JP3959006B2 - ワイヤーハーネスの2次元展開方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーハーネスの2次元展開方法及びその装置に関し、特に、3次元データとして与えられたワイヤーハーネスを2次元データに変換して出力することにより、的確な治具板設計に有効なワイヤーハーネスの2次元展開方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等においては多種多様の電装品が搭載されるようになっており、それらは、複数の電線や通信線がインシュロック等の結束部材やテープ等の保護部材によって束ねられた、いわゆる、ワイヤーハーネスで接続されている。このようなワイヤーハーネスは、最終的には、車両等の所定部位に取り付けられるものであり、当然、3次元形状をしている。
【0003】
ところで、一般的に、ワイヤーハーネスは幹線からそれぞれ異なる方向に分岐する複数の枝線を有するにも拘わらず、平板状の治具板上で製造されている。すなわち、立体形状のワイヤーハーネスを平板状の治具板上で製造するために、3次元形状で与えられたワイヤーハーネスを2次元展開する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、このような2次元展開の方法は、主に、設計者の経験や勘に基づいて試行錯誤して行われていたため、多大な労力を要していた。よって、本発明は、上述した現状に鑑み、シンプルな方法でワイヤーハーネスを2次元展開することを可能にし、的確な治具板設計を短期間で容易に行えるようにするワイヤーハーネスの2次元展開方法及びその装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の2次元展開方法は、情報処理装置を用いて、所定のワイヤーハーネスを構成する幹線及び枝線を曲げのばす曲げのばし処理と、前記幹線を所定角度だけねじるねじ り処理と、前記枝線の幹線に対する付け替え位置を変更する付け替え処理と、を組み合わせて、この情報処理装置に3次元データとして与えられたワイヤーハーネスを2次元データに変換して出力する、ことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、ワイヤーハーネスを構成する幹線及び枝線を曲げのばし処理とねじり処理と前記枝線の幹線に対する付け替え処理の組み合わせにより、2次元データに変換してするようにしているので、非常にシンプルな方法でありながらワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の2次元展開装置は、3次元データとして与えられたワイヤーハーネスを2次元データに変換して出力するワ イヤーハーネスの2次元展開装置であって、前記3次元データにもとづいて前記ワイヤーハーネスの拘束点又は分岐点となるノードの設定を含む初期条件を設定 する初期条件設定手段101と、ワイヤーハーネスの曲げのばしの基準となるノードである基準点を設定する基準点設定手段102と、基準点として設定された ノードから次のノードに向けて、ノードとノードとをつなぐセグメントを一直線にのばす曲げのばし処理手段103と、前記曲げのばし処理が終了したセグメン トのうちから幹線としてのセグメントを選択して直線化する幹線作成手段104と、前記曲げのばし処理が終了したセグメントのうちで最大径を有するセグメン トと、これ以外のセグメントの少なくともいずれかひとつのセグメントと、を含む基準平面を作成する基準平面作成手段105と、前記幹線としてのセグメント から分岐する枝線としてのセグメントが基準平面に乗るように、前記幹線としてのセグメントを所定角度だけねじるねじり処理手段106と、少なくとも前記ね じり処理手段による処理結果を出力する出力手段109と、を含み、上記曲げ伸ばし手段が、隣り合うノードでのセグメントの方向を決める二つの方向ベクトルを共通平面に載せるようにセグメントを曲げ伸ばすこことを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するためになされた請求項3記載の2次元展開装置は、請求項2記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、前記基準平面作成 手段105は、前記曲げのばし処理が終了したセグメントのうちで最大径を有するセグメントと、この次に太い径を有するセグメントと、を含む前記基準平面を 作成する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2及び3記載の発明によれば、与えられた3次元データにもとづいてワイヤーハーネスの拘束点又は分岐点となるノードの設定が行われ、ワイヤーハー ネスの曲げのばしの基準となる基準点が設定され、このノードから次のノードに向けて、セグメントが一直線にのばす曲げのばし処理が行われる。そして、この曲げ伸ばし処理は、隣り合うノードでのセグメントの方向を決める二つの方向ベクトルを共通平面に載せるようにセグメントを曲げ伸ばすように行われる。また、曲げの ばし処理が終了したセグメントのうちから幹線としての複数のセグメントが選択されて直線化され、最大径を有するセグメントと、これ以外のセグメントの少なくともい ずれかひとつのセグメント、好ましくは、この次に太い径を有するセグメントと、を含む基準平面に乗るように、幹線としてのセグメントが所定角度だけねじら れるねじり処理が行われる。そして、このねじり処理結果が出力される。このように、基本的に、曲げのばし処理及びねじり処理のみのシンプルな処理により、 ワイヤーハーネスの2次元展開が可能になる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の2次元展開装置は、請求項3記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、前記ねじり角と予め設定 された許容される基準ねじり角とを比較し、前記ねじり角の妥当性を判定するねじり可否判定手段を更に含み、前記出力手段は前記妥当性を出力する、ことを特 徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、ねじり角と予め設定された許容される基準ねじり角とが比較され、ねじりの妥当性が判定されて出力されるので、より的確にワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の2次元展開装置は、請求項4記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、手動操作にしたがって、 前記幹線としてのセグメントが、基準平面にのるように取り付け位置を変更する付け替え処理手段、を更に含むことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、枝線としてのセグメントの付け替え位置を変更することができるので、ねじり処理では不可能であった2次元展開も可能になる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の2次元展開装置は、請求項2〜5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、前 記初期条件設定手段、前記基準点設定手段、前記幹線作成手段、及び前記基準平面作成手段による設定又は作成処理を補助的に手動操作にしたがって実行可能な 手動設定手段、を更に含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、初期条件設定、基準点設定、幹線作成、基準平面作成による設定又は作成処理を補助的に手動操作にしたがって実行可能であるので、より細かく現実に即したワイヤーハーネスの2次元展開が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図2を用いて、本発明の基本となる曲げのばし処理、ねじり処理及び付け替え処理について説明する。図2(A)、図2(B)及び図2(C)はそれぞれ、曲げのばし処理、ねじり処理及び付け替え処理に係る基本処理を示す図である。
【0019】
図2(A)に示すように、曲げのばし処理では、ワイヤーハーネスを構成する幹線S1及び枝線S2、S3がそれそれ、図中、矢印で示すように、それらの付け根方向へ曲げのばされる。この付け根は、このワイヤーハーネスにおける拘束部材C1、C2、C3が取り付けられている位置や分岐点B1、B2に相当する。ここで、拘束部材C1、C2、C3としては、例えばクランプを想定している。なお、この曲げのばし処理では、ワイヤーハーネスは未だ3次元形状のままである。
【0020】
また、図2(B)に示すように、ねじり処理では、ワイヤーハーネスを構成する幹線S1が、図中、矢印で示すように、分岐点Bにて分岐する枝線S2が後述の基準面にのるようにねじられる。拘束部材C1、C2、C3は上述した通りである。
【0021】
更に、図2(C)に示すように、付け替え処理では、図中、矢印で示すように、ワイヤーハーネスを構成する枝線S2の取り付け位置が変更される。このとき、分岐点Bにて幹線S1から分岐する枝線S2は、後述の基準平面にのるように、幹線S1の円周方向における取り付け位置が変更される。拘束部材C2、C3は上述した通りである。なお、本明細書中、幹線及び枝線は便宜上付けたものであり、これに替えて、第1の線、第2の線等のような他のよびかたをしてもよい。
【0022】
これら曲げのばし処理及びねじり処理の組み合わせ、或いは、付け替え処理が更に組み合わされて、3次元データとして与えられたワイヤーハーネスが2次元データに変換されて、すなわち、2次元展開されて出力される。このように、非常にシンプルな方法でありながらワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。したがって、ワイヤーハーネスを製造するための的確な治具板設計が短期間で容易に行えるようになる。特に、付け替え処理も組み合わせることによって、より治具板設計の自由度が広がる。
【0023】
上記曲げのばし処理、ねじり処理及び付け替え処理は、図3に示すようなハードウエアを用いて実現可能である。図3は、本発明を実現するためのハードウエア構成を示すブロック構成図である。
【0024】
図3に示すように、本発明を実現するためのハードウエアとしては、マイクロコンピュータ11、入力装置12、表示装置13、印字装置14、記憶装置15、通信インターフェース16及びリードライト装置17を含む公知のデスクトップコンピュータ等の情報処理装置が用いられる。マイクロコンピュータ11は、CPU11a(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM11b、各種処理結果を一時的に記憶するRAM11cを含む。入力装置12は上記各値等を入力するキーボード、マウス等であり、表示装置13は処理結果を表示するCRT等であり、印字装置14は処理結果を印字するプリンタである。記憶装置15は、本発明に係るアプリケーションプログラムや処理結果等を記憶するハードディスクドライブ等である。通信インターフェース16は、例えば、LAN回線等により他装置とデータ通信を行うためのモデムボード等である。リードライト装置17は、公知のCD−ROM等の可搬型記録媒体に格納される3次元データを読み出したり、この装置にて生成した2次元データを可搬型記録媒体に書き込む装置である。これらの各構成要素は、内部バス18を介して接続されている。CPU11aは、ROM11bに記憶されるブートプログラムにしたがって起動され、本発明に係る処理手順を示すアプリケーションプログラムにしたがって動作する。このようなハードウエアを用いて行われる本実施形態に係る処理手順及びその出力例を以下に、図4〜図11を用いて説明する。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図5(A)及び図5(B)はそれぞれ、図4における曲げのばし処理及びねじり処理に対応するサブルーチンを示すフローチャートである。図6は、曲げのばし処理前の3次元データの一例を示す図である。図7は、曲げのばし処理を説明するための図である。図8は、幹線作成処理を説明するための図である。図9は、基準平面を説明するための図である。図10は、ねじり処理を説明するための図である。図11は、2次元展開されたデータの一例を示す図である。
【0026】
図4に示すステップS1においては、3次元データが読み込まれる。3次元データは、ワイヤーハーネスの実際の取り付け形状に基づき設計された3次元空間を想定して作成されたデータであり、例えば、CD−ROM等の可搬型記録媒体やLAN等のネットワークを経由して提供される。なお、以降の処理で必要なデータの初期化等もここで行われる。
【0027】
ステップS2及びステップS3においては、ノード、拘束点設定が行われる。すなわち、与えられた3次元データには、本発明にて想定している拘束部材としてのクランプやプロテクタの他にも、コルゲート、端末、外装等が付加されているが、これらは2次元展開には無関係であり、これらが自動的に削除されて、図6に示すような3次元データが自動生成される。なお、ステップS1〜ステップS3及び関連するハードウエアは、請求項の初期条件設定手段に相当する。
【0028】
図6において、このワイヤーハーネスは幹線s1a〜s1f及び枝線s3〜s7から構成されており、それぞれの先端には、拘束部材c1〜c7としてクランプが取り付けられているものとする。b1〜b5は幹線と各枝線の分岐点を示し、分岐点b5には、幹線s1e、s1f、枝線s6の分岐方向を固定的に拘束する拘束部材p1としてのプロテクタが取り付けられているものとする。
【0029】
ところで、クランプやプロテクタ等の拘束部材では拘束方向が固定されるが、場合によっては、ねじり処理も適用不可であることもある。これらを考慮して、任意のノードに対して、拘束指示をすることも可能である。すなわち、入力装置12により手動操作にて適宜ノードの付加、削除、移動、拘束指示が可能である。ノードとは、拘束部材や分岐点等、経路を決定する採寸点のことをいう。そして、ステップS3において、これらの設定が終了したと判定されるとステップS4に進む(ステップS3のY)。
【0030】
次に、ステップS4及びステップS5においては、基準点設定が行われる。ここで、基準点とは、ワイヤーハーネスの曲げのばし処理のための基準となる点である。すなわち、この基準点からノードが曲げのばされていくことなる。この基準点は、例えば、ワイヤーハーネスを構成する最大径を有する線と2番目に太い径を有する線との分岐点、すなわち、ノードとする。両者の径が等しい場合には、構成する電線本数が多い方が優先される。更に、両者の電線本数も等しい場合には、その旨が表示装置13に出力される。この場合には、入力装置12によるノードのマウスクリック等の手動操作にていずれかを選択可能である。ステップS5において、これらの設定が終了したと判定されるとステップS6に進む(ステップS5のY)。なお、ステップS4、ステップS5及び関連するハードウエアは、請求項の基準点設定手段に相当する。
【0031】
次に、ステップS6においては、曲げのばし処理が行われる。これを図5(A)及び図7を用いて説明すると、基準点として設定されたノードn1から次のノードn2に向けてセグメントsg11が直線状にのばされていく(ステップS601、ステップS602のN)。但し、のびる方向は、拘束部材や拘束指示に基づく拘束方向を示す方向ベクトルv1等にしたがう。方向ベクトルは、関連セグメントの根本が向いている方向とする。なお、セグメントとは、隣り合うノードをつなぐ線のことをいう。
【0032】
ステップS603において、次ノードに到達した際、そのノードが終点を示すものであればこの曲げのばし処理が終了し(ステップS603のY)、そのノードが拘束点を示すものであれば拘束方向に方向転換され(ステップS603のN、ステップS604のY)、そのノードが分岐点を示すものであれば分岐方向に方向転換され(ステップS603のN、ステップS604のN、ステップS606のY)、そのいずれでもなければ現在の方向が維持されて(ステップS603のN、ステップS604のN、ステップS606のN)、曲げのばし処理が継続される。
【0033】
このような曲げのばし処理により、図7の左側に示すような形状が、同右側に示すような形状に変換される。上記曲げのばし処理では、セグメントsg11及びsg23はそれぞれの方向ベクトルv1及びv2を共に含む平面αにのるようにしてのばされ、セグメントsg11及びsg25はそれぞれの方向ベクトルv1及びv3を共に含む平面βにのるようにしてのばされる。なお、ステップS6及び関連するハードウエアは、請求項の曲げのばし処理手段に相当する。
【0034】
上記曲げのばし処理が終了すると、ステップS7及びステップS8において、幹線作成が行われる。すなわち、図8の左側に示すように曲げのばし処理が終了したセグメントsg12、sg23、sg25、sg34及びsg34に対して、幹線としてのセグメントsg12、sg23及びsg34が選択されて、図中右側に示すように、これらが一直線にされる。説明を加えると、最大径のセグメントsg12においてノードn2にて分岐するセグメントsg23、sg25のうちで、より大きな径を有するセグメントsg23を選択して、セグメントsg12と一直線になるようにする。同様に、この選択されたセグメントsg23においてノードn3にて分岐するセグメントsg34、sg36のうちで、より大きな径を有するセグメントsg34を選択して、セグメントsg23と一直線になるようにする。ノード4より先も同様に直線化が行われる。上記選択を自動的に行うことが不可の場合には、入力装置12を用いて任意に選択可能とする。また、予め幹線として指令されていたセグメントは優先される。幹線として選択されなかったセグメントは、幹線となったセグメントとの分岐角度を維持したまま座標変換される。そして、ステップS8において、これらの設定が終了したと判定されるとステップS9に進む(ステップS8のY)。なお、ステップS7、ステップS8及び関連するハードウエアは、請求項の幹線作成手段に相当する。
【0035】
ステップS9及びステップS10においては、基準平面の作成が行われる。すなわち、図8に示したように幹線の直線化が終了した3次元データに対して、図9に示すように、基準平面Rが作成される。この基準平面Rは、例えば、ワイヤーハーネスを構成する最大径を有するセグメントsg12と2番目に太い径を有するセグメントsg25を含むように、自動的に作成される。但し、ここでも、入力装置12を用いて、任意のセグメントを含むように設定したり、自動作成された基準平面を、図中、矢印で示すように、若干回転させることも可能である。そして、ステップS10において、これらの設定が終了したと判定されるとステップS11に進む(ステップS10のY)。なお、この段階では、基準平面に含まれないセグメントもあり、未だ3次元データである。ステップS9、ステップS10及び関連するハードウエアは、請求項の基準平面作成手段に相当する。
【0036】
次に、ステップS11においては、ねじり処理が行われる。これを図5(B)及び図10を用いて説明すると、上記ステップS7にて設定された幹線にそって分岐点が探索される(ステップS111)。探索が次ノードに到達した際、そのノードが分岐点でない限り、探索は継続される(ステップS112のN、ステップS113のN)。次の分岐点、例えば、ノードn3が探索されると(ステップS112のY、ステップS113のY)、このノードn3から分岐する枝線であるセグメントsg36が基準平面Rに乗るように、幹線であるセグメントsg23が所定角度θだけねじられる(ステップS114)。この角度θ、すなわち、ねじり角が、基準ねじり角よりも小さければこの点でのねじり処理は成功したので、この点が終点でないかぎり、次の分岐点を探索すべくステップS111に戻る(ステップS115のY、ステップS116のN)。そして、全分岐点に対して、ねじり処理が成功すると(ステップS116のY)、その旨を示す2次元化完了情報を出力して(ステップS117)、このねじり処理を終了する。
【0037】
一方、ねじり角が基準ねじり角よりも大ければ(ステップS115のN)この点でのねじり処理は不可能であるので、その旨を示す2次元化中止情報を出力して(ステップS118)、更にそのノード名、すなわち、ねじり中止箇所情報を出力して(ステップS119)、このねじり処理を終了する。上記基準ねじり角は、例えば、ワイヤーハーネスを構成する電線を損傷させることのない最大許容ねじり角であり、予め試験等により取得可能である。具体的には、この角度は90度程度である。また、ねじり処理は、ノードに対応する点はねじらず、ノード間のセグメントが均等にねじられるものとする。なお、図10における各参照符号は、図9で示したものと同等の構成要素を示す。ステップS11及び関連するハードウエアは、請求項のねじり処理手段に相当する。
【0038】
上記ねじり処理が終了すると、ステップS12において、2次元化が完了したか否かが判定される。すなわち、上記2次元化完了情報が出力されていれば(ステップS12のY)、ステップS13に進んで、2次元化データが表示装置13により表示されて一連の処理を終了する。一方、上記2次元化中止情報が出力されていれば(ステップS12のN)、ステップS14に進んで、その旨を示す中止情報及び中止箇所情報を表示装置13により表示する。そして、ステップS14に進んで、付け替え処理が行われることになる。なお、2次元データや結果の表示は、表示装置13のみならず、印字装置14から同内容が印字出力されるようにしてもよい。このような処理により、より的確にワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。したがって、より的確な治具板設計が行えるようになる。
【0039】
ステップS15及びステップS16においては、付け替え処理がおこなわれる。すなわち、ねじり中止箇所として指摘された、例えば、図10の枝線であるセグメントsg36が、基準平面Rにのるように、幹線であるセグメントsg23の円周方向における取り付け位置が変更される。この付け替え処理では、セグメントsg23にねじりは発生しないものとする。そして、ステップS16において、この付け替え処理が終了したと判定されると(ステップS16のY)、ステップS11に戻って、再度、ねじり処理が行われる。すなわち、この付け替え処理後の形状に基づき、上記のねじり可否の判定が再度行われる。そして、ステップS12において、2次元化が完了したと判定されるまで、このような付け替え処理を繰り返すことが可能である。なお、ステップS15、ステップS16及び関連するハードウエアは、請求項の付け替え処理手段に相当する。このような付け替え処理により、ねじり処理では不可能であった2次元展開も可能になる。したがって、治具板設計の自由度が広がる。
【0040】
そして、上記のような、曲げのばし処理及びねじり処理、更には付け替え処理を経て、図11で示すような、2次元化データ、すなわち、2次元展開されたデータが、表示装置13上に出力される。なお、図11にて付された参照符号は、図6で付した参照符号と同等の構成要素を示すが、各処理によって構成要素は座標変換されている。2次元展開されたデータは、印字装置14にて印字出力されるようにしてもよいし、RW装置17にてCD−ROM等に格納されるようにしてもよい。また、通信I/F16及びLAN等を利用して、他の装置に転送されるようにしてもよい。
【0041】
このように上記実施形態によれば、基本的に、曲げのばし処理及びねじり処理、或いは、付け替え処理だけで構成されるシンプルな処理により、ワイヤーハーネスの2次元展開が可能になる。したがって、ワイヤーハーネスを製造するための的確な治具板設計が短期間で容易に行えるようになる。
【0042】
なお、上記処理に部分選択機能をもたせて、任意の線又は複数の線を選択して2次元展開するようにしてもよい。また、本発明は車載されるワイヤーハーネスに限定されず、これと同様の構成をしたワイヤー様構造物にも適用可能である。本発明は、その主旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、3 次元のワイヤーハーネスを構成する幹線及び枝線を、曲げのばし処理と、ねじり処理と、枝線の幹線に対する付け替え位置を変更する付け替え処理との組み合わせにより、2次元 データに変換してするようにしているので、非常にシンプルな方法でありながらワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。したがって、ワイヤー ハーネスを製造するための的確な治具板設計が短期間で容易に行えるようになり治具板設計の自由度が広がる。
【0045】
請求項2及び3記載の発明によれば、与えられた3次元データにもとづいてワイヤーハーネスの拘束点又は分岐点となるノードの設定が行われ、ワイヤーハー ネスの曲げのばしの基準となる基準点が設定され、このノードから次のノードに向けて、セグメントが一直線にのばす曲げのばし処理が行われる。また、曲げの ばし処理が終了したセグメントのうちから幹線としての複数のセグメントが選択されて直線化され、最大径を有するセグメントと、これ以外のセグメントの少なくともい ずれかひとつのセグメント、好ましくは、この次に太い径を有するセグメントと、を含む基準平面に乗るように、幹線としてのセグメントが所定角度だけねじら れるねじり処理が行われる。そして、このねじり処理結果が出力される。このように、基本的に、曲げのばし処理及びねじり処理のみのシンプルな処理により、 ワイヤーハーネスの2次元展開が可能になる。したがって、ワイヤーハーネスを製造するための的確な治具板設計が短期間で容易に行えるようになる。
【0046】
請求項4記載の発明によれば、ねじり角と予め設定された許容される基準ねじり角とが比較され、ねじりの妥当性が判定されて出力されるので、より的確にワイヤーハーネスを2次元展開することが可能になる。したがって、より的確な治具板設計が行えるようになる。
【0047】
請求項5記載の発明によれば、枝線としてのセグメントの付け替え位置を変更することができるので、ねじり処理では不可能であった2次元展開も可能になる。したがって、治具板設計の自由度が広がる。
【0048】
請求項6記載の発明によれば、初期条件設定、基準点設定、幹線作成、基準平面作成による設定又は作成処理を補助的に手動操作にしたがって実行可能である ので、より細かく現実に即したワイヤーハーネスの2次元展開が可能になる。したがって、更に的確な治具板設計が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)、図2(B)及び図2(C)はそれぞれ、曲げのばし処理、ねじり処理及び付け替え処理に係る基本処理を示す図である。
【図3】本発明を実現するためのハードウエア構成を示すブロック構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5(A)及び図5(B)はそれぞれ、図4における曲げのばし処理及びねじり処理に対応するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】曲げのばし処理前の3次元データの一例を示す図である。
【図7】曲げのばし処理を説明するための図である。
【図8】幹線作成処理を説明するための図である。
【図9】基準平面を説明するための図である。
【図10】ねじり処理を説明するための図である。
【図11】2次元展開されたデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 マイクロコンピュータ
12 入力装置
13 表示装置
14 印字装置
15 記憶装置
16 通信インターフェース
17 リードライト装置
18 内部バス
C1〜C3、c1〜c7、p1 拘束部材
S1、s1a〜s1f 幹線
S2、S3、s3〜s7 枝線
B、B1、B2、b1〜b5 分岐点
Claims (6)
- 情報処理装置を用いて、所定のワイヤーハーネスを構成する幹線及び枝線を曲げのばす曲げのばし処理と、前記幹線を所定角度だけねじるねじ り処理と、前記枝線の幹線に対する付け替え位置を変更する付け替え処理と、を組み合わせて、この情報処理装置に3次元データとして与えられたワイヤーハーネスを2次元データに変換して出力する、ことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開方法。
- 3次元データとして与えられたワイヤーハーネスを2次元データに変換して出力するワイヤーハーネスの2次元展開装置であって、
前記3次元データにもとづいて前記ワイヤーハーネスの拘束点又は分岐点となるノードの設定を含む初期条件を設定する初期条件設定手段と、
ワイヤーハーネスの曲げのばしの基準となるノードである基準点を設定する基準点設定手段と、
基準点として設定されたノードから次のノードに向けて、ノードとノードとをつなぐセグメントを一直線にのばす曲げのばし処理手段と、
前記曲げのばし処理が終了したセグメントのうちから幹線としての複数のセグメントを選択して前記複数のセグメントを直線化する幹線作成手段と、
前記曲げのばし処理が終了したセグメントのうちで最大径を有するセグメントと、これ以外のセグメントの少なくともいずれかひとつのセグメントと、を含む基準平面を作成する基準平面作成手段と、
前記幹線としてのセグメントから分岐する枝線としてのセグメントが基準平面に乗るように、前記幹線としてのセグメントを所定角度だけねじるねじり処理手段と、
少なくとも前記ねじり処理手段による処理結果を出力する出力手段と、
を含み、
上記曲げ伸ばし手段が、隣り合うノードでのセグメントの方向を決める二つの方向ベクトルを共通平面に載せるようにセグメントを曲げ伸ばすことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開装置。 - 請求項2記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、
前記基準平面作成手段は、前記曲げのばし処理が終了したセグメントのうちで最大径を有するセグメントと、この次に太い径を有するセグメントと、を含む前記基準平面を作成する、
ことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開装置。 - 請求項3記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、
前記ねじり角と予め設定された許容される基準ねじり角とを比較し、前記ねじり角の妥当性を判定するねじり可否判定手段を更に含み、前記出力手段は前記妥当性を出力する、
ことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開装置。 - 請求項4記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、
手動操作にしたがって、前記幹線としてのセグメントが、基準平面にのるように取り付け位置を変更する付け替え処理手段、
を更に含むことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開装置。 - 請求項2〜5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスの2次元展開装置において、
前記初期条件設定手段、前記基準点設定手段、前記幹線作成手段、及び前記基準平面作成手段による設定又は作成処理を補助的に手動操作にしたがって実行可能な手動設定手段、
を更に含むことを特徴とするワイヤーハーネスの2次元展開装置。
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