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JP3909261B2 - 耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部 - Google Patents
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JP3909261B2 - 耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抄紙用ドライヤーカンバスの継手部に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙用ドライヤーカンバスは、有端状に織成されたカンバス本体の両端部を継手部により連結し無端状となして使用されている。従来よりこの継手部の構造としては、有端状のカンバス本体の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することによって露出した簾状の経糸を折り返し、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をカンバス本体に織り込み、カンバス本体の両端部に形成された経糸ループ同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接合用芯線を挿通し連結するワープループシーム構造や、前記経糸ループに合成樹脂フィラメントからなるスパイラル線条を噛み合わせ、噛み合わせて形成される共通孔にスパイラル線条固定用芯線を挿通し、カンバス本体の両端部に形成されたスパイラル線条同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成されたスパイラル線条共通孔に接続用芯線を挿通し連結するスパイラルシーム構造が一般的に使用されている。ところでこのような経糸ループを備えた抄紙用ドライヤーカンバスは、本体部分よりも継手部分が強度や耐久性に劣り、抄紙機のドライヤーパートにおいて循環走行中、何らかの原因にて異常張力が掛かった場合、継手部の耳部の経糸ループがしばしば切断し、いわゆる継手部の口開きが生じる等のトラブルが発生することがある。その口開きの発見が遅れると、時には継手部の経糸ループの切断が進行してカンバスが破断し重大な事故を招くことがあった。継手部の耳部が引き裂かれるトラブルの要因には、耳端部へのテンションの集中が考えられる。耳端部にテンションがかかる現象には、ドライヤーカンバス走行時ガイドロール作動の影響で片張りするといった事が挙げられる。これにより継手部が耐えきれず裂けてしまうことがある。又、パーム板との異常接触で本体部・継手部共に耳端部摩耗が生じ、本体部より弱い継手部にダメージを受け耳端からループ部が引き裂かれていくことなどが挙げられる。
【0003】
このような口開きによるトラブル防止のため、従来よりいくつかの提案がなされてきた。例えば、実開平2−94298号公報、実開平2−94299号公報には補強紐を縫着した継手部が開示されている。
【0004】
しかしながら、これら実開平2−94298号公報記載の考案、実開平2−94299号公報記載の考案は、補強紐がカンバス本体と一体となって組織されていないため補強効果が充分でないという問題があった。又、継手部が、カンバス本体を折り返す構造のため厚みが増し、湿紙にマークを出してしまうといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、継手部耳部に異常なテンションが集中した際にも継手部が口開きせず、破損の恐れがなく、湿紙へのマークトラブルを抑えるためカンバス本体部と同等の厚みで耳部が補強された継手部を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、経糸及び緯糸により織成したプラスチック織物からなる有端状のカンバス本体の両端部を無端状に連結した継手部において、予めカンバス本体の両端耳部の織物組織内に織り込まれた補強用線条体同士が連結されていることを特徴とする耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部をもって上記課題を解決するものである。
【0007】
補強用線条体は、カンバス本体両端耳部の所定の経糸と引き揃えられた状態で共に織り込まれていることが好ましい。補強用線条体は、カンバス本体両端耳部の所定の経糸と引き揃えることによって、織物組織に強固に保持され、カンバスの表面平滑性も損なわれない。一重織りでも補強効果はあるが、二重織り以上の多重織り組織の方がより補強効果が大きい。これは、補強用線条体がより強固に保持されるからである。補強用線条体の織り込み長さとしては30mm以上が好ましい。より好ましくは50mm以上である。
【0008】
又、補強用線条体が折り返された状態で織り込まれていることが好ましい。経糸ループを形成する際に、補強用線条体をカンバス本体から緯糸を除去することによって露出した経糸に引き揃え、同時に、補強用線条体を折り返し、隣の経糸に引き揃えた状態にしてカンバス端部に向かって織り込むと更に強度をもたせることができる。折り返す長さは10mm以上、好ましくは20mm以上である。
【0009】
カンバス走行時のトラブルからパーム板との異常接触による耳摩耗をおこして補強用線条体自体がほつれてくるような場合には、補強用線条体がカンバス幅方向に位置をずらして複数本織り込まれていることが好ましい。これは最外側の補強用線条体が万が一ほつれても残された補強用線条体で補強効果が維持されるからである。
【0010】
本発明に適用される補強用線条体は、高強度であり耐湿熱性、耐摩耗性に富んだ繊維からなる線条体で、柔軟性があり、かつ伸度が低いものが好ましい。例えば、アラミド繊維からなる線条体が好ましい。又、線条体の見かけの太さは0.5〜1.5mm程度のものが良い。線条体の見かけの太さが、0.5mm未満だと補強効果に劣り、1.5mm以上になるとカンバス表面の平滑性に問題がでるからである。又、線条体としては中空状の組紐が柔軟性に富み作業性が良いので好ましい。このような組紐は、例えば帝人株式会社製のテクノーラ(登録商標)を編組した組紐が適用できる。
【0011】
継手部の口開きが生じる際には、耳端からループ部が引き裂かれていくことから、最外側の補強用線条体の引張強度は、カンバス本体経糸の少なくとも1.5倍以上を有しているものがよい。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明の継手部の構成を実施例に基づき図面を参照しながら説明する。図1(A)は、本発明の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部を例示するものであり、図1(B)は、補強用線条体が所定の経糸と引き揃えられた状態を示す拡大平面図である。(1)はカンバス本体、(2)はカンバス本体の経糸によって形成された経糸ループ、(3)は接合用芯線、(4)は補強用線条体、(5)は継手部、(6)は経糸、(7)は緯糸、(8)はカンバス本体耳部、(9)はカンバス本体耳端そして(10)はカンバス本体端部である。尚、本実施例は本発明の一例であり、実施例に限定されるものではない。
【0013】
(実施例1)
カンバス本体(1)は、ポリエステルモノフィラメント(直径0.45mm)よりなる経糸(6)と緯糸(7)を織成して得られた二重織り組織(経密度:70本/2.54cm、緯密度:18本×2/2.54cm、厚み:2.1mm)で、カンバス本体(1)は、継手部(5)で無端状に連結されている。継手部は、公知の方法で形成された、カンバス本体(1)の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸を折り返して、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をカンバス本体(1)に織り込み経糸ループ(2)が形成されている。この時、経糸ループ(2)は、カンバス本体耳端(9)両側からそれぞれ12mm入ったところまで作成した。経糸ループ(2)を形成する際に、カンバス本体耳端(9)から5mmの所と10mmの所2カ所に補強用線条体(4)として、見掛けの太さ0.8mm、引張強力40kgfのアラミド繊維からなる組紐をカンバス本体端部(10)から50mmの長さでカンバス本体(1)の経糸1本と引き揃え、さらに折り返して隣の経糸と引き揃えてカンバス本体端部(10)に向かって織り込んだ。折り返し織り込み長さは20mmであった。この時、補強用線条体(4)である組紐はカンバス本体端部(10)から連結用として100mm余らしておいた。反対側の耳部においても経糸ループ(2)の外側に同じ形状で補強用線条体(4)である組紐を織り込んだ。そして、カンバス本体(1)の両端部同士を無端状に接合するに際し、まず公知の方法にてカンバス本体(1)の両端部に形成された経糸ループ(2)同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接合用芯線(3)を挿通し、次いでカンバス本体(1)両端から出ている上記補強用線条体(4)である組紐を結び合わせて相互に連結して余剰の紐端を切断し、本発明の耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部を得た。
【0014】
(比較例1)
カンバス本体(1)は、ポリエステルモノフィラメント(直径0.45mm)よりなる経糸(6)と緯糸(7)を織成して得られた二重織り組織(経密度:70本/2.54cm、緯密度:18本×2/2.54cm、厚み:2.1mm)で、カンバス本体(1)は、カンバスの継手部(5)で無端状に連結されている。継手部は、公知の方法で形成された、カンバス本体(1)の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸を折り返して、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をカンバス本体(1)に織り込み経糸ループ(2)が形成されている。この時、経糸ループ(2)は、カンバス本体耳端(9)両側からそれぞれ6mm入ったところまで作成した。そして、カンバス本体(1)の両端部同士を無端状に接合するに際し、公知の方法にてカンバス本体(1)の両端部に形成された経糸ループ(2)同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接合用芯線(3)を挿通し抄紙用ドライヤーカンバスの継手部を得た。
【0015】
実施例1,比較例1で作成した継手部について、継手部の引き裂き引張強力を測定した。測定方法について図面を参照しながら説明する。図2は、継手部引き裂き引張試験用の試験片形状を示すものであり、(11)は引張試験試験片である。
【0016】
図2に示すような試験片(11)を準備し、引張試験機チャック挟み部(図面の斜線部分)を挟み矢視方向に引張り、継手部が引き裂けた数値を実施例1、比較例1について測定した。尚、両方とも図中のC−D部は切り口部でありフリーの状態になっている。試験機は、テンシロン型引張試験機を使用した。試験条件として、歪みゲージを利用し荷重を測定する装置であるロードセルの許容範囲を100kgに、ロードセルに連結したチャック部の移動スピードを表すヘッドスピードを100mm/minに設定して実施した。
【0017】
引き裂き引張強力測定結果は、次の通りであった。
(1)実施例1(補強用線条体 2本):70.3kgf
(2)比較例1(補強用線条体 0本):30.8kgf
継手部引き裂き引張強力が約2.3倍となっており、本発明品の耳部が充分に補強されていることが確認された。
【0018】
本実施例では、連結方法として結び合わせる例について説明したが、この例に限らず、接着、縫着等直接的な連結は勿論であるが、補強用線条体によってループを形成し、接合用芯線にて連結するといったような間接的な連結方法も可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明のように、経糸及び緯糸により織成したプラスチック織物からなる有端状のカンバス本体の両端部を無端状に連結した継手部において、予めカンバス本体の両端耳部の織物組織内に織り込まれた補強用線条体同士を連結することで、カンバス本体の耳部での継手の強力を一段と上げることが容易にできる。その結果、過酷な使用条件で使用されても口開きによる事故を防止でき、カンバスの長寿命化が図れる。又、カンバス本体部を折り返す構造でないため、厚みの変化がないため、湿紙へのマークといった問題も抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の抄紙用ドライヤーカンバス継手部の一例を説明するための概略平面図、(B)は補強用線条体が所定の経糸と引き揃えられた状態を示すa部(○部)拡大図。
【図2】継手部引き裂き引張試験用の試験片形状を説明するための概略平面図。
【符号の説明】
1.カンバス本体
2.経糸ループ
3.接合用芯線
4.補強用線条体
5.継手部
6.経糸
7.緯糸
8.カンバス本体耳部
9.カンバス本体耳端
10.カンバス本体端部
11.引張試験用試験片

Claims (4)

  1. 経糸及び緯糸により織成したプラスチック織物からなる有端状のカンバス本体の両端部を無端状に連結した継手部において、予めカンバス本体の両端耳部の織物組織内に織り込まれた補強用線条体同士が連結されていることを特徴とする耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部。
  2. 補強用線条体がカンバス本体両端耳部の所定の経糸と引き揃えられた状態で共に織り込まれていることを特徴とする請求項1記載の耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部。
  3. 補強用線条体が折り返された状態で織り込まれていることを特徴とする請求項1又は2記載の耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部。
  4. 補強用線条体がカンバス幅方向に位置をずらして複数本織り込まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耳部が補強された抄紙用ドライヤーカンバスの継手部。
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