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JP3960385B2 - パケットネットワーク上のクロック同期 - Google Patents
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JP3960385B2 - パケットネットワーク上のクロック同期 - Google Patents

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Description

本発明はパケットネットワーク上のクロック同期に関する。本発明は、特に、必ずしもというわけではないが、パケットネットワークによって中継された時分割多重伝送リンクに関するクロックの同期化に応用出来る。
通信ネットワークには、通常、回線交換伝送およびパケット交換(或は、単にパケット)伝送、という二つの既によく確立された伝送機構が用いられている。旧型のシステムは前者を使用する傾向にあり、与えられた周波数帯域に対し、時間領域を等間隔のタイムスロットに分割して使用する時分割多重方式が主要な使用法である。この回線は同一のスロット位置を寄集める事によって、連続した時間枠内に定義される。パケットネットワークは、通常、固定した発信元をトランスミッタに対し割り付けず、パケットヘッダー内に含まれているアドレス情報、ネットワーク交換器、およびルータを使って、効率良くパケットデータを配信する。パケットネットワークは、同等の回線交換ネットワークに比べ、より良い性能を持ち、設置や維持の面でコスト効果も有するので、ネットワーク運用者の人気を得つつある。
伝統的に電気通信ネットワークはネットワーク切替機(交換機)を相互接続するために、時分割多重(TDM)回線を利用してきた。しかし、性能とコストという上述した理由から、多くの運用者や回線貸与業者(使用周波数帯域をサービス業者に提供する者)は、TDM回線をパケットネットワークで置き換えつつある。多くの場合、交換機から交換機の「セッション」は専らパケットネットワーク上に委ねられるであろう。しかし、当面、ある範囲の運用業者は、ネットワークの全部、或は一部を提供するために、TDM回線に頼り続けることになるだろう。この事は、パケットネットワークとTDMの「遺産」装置の間の中継業務を必要にする。
図1は、イーサーネット、ATM,IPネットワークのようなパケット交換ネットワークである搬送ネットワーク1を概略的に示す。搬送ネットワークは、どちらも多重情報ストリームを操作するためTDMトランスミッタ4、5を使用している第一及び第二顧客の構内2、3を相互に結ぶために回線貸与サービスを提供する。これらのストリームの種類は重要ではない。彼等は、例えば、音声電話、テレビ会議電話、データ通話であるかも知れない。TDMストリームの相互接続を容易にするためには、搬送ネットワーク1は適切なTDM回線をエミュレートしなければならない。
TDMリンクは、所定の周波数で動作するサービスクロックで制御された一定の(伝達)ビット速度と同期した回線である。対照的に、パケットネットワークでは、入口ポートからパケットを送信する際の周波数と出口ポートに彼等が到着する際の周波数との間には直接の繋がりはない。再び図1を参照すると、TDM回線をエミュレートするには、パケットネットワークの両端におけるインターフェイスノード6、7は、TDMリンクとパケットネットワーク間で、出口側のTDMリンクが入口側のTDMリンクと同期できるように中継作業を行わなければならない。即ち、入口側の顧客構内におけるTDMサービス周波数(fservice)は、パケットネットワークの出口で正確に再生されなければならない(fregen)。
これらの周波数が、ある程度長期間整合していないと、パケットネットワークの出口におけるキューは、再生クロック(fregen)が元のクロック(fservice)よりも遅いか速いかによって、満杯になったり、空になったりし、データの欠落やサービスの低下をもたらす。又、元のクロック(fservice)の位相が再生クロック(fregen)の位相によって追跡されていないと、周波数トラッキングにおける遅滞が、小さくとも、出口でのキューの動作レベルに望ましくない変化をもたらす。
パケットネットワークの出口における周波数と位相の両者を、送信したTDMにおけるクロックのそれらと同期させるための、なんらかの信頼できる方法が提供されなければならない。一つの方法は、パケットネットワーク上の伝達遅延を考慮に入れつつ、送信者によってパケット内に組み込まれた時間記録(タイムスタンプ)から、送信クロックの周波数と位相を再生する何らかのアルゴリズムを使用することである。パケットネットワーク上の伝達時間を、特定のパケットに関して予測することはできないので、適応性のあるアルゴリズムが使用される。例えば、伝達遅延の変動を考慮に入れるため、ある種の平均化を行ってもよいだろう。ATMに関しては、ITU標準I.363.1とATMフォーラム標準af-vtoa-0078が適応性のあるクロック再生メカニズムを一般的用語で解説している。
TDMトランスミッタのサービスクロックを、TDMエミュレーションを提供するパケットネットワークの出口のサービスクロックとより良く同期させる、改良されたクロック再生メカニズムを提供することが本発明の目的である。
本発明の第一の観点に従って、パケットネットワークの入口と出口のインターフェイスにそれぞれ結合している第一クロックと第二クロックの同期を取る方法を提供する。本方法では、第一クロックは、入口インターフェイスに到着する一定ビット速度のストリームのビット速度を決め、第二クロックは出口インターフェイスから送出される一定ビット速度のストリームのビット速度を決める。この方法は、ネットワーク上の連続した時間間隔の各々における最短のパケット伝達時間を計算すること、計算された、この最短パケット伝達時間という一定値を維持するように第二クロックの周波数を変え、これによって第一、第二クロックの位相、周波数、両者の同期をとることを含む。
前記最短パケット伝達時間は、地方局(Local)と遠隔局(Remote)のそれぞれ第1、第2クロックの周波数で、またはその倍数、半倍数で直線的に増加する、タイムスタンプを使って計算することが望ましい。この方法は、前記出口において受取る個々のパケットのパケット伝達時間を計算し、各時間間隔内での最短パケット伝達時間を識別する処理を含むことが更に望ましい。
本発明の特別な実施例においては、この方法は、
前記パケットネットワークの入口において、前記第一クロックによって決められた周波数に同期したデータストリームを受取り、データをパケット化し、そのパケットをパケットネットワーク上に送出する処理と、
前記出口においてパケットネットワークからパケットを受取る処理と、
受取った各パケットに対して、そのパケットが送られた時点の前記第一クロックの状態を示す遠隔局のタイムスタンプを決定し、そのパケットに対し地方局のタイムスタンプを決定し、そのパケットの伝達時間を得るために前記遠隔局のタイムスタンプと地方局のタイムスタンプ間の差違を計算する処理と、
連続した時間間隔におけるパケットの最短パケット伝達時間を決定する処理と、
この最短パケット伝達時間を一定値に維持するように、前記第二クロックの周波数を調整する処理と
を含む。
この方法は、前記パケットネットワークの入口において、各パケットそれぞれに遠隔局タイムスタンプを組み込む処理を有し、出口において前記パケットの遠隔局タイムスタンプ値を決定する処理は、この遠隔局タイムスタンプをパケットから抽出する処理を含むことが望ましい。
他方、パケットネットワークからの出口において前記各パケットに対する遠隔局タイムスタンプを決める処理は、そのタイムスタンプを計算することを含む。この処理は、前記出口において受信したパケットのペイロードに含まれているデータ量を記録するデータカウンタを維持する処理と、一つのパケットを受信した時、前記カウンタに含まれている値をそのパケットの遠隔局タイムスタンプとして利用する処理を含むことが望ましい。これに代って、この処理はパケットのペイロード長とパケットのシーケンス番号を使って、遠隔局のタイムスタンプを計算する処理を含んでもよい。
前記地方局と遠隔局のタイムスタンプは、同期したデータストリームのビット数、端数ビット、ビット倍数、フレーム数等の数を表わす総合計であるか、或は、パケットのペイロード長を表してもよい。
第二クロックの周波数は、直近に決められた最短パケット伝達時間と以前に決められた最短パケット伝達時間との差違を使って調整できる。前記差違は、適切なファクタによって測定され、その結果は現在の第二クロック周波数に加えられるか、またはそこから減算される。
第二クロックの周波数は、直近に決められた最短パケット伝達時間とオフセット値間の差異に基づいて調整されてもよい。前記差違は、適切なファクタによって測定され、その結果は現在の第二クロック周波数に加えられるか、またはそこから減算される。また、前記オフセット値は、来入するパケットを格納する出口のバッファの充填レベル(fill level)を使って決定される。充填レベルは、短期の変動を取除くためにフィルタリングされ、フィルタリングされた後の結果からオフセット値が引き出される。
本発明の一つの実施形態においては、パケットネットワークへの入口は、第一の時分割多重(TDM)リンクに結合され、TDMリンクは前記第一クロック周波数で動作しており、第二のTDMリンクに結合されているパケットネットワークからの出口では、前記第二クロック周波数で動作している。
本発明の第二の観点に従って、パケットネットワーク上の入口インターフェイスと出口インターフェイスにそれぞれ結合している第一クロックと第二クロックを同期させる装置が提供される。この装置は、連続な時間間隔の各々で最短パケット伝達時間を計算するための手段と、最短パケット伝達時間の変動を追跡するように第二クロックの周波数を変える手段を有している。
本発明の好適な実施例において、本装置は、
パケットネットワークの出口において受信した各パケットに対し、そのパケットが送信された時の前記第一クロックの状態を示す遠隔局のタイムスタンプを決定する第一の処理手段と、
そのパケットに対する地方局のタイムスタンプを決定する第二の処理手段と、
そのパケットの伝達時間を得るため前記遠隔局と地方局のタイムスタンプ間の差違を計算する差違制御手段と、
連続した時間間隔中にパケットが遭遇する最短パケット伝達時間を決定する第三の手段と、
計算された最短パケット伝達時間を一定値に維持し、それによって第一クロックと第二クロックの位相と周波数両者の同期を達成するため、前記第二クロックの周波数を調整するクロック調整手段を有する。
本発明をより良く理解するため、又、どのようにしてそれを実行するかを示すため、例として添付図面を参照する。
再度、図1に示されたシナリオを考えてみると、それぞれの顧客構内2、3に設置されたTDMトランスミッタ4、5は、TDMリンク経由で搬送ネットワーク1のインターフェイスノード6、7に結合され、送信元、或は、「入口」インターフェイス6からのパケットの伝送速度は等時間間隔であり、例えば適切な発振器8によって供給されるサービス周波数(fservice)によって決定される。しかし、目的地インターフェイス7におけるパケットの到着速度は、パケットネットワークが介在することにより乱される。通常、パケットは遅延の量を変化させることによって隔てられたバーストで到着する。連続したパケットとバースト間の遅延は、例えば、ネットワーク上の交通量によって異なる。ネットワークの本質は非決定論的であり、長期的に見れば、目的地における到着の速度は、送信元からの出発の速度と同じとなる。
送信元インターフェイス6において、タイムスタンプが送信に先立って各パケットのヘッダーに組み込まれる。このタイムスタンプは、ここで「遠隔局タイムスタンプ」と呼ばれ、来入しているTDMリンク上で受信された初期化以後のビットの総合計である(カウンタのオーバーフローを避けるため、このカウンタの回り込みが起こる)。
目的地インターフェイス7におけるTDM出力は等時間間隔であり、第二サービス周波数によって決定され、ここでは「再生(regeneration)」周波数(fregen)と呼ばれる。これは、デジタル制御発振器(DCO)9によって供給される。この目的地インターフェイスの出力は、パケット遅延変動(PDV)バッファ10から供給される。もし、TDM出力が送信を求めた時バッファ10がその中にパケットを持たない場合、アンダーランが起こるが、これは望ましくない。アンダーラン現象を最少にするためには、バッファは中間遅延パケットの大部分に対してTDM出力を供給するために、十分なパケットを格納出来るPDVバッファ10を作る必要がある。しかし、PDVバッファ10は、一般的に出来るだけ少ないことが要求される端末相互間待ち時間を直接的に増大させるため、任意に大きくするわけにはいかない。許容最大待ち時間は用途による。例えば、音声はデータよりも少ない待ち時間を必要とする。
パケットが目的地インターフェイス7のパケット入力部に到達した時、そのパケットはPDVバッファ10のキューの中に置かれる。遠隔局のタイムスタンプは、パケットから抽出され、差違制御器に送られる。目的地インターフェイス7は、出発TDMリンクから送り出されるビットの総合計であるTDM出力カウンタを維持する。このカウンタは、第一番目に受信した遠隔局タイムスタンプに合わせて初期化される。このカウンタの内容を使って地方局のタイムスタンプが受信したパケットに取得され、差違制御器にも供給される。差違制御器は、伝達時間を得るため、地方局タイムスタンプから遠隔局タイムスタンプを減算する。
伝達時間(n)=遠隔局タイムスタンプ(n)−地方局タイムスタンプ(n)(数式1)
ここで、nは、パケットシーケンス番号である。発信元と目的地クロック周波数及び最初のカウント(例えば、初期値)は、お互いに正確には同期していないので、この等式の伝達時間は、パケットが発信元と目的地インターフェイス6、7間を移動した実際の時間を表現していないことに注意すべきである。しかし、任意の理想的な固定遅延パケットネットワークにおいては、伝達時間は、fserviceがfregenを超えていれば減少し、fregenがfserviceを超えていれば増加し、これらの周波数が同一であるならば一定であることは事実である。 従って、伝達時間値の変動は、発信元と目的地のクロック周波数の間の変動および/または相対的オフセットによって引き起こされる。又、各パケットがパケットネットワークを通過するとき、各パケットが遭遇する遅延の変動によっても引き起こされる。
パケットネットワークにおいては、伝達遅延のほとんどは、交換機やルータの出力ポートにおけるキューの待ち時間によって引き起こされる。しかし、キュー内のパケットの存在比率は、いずれのキューにおいても維持されない。即ち、パケットは、キューアップされている他のパケットが無い時に限って、各交換機に到着する。これらのパケットは最少の遅延だけに遭遇し、この遅延値はネットワーク負荷には殆ど依存せず、むしろ回線の累積した伝播遅延や各交換機におけるサービス遅延等の要素に依存する。
もしネットワーク負荷が変わると、パケットネットワーク上の平均パケット伝達遅延も変わる。しかし、最短遅延時間は同じ範囲で変わるべきでない。従って、連続した時間期間の各々での最短パケット遅延を識別することにより、ネットワーク負荷の変動と独立して、発信元と目的地のクロック周波数間の変動の必要な指示が与えられるべきである。この事は、送信中にこの様な変化が相対的に低い周期で、例えば24時間サイクルて、起こる場合非常に重大である。このような低い周期での変動は、本クロック再生システムよって追跡すべき発信元クロック周波数の変動と見分けがつかない場合がある。
図2は、12時間に亘って測定された、パケットネットワーク上のパケットが遭遇した遅延量を示す。このテストシナリオでは、測定は、Unix(登録商標)の「ping」コマンドを使って1秒毎になされた。最短遅延の変動は、瞬間的遅延値に比べて小さい(グラフ下端やや中央に示されている)ことが分かる。又、下端部の高密度は、最短値がかなり頻繁に起こることを示している。
代表的な実施例においては、目的地インターフェイスにおいて受信した各パケットに対して伝達時間が計算されている。「クロック制御期間」と称される特定の期間、例えば1秒で最短伝達時間が計算される。この最短伝達時間は、新しい期間毎にリセットされる。期間の終了直後、クロック制御アルゴリズムは、その期間で記録した最短伝達時間を読み出し、目的地インターフェイスクロック周波数に対し必要とされる修正を決め、目的地インターフェイスのDCOに必要とする周波数を書き込む。このクロック制御期間は、一般にパケット間の(送信と着信の)間隔に比べ相対的に大きいので、アルゴリズムが読み出す最短伝達時間は、伝達時間値の大きなセットの中で最短となる。
適切なクロック制御アルゴリズムは次の差分式で与えられる:
=Fm−1+G1(Y−Ym−1)+G2(Y−伝達目標)(数式2)
ここで、
は目的地インターフェイスのDCOに書かれるべき周波数;
G1、G2は、動的行動を決める定数;
m−1は、現在のDCO周波数;
は、最短伝達時間;
伝達目標は、伝達時間に対する所望の目標時間;
mは、クロック制御アルゴリズムが最短伝達時間を読み出すごとに増加するサンプル番号である。
定数G1とG2は、システムの周波数応答を決め、fserviceの長期的変動を追跡するように選択されるが、パケット遅延変動による短期的変動には追従しない。
随意で他の項を等式2に加えることができる。これは、PDVバッファの動作点(つまり充填レベル)を新しい値に調整するため、動作中に使用できるオフセット定数を利用する。この事はバッファの空(又はオーバフロー)を引き起こすネットワーク状態の変化に対応するために望ましい。第一オーダーフィルタのようなフィルタ機能を、PDVバッファの充填レベルのフィルタリングされた測定を行うために使用してもよい。クロック制御アルゴリズムはフィルタリングされたレベルを読むために拡張することが出来、それに応じてオフセット値を設定出来る。
このシステムはパケットの欠落に強い。欠落したパケットに引続いて受信した次のパケットの遠隔局及び地方局のタイムスタンプがその欠落によって影響されないからである。
パケットの欠落は、単に測定結果の短期的喪失を表わすに過ぎない。代表的システムにおいては、1秒間に数千のパケットがあるであろうから、最大(つまり数%)、或は、それに近いパケット欠損率でさえ、結果的に無視できる影響しか与えない。
図3は、上述した、目的地インターフェイス構造の中に組み込まれているクロック再生システムを概略的に示す。
ここに述べるクロック再生方法は既知の方法を凌駕する多くの利点を持つ。
これらは;
1.本方法は、再生クロックのノイズを減少させるため、 パケットネットワークの最短遅延に基づいたパケットから引き出したタイミング情報だけを選択し、使用する。
2.特別のタイミングパケット、或は、情報を必要としない。
3.(他の伝達時間値をフィルタリングにより排除して)最短の遅延伝達時間値だけを使用することにより、伝達時間値が生成および処理される速度に比べてクロック制御アルゴリズムが相対的に低い速度で動作することを可能とする。この様に、例えば最短遅延伝達時間の決定を行う高速フィルタリングを、外部CPUによって実行される低速クロック制御アルゴリズムでハードウェアに実行することができる。この事は、柔軟性、開発リスクの低減、特殊な環境に対する解決最適化の容易さ等、顕著な利益をもたらす。
4.本方法は、地方局タイムスタンプを初めて受取った遠隔局タイムスタンプの値に初期化することを可能にし、よって回り込み問題を最少化し、再生クロックに関する始動時のエラーを防ぐ。
5.本方法は、例えばネットワークの負荷変動による、再生クロックの安定性に関する低周期の変動による影響を低減させる。
当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなしに、前述した実施例に対して種々の変更が可能であることが分かるだろう。例えば、次のような変更が提案した方法に対して可能である:
1.クロック再生システムから遅いパケットの影響を除去するための代替アルゴリズムの使用。
2. 例えば2次的および高次的アルゴリズム、ファジー論理によるアルゴリズム、ニューラルネットワークによるアルゴリズム、時間定数のアルゴリズム、或はクロック制御間隔等のパラメータを時間の経過と共に変える自己調整型アルゴリズム等の、代替クロック制御アルゴリズムの使用。
3.クロック制御と深さ制御アルゴリズムのための、内部あるいは外部CPUの使用。
4.ビットに代る時間スタンプとしての、バイト、フレーム、或は、パケット数の使用。例えば、クロックの各パルスはビットではなくバイト、フレーム、或はパケットを表す。
5.パケットが適切なペイロード長であり、パケットが連続したシーケンス番号を有している場合、タイムスタンプなしで本方法を実行することが可能である。この場合、パケットネットワークの出口において、送信されたTDMからの出力に基づいて地方局タイムスタンプを決めるのと同様、受信インターフェイスが遠隔局タイムスタンプを生成する。この様に、例えば各パケットが256ビットのプレイロードを持つ場合、各パケットに対する遠隔局のタイムスタンプは、次の式で計算できる:
遠隔局タイムスタンプ=256×(シーケンス番号)
6.重いネットワーク負荷の期間が再生クロックに与える影響を減少させるため、その間に最短伝達時間が測定される時間を調整する。
7.最短伝達時間のシーケンスをモニターし、所定の閾値を無視する事。
8.最短伝達時間のシーケンスをモニターし、シーケンス上のステップ変化を検出した場合、再生クロックを残値モードに設定する。安定した最短値の新規シーケンスが検出された場合、再生クロックの調整を再開する。
特定のネットワーク上で、予想される最短伝達時間の範囲を合理的な精度で予測することが可能である。このような範囲を、サンプル間隔内で、擬似的に計算された最短伝達時間を消去するために使用することも可能である。しかし、多数の連続した間隔が、この範囲外にある最短伝達時間を発生させる場合は注意しなければならない。そのようなシーケンスは、一貫性を持つ場合、ネットワーク構成の変化やパケットルートの属性の変化を示しており、周波数fregenの大幅な変更、及び予想最短伝達時間の範囲の再定義が必要である。
図4はこの様な状況を例示しており、時間軸に対する最短伝達時間が点線で示され、最短伝達時間の大幅な変化が起こった場合を示している。最初の数間隔においては、最短伝達時間が定義された範囲を逸脱した場合、周波数fregenは調整されない(つまり「残値」モードに維持されている)。しかし、一旦、最短伝達時間は安定していると決定されると、前記数式2の伝達目標値が新しい最短伝達時間に調整される。続いて、位相ロックが新しい目標地点の近似値に基づいて継続される。この事は、fregenが最低限の位相再配置で残値状態から抜け出せる事を示す。
混雑したネットワークでは、最少の遅延パケットが非常にまれに起こるかも知れず、他のパケットからのタイミングの影響を排除することは、十分な精度で、置換されつつある同期したTDM回線の厳密な位相要求に合致するように、クロックを再生させることを可能にするためには最重要である。
上記手続きを整理すると、特定の間隔(例えば継続時間t)における最短伝達時間は、前の間隔(継続時間tも)のシーケンスの各々で決められている最短伝達時間に対して、並びにこれらの前の間隔の各々と現在の間隔を含むより大きな間隔tにおける最短伝達時間に対して有効化されている。これを図5に示す。理想的には、制御ループ内の遅延を減らし、特定のループフィルタに大きな安定性を与える、或は高速反応のループフィルタの使用を許すという理由で、直近の間隔tから最短伝達時間が選択される。しかし、この値が、t間隔の前のシーケンスの最少値と、および/または間隔tからの最小値と一貫していなければ、代替最少値が使われるか、或は現在の最少値が放棄される。
クロックが位相ロックに近づくにつれ、クロックfregenの制御下の使用に、より正確な情報を提供するため、伝達時間を有効化するために使用されている閾値は減少する。これを図6に示す。また、この閾値は、位相ロックに失敗すると増加する場合がある。範囲を変更する時、問題を避けるため、ヒステリシスが使用される。明確な範囲を使うのではなく、連続スキームを利用して有効基準を実行する事も可能である。それが範囲を逸脱した時、現在使用されている範囲は、伝達時間の操作方法も制御する。上記した手続きは、クロック間のオフセットが相対的に小さいと仮定して、地方局クロックの周波数と位相を遠隔局クロックに同期させることを可能にする。
この事は、安定した状態に対しては当てはまるが、システムの初期化時やリセット時に関しては当てはまらない。そこで、適切な同期を取るため、上記の同期処理に代って、初期化やリセット時に使用する「急速」周波数同期処理を提案する。一旦この処理が行われると、回線は急速処理から上述の通常処理に切り換わる。
急速同期処理は次の等式による。
(数式3)
Figure 0003960385
ここで、
PPMは、百万分の一の単位で再生周波数fregenになされるべき調整。
伝達時間(n)は間隔nからの最少遅延パケット。
伝達時間(m)は間隔mからの最少遅延パケット。
受信時刻(n)は最少遅延パケットnの受信時刻
受信時刻(m)は最少遅延パケットmの受信時刻。
fnominalは伝達時間のタイムスタンプを発生させるために使用される
クロックの周波数。
図7は、パケット伝達時間の変動を時間軸と共に示す。ここでの伝達時間の定義は:
伝達時間(n)=遠隔局タイムスタンプ(n)−地方局タイムスタンプ(n)
である。よって、最少遅延パケットは、最大遅延パケットよりも大きな伝達時間を持つ。
初期化およびリセット時、fregenは所定の周波数に設定される。最初の間隔nが経過すると、最短伝達時間が決定される。更にいくらかの期間経過後、例えば1分後、間隔mの最短伝達時間が決定される。これらの値は、それぞれの最短伝達時間の時期と共に、PPM内の周波数オフセットを決めるために数式3中で使用される。目的地クロックの周波数、fregenはこれによって増加、又は減少する。
オフセット周波数が大きい場合、周波数オフセットを直接計算するために数式3を適用する事は、真のオフセットの正確な予測になるわけではないことが分かる。始めのオフセット予測を使用して、伝達時間予測(間隔nとm内での)を補償する事によって、オフセットを改善することができる。次いで、これらの間隔における新しい最短伝達時間が決定され、改善された周波数オフセットを計算するために使用される。この処理は、予測を更に改善するために繰り返し使用できる。上述した急速同期手段は、周波数ロックだけが必要なシステムにおいて、数式2に基づく位相と周波数の同期手続きとは別個に使用されてよい。
図1は、パケットネットワークを経由する二つのTDMリンクの相互接続を概略的に示す。 図2は、パケットネットワーク上の一連のパケットが遭遇する予想遅延を示す。 図3は、パケットネットワークをTDMリンクに結合させる目的地インターフェイスの構成を示す。 図4は、非同期ネットワーク上に送信されたパケットの伝達時間の時間による変動を示す。 図5は、最短パケット伝達時間値を有効にするために使用される伝達時間間隔を示す。 図6は、位相ロックが接近するにつれて減少する最短伝達時間を示す。 図7は、大幅な変化を含む最短伝達時間の時間の経過に伴う変動を示す。

Claims (27)

  1. パケットネットワークの入口と出口インターフェイスにそれぞれに結合された第一及び第二クロックを同期させる方法であって、第一クロックは、入口インターフェイスに到着する一定ビット速度のストリームのビット速度を決定し、第二クロックは、出口インターフェイスから送出される一定ビット速度のストリームのビット速度を決定し、前記入口インターフェイスおよび前記出口インターフェイスにおいてそれぞれ生成されるとともに前記第一クロックおよび前記第二クロックの周波数あるいはこれら周波数の倍数あるいはこれら周波数の半倍数に応じてそれぞれ直線的に増加する遠隔局タイムスタンプおよび地方局タイムスタンプを使用して、ネットワーク上の連続した時間間隔の各々の最短パケット伝達時間を計算する処理と、計算された最短パケット伝達時間を一定値に維持し、それによって第一及び第二クロックの位相ロックと周波数同期とを達成するように第二クロックの周波数を変える処理とを有する方法。
  2. 前記出口において受信した各パケットについてパケット伝達時間を計算する処理と、
    各時間間隔内での最短パケット伝達時間を識別する処理とをさらに有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パケットネットワークへの入口において、前記第一クロックによって決められた周波数と同期したデータストリームを受信し、前記データをパケット化し、パケットネットワーク上へ前記パケットを送出する処理と、
    前記出口において、パケットネットワークからパケットを受信する処理と、
    受信した各パケットについて、パケットが送出された時の前記第一クロックの状態を示す遠隔局タイムスタンプを決め、パケットの地方局タイムスタンプを決め、パケットの伝達時間を提供するために前記遠隔局と地方局のタイムスタンプ間の差違を計算する処理と、
    連続した時間間隔内での最短パケット伝達時間を決定する処理と、
    最短パケット伝達時間を一定値に維持するように前記第二クロックの周波数を調整する処理と
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記パケットネットワークの前記入口においてパケット内にそれぞれの遠隔局タイムスタンプを組み込む処理を有し、出口においてパケットの遠隔局タイムスタンプを決定する前記処理が、パケットから遠隔局タイムスタンプを抽出する処理を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 各パケットについて遠隔局タイムスタンプを決定する前記処理が、パケットネットワークからの出口においてタイムスタンプを計算する処理を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 各パケットについて遠隔局タイムスタンプを決定する前記処理は、前記出口においてデータカウンタを維持する処理を有し、前記カウンタは受信されたパケットのペイロード内に含まれているデータ量を記録し、パケットが受信される時に前記カウンタ内に含まれている値をそのパケットに対する遠隔局タイムスタンプとして使用する処理を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 各パケットについて遠隔局タイムスタンプを決める前記処理は、パケットのペイロード長とパケットのシーケンス番号を使って遠隔局タイムスタンプを計算する処理を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記地方局および遠隔局タイムスタンプは、同期したデータストリームのビット数、端数ビット、ビットの倍数、フレームの数を表現する数値の総数であるか、或は、パケットのペイロード長を表現する数値の総数である、請求項3ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第二のクロックの周波数は、直近に決定された最短パケット伝達時間と以前に決められた最短パケット伝達時間との差違を使って調整される、請求項3ないし8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記差違は適切なファクタにより測定され、その結果は現在の第二クロック周波数に加算されるか、或は、そこから減算される、請求項9に記載の方法。
  11. 第二クロックの周波数は、直近に決められた最短パケット伝達時間と目標の最短パケット伝達時間との差違に応じて調整される、請求項3ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記差違は適切なファクタにより測定され、その結果は現在の第二クロック周波数に加算されるか、或は、そこから減算される、請求項11に記載の方法。
  13. 出口のバッファの充填レベルに応じて第二クロックの周波数を調整する処理を含み、該バッファは来入するパケットを格納するものである、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 短期的な変動を避けるために充填レベルがフィルタリングされ、フィルタリングの結果から一つのオフセット値が獲得される、請求項13に記載の方法。
  15. 第二クロックの周波数が次の数式に従って変わり、
    =F m−1 +G1(Y −Y m−1 )+G2(Y −伝達目標)
    ここで、
    は、前記第二クロックの周波数、
    G1は、ループ利得の比例項、
    G2は、ループ利得の積分項、
    m−1 は、第二クロックの現在の周波数、
    は、現在の時間間隔における最短パケット伝達時間、
    m−1 は、前の時間間隔における最短パケット伝達時間、および
    伝達目標は、最短パケット伝達時間に所望の目標伝達時間である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第一及び第二クロックを含むシステムの初期化時に、特定の時間間隔によって隔てられた二つの時間間隔の各々で測定された、ネットワーク上の最短パケット伝達時間の変化に応じて、第二クロックの周波数を調整する処理と、その後第一及び第二クロックの位相ロックと周波数同期とを達成するように決められた処理を実行することとを含む、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記最短パケット伝達時間における変化と最短パケット伝達時間に応じたパケットの到着時間を区切っている時間間隔との比率に基づいて、初期化時に第二クロックの周波数を調整する処理を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 実質的に安定した周波数が第二クロックにもたらされるまで、初期化の間に周波数の調整処理を繰返すことを含む、請求項16または17に記載の方法。
  19. 最短パケット伝達時間に対し閾値範囲を設定する処理、および前記閾値範囲外の最短パケット伝達時間を破棄し、これらの破棄された伝達時間に基づいて第二クロックの周波数を変えない処理を含む、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 計算された最短パケット伝達時間が定められたいくつかの時間期間で前記閾値範囲を逸脱した場合を除き、前記閾値範囲から外れた最短パケット伝達時間を廃棄する処理を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 第二クロックの周波数は、最短パケット伝達時間が安定化した後でのみ変更される、請求項20に記載の方法。
  22. 第二のクロックの周波数は最短パケット伝達時間が安定化した後にのみ変更され、新たに安定した最短パケット伝達時間に伝達目標値を設定する処理を含む、請求項15に記載の方法。
  23. パケットネットワークの入口は第一のTDMリンクに結合され、TDMリンクは前記第一クロックの周波数で動作し、パケットネットワークの出口は、前記第二クロック周波数で動作している第二のTDMリンクに結合している、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の方法。
  24. パケットネットワーク上の入口および出口のインターフェイスにそれぞれ結合された第一クロックと第二クロックとを同期させるための装置であって、前記入口インターフェイスおよび前記出口インターフェイスにおいてそれぞれ生成されるとともに前記第一クロックおよび前記第二クロックの周波数あるいはこれら周波数の倍数あるいはこれら周波数の半倍数に応じてそれぞれ直線的に増加する遠隔局タイムスタンプおよび地方局タイムスタンプを使用して、ネットワーク上の連続した時間間隔の各々の最短パケット伝達時間を計算する手段と、計算された最短パケット伝達時間を一定値に維持し、それによって第一及び第二クロックの位相ロックと周波数同期とを達成するように第二クロックの周波数を変える手段とを備える装置。
  25. パケットネットワークの出口において受信する各パケットについて、パケットが送信された時の前記第一クロックの状態を示す遠隔局タイムスタンプを決める第一の処理手段と、
    パケットの地方局のタイムスタンプを決める第二の処理手段と、
    パケットの伝達時間を提供するために前記遠隔局と地方局のタイムスタンプ間の差違を計算する差違制御手段と、
    連続した時間間隔内でパケットが遭遇する最短パケット伝達時間を決定する第三の処理手段とを備えた、請求項24に記載の装置。
  26. 第二クロックの周波数を調整する処理が、次の等式を使って修正ファクタを決定する処理を有し:
    Figure 0003960385
    PPMは、再生周波数f regen になされるべき百万分の一単位の調整値であり、
    伝達時間(n)は、時間間隔nでの最短遅延パケット伝達時間であり、
    伝達時間(m)は、時間間隔mでの最短遅延パケット伝達時間であり、
    受信時刻(n)は、時間間隔nでの最短遅延パケットnの受信時刻であり、
    受信時刻(m)は、時間間隔mでの最短遅延パケットmの受信時刻であり、
    f nominal は、伝達時間のタイムスタンプを発生させるために使用されるクロックの周波数である、請求項17に記載の方法。
  27. 修正ファクタは、伝達時間予測(時間間隔nとmにおける)を補償するために適用され、これらの時間間隔での新しい最短パケット伝達時間が決定され、改善された周波数修正ファクタを計算するために使用される、請求項26に記載の方法。
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