)を利用するとよい。複数の通信線敷設補助具の各通信線挿通管は、すべて同一方向に向ければ全体で通信線による逆向きの引っ張り力に耐えることができ、また各通信線挿通管の向きを互い違いにすれば、隣り合う通信線敷設補助具相互で通信線による引っ張り力をうち消すことができる。
【0016】
係止部を対象面に圧接し、食込力により実現する本発明の通信線敷設補助具の位置安定性は、弾性本体の復元を妨げない方向(弾性本体の復元方向)や強める方向(通信線挿通管を押し下げる方向)の外力に影響を受けないが、係止部に捻りを与える傾倒によって影響を受ける可能性がある。これから、通信線敷設補助具の重心を弾性本体のみの重心より下方にするとよい。例えば、上記通信線挿通管を弾性本体下面に固着すれば、通信線敷設補助具の重心は必ず弾性本体のみの重心より下方になる。また、通信線載置部を形成する場合、弾性本体に対して凹断面樋状にすることで、通信線敷設補助具の重心を弾性本体のみの重心より下方へ持ってくることができる。
【0017】
また、本発明の通信線敷設補助具の位置安定性は、両端の係止部が略均等に対象面に圧接し、食込力を等しく発生させることで確保できる。しかし、例えば機械を用いた設置作業では、通信線敷設補助具の姿勢が適当ではなく、対象面に対する一対の係止部それぞれの圧接程度(係止部が爪又は針である場合、各爪又は針の食込力の程度)が異なることも十分考えられる。そこで、各係止部の対象面に対する圧接の程度が異なる場合でも、なお通信線敷設補助具としての位置安定性を図るため、対象面に向けて跳ね上げ、この対象面を基礎に弾性本体を弾支する弾性安定部を弾性本体に設けることとした。
【0018】
弾性安定部は、係止部のほかに対象面と接触する部位を増やすもので、対象面に対して弾性本体を弾支して通信線敷設補助具全体に緊張状態を与え、特に取付後の通信線敷設補助具における傾倒に対して姿勢安定を図る。この弾性安定部は、対象面に対して弾性本体を弾支すればよいので、例えば弾性を有する樹脂又は発泡樹脂やコイルスプリングを別途弾性本体に取り付けてもよいが、好ましくは弾性本体及び係止部(爪又は針の場合)を一体に金属板から打抜いて形成する際に併せて型抜きし、弾性本体から跳ね上げる板バネとして構成するとよい。この弾性安定部による弾性力は、通信線挿通管を押し下げる方向へ付勢する力であり、弾性本体の復元力発生を補助し、係止部の対象面に対する圧接の程度を高める働きも有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は直線状の弾性本体1、左右一対の爪2,2である係止部3、そして左右一対の弾性安定部4,4からなる通信線敷設補助具5の一例を示す斜視図、図2は3本の針6,6,6である係止部3からなる通信線敷設補助具7の別例を示す斜視図、図3は本例の通信線敷設補助具5の正面図、図4は同通信線敷設補助具5の平面図、図5は同通信線敷設補助具5を取付管8へ搬入して取り付けをする取付装置9の側面図、図6は同取付装置9の背面図、図7は同通信線敷設補助具5を管路内面(対象面)10へ押し当てる段階の取付管8内を表す部分正面図、図8は同通信線敷設補助具5を管路内面(対象面)10に取り付けた段階の取付管8内を表す部分正面図であり、図9は同通信線敷設補助具5を管路内面(対象面)10に取り付けた段階の取付管8内を表す管路延在方向断面図である。
【0020】
本例の通信線敷設補助具5は、図1〜3に見られるように、平面視略長方形かつ直線状の弾性本体1に、係止部3及び弾性安定部4を設けた構成である。係止部3は、前記弾性本体1両端から左右に張り出した爪基部11から弾性本体延在方向外向きに突出する先鋭な平面視略三角形状の爪2,2からなる。本例の係止部3は、左右に張り出した爪基部11から一対の爪2,2を突出する構成にすることで、一方の爪2を中心とした通信線敷設補助具5の傾倒(回転運動)を他方の爪2が防止し、通信線敷設補助具5の位置安定性を高めることができる。爪2に代えて、図2に見られるように、複数(例示は3本)の針6,6,6である係止部3を構成してもよい。以下では、爪2の場合について説明する。
【0021】
弾性安定部4は、前記爪基部11から弾性本体延在方向内向きかつ上方に向けて跳ね上げた先細りの平面視略台形で、先端付近を下方に折り曲げ、対象面に引っ掛かりが生じない弾支基部57を形成している。これら弾性本体1、係止部3及び弾性安定部4は1枚の金属板から型抜きし、弾性安定部4を上向きに折曲加工することにより一体成形している。
【0022】
弾性本体1に弾性を与える金属板は、耐候性や耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)を備えたステンレス(SUS)、チタン又はチタン合金が好ましい。また、前記金属製弾性本体に代えて、樹脂製弾性本体、FRP製(特に炭素繊維強化樹脂製)弾性本体も利用できるし、前記各材料を併用する複合構造の弾性本体でもよい。具体的には、金属製板に樹脂を被覆した弾性本体、金属を被覆した樹脂板又はFRP板からなる弾性本体、金属製板及びFRP板を積層した弾性本体や、中央部分(通信線挿通管を固着する部分)を樹脂又はFRP製とし、両側に金属製板を突出させた弾性本体(後掲図15又は図21参照、凹断面溝37を樹脂製とし、各腕部41を金属製とした構成に相当)等を例示できる。このほか、弾性本体両端の係止部や通信線挿通管の材料も、金属製、樹脂製、FRP製又はこれらの組み合わせで構成できる。
【0023】
通信線挿通管13は、上記弾性本体1と別体として、挿通した通信線14を一方向へのみ引出可能な(図4中下から上へ引出可能な)一方向継ぎ手を弾性本体1中心にリベット15で固着している。一方向継ぎ手(クイック継ぎ手)である通信線挿通管13は、通信線14を挿通可能に貫通孔16を開孔し、この貫通孔16内面に通信線表面と係合するフック(図示略)を内蔵している。
【0024】
通信線は、通信線路を構築するのに必要な数の通信線敷設補助具の全通信線挿通管に挿通しておいてもよいし、通信線路を構築するのに必要な数の通信線敷設補助具を対象面に取り付けた後、各通信線敷設補助具の通信線挿通管に一方向から通信線を挿通してもよい。予め通信線を全通信線挿通管に挿通しておく場合、各通信線挿通管間の通信線の長さを通信線敷設補助具の取り付け間隔よりも長くして余裕をもたせておき、通信線敷設補助具の取り付け後、一方向から通信線を引っ張って弛みのない敷設状態を構築するとよい。
【0025】
本例の通信線敷設補助具5を、下水管を構成する取付管8(本管と各家屋とを結ぶ内径10〜15cmの細い管)の管路内面(対象面)10に取り付ける場合、当然作業者の手による取り付けはできないため、例えば図5及び図6に見られるような取付装置9を用いる。本例の取付装置9は、通信線敷設補助具5を保持して取付管8内へ搬入し、取付箇所で前記通信線敷設補助具5を押し上げて管路内面10に圧接して取り付ける装置本体17と、この装置本体17から前方に突出し、通信線敷設補助具5の管路内面への圧接状態を撮影する監視カメラ18とからなる。
【0026】
装置本体17は、半球状の保護カバー19,19を前後に備える補助具押上部20からなる。保護カバー19は、取付管8内に存在する障害物から前記補助具押上部20を保護すると共に、装置本体17を取付管8内へ押し込む又は引っ張る際に障害物を押し除ける役割を有する。これから、保護カバー19は障害物を押し除ける役割を果たせれば、外形状を前記半球状に限定されず、また完全に補助具押上部20を隠す連続面から構成しなくても、例えばメッシュ面から構成したり、籠状に構成してもよい。
【0027】
補助具押上部20は、係止部3の爪基部11にひっかけて通信線敷設補助具5を保持する補助具保持アーム21,21を左右に立設し、前記補助具保持アーム21,21間に通信線敷設補助具5を押し上げる突上部22,22を左右一対に設けている。本例では、突上部22が押し上げる際に通信線敷設補助具5を落下しないよう、突上部22上端の突部23を通信線敷設補助具5に設けた係合孔24,24に嵌め込んでいる。通信線敷設補助具5は、突部23に拘束された状態で突上部22により突き上げられると、両端の係止部3を補助具保持アーム21に引っかけているため、上向きに凸に撓み、管路内面10に沿って押しつけることができる。
【0028】
補助具保持アーム21下端には、内向きに傾斜した移動輪25を付設している。この移動輪25は、進行方向自在なボール26を収納筒27に内蔵した構成で、補助具押上部20の自重により突上部22が必ず取付管8に対して直上を向くように、ボールが自由自在に回転するようにしている。これから、移動輪25のボール26が自由自在に回転することを確保するため、収納筒27に対して更に障害物を押し除ける移動輪カバー(図示略)を付設するとよい。
【0029】
監視カメラ18は、予め撮影する対象が決まっているので、装置本体17から固定長の支持アーム28で連結し、撮影方向及び焦点は共に固定している。監視カメラ18底部には、管路底面に摺接するカメラ基台29を設けている。この監視カメラ18及び上記装置本体17の信号ケーブル30は、装置本体17後方から引き出しており、この信号ケーブル30の押し引きにより、取付装置9全体を押し引きしている。
【0030】
通信線敷設補助具5の取付作業は、次のようになる。まず、上述の取付装置等を用い、図7に見られるように、弾性安定部4を管路内面10に向けて通信線敷設補助具5を押し当てる。管路内面10に圧接した通信線敷設補助具5は、管路内面10に押されて弾性安定部4を傾倒させ、弾性本体1を管路内面10に沿って湾曲させているが、係止部3の各爪2はまだ管路内面10に対して圧接せず、弾性本体1に倣って管路内面10の略接線方向を向いている。
【0031】
このように管路内面10に沿って弾性本体1を湾曲させた状態から押し当てる負荷を取り除くと、湾曲した弾性本体1が初期状態である直線状に復帰しようと、両係止部3,3間を離隔する方向に復元力を発揮する。そして、図8に見られるように、各係止部3の爪2を管路内面10に圧接し、更に前記復元力により前記爪2が管路内面10に突き刺さる。弾性本体1が復元すると、それまで圧接していた弾性本体1中心が管路内面10から離隔し、これに伴い通信線挿通管13が降下するが、なお弾性安定部4が管路内面10に対して弾支状態で弾性本体1を突っ張るので、通信線敷設補助具5の位置安定性(特に通信線敷設補助具5の姿勢)は確保される。
【0032】
こうして、適当間隔で管路内面10に複数の通信線敷設補助具5,5を取り付け、各通信線敷設補助具5の通信線挿通管13,13にわたって通信線14を挿通すると敷設作業が終了し、図9に見られるように、通信線14を吊り下げる態様の通信線路31が構築できる。通信線敷設補助具5は、係止部3の爪2を管路内面10に突き立てる際、弾性本体1中心を若干管路内面10から離隔しているが(図8参照)、概ね管路内面10に沿って取り付けているため、通信線路31も管路内面10に沿って構築できている。また、爪2の食込力により管路内面10に取り付けているため、例えば管路内面10が傾斜したり、垂直であっても本発明の通信線敷設補助具5は取り付けることができる。
【0033】
本例のように取付管8に取り付ける通信線敷設補助具5の場合、取付状態における通信線敷設補助具5が取付管8の管路内面10周方向に占める割合が85〜135度、好ましくは90〜120度の範囲に収まることが望ましい。また、弾性安定部4は、弾性本体1の接線方向に対して、5〜35度、好ましくは10〜30度の仰角をもって斜め上方に突出するとよい。
【0034】
管路内面10により近接した通信線路31を構築するには、例えば通信線敷設補助具32の弾性本体33を前記管路内面10同様に湾曲させるとよい。図10は湾曲状の弾性本体33、左右一対の爪2,2である係止部3、そして左右一対の弾性安定部4,4からなる通信線敷設補助具32の一例を示す斜視図、図11は同通信線敷設補助具32の正面図、図12は同通信線敷設補助具32の平面図、図13は同通信線敷設補助具32を管路内面(対象面)10へ押し当てる段階の取付管8内を表す部分正面図であり、図14は同通信線敷設補助具32を管路内面(対象面)10に取り付けた段階の取付管8内を表す部分正面図である。
【0035】
本例の通信線敷設補助具32は、図10〜11に見られるように、外観的には上述の通信線敷設補助具5とあまり変わらない(図1及び図10比較対照)。相違点は、弾性本体33が上向きに凸に湾曲している点と、両係止部3の爪2が同一直線上に並ぶように、爪基部11から折り曲げて略水平に突出している点にある(図3及び図11比較対照)。弾性本体33は、管路内面半径Rtより大きな曲率半径Raの湾曲に留めることで、図13に見られるように、管路内面10に圧接した際に必ず撓み、復元力を発生させることができる。
【0036】
弾性本体33を湾曲させると、それだけ管路内面10に近づけて通信線挿通管13を取り付けることができる。しかし、これでは弾性本体33の延在方向に突出する爪2が管路内面10に突き刺さりにくくなる。そこで、本例の通信線敷設補助具32では、爪基部11から爪2を若干上向きに折り曲げ、両係止部3の爪2が同一直線上に並ぶように、略水平に突出している。これにより、弾性本体33が発揮する復元力が爪2を管路内面10に突き刺す力として効率よく利用でき、図14に見られるように、確実に爪2を管路内面10に食い込ませることができる(図14中拡大図示参照)。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、容易な取付作業でありながら、位置安定性に優れた通信線敷設補助具を提供できるようになる。取付作業の簡易性又は容易性は、通信線敷設補助具の取り付けを自動化する際の取付装置の簡素化をもたらし、例えば内径の小さな取付管に進入可能な取付装置を可能にする。また、実際の取付作業をも簡略化できるので、通信線路の構築時間の短縮化、コスト低減をもたらすことにもなる。前記コスト低減については、本発明の通信線敷設補助具が低廉なコストで製造できる点からも寄与できる。
【0038】
本発明の通信線敷設補助具は、従来同様な先行技術のものに比べ、対象面の水平、傾斜又は垂直を問わず適用でき、しかも取付後の位置安定性に優れているため、複雑な通信線路を永続的に安定して構築できる効果を有する。前記位置安定性は、対象面に対する係止部の食込力に負う。加えて、弾性安定部を加えることで通信線敷設補助具の姿勢が安定するため、係止部の食込力は安定して発揮できる。こうして、係止部の対象面に対する食込力は恒久的に保たれ、永続的な通線経路の構築を可能にする効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】直線状の弾性本体、左右一対の爪である係止部、そして左右一対の弾性安定部からなる通信線敷設補助具の一例を示す斜視図である。
【図2】3本の針である係止部からなる通信線敷設補助具の別例を示す斜視図である。
【図3】本例の通信線敷設補助具の正面図である。
【図4】同通信線敷設補助具の平面図である。
【図5】同通信線敷設補助具を取付管へ搬入して取り付けをする取付装置の側面図である。
【図6】同取付装置の背面図である。
【図7】同通信線敷設補助具を管路内面(対象面)へ押し当てる段階の取付管内を表す部分正面図である。
【図8】同通信線敷設補助具を管路内面(対象面)に取り付けた段階の取付管内を表す部分正面図である。
【図9】同通信線敷設補助具を管路内面(対象面)に取り付けた段階の取付管内を表す管路延在方向断面図である。
【図10】湾曲状の弾性本体、左右一対の爪である係止部、そして左右一対の弾性安定部からなる通信線敷設補助具の一例を示す斜視図である。
【図11】同通信線敷設補助具の正面図である。
【図12】同通信線敷設補助具の平面図である。
【図13】同通信線敷設補助具を管路内面(対象面)へ押し当てる段階の取付管内を表す部分正面図である。
【図14】同通信線敷設補助具を管路内面(対象面)に取り付けた段階の取付管内を表す部分正面図である。
【符号の説明】
1 直線状の弾性本体
2 爪
3 係止部
4 弾性安定部
5 通信線敷設補助具
8 取付管
10 管路内面(対象面)
11 爪基部
13 通信線挿通管
14 通信線
31 通信線路
57 弾支基部

Claims (4)

  1. 両端を係止部とする長尺な板バネ状の弾性本体と、該弾性本体に固着した通信線挿通管とからなり、下水管、集合枡又は取付管の管路内面を対象面として敷設することにより、前記通信線挿通管に挿通させた通信線を前記対象面に沿って保持する通信線敷設補助具において、弾性本体は無負荷な初期状態で接円弧半径が対象面半径より大きく、係止部間の直線距離を縮める方向に撓ませて復元力を発生させた状態で両端の係止部をそれぞれ対象面に宛い、前記復元力により該弾性本体の係止部を対象面に圧接して突き刺すことにより、対象面に対する係止部の食込力によって該弾性本体を対象面に位置保持させることを特徴とする通信線敷設補助具。
  2. 弾性本体は、対象面に向けて跳ね上げ、該対象面を基礎に弾性本体を弾支する弾性安定部を設けた請求項1記載の通信線敷設補助具。
  3. 係止部は、弾性本体の両端に設けた爪である請求項1又は2いずれか記載の通信線敷設補助具。
  4. 係止部は、弾性本体の両端に設けた針である請求項1又は2いずれか記載の通信線敷設補助具。
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