JP3936809B2 - 抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
抄紙用ドライヤーカンバス本体の両端を連結する継ぎ手に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機のドライヤーパートに使用される抄紙用ドライヤーカンバスは、合成繊維からなる経糸と緯糸にてカンバスを織成し、有端状のドライヤーカンバス本体の両端に継ぎ手部を設け、その両端部を継ぎ手にて連結し無端状として使用されている。従来より継ぎ手の構造としては、有端状のカンバス本体の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸を折り返し、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をカンバス本体に織り込み、カンバス本体の両端部に形成された経糸ループ同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接続用芯線を挿通し連結するワープループシーム構造や、前記経糸ループに合成樹脂モノフィラメントからなるスパイラル線条を噛み合わせ、噛み合わせて形成される共通孔にスパイラル線条固定用芯線を挿通し、カンバス本体の両端部に形成されたスパイラル線条同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成されたスパイラル線条共通孔に接続用芯線を挿通し連結するスパイラルシーム構造が一般的に使用されている。
【0003】
また、ワープループシーム構造とスパイラルシーム構造を組み合わせた継ぎ手としては、両耳部における熱的、機械的強度の向上を目的とし、カンバス本体の通紙幅相当部となる中央部の継手をワープループシーム構造とし、カンバス本体の両耳部の継手をスパイラルシーム構造とした抄紙用ドライヤーカンバスの継手が実開平4−92598号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、一般的にはスパイラルシーム構造やワープループシーム構造が継ぎ手の構造として採用されているが、それぞれ長所、短所がある。例えば、スパイラルシーム構造は、スパイラル線条の形状、素材等を、抄紙機のドライヤーパートの雰囲気下に応じて、また使用状況に応じて適宜選択可能であるし、屈曲疲労に強い。また芯線挿入が簡易で作業性に優れる。反面、スパイラル線条は、連続する一本の合成樹脂モノフィラメントよりなるため、カンバスの走行時に何らかの原因によりスパイラル線条の一個所が切断すると継ぎ手部に係わる張力により連鎖的にスパイラル形状がくずれ、いわゆる口開きが発生する欠点を有する。
【0005】
一方、ワープループシーム構造は、ワープループがカンバス本体の経糸により形成されるため、カンバス本体の織組織や、ヨコ密度、厚み等により制限を受け、ループ空間の調製が難しく、またワープループが小さいため芯線挿入作業に手間がかかる等、作業性に難がある。また、屈曲疲労にも弱い。反面、ワープループが個々の経糸より形成されるため、カンバスの走行時に何らかの原因によりワープループの一本が切断しても他のワープループに影響することがなく、スパイラル線条のように連鎖的に口開きが発生しない利点を有する。
【0006】
また、前記、実開昭4−92598号公報記載の継ぎ手は、カンバス本体の両耳部の耐熱性、高強力化を安価に実現するため、カンバス本体の両耳部の継ぎ手だけを、カンバス本体の耳部に掛止された、耐熱性、高強力のスパイラル線条よりなるスパイラルシーム構造としている。しかしながら、周知の通りドライヤーカンバスは、抄紙機の走行検知用のパーム板と常に接触して走行しているため、特にカンバス本体の両耳部は、パーム板による摩耗損傷を受けやすく、継ぎ手部が破損する最も大きな要因となっている。継ぎ手部の破損の有無により、カンバス本体の寿命が左右されるといっても過言ではない。よって、特にカンバス本体の耳部に掛止されたスパイラル線条は、パーム板による摩耗損傷を受けやすく、いったんスパイラル線条の一部が切断すると継ぎ手部に係わる張力により連鎖的にスパイラル形状がくずれ、いわゆる口開きが発生し、継ぎ手部の破損につながりやすくなる。また、前記公報記載の継ぎ手は、カンバス本体の両耳部に段差部を設けることにより、スパイラルシーム構造の継ぎ手とワープループシーム構造の継ぎ手とを、同一線に揃えて、共通の接続用芯線で連結した継ぎ手部の構造としているため、該段差部の緯糸の抜けや経糸の解れ等の問題がある。
【0007】
本発明は、係る従来の継ぎ手構造の問題点を鑑み、カンバス本体に段差部を設けることなくスパイラルシーム構造の継ぎ手とワープループシーム構造の継ぎ手とを同一線に揃えて共通の接続用芯線で連結した継ぎ手部を構成し、且つスパイラルシーム構造の継ぎ手であっても、スパイラル線条の連鎖的な口開きを防止し、パーム板によるカンバス耳部の摩耗損傷に強い継ぎ手を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、カンバス本体の非通紙幅相当部の継ぎ手構造を、カンバス本体の経糸の折り返しで形成されたループを接続用芯線にて連結したワープループシーム構造とし、カンバス本体の通紙幅相当部の継ぎ手構造を、スパイラル線条の両端がカンバス本体の非通紙幅相当部と通紙幅相当部の境界部に掛止されたスパイラル線条を接続用芯線にて連結したスパイラルシーム構造とし、また、カンバス本体の経糸の折り返しで形成されたループを接続用芯線にて連結したワープループシーム構造において、該経糸の折り返しで形成されたループを、スパイラル線条固定用芯線を挿通するための経糸折り返しループAと、該ループAよりも大きなループ形状を有する接続用芯線を挿通するための経糸折り返しループBを、交互に配列し、さらにスパイラル線条固定用芯線の両端を、カンバス本体の非通紙幅相当部のほぼ中央部に掛止することにより、これらの課題を解決した。
【0009】
即ち、本発明による継ぎ手は、カンバス本体の非通紙幅相当部と通紙幅相当部の継ぎ手種類を区分し、スパイラルシーム構造をカンバス本体の通紙幅相当部に採用し、スパイラルシーム構造を形成するスパイラル線条の両端を、カンバス本体の非通紙幅相当部と通紙幅相当部の境界部に掛止することにより、スパイラル線条がパーム板による摩耗損傷を受けないように構成されている。一方、ワープループシーム構造を、カンバス本体の非通紙幅相当部に採用し、パーム板による摩耗損傷を受けても、継ぎ手全体に影響のないように構成されている。
【0010】
また、本発明による継ぎ手は、上記ワープループシーム構造において、経糸の折り返しで形成されたループを、スパイラル線条固定用芯線を挿通するための経糸折り返しループAと、該ループAよりも大きなループ形状を有する接続用芯線を挿通するための経糸折り返しループBを、交互に配列することにより、カンバス本体の両耳部に段差部を設けることなくスパイラルシーム構造の継ぎ手とワープループシーム構造の継ぎ手とを同一線に揃えて共通の接続用芯線で連結できるように構成されている。また、スパイラル線条固定用芯線の両端を、カンバス本体の非通紙幅相当部のほぼ中央部に掛止することにより、スパイラル線条固定用芯線もパーム板による摩耗損傷を受けないように構成されている。
【0011】
本発明の継ぎ手は、上記のような構成を有するため、スパイラル線条の連鎖的な口開きを防止し、パーム板によるカンバス耳部の摩耗損傷に強い継ぎ手となる。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明の継ぎ手の構成を実施例に基づき図面を参照しながら説明すると、図1は本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)の概略を示す平面図、図2は本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)のワープループシーム構造継ぎ手部A−A断面拡大図、図3は本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)のスパイラルシーム構造継ぎ手部B−B断面拡大図を示している。尚、実施例は本発明の一例であり、実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
抄紙用ドライヤーカンバス本体(2)は、合成樹脂モノフィラメントよりなる経糸(3)と緯糸(4)を織成して得られた二重織り組織のカンバスで、ドライヤーカンバス本体(2)は、ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)で無端状に連結されている。継ぎ手(1)におけるカンバス本体の非通紙幅相当部(5)には、公知の方法で形成された、カンバス本体(2)の両端部から緯糸(4)を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸(3)を折り返し、その2本に1本をループ形状とする際に、スパイラル線条固定用芯線(6)を挿通するための経糸折り返しループA(7)と、ループA(7)よりも大きなループ形状を有する接続用芯線(8)を挿通するための経糸折り返しループB(9)を形成し、ループA(7)とループB(9)を交互に配列する。経糸の折り返し先端部をカンバス本体に織り込み、カンバス本体の両端部に形成された経糸折り返しループB(9)同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成された経糸ループ共通孔に接続用芯線(8)を挿通しワープループシーム構造継ぎ手(12)を形成した。
【0014】
次に、継ぎ手(1)におけるカンバス本体の通紙幅相当部(10)には、同様に公知の方法で形成された、カンバス本体(2)の両端部から緯糸(4)を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸(3)を折り返し、その2本に1本をループ形状とし、スパイラル線条固定用芯線(6)を挿通するための経糸折り返しループA(7)を形成し、経糸折り返しループA(7)に合成樹脂モノフィラメントからなるスパイラル線条(11)を噛み合わせ、噛み合わせて形成される共通孔にスパイラル線条固定用芯線(6)を挿通し、カンバス本体(2)の両端部に形成されたスパイラル線条(11)同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成されたスパイラル線条共通孔に接続用芯線(8)を挿通し連結し、スパイラル線条(11)の両端をカンバス本体(2)の非通紙幅相当部(5)と通紙幅相当部(10)の境界部に掛止し、スパイラルシーム構造継ぎ手(13)を形成した。
【0015】
上記スパイラル線条固定用芯線(6)の両端を、カンバス本体(2)の非通紙幅相当部(5)のほぼ中央部に掛止し、本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)を得た。
【0016】
尚、上記において、スパイラルシーム構造継ぎ手(13)とワープループシーム構造継ぎ手(12)とは、カンバス本体両端部に段差部を設けることなく同一線に揃えられ共通の接続用芯線(8)で連結されている。また、上記スパイラル線条固定用芯線(6)の両端を、カンバス本体(2)の非通紙幅相当部(5)のほぼ中央部に掛止してあるため、スパイラル線条固定用芯線掛止部(14)より外側(カンバス本体の両耳部側)の経糸折り返しループAはスパイラル線条固定用芯線が挿通されていないものとなる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手は、カンバス本体を連結する主要部分を占める通紙幅相当部の継ぎ手構造がスパイラルシーム構造よりなるため、スパイラルシーム構造の長所を活用することができ、スパイラル線条の形状・素材等を抄紙機のドライヤーパートの雰囲気下に応じて、使用状況に応じて適宜選択可能とし、屈曲疲労に強く、また芯線挿入が簡易で作業性に優れものとなる。さらにパーム板による摩耗損傷を受けやすいカンバス本体両耳部を含む非通紙幅相当部がワープループシーム構造の継ぎ手よりなるため、スパイラルシーム構造の短所であるスパイラル線条の連鎖的な口開きを防止し、且つワープループシーム構造の長所であるパーム板によるカンバス耳部の摩耗損傷に強い継ぎ手となる。このように本発明による抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手は、カンバス本体両耳部に段差部を設けることなくスパイラルシーム構造継ぎ手とワープループシーム構造継ぎ手を組み合わせて、両者の長所を活用したスパイラル線条の連鎖的な口開きを防止した抄紙機のパーム板による摩耗損傷に強い継ぎ手となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)の概略を示す平面図である。
【図2】 本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)のワープループシーム構造継ぎ手部A−A断面拡大図を示す。
【図3】 本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手(1)のスパイラルシーム構造継ぎ手部B−B断面拡大図を示す。
【符号の説明】
1 本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手
2 ドライヤーカンバス本体
3 経糸
4 緯糸
5 カンバス本体の非通紙幅相当部
6 スパイラル線条固定用芯線
7 経糸折り返しループA
8 接続用芯線
9 経糸折り返しループB
10 カンバス本体の通紙幅相当部
11 スパイラル線条
12 ワープループシーム構造継ぎ手
13 スパイラルシーム構造継ぎ手
14 スパイラル線条固定用芯線掛止部
15 スパイラル線条掛止部
Claims (3)
- 合成繊維からなる経糸と緯糸を織成した抄紙用ドライヤーカンバス本体の両端を連結する継ぎ手において、カンバス本体の非通紙幅相当部の継ぎ手構造を、カンバス本体の経糸の折り返しで形成されたループを接続用芯線にて連結したワープループシーム構造とし、カンバス本体の通紙幅相当部の継ぎ手構造を、スパイラル線条の両端がカンバス本体の非通紙幅相当部と通紙幅相当部の境界部に掛止されたスパイラル線条を接続用芯線にて連結したスパイラルシーム構造としたことを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手。
- カンバス本体の経糸の折り返しで形成されたループを接続用芯線にて連結したワープループシーム構造において、該経糸の折り返しで形成されたループが、スパイラル線条固定用芯線を挿通するための経糸折り返しループAと、該ループAよりも大きなループ形状を有する接続用芯線を挿通するための経糸折り返しループBより成り、該ループAと該ループBが交互に配列していることを特徴とする請求項1記載の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手。
- スパイラル線条固定用芯線の両端が、カンバス本体の非通紙幅相当部のほぼ中央部に掛止されていることを特徴とする請求項2記載の抄紙用ドライヤーカンバスの継ぎ手。
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