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JP3942116B2 - シリンダ錠における施解錠表示装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、キャビネットの引出し、ロッカの扉又は出入口のドア等に設けられるシリンダ錠の施解錠の状態を一見してわかるようにしたシリンダ錠における施解錠表示装置の改良に関する。
【従来の技術】
従来のこの種の施解錠表示装置としては、例えば、特開平9−25751号公報に記載されたものを挙げることができる。
【0002】
同公報に示された一つの施解錠表示装置は、錠前本体に対して180°回転可能なシリンダーヘッドを設け、表面を異なる二種類の色で着色した表示板及び該表示板の表面の一部を露出させる開口部を有するケースカバーを順に取付け、シリンダーヘッドの回転に伴って表示板又はケースカバーを回転させることにより、ケースカバーの開口部から見える表示板の色により施錠又は解錠状態を確認出来るようにしたものであり、また、別の施解錠表示装置は、鍵穴の周囲を異なる二種類の色で着色したシリンダーヘッドを錠前本体に対して180°回転可能に設けるとともに、該シリンダーヘッドの着色を露出させる開口部を有するケースカバーを外被して錠前本体に取り付け、シリンダーヘッドを回転させることにより、ケースカバーの開口部から見える着色部の色により施錠又は解錠状態を確認できるようにしたものである。
【0003】
しかしながら、これらの従来装置においては、いずれも開口部を有するケースカバーを必要としており、しかもそのケースカバーは錠の前面に露出するようにして設けられているため、一つには部品数が多く構造が複雑であること、他の一つにはケースカバーには鍵先や身体が引掛かって脱落の恐れがあること、などの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明に係るシリンダ錠における施解錠表示装置は、従来装置において問題となっているケースカバーを排することにより、前記の問題点を悉く解決することを目的として提案されたものである。すなわち、この発明は、部品数を減じコストダウンを計り、また、ケースカバーの脱落の問題を解消することを目的として提案されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、鍵が差し込まれる回転可能な内筒とその回りに配される固定外筒とを備えたシリンダ錠において;内筒の前端部に固定外筒の前面の一部又は全部を覆う一体のフランジ部を設けること;固定外筒の前面に内筒のフランジ部に対向させるようにして施錠の表示及び解錠の表示を前記内筒の回転方向に関し角度的に位置をずらして施すこと;及び、前記フランジ部には内筒が占める施錠位置又は解錠位置の別により施錠の表示又は解錠の表示を選択的に見えるようにするために開口部を設けたことを構成条件とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す2つの実施例に基いて、この発明について説明する。
図1及び図2は、この発明の第1実施例を、図3〜図5はこの発明の第2実施例をそれぞれ示している。
【0007】
図1及び図2に示す第1実施例において、符号10はシリンダ錠が取付けられる取付対象物であるキャビネットの引出し、ロッカの扉又は出入口のドア等を表している。
【0008】
この発明が実施される錠としては、それがシリンダ錠であれば、ディスクシリンダ錠、ロータリーディスクシリンダ錠、ピンシリンダ錠又はマグネチックタンブラシリンダ錠など任意の種類のものが採用できる。
【0009】
図示例のシリンダ錠はディスクシリンダ錠であって、鍵が差し込まれる鍵孔11を有する回転可能な内筒1とその回りに配される固定外筒2とを備えている。
【0010】
上記の取付対象物10に固定される、横断面外形が矩形、円形その他任意形状をなす固定外筒2は、図示例のように回転可能な内筒1を直接保持する外筒であってもよいし、その外筒の回りに直接又はスペーサ筒を介在させた上で固定的に装着させる取付筒であってもよい。
【0011】
図1において、符号3は内筒1内に可動に装着され、図示を省略したタンブラばねで付勢されたディスクタンブラを示し、4は固定外筒2の後部に貫通させた状態で差し込まれたデッドボルト自体又はデッドボルトに連係させた連係部材で、図示はしないが、それには内筒1のテイルピースが直接又はカム片等を介し間接的に連係させてある。
【0012】
この発明が実施されるシリンダ錠は、施錠状態及び解錠状態における内筒の位置が回転方向に関し角度的に互にずれるように、すなわち角度位置が異なるようにしてある。
【0013】
換言すれば、この発明が適用されるシリンダ錠としては、施錠状態及び解錠状態において、鍵(合鍵)が抜き差しされる位置が角度的に例えば90°、180°又は270°のようにずれるような構造のものが採用される。
【0014】
図1に示すシリンダ錠においては、内筒1について図1(A)の位置が施錠状態で、図1(C)の位置が解錠状態であって、両者の間では角度位置が180°ずれている。
【0015】
そして、この発明においては、内筒1の前端部に固定外筒2の前面の一部又は全部を覆うことができる一体のフランジ部12が設けてあり、更に、そのフランジ部12には円周方向の一部に切欠又は抜き穴として形成された開口部13が設けてある。開口部13の正面形は弧状、円形など任意の形状とすることができる。
【0016】
なお、本明細書において、用語「内筒」には、内筒部の前方部に一体的にキーガイド部を備えているものを含む。つまり、前記のフランジ部12はキーガイド部に設けてもよい。
【0017】
一方、固定外筒2の前面には、内筒1のフランジ部12の裏面に対向させるようにして施錠の表示21a及び解錠の表示21bを前記内筒1の回転方向に関し角度的に相互に位置をずらして施す。
【0018】
施錠及び解錠の表示21は、色別、文字及び/又は記号等で表すことができ、それらは固定外筒2に対しては第1実施例のように直接設けてもよいし、後述の第2実施例のように例えば表示板をもって間接的に設けてもよい。
【0019】
図1及び図2に示す施解錠の表示21は、更に具体的には、固定外筒2の前面に環状形に2つの色で着色して表わされており、その半分は施錠の表示21aとして例えば赤色の印刷をもって描かれており、他の半分は解錠の表示21bとして例えば青色の印刷をもって描かれている。別の着色手段としては、塗装なども用いることができる。
【0020】
図中、施解錠の表示21において、施錠と解錠の別を分りやすくするため、一方の施錠の表示21aを交差斜線を付けて表し、他方の解錠の表示21bを多数の点を付して表してある。
【0021】
以上の構造のこの発明に係る第1実施例の施解錠表示装置においてその作用を説明すると、次の通りである。
【0022】
図1(A)の施錠状態のシリンダ錠においては、内筒1のフランジ部12の開口部13を通じ固定外筒2の前面における施錠の表示21aが露出して見えているので、使用者は一見してその錠が施錠されていることを知ることができる。
【0023】
図1(A)で鍵孔11に合鍵(図示しない)を差し込み、内筒1を例えば矢印P方向に180°回動させて引き抜くと、図1(C)に示すように、シリンダ錠は解錠状態となり、デッドボルト又は連係部材4は例えば左方に変位して取付対象物10の拘束状態は解かれることになる。
【0024】
その際、内筒1の回動変位によってフランジ部12の開口部13も180°移動して、その開口部13からは固定外筒2の解錠の表示21bが見えることになるので、この状態においても、使用者は、一見してその錠が開錠されていることを知ることができ、次に施錠を行う時鍵の掛け忘れを防止することができる。
【0025】
図1(C)の解錠状態から図1(A)の施錠状態に戻すには、合鍵を差し込み内筒1を上記とは逆に矢印Q方向に180°回動させて引き抜けばよい。内筒1のフランジ部12の開口部13は元の角度位置〔図1(A)〕の位置に戻り、その開口部13には施錠の表示21aが現われることになる。
【0026】
次に、図3〜図5に示すこの発明の第2実施例について述べる。
第2実施例において図1及び図2に示す第1実施例と同一の符号で指し示される部材又は部位は互いに等効の部材又は部位を表しているので、ここでは記述の重複を避けるため相違している個所についてのみ説明する。
【0027】
第2実施例では、施解錠の表示は、固定外筒2の前面部に対して環状をなす別体の表示板21をもって間接的に施されている。
【0028】
表示板21は、図5に明示するように、全体としては環状の正面板部から後方に向け一体に延出させた2つの係合脚片21c、21dを備えて成り、対称的に2つ割りにした一対の部分片21a、21bを組み付けて形成されている。
【0029】
一対の部分片21a、21bは互いに異なる色の着色材等の着色部分を含有するポリプロピレンその他の高分子材料を成形して作られており、一方の部分片21aは例えば赤色の施錠の表示を構成し、他方の部分片21bは例えば青色の解錠の表示を構成する。
【0030】
なお、一対の部分片を成形する高分子材料として着色成分の他に蓄光成分を含有する半透明又は透明の高分子材料を用いると、この発明の装置を暗がりにおいて使用した場合に、一対の部分片が構成する表示板21の発光により、内筒1の開口部13から覗かれる施解錠の表示21a、21bが見やすくなり好ましい。
【0031】
2つの部分片21a、21bはそれぞれの接合部に設けられた一体の突起21e及び嵌め孔21fを互いに相手の部分片の嵌め孔21f及び突起21eに嵌合させることにより組み付けられ、全体としての表示板21は、図3及び図4に示すように、その正面板部の裏面側を固定外筒2の前面に押し当て、係合脚片21c、21dを固定外筒2の前面に設けた係入孔22、22に挿入して係止させることによってその固定外筒2に装着させる。
【0032】
前記の表示板21における部分片21aと21bとの間並びに表示板21と固定外筒2との間には必要に応じ接着剤を補助的に施すこともできる。
【0033】
図4において、符号23、23は固定外筒2の前面に一体に突設した突部を示し、これら突部23は係合脚部21c、21dなどと共に表示板全体21のずれ止めの役割を果たす。
【0034】
なお、第2実施例の施解錠表示装置の作用は、上述した第1実施例の施解錠表示装置のそれに準ずるので、その記載は省略する。
【0035】
第2実施例における表示板21は、印刷や塗装とは異なり、表面だけの着色ではなくその全体に着色成分を含んでいるので、内筒1のフランジ部12との摺接により表面部分が摩耗しても施錠及び解錠の表示21a、21bが剥げ落ちたりすることがなく、長期に亘って表示機能が発揮されるという利点がある。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明に係る施解錠表示装置は、シリンダ錠の施解錠の状態が視覚を通じて容易に判別できる機能を有しているに関わらず、従来の装置が備えていたケースカバーを要しないので、部品数の減少を通じコストダウンが達成され、また、ケースカバーの脱落の問題も解消されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシリンダ錠における施解錠表示装置の第1実施例を示す図で、(A)は施錠状態における正面図、(B)はその部分縦断平面図、(C)は解錠状態における正面図である。
【図2】図1の第1実施例の施解錠表示装置から取り外した固定外筒を示す正面図。
【図3】この発明に係るシリンダ錠における施解錠表示装置の第2実施例を示す図で、(A)は施錠状態における正面図、(B)はその部分縦断平面図、(C)は解錠状態における正面図である。
【図4】図3の第2実施例の施解錠表示装置から表示板と共に取り外した固定外筒を示す正面図。
【図5】図3の第2実施例の施解錠表示装置から取り外した表示板のみを示す図で(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は平面図、(D)は分解正面図である。
【符号の説明】
1 内筒
12 フランジ部
13 開口
2 固定外筒
21a 施錠の表示
21b 解錠の表示

Claims (1)

  1. 鍵が差し込まれる回転可能な内筒とその回りに配される固定外筒とを備えたシリンダ錠において;内筒の前端部に固定外筒の前面の一部又は全部を覆う一体のフランジ部を設けること;固定外筒の前面に内筒のフランジ部に対向させるようにして施錠の表示及び解錠の表示を前記内筒の回転方向に関し角度的に位置をずらして施すこと;及び、前記フランジ部には内筒が占める施錠位置又は解錠位置の別により施錠の表示又は解錠の表示を選択的に見えるようにするために開口部を設けたことを構成条件とするシリンダ錠における施解錠表示装置。
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