JP3936009B2 - 線状α−オレフィンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン製造用のコモノマーや合成潤滑油の製造原料などとして有用な軽質の線状α−オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジルコニウム成分と有機アルミニウム成分からなる触媒を用いた線状α−オレフィンの製造方法は公知である。例えば、特開昭58−109428号公報には、ハロゲンを含有するジルコニウム成分とジアルキルアルミニウムアルコキシドからなる触媒を用いた線状オレフィン生成物の製造方法が開示されている。
本願出願人においても、炭素数10以下の線状α−オレフィンの製造方法を検討し、特開平6−32745号公報において、ジルコニウム成分と2種類の有機アルミニウム成分とからなる触媒を用いた線状α−オレフィンの製造方法を開示している。
【0003】
しかしながら、特開昭58−109428号公報に開示された触媒は分子量200〜700程度の重質の線状オレフィンを製造するためのものである。一方、特開平6−32745号公報に開示された触媒の使用により、本発明の目的とする軽質の線状α−オレフィンをある程度効率よく製造することが可能となった。しかし、軽質の線状α−オレフィンを多量に得ようとすると、有機アルミニウム成分の使用量を増加させねばならず、ジルコニウム成分当たりの触媒活性も低下する傾向にあった。また、この触媒の使用により、副生ポリマー量を低減できるが、高度に低減することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、副生ポリマーが高度に低減できると共に効率よく高純度の軽質線状α−オレフィンを製造する製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ジルコニウム成分と有機アルミニウム成分からなるスラリー触媒において、該スラリーを静置させたときに生じる上澄み部分を線状α−オレフィン製造用触媒として用いることにより前記課題が解決されることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1).一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】
〔式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、Aは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、kは0または1〜4の整数である。〕
で表されるジルコニウム成分〔A〕と有機アルミニウム成分〔B〕を接触した後、固体を分離し、液体部分を触媒として用いてエチレンを重合することを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。
(2).ジルコニウム成分〔A〕が、一般式(II)
【0009】
【化6】
【0010】
〔式中、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Bは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、mは0または1〜4の整数である。〕
で表されるハロゲン化ジルコニウムである前記(1)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
(3).有機アルミニウム成分〔B〕が、一般式(III)
【0011】
【化7】
【0012】
〔式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表し、Qは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、nは1,1.5及び2の中から選ばれ、また、pは1,1.5及び2の中から選ばれたものであり、かつ、n+p=3を満たすものである。〕
で表される有機アルミニウム成分〔a〕と一般式(IV)
【0013】
【化8】
【0014】
〔式中、R2 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表す。〕
で表される有機アルミニウム成分〔b〕とからなることを特徴とする前記(1)または(2)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、ジルコニウム成分〔A〕と有機アルミニウム成分〔B〕を接触した後、固体を分離し、液体部分を触媒として用い、エチレンを重合して線状α−オレフィンを製造する。
【0016】
ここで、遷移金属成分として用いるジルコニウム成分〔A〕としては、前記一般式(I)で表されるジルコニウム化合物が用いられる。一般式(I)において、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、Aは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、kは0又は1〜4の範囲の整数を表す。
【0017】
前記のハロゲン原子の中では、塩素原子、臭素原子が好ましく、中でも塩素原子が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、具体的には、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好ましい。また、アリールオキシ基としては、フェノキシ基が好ましい。
このようなジルコニウム化合物としては、例えば、ZrCl4 ,ZrI4 ,ZrBrCl3 ,ZrBr2 Cl2 ,Zr(OBu)4 ,Zr(OEt)4 ,Zr(OPr)4 などを好ましく挙げることができる。これらのジルコニウム化合物は一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
これらのジルコニウム化合物の中では、一般式(II)で表されるハロゲン化ジルコニウム化合物が好ましい。具体的には、前記のジルコニウム化合物を挙げることができるが、特に四塩化ジルコニウムが好ましい。
【0019】
一方、本発明に用いる触媒の原料として用いられる他の成分である有機アルミニウム成分〔B〕としては、ジルコニウム成分〔A〕を還元する還元能あるいはジルコニウム成分をアルキル化する機能を有するものであればよい。
【0020】
このような有機アルミニウム成分〔B〕としては、前記一般式(III)または(IV)で表される化合物の他、例えば、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサンを挙げることができる。
まず、前記一般式(III)で表される有機アルミニウム成分〔a〕について説明する。前記一般式(III)において、R1 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表すが、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。また、これらの基の2種類以上が混在するものであってもよい。Qは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。アルコキシ基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基、具体的には、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を好適に挙げることができ、アリールオキシ基としては、炭素数6〜20のアリールオキシ基、具体的には、フェノキシ基等を好適に挙げることができる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上が混在するものであってもよい。Qとしては、これらの中でもハロゲン原子、特に塩素原子が好ましい。次にnは1,1.5及び2の中から選ばれ、pは1,1.5及び2の中から選ばれたものであり、かつ、n+p=3を満たすものである。
【0021】
このような前記一般式(III)で表される有機アルミニウム化合物として具体的には、例えば、AlCl3 ,AlBr3 ,AlCl2 Br,Al(C2 H5 )Cl2 ,Al(C2 H5 )Br2 ,Al(C2 H5 )I2 ,Al(C2 H5 )1.5 Cl1.5 ,Al(C2 H5 )1.5 Br1.5 ,Al(C2 H5 )1.5 I1.5 ,Al(C3 H7 )1.5 Cl1.5 ,Al(iso-C3 H7 )1.5 Cl1.5 ,Al(C4 H9 )1.5 Cl1.5 ,Al(iso-C4 H9 )1.5 Cl1.5 ,Al(C6 H13)1.5 Cl1.5 ,Al(C8 H17)1.5 Cl1.5 ,Al(C2 H5 )1.5 Br0.5 Cl,Al(C2 H5 )(CH3 )0.5 Cl1.5 ,Al(C2 H5 )2 Cl,Al(C2 H5 )2 Br,Al(C2 H5 )2 Iなどが挙げられる。
これらの中でも、Al(C2 H5 )1.5 Cl1.5 が好適である。以上のような一般式(III)で表される有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
次に、前記一般式(IV)で表される有機アルミニウム成分〔b〕について説明する。前記一般式(IV)において、R2 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表す。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基が好ましく、特にメチル基やエチル基が好ましいが、これらの2種類以上が混在するものであってもよい。このような前記一般式(IV)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、Al(CH3 )3 ,Al(C2 H5 )3 ,Al(C3 H7 )3 ,Al(iso-C3 H7 )3 ,Al(C4 H9 )3 ,Al(iso-C4 H9 )3 ,Al(C5 H11)3 ,Al(C6 H13)3 ,Al(C8 H17)3 などが挙げられる。これらの中でも、Al(CH3 )3 やAl(C2 H5 )3 が好ましく、特にAl(C2 H5 )3 が好ましい。以上のような一般式(IV)で表される有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
上記のジルコニウム成分〔A〕と有機アルミニウム成分〔B〕とから、本発明で用いる触媒が調製されるが、まず最初にこれらの成分を接触させる必要がある。この場合、有機アルミニウム成分〔B〕とジルコニウム成分〔A〕とのモル比(〔B〕/〔A〕)を2〜15として接触させるのが好ましい。このモル比が15を越えると、反応に関与しない有機アルミニウム量が増え、製造コストの増加原因となり、2未満ではジルコニウム成分の活性化が不十分となり、線状α−オレフィンの収量が低下する可能性がある。
【0024】
また、有機アルミニウム成分〔a〕と有機アルミニウム成分〔b〕とのモル比(〔a〕/〔b〕)を2〜15としてジルコニウム成分〔A〕と接触させるのが好ましい。このモル比が15を越えると、ジルコニウム成分当たりの触媒活性が低下して、線状α−オレフィンの収量が低下する可能性があり、2未満では、固形ポリマーやワックス分の副生成量が増加する可能性がある。
【0025】
各触媒成分の接触の際には、通常、溶媒が用いられる。ここで用いる溶媒としては、シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ジクロロエタン、ジクロロブタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられ、特に、脂環族炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。
【0026】
本発明においては、このような溶媒1000ミリリットル当たり、ジルコニウム成分〔A〕が40〜140ミリモル程度となるような濃度で使用するのが好ましい。
また、本発明において、ジルコニウム成分と〔a〕,〔b〕2種類の有機アルミニウム成分を接触する場合、接触させる順序は問わないが、ジルコニウム成分と有機アルミニウム成分〔b〕とを先に接触させる方法が、触媒の活性向上の点で好ましい。
【0027】
上記の触媒成分の接触は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行えばよく、40〜100℃で10分〜3時間攪拌下接触させて調製するのが、触媒活性を高め、触媒の貯蔵安定性を高めるために好ましい。
【0028】
本発明においては、ジルコニウム成分〔A〕と有機アルミニウム成分〔B〕との接触により、スラリーが形成される(スラリー中には、有機アルミニウム化合物が一部配位したジルコニウム成分が固体として残る部分もあり得る。)。このときに形成されるスラリー中の固体粒子は細かい方が好ましい。それは、ジルコニウム化合物の表面積が増加して、有機アルミニウム化合物がより有効に配位され、その結果触媒活性が向上するからである。このとき、同時に固液分離後の液体部分に存在する有効なジルコニウム化合物量も増加し、その触媒活性も向上する。このスラリーは、固液分離手段による固液分離が可能であり、本発明においては固体部分を分離除去する。分離された液体部分には、ジルコニウム化合物とアルミニウム化合物(あるいは、ジルコニウムとアルミニウムを含む化合物)が存在する。
【0029】
固体の分離手段としては、ろ過、沈降分離、遠心分離等の公知の手段が適応できる。また、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、分離された液体部分に固体部分が混在していてもよく、この程度、即ち本発明の効果が損なわれない程度固体部分が混在するような触媒が得られる程度の固液分離手段を用いれば十分である。
【0030】
また、触媒の調製時あるいは重合時に、所望に応じて第三成分を添加してもよい。第三成分としては、線状α−オレフィンの純度向上の見地から、イオウ化合物、リン化合物、窒素化合物及びアルコールの中から選ばれた少なくとも1種の化合物が挙げられる。
【0031】
ここで、イオウ化合物としては、有機イオウ化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、硫化ジメチル、硫化ジエチル、硫化ジプロピル等のチオエーテル、二硫化ジメチル、二硫化ジエチル、二硫化ジプロピル、二硫化ジブチル等の二硫化ジアルキル化合物、チオフェン、2,3−ジエチルチオフェン、2−エチルチオフェン等のチオフェン類、テトラヒドロチオフェン、チオピラン等のヘテロ環イオウ化合物、ジフェニルイオウ、二硫化ジフェニル等の芳香族イオウ化合物、チオ尿素、メチルスルフィド、エチルスルフィド、ブチルスルフィド等のスルフィド類等が挙げられる。これらの中でも特に、二硫化ジメチル、チオフェン、チオ尿素を用いることが好ましい。
【0032】
また、リン化合物としては、有機リン化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のホスフィン類を用いることが好ましい。
【0033】
さらに、窒素化合物としては、有機窒素化合物であればよく、特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、アニリン、ベンジルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の有機アミン類が挙げられる。
【0034】
また、アルコール類としては、例えば、メチノール、エタノール、プロバノール等が挙げられる。
これらの第三成分の使用割合は、前記ジルコニウム成分のジルコニウム化合物1モルに対して、通常、0.1〜6モルである。ただし、有機アルミニウム成分〔B〕の有する還元機能あるいはアルキル化機能を極端に低下させるだけの量を使用するのは好ましくない。
【0035】
第三成分は、前記したジルコニウム成分〔A〕と有機アルミニウム成分〔B〕との接触時に添加してもよく、エチレンと触媒を接触させて線状α−オレフィンを製造するときに添加してもよい。
【0036】
本発明においては、前記のようにして製造した液体部分を触媒として用い、エチレンを重合することにより線状α−オレフィンを製造する。この製造方法により、炭素数4〜12のα−オレフィンを主成分とする軽質の線状α−オレフィンを効率よく製造することができる。また、重合時に副生する固体状ポリマーは極めて少ない。
【0037】
重合反応は、通常、有機溶媒中において行われる。この有機溶媒としては例えば、脂環族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒等種々の溶媒を用いることができるが、得られる線状α−オレフィンの純度および収量の点で、脂環族炭化水素系溶媒や芳香族炭化水素系溶媒を用いるのが好ましい。このような溶媒としては、前記した触媒の調製の際に用いる溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0038】
本発明においては、このような有機溶媒250ミリリットル当たり、ジルコニウム化合物が0.002〜0.5ミリモル程度となるような濃度で使用するのが好ましい。
また、重合温度は、通常、90〜150℃、好ましくは100〜130℃である。重合温度が低すぎると、副生するポリα−オレフィンが、重合中に析出し易くなるので好ましくない。一方、重合温度が高すぎると、線状α−オレフィン以外の不純物の生成量が増加するので好ましくない。
【0039】
重合圧力は、30kg/cm2 G以上とすることが好ましい。これよりも低いと、副生物が多くなり、製品の純度の低下や収量の低下の可能性がある。
なお、重合時間は、重合温度や重合圧力により変わるので、一律に決めることはできないが、通常10分〜1時間程度で十分である。重合反応終了後、反応生成物を断熱フラッシュして未反応エチレンを除去し、次いで触媒の失活処理を施し、さらに溶媒及び各種線状α−オレフィンを蒸留により分離すればよい。また、未反応エチレンと溶媒は、通常、反応系にリサイクルされる。ここで、触媒の失活処理は、例えば反応生成液に、アミン類やアンモニア水などの失活剤を添加することにより行えばよい。以上の如くして目的とする線状α−オレフィンを製造することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)触媒溶液の調製
内容積2リットルの攪拌機付きフラスコに、アルゴン雰囲気下で、無水四塩化ジルコニウム100ミリモルと乾燥したシクロヘキサン1リットルを導入し、10分間攪拌した。これにトリエチルアルミニウム(TEA)156ミリモルを添加し、10分間攪拌したのち、エチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)[(C2H5)1.5AlCl1.5] 544ミリモルを添加し、60℃で30分間攪拌させることにより、錯体を形成した。
【0041】
次に、形成した錯体を20ミクロンのメンブランフィルターに導入し、このフィルターを通過したろ液部分を触媒とした。このろ液部分を元素分析により分析した結果、四塩化ジルコニウムとTEAとEASCがモル比で1:6:26の割合で存在することが確認された。このろ液部分をシクロヘキサンで希釈し、四塩化ジルコニウム濃度が0.01ミリモル/シクロヘキサン250ミリリットルとなる触媒溶液して重合に供した。四塩化ジルコニウム,TEAおよびEASCの仕込みモル比および反応に供した触媒成分の量(ミリモル)の存在量を第1表に示した。
【0042】
(2)線状α−オレフィンの製造
1リットルの攪拌機付きオートクレーブを乾燥したアルゴンで置換し、前記(1)の方法により調製した触媒溶液250ミリリットルをアルゴンで圧送して導入した。このとき、オートクレーブの温度は50〜60℃に保持した。触媒を導入後、攪拌を開始し、高純度のエチレンガスをオートクレーブの圧力が65kg/cm2 ・Gになるまで急速に吹き込み、その後オートクレーブの温度を120℃に昇温した。その後、エチレンは前記圧力を維持するのに必要な量を導入し続けた。120℃、65kg/cm2 ・Gを保った状態で30分間反応を続けた後、オートクレーブ内に水酸化ナトリウム水溶液を圧入して触媒を失活させ、反応を終了した。その後、オートクレーブの圧力が常圧になるまで脱圧し、反応生成物をビーカーに移し、以下のように後処理をして炭素数4〜12の留分を得た。
【0043】
得られた反応生成物中にガスクロマトグラフィー内部標準用のウンデカン20gを添加し、その後、ろ紙を用いてワックス分をろ別した。ろ紙上のワックス分をシクロヘキサンで十分に洗浄し、ワックス中の軽質分をろ液中に落とした。ろ液中の反応生成物は500ミリリットルの純水で2回洗浄し、次いで、無水炭酸カリウムで乾燥させた。
【0044】
このようにして得られた透明な反応生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、生成物の収量は内部標準法により求めた。結果を第1表に示す。なお、炭素数4の留分の収量は操作上損失が避けられないので、シュルツ・フローリー分布から推算した。
一方、ろ別されたワックス分は風乾後、真空乾燥機中、20mmHgで10時間乾燥した後、その重量を測定して収量を求め、固形ポリマー量として第1表に示した。
【0045】
比較例1
実施例1と同様の方法により四塩化ジルコニウム、TEA、EASCを接触して錯体を形成した。この錯体をフィルターでろ別しなかった他は実施例1と同様にして重合に供した。四塩化ジルコニウム濃度を0.05ミリモル/シクロヘキサン250ミリリットルとして重合に供した。
重合においては、実施例1と同様にして線状α−オレフィンを製造し、同様の方法により後処理をした。結果を第1表に示す。
【0046】
比較例2
四塩化ジルコニウム、TEA、EASCの仕込みモル比を100:267:933とした他は、比較例1と同様にして錯体形成を行い、この錯体を含む反応混合物をシクロヘキサンで希釈し、四塩化ジルコニウム濃度を0.05ミリモル/シクロヘキサン250ミリリットルとして重合に供した。その後、重合圧力を75kg/cm2 ・Gとした以外は、実施例1と同様にして線状α−オレフィンを製造し、同様の方法により後処理をした。結果を第1表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
第1表より、本発明の製造方法により、副生ポリマーが高度に低減できると共に、効率よく高純度の軽質線状α−オレフィンが製造されることが確認された。一方、触媒調製の際、ろ過操作を実施しなかった比較例1,2においては、副生ポリマーの低減が不十分であるとともに、比較例1では軽質線状α−オレフィンの収率が低く、比較例2は、触媒活性に劣ることが確認された。
【0049】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、副生ポリマーが高度に低減できると共に、効率よく高純度の軽質線状α−オレフィンが製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の方法で用いる触媒の調製工程を表した図面である。
Claims (3)
- 有機アルミニウム成分〔B〕が、一般式(III)
〔式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表し、Qは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、nは1,1.5及び2の中から選ばれ、また、pは1,1.5及び2の中から選ばれたものであり、かつ、n+p=3を満たすものである。〕
で表される有機アルミニウム成分〔a〕と一般式(IV)
〔式中、R2 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を表す。〕
で表される有機アルミニウム成分〔b〕とからなることを特徴とする請求項1または2記載の線状α−オレフィンの製造方法。
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