JP3932812B2 - 帯状金属処理面の検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、錫メッキなどの連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された銅などの帯状金属における処理面の検査装置に係り、特に、炎に晒され過ぎて帯状金属表面が鱗状になるオーバーリフロー状態とならないように上記処理工程を管理するための検査装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銅などの帯状金属に対し錫メッキなどのメッキ処理を連続して行い、次いでこのメッキ処理面を炎であぶることにより光沢を施す加工法が知られており、加工された金属材料は、例えば装飾品の材料等に利用されている。
【0003】
この加工法において上記メッキ処理面が炎であぶられ過ぎてオーバーリフロー状態となると、帯状金属表面が鱗状になってしまうため装飾品等の材料としては適用困難となる。
【0004】
そこで、上記帯状金属における処理部の搬送下流側において検査員を配置し、オーバーリフロー状態の有無を目視により検査する方法が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、連続メッキ処理速度が遅く帯状金属の搬送速度が緩やかな場合には特に問題はなかったが、連続メッキ処理速度が300mm/sec程度と非常に高速になるにつれて、検査員による目視の検査では小さなオーバーリフロー状態を発見できなくなる場合がありその改善が求められていた。
【0006】
この場合、検査員を配置する代りにライン照明手段とラインスキャンカメラを検査部に配置し、斜照明による方法(帯状金属処理面の垂線方向にラインスキャンカメラを配置しかつライン照明を垂線から45度以上の角度で照射して傷などを検出する方法)にてオーバーリフロー状態を検出する方法が考えられる。
【0007】
しかし、この斜照明による方法では上記処理面に形成された傷などの検出感度が高いため上記処理面に形成された傷とオーバーリフロー状態との区別が困難となり、かつ、検出感度を落としていくと傷よりも先にオーバーリフロー状態が検出できなくなるためオーバーリフロー状態の検出には適用困難であった。
【0008】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、オーバーリフロー状態のみを検出可能な帯状金属処理面の検査装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、
連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置を前提とし、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が60度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を2〜6mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、
連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置を前提とし、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が40度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を3〜7mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置を前提とし、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が20度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を4〜8mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明の検査原理について図1を用いて説明する。
【0014】
すなわち、本発明に係る検査装置は、図1に示すように連続メッキ処理と光沢処理が施された帯状金属1の処理面(検査面)における垂線αに対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属1の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように配置されたファイバーライン照明手段2およびラインスキャンカメラ3と、上記ファイバーライン照明手段2の照明端から所定距離を介し配置された拡散フィルター4とでその主要部が構成されている。
【0015】
ここで、上記帯状金属1の処理面(検査面)に照射される照明強度分布は、図2(A)に示すようにファイバーライン照明手段2の照明端から拡散フィルター4a、4b、4c、4dまでの距離により図2(B)に示すようなガウシャン分布に近い形状となり、照明端から拡散フィルターまでの距離が離れるほど広がった形となる。
【0016】
また、帯状金属1のメッキが施された処理面は非常に柔らかいことから、メッキ製造ラインにおける搬送用ローラに触れただけでも上記処理面に微細な擦り傷が無数についてしまう。従って、画像解析によるオーバーリフロー状態の検出を実現させるためには表面の微細な擦り傷に埋もれた画像からオーバーリフロー状態を判断しなければならない。
【0017】
そして、図3(A)に示すように上記擦り傷は微細であるがその形状は非常に鋭利であるのに対し、オーバーリフロー状態にある処理面は2〜5mm周期の鱗状の模様で滑らかな表面形状を呈するうねりのようになっている。また、上記正反射条件では、これ等の傷やうねりに応じて検査面で反射された反射光がラインスキャンカメラ3に入射しなくなるため、上記傷やうねりの程度に対応して暗い画像となる。
【0018】
但し、上記微細な擦り傷は、散乱度合が高い(拡散フィルターにより十分に拡散された)照明を用いた場合、多方面から擦り傷が照射されることからその反射光が上記正反射条件に設置されたラインスキャンカメラ3に必ず入射されて暗い画像にならないためこのラインスキャンカメラ3で撮影された撮影像では殆ど検出されない。他方、オーバーリフロー状態にある処理面のうねりは大きいため、散乱度合が比較的高い照明を用いた場合でも、その反射光が上記正反射条件に設置されたラインスキャンカメラ3に入射され難いことから暗い画像となりこのラインスキャンカメラ3で撮影された撮影像からオーバーリフロー状態を検出することが可能となる。更に散乱度合が高い照明を用いた場合には、表面の擦り傷やうねりに対し反応が鈍くなるため、単に反射率に依存した反射像がラインスキャンカメラ3にて撮影されるに過ぎない。
【0019】
そして、帯状金属における検査面が鏡のような理想的平坦なときの反射光強度分布が図3(B)に示すaのような分布となる照明を、表面に微細な擦り傷がある検査面(通常のメッキ面)に照射しかつ上記正反射条件を満足した位置から観察した場合、その反射光強度分布は図3(B)に示すbのような分布となる。また、帯状金属における検査面が鏡のような理想的平坦なときの反射光強度分布が図3(B)に示すaのような分布となる照明を、表面に微細な擦り傷とオーバーリフロー状態に伴ううねりの両方がある検査面に照射しかつ上記正反射条件を満足した位置から観察した場合、その反射光強度分布は図3(B)に示すcのような分布となる。
【0020】
ここで、表面の微細な擦り傷は、上述したように散乱度合がある程度高い照明に対して反応しないため、上記拡散フィルターを使用して反射光強度分布が図3(B)に示すbのような分布となる照明を、表面に微細な擦り傷とオーバーリフロー状態に伴ううねりの両方がある検査面に照射した場合、表面の微細な擦り傷にはほとんど反応せずにオーバーリフローの表面状態のみを検出することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係る検査装置においては、上記正反射条件に設置されたラインスキャンカメラの視野範囲について帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い反射光強度分布を有する反射光の頂点付近(画素分解能に依存し、例えば100〜200μm幅)のみが入射するように設定されているため、単純にラインスキャンカメラで撮影された画像の明暗でオーバーリフロー状態を判断することが可能となる。尚、ラインスキャンカメラの上記視野範囲についてガウシャン分布に近い反射光強度分布を有する反射光の半値より広い範囲が入射するように設定した場合、その範囲の積分値を受光することになるため画像の明暗でオーバーリフロー状態を単純に判断することができなくなる。
【0022】
また、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)の照明を用いた場合、表面の微細な擦り傷に殆ど反応せずオーバーリフロー状態のみが顕著に検出できるファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を図4に示す。尚、拡散フィルターにはその拡散角度が20度、40度および60度のものを用いている。
【0023】
次に、本発明に係る検査装置の具体的構成について、以下詳細に説明する。
【0024】
まず、本発明に係る検査装置は、図5に示すようにローラー8等の搬送手段により一定速度で搬送されかつ連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施される帯状金属1の両面側にそれぞれ配置されたファイバーライン照明手段2、2およびラインスキャンカメラ3、3と、上記ファイバーライン照明手段2、2の照明端から所定距離を介し配置された拡散フィルター4、4とでその主要部が構成されており、かつ、上記ファイバーライン照明手段2、2とラインスキャンカメラ3、3の配置関係については帯状金属1の処理面における垂線αに対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属1の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定されると共に、上記ラインスキャンカメラ3、3の視野範囲については帯状金属1の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定される。
【0025】
また、各ラインスキャンカメラ3、3は、それぞれ画像検査用パソコン5、5に挿入された画像入力ボード6、6に接続されていると共に、上記画像検査用パソコン5、5と検査結果集計用パソコン7は、イーサネットによりネットワークを構築している。また、帯状金属1に形成されてしまったオーバーリフロー状態の部位を記録するため、上記搬送手段としてのローラー8にはエンコーダ9が取付けられ、この出力側がそれぞれの画像検査用パソコン5、5に挿入されたカウンターボード10に接続されている。
【0026】
そして、各ラインスキャンカメラ3、3で取り込まれた検査画像は、それぞれの画像検査用パソコン5、5により画像検査が実行され、他の画像検査用パソコンとは独立している。また、それぞれの画像検査用パソコン5、5により実行された検査結果はネットワークにより検査結果集計用パソコン7に送信され、オーバーリフロー状態の欠陥がどの長さ方向位置のどの幅方向位置にあったか検査結果を統合するようになっている。
【0027】
このように各ラインスキャンカメラ3、3で取り込まれた検査画像を独立したパソコンで処理する方法を採ることにより以下のような利点が得られる。
1)1台の画像検査用パソコンに複数台のラインスキャンカメラを接続して画像検査を実行する方法に較べて高速処理が可能となる。
2)検査対象である帯状金属の幅寸法が広くなった場合、上記ラインスキャンカメラと画像検査用パソコンを単純に追加する方法で対応が可能となる。
3)検査対象の検査精度(検査分解能)が高くなった場合、上記ラインスキャンカメラと画像検査用パソコンを単純に追加し光学系を変更する方法で対応が可能となる。
4)画像検査アルゴリズムが複雑になって画像検査が帯状金属のライン速度に追従できなくなった場合、ラインスキャンカメラの有効画素数を単純に少なくして画像検査用パソコンを追加する方法で対応が可能となる。
5)全ての画像検査用パソコンは同じ画像検査プログラムでよく、構成に変更があったときも検査結果集計用パソコンのプログラムのみを変更することで対応が可能となる。
【0028】
ところで、メッキ処理が施された帯状金属1は炎であぶられることにより光沢をだす。この工程において、一般的に炎であぶり過ぎ(炎に晒し過ぎ)ると表面が鱗状になるオーバーリフロー状態となる。また、帯状金属1のメッキ面は非常に柔らかいため、上述した搬送手段としてのローラーに接触しただけで微細な擦り傷が付いてしまうことは避けられない。
【0029】
そして、ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラを検査部に配置し、上述した斜照明による画像解析法で上記オーバーリフロー状態を検出することは可能であるが、この斜照明による画像解析法は傷に対する検出感度が高いため、検出感度を落としていくと傷よりも先にオーバーリフロー状態が検出できなくなってしまう。
【0030】
そこで、本発明に係る検査装置においては、上述したようにファイバーライン照明手段2、2とラインスキャンカメラ3、3の配置関係については帯状金属1の処理面における垂線αに対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属1の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラ3、3の視野範囲については帯状金属1の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定され、更に、上記ファイバーライン照明手段2、2についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルター4、4を配置することで帯状金属表面の微細な傷よりもオーバーリフロー状態を顕著に検出できるように構成されている。
【0031】
そして、この検査装置における照明条件では帯状金属表面の微細な擦り傷に対してほとんど感度がないが、オーバーリフロー状態に対しては鱗状の凹んだ部分が正反射条件から外れるため暗い画像となりオーバーリフロー状態を顕著に検出することが可能となる。
【0032】
尚、この検査装置におけるオーバーリフロー状態の画像解析検出アルゴリズムは以下のようになっている。
【0033】
すなわち、オーバーリフロー状態の部分は上述したように暗い画像となるため、これを判断するには、ラインスキャン方向にn番目の画素濃度から(n−i)番目の画素濃度を差し引いた画素濃度差を計算し、その画素濃度差が予め設定した閾値より大きい場合の数を1回に取り込んだ画像から積算して、設定個数(例えば80個)より大きければオーバーリフロー状態と判断する。
【0034】
また、この検査装置においては、上記オーバーリフロー状態にある部分の位置を特定するため、1台のラインスキャンカメラと画像検査用パソコンが検査する幅を指定数に分割した領域内においても同様な画像解析を実行している。
【0035】
但し、上記閾値より大きい場合の設定個数は、当然のことながら上述した設定個数よりは小さめに設定(例えば10個)されている。
【0036】
尚、上記分割数は、後においてこの帯状金属をスリッターにより幅方向に分割する際の数に等しく設定されており、スリッターにより分割された各分割帯状金属(製品)のどの部位にオーバーリフロー状態部分が存在するかが分かるようになっている。
【0037】
そして、検査結果はネットワークにより上述した検査結果集計用パソコンに送信され、図6に示すオーバーリフロー状態にある欠陥部位βがどの長さ方向位置のどの幅方向位置にあったか検査結果を統合する。更に、この統合した結果により、バーナーのどの部分の炎を調整すればよいか等オーバーリフロー状態を防止する指針となる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0039】
図7に示すようにメッキ検査対象物である帯状金属11の幅寸法は400mmで、ライン速度は200mm/secである。幅500mmのファイバーライン照明12を両側(帯状金属11の表裏側)に1台づつ設置し、かつ、各ファイバーライン照明12には1台あたり3台の100Wハロゲンランプ光源13が接続されている。更に、各ファイバーライン照明12の出射端には、拡散角度60度の拡散フィルター14が上記出射端から4mm離れた位置に平行に取り付けられている。また、2098画素のラインスキャンカメラ15が正反射条件を満たしかつ帯状金属11の片面側にそれぞれ2台づつ合計4台(No.1〜No.4)設置されている。
【0040】
また、2098画素の上記ラインスキャンカメラの2000画素を有効画素として利用し、レンズ16の先端からメッキ検査対象物である帯状金属11までの距離(ワーキングディスタンス)が約500mmのとき、ラインスキャン方向の画素分解能が約200μm/画素になるように光学設計を行った。また、ラインスキャン方向と垂直方向(帯状金属の搬送方向)の画素分解能も200μm/画素になるようにラインスキャンカメラのラインレートを1kHz(=200mm/sec/200μm)に設定した。
【0041】
また、画像の取り込みと画像解析は、画像を取り込んでいる間に一つ前に取り込んだ画像を解析するダブルバッファリング方法を採用した。ここでは、100ライン毎に画像を取り込む設定とした。メッキ検査対象物である帯状金属11は、この工程の後にスリッターにより16分割されるので、欠陥検出エリアも16分割して欠陥(すなわち、オーバーリフロー状態)を判断することにした。
【0042】
オーバーリフロー状態を検出するためには、図8に示すように指定した差分画素間隔分だけ離れた画素間の画素濃度差(絶対値)が、指定した差分画素濃度閾値より大きい画素の個数を数え、事前に設定した設定個数より多い場合を欠陥とする検査アリゴリズムを用いた。
【0043】
ここでは、差分画素間隔は10画素、差分画素濃度閾値は100、オーバーリフロー状態の判断設定個数は10個とした。
【0044】
そして、この検査装置をメッキ製造ラインに取り付け、意図的にバーナーの炎を調整しながらオーバーリフロー状態を作り出し、約100mの試験サンプルに対してメッキ検査を実施した。同時に、検査員による目視検査も実施した。
【0045】
この結果を以下の表1に示す。
【0046】
【表1】
他方、検査員による目視検査では、欠陥画像番号03と06のオーバーリフロー状態を見逃してしまい、実施例に係る検査装置の優位性が確認された。
【0047】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の発明に係る検査装置によれば、
ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置しているため、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を機械的に検査できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査装置の検査原理の説明図。
【図2】図2(A)はファイバーライン照明手段と拡散フィルターとの位置関係を示す説明図、図2(B)は上記各位置関係における検査面での照明強度分布を示すグラフ図。
【図3】図3(A)は帯状金属メッキ面に形成された擦り傷およびオーバーリフロー状態を示す概念図、図3(B)は検査面での反射光強度分布を示すグラフ図。
【図4】本発明においてオーバーリフロー状態のみが検出される条件を示すファイバー端と拡散フィルター間距離および拡散フィルター拡散角度との関係図。
【図5】本発明に係る検査装置の概略構成を示す説明図。
【図6】帯状金属のオーバーリフロー状態にある欠陥部位を示す説明図。
【図7】実施例に係る検査装置の概略構成を示す説明図。
【図8】実施例に係る検査装置の検査アリゴリズムの説明図。
【符号の説明】
1 帯状金属
2 ファイバーライン照明手段
3 ラインスキャンカメラ
4 拡散フィルター
Claims (3)
- 連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置において、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が60度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を2〜6mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とする帯状金属処理面の検査装置。 - 連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置において、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が40度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を3〜7mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とする帯状金属処理面の検査装置。 - 連続メッキ処理後において炎に晒す光沢処理が施された帯状金属を一定速度で搬送し、検査部に設けられたファイバーライン照明手段の照明により形成された帯状金属における処理面の反射像をラインスキャンカメラにより撮影し、得られた撮影像の画像解析により上記光沢処理の良否を検査する帯状金属処理面の検査装置において、
上記ファイバーライン照明手段とラインスキャンカメラの配置関係については帯状金属の処理面における垂線に対し10度〜60度の範囲でかつライン方向が帯状金属の幅方向と平行になる正反射条件を満たすように設定され、上記ラインスキャンカメラの視野範囲については帯状金属の検査面で反射されかつガウシャン分布に近い強度分布を有する反射光の頂点付近のみが入射するように設定されると共に、上記ファイバーライン照明手段についてはその照明端から一定距離を介して拡散フィルターを配置し、上記ファイバーライン照明手段のファイバー端出射角が60度(全角)でかつ上記拡散フィルターの拡散角度が20度のときにファイバーライン照明手段の照明端から拡散フィルターまでの距離を4〜8mmに設定して、上記処理面が鱗状になるオーバーリフロー状態を検査できるようにしたことを特徴とする帯状金属処理面の検査装置。
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