JP3936037B2 - 熱利用装置の顕熱回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱利用装置の顕熱回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来の熱利用装置の顕熱回収装置として、例えば特開平8−128756号公報に記載されるものが知られている。これは、図13に示す一対の水素吸蔵合金収容容器102,104の顕熱を回収するものである。すなわち、一対の水素吸蔵合金収容容器102,104の熱媒通路102a,104aを接続する顕熱回収回路185が環状に設けられ、この顕熱回収回路185にポンプ135及び成層型蓄熱タンク190,191が介装されていると共に、顕熱回収回路185内に熱媒が充填されている。顕熱回収回路185は、成層型蓄熱タンク190,191の下部及び上部に接続され、成層型蓄熱タンク190,191が顕熱回収回路185の一部を形成している。132,133,133a,134は、顕熱回収回路185を開閉するバルブである。
【0003】
この成層型蓄熱タンク190,191は、内部が熱伝達率の小さな部材からなる多数の仕切りによつて区画されて自然対流が抑制される構造を有する。従つて、温度変化を生じながら送り込まれた熱媒がそのままの温度分布で蓄積され、成層型蓄熱タンク190,191に蓄積された熱媒の温度分布が自然対流によつて均一になることが防止される。
【0004】
顕熱回収工程に際しては、ポンプ135を駆動し、顕熱回収回路185内に予め充填してある熱媒を一方向に循環させ、熱媒通路102a,104aを通じて水素吸蔵合金収容容器102,104内の温度の昇降変更を図る。例えば、熱媒通路102aを通つた最高温度25℃の高温の熱媒が成層型蓄熱タンク190の下部から入り次第に蓄熱され、充満されていた熱媒が上端部から押し出される。成層型蓄熱タンク190から押し出された熱媒は、熱媒通路104aを通じて水素吸蔵合金収容容器104内の昇温に利用される。
【0005】
また、例えば、−20℃の低温の水素吸蔵合金収容容器102内の熱媒が成層型蓄熱タンク190の下部から入り次第に蓄熱され、充満されていた熱媒が上端部から押し出される。成層型蓄熱タンク190から押し出された熱媒は、熱媒通路104aを通じて水素吸蔵合金収容容器104内の降温に利用される。
【0006】
更に、他の成層型蓄熱タンク191は、水素吸蔵合金収容容器104の熱媒通路104aを通つた熱媒が導入される。これにより、上述した水素吸蔵合金収容容器102,104間での作用と同様の作用が水素吸蔵合金収容容器104,102の間で得られることになる。
【0007】
しかしながら、このような従来の熱利用装置の顕熱回収方法にあつては、成層型蓄熱タンク190,191が熱利用装置である水素吸蔵合金収容容器102,104の両側に装備されてはいるが、回路185の途中に介装され、上部及び下部にそれぞれ回路185が接続されて成層型蓄熱タンク190,191が環状をなす回路185の一部を形成している。このため、次のような技術的課題を有している。
【0008】
(1)一方の水素吸蔵合金収容容器102,104の熱媒通路102a,104aを通つて顕熱を奪つた熱媒が成層型蓄熱タンク190,191に流入し、成層型蓄熱タンク190,191から押し出された熱媒が他方の水素吸蔵合金収容容器104,102の熱媒通路104a,102aに導入され、他方の水素吸蔵合金収容容器104,102の昇温又は降温に供される。このため、成層型蓄熱タンク190,191は、回路185の長さを増大させる機能を主体とする配置であり、両成層型蓄熱タンク190,191によつて回収した顕熱を一対の水素吸蔵合金収容容器102,104の温度変更に有効活用することができない。
【0009】
(2)ポンプ135は、常時、一方向に駆動し、顕熱回収回路185内の熱媒を一方向に循環させる構造であるため、成層型蓄熱タンク190,191の下部から入つた熱媒が上部から流出する。このため、例えば成層型蓄熱タンク190,191の下部から入つて高温状態から次第に温度低下する熱媒が成層型蓄熱タンク190,191の上部から押し出され、この次第に温度低下する熱媒によつて水素吸蔵合金収容容器104,102の昇温を図るようになる。その結果、水素吸蔵合金収容容器104,102に効果的な温度変化を与えることが困難であつた。
【0010】
(3)特に、1個の熱利用装置としての水素吸蔵合金収容容器102又は104に、加熱装置及び冷却装置で別個に作つた高温又は低温の熱媒を交互に供給する用い方ではなく、このような用い方に対して水素吸蔵合金収容容器102又は104の顕熱を回収して再利用することを示唆しない。しかして、このような用い方においては、従来、加熱・冷却の繰返しに伴う水素吸蔵合金収容容器102又は104や配管系の温度変化に対し、それぞれ毎回全エネルギを浪費することになつていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成は次の通りである。
請求項1の発明は、加熱装置3による加熱状態と冷却装置4による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路1aと、該熱媒通路1aの一端部に接続させた第1の蓄熱タンク6と、該熱媒通路1aの他端部に接続させた第2の蓄熱タンク7と、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bと第2の蓄熱タンク7の内部空間7bとの間で熱媒を交互に移送させる移送装置60とを有すると共に、少なくとも一方の蓄熱タンク6,7が、蓄熱タンク6,7の下端部に形成されて熱媒通路1aに接続する熱媒の出入口6c,7cを備え、かつ、移送装置60が、該蓄熱タンク6,7の上端部に接続され、気体を正逆に送つて該蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bの気体を吸排させる吸排手段60によつて形成され、吸排手段60によつて該内部空間6b,7bの気体を吸排させることにより、両蓄熱タンク6,7の出入口6c,7cから熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置である。
請求項2は、加熱装置3による加熱状態と冷却装置4による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路1aと、該熱媒通路1aの一端部に接続させた第1の蓄熱タンク6と、該熱媒通路1aの他端部に接続させた第2の蓄熱タンク7と、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bと第2の蓄熱タンク7の内部空間7bとの間で熱媒を交互に移送させる移送装置60とを有すると共に、両蓄熱タンク6,7の下端部に熱媒通路1aに接続する熱媒の出入口6c,7cがそれぞれ形成され、かつ、移送装置60が、両蓄熱タンク6,7の上端部同士を接続する配管61に、気体を正逆に送つて内部空間6b,7bの気体を吸排させる吸排手段60を備えさせて形成され、吸排手段60によつて一方の内部空間6b,7bの気体を他方の内部空間7b,6bに向けて送り込むことにより、両蓄熱タンク6,7の7入口6c,7cから熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置である。
請求項3は、加熱装置3による加熱状態と冷却装置4による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路1aと、該熱媒通路1aの一端部に接続させた第1の蓄熱タンク6と、該熱媒通路1aの他端部に接続させた第2の蓄熱タンク7と、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bと第2の蓄熱タンク7の内部空間7bとの間で熱媒を交互に移送させる移送装置とを有すると共に、少なくとも一方の蓄熱タンク6,7が、蓄熱タンク6,7の下端部に形成されて熱媒通路1aに接続する熱媒の出入口6c,7cを備え、かつ、移送装置が、蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bに上下方向の摺動自在に設けたラム部材9と、ラム部材9を昇降駆動する駆動装置70とを有し、ラム部材9を昇降駆動することにより、蓄熱タンク6,7の出入口6c,7cから熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1参考例に係る顕熱回収装置を備える熱利用装置の全体を示す。図中において符号1は熱利用装置としての水素回収容器であり、内部に水素吸蔵合金Mを収容すると共に、水素吸蔵合金Mを加熱又は冷却するための熱媒通路1aを有している。熱媒通路1aの一端は、移送装置である正逆駆動が可能なポンプ2を備える流路10の他端に接続され、流路10の一端には、それぞれ開閉バルブ20,21を備える一対の流路11,12が接続され、一方の流路11には加熱装置3が接続され、他方の流路12には冷却装置4が接続されている。また、熱媒通路1aの他端には、それぞれ開閉バルブ22,23を備える一対の流路13,14が接続され、一方の流路13には加熱装置3が接続され、他方の流路14には冷却装置4が接続されている。これらの熱媒通路1a及び流路10,11,12,13,14には、液体からなる熱媒(冷媒を含む)が収容されている。
【0013】
しかして、一対の開閉バルブ20,22を開いた状態でポンプ2を駆動することにより、加熱装置3によつて加熱された熱媒が熱媒通路1aに導かれ、水素吸蔵合金Mを加熱するので、水素吸蔵合金Mから水素を放出させることができる。また、一対の開閉バルブ21,23を開いた状態でポンプ2を駆動することにより、冷却装置4によつて冷却された熱媒が熱媒通路1aに導かれ、水素吸蔵合金Mを冷却するので、水素吸蔵合金Mに水素を吸蔵させることができる。吸蔵又は放出される水素は、水素回収容器1に流路51を介して接続させた他の水素回収容器、水素利用装置等の水素装置50との間で授受が行なわれる。
【0014】
更に、熱媒通路1aの両端側に、それぞれ流路15,16を介して蓄熱タンク6,7を接続させる。具体的には、ポンプ2よりも流路11,12寄りの流路10には、開閉バルブ24を備える流路15を介して第1の蓄熱タンク6が接続され、開閉バルブ23よりも水素回収容器1寄りの流路14には、開閉バルブ25を備える流路16を介して第2の蓄熱タンク7が接続されている。各蓄熱タンク6,7は、同形をなし、上端部に通気孔6a,7aを有する単一の内部空間6b,7bを有し、両蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bには、一方の内部空間6b,7bのみがほぼ満たされる量の熱媒が収容されている。各蓄熱タンク6,7は、下端部に熱媒の出入口6c,7cを有し、これらに流路15,16が接続されている。しかして、両開閉バルブ24,25を開いてポンプ2を正又は逆方向に駆動することにより、いずれか一方の蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7b内の熱媒を出入り口6c,7cから流出させ、熱媒通路1aに導いた後に、他方の蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bに熱媒の出入り口6c,7cから導入させることができる。
【0015】
次に、作用について説明する。
水素回収容器1の熱媒通路1aに、加熱装置3で加熱した熱媒と冷却装置4で冷却した熱媒とを交互に供給して、水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mに温度変化を与える。水素吸蔵合金Mから水素を放出させる際には、一対の開閉バルブ20,22のみを開いた状態でポンプ2を駆動し、加熱装置3によつて加熱された熱媒を熱媒通路1aに導き、水素吸蔵合金Mを加熱する。また、水素吸蔵合金Mに水素を吸蔵させる際には、一対の開閉バルブ21,23のみを開いた状態でポンプ2を駆動し、冷却装置4によつて冷却された熱媒を熱媒通路1aに導き、水素吸蔵合金Mを冷却する。吸蔵又は放出される水素は、前述したように水素回収容器1に流路51を介して接続させた他の水素装置50との間で授受が行なわれる。
【0016】
このようにして水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温又は降温させて温度変化を与える際に、図1に示す両蓄熱タンク6,7を用いて次の参考例としての操作を行なつて水素回収容器1内の顕熱を回収する。すなわち、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温させた後であつて、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを降温させる前、つまり水素吸蔵合金Mから水素を放出させた後に、第1の蓄熱タンク6に貯留させた熱媒を出入り口6cから流出させて水素回収容器1の熱媒通路1aに通し、流出する熱媒を第2の蓄熱タンク7に導いて出入り口7cから流入・貯留させる。その際、一対の開閉バルブ24,25のみを開いた状態でポンプ2を一方向(図1に示す方向)に駆動する。なお、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bには、既に、図1に示すように上部が比較的低温で下部が比較的高温状態の熱媒が貯留されている。これにより、比較的高温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に冷却されると共に、水素回収容器1内の顕熱が熱媒によつて回収されて第2の蓄熱タンク7に貯留される。このとき、第2の蓄熱タンク7の内部空間7bに貯留される熱媒は、上部が比較的高温で下部が比較的低温状態となる。
【0017】
また、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを降温させた後であつて、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温させる前、つまり水素吸蔵合金Mに水素を吸蔵させた後に、第2の蓄熱タンク7に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに通し、熱媒通路1aから流出する熱媒を第1の蓄熱タンク6に導いて貯留させる。その際、一対の開閉バルブ24,25のみを開いた状態でポンプ2を他方向(図1に示す方向と反対方向)に駆動する。これにより、比較的低温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に加熱されると共に、水素回収容器1内の顕熱が熱媒によつて回収されて第1の蓄熱タンク6に貯留される。このとき、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに貯留される熱媒は、上部が比較的低温で下部が比較的高温状態となる。
【0018】
このような操作を繰り返して与えることにより、水素回収容器1内の顕熱が第1の蓄熱タンク6又は第2の蓄熱タンク7に次々に貯留され、その後に水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mの温度変更に有効活用される。この両蓄熱タンク6,7間での熱媒の移動は、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに、上部が比較的低温で下部が比較的高温状態として貯留されている熱媒が、下部の出入り口6cから流出して高温状態の水素吸蔵合金Mに接し、第1の蓄熱タンク6から次第に温度低下しながら流出する熱媒が水素吸蔵合金Mを冷却するので、水素吸蔵合金Mの降温が効果的に行なわれる。
【0019】
また、第2の蓄熱タンク7に、下部の出入り口7cから流入して、上部が比較的高温で下部が比較的低温状態として貯留された熱媒は、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器1を降温させた後であつて、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1を昇温させる前に、水素回収容器1に導入し、水素回収容器1から流出する熱媒を第1の蓄熱タンク6に導いて貯留させる。この両蓄熱タンク6,7間での熱媒の移動は、第2の蓄熱タンク7の内部空間7bに、上部が比較的高温で下部が比較的低温状態として貯留されている熱媒が、下部の出入り口7cから流出して低温状態の水素吸蔵合金Mに接し、第2の蓄熱タンク7から次第に温度上昇しながら流出する熱媒が水素吸蔵合金Mを加熱するので、水素吸蔵合金Mの昇温が効果的に行なわれる。
【0020】
ところで、上記第1参考例に係る顕熱回収装置を備える熱利用装置にあつては、水素回収容器1の熱媒通路1aを、両蓄熱タンク6,7の熱媒を通すためのみならず、冷却装置4で冷却した熱媒及び加熱装置3で加熱した熱媒を交互に通すことにも共用したが、冷却装置4で冷却した熱媒、加熱装置3で加熱した熱媒及び両蓄熱タンク6,7の熱媒を通す熱媒通路を個別に備えさせることも可能である。更に、冷却装置4で冷却した熱媒及び加熱装置3で加熱した熱媒を交互に水素回収容器1の熱媒通路1aに通すことに代えて、冷却装置4で水素回収容器1の外壁を直接冷却し、また、加熱装置3で水素回収容器1の外壁を直接加熱し、熱媒及び熱媒通路1aを蓄熱タンク6,7にのみ使用することも可能である。
【0021】
このようにして、水素回収容器1内の多量(約70%)の熱エネルギーを両蓄熱タンク6,7に回収可能であり、水素回収容器1の加熱装置3による加熱及び冷却装置4による冷却を最小限のエネルギー消費で行なうことが可能になる。
【0022】
次に、ポンプ2と異なる移送装置を備える熱利用装置の顕熱回収装置の実施の形態について説明する。
図2は、熱利用装置の顕熱回収装置の第1実施の形態を示し、加熱装置3及び冷却装置4は省略してある。この蓄熱タンク6,7は、上端部の通気孔6a,7aを塞いだ密閉型であり、熱媒を収容する内部空間6b,7bを有する蓄熱タンク6,7の下端部に熱媒の出入口6c,7cを形成すると共に、両蓄熱タンク6,7の上端部同士を連通する配管61に、気体を正逆に送つて内部空間6b,7bの気体を吸排させる吸排手段60を備えさせる。この吸排手段60は、正逆送りが可能なコンプレッサーによつて形成することができる。なお、第1の蓄熱タンク6の出入口6cは、流路75によつて熱媒通路1aの一端部に接続し、第2の蓄熱タンク7の出入口7cは、流路76によつて熱媒通路1aの他端部に接続している。
【0023】
図2に示すように吸排手段60を一方向に駆動し、第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内の気体を配管61を通じて第2の蓄熱タンク7の内部空間7b内の上部に送り込めば、第2の蓄熱タンク7の内部空間7b内に貯留された熱媒が、流路76,75及び熱媒通路1aを通つて第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに流入する。また、吸排手段60を他方向に駆動し、第2の蓄熱タンク7の内部空間7b内の気体を配管61を通じて第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内の上部に送り込めば、第1の蓄熱タンク6の内部空間6b内に貯留された熱媒が、流路75,76及び熱媒通路1aを通つて第2の蓄熱タンク7の内部空間7bに流入する。
【0024】
このようにして、水素回収容器1を加熱装置3によつて加熱させた後で冷却装置4によつて冷却させる前に、第1の蓄熱タンク6に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに導入し、水素回収容器1の熱媒通路1aから流出する熱媒を第2の蓄熱タンク7に導いて貯留させ、かつ、水素回収容器1を冷却装置4によつて冷却させた後で加熱装置3によつて加熱させる前に、第2の蓄熱タンク7に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに導入し、水素回収容器1の熱媒通路1aから流出する熱媒を第1の蓄熱タンク6に導いて貯留させ、水素回収容器1の顕熱を第1の蓄熱タンク6及び第2の蓄熱タンク7に回収することができる。
【0025】
また、この第1実施の形態によれば、熱媒が流通するポンプ2を使用しないので、ポンプに熱を奪われて熱効率が低下することが防止されると共に、腐食性、爆発性等を有する熱媒も容易に送ることができる。ちなみに、腐食性、爆発性を有する熱媒を送るポンプは、特殊材料を使用して複雑構造を有するため、保守性に劣ると共にコストが嵩む。
【0026】
更に、両蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bが密閉されて外気と遮断されているので、内部空間6b,7bに収容する気体の種類に制限を受け難く、空気以外の気体を使用することが可能である。また、吸排手段60による気体の送り量によつて熱媒の流量を制御できるので、移送途中の熱媒に直接触れることなく熱媒の流量を増減制御することも容易にできる。
【0027】
図3は、熱利用装置の顕熱回収装置の第2実施の形態を示し、図2に示す第1実施の形態と比較して、第2の蓄熱タンク7の上端部に通気孔7aを形成すると共に、配管61の吸排手段60と第2の蓄熱タンク7とを接続する部分を省略した点で相違する。第2実施の形態によれば、第1実施の形態と比較して、吸排手段60の正逆駆動によつて第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに空気が強制的に吸排され、これに伴つて第2の蓄熱タンク7の内部空間7b内の空気が通気孔7aから出入りすることを除き、ほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
図4は、熱利用装置の顕熱回収装置の第3実施の形態を示す。第3実施の形態にあつては、蓄熱タンク6,7の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間6b,7bに上下方向の摺動自在に設けたラム部材9と、ラム部材9を昇降駆動する駆動装置70とを有し、ラム部材9を昇降駆動することにより、蓄熱タンク6,7の下端部の出入口6c,7cから熱媒が強制的に出入りする。水素回収容器1の熱媒通路1aの一端部は、流路75を介して蓄熱タンク6の下端部の出入口6cに接続され、熱媒通路1aの他端部は、流路76を介して蓄熱タンク7の下端部の出入口7cに接続されている。なお、流路75,76に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0029】
第1の蓄熱タンク6のラム部材9の駆動装置70は、蓄熱タンク6の上部に配設した複動式のシリンダ装置71によつて構成され、シリンダ71aの内部にピストン71bが摺動自在に嵌合して上圧力室71d及び下圧力室71eを区画し、ピストンロッド71cがラム部材9に連結されている。しかして、上圧力室71dに圧力流体を供給し、下圧力室71eをドレインすることにより、ピストン71b、ピストンロッド71c及びラム部材9が下降するので、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに貯留された熱媒が出入口6cから流出する。また、下圧力室71eに圧力流体を供給し、上圧力室71dをドレインすることにより、ピストン71b、ピストンロッド71c及びラム部材9が上昇するので、熱媒が出入口6cから第1の蓄熱タンク6の内部空間6bに流入する。
【0030】
第2の蓄熱タンク7のラム部材9の駆動装置70は、蓄熱タンク7の上部に配設したねじ装置72によつて構成され、第2の蓄熱タンク7を貫通させて回転自在に配置され、下端部にラム部材9が相対回転自在に連結されるねじ部材72aと、蓄熱タンク7の上部に固設され、ねじ部材72aに螺合するナット部材(図示せず)と、ねじ部材72aを正逆に回転駆動するモータ装置72bとを有する。
【0031】
しかして、モータ装置72bによつてねじ部材72aを一方向に回転駆動することにより、ナット部材に螺合するねじ部材72a及びラム部材9を下降させ、また、ねじ部材72aを他方向に回転駆動することにより、ねじ部材72a及びラム部材9を上昇させることができるので、第1の蓄熱タンク6の駆動装置70と同様の作用を得ることができる。なお、ナット部材(図示せず)を第2の蓄熱タンク7の上部に回転のみ自在に配置し、ねじ部材72aを回転不可能かつ昇降可能に第2の蓄熱タンク7の上壁を貫通させて配置し、モータ装置72bによつてナット部材を正逆に回転駆動しても、同様の作用を得ることができる。
【0032】
この熱利用装置の顕熱回収装置の第3実施の形態によれば、熱媒が流通するポンプ2を使用しないので、ポンプに熱を奪われて熱効率が低下することが防止される等、第1実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。なお、第3実施の形態のラム部材9の駆動装置70は、各蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7b内の熱媒を強制的に出入りさせるので、一方の蓄熱タンク6,7にのみ駆動装置70を備えさせ、他方の蓄熱タンク6,7を図1に示すように上端部に通気孔6a,7aを有する蓄熱タンク6,7によつて置換することも可能である。
【0033】
図5は、熱利用装置の顕熱回収装置の第4実施の形態を示す。第4実施の形態にあつては、蓄熱タンク66の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間66bに上下方向の摺動自在に設けたラム部材9と、ラム部材9を昇降駆動する駆動装置70とを有し、ラム部材9を昇降駆動することにより、蓄熱タンク66の上下両端部の出入口66c1 ,66c2 から熱媒が出入りする。内部空間66bは、ラム部材9によつて上空間66b1 と下空間66b2 とに区分され、水素回収容器1の熱媒通路1aの一端部は、流路75を介して下端部の出入口66c2 に接続され、また、熱媒通路1aの他端部は、流路76を介して上端部の出入口66c1 に接続されている。なお、流路75,76に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0034】
そして、蓄熱タンク66を磁力透過性を有する非磁性材によつて形成すると共に、非磁性材製のラム部材9の少なくとも直径方向の2位置に磁性部材9aを埋め込み、かつ、各磁性部材9aに対向させて、蓄熱タンク66の外側に磁石73をそれぞれ配置してある。磁石73は、支持部材73aに支持され、上下方向に延在する案内部材74により、それぞれ支持部材73aが案内されて上下方向に移動が可能である。このラム部材9に取付けた磁性部材9a、支持部材73aに取付けた磁石73及び案内部材74並びに支持部材73aを昇降駆動する昇降装置73bにより、ラム部材9の駆動装置70を構成している。
【0035】
しかして、昇降装置73bを駆動し、支持部材73a及び磁石73を案内部材74に沿つて昇降移動させることにより、磁性部材9aに吸引力を受けてラム部材9が追従移動するので、熱媒が流路75,76及び熱媒通路1aを通つて上空間66b1 と下空間66b2 との間で移動する。このように、本実施の形態ではポンプを使用しないので、水素回収容器1の顕熱回収に関し、第1実施の形態とほぼ同様の作用を得ることができる。但し、上空間66b1 及び下空間66b2 に貯留される熱媒は、いずれも下部が低温で上部が高温となるので、自然対流を生じ難く、上空間66b1 及び下空間66b2 に回収した顕熱を水素回収容器1の温度変化に有効利用することが可能である。なお、昇降装置73bは、例えば案内部材74と支持部材73aとの間に配設したリニアモータによつて構成することができ、リニアモータによつて支持部材73a及び磁石73を昇降駆動させることが可能である。また、駆動装置70は、各種のものを使用することができる。
【0036】
なお、図4,図5に示す熱利用装置の顕熱回収装置の第3,4実施の形態において、流路75,76に熱媒の圧力又は流量を検出するセンサーを設け、圧力又は流量が適正になるように駆動装置70によるラム部材9の昇降駆動速度を制御することも可能である。
【0037】
図6,図7は、熱利用装置の顕熱回収装置の第2参考例を示す。第2参考例にあつては、蓄熱タンク66の内部に形成されて熱媒を収容する内部空間66bに上下方向の摺動自在に設けた仕切部材19により、内部空間66bを上空間66b1 と下空間66b2 とに区分した。熱媒通路1aの一端部は、蓄熱タンク66の下端部の出入口66c2 にポンプ2を備える流路10及び流路15を介して接続され、熱媒通路1aの他端部は、流路16を介して蓄熱タンク66の上端部の出入口66c1 に接続されている。なお、仕切部材19には、熱媒とほぼ同じ比重を与えてある。また、流路15,16に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0038】
しかして、水素回収容器1内の水素吸蔵合金Mを昇温又は降温させて温度変化を与える際に、次の操作を行なつて水素回収容器1内の顕熱を回収する。すなわち、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1を昇温させた後であつて、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器1を降温させる前に、図7に示すようにポンプ2を他方向に駆動し、上空間66b1 に貯留させた熱媒を上端部の出入口66c1 から流出させて水素回収容器1の熱媒通路1aに通し、流出する熱媒を下端部の出入口66c2 から下空間66b2 に導いて貯留させる。その際、仕切部材19が、内部空間66b内を上方に向けて移動する。なお、上空間66b1 には、既に、図6に示すように上部が比較的高温で下部が比較的低温状態の熱媒が貯留されている。これにより、比較的高温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に冷却されると共に、水素回収容器1の顕熱が熱媒によつて回収されて下空間66b2 に貯留される。このとき、下空間66b2 に貯留される熱媒は、上部が比較的高温で下部が比較的低温状態となる。
【0039】
また、冷却装置4で冷却した熱媒を導入して水素回収容器1を降温させた後であつて、加熱装置3で加熱した熱媒を導入して水素回収容器1を昇温させる前に、図6に示すようにポンプ2を一方向に駆動し、下空間66b2 に貯留させた熱媒を水素回収容器1の熱媒通路1aに通し、水素回収容器1から流出する熱媒を上空間66b1 に導いて貯留させる。その際、仕切部材19が、内部空間66b内を下方に向けて移動する。これにより、比較的低温状態にある水素吸蔵合金Mが次第に加熱されると共に、水素回収容器1の顕熱が熱媒によつて回収されて上空間66b1 に貯留される。このとき、上空間66b1 に貯留される熱媒の温度分布は、上部が比較的高温で下部が比較的低温状態となる。このようにして、仕切部材19によつて区画される上空間66b1 及び下空間66b2 において、一方から流出した熱媒が他方に流入するようになるため、熱媒の流出入が比較的スムースになり、図5に示す第4実施の形態と同様に、特に上空間66b1 における熱媒の落下による混合が抑制される。
【0040】
このような上空間66b1 と下空間66b2 との間での熱媒の移動は、図5に示す第4実施の形態と同様に、それぞれ上部が比較的高温で下部が低温状態として貯留されている熱媒が、下端部の出入口66c2 からは低温側から流出して低温状態の水素吸蔵合金Mに接し、熱媒が次第に温度上昇しながら水素吸蔵合金Mを加熱するので、水素吸蔵合金Mの昇温が効果的に行なわれ、また、上端部の出入口66c1 からは高温側から流出して高温状態の水素吸蔵合金Mに接し、熱媒が次第に温度低下しながら水素吸蔵合金Mを降温させるので、水素吸蔵合金Mの降温が効果的に行なわれる。
【0041】
また、上空間66b1 及び下空間66b2 における熱媒の流出入が同一となるので、上空間66b1 及び下空間66b2 の両者において、熱媒の対流及び混合が良好に防止され、熱媒の温度分布の保持性が向上するため、無駄なエネルギー消費を防止できる。加えて、図5に示す第4実施の形態と同様に1個の蓄熱タンク66で済むため、構造が簡素かつコンパクトになる。
【0042】
図8,図9は、熱利用装置の顕熱回収装置の第3参考例を示す。第3参考例にあつては、各蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bが、上下に延在する縦境壁68,78によつて複数の収容空間60b,70bに分割され、熱媒の出入口6c,7cが複数の全ての収容空間60b,70bに連通している。実際には、各蓄熱タンク6,7に所定間隔で固着させた縦境壁68,78を内部空間6b,7bの中間部のみに配設し、内部空間6b,7bの下端部に、熱媒の出入口6c,7cに連通する出入口空間6c1 ,7c1 を形成させると共に、内部空間6b,7bの上端部に、単一の通気孔6a,7aに連通する通気空間6a1 ,7a1 を形成させてある。なお、流路15,16に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0043】
しかして、ポンプ2を正逆に駆動することにより、熱媒が、流路15,16及び熱媒通路1aを通り、更に熱媒の出入口6c,7c、出入口空間6c1 ,7c1 を経て複数の収容空間60b,70bの間で移動する。その際、複数の収容空間60b,70b内の空気が、通気空間6a1 ,7a1 を経て通気孔6a,7aから出入りする。このようにして、水素回収容器1の顕熱回収に関し、第1参考例とほぼ同様の作用を得ることができる。加えて、熱媒が溜まる複数の収容空間60b,70bが縦境壁68,78によつて区画されて左右が狭幅をなし、対流の長さ/幅の比が大きくなつているので、各収容空間60b,70b内で温度分布を有する熱媒に自然対流を生じ難くなる。これにより、各収容空間60b,70b内での温度分布の保持性能が向上し、各収容空間60b,70b内に回収した顕熱を水素回収容器1の温度変化に有効利用することが可能となる。なお、縦境壁68,78は、温度分布をもつ熱媒を貯留させる蓄熱タンク6,7に適用が可能であるが、少なくとも一方の蓄熱タンク6,7、特に上部が比較的低温で下部が比較的高温状態として熱媒が貯留される第1の蓄熱タンク6に設け、熱媒の自然対流を抑制すればよい。
【0044】
図10には、第1の蓄熱タンク6の内部空間6bを2個の縦境壁68’によつて3個の収容空間60bに区画した参考例を示す。但し、本参考例では、内部空間6bの上下方向の全幅にわたつて縦境壁68’を配設し、3個の収容空間60bを独立させ、内部空間6b,7bの下端部の出入口空間6c1 ,7c1 及び上端部の通気空間6a1 ,7a1 をそれぞれ省略させてある。このため、第1の蓄熱タンク6の上端部に、各収容空間60bに連通する通気孔6a2 ,6a3 ,6a4 を個別に形成させると共に、下端部に、各収容空間60bに連通する熱媒の出入口6c2 ,6c3 ,6c4 を個別に形成させてある。本例のように3個の収容空間60bに分割すれば対流の長さ/幅の比が適当に大きくなるので、熱媒の粘性の如何にも影響を受けるが、一般的な蓄熱タンク6において、収容空間60bに温度分布を有して貯留させた熱媒に図10に矢印で示す自然対流を生じることが良好に抑制される。なお、第2の蓄熱タンク7も、同様に3個の収容空間70bに区画することができる。
【0045】
図11,図12は、熱利用装置の顕熱回収装置の第4参考例を示す。第4参考例にあつては、各蓄熱タンク6,7の内部空間6b,7bが、左右方向(熱媒の温度勾配と垂直な水平方向)に延在する横境壁81,91によつて複数の収容空間60b,70bに分割され、熱媒の出入口6c,7cが下端部の収容空間60b,70bに連通し、上端部の収容空間60b,70bが単一の通気孔6a,7aに連通している。各横境壁81,91は、各蓄熱タンク6,7の内壁に所定間隔で固着され、図12に示すように上下の収容空間60b,70bを連通する開口部81a,91aを有している。なお、流路15,16に備える開閉バルブ24,25は省略してある。
【0046】
しかして、ポンプ2を正逆に駆動することにより、熱媒が、流路15,16及び熱媒通路1aを通り、熱媒の出入口6c,7cを経て下端部の収容空間60b,70bから出入りする。下端部の収容空間60b,70bから熱媒が出入りすることにより、各横境壁81,91に形成した開口部81a,91aを流れながら、上下の収容空間60b,70bの間でも熱媒が移動する。その際、収容空間60b,70b(内部空間6b,7b)内の空気が、通気孔6a,7aから出入りする。このようにして、水素回収容器1の顕熱回収に関し、第1参考例とほぼ同様の作用を得ることができる。加えて、熱媒が溜まる内部空間6b,7bが横境壁81,91によつて複数の収容空間60b,70bに区画されて、収容空間60b,70bの上下幅が狭幅をなしているので、上下に隣接する収容空間60b,70bの間で熱媒に自然対流を生じることが抑制される。これにより、各収容空間60b,70b内での温度分布の保持性能が向上し、各収容空間60b,70b内に回収した顕熱を水素回収容器1の温度変化に有効利用することが可能となる。なお、横境壁81,91は、温度分布をもつ熱媒を貯留させる蓄熱タンク6,7に適用が可能であるが、少なくとも一方の蓄熱タンク6,7、特に上部が比較的低温で下部が比較的高温状態の熱媒が貯留される第1の蓄熱タンク6に設け、熱媒の自然対流を抑制すればよい。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明によつて理解されるように、本発明に係る熱利用装置の顕熱回収装置によれば、次の効果を奏することができる。
(1)熱利用装置の熱媒通路の両側に蓄熱タンクを配置し、この蓄熱タンクに温度勾配をもつ熱媒を往復させて熱利用装置を加熱又は冷却する。これにより、加熱装置による加熱状態と冷却装置による冷却状態とが交互に与えられる熱利用装置において、熱利用装置の顕熱を蓄熱タンクに効果的に蓄え、これを次の加熱または冷却に有効利用できる。その結果、加熱装置又は冷却装置による加熱・冷却時に、補充分の最小限のエネルギ消費で済むことになり、エネルギの浪費を低減できる。
【0048】
(2)請求項1によれば、吸排手段によつて内部空間の気体を吸排させることにより、両蓄熱タンクの出入口から熱媒が出入りするようになり、熱媒が流通する移送装置を使用しないので、移送装置に熱媒の熱を奪われて熱効率が低下することが防止されると共に、腐食性、爆発性等を有する熱媒も容易に送ることができる。更に、吸排手段による気体の送り量の変更によつて熱媒の流量を制御できるので、移送途中の熱媒に直接触れることなく熱媒の流量を増減制御することも容易にできる。
【0049】
(3)請求項2によれば、移送装置が、両蓄熱タンクの上端部同士を接続する配管に、気体を正逆に送つて内部空間の気体を吸排させる吸排手段によつて形成され、熱媒が流通する移送装置を使用しないので、移送装置に熱媒の熱を奪われて熱効率が低下することが防止されると共に、腐食性、爆発性等を有する熱媒も容易に送ることができる。加えて、両蓄熱タンクの内部空間を、熱媒の出入口及び吸排手段によつて吸排される気体の出入口を除いて密閉させて外気と遮断させることができるので、内部空間に収容する気体の種類に制限を受け難く、空気以外の気体を使用することが可能となる。また、吸排手段による気体の送り量の変更によつて熱媒の流量を制御できるので、移送途中の熱媒に直接触れることなく熱媒の流量を増減制御することも容易にできる。
【0050】
(4)請求項3によれば、少なくとも一方の蓄熱タンクにおいて、駆動装置によつて蓄熱タンクの内部空間内の熱媒が強制的に出入りさせられ、熱媒が流通する移送装置を使用しないので、移送装置に熱媒の熱を奪われて熱効率が低下することが防止される。加えて、駆動装置によるラム部材の送り量の変更によつて熱媒の流量を制御できるので、移送途中の熱媒に直接触れることなく熱媒の流量を増減制御することも容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例に係る顕熱回収装置を備える熱利用装置の全体を示す概略図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る熱利用装置の顕熱回収装置の第1実施の形態を一部省略して示す概略図。
【図3】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第2実施の形態を一部省略して示す概略図。
【図4】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第3実施の形態を一部省略して示す概略図。
【図5】 同じく熱利用装置の顕熱回収装置の第4実施の形態を一部省略して示す概略図。
【図6】 熱利用装置の顕熱回収装置の第2参考例を一部省略して示す概略図。
【図7】 第2参考例の作用説明図。
【図8】 熱利用装置の顕熱回収装置の第3参考例を一部省略して示す概略図。
【図9】 図8のIX−IX線断面図。
【図10】 蓄熱タンクの他の参考例を示す概略図。
【図11】 熱利用装置の顕熱回収装置の第4参考例を一部省略して示す概略図。
【図12】 図11のXII−XII線断面図。
【図13】 従来の熱利用装置の顕熱回収装置を示す概略図。
【符号の説明】
1:水素回収容器(熱利用装置)、1a:熱媒通路、2:ポンプ(移送装置)、3:加熱装置、4:冷却装置、6:第1の蓄熱タンク、6b:内部空間、6c:熱媒の出入口、7:第2の蓄熱タンク、7b:内部空間、7c:熱媒の出入口、9:ラム部材、19:仕切部材、60:吸排手段、60b,70b:収容空間、61:配管、66:蓄熱タンク、66b:内部空間、66b1 :上空間、66b2 :下空間、66c1 :出入口、66c2 :出入口、68,78:縦境壁、70:駆動装置、81,91:横境壁、81a,91a:開口部、M:水素吸蔵合金。
Claims (3)
- 加熱装置(3)による加熱状態と冷却装置(4)による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、
熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路(1a)と、該熱媒通路(1a)の一端部に接続させた第1の蓄熱タンク(6)と、該熱媒通路(1a)の他端部に接続させた第2の蓄熱タンク(7)と、第1の蓄熱タンク(6)の内部空間(6b)と第2の蓄熱タンク(7)の内部空間(7b)との間で熱媒を交互に移送させる移送装置(60)とを有すると共に、
少なくとも一方の蓄熱タンク(6,7)が、蓄熱タンク(6,7)の下端部に形成されて熱媒通路(1a)に接続する熱媒の出入口(6c,7c)を備え、かつ、移送装置(60)が、該蓄熱タンク(6,7)の上端部に接続され、気体を正逆に送つて該蓄熱タンク(6,7)の内部空間(6b,7b)の気体を吸排させる吸排手段(60)によつて形成され、吸排手段(60)によつて該内部空間(6b,7b)の気体を吸排させることにより、両蓄熱タンク(6,7)の出入口(6c,7c)から熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置。 - 加熱装置(3)による加熱状態と冷却装置(4)による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、
熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路(1a)と、該熱媒通路(1a)の一端部に接続させた第1の蓄熱タンク(6)と、該熱媒通路(1a)の他端部に接続させた第2の蓄熱タンク(7)と、第1の蓄熱タンク(6)の内部空間(6b)と第2の蓄熱タンク(7)の内部空間(7b)との間で熱媒を交互に移送させる移送装置(60)とを有すると共に、
両蓄熱タンク(6,7)の下端部に熱媒通路(1a)に接続する熱媒の出入口(6c,7c)がそれぞれ形成され、かつ、移送装置(60)が、両蓄熱タンク(6,7)の上端部同士を接続する配管(61)に、気体を正逆に送つて内部空間(6b,7b)の気体を吸排させる吸排手段(60)を備えさせて形成され、吸排手段(60)によつて一方の内部空間(6b,7b)の気体を他方の内部空間(7b,6b)に向けて送り込むことにより、両蓄熱タンク(6,7)の出入口(6c,7c)から熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置。 - 加熱装置(3)による加熱状態と冷却装置(4)による冷却状態とを交互に与え、熱利用装置(1)に温度変化を与える熱利用装置の顕熱回収装置であつて、
熱利用装置(1)に付属させた熱媒通路(1a)と、該熱媒通路(1a)の一端部に接続させた第1の蓄熱タンク(6)と、該熱媒通路(1a)の他端部に接続させた第2の蓄熱タンク(7)と、第1の蓄熱タンク(6)の内部空間(6b)と第2の蓄熱タンク(7)の内部空間(7b)との間で熱媒を交互に移送させる移送装置とを有すると共に、
少なくとも一方の蓄熱タンク(6,7)が、蓄熱タンク(6,7)の下端部に形成されて熱媒通路(1a)に接続する熱媒の出入口(6c,7c)を備え、かつ、移送装置が、蓄熱タンク(6,7)の内部空間(6b,7b)に上下方向の摺動自在に設けたラム部材(9)と、ラム部材(9)を昇降駆動する駆動装置(70)とを有し、ラム部材(9)を昇降駆動することにより、蓄熱タンク(6,7)の出入口(6c,7c)から熱媒が出入りすることを特徴とする熱利用装置の顕熱回収装置。
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