JP3942151B2 - 押出加工方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、とくにアルミニウム(アルミニウム合金を含む、以下同じ)の押出加工方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウムの押出加工は、加熱したビレットをコンテナのビレット孔に装入し、ステムを前進させてビレットをコンテナのビレット孔に充満させた(アップセット工程)後、さらにステムを前進させることにより行われ、ビレットは押出ダイスを通して押出され、所定断面形状の押出材が得られる。
【0003】
通常、工場生産においては、押出材へのビレット表皮層の流出を防止するため、所定の押残りを残し、この押残りを切断した後、つぎのビレットを装入し、継押して押出を継続する。
【0004】
この場合、押残りの切断が適切に行われないと、押残り切断後のポート部端面と継押しするためのビレットとの間に空気層が形成され、このまま押出を行うと、メタルフローにより空気が巻き込まれ、押出材にフクレなどの欠陥が生じるおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この問題を解消するためになされたものであり、その目的は、押残り切断後のポート部端面と継押しするためのビレットとの間に空気層の形成が軽減され、フクレなどの欠陥の発生を無くすことを可能とする押残り切断シヤーを用いる押出加工方法および該押出方法を実施するための押出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1による押出加工方法は、コンテナのビレット孔にビレットを装入し、押出ダイスを通して押出を行った後、押残りを切断し、ビレットを継押して押出を継続する金属の押出方法において、押残りを切断するシヤーとして、切断部の形状が円弧状に形成され、該円弧状の凹面側で押残りを切断するようにした切断刃をそなえ、切断刃の円弧状部の半径rはコンテナのビレット孔の直径Rの50〜60%に設定され、切断刃が押残りを切断するために押残りと当接したとき、切断刃の円弧状部の両端部とコンテナのビレット孔の中心からなる扇状の中心角αが90〜180°であり、切断刃の厚さtをコンテナのビレット孔の直径Rの10〜40%の寸法とした剪断式シヤーを用い、押残りの厚さTを切断刃の厚さtの80〜105%として押残りを切断するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2による押出装置は、ビレットを装入するためのビレット孔を有するコンテナと、ビレットを押し出すための押出ダイスと、押残りを切断するためのシヤーをそなえ、押残りを切断し、ビレットを継押して押出を継続するよう構成された金属の押出装置において、押残りを切断するためのシヤーとして、請求項 1 記載の剪断式シヤーをそなえ、切断刃が脱着自在に取付けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属、とくにアルミニウムの押出加工方法において、切断部の形状を円弧状とし、該円弧状の凹面側を押残りに当てて押残りを切断するようにした切断刃をそなえた剪断式シヤーを用いることを特徴とするもので、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーで押残りを切断することによって良好な切断面が得られ、押残りと継押しするためのビレットとの間の空気層の形成が軽減される。
【0009】
図1、図2は、本発明におけるコンテナのビレット孔、ダイス、押残り、シヤーの関係を示すものであるが、切断刃1の円弧状部2の半径rは、コンテナ3のビレット孔4の直径Rの50〜60%に設定するのが好ましく、50%未満でも60%を越えても良好な切断面が得難く、押出材Eに欠陥が生じ易くなる。
【0010】
図1、図2において、シヤーの切断刃1が矢印の方向に下降して、押残りDと当接したときの切断刃1の円弧状部2の両端部5とコンテナ3のビレット孔4の中心からなる扇状の中心角αは90〜180°となるようにするのが好ましく、この中心角αは、切断刃1の円弧状部2の半径rにより定まる。
【0011】
切断刃1の厚さt(図2)は、コンテナ3のビレット孔4の直径Rの10〜40%の寸法とするのが好ましく、10%未満では切断刃が薄過ぎてシヤーの剛性が不足し、40%を越える寸法とすると、良好な押残り切断面が得難く、押出材Eに欠陥が生じ易くなる。
【0012】
押残りDの厚さT(図2)は、切断刃1の厚さの150%以下、好ましくは、切断刃の厚さの80〜105%、さらに好ましくは、切断刃の厚さの80〜100%、最も好ましくは95〜100%とするのが、欠陥のない押出材を得る上で好ましい。
【0013】
本発明の切断刃1は、従来、押残りを切断するために押出機に配設されている既存のシヤーの切断刃に替えて使用し得るよう着脱自在となっており、本発明による切断刃1を使用する押出加工は、既存のシヤーに取付けることにより実施される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。なお、この実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
実施例1
表1に示す組成のアルミニウム合金のビレットを、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーを取り付けた押出機により、ポートホールダイスを通して円筒状の製品に押出加工した。
【0016】
円弧状部の半径rは120mm(コンテナのビレット孔の直径(210mm)の57%)とし、αは120°、切断刃の厚さtは40mm(コナテナのビレット孔の直径の19%)、押残り厚さTは40mmとした。
【0017】
得られた押出材について欠陥の発生状況を調査した結果、欠陥は全く観察されなかった。
【0018】
【表1】
【0019】
比較例1
実施例1と同様、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーを取り付けた押出機により、ポートホールダイスを通して円筒状の製品に押出加工した。
【0020】
但し、円弧状部の半径rは100mm(コンテナのビレット孔の直径(210mm)の48%)とし、αは30°、切断刃の厚さtは40mm(コナテナのビレット孔の直径の19%)、押残り厚さTは40mmとした。
【0021】
得られた押出材について欠陥の発生状況を調査した結果、切断刃の円弧状部の半径が小さいことに起因して、若干のフクレが生じているのが観察された。
【0022】
比較例2
実施例1と同様、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーを取り付けた押出機により、ポートホールダイスを通して円筒状の製品に押出加工した。
【0023】
但し、円弧状部の半径rは120mm(コンテナのビレット孔の直径(210mm)の57%)とし、αは120°、切断刃の厚さtは40mm(コンテナのビレット孔の直径の19%)、押残り厚さTは20mmとした。
【0024】
得られた押出材について欠陥の発生状況を調査した結果、押残りの厚さが薄いことに起因して欠陥が生じていた。
【0025】
比較例3
実施例1と同様、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーを取り付けた押出機により、ポートホールダイスを通して円筒状の製品に押出加工した。
【0026】
但し、円弧状部の半径rは120mm(コンテナのビレット孔の直径(210mm)の57%)とし、αは120°、切断刃の厚さtは40mm(コナテナのビレット孔の直径の19%)、押残り厚さTは100mmとした。
【0027】
得られた押出材について欠陥の発生状況を調査した結果、押残りの厚さが厚過ぎることに起因して欠陥が生じていた。
【0028】
比較例4
実施例1と同様、切断部の形状を円弧状とした切断刃をそなえた剪断式シヤーを取り付けた押出機により、ポートホールダイスを通して円筒状の製品に押出加工した。
【0029】
但し、円弧状部の半径rは120mm(コンテナのビレット孔の直径(210mm)の57%)とし、αは120°、切断刃の厚さtは10mm(コナテナのビレット孔の直径の5%)、押残り厚さTは40mmとした。
【0030】
得られた押出材について欠陥の発生状況を調査した結果、切断刃の厚さが薄過ぎることに起因して欠陥が生じていた。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、押残りと継押しするためのビレットとの間に空気層の形成が軽減され、フクレなどの欠陥の発生を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における切断刃と押残りの関係を示す一部断面図である。
【図2】本発明における押残りの切断態様を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 切断刃
2 円弧状部
3 コンテナ
4 ビレット孔
5 円弧状部2の両端部
6 ダイス
R ビレット孔の直径
r 円弧状部の半径
D 押残り
E 押出材
t 切断刃1の厚さ
T 押残りDの厚さ
Claims (2)
- コンテナのビレット孔にビレットを装入し、押出ダイスを通して押出を行った後、押残りを切断し、ビレットを継押して押出を継続する金属の押出方法において、押残りを切断するシヤーとして、切断部の形状が円弧状に形成され、該円弧状の凹面側で押残りを切断するようにした切断刃をそなえ、切断刃の円弧状部の半径rはコンテナのビレット孔の直径Rの50〜60%に設定され、切断刃が押残りを切断するために押残りと当接したとき、切断刃の円弧状部の両端部とコンテナのビレット孔の中心からなる扇状の中心角αが90〜180°であり、切断刃の厚さtをコンテナのビレット孔の直径Rの10〜40%の寸法とした剪断式シヤーを用い、押残りの厚さTを切断刃の厚さtの80〜105%として押残りを切断するようにしたことを特徴とする押出加工方法。
- ビレットを装入するためのビレット孔を有するコンテナと、ビレットを押し出すための押出ダイスと、押残りを切断するためのシヤーをそなえ、押残りを切断し、ビレットを継押して押出を継続するよう構成された金属の押出装置において、押残りを切断するためのシヤーとして、請求項 1 記載の剪断式シヤーをそなえ、切断刃が脱着自在に取付けられていることを特徴とする押出装置。
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