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JP3962025B2 - 通信衛星追尾アンテナ - Google Patents
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JP3962025B2 - 通信衛星追尾アンテナ - Google Patents

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Description

この発明は通信衛星と通信するためのアンテナを備え、車両などの移動体に搭載されて通信衛星を追尾する通信衛星追尾アンテナに関する。
通信衛星と通信する(あるいは通信衛星からの電波を受信する)ためのアンテナは、一般には高いゲインを得るためパラボラアンテナなどビーム幅の狭いビームアンテナが使用される傾向にある。したがって通信衛星が静止衛星でない限り、衛星を追尾してアンテナの指向方向を制御する装置(以下単に追尾装置という)が必要である。
また、自動車や列車などの移動体に搭載されて衛星の電波を受信したり、通信したりするアンテナでは、移動体の移動、傾斜、方向の転換などに伴い、アンテナを衛星のほうに指向させなければならないので追尾装置は必須である。
通信衛星がいわゆる準天頂通信衛星(常に天頂付近に位置している移動通信衛星)である場合にも、衛星の位置の範囲が天頂に近い範囲に限定されるとはいえ、上記の条件に大差はない。
ところで、移動体が陸上を走行するものである場合には、トンネル内、高層ビルの谷間、高架道路の下など衛星からの電波を捕らえられない場所は数多くある。(このような場所に入って電波を受信できなくなることを、以後、電波遮断という)。このような場所に入ったとき、通信中のアンテナ装置の追尾装置が衛星からの電波を捕らえようとして、無駄な動きをすると、騒音の発生、機械寿命の短縮、アンテナ方向が全く違う方向にずれてしまうなどの不具合が生じるから、このときだけその動作を停止するように仕組まれている。したがって、通信不能であった間に移動体の姿勢が変化して、このような場所から抜け出て再び衛星の電波を捕らえ得る場所に移動したとき(このことを以後、電波遮断明けという)、姿勢センサの誤差、その他の理由により、アンテナが衛星の方向を向いていないことが多いから、ただちに電波を受けることができるとは限らない。
通信可能であるのに通信できないのでは困るから、電波遮断明けのとき、できるだけ早く電波を送受信できるように、即ち、直ちに衛星追尾動作を再開できるようにするための工夫がいろいろ発明されている。
まずアンテナによる衛星追尾の従来の制御方法には大きく分けて3つの方法がある。
第1の追尾方法は、衛星の将来の方位と仰角とは(静止衛星は無論、移動衛星でも)時刻データとしてほぼ分かっているので、現在の移動体の向きや姿勢をもとに、衛星の今後の見かけの方位と仰角とを算出し、その方向へアンテナを指向させるものである。この方法ではほぼ衛星の方向に向けることができるが、衛星との安定した通信を行うには誤差が大きすぎる。また、この方法による場合、電波遮断明けのときアンテナの方向が衛星の方向と全く異なる方向を向いてしまっていた場合には、追尾を再開しても通信衛星を捉えるまでに数10秒の時間を必要とする。
第2の追尾方法は、第1の追尾方法あるいは手動調整その他の方法により、ほぼ衛星の方向に向けられたアンテナを所定の小さい角度幅で上下左右に首振りさせると、その間に衛星の電波を捕らえることができるので、常に捕らえた電波の受信強度が最大になる方向へアンテナの向きを制御するものである。この方法では正確に衛星の方向へ向けることができるが、最初にアンテナがほぼ衛星の方向に向いていることが前提条件として必要である。
第3の追尾方法は、いわゆる揺れ止め制御とも呼ばれるもので、何らかの手段によって得たアンテナ架台の姿勢の変化をもとに、その変化をうち消す方向へアンテナを指向させるものである。この方法で移動体の揺れをキャンセルすることができる。一般には第2の追尾制御と併用して用いられる。
そして、特許文献1には、車両に搭載しているGPS受信機(いわゆるカーナビに利用されているもの)が複数のGPS衛星からの電波を受信できるようになったときに電波遮断明けであると判断して、まず前述の第1の追尾方法で追尾を開始し、電波捕捉後に第2の追尾方法で正確な追尾を行うものが開示されている。特許文献1に記載の発明は、衛星電波を受信するチューナの受信レベル(C/Nレベルという)を監視し、これが所定のレベル以上のときは、C/Nレベルが大きくなる方向にアンテナを制御(即ち前述の第2の追尾方法)し、C/Nレベルが所定のレベルを下回ったときには、あらかじめセットしてあるジャイロの信号にもとづいてアンテナを元の方向に指向(即ち前述の第1の追尾方法)させる。そして、別途、有するGPS受信機が複数のGPS衛星の信号を受信できなくなったときは衛星追尾動作(第1、第2の追尾全て)を停止し、複数のGPS衛星の信号を受信できるようになったとき前述の第1の追尾方法から開始して第2の追尾方法へと移る衛星追尾動作を再開するものである。
特許文献1に記載のものでは、電波遮断/遮断明けの判断をGPS衛星の電波の受信可/不可に基づいて判断するため、GPS受信装置を備えていることが必須である。また、例えばGPS衛星の一つが地平線に近い位置にあるときは、例えばトンネルの奥のほうでも受信できる場合があり、これによる誤判断を避けるため、電波遮断明けの判断には受信できたGPS衛星の数が複数であることを条件としている。このような条件から、特許文献1の装置構成では、GPS衛星の電波を複数受信できるようになるタイミングと、通信衛星からの電波の電波遮断明けになることとの間にほとんど時間差がない。その理由はGPS衛星の電波が1.5GHz程度、通信衛星の電波が12GHz程度と差はあるものの、回折による遮蔽領域への回り込みがないという点で、両者はほぼ同じ特性(直線性)を示すからである。そして複数のGPS衛星の電波を受信できるようになってから通信衛星の追尾を開始し、通信衛星の捕捉に成功するまでのあいだ、前述のように数10秒掛かる場合があるため、移動体が通信の可能な位置にいながら通信再開が遅延してしまうという課題があった。
特開2000−59282
従来の通信衛星追尾アンテナは以上のように構成されていたので、まず、必ずGPS受信装置を備えなければならないという課題があった。また、電波遮断明けの後にまず第1の追尾方法で追尾を開始し、衛星の捕捉後に第2の追尾方法を実行し、この後にようやく通信再開となるので、電波遮断明けになっても直ちには通信が再開できないという課題があった。
この発明の通信衛星追尾アンテナは、移動体に搭載され、装荷されたビームアンテナの向きを上下、左右に駆動させるアンテナ架台、天頂付近に位置している移動通信衛星と通信可能な周波数における前記ビームアンテナのビーム幅を変化させるビーム幅調整手段、
前記ビームアンテナに接続され受信信号の信号レベルを出力する通信装置、
前記信号レベルが最大になるよう前記アンテナ架台を駆動制御する架台制御装置、
前記信号レベルが最大になるよう前記ビーム幅調整手段を制御するビーム幅制御装置、
前記信号レベルが所定のレベルを下回ったとき電波遮断状態と判断して、前記架台制御装置の制御を停止させるとともに、前記ビーム幅制御装置に指令して前記ビーム幅を最大値に設定して停止させる電波遮断検出回路を備えたものである。
この発明の通信衛星追尾アンテナは、電波遮断中にアンテナのビームの幅を広くしておく。電波遮断明けのときには広ビームであるため、位置が天頂付近に限定される準天頂通信衛星の電波なら直ちに受信できる。そしてビーム幅を狭める制御とともに、直ちに電波追尾(前述の第2の追尾方法)を行うことができるので、衛星の捕捉に要する時間を短縮できる。
また、無指向性アンテナによる比較的低い周波数の受信により、電波遮断明けとなる少し前に、電波遮断明けが近いことを予測して、あらかじめアンテナを衛星の方向に向ける制御(第1の追尾方法)を先行して開始するので、電波遮断明け後に衛星の電波を捕捉するまでの時間を短くすることができる。
本発明の通信衛星追尾アンテナの最良の実施形態について以下に説明する。実施の形態1と実施の形態2で説明するアンテナは準天頂通信衛星と通信するためのもの、関連技術説明1で説明するものは全ての通信衛星を対象としたものである。
実施の形態1.
背景技術で説明したように、アンテナによる衛星追尾の従来の制御方法には大略3つの方法がある。本実施の形態1ではこれらの制御方法の内、第2、第3の追尾方法を利用するが、念のため全ての方法について再度説明する。
第1の追尾方法は、方位/仰角制御ともよばれ、衛星の方位と仰角はあらかじめ記憶した軌道データによりスケジュールとしてほぼ分かっているので、何らかの手段によって得た現在の移動体の向きや姿勢をもとに、衛星の見かけの方位と仰角とを算出し、その方向へアンテナを指向させるものである。この方法は予定の衛星位置に誤差があるため、衛星との安定した通信を行うには誤差が大きすぎる。また、制御開始前にアンテナの方向が衛星の方向と全く異なる方向を向いてしまっていた場合には、追尾を再開しても通信衛星を捉えるまでに数10秒の時間を必要とする。
第2の追尾方法は、電波制御とも呼ばれ、ほぼ衛星の方向に向けられたアンテナを所定の小さい角度幅で上下左右に首振りさせると、その間に衛星の電波強度が変動するので、常に受信強度が最大になる方向へアンテナの向きを制御するものである。アンテナを正確に衛星の方向へ向けることができるが、所定の首振り角内に衛星がないほどずれているときには制御できない。
第3の追尾方法は、いわゆる揺れ止め制御とも呼ばれるもので、姿勢センサや加速度センサなどによって得たアンテナ架台の姿勢の変化をもとに、その変化をうち消す方向へアンテナを指向させるものである。この方法で移動体の揺れをキャンセルすることができる。一般には第2の追尾制御と併用して用いられる。
図1は本発明の実施の形態1による通信衛星追尾アンテナの構成図である。トンネル98の中の道路99を移動体1が走行し、いま、まさにトンネル98の出口97を抜け出ようとしている。移動体1には常に天頂付近に位置している移動通信衛星(以下準天頂通信衛星)100とKu帯(12〜14GHz)の電波で通信するための指向性アンテナ2(ビームアンテナとも言う)が、上下左右の方向に制御可能な架台3に装荷されて搭載されている。指向性アンテナ2は円偏波で、そのビーム幅を連続的に変化させることができるビームアンテナ、例えばパラボラである。
移動体1の内部にはアンテナ2に接続され、受信した信号の強度を信号レベルとして出力できる通信装置4と、架台3を制御する架台制御装置5とが配置されている。
図2は図1に示されたアンテナ2のビーム幅について説明する図である。図において2aは準天頂通信衛星と通信を行うための狭ビーム幅の特性を示し、例えば数度の角度幅を持つ。2bは通信を目的とせず、単に準天頂衛星の信号の受信が可能であるかどうかを確認するための広ビーム幅の特性を示し、例えば30度程度の幅を持つ。無論、広ビーム2bの場合のアンテナゲインは狭ビーム2aの場合より10数db程度低い。アンテナのビーム幅を変化させる技術(ビーム幅調整手段という)については、アンテナの種類が何であれ、多くの公知文献があるのでここでは詳細な説明を省略するが、例えばここで図示説明に用いているパラボラアンテナの場合には、反射器に対する放射器の位置を前後させることでビーム幅を連続的に変化させることが出来るし、また、ビーム幅の異なる複数のアンテナを切り替えれば当然ビーム幅を変化させることができる。
図3(a)は図2のアンテナの指向性パターンを示す図で角度に対するゲインを、図3(b)は後の説明に対する理解を助けるため、図3(a)を、横軸に角度、縦軸にゲインをとった図に書き変えたものである。なお、図では狭、広2つの特性のみを示しているがアンテナ2はこの間の特性をほぼ連続的にとることができるものである。
図4は図1の架台制御装置5などの詳細構成を説明するためのブロック図である。
通信装置4は入出力装置4aとの間で通信伝送すべき音声/映像などのデータの授受を行うとともに、受信している衛星の電波強度を電波強度信号40として出力する。
衛星との通信を継続中には、架台制御装置5は架台制御回路5aを有し、通信装置4が出力した電波強度信号40を受けて前述の第2の追尾制御を行って、電波強度信号40が最大となる方向にアンテナ架台3を制御する。即ち、アンテナ2、通信装置4、架台制御回路5a、アンテナ架台3は通信衛星100を介して第1の閉ループを構成している。この制御は公知であるから詳細な説明は省略する。
通信装置4の電波強度信号40は、また、ビーム幅制御装置25にも入力される。図5は、ビーム幅制御装置25の動作を説明するため、仮に衛星100の方向がアンテナ2のビームの中心方向から10度程度ずれていた場合に、アンテナ2の方向を変えずに、ビーム幅のみを変化させた場合の受信信号強度の変化を示したものである。
ビーム幅が最小の時にはアンテナのゲインは高いが衛星の方向でのゲインは低いので信号強度は弱い。
ビーム幅が最大の時にはアンテナのゲインが低く、衛星の方向でのゲインも低いので信号強度は弱い。
ビーム幅が最適の時(10〜15度)にはアンテナのゲインは中間程度で衛星の方向のゲインも低くないので信号強度はある程度強い。即ち、ビーム幅を最小から最大に変化させるとその間の、衛星の方向のゲインが最大になるビーム幅をとったときに信号強度は最大値を持つ。
ビーム幅制御装置25とアンテナ2と通信装置4とは第2の閉ループを構成し、電波強度信号40がより大きくなる方向にビーム幅を自動制御する(この制御を以後ビーム幅自動制御という)。
通信装置4の電波強度信号40は、更に、電波遮断検出回路6にも入力される。電波遮断検出回路6は電波強度信号40がほぼゼロのとき、即ち、アンテナ2が衛星の信号を全く受けていないと判断したときには電波状態信号109をビーム幅制御装置25と架台制御回路5aとの両方に出力して、電波遮断を通知し、弱くても受信していると判断したときには電波状態信号109により電波遮断明けを通知する。
ビーム幅制御装置25は電波遮断検出回路6から電波遮断の通知を受けたときには、前述の第2の閉ループ制御を止め(電波強度信号40が入力されないからオープンループになってしまう)、ビーム幅を最大にする。その後、電波遮断検出回路6が電波遮断の通知を解除したとき、通信装置4から受けた衛星電波の受信信号40にもとづき、前述のビーム幅の制御を再開する。
架台制御回路5aは電波遮断検出回路6から、電波遮断を通知されたとき架台の制御を中断する。その後、電波遮断検出回路6が電波遮断の通知を解除したとき、通信装置4から受けた衛星電波の受信信号40にもとづき、前述の第2の追尾方法によるアンテナの指向制御を開始する。第2の追尾方法については公知の技術であるから詳細な動作説明は省略する。
説明の都合上、トンネル98は直線ではなく途中で大きくカーブしており、移動体1がトンネルの内部を通過しているうちに、姿勢センサの誤差分が増大するなどして、アンテナ2は準天頂通信衛星100の方向を向かなくなっているものとする。アンテナ2のビーム幅は前述の通り狭ビーム幅で数度、広ビーム幅で30度の程度に調整されている。広ビームの場合のアンテナゲインは狭ビームの場合に比して数10分の1程度となる。
トンネルの出口97を通過したとき、アンテナ2の指向方向が正確には準天頂通信衛星100の方向を向いていなくても、アンテナ2が広ビーム幅に設定されていることと、準天頂通信衛星100の位置が天頂の付近に限定されているということから、アンテナ2は準天頂通信衛星100の信号を受信することが出来る(勿論、アンテナゲインが低いために受信出来ると言ってもデータの誤り率が高くデータ通信はできない)。
準天頂通信衛星100の電波を受信すると、電波遮断検出回路6は、ただちに電波状態信号109により電波遮断明けを出力し、ビーム幅制御回路25はこの信号を受けてアンテナ2のビーム幅自動制御を再開する。このとき同時に、架台制御回路5aは第2の追尾方法によりアンテナ架台3を制御して衛星追尾を開始するので、アンテナ2が狭ビームに制御されたとき衛星の捕捉を失敗すると言うことはない。
このように、移動体1がトンネル98に入ると、ビーム幅自動制御が中断されて、アンテナ2のビーム幅が最大に設定されるとともに、架台3の制御も中止される。移動体1が、トンネルから抜け出るとビーム幅が最大なので準天頂通信衛星100の電波は弱いけれども必ず受信される。そしてビーム幅制御とアンテナ2の方向制御とが同時に実行されるので、やがてアンテナ2はビーム幅が最小で準天頂衛星の方向に向くようになる。
また、移動体1の姿勢センサAから、姿勢(移動体の3次元的回転加速度など姿勢の変化にかかわる信号)信号が出力され、この信号は架台制御回路5a内の揺れキャンセル回路5bに移動体1の姿勢変化信号50として入力される。アンテナ2が衛星と通信しているとき移動体1の揺れによりアンテナの指向方向が急激に変化しても、姿勢変化信号50に基づいてアンテナ2の方向は一定方向に保持される。この制御は揺れ止め制御として公知なので詳細な説明は省略する。ただし、この揺れキャンセル回路5bによる制御は、移動体1が鉄道車両の場合のように小さくて、その傾斜角の最大値がアンテナ2の狭ビーム幅より小さい場合には省略してもよい。
なお、第1の閉ループと第2の閉ループとが二重の自動制御系を構成していることと、
アンテナ2の広ビームパターンを図3(a)の2bのようなきれいな形にすることが難しく、二股特性になったりすることがあるので、トンネル通過後、ビーム幅自動制御と第2の追尾方法とを同時には行わず、所定の時間間隔で交互に実施してもよい。
広ビーム幅で受信する電波は準天頂通信衛星のものとして説明したが、他の周波数、例えばあらかじめ位置がスケジュールとしてわかっているGPS衛星のうち、準天頂通信衛星の方向にあるものを用いてもよい。
実施の形態1の通信衛星追尾アンテナによれば、衛星が準天頂通信衛星100であることが必要ではあるが、トンネル通過後に電波を受信するためのアンテナの方位制御をしなくても、いきなり電波を受信してその信号強度が最大になるように、アンテナビーム幅とアンテナ指向方向の制御を制御することができるので、通信の再開までに要する時間を短縮することができるという作用効果を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1で示したパラボラ形式のアンテナでは、広ビームにするために例えば放射器の位置を変えると、例えば図6に示すように広ビームの特性2bが二股になる場合があり、安定したビーム幅自動制御が行えない。そこで図7に示すように平面71(パッチという)状の複数のアンテナを組み合わせたパッチアレーアンテナ70を用いる。同一方向を向いたパッチ71の数を増やせば増やすほど鋭いビームが得られる。また、各々の方向を少しずつ、ずらせばくびれのない広ビーム特性が得られる。
関連技術説明1.
図8は本発明技術に関連する通信衛星追尾アンテナの構成図である。トンネル98の中の道路99を移動体1が走行し、いま、まさにトンネル98の出口97を抜け出ようとしている。移動体1には通信衛星101(衛星の種類は問わない)とKu帯(12〜14GHz)の電波で通信するための指向性アンテナ20が、方向制御可能な架台3に装荷されて搭載されている。
そして移動体1の内部にはアンテナ20に接続され受信した信号の強度を第1の信号レベル(電波強度信号40)として出力する通信装置4と、架台3を制御する架台制御装置5とが配置されている。
図9は図8の架台制御装置5などの構成の詳細を説明するためのブロック図である。
通信装置4は入出力装置4aとの間で通信伝送すべき音声/画像などのデータの授受を行う。架台制御装置5は架台制御回路5aを有し、架台制御回路5aには通信装置4から、受信した電波強度信号40が入力される。また、移動体1の姿勢センサAから、姿勢(前述と同じ)信号が出力され、この信号を移動体の姿勢演算回路Bが受けて積分することにより、移動体1の姿勢(車両の場合は車両が向いている方向と、上下傾斜角、左右傾斜角)の変化が演算される。この演算結果は架台制御装置5aに移動体1の姿勢信号60として入力され、あらかじめ記憶している衛星の軌道データ(図示しない)を利用して、架台3を第1および第3の追尾方法で制御することに使用される。
架台制御装置5は、電波遮断に入ったときアンテナ2の衛星追尾制御(第1、第2、第3の全て)を停止するが、その後、特定の指令(後述の遮断明け予告信号110)を受けたとき、遮断前にアンテナの向いていた方向(移動体から見た方向ではなく真の方位と真の仰角である)に、あるいは前述の軌道データにもとづき衛星の方向にアンテナを指向させる前述の第1の追尾方法を行うことができる。そのために移動体1には自位置を測定する自位置測定手段が搭載されている(図示しない)。
また、架台制御回路5aは通信装置4から受けた衛星電波の電波強度40にもとづき、電波強度が最大となる方向へアンテナを指向させる前述の第2の追尾方法によるアンテナの指向制御をおこなう。
これら第1、第2、第3の追尾方法については公知の技術であるから詳細な動作説明は省略する。
説明の都合上、トンネル98は直線ではなく途中で大きくカーブしており、移動体1がトンネルの内部を通過しているうちに、姿勢センサの誤差分が増大するなどしてアンテナ20は通信衛星101の方向を向かなくなっているという想定で説明する。
移動体1の外部(例えば上部)には無指向性アンテナ10が搭載される。無指向性アンテナ10は図示しない受信装置により、衛星の通信周波数(Ku帯)に比して低い周波数、例えばKu帯の周波数のほぼ1/10から1/1000、即ち、約1GHz〜10MHZ間のあらかじめ定めた任意の周波数を受信する。そして、前記受信装置は受信した信号の強度を第2信号レベルとして電波遮断明け予測回路11に入力する。
このような低い周波数の電波は、説明するまでもなく、通信衛星のKu帯の電波に比べるとはるかに回折性があり、トンネル98の入り口から数10m程度の奥まで(無論トンネルの大きさと利用する周波数により程度の差はあるが)到達する。電波遮断明け予測回路11はあらかじめ定めた特定の周波数の電波が、受信できていない状態から、受信できる状態へと変化したこと(即ち、レベル変化の増大/減少の方向)をもって、移動体1がトンネル98の出口97に近いことを予測する。これを予測するとただちに遮断明け予告信号110を架台制御回路5aに送る。
架台制御回路5aは、通信装置4が出力するKu帯の電波の受信強度信号40が受信できないことを示していて、かつ、遮断明け予告信号110も出力されていないとき架台の制御を中断する(これについては再度説明する)。
また、通信装置4が出力するKu帯の電波の受信強度信号40が受信できないことを示しており、かつ、遮断明け予告信号110が入力されていることにより、第1の追尾方法によりアンテナ架台3を制御して衛星追尾を開始する。
図10は以上の説明の理解を助け、本説明の効果を示すため、横軸にトンネルを含む距離をとり、トンネルの出口位置を97、衛星の電波電界強度を80、無指向性アンテナが受信する低周波数電波の受信強度を32、アンテナの第1の追尾方法による指向制御を33、アンテナの第2および第3の追尾方法による指向制御を34、通信衛星101と通信可能となるタイミングを35で示している。
本発明の場合、トンネルを抜け出るより数10m手前から、アンテナの第1の追尾方法による指向動作を開始しているので、トンネルを抜けると直ちに通信衛星の電波を捕捉して第2の追尾方法による追尾を開始することができるので、通信再開のタイミングを早めることができる。
無指向性アンテナ10で受信するあらかじめ定めた任意の周波数とは、例えば発信地点が極端に近くでない短波帯の特定の放送局、各国の標準電波放送局などを利用すればよく、走行開始にともないあらかじめ選定した複数の局の中から受信状態のよい周波数を選んで使用すればよい。
図10に示すごとく、移動体1がトンネル98へと進入したとき、低周波数の電波はすぐに受信できなくなるわけではないから、衛星電波は受信できないが低周波数電波は受信できる状態がしばらく続くことになる。この状態を電波遮断明け間近と誤認しないよう、電波遮断明け予測回路11は過去数分間の低周波数電波の受信記録を記憶し、良好受信状態から受信感度低下へと変化して電波遮断へ移行する状態と、受信感度低下状態から良好受信状態へと変化する電波遮断明け間近とを識別する識別回路11aを備えている。
識別回路11aにより電波遮断と判断されたときには、アンテナ2の衛星追尾動作の停止はアンテナ2がKu帯の電波を受信できなくなった後、直ちに停止するようにすればよい。
移動体1がトンネル98でなく、ビルの谷間や高架道路の下など、比較的オープンな地域を走行し、Ku帯の電波は断続するが、低周波数の電波が常時良好に入感する状態が続いたときには、識別回路11aにより電波遮断明け間近の判断がなされ、第1の追尾方法による衛星の追尾動作が継続されるので好都合である。
図9の構成において、姿勢センサAは3次元的角度センサであると説明したが、移動体1が車両である場合、その左右/前後の傾斜は一般には数度以内に限定されるので
左右/前後の傾斜を無視して方位センサのみを用いることでもほぼ目的を達成できる。この場合、第1の追尾方法による追尾の精度が低下するが、用いるアンテナ2の指向性がブロードであればとくに不具合が生じるということはない。
また、上記方位センサとしては、例えばGPSにより移動体1の位置の変化を検出し、進行方向を車両の向いている方向としてもよい。
無指向性アンテナ10には特別なものを用意しなくても、車両のラジオ受信機に用いるホイップアンテナで十分である。
この発明の通信衛星追尾アンテナは、それぞれ制約はあるが準天頂通信衛星、静止衛星、周回衛星のいずれにも使用することが出来る。
本発明の実施の形態1による通信衛星追尾アンテナの使用形態説明図である。 図1のアンテナの特性説明図である。 図2のアンテナの特性図である。 図1の通信衛星追尾アンテナの構成図である。 図4のビーム幅自動制御の特性説明図である。 本発明の実施の形態2の通信衛星追尾アンテナの特性を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2の通信衛星追尾アンテナに用いられるパッチアンテナの構成図である。 本発明の関連技術説明1による通信衛星追尾アンテナの使用形態説明図である。 図8の通信衛星追尾アンテナの構成図である。 図9の効果の説明図である。
符号の説明
1 移動体、 2 ビーム幅可変の指向性アンテナ、 2a 狭ビーム特性、
2b 広ビーム特性、 3 アンテナ架台、 4 通信装置、 5 架台制御装置、
5a 架台制御回路、 6 電波遮断検出回路、 10 無指向性アンテナ、
11電波遮断明け予測回路、 20 ビームアンテナ、
25 ビーム幅制御装置、 40 電波強度信号、 50 姿勢変化信号、
70 パッチアレーアンテナ、 71 パッチ、 97 トンネルの出口、
98 トンネル、
100 準天頂通信衛星(常に天頂付近に位置する移動通信衛星)、
101 通信衛星、 109 電波状態信号、 110電波遮断明け予告信号、
A 移動体の姿勢センサ。

Claims (3)

  1. 移動体に搭載され、装荷されたビームアンテナの向きを上下、左右に駆動させるアンテナ架台、
    天頂付近に位置している移動通信衛星と通信可能な周波数における前記ビームアンテナのビーム幅を変化させるビーム幅調整手段、
    前記ビームアンテナに接続され受信信号の信号レベルを出力する通信装置、
    前記信号レベルが最大になるよう前記アンテナ架台を駆動制御する架台制御装置、
    前記信号レベルが最大になるよう前記ビーム幅調整手段を制御するビーム幅制御装置、
    前記信号レベルが所定のレベルを下回ったとき電波遮断状態と判断して、前記架台制御装置の制御を停止させるとともに、前記ビーム幅制御装置に指令して前記ビーム幅を最大値に設定して停止させる電波遮断検出回路を備えたことを特徴とする通信衛星追尾アンテナ。
  2. 前記ビームアンテナは、複数のパッチを含むパッチアレーアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の通信衛星追尾アンテナ。
  3. 前記架台制御装置は、前記移動体に搭載された前記移動体の姿勢を検出する姿勢センサにもとづき前記移動体の姿勢の変化を検出し、この姿勢変化データにもとづき前記移動体の遥動をキャンセルするように前記アンテナ架台を制御する遥動キャンセル回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信衛星追尾アンテナ。
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