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JP3932097B2 - 半導体ウエーハ及び半導体ウエーハの加工方法 - Google Patents
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JP3932097B2 - 半導体ウエーハ及び半導体ウエーハの加工方法 - Google Patents

半導体ウエーハ及び半導体ウエーハの加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体デバイス作製プロセスの生産性向上、チップ収率の向上に係る半導体ウエーハとその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デバイス作製プロセスに供する半導体ウエーハの裏面の性状は、従来面内で均一なほど当該プロセス制御が良好に行なわれるものとされていた。面粗さについても、均一かつ平滑であることが理想とされた。また、例えばバックサイドダメージ処理、ポリシリコン膜形成処理を施した裏面を持つウエーハであっても、裏面の性状は面内均一であることが一般的であった。しかし、当該プロセス他で極めて厳しい条件制御を要求されるとき、必ずしも従来の裏面面内性状均一思想は金科玉条のものではない。
【0003】
デバイス作製プロセスではウエーハ面上で様々な化学的、物理的プロセスを行なわしめるが、それらのプロセスで用いられる装置内でウエーハを安定に保持するために例えば真空チャック、あるいは静電チャックの如き保持手段が使用される。その際ウエーハの裏面と保持手段の表面は接触し、接触面を通じてウエーハと保持手段は吸引、伝熱などの物理現象を及ぼし合う。従って、相互の接触状態、さらに詳細には当該接触にあずかるウエーハ裏面の表面状態は、ここで定義する相互の「接触面密度」を変化させてこれらの物理現象の効果に影響を及ぼし、ひいては当該デバイス作製プロセスの効率や結果に大きな影響を与える。
【0004】
ここで接触面密度とはウエーハと保持手段等、二つの物体が相互に接触している状態で、見かけの接触面積に対し、双方が実際に物理的に密着している部分が見かけの接触面内で占める面積の割合を示す指標として定義する。すなわち、図1に接触部位の微視的断面の様子を一次元の模式図として示したように、見かけの接触面積Sに対する、双方が実際に物理的に密着している部分Δsの総和の比、即ち次式をもって接触面密度と定義する。
接触面密度(%)=(ΣΔs/S)×100
【0005】
デバイス作製プロセスが加熱状態で実行される場合、ウエーハ裏面と保持手段の表面の間の接触面密度によって双方の間における伝熱状態が影響を受ける結果、双方の間の見かけの接触面(以下単に接触面という)内において接触面密度に分布があると、当該分布に応じてウエーハ表面温度の不均一が生じるために、プロセスの進行速度にもウエーハ表面内で分布を生じることになる。
この様な問題を避けるため、従来はウエーハ裏面の状態、より具体的には面粗さを可及的に小さく、かつ一様に仕上げたウエーハが用いられてきた。
【0006】
しかし、上述の如く、ウエーハ裏面の面状態が面内で均一になるように仕上げた従来のウエーハを従来のウエーハ保持手段上に載置してデバイス作製プロセスを実施する場合、ウエーハの表面温度が特にウエーハ周辺部分において他の部分と異なってくる。これは周辺部とその他の内部とでは熱流の条件が異なることに他ならない。正常な品質をもたらすべきプロセスの温度条件はウエーハの中心付近の温度分布がほぼ一定の部分に合せて設定されるため、図2に示すプロセス温度条件に一致しないウエーハ周辺部から作製されたデバイスは不良部分として除外される。
【0007】
国際的にコンセンサスを得ている技術展望では、デバイスの描画線幅が0.25μmで行なわれるときは、ウエーハの外周から3mmまでの領域はウエーハの品質規格から除外されたが、0.15μmでは2mm、0.1μmでは1mmとされ、ウエーハの有効面積を増大する方向に規格の目標が向けられている。因みに、直径200mmのウエーハでは周辺の規格除外領域を3mmから2mmに縮めると有効面積は2%増加し、1mmに縮めると有効面積は4%増加する。従ってこれに対応して今後のデバイス作製プロセスにおけるウエーハ面内の温度分布を周縁部まで一定均一化することが極めて重要となる。
【0008】
さらにウエーハの保持において別の問題がある。すなわち、近年のデバイス作製プロセスにおいては、減圧下におけるプラズマ処理を利用することが多いが、この際ウエーハの保持手段としては静電チャッキング方式が多く用いられる。この方式ではチャック内電極とチャック上に載置したウエーハとの間に数百ボルトの静電圧を印加してウエーハをチャック表面に静電的に吸引保持するが、その吸引力は印加電圧の他に、チャック面とウエーハ裏面との接触状態、即ち両面の表面状態によって大きく影響される。プロセス終了後にはウエーハをこの静電チャックから取り外す脱離作業が行われるが、一連のデバイス作製プロセスでは誠に多くの異なるプロセス若しくは同様なプロセスの繰り返しがおこなわれるので、各プロセス終了後の脱離作業も頻繁に行なわなければならない。
【0009】
この脱離作業は静電チャックに対する電圧印加を解除することによって行われるが、電圧除去後も吸引力が残留し、チャック時にあまり両面が密着し過ぎると脱離が極めて困難となる事態が生じる。また、これを防止するために接触面粗さを過大に粗にすると、チャック時の吸引力が低下するとともに、接触面に作用させているヘリウムガスが漏洩するという問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、半導体デバイス作製プロセスにおけるチップ収率の向上、生産性の向上を図るために、裏面の面状態を調製した新規な半導体ウエーハとその加工方法の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウェーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせ、該異なる部位が、面内半径方向にほぼ同心状に存在するか若しくは、、該面粗さの異なる部位が、少なくとも外周側部位と、その内側に位置する中心側までの任意の部位に存在することを特徴とする半導体ウエーハである。
【0012】
本発明によれば、かならずしも均一性状裏面のウエーハではデバイス作製プロセスの条件制御が満足できないとき、当該プロセスの性格に応じて裏面の面粗さを面内で半径方向に異ならせた前記新規なウエーハを用いれば従来方法では解決できなかった問題に対処可能である。
【0013】
又、本発明によれば、ウェーハ裏面の面粗さの半径方向の異なり、即ち粗さ変化が、半径方向の連続的変化であっても、半径方向にほぼ所定リング幅毎に変化させる断続的変化であってもよく、これらの選択は目的及び加工の容易さに起因する。
又本発明の効果を円滑に達成するには、前記ウェーハ裏面の面粗さの内、表面粗さの粗い方の部位の粗さ波長が5〜100μmの範囲であるのがよい。
【0014】
さらに本発明は、デバイス作製プロセス時にウエーハ保持手段にウェーハ裏面全面が面接触にて保持される半導体ウエーハにおいて、
前記ウエーハ裏面の面密度をウェーハ半径方向に異ならせて形成して、前記ウエーハ保持手段表面と該ウエーハの裏面との接触面密度が、ウェーハ半径方向に異なる面密度分布をもっていることを特徴とする。
【0015】
そしてこのような前記ウエーハ裏面の面密度が、ウエーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせた面粗さ分布で形成されている面粗さ分布が一般的であるが、酸化膜の形成等の化学的な面状態の選択でも良い。
【0016】
保持手段表面とウエーハの裏面が接触している時、両面が理想的に平滑な平面であれば、互いに接触している(見掛けの接触)面積と真の接触面積とは等しく接触面密度は100%であるが、実際の表面は仕上げ状態などによる粗さを持っていて、程度の差はあっても凹凸を有しており、そのような状態で接触しているので、接触面密度は100%を下回る。粗さが細かいほど接触面密度は大きくなることは言うまでもない。また、両面の物質が完全な剛体でない場合は、接触面に加わる荷重の大きさによっても接触面密度は変化する。
【0017】
ウエーハ裏面を保持手段表面と接触させた時、その接触面密度が接触面内で分布を持つよう、ウエーハの裏面に変化をつける最も有効な方法は、ウエーハ裏面の面粗さに分布を付与することである。
そこで本発明の更に特徴とするところは、所定のデバイス作製プロセス用装置の保持手段上に載置したときの状況に応じ、接触面密度分布をウエーハ裏面の半径方向の面粗さ分布によって付与した半導体ウエーハであるのがよい。
【0018】
さて、ウェーハ裏面の粗さは、仕上げの状態によって異なるが、実際に観測される粗さは、各種の波長の粗さが合成されて形成されており、原子間力顕微鏡で測定されるような数ミクロン以下の微細な範囲における波長がナノメーターオーダのものから、光学的に測定可能な数百ミクロン〜数ミリの中程度の範囲における波長がミクロン〜ミリメータオーダのもの、静電容量式の計器で測定する数ミリ〜数センチメーターの範囲における波長がミリ〜センチメータオーダの粗さの成分が存在する。
【0019】
従って本発明におけるウェーハ裏面の面粗さとして面内分布を持たせると効果があるのは、波長が5〜100μm、好ましくは10〜50μmの粗さである。粗さの波長が5μm以下であるときは、接触面積に与える影響が小さく本発明の効果が現れず、また、波長が100μmを超えるとウェーハの平坦度が悪化して好ましくない。
【0020】
本発明は、ウエーハを保持装置に載置したときのプロセスにおける熱流の方向によって、外周周辺部における面粗さを粗く、中心に行くほど細かくしたウエーハ、又この逆に周辺部の面粗さを細かく、中心に行くほど粗くしたウエーハである場合がある。そして、それぞれにおいて、半径方向におけるから細かく、あるいは細かい状態からな状態への粗さ変化は、連続的であってもよいし、段階的不連続であってもよい。
【0021】
また、前記したように、従来の問題点の中で、ウエーハの外周縁部分における表面温度の不均一さを解消するために、面粗さに分布を持たせる必要のあるウエーハ裏面の部分は周辺部近傍に限られ、プロセス用装置、プロセスの種類若しくは本発明の効果の利用目的によってその大小は異なるであろうが、粗さ変化も殆ど周辺部近傍において行なえばよく、他の部分における面粗さは一様であってよい。
【0022】
ウエーハ裏面の面粗さを面内で変化させる加工は、全面が一様に粗い仕上げ面から順次粗さの細かい面へと研磨を進める途上において分布を付与するよう実施することが出来る。しかし、本発明の更に特徴とするところのひとつは、ウエーハ裏面を一旦鏡面研磨し、次いでエッチングによって面粗さ分布を付与した半導体ウエーハである。例えば鏡面研磨ウエーハの裏面をスピンエッチングすることにより、ウェーハ半径方向に連続的に裏面に面粗さ分布を付与することができる。また、中心部若しくは周辺部を耐腐食性材質で覆って、エッチングして、ウェーハ半径方向に段階的に面粗さに分布を付与することが出来る。
【0023】
さらに別のウエーハ裏面加工の方法で得られる本発明の特徴とするところのひとつであるウエーハは、ウエーハ裏面を一旦鏡面研磨し、次いで平面研削によってウェーハ半径方向に粗さ分布を付与した半導体ウエーハ加工方法である。
【0024】
さらに別のウエーハの裏面加工の方法で得られる本発明の特徴は、ウエーハ裏面に酸化膜を形成させたのち、該酸化膜を部分的にエッチングによって除去し、しかる後に残余の酸化膜を裏面全面を研磨することによって除去して面粗さ分布を付与した半導体ウエーハである。より具体的な方法として、当該ウエーハの直径より小なる径を持つ2枚の耐腐食性材質の円板形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んでエッチングして、環状リム形に該酸化膜を取り除き、次いでウエーハ裏面を鏡面研磨して、中心部に残った酸化膜を取り除くと同時に環状部分の鏡面研磨を行なうことによってウェーハ半径方向に面粗さ分布を付与した半導体ウエーハの加工方法である。
【0025】
別の本発明の特徴とするところのひとつはウエーハ裏面上に酸化膜を形成せしめ、当該ウエーハ直径と等しいかより大きい外径を持ち、当該ウエーハ直径より小なる内径を持つ2枚の耐腐食性材質の環状リム形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んでエッチングして、円形露出部分の酸化膜を取り除き、次いで該ウエーハ裏面全面を研磨して、外環部に残った酸化膜を取り除くと同時に該パットで覆われない部分の鏡面研磨を行なうことによってウェーハ半径方向に面粗さ分布を付与したことを特徴とする半導体ウエーハである。
【0026】
ウエーハ裏面と保持手段表面の接触面密度分布を付与するための加工方法は今まで述べてきたような面粗さ分布を持たせる以外にも、ウエーハ裏面に凹部を設けて形成してもよく、さらに具体的には同心円状の細い溝を複数本、溝幅若しくは溝数を変化させて設けてもよく、又円形の小さい凹みを複数個所に該円形の面積若しくは該円形の数の密度を変化させてパターンを形成したウエーハであってもよく、上記方法だけに限る必要はない。
【0027】
ウエーハと保持手段の間での接触面密度が一様であるにもかかわらず、デバイス作製プロセス中においてウエーハ表面の温度が図2(B)に示すような分布を示す時、熱がウエーハから保持手段に向って流れる場合には、本発明による図3(A)下段に示す如き面粗さ分布を裏面に持たせたウエーハを、あるいは逆に、熱が保持手段からウエーハに向って流れる場合には、図3(B)下段に示す如き面粗さ分布を裏面に持たせたウエーハを用いればよい。何故ならば、前者の場合には面粗さの粗いウエーハ周辺部では接触面密度が低くなるので、接触面を介しての熱伝導に対する抵抗が大きくなる。そのためにこの部分における熱伝導が抑制されてウエーハ表面の温度分布を図3(A)に示すようにウエーハ全面において均一にすることが出来る。逆に後者の場合には図3(B)下段の如き面粗さ分布を裏面に有するウエーハを用いることによって、この時にはウエーハ周辺部での保持手段からウエーハへの熱伝導が他の部分より促進されるので、同様にウエーハの表面温度の面内均一性を高めることができる。
【0028】
また、デバイス作製プロセス中においてウエーハ表面の温度が図4に示すような分布を示す場合に対しては、ウエーハと保持手段の間での熱の流れの方向に応じて、それぞれウエーハ周辺部における熱伝導を促進、または抑制するようにウエーハ裏面の周辺部とその他の部分の間に適宜面粗さの変化をもたせればよい。
【0029】
静電チャッキングの場合におけるウエーハのチャックからの脱離に伴う問題点に対しても、裏面の面状態を調整したウエーハによって有効に解決することができる。すなわち、そのための本発明はウエーハ裏面に酸化膜を形成させたのち、該酸化膜を部分的にエッチングによって除去し、しかる後に残余の酸化膜を裏面全面を研磨することによって除去して面粗さ分布を付与することを特徴とする半導体ウエーハである。
【0030】
このように処理されたウエーハでは、残余の酸化膜が研磨により除去された裏面の部分は酸化膜形成前の面粗さを保有しているのに対して、研磨に先だって酸化膜が除去されウエーハ素材が露出した裏面は研磨加工によって、面粗さを酸化膜形成前の粗さよりも小さく、あるいはより大きくすることができる。静電チャックからのウエーハの脱離は接触面密度の小さい(ウエーハ裏面の粗さの大きい)個所から始まるので、上記構成の如きウエーハではチャックからの脱離の困難は生じない。
【0031】
尚、裏面酸化膜の一部をエッチングにより除去した後の裏面研磨加工では、酸化膜を全て除去してもよいが、ウエーハ素材が露出した部分の表面粗さが小さくなった時点で研磨を停止し、残存する酸化膜を希フッ酸等で除去することも可能である。
【0032】
この際の酸化膜の形成方法としては、蒸着による方法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは熱酸化法(乾燥または含水酸素雰囲気中で加熱処理して表面を酸化する)などのいずれの方法をも用いることができるが、なかでも熱酸化法によって形成される酸化膜は緻密で均質であるので、特に望ましい方法である。
【0033】
さらにより具体的には、本発明はウエーハ裏面に酸化膜を形成せしめ、当該ウエーハ直径より小なる径を持つ2枚の耐腐食性材質の円板形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んでエッチングすることにより、環状リム形に該酸化膜を除去し、次いで該ウエーハ裏面全面を鏡面研磨して、中心部に残った該酸化膜を取り除くことによって面粗さに分布を付与した半導体ウエーハである。このようなウエーハでは中央部分の裏面面粗さが粗い部分が先ず脱離し、ついで、環状リム形の鏡面部分に波及するというように、脱離が円滑に行なわれる。
【0034】
また、本発明はウエーハ裏面に酸化膜を形成せしめ、当該ウエーハ直径と等しいかより大きい外径を持ち、当該ウエーハ直径より小なる内径を持つ2枚の耐腐食性材質の環状リム形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んでエッチングして、円形に露出した部分の熱化膜を取り除き、次いで該ウエーハ裏面全面を鏡面研磨して、環部に残った酸化膜を取り除くことを特徴とするウエーハであってもよい。このようなウエーハでは、環状リム形部分の裏面面粗さが粗い部分が先ず脱離し、ついで、中央の鏡面部分に波及するというように、脱離が円滑に行なわれる。
【0035】
ウエーハ保持手段とウエーハ裏面との接触は相対的なものであるから、ウエーハ裏面に限らず、保持手段表面において接触面密度分布を実現するようにしてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を具体例によって説明する。
図6に本発明のウエーハ裏面と保持手段表面の接触面における接触密度の分布が両者の接触面における熱流の分布に影響し、ウエーハ表面の温度分布に及ぼす効果を測定するための装置を示す。(A)は側面図、(B)は平面図である。図中の46は石英製のプロセスチャンバーで、ベース48に密着して内部は気密に保たれる。49は排気管で真空装置に接続している。真空装置を作動させてチャンバー内部をそれぞれのデバイス作製プロセスに合せ、所定の減圧状態に保つ。47はウエーハ保持手段でアルミナ製静電チャックである。ウエーハと接する部分Hは加熱体若しくは除熱体を内包していて、保持面全面が均一に加熱あるいは除熱されるよう工夫されている。40はチャンバー内部を気密に保ちつつウエーハ保持手段47を回転するための軸である。41はオプティカルファイバー式放射温度計の放射光受光端であって、ウエーハWからの放射光は光ファイバー44を通過し、検出器45中の検出素子で検出され、それにより検出器45は検出した光量を電気信号に変換して出力し、その出力に応じてウエーハWの表面温度を表示する。本実施例では株式会社チノーによって設計製作されているファイバ式放射温度計IR−FLONを集光部として付属させたIR−FBS形赤外放射温度測定装置を用いた。この装置は検出素子にSiを使用した単色形狭波長帯域の放射温度測定装置でIR−FLONを使って100mmの離間距離から1mmのスポットの温度を500℃〜900℃の範囲で測定することができる。42は放射光受光端を把持し、スライド桁43と遊びのないようにスライド可能な精密スライド冶具である。このスライド冶具には図示していない位置検出手段と定距離移動手段が付帯しており、スライド桁43上を一定速度で、若しくは断続的に必要所定の距離を移動可能なようになっており、かつ位置検出手段からその現在位置に対応する信号が出力される。その出力信号はコンピューターなどの記録・演算手段により記録、演算され、記録、演算結果の一部は定距離移動手段の制御のために該手段にフィードバックされる。
【0037】
以下の実施例1〜3及び比較例にはシリコン単結晶を両面鏡面研磨まで行なった直径200mmのオリエンテーションフラット部のないウエーハを用いた。そして、静電チャックと接する裏面側のウエーハ表面の面粗さがRa14nm、Rmax1070nm程度の試料を標準の試料として用いた。面粗さの測定はチャップマンの光学式粗さ計を用いて行った。
【0038】
比較例
上記の試料を保持装置47に載置し、チャンバー内を真空装置によって排気した。温度計の放射光受光端41がウエーハWの表面の上方約100mmの一定の距離に保たれ、ウエーハWの直径上を任意の方向に任意の距離を移動できるように、スライド桁43、スライド冶具42などを設置する。加熱装置を用いてウエーハ表面温度が800℃近辺になるよう調節して、ウエーハW表面の定めた何点かを選び一定時間経過毎に各点の温度を測定し、ウエーハ表面の温度が定常状態に達したことを確かめる。しかる後、ウエーハを停止したまま(この時のウエーハ位置をウエーハの回転角度0の位置とする)で放射光受光端41を図の左から右へ一定速度で走査するように移動させて、この時測定されたウエーハの表面温度を記録する。次にそのままの状態で受光端41を図の右から左へ同様に移動させてこの時のウエーハの表面温度を記録する。さらにウエーハWを同じ方向に45度ずつ回転させてウエーハの回転角度45度、90度、135度のそれぞれの位置で同様の測定を繰り返す。これらの4回の測定で得られたウエーハの直径に沿った合計8つの測定値を、ウエーハの中心を基準にした直径上の各位置毎に平均して図7の結果を得た。
【0039】
実施例1
鏡面研磨した標準の試料ウエーハの裏面をスピンエッチングすることにより、ウエーハ裏面周辺部を粗面化したウエーハを作成した。すなわち、弗酸50%、硝酸70%、燐酸80%の薬液を混合して調製したエッチング液を、裏面を上側に保持したウエーハを高速で回転しつつ、ウエーハの裏面中心部から外周部にウエーハの高速自転による遠心力を利用して流し、裏面のみをエッチングした。ウエーハの自転回数、エッチング液の流量を制御することで、エッチング液のシリコンウエーハ裏面上での滞留時間を制御し、周辺部がより粗くなるよう粗面化を行なった。
得られた試料の裏面の面粗さ分布をチャップマンの光学式粗さ計で測定すると、表1のように面内の位置によって異なっていた。
表1
Figure 0003932097
表1の試料を保持装置47に載置し、チャンバー内を真空装置によって排気した。温度計の放射光受光端41がウエーハWの表面の上方約100mmの一定の距離に保たれ、ウエーハWの直径上を任意の方向に任意の距離を移動できるように、スライド桁43、スライド冶具42などを設置する。加熱装置を用いてウエーハ表面温度が800℃近辺になるよう調節して、ウエーハW表面の定めた何点かを選び一定時間経過毎に各点の温度を測定し、ウエーハ表面の温度が定常状態に達したことを確かめる。しかる後、ウエーハを停止したまま(この時のウエーハ位置をウエーハの回転角度0の位置とする)で放射光受光端41を図の左から右へ一定速度で走査するように移動させて、この時測定されたウエーハの表面温度を記録する。次にそのままの状態で受光端41を図の右から左へ同様に移動させてこの時のウエーハの表面温度を記録する。さらにウエーハWを同じ方向に45度ずつ回転させてウエーハの回転角度45度、90度、135度のそれぞれの位置で同様の測定を繰り返す。これらの4回の測定で得られたウエーハの直径に沿った合計8つの測定値を、ウエーハの中心を基準にした直径上の各位置毎に平均して、図8に示す結果を得た。比較例にくらべ格段とウエーハ周辺部まで温度分布が均一になっている状況がわかる。
【0040】
実施例2
両面鏡面研磨した標準の試料ウエーハの裏面を平面研削することにより、ウエーハ裏面周辺部の面粗さを大きくしたウエーハを作成した。
すなわち、インフィード式平面研削機を用いて試料ウエーハの裏面を加工し、面粗さが中心部ほど小さく、外周部ほど大きくなるよう仕上げた。この仕上げ面の粗さの値や面内での変化の程度は、使用する砥石の種類、研削時の砥石の回転速度やウエーハ自転速度を選択することによって行った。
得られた試料ウエーハの裏面粗さをチャップマンの光学式粗さ計で測定すると、表2のようであった。
表2
Figure 0003932097
表2の試料を保持装置47に載置し、チャンバー内を真空装置によって排気した。温度計の放射光受光端41がウエーハWの表面の上方約100mmの一定の距離に保たれ、ウエーハWの直径上を任意の方向に任意の距離を移動できるように、スライド桁43、スライド冶具42などを設置する。加熱装置を用いてウエーハ表面温度が800℃近辺になるよう調節して、ウエーハW表面の定めた何点かを選び一定時間経過毎に各点の温度を測定し、ウエーハ表面の温度が定常状態に達したことを確かめる。しかる後、ウエーハを停止したまま(この時のウエーハ位置をウエーハの回転角度0の位置とする)で放射光受光端41を図の左から右へ一定速度で走査するように移動させて、この時測定されたウエーハの表面温度を記録する。次にそのままの状態で受光端41を図の右から左へ同様に移動させてこの時のウエーハの表面温度を記録する。さらにウエーハWを同じ方向に45度ずつ回転させてウエーハの回転角度45度、90度、135度のそれぞれの位置で同様の測定を繰り返す。これらの4回の測定で得られたウエーハの直径に沿った合計8つの測定値を、ウエーハの中心を基準にした直径上の各位置毎に平均して図9の結果を得た。比較例に比べ格段とウエーハ周辺部まで温度分布が均一になっている状況がわかる。
【0041】
実施例3
ウエーハ保持手段の一例として、アルミナ製静電チャックの表面に図12に示すように10ミクロンの幅を持つV字形の溝を同心円状に設けてウエーハ裏面との接触面積を半径方向で変化させた。
得られた静電チャック表面の性状は表3のようであった。ここで、見かけ接触率100%とは全く凹部(溝)を設けない静電チャックの表面状態を表し、90%とはウエーハの接触面積の10%に相当する凹部が表面に存在することを表している。
表3
Figure 0003932097
表3の試料を保持装置47に載置し、チャンバー内を真空装置によって排気した。温度計の放射光受光端41がウエーハWの表面の上方約100mmの一定の距離に保たれ、ウエーハWの直径上を任意の方向に任意の距離を移動できるように、スライド桁43、スライド冶具42などを設置する。加熱装置を用いてウエーハ表面温度が800℃近辺になるよう調節して、ウエーハW表面の定めた何点かを選び一定時間経過毎に各点の温度を測定し、ウエーハ表面の温度が定常状態に達したことを確かめる。しかる後、ウエーハを停止したまま(この時のウエーハ位置をウエーハの回転角度0の位置とする)で放射光受光端41を図の左から右へ一定速度で走査するように移動させて、この時測定されたウエーハの表面温度を記録する。次にそのままの状態で受光端41を図の右から左へ同様に移動させてこの時のウエーハの表面温度を記録する。さらにウエーハWを同じ方向に45度ずつ回転させてウエーハの回転角度45度、90度、135度のそれぞれの位置で同様の測定を繰り返す。これらの4回の測定で得られたウエーハの直径に沿った合計8つの測定値を、ウエーハの中心を基準にした直径上の各位置毎に平均して図10の結果を得た。比較例におけるウエーハにくらべ格段とウエーハ周辺部まで温度分布の不均一性が改善された状況がわかる。
【0042】
実施例4
本実施例は静電チャックからのウエーハの脱離を容易にする効果を示すものである。直径200mmのエッチング処理をしたシリコンウエーハを含水酸素雰囲気中、400分間、温度750℃に保ち表面におよそ600Åの厚さの熱酸化膜を形成した。このウエーハの両面を外径160mmの円形フッ素樹脂パッド51でそれぞれの中心が一致するように合せて挟みこみ図11のように固定する。このフッ素樹脂で挟まれたウエーハを5%HF水溶液に3分間浸漬して該ウエーハの周辺20mmまでの間の酸化膜を除去した。その後、このウエーハの裏面全面を研磨し、残した酸化膜を研磨によって除去すると同時に、周辺から20mmまでの間の露出したシリコン表面を研磨した。これにより前者の部分は略エッチング処理のままの表面となり、後者の部分はエッチング処理されたままの表面からおよそ0.75ミクロン研磨によって除去された研磨仕上げ面となった。このウエーハの裏面の輝度を測定すると、中心部で45%,周辺部は92%の値を示した。また、面粗さはチャップマン若しくはTMSの粗さ計で測定すると表4に示すごとき値であった。
表4
Figure 0003932097
表4の試料をドライエッチング装置のウエーハ保持手段である静電チャックに載置し電圧600Vを印加してチャッキングを行ない、0.1Torrのチャンバー中でウエーハ裏面にヘリウムの微圧をかけたところヘリウムの漏洩はみられず、確実に吸引保持された。印加電圧を除去直後、チャンバー内を常圧に戻し、ウエーハをチャックより剥がしたところ、容易にチャックより離脱した。
なお、本実施例の測定に用いたチャップマン(Chapman)若しくはTMS(Texture Measurement System)面粗さ計は次に示したものを用いた。
チャップマン面粗さ計:製造者 Chapman Instruments、機種名MP2000+
TMS(Texture Measurement System):
製造者SchmitMeasurementSystem,Inc
機種名MS3000−W
【0043】
【発明の効果】
半導体ウエーハが、デバイス作製プロセスにおいてウエーハ保持手段に保持されるにあたり、該ウエーハ保持手段表面と該ウエーハの裏面が接触保持される際の、該ウエーハ保持手段表面と該ウエーハの裏面との接触面密度に分布をもつようウエーハ裏面若しくはウエーハ保持手段表面の性状を調製することにより、該接触保持の際に起こるデバイス作製プロセス上の様々な問題を解決あるいは改善し、デバイス作製プロセスの生産性、収率の向上に効果をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触部位の微視的断面を示した模式図。
【図2】デバイス作製プロセスチャンバー内におけるウエーハの表面温度分布と周辺部分不良チップの発生を説明した概念図。
【図3】ウエーハ裏面の面粗さ分布付与により表面温度分布の平坦均一化を図るところを説明した概念図。
【図4】デバイス作製プロセスチャンバー内におけるウエーハの表面温度分布を示した概念図。
【図5】ウエーハ保持手段(静電チャック)表面の接触面密度分布付与により表面温度分布の平坦均一化を図るところを説明した概念図。
【図6】ウエーハ表面の温度分布を測定するための装置。(A)側面図。(B)平面図。
【図7】ウエーハ表面の温度分布を示すグラフ。
【図8】ウエーハ表面の温度分布を示すグラフ。
【図9】ウエーハ表面の温度分布を示すグラフ。
【図10】ウエーハ表面の温度分布を示すグラフ。
【図11】ウエーハの周辺環状帯のみをエッチングするための冶具の略図。
【図12】表面に凹部付与加工をしたウエーハ保持手段(アルミナ製静電チャック)の略図。
【符号の説明】
W ウエーハ
40 ウエーハ保持手段の回転軸
41 オプティカルファイバー式放射温度計の放射光受光端
44 光ファイバー
45 検出器
46 石英製のプロセスチャンバー
47 ウエーハ保持手段
48 ベース

Claims (11)

  1. ウェーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせ、該異なる部位が、面内半径方向にほぼ同心状に存在することを特徴とする半導体ウエーハ。
  2. ウェーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせ、該面粗さの異なる部位が、少なくとも外周側部位と、その内側に位置する中心側までの任意の部位に存在することを特徴とする半導体ウエーハ。
  3. ウェーハ裏面の面粗さの半径方向の粗さ変化が、半径方向の連続的変化であることを特徴とする請求項1若しくは2記載の半導体ウエーハ。
  4. ウェーハ裏面の面粗さの半径方向の粗さ変化が、半径方向にほぼ所定リング幅毎に変化させる断続的変化であることを特徴とする請求項1若しくは2記載の半導体ウエーハ。
  5. 前記ウェーハ裏面の面粗さの内、表面粗さの粗い方の部位の粗さ波長が5〜100μmの範囲である請求項1若しくは2記載の半導体ウエーハ。
  6. デバイス作製プロセス時にウエーハ保持手段にウェーハ裏面全面が面接触にて保持される半導体ウエーハにおいて、
    前記ウエーハ裏面の面密度をウェーハ半径方向に異ならせて形成して、前記ウエーハ保持手段表面と該ウエーハの裏面との接触面密度が、ウェーハ半径方向に異なる面密度分布をもっていることを特徴とする半導体ウエーハ。
  7. 前記ウエーハ裏面の面密度が、ウエーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせた面粗さ分布で形成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体ウエーハ。
  8. ウェーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせ、該異なる部位を、面内半径方向にほぼ同心状に存在させる半導体ウエーハの加工方法において、
    ウエーハ裏面が鏡面研磨されたのち、エッチング若しくは平面研削の少なくとも1若しくは両者の加工手段によって面内半径方向にほぼ同心状に異なる面粗さ分布を付与させることを特徴とする半導体ウエーハの加工方法。
  9. ウェーハ裏面の面粗さを半径方向に異ならせ、該異なる部位を、面内半径方向にほぼ同心状に存在させる半導体ウエーハの加工方法において、
    ウエーハ裏面に酸化膜が形成されたのち、該酸化膜が部分的にエッチングによって除去され、しかる後に残余の酸化膜が裏面全面を研磨することによって除去されてほぼ半径方向に同心状に面粗さ分布が付与されることを特徴とする半導体ウエーハの加工方法。
  10. 前記酸化膜の部分的なエッチングによる除去が、当該ウエーハ直径より小なる径を持つ2枚の耐腐食性材質の円板形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んで行われ、環状リム形に該酸化膜が除去されることを特徴とする請求項記載の半導体ウエーハの加工方法。
  11. 前記酸化膜の部分的なエッチングによる除去が、当該ウエーハ直径と等しいかより大きい外径を持ち、当該ウエーハ直径より小なる内径を持つ2枚の耐腐食性材質の環状リム形パッドでウエーハと同心状に該ウエーハを挟んで行われ、内径円部分の酸化膜が除去されたものであることを特徴とする請求項記載の半導体ウエーハの加工方法。
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